JP2006124290A - ヨモギ抽出液を主成分とする培地で得られる微生物培養物ならびにそれらを用いた製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより、得ることができる。また、化粧料、飲料、食品又は飼料等の原料として、あるいは、これら製品又は原料に添加する添加物を調整する。
【選択図】なし
Description
このメラニンは表皮基底層に存在するメラノサイトと呼ばれる色素細胞内のメラノソームにおいて、チロシナーゼによってチロシンから各種メラニン中間代謝産物を経て、酸化重合して生成されると考えられている。
そして、紫外線等により生成された活性酸素がこの反応系を活性化させるためにメラニンが過剰に生成され、皮膚への色素沈着を促進していると考えられている。
このようなことから、抗酸化能が強く、しかも、汎用性が高く、さらに、天然物由来の安全性の高い抗酸化物質の開発が望まれていた。
本発明者は、天然物であるこのケフィア粒を化粧料、飲料、食品又は飼料などに利用した場合、人、動物にとって安全であることを見出し、さらに、様々な利用方法について鋭意研究を重ねてきた。そして、ケフィア粒を緑茶のエキスにて培養し、その微生物培養物から菌体を除去した培養液が優れた皮膚美白効果を有することを見出し、また、ケフィア粒に抗酸化能を有することを見出し、その培養液を化粧料として用いることにした(特許文献1参照)。
(1) ケフィア(Kefir)粒から分離された抗酸化能を有するラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物であって、メラニン生成抑制効果を有する微生物培養物に関するものである。
(2) ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物であって、抗酸化能を有する微生物培養物に関するものである。
(3) ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、メラニン生成抑制効果及び抗酸化作用を有する化粧料に関するものである。
(4) ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、抗酸化作用を有する飲料に関するものである。
(5) ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、抗酸化作用を有する食品に関するものである。
(6) ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、抗酸化作用を有する飼料に関するものである。
ケフィア粒から分離された微生物群には、菌株アセトバクター セレヴィシアエ(Acetobacter cerevisiae)SIID1719−2b、菌株グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)SIID1719−3b、菌株ラクトバシラシー(Lactobacillaceae)科の新種であるラクトバシラス属(Lactobaccilus sp.)SIID1719−6b、菌株ピヒアメンブラニ ファシエンス(Pichiamembrani faciens)SIID1719−1y、菌株サッカロマイセス セレヴィシアエ(Saccharomyces cerevisiae)SIID1719−4y及び菌株ピヒアアノマラ(Pichia anomala)SIID1719−5yが存在している。
なお、(Lactobacillaceae)科の新種であるラクトバシラス属(Lactobacillus sp.)SIID1719−6b(FERM AP−20062)は、すでに独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託済みである。
先ず、B16mouse melanoma cellを2.0×105cell/wellとなるように細胞培養用wellに添加し、RPMI1640培地で培養した。24時間後にヨモギ培地のみ、SIID1719−6bをヨモギ培地で48時間培養した培養物(ヨモギ培地培養物)をそれぞれ全培養液の1/10となるように添加した。また、ポジティブコントロールとしてコウジ酸を終濃度100μg/mlとなるように、ネガティブコントロールとして、蒸留水を10倍希釈となるように添加し、3日間培養した。次に、10%DMSO−1NNaOHを用いて細胞からメラニンを溶かし出し、470nmの吸光度を測定することでメラニンを定量した。各サンプルのメラニン生成抑制効果は、ヨモギ培地のみ、ヨモギ培地培養物、コウジ酸で培養した細胞のメラニン量(S)と、蒸留水(C)で得られた細胞のメラニン量を比較することで求めた(次式(1)参照)。その結果を、図1のグラフにメラニン生成抑制効果として示す。
メラニン生成抑制効果で知られているコウジ酸及びヨモギ培地のみよりも、菌株ラクトバシラシー(Lactobacillaceae)科の新種であるラクトバシラス属(Lactobacillus sp.)SIID1719−6bを添加培養することで、メラニン生成抑制効果が高まることが確認された。
抗酸化能試験は次のように実施した。
菌株ラクトバシラシー(Lactobacillaceae)科の新種であるラクトバシラス属(Lactobacillus sp.)SIID1719−6bをヨモギ培地で48時間培養し、このヨモギ培地培養物を終濃度5%となるように添加し、DPPHラジカル消去率を確認した。ヨモギ培地培養液の抗酸化能をヨモギ培地のみ、ブランクとして蒸留水を用いて比較した。
ラジカル消去反応時間が長くなるにつれて、抗酸化能の効果が高くなることが確認された。また、ヨモギ培地のみと比較してヨモギ培地培養物の抗酸化能が高かったことから、菌株を添加することにより高い抗酸化能が得られることが確認できた。
Claims (6)
- ケフィア(Kefir)粒から分離された抗酸化能を有するラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物であって、メラニン生成抑制効果を有する微生物培養物。
- ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物であって、抗酸化能を有する微生物培養物。
- ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、メラニン生成抑制効果及び抗酸化作用を有する化粧料。
- ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、抗酸化作用を有する飲料。
- ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、抗酸化作用を有する食品。
- ケフィア(Kefir)粒から分離されたラクトバシラシー(Lactobacillaceae)に属する新種の微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を、ヨモギ抽出液を主成分とする培地で培養することにより得られる微生物培養物を添加した、抗酸化作用を有する飼料。
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