図1は、本発明の実施形態に係る印刷システムの構成を示す図である。本発明における印刷システムは、複数の印刷装置を有する。本システムでは、ユーザが使用する印刷装置で印刷できるジョブを、他の印刷装置に分散して処理、或いは、他の印刷装置で代行して処理することを可能とする。
ここで、自装置と他の印刷装置とで処理を分散して実行させる一例のクラスタプリントについて具体例を挙げる。本形態では、以下のようなクラスタプリント動作を本システムにて実行可能に制御している。
例えば、MFP101に取り込んだ処理対象のジョブのデータのプリント処理を、MFP101自身のプリンタ部202により実行させると共に、他の印刷装置に相当する、MFP102及び/又はSFP105により、実行させる。尚、このようなクラスタプリントのことを、本明細では、分散印刷とも呼ぶ。
本形態では、MFP101が、処理対象のジョブのデータ入力源として分散印刷させる場合、該MFP101を、マスター装置或いはローカルプリンタと呼ぶ。分散印刷先の他の印刷装置を、スレーブ装置或いはリモートプリンタと呼ぶ。
例えば、MFP101がマスター装置として分散印刷させる場合、MFP101の制御部201は、スキャナ部202或いは外部装置から入力させた処理対象のジョブのデータを、MFP101のハードディスク304に格納させる。尚、該外部装置の1例としては、ホストコンピュータやMFP101以外の他の印刷装置が、これに該当する。MFP101の制御部201は、該ハードディスク304に格納させた該ジョブのデータを、MPF101自身のプリンタ部202に転送し、プリントさせる。且つ、ネットワーク104等の所定のデータ通信媒体を介して、他の印刷装置に転送する。これにより、自装置によるプリント処理と、並行して(同時に)、他の印刷装置によりプリント処理を実行させる。このようなMFP101をマスターとした分散印刷を実行可能に構成する。
尚、本形態は、当然、MFP101以外の印刷装置がマスター装置となって、分散印刷を実行可能に構成している。例えば、MFP102がマスター装置となりクラスタプリントを実行可能に構成している。
MFP102が、処理対象のジョブのデータ入力源として、分散印刷させる場合、該MFP102を、マスター装置或いはローカルプリンタと呼ぶ。分散印刷先の他の印刷装置を、スレーブ装置或いはリモートプリンタと呼ぶ。
MFP102がマスター装置として分散印刷させる場合、例えば、MFP102の制御部は、自装置のスキャナ部或いは外部装置から入力させた処理対象のジョブのデータを、MFP102のハードディスクに格納させる。尚、ここでの外部装置とは、ホストコンピュータやMFP102以外の他の印刷装置のことである。MFP102の制御部は、自装置のハードディスクに格納させた該ジョブのデータを、MPF102自身のプリンタ部に転送し、プリントさせる。且つ、ネットワーク104等の所定のデータ通信媒体を介して、他の印刷装置に転送する。これにより、自装置によるプリント処理と、並行して(同時に)、他の印刷装置によりプリント処理を実行させる。このようなMFP102をマスターとした分散印刷を実行可能に構成する。
また、本形態では、SFP105等、スキャナユニットを具備しないタイプの印刷装置がマスター装置となって、クラスタプリントを実行可能にも構成している。例えば、SFP105がマスター装置となりクラスタプリントを実行可能に構成している。
SFP105が、処理対象のジョブのデータ入力源として分散印刷させる場合、該SFP105を、マスター装置或いはローカルプリンタと呼ぶ。分散印刷先の他の印刷装置を、スレーブ装置或いはリモートプリンタと呼ぶ。
SFP105がマスター装置としてクラスタプリントする場合、例えば、SFPの制御部211は、外部装置から入力させた処理対象のジョブのデータを、自装置のハードディスク314に格納させる。尚、ここでの外部装置とは、ホストコンピュータやSFP102以外の他の印刷装置である。SFP105の制御部211は、自装置のハードディスク314に格納させた該ジョブのデータを、SPF105自身のプリンタ部212に転送し、プリントさせる。且つ、ネットワーク104等の所定のデータ通信媒体を介して、他の印刷装置に転送する。これにより、自装置によるプリント処理と、並行して(同時に)、他の印刷装置によりプリント処理を実行させる。このように、SFP105をマスタ装置とした、分散印刷も実行可能に構成する。
尚、SFP105は、スキャナユニットを具備しない。故に、SFP105がマスター装置となってクラスタプリントする場合、ホストコンピュータ或いはMFPのスキャナユニットから入力させたジョブのデータをSMP105により受信させる。そして、外部から受信したジョブデータをSMP105のハードディスク314に、格納させる。そして、該ハードディスク314に保存させたジョブのデータのクラスタプリント実行指示を、SFP105のUIユニット214を介してユーザから受付可能にする。そして、該指示により、SFP105がマスター装置として動作させるクラスタプリント処理を実行可能に構成する。
本形態は、以上のようなクラスタプリント動作を図1のシステムにて実行可能に構成する。
尚、図1のシステム構成にて実行可能なクラスタプリント動作の1例としては、例えば、少なくとも、以下に列挙するものがある。
(1)MFP101とMFP102の2台の印刷装置による分散印刷。
(2)MFP101とSFP105の2台の印刷装置による分散印刷。
(3)MFP102とSFP105の2台の印刷装置による分散印刷。
(4)MFP101とMFP102とSFP105の3台の印刷装置による分散印刷。
尚、上記(1)〜(4)の4つのパターンの全てのクラスタプリント動作を実行可能に構成しても良い。或いは、少なくとも、いずれかのパターンを実行可能に構成しても良い。しかし、少なくとも、(2)や(3)等、(1)以外のパターンの分散印刷を実行可能に構成する事が望ましい。
換言すると、例えば、(1)のような、同一機能の、及び/又は、同等処理が実行可能な、印刷装置同士により、分散印刷動作を、実行可能にするのみならず、(2)や(3)のような分散印刷動作を実行可能に構成する。
即ち、同一機能の、及び/又は、同等処理が実行可能な、印刷装置では無い、印刷装置同士により、クラスタプリントを実行可能にする。例えば、本形態では、異機種や異シリーズ同士の複数台の印刷装置を用いる分散印刷動作の実行を、禁止せずに、許可するよう制御する。
尚、図1のシステムにてクラスタプリント動作を実行させる場合にて、処理対象のジョブの画像データを入力するデータ入力源の1例としては、少なくとも、次のいずれかのデータ入力ユニットを利用可能とする。
(1)MFP101のスキャナ。
(2)MFP102のスキャナ。
(3)ホストコンピュータ103。
又、クラスタプリントの実行指示を含む各種指示をユーザにより入力可能にする為のユーザインタフェースユニット(以後、本形態ではUIとも呼ぶ)の1例としては、少なくとも、次の何れかのUIを利用可能とする。
(1)ホストコンピュータ103が具備する、本形態の印刷装置101、102、105等の為のプリンタドライバ画面を表示可能な表示装置や、キーボードやマウス等のポインティングデバイス。
(2)MFP101の操作部。
(3)MFP102の操作部。
(4)SFP105の操作部。
又、クラスタプリントでは、一連のプリント動作を複数の印刷装置で分担させるが、本形態では、少なくとも、1つのジョブを、部数単位で、分散印刷可能とし、且つ、以下の2つの分散方法の何れかでもって、分散印刷可能とする。
(1)均等配分方法。
(2)能力配分方法。
例えば、MFP101のUIを介して、5ページからなるドキュメントデータを100部印刷させる指示がユーザにより入力されたとする。即ち、処理対象のジョブの処理条件の1つとして、UIを介してユーザにより設定された印刷部数が、100部であるとする。又、MFP101とMFP102の2台の印刷装置を用いてクラスタプリントを実行させる為の指示が、MFP101のUIを介して、ユーザにより入力されたとする。
上記処理条件のジョブを、(1)均等配分方法により、クラスタプリントさせる場合の制御例を説明する。トータルの印刷部数が100部の該ジョブのドキュメントデータを、均等配分で、分散印刷させる場合、例えば、マスタ装置のMFP101の制御部201は、MFP101とMFP102の2台に対して、均等に、印刷部数を振り分ける。
即ち、この例では、100部÷2台=50部という計算方法を適用する。そして、MFP101に、5ページから成る該ドキュメントのプリント処理を、50部数分、実行させる。且つ、この動作に並行して(同時に)、MFP102に、残りの部数、即ち、5ページから成る該ドキュメントのプリント処理を、50部数分、実行させる。このような均等配分による分散印刷を実行可能にする。
次に、上記処理条件のジョブを、(2)能力配分方法により、クラスタプリントさせる場合の制御例を説明する。トータルの印刷部数が100部の該ジョブのドキュメントデータを、能力配分で分散印刷させる場合、例えば、マスタ装置のMFP101の制御部201は、MFP101とMFP102の2台に対し、印刷速度に応じた配分を行う。
例えば、仮に、MFP101は、一分間に最大60枚プリント可能な印刷装置であるとする。他方、MFP102は、一分間に最大40枚プリント可能な印刷装置であるとする。即ち、速度差は、3:2である。マスタ装置のMFP101の制御部201は、MFP101の分配部数として、100部÷(60枚÷(60枚+40枚))=60部を割り当る。他方、MFP102の分配部数として、100部÷(40枚÷(60枚+40枚))=40部を割り当る。このような配分計算を経て、MFP101に、5ページから成る該ドキュメントのプリント処理を、60部数分、実行させる。且つ、この動作に並行して(同時に)、MFP102に、残りの部数、即ち、5ページから成る該ドキュメントのプリント処理を、40部数分、実行させる。このような能力配分による分散印刷を実行可能にする。
尚、上記2つの何れかの配分方法による分散印刷を実行可能に構成しても良いが、印刷部数の配分計算処理等、主体となる制御は、マスタ装置のMFP101の制御部201により、行う事が望ましい。
又、本形態では、上記の如く、各印刷装置に対する分配部数の割当て処理は、UIを介して入力されたユーザによるトータルの印刷部数を基に、制御部が、実行する。即ち、上記例だと、ユーザは、トータルの印刷部数に相当する100部という設定自体を、UIを介して実行するだけで良い。
換言すると、50部と50部に分けて分散印刷せよ、或いは、60部と40部に分散印刷せよ等、分配部数の値数自体を、ユーザによりコマンド入力させる必要は無い。本形態は、ユーザ自身が分配部数を直接指定する事無く、ユーザにより入力されたトータルの印刷部数に基いて、分散印刷を実行可能に構成する。
図1に示すように、本実施形態の印刷システムは、複数の多機能周辺機器(MFP)101及び102、クライアントPC(情報処理装置)103、及び、プリンタ等の単機能印刷装置(SFP)105がネットワーク104を介して接続されることによって構成される。これにより、それぞれのMFPはネットワーク104を介して他のMFP、クライアントPC、SFPとデータの授受を行い、本システムにおける印刷に関して図5およびそれ以降の図を参照して後述される処理を実行することができる。
MFP101及び102は、印刷機能の他、コピー機能、スキャナ機能、電話・ファクシミリ機能、などを有することができる。一方SFP105は印刷機能のみを有する。MFP101、102及びSFP105は、それぞれ本発明のローカル印刷装置または代行印刷を行う他の印刷装置となり得るものである。
尚、本発明の印刷装置は、多機能周辺機器の形態であっても、プリンタ、複写機など少なくとも印刷機能を有したものであってもどちらでもよく、印刷機能に加え、少なくとも所定のユーザインターフェースを備えていればよい。一方、代行印刷を行う他の印刷装置は少なくとも印刷機能を有したものである。また、クライアントPC103はパーソナルコンピュータのような一般的なコンピュータとすることができる。
図2Aは、図1に示したMFP101の構成を示すブロック図である。ここで、MFP101は、印刷機能、コピー機能及びスキャナ機能を有する。図2において、コントローラ201は、MFP101を構成する各要素を制御するものであり、図3にて後述されるハードウエア構成を有する。スキャナエンジン202は、CCDセンサや原稿を照射した光をCCDセンサに導く光学系などを備え、コントローラ201の制御に基づき原稿画像を光学的に読み取る動作を行う。プリンタエンジン203は、レーザービームによる電子写真方式の印刷機構を備え、コントローラ201の制御の下、印刷データに基づいて画像を記録媒体に印刷する。フィニッシャー204はプリンタエンジン203に接続され、コントローラ201の制御下でプリンタエンジン203から印刷出力された記録媒体(例えば、記録用紙)を複数まとめてステイプル処理を行う。
ネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標):Ethernet(登録商標))インターフェース205は、コントローラ201と図1に示したネットワーク104を介して接続されるクライアントPC103や他のMFP102との間の双方向通信を可能とする。これにより、例えば本MFP101がローカル印刷装置である場合は、ネットワーク104を介して接続される他の印刷装置に、印刷ジョブを転送することができる。逆に、本MFP101が代行印刷する他の印刷装置に指定された場合は、他のローカル印刷装置から印刷ジョブが送信され、これに基づいた印刷を行うことができる。
その他、ネットワーク104を介して接続される他の装置からインターフェース105を介して統括管理マネージャ(スーパーバイザー:Supervisor)に問い合わせがあった場合には、他の装置は、本MFP101が提供している機能、すなわち、印刷速度、両面印刷、フィニッシャーの種類、サポートしているPDL、指定できる出力BIN数、給紙カセット、ハードディスク搭載の有無、ソート機能等を取得することができる。統括管理マネージャについては後述する。
ユーザインタフェース(UI)206は、タッチパネル形態のLCDディスプレイ306と操作キー307とを備え、コントローラ201による制御の下で各種情報の表示や、入力受付を行う。図5以降の図を参照して後述するように、印刷に関するMFP101における処理では、LCDディスプレイ306にはユーザに印刷に関する操作の案内が表示されるとともに、ユーザの操作キーの操作によるディスプレイ上のボタン操作指示をコントローラ201に伝える。
図2Bは、図1に示したSFP105の構成を示すブロック図である。本実施形態では、SFP101が印刷機能を有するプリンタである場合について説明する。図2Bにおいて、コントローラ211は、SFP105を構成する各要素を制御するものであり、図3Bにて後述されるハードウエア構成を有する。プリンタエンジン212は、レーザービームによる電子写真方式の印刷機構を備え、コントローラ211の制御の下、印刷データに基づいて画像を記録媒体に印刷する。
ネットワークインターフェース212は、コントローラ211と図1に示したネットワーク104を介して接続されるクライアントPC103やMFP101との間の双方向通信を可能とする。これにより、例えばSFP105がリモート印刷装置として指定された場合は、ネットワーク104を介して接続されるMFP101から印刷ジョブが送信され、これに基づいた印刷を行うリモート印刷装置として動作することができる。
又、ネットワーク104を介して接続されるMFP101から、ネットワーク104を介してSFP105が有する機能等に関する問い合わせがあった場合には、MFP101に対してSFP105が有する機能(印刷速度、記録紙サイズ、両面印刷機能など機能情報)を通知する。ユーザインタフェース(UI)214は、ディスプレイや操作キーを備え、コントローラ211による制御の下で各種情報の表示や、入力受付を行う。
図3Aは、図2Aに示したコントローラ201のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3Aに示すように、コントローラ201はCPU301、メモリ(RAM)302、ROM303、記憶装置(DISK)304、スキャナインターフェース305、プリンタインターフェース308を備えて構成されている。これら各要素は、システムバス309を介して接続されて相互にデータもしくは信号の授受を行うことができる。又、システムバス309には、図2に示したユーザインターフェース(UI)106を構成するLCDディスプレイ306およびキーボード307、さらにネットワークインターフェース105が接続される。
記憶装置(DISK)304は、ハードディスクやフロッピー(登録商標)ディスク等の形態であり、各種プログラムやデータを記憶し、これらのプログラムやデータはCPU301が必要に応じて読み出すことにより用いられる。なお、各種プログラムやデータは、ネットワーク104を介してクライアントPC103や他のコンピュータからメモリ(RAM)302にダウンロードして用いられる構成でもよい。
タッチパネル形態のディスプレイ306と操作キー307は、操作パネルとして図2に示したユーザインターフェース(UI)206を構成するものであり、CPU301がディスプレイ306の表示RAMにデータを書き込むことにより表示を行い、操作キー307からのユーザによる指示入力を受け付ける。
システムバス309に接続されるネットワークインターフェース205は、CPU301が図1に示したネットワーク104との間で通信を行う際に、ネットワークインターフェース205を介して転送されるデータもしくは信号の読み込みまたは書き込みを行う。
さらに、システムバス309には、スキャナインターフェース305、プリンタインターフェース308が接続されており、これらはそれぞれ図2に示したスキャナエンジン202、プリンタエンジン203とのデータ授受を行うものであり、CPU301がこれらのエンジンに対してデータもしくは信号の読み書きを行うことによりスキャンまたはプリントなどのエンジン動作および各種ステータス取得を行う。なお、これらのエンジンは、MFPの機器内部ではなく、ネットワーク104上にそれぞれ単体の周辺機器として存在し、それをコントローラ201が制御するようにしても良い。
図3Bは、図2Bに示したコントローラ211のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3Bに示すように、コントローラ211はCPU311、メモリ(RAM)312、ROM313、記憶装置(DISK)314、プリンタインターフェース317を備えて構成されており、これら各要素はシステムバス318を介して接続されて相互にデータもしくは信号の授受を行うことができる。また、システムバス318には、図2Bに示したユーザインターフェース(UI)214を構成するLCDディスプレイ315およびキーボード316、さらにネットワークインターフェース213が接続される。
記憶装置(DISK)314は、ハードディスクやフロッピー(登録商標)ディスク等の形態であり、各種プログラムやデータを記憶し、これらのプログラムやデータはCPU311が必要に応じて読み出すことにより用いられる。なお、各種プログラムやデータは、ネットワーク104を介してクライアントPC103や他のコンピュータからメモリ(RAM)312にダウンロードして用いられる構成でもよい。
ディスプレイ315と操作キー316は、操作パネルとして図2Bに示したユーザインターフェース(UI)214を構成するものであり、CPU311がディスプレイ315の表示RAMにデータを書き込むことにより表示を行い、操作キー316からのユーザによる指示入力を受け付ける。
システムバス318に接続されるネットワークインターフェース213は、CPU311が図1に示したネットワーク104との間で通信を行う際に、ネットワークインターフェース213を介して転送されるデータもしくは信号の読み込みまたは書き込みを行う。
さらに、システムバス318には、プリンタインターフェース317が接続されており、これらはそれぞれ図2Bに示したプリンタエンジン212とのデータ授受を行うものであり、CPU311がこれらのエンジンに対してデータもしくは信号の読み書きを行うことによりプリンタエンジン動作および各種ステータス取得を行う。
次に、MFP101のコントローラ201内の記憶装置(DISK)304に格納されており、必要に応じてメモリ(RAM)302にロードされ、これに従ってCPU301が実行するソフトウエア(プログラムモジュール)の構成について説明する。
図4Aは、上述のMFP101におけるCPU301が実行するソフトウエアの構成を示すブロック図である。
図4Aにおいて、401はユーザインターフェース(UI)ドライバを示し、これによって、CPU301は、図3Aに示したLCDディスプレイ306および操作キー307の制御を実行する。403はユーザインターフェースマネージャ(制御プログラム)を示し、これにより、CPU301は、ユーザがディスプレイ306や操作キー307を介して入力した入力情報をUIドライバ401から入手し、コントローラ201全体の動作を統括管理する統括管理マネージャ(スーパーバイザー)405に伝えるとともに、統括管理マネージャ405を介してコントローラ201による処理結果を入手し、UIドライバ401にその結果をディスプレイ306に表示するよう指示する処理を実行する。
402はネットワークインターフェースドライバ(制御プログラム)を示し、これにより、CPU301は、ネットワークインターフェース205の制御を行い、ネットワークにおける物理層(物理パケット)の処理、すなわち、物理パケットからトランスポートパケットの抽出、およびトランスポートパケットから物理パケットの生成を行う。
404はTCP/IP、UDP/IPといった通信モジュールを示し、これにより、CPU301は、ネットワークインターフェースドライバ402から出力されたトランスポートパケットの情報を統括管理マネージャ405に伝える。また、統括管理マネージャ405の情報からトランスポートパケットの生成を行い、ネットワークインターフェースドライバ402を介してネットワークインターフェース205に出力する。
405はコントローラ201全体の処理実行を統括管理するための統括管理マネージャ(スーパーバイザー)である。CPU301は、統括管理マネージャ405を実行することにより、MFP101における機能、状況を検知し、装置の機能情報として記憶装置304に保持する。より具体的には、プリントジョブマネージャ406、コピージョブマネージャ407、スキャンジョブマネージャ408が保持する処理能力等のデータの参照や変更指示を行い、更には、生成したジョブ(プリントジョブ、コピージョブ、スキャンジョブ)を、各マネージャへ配信すると共に、状況監視を行う。
統括管理マネージャ405は、ネットワークインターフェース205及びネットワークインタフェースドライバ402を介して、MFP101における機能情報を要求する旨を示すコマンドを受信する機能を更に有し、当該受信したコマンドに応答して、自装置の機能情報を該コマンドの送出元に返信する機能を有する。
406はプリントジョブマネージャを示し、これにより、CPU301は、プリンタ資源の管理およびジョブの実行を制御する。409はプリンタコントローラを示し、これによって、CPU301は、プリントジョブマネージャ406からの要求に応じてプリンタエンジン203を動作させる。407はコピージョブマネージャを示し、これにより、CPU301は、コピー資源およびコピージョブの管理を行う。408はスキャナジョブマネージャを示し、これにより、CPU301は、スキャナ資源の管理およびジョブの実行を制御する。410はスキャナコントローラを示し、これにより、CPU301は、スキャナジョブマネージャ408からの要求に応じてスキャナエンジン202を動作させる。
更に、SFP105のコントローラ211内の記憶装置(DISK)314に格納されており、必要に応じてメモリ(RAM)312にロードされ、これに従ってCPU311が実行するソフトウエア(プログラムモジュール)の構成について説明する。
図4Bは、SFP105におけるCPU311が実行するソフトウエアの構成を示すブロック図である。図4Bにおいて、411はユーザインターフェース(UI)ドライバを示し、これによって、CPU311は、図3Bに示したLCDディスプレイ315および操作キー316の制御を実行する。413はユーザインターフェースマネージャ(制御プログラム)を示し、これにより、CPU311は、ユーザがディスプレイ315や操作キー316を介して入力した入力情報をUIドライバ411から入手し、コントローラ211全体の動作を統括管理する統括管理マネージャ(スーパーバイザー)415に伝えるとともに、統括管理マネージャ415を介してコントローラ211による処理結果を入手し、UIドライバ411にその結果をディスプレイ315に表示するよう指示する処理を実行する。
412はネットワークインターフェースドライバ(制御プログラム)を示し、これにより、CPU311は、ネットワークインターフェース213の制御を行い、ネットワークにおける物理層(物理パケット)の処理、すなわち、物理パケットからトランスポートパケットの抽出、およびトランスポートパケットから物理パケットの生成を行う。
414はTCP/IP、UDP/IPといった通信モジュールを示し、これにより、CPU311は、ネットワークインターフェースドライバ412から出力されたトランスポートパケットの情報を統括管理マネージャ415に伝える。また、統括管理マネージャ415の情報からトランスポートパケットの生成を行い、ネットワークインターフェースドライバ412を介してネットワークインターフェース213に出力する。
415はコントローラ211全体の処理実行を統括管理するための統括管理マネージャ(スーパーバイザー)である。CPU311は、統括管理マネージャ415を実行することにより、SFP105における機能、状況を検知し、装置の機能情報として記憶装置314に保持する。より具体的には、プリントジョブマネージャ416が保持する処理能力等のデータの参照や変更指示を行い、更には、プリントジョブを、プリントジョブマネージャ416へ配信すると共に、状況監視を行う。
統括管理マネージャ415は、ネットワークインターフェース213及びネットワークインタフェースドライバ412を介して、SFP105における機能情報を要求する旨を示すコマンドを受信する機能を更に有し、当該受信したコマンドに応答して、自装置の昨日情報を該コマンドの送出元に返信する機能を有する。
416はプリントジョブマネージャを示し、これにより、CPU311は、プリンタ資源の管理およびジョブの実行を制御する。417はプリンタコントローラを示し、これによって、CPU311は、プリントジョブマネージャ416からの要求に応じてプリンタエンジン212を動作させる。
以上説明した印刷システムおよびそれを構成する印刷装置としてのMFP、SFPによる印刷処理のいくつかの実施形態を以下に説明する。
[第1の実施形態]
図5は、本発明の第1の実施形態に係るMFP101におけるクラスタプリントによるコピー動作時の処理を示すフローチャートである。この例では、図1のMFP101をローカル印刷装置(マスタ装置)として用いる。ネットワーク104に接続する他のMFP102、SFP105等を、クラスタ印刷を行い得る印刷装置(スレーブ装置)として用いる。この場合の、MFP101の制御部201(コントローラ201とも呼ぶ)が、主体となり、実行させる処理フローである。ここでは、クラスタプリントの1例として、ローカル印刷装置とリモート印刷装置とにより分散して印刷を行う一連の印刷処理を説明する。
なお、例えば、MFPあるいはネットワーク上のプリンタなどがクライアントPCの制御に基づいて印刷装置として動作する場合も、その印刷装置は本願でいうローカル印刷装置として適用出来る。すなわち、ローカル印刷装置は、その印刷装置が設置される場所でユーザから印刷にかかわる操作を直接受け付けることができる装置に限定されるものではない。ユーザがその装置の設置場所にいるかいないかにかかわらず、ユーザが印刷に用いようとして最初に印刷動作を指示する装置がローカル印刷装置となる。
図5に示すフローチャートのステップS1にて、MFP101のコントローラ201は、UIの1例としてのMFP101のLCDディスプレイ306に、図6の設定画面を表示させる。図6の状態は、MFP101が印刷待機状態(ジョブを全く処理していない状態)である。該制御部201は、該ステップにて、図6の画面を介して、ユーザからコピーモード設定の入力を受け付け可能にする。
コントローラ201は、ユーザからのコピーモード設定操作の受け付けに応じてユーザインターフェース(以下、UI)206を制御する。又、図6に示すように、「コピーできます」などのガイダンス情報もユーザに通知可能にUI206を制御する。この段階で、例えば、ユーザにより、処理対象となる原稿束を、スキャナの読み取り装置(例えば、ADF)に、セットさせる。
図6の表示部306は、ユーザにより設定可能な項目に対応する例えば605〜614等のソフトキーを具備する。このようなタッチパネル形式のUIのソフトキー以外にも、キー615〜617等のハードキーもUI206は具備する。
等倍キー605は、MFP101に入力される原稿データを100%の倍率でもってプリントさせる為の指示をユーザにより入力可能にする為のキーである。倍率キー606は、縮小や拡大等、入力される原稿データを等倍以外の倍率に変更してプリントさせる為の指示をユーザにより入力可能にする為のキーである。
用紙選択キー609は、処理対象のジョブのプリント処理にて利用させるべき用紙をユーザにより選択可能にする為のキーである。例えば、キー609がユーザにより押下された事に応答し、制御部201は、表示部306に図12の画面1200を表示させる。画面1200を介して、処理対象のジョブの印刷処理にて装置に利用させる用紙に関する設定をユーザから受付可能にする。
例えば、画面1200を介して、用紙のサイズや用紙の種類を、ユーザにより指定可能にする。画面1200では、利用可能な候補をユーザにより提示させる。但し、少なくとも、自装置、即ち、この例では、MFP101の給紙部にセットされており、MFP101によるプリント処理にて利用可能な選択候補の中からユーザにより所望の候補を決定可能にする事が望ましい。
即ち、MFP101にセットされていない用紙に該当する項目は、選択対象外となるように制御する。例えば、ユーザにより選択不可の用紙設定の項目ボタンは、グレーアウト表示、或いは、網掛け表示を、施す。或いは、ボタン自体を表示させないよう制御する。これにより、MFP101の印刷処理にて利用不可の用紙の設定は、ユーザにより実行出来ないように制御する。
尚、制御部201は、画面1200の項目ボタンの表示制御を、MFP101の給紙部のセンサからのシート残量情報や、初期設定情報に基いて、実行可能にする。又、後述の図11の管理テーブルの情報等も利用可能にする。
ソータキー607は、処理対象のジョブのプリントされたシートに対して如何なるシート処理(後処理とも呼ぶ)をフィニッシャにより実行させるのか、そのシート処理の種類を、ユーザにより指定可能にする為のキーである。例えば、キー607がユーザにより押下された事に応答し、制御部201は、表示部306に図13の画面1300を表示させる。
画面1300を介して、処理対象のジョブのプリント済のシートに対して実行させるべきシート処理の種類に関する設定を、ユーザから受付可能にする。例えば、画面1300を介して、ソート、ステイプル、パンチ、断裁、中綴じ製本、等、複数の候補の中から所望のシート処理を、ユーザにより決定可能にする。画面1300では、MFP101のフィニッシャにより実行可能なシート処理の候補をユーザにより提示させる。
MFP101のフィニッシャにより実行不可の項目は、選択対象外となるように制御する。例えば、ここでも、ボタンのグレーアウト表示、或いは、網掛け表示等を実行させることで、MFP101にて実行不可のシート処理は、ユーザから受付禁止となるよう制御する。又、制御部201は、画面1300の項目ボタンの表示制御を、後述の図11の管理テーブルの情報等も利用可能にする。
両面キー608は、処理対象のジョブのデータを片面印刷でプリントさせるか、両面印刷でプリントさせるかをユーザにより選択可能にする為のキーである。
濃度キー612、614は、キー612を押す毎に複写濃度が薄く設定され、キー614を押す毎に複写濃度が濃く設定される。濃度表示611は、濃度キーを押すと表示が左右に変化する。Aキー613は、新聞のように地肌の濃い原稿を自動濃度調整複写する時に押すキーである。
以上の各キーが選択されると対応する設定画面が表示され、設定を受け付けることができる。応用モードキー618は、縮小レイアウトの設定やページ番号印字設定等、処理対象のジョブに対して応用処理モードをユーザにより設定可能にする為のキーである。
また、制御部201が表示部306に表示させる図6の画面のキー610は、プリンタ選択キーである。このキーは、MFP101に取り込んだ処理対象のジョブの一連の画像データの印刷処理として、リモートコピー等の代行印刷を実行させる指示をユーザが入力する場合に利用する。又、重連コピー等のクラスタ印刷を実行させる指示をユーザが入力する場合に利用するキーでもある。
又、このように他の印刷装置にてプリント処理を実行させるにあたり、システムに存在する複数のデバイスのうちの、どの印刷装置を利用するかをユーザが指定する際に利用するキーでもある。例えば、プリンタ選択キー610がユーザにより押下された事に応じ、制御部201は、表示部306に図7に示す画面を表示させる。
制御部201は、処理対象のジョブのプリント処理に利用する印刷装置を、自装置及び他の印刷装置を含む複数台の印刷装置の中から、1台、又は、複数台、図7の画面のリスト701を介してユーザにより選択可能に、制御する。例えば、制御部201は、図7のリスト701を介して利用すべき印刷装置がユーザにより選択されたうえで、画面のキー702を介して、該選択された複数台の印刷装置により分散印刷させる指示を、ユーザにより入力可能にする。
尚、制御部201は、利用すべき印刷装置がリスト701を介して1台しかユーザにより選択されていない場合には、それは、リモートプリントと判断する。この例では、MFP101で取り込んだ画像データを、他の1台の印刷装置で印刷させる場合がこれに該当する。このようなリモートプリント(本例では、代行印刷とも称す)を実行させる場合、制御部201は、該動作の実行指示を、キー703を介してユーザから受付可能にする。キャンセルキー704が押下された場合には、図6の画面に戻るよう制御する。
又、操作キー群307は、設定された処理の開始の指示を受け付けるためのスタートキー615、数値入力を受け付けるためのテンキー616及び設定内容のリセットを受け付けるためのリセットキー617を備えている。
なお、MFP101は、コピーモードだけでなくその他の動作モードも選択及び実行可能に構成している。
例えば、図6の画面のファクスキー602がユーザにより押下された場合、制御部201は、MFP101に取り込んだ原稿データの送信処理を、ホストコンピュータ101や他の印刷装置等の外部装置に対して、実行可能にする。
図6の画面上のファイルキー603がユーザにより押下された場合は、MFP101の記憶装置314に、スキャナ部202によりスキャンしたジョブの原稿データを保存可能にする。尚、このファイル機能はボックス機能とも呼ぶ。又、該機能は、スキャナ202からのジョブだけでなく、ホストコンピュータ等の外部装置からの画像データも、ビットマップ形式で、記憶装置314に保存させる事ができる。UIでファイルキー603の押下により該機能がユーザにより選択された場合に、ユーザからの指示に基き、記憶装置314に保存した原稿データのプリント処理をプリンタ部203により実行可能にする、又、記憶装置314に保存した原稿データを外部装置に送信可能にする。
プリンタキー604は、プリントの濃度を変更したり、リモートのホストコンピュータからのPDLデータのプリント出力結果を参照したい場合等に利用する。又該キー604が押下された場合に、MFP101にて処理すべきプリント実行中のジョブやプリント待ちジョブのジョブ状況をユーザに通知可能にするジョブ状況リスト画面を表示部306に表示可能とする。
以上のように、MFP101は、複数の機能を具備しており、それぞれの用途に応じた機能をユーザにより選択実行可能に構成されている。尚、MFP102も、MFP101と同様な機能を具備している。
ステップS2では、操作キー307のスタートキー615の押下により印刷開始指示をユーザから受け付けたか否かを判定する。印刷開始指示を受け付けていないと判定されれば、ステップS3へ移行する。受付けた場合にはステップS8の処理へ移行する。
ステップS3では、図6に示す画面のプリンタ選択キー610がユーザにより選択されたかどうかを判定する。該キー610がユーザにより選択された場合には、S4へ移行する。ステップS4にて、制御部201は、キー610の押下に応答し、表示部306に、図7のような設定画面を表示させる。図7の画面は、クラスタ印刷(クラスタプリント)や代行印刷(リモートプリント)を実行可能な印刷装置の一覧(リスト)を表示構成要素として具備する。制御部201は、図7の画面を介して、印刷装置の選択、及び、クラスタ印刷実行指示及び代行印刷実行指示のいずれかの指示を、ユーザから受け付け可能にする。
制御部201は、図7の表示画面のリスト701が、ユーザにより選択可能な機器の名称と、当該機器の設置場所を表わす表示内容となるように表示制御を行う。
尚、本形態では、図7のリスト701の最上部に表示させているMFP1という機器名称の印刷装置は、MFP101自身、即ち、自装置に対応させている。リスト701の2番目(図7ではSFP1)以降が、他の印刷装置を意味している。リストの2番目のSFP1という名称の印刷装置は、図1のSFP105に対応する。リストの3番目のMFP2という名称の印刷装置は、図1のMFP102に対応する。
本形態では、ユーザが、リスト701上の該当する項目をタッチすることで、クラスタ印刷や代行印刷を実行させる印刷装置をユーザにより選択可能に構成している。
制御部201は、リスト701にてユーザにより1台も印刷装置が選択されていない場合、クラスタプリントキー702及びリモートプリントキー703の表示状態を、グレーアウト表示とする。即ち、これらのキーのユーザ押下を不可とする。これにより、制御部201は、印刷装置が1台もユーザにより選択されていない場合には、クラスタプリント実行指示や、リモートプリント実行指示の、ユーザ入力を禁止する。
制御部201は、リスト701にて、少なくとも、自装置以外の他の印刷装置が1台だけユーザにより選択された場合に、リモートプリントキー703を有効表示状態にさせる。これにより、制御部201は、リモートプリントの実行を許可する。そして、有効表示状態のキー703がユーザにより押下されたとする。これを受け、例えば、制御部201は、自装置でスキャンしたジョブの画像データのプリント処理を、自装置により実行する事を禁止する。且つ、リスト701を介して選択された他の1台の印刷装置により実行させるよう制御する。
制御部201は、リスト701にて、例えば、少なくとも、自装置と他の印刷装置を含む、2台の印刷装置がユーザにより選択された場合に、クラスタプリントキー702を有効表示状態にさせる。これにより、制御部201は、クラスタプリントの実行を許可する。そして、有効表示状態のキー702がユーザにより押下されたとする。これを受け、例えば、制御部201は、自装置でスキャンしたジョブの画像データの印刷処理を、自装置と他の印刷装置の2台を含む、リスト701にてユーザにより選択された複数の印刷装置により、分担して、実行させるよう、制御する。
尚、クラスタ印刷として、例えば、自装置を含めた一乃至複数の印刷装置の選択を受け付け可能に構成しても良い。又、代行印刷として、自装置を除いた一乃至複数の印刷装置の選択を受け付け可能に構成しても良い。換言すると、本形態は、分散印刷として、合計2台の印刷装置を用いて分散印刷を実行させる構成でも良い。3台以上の印刷装置を用いて分散印刷を実行可能に構成でも良い。但し、如何なる構成であっても、処理対象のジョブのデータのプリント処理を、少なくとも、自装置と他の印刷装置の2台を含む、複数台の印刷装置を用いた、分散印刷処理を実行可能に構成する事が望ましい。このように、ユーザのニーズや利用環境に配慮した仕組みを提供可能にする事が望ましい。
制御部201は、ステップS5にて、クラスタプリント処理の実行要求をユーザから受付たか否かを、タッチパネルセンサからのクラスタプリントキー702の操作状況情報に基いて、判定する。クラスタプリントキー702がユーザにより押下された場合は、クラスタプリント要求有りと判断し、ステップS6へ移行する。
ステップS6の処理としては、例えば、制御部201は、図10に示すようなクラスタ印刷設定画面を表示部306に表示させ、該画面を介してユーザ入力を受け付け可能とする。ステップS5にて、キー704の押下によりプリンタ選択処理がユーザによりキャンセルされた場合には、ステップS1へ戻って、図6に示すコピーモード設定画面を表示部306に表示させる。
制御部201が、表示部306に表示させる図10の画面は、リスト1001、キー1002〜1004を表示構成要素として具備する。
リスト1001は、クラスタプリントキー702の押下により分散印刷処理を実行させる印刷装置としてリスト701を介してユーザにより選択された印刷装置の機器名称をユーザに通知する表示欄を有す。又、それらの印刷装置により、夫々、何部数分の印刷処理を実行させるのか、その機器に割り当てられる分配部数をユーザに通知する表示欄を有す。
尚、本形態は、使い勝手を考慮した仕組みの1つとして、上述したように、クラスタプリントにて各印刷装置に対する分配部数を、ユーザ自身が、計算して割当てる必要が無いように構成している。
例えば、図10の表示例は、処理対象のジョブにて以下の設定がユーザによりなされた結果を反映させたものである。
(1)ユーザにより、テンキー616を介して、トータルの印刷部数として、100部がセットされた。
(2)ユーザにより、図7のUI画面を介して、MFP1(図1のMFP101)と、SFP1(図1のSFP105)の2台の印刷装置でもって、クラスタプリント処理を実行させる為の指示が、入力された。
本形態では、この(1)と(2)のユーザ設定に基いて、制御部201が、MFP1に割当てる分配印刷部数を50部とし、SFP1に割当てる分配印刷部数を50部となるよう、分配部数を決定する。その結果を、制御部201は、図10の画面の表示欄1002を介してユーザに通知可能に制御する。
尚、この分配方法は、上述例で説明するならば、(1)の均等配分方法を採用したものである。即ち、ユーザが、全体の部数が100部であるから、MFP1に割当てる分配印刷部数を50部とし、SFP1に割当てる分配印刷部数を50部とする。このような設定を、行う必要が無いように構成している。
このように、均等配分方法で分配するにしても、速度配分で分配するにしても、分散印刷すべき各印刷装置に対して制御部201が割り当てた分配部数を、図10の表示画面を介して、ユーザにより、設定変更可能に構成する事が望ましい。
例えば、図10では、トータルの印刷部数が100部に対して、MFP101とSFP105に、それぞれ50部ずつ印刷部数が割り当てられている。この、制御部201により割当てた分配部数を、ユーザによるテンキー616操作により、ユーザ自身が所望の分配部数に再割当て可能に構成する。
尚、表示欄1002には、未割当の部数と全体の部数とを表示させる。確定キー1003をユーザが押下することで、各印刷装置に割り当てた印刷部数の確定指示を受け付ける。1004はキャンセルボタンであり、クラスタ印刷を実行する機器を追加したい場合や、代行印刷を行いたい場合などにキャンセルにより図7の画面に戻る指示を受け付けるように構成されている。
図10において、機器名「MFP1」が、本MFP101に相当し、機器名「SFP1」がSFP105に相当する。即ち、本実施形態においては、自装置であるローカル印刷装置以外に1台のリモート印刷装置を利用してクラスタ印刷を行う場合について説明する。なお、本形態は、分散印刷動作において、ローカル印刷装置と共に利用するリモート印刷装置の台数を1台としている。
これは、ユーザの利用環境を配慮した仕組みの1つである。例えば、オフィス環境では、多数の人が印刷装置を利用する。故に、ユーザ1人の為に(換言すると1つのジョブの為に)、多数の印刷装置を使って分散印刷を許可してしまうと、他のユーザが印刷装置を利用する際に、影響を与えてしまうかもしれない事を念頭に入れた仕様である。換言すると、ユーザ利用環境にて特に影響を及ぼす心配もない場合には、1つのジョブにて、1台以上のリモート印刷装置を選択してクラスタ印刷を実行可能に構成しても良い。このように本印刷システムをユーザの利用環境に適するように柔軟に構築可能にしている。
制御部201は、ステップS7にて、ユーザにより、確定ボタン1003が操作されたか、又は、キャンセルボタン1004が操作されたかを判定する。確定ボタン1003の操作がなされたと判定した場合には、ステップS1に戻って、図6のコピーモード設定画面を表示部306に表示させる。そして、図6の画面を介してユーザからの指示を再度受け付け可能にする。一方、キャンセルボタン1004が操作されたと判定された場合には、ステップS4に戻って図7の印刷機器一覧表示を表示部306に実行させ、印刷機器の選択をユーザにより再度受け付け可能にする。
以上の各種設定を含む、処理対象のジョブの為の一連の印刷処理条件の設定がユーザにより完了し、ユーザによるスタートキー615が押下により、印刷動作の開始指示が入力されたとする。これを受け、制御部201は、ステップS2からステップS8へ処理を移行する。そして、処理対象のジョブの為にユーザにより設定された一連の印刷処理条件に従った印刷動作を実行させるようMFP101を制御する。
例えば、ステップS8にて、制御部201は、MFP101のADFにユーザによりセットされた一連の原稿の読取動作をスキャナ部202により実行させる。スキャナ202で読取ったジョブの原稿画像データを、記憶装置304のハードディスクに、順次、先頭ページから順番に格納させる。なお、これらの処理は、コピー動作の場合、印刷設定の入力を受け付ける以前に原稿が読取装置にセットされた際に、自動的に読み取りを開始して行っても良い。
制御部201は、ステップS9にて、受付けたジョブが、クラスタプリント設定がなされているジョブであるか否かの判定を、UIを介して入力されたユーザの設定情報を基に、行う。そして、例えば、処理対象のジョブが、クラスタプリント設定がなされているジョブである場合にステップS9からステップS11へ処理を移行する。
一方、例えば、受付けたジョブが、クラスタプリント設定がされているジョブでも無く、且つ、リモートプリントが設定されたジョブでも無いと判断した場合に、制御部201は、ステップS9からステップS10に処理を移行する。換言すると、処理対象のジョブがローカル印刷装置101で印刷されるローカルプリントモードのジョブである場合には、ステップS10に進む。以下、ローカルプリントモードのジョブの取扱いについて説明する。
例えば、ユーザにより、図6の画面のキー610の押下や、図7の画面のリスト701を介して他の印刷装置の選択が、なされなかったとする。このような場合、制御部201は、デフォルト設定として、自装置、即ち、MFP101を選択対象のデバイスに決定する。この状態で、スタートキー615がユーザにより押下された場合、制御部201は、当該ジョブを、ローカルプリントジョブとして取り扱う。以下に、具体例を挙げる。
例えば、ユーザがMFP101のUIを介して、以下の処理条件を設定したとする。
(1)印刷部数の設定として10部をセット。
(2)用紙設定として、サイズはA4サイズ、タイプは普通紙の、出力用紙を選択。
(3)シート処理設定として、ステイプルソートをセット。
(4)印刷倍率は100%をセット。このような条件がユーザにより設定されたとする。尚且つ、プリンタ選択キー610が押下されず、リモートコピーの設定やクラスタ印刷設定も行われなかったとする。
このようなジョブ設定がユーザによりなされた場合に、制御部201は、例えば、表示部306に、図14のような画面1400を表示させる。
制御部201は、図14の画面1400のように、ユーザにより設定された処理条件を画面上に反映させるように表示制御を行う。且つ、上記のユーザ設定では、ローカルコピーモードのジョブとして取り扱う故に、その旨を表示させる。例えば、1例として、図14のように、ガイダンス情報として、「ローカルプリントモード」である事をユーザに識別可能に表示させる。
このようなユーザ設定条件でもって、スタートキー615が押下され、印刷開始指示を受け付けたとする。この場合には、制御部201は、ステップS10にて、このジョブをローカルプリントモードのジョブとして、MFP101自身の1台のみで、該ジョブのプリント処理を実行させる。例えば、ステップS8にて記憶装置304に蓄積された該ジョブの原稿画像データを該メモリから読み出し、図14のUIに従った、プリント処理をMFP101により実行させる。
この例では、サイズがA4サイズでタイプが再生紙のシートを選択させ、それに対して、画像倍率100%で、該ジョブの画像をプリントさせる。そして、1部数分のプリント処理が済んだら、MFP101のシート処理装置によりステイプル処理を実行させる。この作業を、トータルの印刷部数分、即ち、10セット分、MFP101により実行させる。
このように、制御部201は、処理対象のジョブがローカルプリントモードのジョブである場合に、ステップS10にて、該ジョブのプリント処理として、ローカルプリント動作を、MFP101により、実行させる。
制御部201は、処理対象のジョブがクラスタプリントモードのジョブであると判断した場合、ステップS9からステップS11へ処理を進める。ステップS11では、ステップS4において選択された印刷装置に対し、その装置の機能情報を通知するように要求する。換言すると、制御部201は、図7のリスト701でユーザにより選択された印刷装置に関する情報の獲得要求を行う。
例えば、該選択された他の印刷装置に対してネットワーク104経由で情報要求コマンドをMFP101から送信させる。該コマンドに応答して、例えば、他の印刷装置であるMFP102やSPF105から機能情報が返信され、該情報をMFP101が受信したとする。すると、制御部201は、この獲得情報をRAM302に格納する。
制御部201は、リスト701にて分散印刷させるべきデバイスとして選択された印刷装置が、ユーザから受け付けた設定内容に基いた処理を実行可能か否かを、該獲得情報に基いて判定する(ステップS12)。尚、ステップS12の判断は、ローカル印刷装置については行わずにリモート印刷装置のみについて行っても良い。或いは、ローカル印刷装置も含めてステップS12の判断を行っても良い。
これにより、ローカル印刷装置においても、処理対象のジョブの印刷処理にて必要な記録紙の記録紙枚数が足りない場合に対処する。又、処理対象のジョブの印刷処理にて必要なサイズで且つタイプの記録紙が存在しない場合にも対処する。又、トナー等、記録紙以外の消耗材についても対処する。
ステップS11にて、MFP101が、リスト701で選択された他の印刷装置から受信獲得する機能情報の具体例を、図11に示す。
図11の機器情報は、各印刷装置の各メモリに、各々、格納可能にする。そして、どの印刷装置がマスタ装置になっても、自装置のメモリに格納した該機器情報を利用可能にする。
図11の機器情報の獲得方法については、例えば、以下の2つの方法の少なくとも何れかを採用可能に、制御部201が印刷装置を制御する。
(1)自装置から他の印刷装置に対してステータス情報や該機器情報を要求する為のリクエストコマンドを、ネットワーク104を介して、送信する。これに応答して該他の印刷装置から返信されるステータス情報や機器情報を、図11のようなテーブル形式で、自装置のメモリに登録させる。その際、自装置自身の情報も合わせて登録させる。これらの情報を制御部201が獲得するタイミングは、例えば、ユーザから分散印刷が要求されたタイミング、及び/又は、各印刷装置にて状態変化が発生したタイミングを、採用する。尚、後者は、例えば、記録用紙やトナー等、消耗材が有り状態から無し状態に変化したタイミング等で、自動的に、相手先の印刷装置から上記情報を獲得可能とする。
(2)自装置のUIを介してユーザが、他の印刷装置及び自装置の機器情報をマニュアル入力する。そのユーザにより入力された情報を、図11のようなテーブル形式で、自装置のメモリに登録する。但し、消耗材の情報等は、センサ等、機器が具備するユニットから自動取得可能に構成する。
図11において、機能情報1100は、機器名1101、印刷速度1102、記録紙サイズ1103、フィニッシャー1104、PDL(Page Description Language)1105、BIN数1106、両面印刷1107、給紙カセット数1108、ソートの有無1109、設置場所1110の10種類の情報を、有する。この構成例はあくまで機能情報の一例であって、これに限られることはなく、上記のなかの何れかであっても良いし、更に他の印刷装置の機能に関連する情報が含まれても良い。
図11の例では、クラスタ印刷を行う印刷装置をMFP101とSPF105の2台とする例である。故に、MFP101が取得する機能情報1100の機器名1101には、「MFP1」と「SPF1」の情報を含まれるように構成する。
MFP1の制御部201は、MPF1の記録紙サイズ情報1103を参照する。これにより、制御部201は、MPF1がA3、A4、B5、B4の記録紙に対応している事を認識する。MFP1の制御部201は、MFP1の印刷速度情報1102を参照する。これにより、制御部201は、MFP1がA4サイズやB5サイズの出力用紙に対してプリントする場合に、毎分31枚の印刷速度である事を認識する。
又、A3及びB4については、毎分16枚の印刷速度である事を認識する。MFP1の制御部201は、MPF1のフィニシング情報1104を参照する。これにより、制御部201は、MFP1が具備するシート処理装置により実行可能なシート処理は、(1)ステイプル処理、(2)パンチ処理、(3)折り処理、(4)中綴じ処理、(5)断裁処理である事を認識する。
制御部201は、PDL情報1105を参照することで、MFP101がLIPSに設定されている事を認識する。制御部201は、BIN数情報1106を参照することで、MFP1が7つの排紙ビンを具備する事を認識する。7、制御部201は、両面印刷情報1107を参照することで、MFP1が両面印刷可能な装置である事を認識する。
制御部201は、給紙カセット数情報1108を参照することで、MPF1が4つの給紙部を具備する事を認識する。制御部201は、ソート機能情報1109を参照することで、MFP1がソート機能を具備している事を認識する。制御部201は、設置場所情報1110を参照することで、MFP1の設定場所がエリアAである事を認識する。
MFP1の制御部201は、図11の記録紙サイズ情報1103を参照することで、SFP1がA4、B5サイズの記録紙に対応している事を認識する。制御部201は、印刷速度1102を参照することで、SFP1がA4やB5の出力用紙にプリントする際の印刷速度が毎分16枚である事を認識する。MFP1の制御部201は、SFP1のフィニシング情報1104を参照する。
これにより、SFP1がステイプル等のシート処理を実行出来ない印刷装置である事を認識する。制御部201は、両面印刷情報1107を参照することで、SFP1が両面印刷可能な装置である事を認識する。制御部201は、給紙カセット数情報1108を参照することで、SPF1が3つの給紙部を具備する事を認識する。制御部201は、ソート機能情報1109を参照することで、SFP1がソート機能を具備している事を認識する。制御部201は、設置場所情報1110を参照することで、SFP1の設定場所がユーザAである事を認識する。
制御部201は、ステップS12にて、以上のような、分散印刷対象の印刷装置の機能や能力に関わる情報を確認する。制御部201は、該確認結果に基いて、処理をステップS13へ移行するか、ステップS14に移行するか決定する。例えば、リスト701でのユーザ操作に基いて分散印刷させるべき印刷装置として選択された装置の全てが、UIで設定されたユーザからの指示に基いた各種処理を全て実行可能であると判定した場合、ステップS13に移行する。一方、選択された印刷装置のうち、一つでも設定内容を実行できない装置が存在した場合には、ステップS14へ移行する。
ステップS13では、UIを介してユーザにより設定された複数の処理条件を含む一連の印刷処理条件の全ての処理条件の内容に従った印刷処理を、分散印刷すべき印刷装置として選択された全ての印刷装置の夫々にて、実行させるよう制御する。本実施形態においては、分散印刷させるべきデバイスは、ローカルプリンタに相当するMFP101と、リモートプリンタに相当するSFP105の計2台である。ステップS13では以下のようなジョブ生成処理を実行する。
例えば、制御部201は、MFP101における統括管理マネージャ405により、UIからのユーザ設定内容に従ったジョブを生成させる。MFP101内において実行すべきジョブは、MFP101内のコピージョブマネージャ407に与え、コピージョブマネージャ407によりジョブを実行させる。これにより、プリンタコントローラ409を介してプリンタエンジン203を制御し、該ジョブの印刷をプリンタ部203により実行させる。
生成されたジョブのうち、SFP105において実行すべきジョブは、ネットワーク104を介してMFP101からSPF105に送信する。SMP105の制御部211は、SPF105における統括管理マネージャ415からプリントジョブマネージャ416に該ジョブを与える。当該ジョブを、プリントジョブマネージャ416により実行させる。これにより、プリンタコントローラ417を介してプリンタエンジン212を制御し、該ジョブの印刷をプリンタ部212により実行させる。
ステップS14の処理によりジョブ処理制御の具体例を挙げる。例えば、MPF101にて投入されたジョブ(以下、ジョブAと称する)が、4ページからなるA3サイズのドキュメントデータであるとする。
このジョブAに対してMFP101のUIにてユーザ(以下、ユーザAと称す)が設定した複数の処理条件が以下であるとする。
(設定項目1)図12の画面1200を介して、用紙の設定として、用紙サイズが「A3サイズ」で、且つ、用紙タイプとして「普通紙」が設定された。
(設定項目2)片面印刷か両面印刷かの設定として、図6の画面のキー608を介して、「両面印刷」が指示された。
(設定項目3)フィニッシィングの設定に関しては、特に、フィニッシャによるシート処理の実行指示は、入力されなかった。
(設定項目4)印刷部数の設定として、テンキー616で「40部」が設定された。
(設定項目5)印刷倍率の設定として、等倍キー605により「100%」が設定された。
(設定項目6)印刷濃度の設定としては、「標準」が設定された。
(設定項目7)印刷画質の設定としては、「文字」が設定された。
以上のような複数の印刷処理条件を含む一連の処理条件がユーザAにより、UIを介して、ジョブAに設定された。
そして、更に、ユーザAにより以下の設定がなされた。
(設定項目8)図7のUIを介して、このジョブAのデータのプリント処理を実行すべきデバイスとして、MFP101と、SFP1の2台が選択された。且つ、キー702の押下により、分散印刷指示が入力された。これにより、MFP101の制御部201は、該ジョブBの処理要求の受付完了と判断する。
そして、MFP101の制御部201は、上記(8)の設定に基き、ジョブAは、分散印刷すべきジョブ(クラスタプリントモードのジョブ)であると判断する。且つ、上記(1)〜(7)の各設定に基づいた印刷処理を、ジョブAの分散印刷にて、MFP101とSFP105により実行すべきと判断する。
又、MFP101の制御部201は、ジョブAの処理として如何なる処理が実行されるのかをユーザAにより確認可能にする表示を、表示部306に、実行させる。例えば、図15の画面1500を表示部306に表示させる。制御部201は、図15のように、ユーザAがジョブAに対して設定した各種処理条件を確認可能に表示させる。尚且つ、ジョブAは、ローカルプリントモードのジョブではなく、クラスタプリンモードのジョブである事を認識させるべく、図14の画面1400の表示内容と区別した表示を実行させる。
例えば、図15のように「クラスタプリンモード」である事をメッセージ表示させ、その旨をユーザAに通知する。そして、画面1500のキー1501がユーザにより押下された場合に、制御部201は、ジョブAに関する更に詳細な情報をユーザに通知可能にする設定確認表示を、表示部306により実行可能にする。例えば、図16のジョブAの設定確認画面1600を表示部306に表示させる。
尚、図16の例では、制御部201は、分散印刷先の印刷装置の印刷速度に依存せず、均等配分方式で、MFP101とSFP104に、印刷部数を分配させる。その結果、これらの印刷装置に、各々、20部ずつ、印刷部数を、配分する。
又、MFP101の制御部201は、ジョブの確認表示がユーザにより要求された場合には、図16ような各種表示を表示部306に実行させる。例えば、図16のように、処理対象のジョブが如何なる印刷設定でプリントさせるのかを確認する為の表示を表示部306に実行させる。且つ、クラスタプリントさせるジョブである事を識別可能にする為の表示を実行させる。且つ、全部で何部印刷させるのか、及び、そのうちの何部を、どの印刷装置に、実行させるのか、分配部数を、各印刷装置毎に、ユーザにより識別可能にする表示を実行させる。
且つ、MFP101とSFP105が選択された場合等、機能、タイプ、能力の何れかが異なる装置が分散印刷させるべき印刷装置としてユーザにより選択された場合に、それをユーザが識別可能にする為の表示を表示部306に実行させる。
以上のような、ジョブAに対する一連の印刷処理条件の設定、及び、ユーザによる確認が済んだ上で、スタートキー615がユーザにより押下されたら、制御部201は、ジョブAの処理を開始する。ここで、MPF101の制御部201は、ジョブAに関して以下の確認を行う。
(確認1)ジョブAは分散印刷対象のジョブである事を確認する(ステップS9でYES)。
(確認2)ステップS6におけるユーザの印刷装置選択操作に基いて、該ジョブAの分散印刷先の印刷装置は、MFP101とSFP105の2台である事を、確認する。
(確認3)ユーザAにより設定された上記(1)〜(3)、(5)〜(7)の設定に対応する処理を、これらの印刷装置の夫々にて、全て、実行可能である事を、図11の機器情報に基いて、確認する(ステップS12でYES)。
故に、MFP101の制御部201は、該ジョブAの処理として、例えば、ステップS13にて、ジョブAの為の分散印刷処理を、MFP101とSFP105により実行させる。このジョブAの為の分散印刷処理では、以下のような動作を本システムにて実行させるよう制御する。図17を用いて説明する。
(動作1)MPF101の制御部201は、4頁からなるジョブAの原稿の読取動作を、MFP101のスキャナ202により、順次、頁順に、実行させる。且つ、読取った該ジョブAの原稿データを、順次、記憶装置304に格納させる。
(動作2)MPF101の制御部201は、記憶装置304に蓄積したジョブAの原稿データの分散印刷処理として、用紙サイズがA3サイズで用紙タイプが普通紙の出力用紙に対し、両面印刷形式で、MFP101によりプリントさせる。その際、印刷倍率は「100%」、印刷濃度は「標準」、画質は「文字」で、プリントさせる。
このような、ジョブAの分散印刷処理を、ジョブAのトータルの印刷部数である40部数のうちの、20部数分(20セット分)、MFP101により、実行させるよう制御する。
(動作3)MPF101の制御部201は、記憶装置304に蓄積したジョブAの原稿データ及び印刷処理条件データ及び分散印刷指示コマンド、を、MFP101からSFP105に対し、ネットワーク104を介して、送信させる。尚、SFP105で印刷させるべき印刷部数は20部数なので、その分配部数データもSPF105へ送信する。
(動作4)印刷処理条件データと共にSFP105により受信され、SFP105の記憶装置314に蓄積されたジョブAの原稿画像データの分散印刷処理を、SFP105に実行させる。この動作を、SFP105の制御部211が主体に制御する構成でも良い。このSFP105におけるジョブAの分散印刷処理は、MFP101によるジョブAの分散印刷処理における処理条件と同一の処理条件(完全一致の処理条件)でもって、実行させるよう制御する。即ち、用紙サイズがA3サイズで且つ用紙タイプが普通紙の出力用紙に対して、両面印刷形式で、ジョブAの原稿データのプリントを実行させる。その際、印刷倍率は「100%」、印刷濃度は「標準」、画質は「文字」で、ジョブAのプリントをSFP105に実行させる。このような、ジョブAの分散印刷処理を、ジョブAのトータルの印刷部数に相当する40部数のうちの、20部数分(20セット分)、SFP105により、実行させる。
以上の図17の動作1〜4を本システムにて実行することで、該ジョブAの分散印刷処理が完了する。
このような図17に示す動作1〜動作4を、ジョブAの分散印刷処理にて実行させるようMPF101の制御部201が主体となり制御する。
図17の動作2と動作4とを比較しながら本形態の更なる構成を説明する。本形態は、コピー機能及びプリント機能及びファイル機能等を具備するMFP101と、プリント機能は具備するがコピー機能は具備しないSFP105を用いた、分散印刷処理を実行可能に構成する。
このように、本形態は、異機能・異タイプの印刷装置同士による分散印刷を実行可能に構成している。尚且つ、このように異機能のデバイスで同士で分散印刷させる設定がなされている場合に、図16のように、事前に、ユーザにその旨を通知可能にUI制御を実行する。尚且つ、互いに異なる機能の印刷装置であっても、処理対象のジョブにてユーザにより設定された処理条件次第により、互いに、同一の処理条件でもって、分散印刷処理を、実行可能に構成している。その一例として、例えば、図17の動作2及び動作4のような動作を本システムにて実行可能に構成している。
このような構成により、従来技術で想定したような課題を解決し、ユーザの利用環境に適した便利なシステムを構築可能にし、様々なユーザから様々なニーズに対して、柔軟に対応出来るようにする効果を図っている。
又、本形態は、ジョブの生産性を向上させるべく次のように構成している。図17の動作1〜動作4に関する制御例でもって説明する。
例えば、制御部201は、MFP101による動作2とMFP101による動作3を、少なくとも、同時に(並行して)、MFP101により実行可能に制御する(以下、制御17−1と称す)。
又、好ましくは、MFP101による動作1の一部と、MFP101による動作2の一部を、オーバラップさせて、これらの動作を、MFP101により実行させる(以下、制御17−2と称す)。
又、好ましくは、MFP101による動作2と並行して(同時に)、SFP105による動作4を実行させるよう、制御部201、及び/又は、制御部211により、SFP105を、制御する(以下、制御17−3と称す)。
このようにジョブの生産性を考慮に入れた仕組みを採用することで、上記効果を更に向上させる事も出来る。
但し、制御17−2は、既に、プリント実行中のジョブがMFP101に存在しない場合に、実行させる。例えば、既にプリント中のジョブがMFP101に存在する場合、制御部201は、先行のジョブのプリントが終了するまで、ジョブAの原稿画像データを記憶装置304に保持させ、ジョブAのMFP101による分散印刷を待機させる。MPF101による先行ジョブの印刷が完了し次第、自動的に、記憶装置304からジョブAの原稿データを読み出し、ジョブAの分散印刷処理として、動作2を、MFP101により実行させる。
又、制御17−3は、既に、プリント実行中のジョブがMFP101に存在しない場合で且つ、SFP105においてもプリント実行中のジョブが存在しない場合に、実行する。例えば、既にプリント中のジョブがSFP105に存在する場合、SFP105による先行のジョブのプリントが終了するまで、ジョブAの原稿画像データを記憶装置314に保持しておき、ジョブAのSFP105による分散印刷を待機させる。SPF105による先行ジョブの印刷が完了し次第、自動的に、記憶装置314からジョブAの原稿データを読み出し、ジョブAの分散印刷処理として、動作4を、SFP105により実行させる。
このように本形態は、上記効果を得つつも、複数ジョブの全体の生産性をも考慮に入れ、上記効果を更に発揮可能とする。
以上のような処理を、本システムにて、ステップS13の処理にて実行可能に構成する。
尚、図16の例では、コピー機能とプリント機能を含む複数の機能を有する印刷装置に相当するMFP101と、コピー機能は具備せずにプリント機能は具備する印刷装置に相当するSPF105の、2台による分散印刷処理を例示した。しかし、当然、これ以外の組合せによる分散印刷処理を、ステップS13にて、実行可能に構成する。
例えば、互いに複数の機能を有する印刷装置であるMFP101とMFP102の2台による分散印刷でも良い。MFP102とSFP105の2台による分散印刷でも良い。これら3台の印刷装置による分散印刷でも良い。この一例として、MFP101とMFP102の2台による分散印刷処理を、図18に示す制御例で説明する。
図18の例では、マスタ装置をMFP102とし、スレーブ装置をMFP101とする。故に、図5のフローチャートに示す各種処理は、MFP102の制御部が主体となり実行する。又、図18の制御例において、MPF102にて投入されたジョブ(以下、ジョブBと称する)が、3ページからなるA4サイズのドキュメントデータであるとする。
このジョブBに対してMFP102のUIにてユーザ(以下、ユーザBと称す)が設定した複数の処理条件が以下の内容であるとする。
(設定項目1)図12の画面1200を介して、用紙の設定として、用紙サイズが「A4サイズ」で、且つ、用紙タイプとして「普通紙」が設定された。
(設定項目2)片面印刷か両面印刷かの設定として、図6の画面のキー608を介して、「片面印刷」が指示された。
(設定項目3)フィニッシィングの設定として、図13の画面1300を介して、「ステイプル」が設定された。
(設定項目4)印刷部数の設定として、テンキー616で「60部」が設定された。
(設定項目5)印刷倍率の設定として、等倍キー605により「100%」が設定された。
(設定項目6)印刷濃度の設定としては、「標準」が設定された。
(設定項目7)印刷画質の設定としては、「文字」が設定された。
以上のような複数の印刷処理条件を含む一連の処理条件がユーザBにより、MPF102のUIを介して、ジョブBに設定された。そして、更に、ユーザBにより以下の設定がなされた。
(設定項目8)図7のUIを介して、このジョブBのデータのプリント処理を実行すべきデバイスとして、MFP102と、MFP101の2台が選択された。且つ、キー702の押下により、分散印刷指示が入力された。これにより、MPF102の制御部は、該ジョブBの処理要求の受付完了と判断する。
そして、MFP102の制御部は、上記(8)の設定に基き、ジョブBは、分散印刷すべきジョブ(クラスタプリントモードのジョブ)であると判断する。且つ、上記(1)〜(7)の各設定に基づいた印刷処理を、ジョブBの分散印刷にて、MFP102とMFP102により実行すべきと判断する。
又、MFP102の制御部は、ジョブBの処理として如何なる処理が実行されるのかをユーザBにより確認可能にする表示を、MFP102の表示部に、実行させる。尚且つ、MFP102の制御部は、ジョブBが、ローカルプリントモードのジョブではなく、クラスタプリンモードのジョブである事をユーザにより認識可能とする表示を実行可能に表示部を制御する。例えば、「クラスタプリンモード」である事をMPF102の表示部にメッセージ表示させ、その旨をユーザBに通知する。
又、MFP102の制御部は、ユーザからの指示に応答し、ジョブBに関する更なる詳細情報をユーザBに通知する為の設定確認表示を、MFP102の表示部により実行可能に制御する。例えば、ジョブBの印刷処理として、印刷速度に依存せず、均等配分方式で、MFP101とMFP102に分散印刷させる場合、MPF102の制御部は、以下の事柄をユーザBが認識可能な表示をMFP102の表示部に実行させる。
(通知内容1)ジョブBのトータル印刷部数の60部である事。
(通知内容2)そのうちの、30部を、MFP102により分散印刷させる事。
(通知内容3)残りの30部を、MPF101により分散印刷させる事。
又、ジョブBの分散印刷先であるMFP101とMFP102は、互いに複数の機能を有する印刷装置である。故に、好ましくは、例えば、MFP102の制御部は、図16の画面の「タイプ・機能・能力の何れかが異なるデバイス同士が選択されています」等のメッセージをMPF102の表示部に表示させる事を禁止する。このように、分散印刷先としてユーザにより選択された複数の印刷装置がタイプ・機能・能力の少なくとも何れかが異なる装置同士であるか否かをユーザによる区別可能する表示を、UIにより実行可能に制御する構成が好ましい。
以上のような、ジョブBに対する一連の印刷処理条件の設定、及び、ユーザBによる確認が済んだ上で、MFP102のスタートキーがユーザBにより押下されたら、MFP102の制御部は、ジョブBの処理を開始する。
ここで、MFP102の制御部は、ジョブBに関する以下の確認を行う。
(確認1)該ジョブBは、分散印刷対象のジョブである事を確認する(ステップS9でYES)。
(確認2)ステップS6におけるユーザの印刷装置選択操作に基き、該ジョブBの分散印刷先の印刷装置は、MFP102とMFP102の2台である事を、確認する。
(確認3)ユーザBにより設定された上記複数の設定項目(1)〜(3)、(5)〜(7)の各設定に対応する処理を、これらの印刷装置の夫々にて、全て、実行可能である事を、図11の機器情報に基き、確認する(ステップS12でYES)。
故に、MFP102の制御部は、ジョブBの処理として、例えば、ステップS13にて、ジョブBの為の分散印刷処理を、MFP102とMFP102により実行させる。尚、このジョブBの為の分散印刷処理では、以下のような動作を本システムにて実行させるよう制御する。図18を用いて説明する。
(動作1)MFP102の制御部は、3頁からなるジョブBの原稿の読取動作を、MFP102のスキャナにより、順次、頁順に、実行させる。且つ、読取った該ジョブBの原稿データを、順次、MFP102の記憶装置に格納させる。
(動作2)MPF102の制御部は、MPF102の記憶装置に蓄積したジョブBの原稿データの分散印刷処理として、用紙サイズがA4サイズで用紙タイプが普通紙の出力用紙に対し、片面印刷形式で、MFP102によりプリントさせる。この際、印刷倍率は「100%」、印刷濃度は「標準」、画質は「文字」で、ジョブBのプリントを実行させる。且つ、ジョブBの出力用紙を、1部毎に、MPF102のフィニッシャによりステイプル処理を実行させる。このような、ジョブBの分散印刷処理を、ジョブBのトータルの印刷部数は60部数のうちの、30部数分(30セット分)、MFP102により、実行させる。
(動作3)MFP102の制御部は、MFP102の記憶装置304に蓄積したジョブBの原稿データ及び印刷処理条件データ並びに分散印刷指示コマンドを、MFP102からMFP102に対し、ネットワーク104を介し、送信させる。尚、MFP101により印刷させるべき印刷部数は30部数なので、その分配部数データもMPF101に対して送信する。
(動作4)印刷処理条件データと共にMFP101により受信され、MFP101の記憶装置314に蓄積されたジョブBの原稿画像データの分散印刷処理を、MFP101に実行させる。この動作の主たる制御は、MFP101の制御部201により実行する構成でも良い。このMFP101におけるジョブBの分散印刷処理は、MFP102によるジョブBの分散印刷処理における処理条件と同一の処理条件(完全一致の処理条件)でもって、実行させるよう制御する。即ち、用紙サイズがA4サイズで且つ用紙タイプが普通紙の出力用紙に対して、片面印刷形式で、ジョブBの原稿データのプリントをMFP101により実行させる。この際、印刷倍率は「100%」、印刷濃度は「標準」、画質は「文字」で、ジョブBのプリントを実行させる。且つ、ジョブBの出力用紙を、1部毎に、MPF101のフィニッシャによりステイプル処理を実行させる。このような、ジョブBの分散印刷処理を、ジョブBのトータルの印刷部数は60部数のうちの、30部数分(30セット分)、MFP101により、実行させる。
以上の図18の動作1〜4を本システムにて実行することで、該ジョブBの分散印刷処理が完了する。
以上のような図18の動作1〜動作4を、ジョブBの分散印刷処理にて実行させるよう、マスタ装置のMFP102の制御部が主体となり、本システムを制御する。
尚、図18の動作1〜動作4を装置に実行させるタイミングやその動作条件は、図17の制御例と同様に構成する。
このように、本形態は、分散印刷要求のジョブを処理可能に構成されている。又、該ジョブの為にユーザにより設定された複数の印刷処理条件を有する一連の処理条件の全ての処理条件に満足する処理を、分散印刷先の印刷装置の夫々にて実行可能な場合に、図17や図18のような動作を実行可能に制御する。即ち、分散印刷先の印刷装置の全ての印刷装置にて、同一の処理条件(完全一致の処理条件)でもって、分散印刷処理を実行可能に制御する。
このように、本形態は、ステップS13の処理により、分散印刷対象のジョブを、分散印刷対象の各印刷装置にて、完全一致の印刷処理条件でもって、分散プリント可能に本システムを制御する。この「完全一致の処理条件で分散印刷させる」という意味は、例えば、次の動作例を本システムにて実行させる事が、これに該当する。
(動作例)分散印刷対象のジョブの投入直前にユーザがUIで設定した複数の印刷処理条件を有する一連の処理条件の、該複数の印刷処理条件の全ての条件を満足する印刷出力体裁でもって、分散印刷先の印刷装置の各々にて、印刷処理を実行させる。
尚、図17や図18では、均等配分形式であるが故に、分配部数は、各印刷装置ともに同じになるよう制御する構成である。しかし、印刷速度に応じた配分形式を採用する場合、分配部数に関しては、印刷速度が異なる印刷装置毎に、分配部数を異ならせる構成でも良い。このように配分する部数が、各印刷装置毎に違う場合でも、それ以外の処理条件が一致する場合に、完全一致の処理条件と判断し、ステップS13の処理を実行可能に制御する構成でも良い。部数以外の処理条件の1例としては、例えば、上記例示した設定項目等がこれに該当する。
このように、本形態にて、柔軟な構成を提供可能にする事が好ましい。且つ、以上のような構成を、MFP101及びMFP102及びSFP105のどのデバイスがマスタ装置(ローカル装置)になっても実行可能に提供する。これにより、本形態の効果を十分に発揮可能とする。
次に、分散印刷要求がユーザによりなされたジョブの為の分散印刷処理として、分散印刷対象の各印刷装置にて、不完全一致の処理条件でもって、分散印刷させる制御について説明する。この「分散印刷対象のジョブを、不完全一致の処理条件でもって、各印刷装置にて、分散印刷させる」という意味は、例えば、次の動作例を本システムにて実行させる事が、これに該当する。
(動作例)該ジョブ投入直前にユーザがUIで設定した複数の印刷処理条件を有する一連の処理条件の、該複数の印刷処理条件の全ての条件を満足する印刷出力体裁でもって、分散印刷先の印刷装置の各々にて、分散印刷を実行させる事を禁止する。換言すると、分散印刷先の複数の印刷装置にて、互いに、同一の印刷処理条件でもって、分散印刷させない。但し、該複数の処理条件のうちの一部の処理条件は一致させた処理条件でもって、該複数の印刷装置にて、分散印刷させる。好ましくは、分散印刷先の複数の印刷装置のうちの、少なくとも何れかの印刷装置では、該複数の処理条件の全ての処理条件を満足する印刷出力体裁でもって、印刷処理を実行させる。且つ、この印刷装置以外の分散印刷先の印刷装置では、該複数の処理条件の、全ての条件には満足しないが、少なくとも一部の処理条件には満足した印刷出力体裁でもって、印刷処理を実行させる。
本形態のシステムでは、この、不完全一致で分散印刷させる動作として、2種類の動作モードを具備し、選択的に、これらのモードを選択的に実行可能にする。その一例が、後述するステップS16の処理にて本システムに実行させるモードと、ステップS19の処理にて本システムに実行させるモードである。尚、先の、完全一致で分散印刷させる動作モードは、ステップS13の処理にて実行させるモードである。
即ち、本形態では、完全一致で分散印刷処理を実行させるシーケンスと、不完全一致で分散印刷を実行させるシーケンスの2つに分類できる。且つ、前者は、1種類モードがあり、後者のシーケンスには、2種類のモードがある。即ち、本形態は、分散印刷処理にて、合計3種類の動作モードを具備している。
本形態は、ステップS16の処理及びステップS19の処理の何れかに移行する場合であっても、前手順として、ステップS14の処理を行う。ステップS14の処理は、ステップS12の判定でNOの場合に、実行する処理である。例えば、MFP101がマスタ装置で、MFP101とSFP105で分散印刷させる1例に相当する図10を用いた制御例で説明すると、MFP101の制御部201が該判断を行う。 例えば、ステップ1の処理にてユーザが設定した処理条件の全てに対応した分散印刷処理を、MFP101は実行できるが、SFP105が実行できない場合に、MFP101の制御部201は、ステップS14の処理へ移行する。
このように、分散印刷先の複数の印刷装置のうちの、少なくとも、何れか1台のデバイスが、ユーザにより設定された処理条件の全てに対応した処理を実行不可能である場合に、ステップS14の処理へ移行するよう制御する。
ステップS14の処理では、例えば、制御部201は、図8に示すようなクラスタリングモード設定画面をディスプレイ306に表示させる。尚、この例では、マスタ装置がMFP101の場合で説明しているので、MFP101の表示部306に、図8のUI画面を表示させる。
本形態では、分散印刷先の複数の印刷装置のうちの、少なくとも、何れか1台のデバイスが、ユーザにより設定された処理条件の全てに対応した処理を実行不可能な場合に、例えば、図8のような表示を、UIに実行させる。この1例として、制御部201は、ステップ14の処理にて、図8の画面が表示構成要素として具備している複数の表示を、UIに実行可能に制御する。以下、これらの各表示について説明する。
(第1の表示)分散印刷処理を要求したユーザが、ステップS1の処理にて、UIを介して設定した複数の処理条件を、該ユーザにより確認可能にする表示を、UIに実行させる。換言すると、ユーザ操作により選択された複数の印刷装置では、ユーザが設定した処理条件の全ての要件を満足するような、完全一致型の分散印刷処理を、実行不可能である事実をユーザに通知可能にする表示を、UIに、実行させる。この、本形態の制御によりUIに実行させる表示の一例が、図8の画面が具備する表示欄801の表示である。
(第2の表示)何故、完全一致型の分散印刷処理を、実行不可能であるのか、その理由を該ユーザにより識別可能にする表示を、UIに実行させる。好ましくは、実行できない処理内容をユーザが特定可能にする表示をUIに実行させる。この、本形態の制御によりUIに実行させる表示の一例が、図8の画面が具備する表示欄802の「クラスタプリントモードで設定した処理条件のうち、相手先印刷装置で以下の処理が不可能です。ステイプル」の表示に、対応する。
(第3の表示)本形態は、完全一致型の分散印刷処理が出来ない場合の対処方法を、複数、用意している。換言すると、本形態の画像形成システムは、完全一致型の分散印刷処理が出来ないジョブに対する複数の対処方法に対応する複数の動作モードを、機能として具備している。故に、好ましくは、そのような機能が具備している事をユーザにより認識可能にする表示を、UIに実行させる。この、本形態の制御によりUIに実行させる表示の1例が、図8が具備する表示欄802の「以下のいずれかのキーで動作を決定して下さい〜クラスタプリントを中止します」等、ガイダンス情報の表示である。
(第4の表示)本形態は、分散印刷先として選択された複数の印刷装置同士では完全一致型の分散印刷処理が出来ないジョブを、第1の対処方法に対応する動作モードで、それらの各印刷装置により、分散印刷させる事を可能に構成している。本例のシステムでは、該第1の対処方法に対応するモードとして、不可能設定自動解除モードを具備する。制御部は、分散印刷先の印刷装置をこのモードで動作させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の表示をUIに実行させる。この、本形態の制御によりUIに実行させる表示の一例が、図8の画面が具備する表示キー(ソフトキー)803の表示である。
このモードは、分散印刷先として選択された複数の印刷装置同士にて不完全一致型の分散印刷処理を実行させるモードに分類される、動作モードである。本例では、分散印刷先の複数の印刷装置のうちの、設定内容に準ずる処理を実行できない装置に関しては、その処理を実行できない設定項目についてのみ自動的に解除して、分散印刷を実行させる事を可能に構成している。この動作を、該キー803がユーザにより押下された場合に、実行させるよう、マスタ装置及びスレーブ装置の少なくとも何れかの印刷装置が具備する制御部により、制御する。
(第5の表示)本形態は、分散印刷先として選択された複数の印刷装置同士では完全一致型の分散印刷処理が出来ないジョブを、第2の対処方法に対応する動作モードで、それらの各印刷装置により、分散印刷させる事を可能に構成している。本例のシステムでは、該第2の対処方法に対応するモードとして、相手先設定手動変更モードを具備する。制御部は、分散印刷先の印刷装置をこのモードで動作させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の表示をUIに実行させる。この、本形態の制御によりUIに実行させる表示の一例が、図8の画面が具備する表示キー(ソフトキー)804の表示である。
このモードも、分散印刷先として選択された複数の印刷装置同士にて不完全一致型の分散印刷処理を実行させるモードに分類される、動作モードである。本形態は、例えば、分散印刷先の複数の印刷装置のうちのスレーブ装置等、相手先の印刷装置の方が、ユーザにより設定された全ての処理条件のうちの何れかの処理条件に対応した処理が分散印刷にて実行できない場合に対処可能とする。例えば、ユーザによる設定は実行されたものの、その装置が実行不可能な処理条件には従わず、その装置が実行可能な処理条件でもって、その装置により、分散印刷処理を実行可能に構成している。このような動作を、上述の不可能設定自動解除モードが選択された場合には、その装置が実行不可能な設定をユーザ自身が解除する等の介入操作無しに、自動的に、実行可能にする。他方、相手先設定手動変更モードは、このような動作を、その装置が実行不可能な設定をユーザが自らが解除する等の介入操作を介して、実行可能にする。又、後者のモードが選択された場合には、その装置が実行できないユーザ処理条件の設定解除をユーザ自身により実行可能にするのみならず、その装置にて実行できる処理条件への設定変更をユーザ自身により実行可能にする。
(第6の表示)本形態は、分散印刷先として選択された複数の印刷装置同士では完全一致型の分散印刷処理が出来ないジョブに対する第3の対処方法がある。本例のシステムでは、該第3の対処方法に対応するモードとして、完全一致型の分散印刷処理が実行不可能なジョブのキャンセル処理を実行可能にするモードを具備する。制御部は、このモードで装置を動作させる為の指示をユーザにより入力可能にする為の表示をUIに実行させる。この、本形態の制御によりUIに実行させる表示の一例が、図8の画面が具備する表示キー(ソフトキー)805の表示である。
例えば、該キー805がユーザにより選択された場合には、この完全一致型の分散印刷が実行不可能なジョブのキャンセル処理をマスタ装置に実行させる。例えば、ステップS8の処理にて記憶装置304に蓄積した該ジョブの画像データを該メモリから消去する。そして、表示画面を図6の状態に戻すよう表示制御をUIに対して実行する。そして、例えば、ステップS1に戻る。又、例えば、このジョブに後続する印刷順番待ちの他のジョブが存在するならば、そのジョブの印刷処理を開始させる。このような各種キャンセル処理を実行可能にする。
本システムの制御部は、以上のような第1表示〜第6表示を、UIに実行可能に制御する。且つ、第4〜第6表示を介して、上記3つの指示を、選択的に、ユーザから受付入力可能に制御する。そして、該3つの指示のうちのユーザにより入力された指示に応じた処理を本システムにて実行可能に制御する。
尚、上記第1表示〜第6表示は、図8のUI例では、同一画面上に具備されるよう構成している。しかし、本形態は、このような表示形態で無くても良い。例えば、これらの表示のうちの一部の表示は別画面で表示させる構成でも良い。各表示毎に、夫々、独立した画面で、表示させる構成でも良い。このように、本形態は、如何なる構成でも良いが、ユーザの使い勝手を配慮した構成が好ましい。
図8の画面は、上述したように、ユーザから設定を受け付けた内容を示す表示欄801を有す。制御部は、ステップS1の処理にてユーザが設定した分散印刷対象のジョブの処理条件情報をメモリから読み出し、その情報を該表示欄に反映させる。図8の画面は、表示欄801に示される設定内容のうち、図7のリスト701を介して選択された分散印刷先の印刷装置の何れかの印刷装置において実行できない内容を示す情報を表示する表示欄802を有す。この情報は、ステップS1の処理でユーザにより設定された処理条件情報と、図11の管理テーブル内の機器情報のうちの、リスト701で選択されたデバイスに対応する機器情報に基く。尚且つ、表示欄802には、ユーザに対する操作のガイダンス情報を表示させる。又、図8の画面は、上述したとおり、不可能設定自動解除ボタン803、相手先設定手動変更ボタン804、キャンセルボタン805を具備する。
本形態は、処理対象のジョブの分散印刷先の装置に相当する複数の印刷装置のうちの、ユーザにより設定された複数の処理条件の全ての処理条件を満足する印刷出力形態でもって、分散印刷処理が実行可能な印刷装置を活用する。且つ、該複数の処理条件の全ての処理条件を満足する印刷出力形態でもって分散印刷処理を実行する事が出来ない印刷装置も活用する。しかも、これらの印刷装置を、処理対象のジョブの分散印刷先の印刷装置として、両方とも、同時に、利用する事を許可するように、構成している。この1例として、図8の例は、1つのジョブを分散印刷処理する為に選択されたデバイスが、MFP101とSFP105の2台の例である。ユーザにより設定された複数の処理条件は、表示欄801に提示しているように、以下である。
(処理条件1)原稿のサイズは「A4サイズ」。
(処理条件2)記録紙のサイズは「A4サイズ」。
(処理条件3)トータルの印刷部数は「100部」。
(処理条件4)片面印刷か両面印刷かの設定は、「両面印刷」。
(処理条件5)印刷レイアウトの設定は「4in1」。
(処理条件6)記録紙のタイプは「再生紙」。
(処理条件7)シート処理の設定は「ステイプル」。
上記各条件のうち、印刷出力結果の体裁(出来栄え)に直接的に関わる処理条件は、処理条件(2、4、5、6)が、該当する。処理条件(3)の部数「100部」は、分配前のトータルの印刷部数である。又、印刷部数に関する処理条件は、印刷出力体裁に直接的に関わるような処理条件には該当しない。各印刷装置にて実行させる印刷量を規定する際に必要な処理パラメータである。
MFP101は、少なくとも、複数種類のシートを収納する複数の給紙部、複数の画像データを蓄積できるメモリや、両面印刷を実行する為の両面ユニット、ステイプル等のフィニッシングを実行可能なフィニッシャを具備する。これらのユニット等を用いる事で、MPF101は、このジョブの処理条件1〜7の全ての処理条件に満足する印刷出力体裁でもって、このジョブの印刷処理を実行可能である。他方、SFP105は、少なくとも、複数種類のシートを収納する複数の給紙部、複数の画像データを蓄積できるメモリや、両面印刷を実行する為の両面ユニットは具備する。
故に、これらのユニット等を用いる事で、SPF105は、このジョブの処理条件(1〜6)の処理条件に満足する印刷出力体裁でもって、このジョブの印刷処理を実行可能である。しかし、SFP105は、ステイプル処理を実行可能なフィニッシャは具備しない。故に、このジョブの処理条件(7)に基いた処理、即ち、ステイプル処理を施した出力形態でもって、このジョブの印刷処理は実行出来ない。本例のマスタ装置に相当するMFP101の制御部201は、以上のような各種確認をステップS12の処理にて行った結果を、表示欄802に反映させる。
例えば、図8の画面の表示欄802に、「クラスタプリントモードで設定した処理条件のうち、相手先印刷装置で以下の処理が不可能です」と表示させ、当該以下の処理として「ステイプル」を表示させる。これにより、このまま、MFP101とSFP105を用いて分散印刷を実行させると、SFP105ではステイプル処理を得られない事をユーザに認識してもらう。この確認をユーザが行った上で、図8の画面の3つのボタンのうちの何れかのボタン選択により、該事項に対する対処を、ユーザ自身により、決定可能に構成する。
図8の例のように、分散先の装置として利用予定の複数台の印刷装置のうちの、少なくとも1台の印刷装置が、ユーザにより最初に要求された複数の処理条件に完全一致する処理条件でもって、分散印刷処理を実行できないとする。本形態は、たとえ、このようなケースが発生した場合でも、この印刷装置を、そのまま分散印刷先の装置の1台として含めて、分散印刷を可能に構成している。
例えば図8の制御例では、マスタ装置のMFP101は、ユーザが最初に要求した、印刷出力体裁に直接的に関わる、複数の処理条件(2、4、5、6、7)の全ての処理条件に満足する印刷出力体裁で、該ジョブをプリント可能である。他方、スレーブ装置のSFP105は、ユーザが最初に要求した、上記複数の処理条件(2、4、5、6、7)のうち、処理条件(2、4、5、6)に満足する印刷出力体裁でもって、該ジョブをプリント可能ではある。しかし、処理条件(7)に対応する印刷出力体裁でもって、該ジョブのプリント処理は実行不可能である。図8の例では、ステイプル処理はSFP105で実行不可である。
本印刷システムでは、上記のようなケースでも、このジョブの分散処理として、MFP101とSFP105の2台による分散印刷処理の実行を装置が自動的に禁止するような制御を実行しないように、構成している。
又、例えば、MFP101と同等処理が可能なSFP105以外の印刷装置を探索し、その印刷装置とMFP101を用いて分散印刷する等の動作を、装置が、自動的に実行するような制御も行わないように構成している。
本印刷システムは、ユーザが最初に要求した印刷体裁に直接的に関わるような複数の処理条件の全ての処理条件に満足する印刷体裁でもって印刷可能な印刷装置(以下、完全一致の印刷装置とも呼ぶ)と、該複数の処理条件の全ての処理条件に満足する出力体裁の印刷処理は実行不可能な印刷装置(以下、不完全一致の印刷装置とも呼ぶ)の、両方を、分散印刷先の装置として利用した、分散印刷処理を実行可能に制御する。
尚、不可全一致の印刷装置として、好ましくは、ユーザが最初に要求した印刷体裁に直接的に関わるような複数の処理条件のうちの少なくとも一部の処理条件には満足した印刷体裁でもって、印刷可能な印刷装置を利用する。
例えば、図8のようなケースでも、このジョブの分散処理として、MFP101とSFP105の2台による分散印刷処理の実行を許可するように制御している。これにより、図8のようなケースの場合でも、MFP101とSFP105の両方を、そのまま、分散印刷先の印刷装置として選択状態とし、該ジョブの分散印刷処理を、これらの装置に、実行可能に、制御する。
しかも、本システムは、分散印刷先として選択された完全一致の印刷装置と、不完全一致の印刷装置とで、印刷体裁に直接的に関わるような処理条件を異ならせた状態の、分散印刷処理を、実行可能に制御する。
例えば図8のケースにて、上記処理条件(1)〜(7)がユーザ(以下、ユーザCと称す)により設定された上記ジョブ(以下ジョブCと称す)の分散印刷として、以下の動作1〜4を、MFP101と、SFP105に、実行可能に、制御する。尚、ジョブCのデータは、A4サイズの16頁からなるドキュメントデータで構成されているとする。又、この制御の主体は、マスタ装置に相当するMFP101である。図19の制御例を用いて説明する。
(動作1)MPF101の制御部201は、16頁からなるジョブCの原稿の読取動作を、MFP101のスキャナ202により、順次、頁順に、実行させる。且つ、読取った該ジョブCの原稿データを、順次、記憶装置304に格納させる。
(動作2)MPF101の制御部201は、記憶装置304に蓄積したジョブCの原稿データの分散印刷処理として、用紙サイズがA4サイズで用紙タイプが再生紙の出力用紙に対し、両面印刷形式で、MFP101によりプリントさせる。その際、1枚の記録紙の一方の面に、原稿4頁分のドキュメントデータを配列形成させる4in1レイアウト処理を施す。つまり、1枚の記録紙の表面と裏面には、それぞれ、4頁分の画像が縮小レイアウトで処理される。オリジナルは16頁なので、1部数分のシートの合計枚数は、16÷4÷2=2枚である。そして、ジョブCの出力用紙を、1部毎に、MPF101のフィニッシャによりステイプル処理を実行させる。このような、ジョブCの分散印刷処理を、ジョブCのトータルの印刷部数は100部数のうちの、50部数分(50セット分)、MFP101により、実行させる。
(動作3)MPF101の制御部201は、記憶装置304に蓄積したジョブCの原稿データ及び印刷処理条件データ及び分散印刷指示コマンド、を、MFP101からSFP105に対し、ネットワーク104を介して、送信させる。尚、SFP105で印刷させるべき印刷部数は50部数なので、その分配部数データもSPF105へ送信する。ここで、処理条件は不完全一致なので、ステイプル処理の実行指示コマンドは、MFP101からSFP105に送信させない。
(動作4)印刷処理条件データと共にSFP105により受信され、SFP105の記憶装置314に蓄積されたジョブCの原稿画像データの分散印刷処理を、SFP105に実行させる。この動作を、SFP105の制御部211が主体に制御する構成でも良い。このSFP105におけるジョブCの分散印刷処理は、MFP101によるジョブCの分散印刷処理における処理条件と異なる処理条件(不完全一致の処理条件)でもって、実行させるよう制御する。
この例では、用紙サイズがA4サイズで用紙タイプが再生紙の出力用紙に対し、両面印刷形式で、SFP101によりプリントさせる。その際、1枚の記録紙の一方の面に、原稿4頁分のドキュメントデータを配列形成させる4in1レイアウト処理を施す。つまり、1枚の記録紙の表面と裏面には、それぞれ、4頁分の画像が縮小レイアウトで処理される。ここまでのSFP105による印刷処理工程は、他方の分散印刷先のMFP101と一致する。しかし、MFP101にてジョブCの分散印刷の為にMFP101により実行させる処理条件のうちのステイプル処理は、SFP105では、実行させないよう構成する。例えば、フィニッシィングは実行させる事なく、そのまま排紙部にジョブCの出力用紙をSFP105により排紙させる。
このような、ジョブCの分散印刷処理を、ジョブCのトータルの印刷部数に相当する100部数のうちの、50部数分(50セット分)、SFP105により、実行させる。
以上の図19の動作1〜4を本システムにて実行することで、該ジョブCの不完全一致型の分散印刷処理が完了する。換言すると、以上の図19の動作1〜動作4を実行させることで、図19のように、MFP101とSFP105とで、ジョブCの印刷体裁の一部を異ならせた、出力結果を、合計100セット、迅速に、得られる。
尚、図19の動作1〜動作4を装置に実行させるタイミングや動作条件は、図17の制御例や図18の制御例と同様となるよう制御部により制御可能に構成する。
本形態の画像形成システムは、このように、完全一致の印刷装置と、不完全一致の印刷装置の、両方を、分散印刷先の装置として利用した、分散印刷処理も実行可能に制御する。尚且つ、分散印刷先として選択された該完全一致の印刷装置と、不完全一致の印刷装置とで、印刷体裁に直接的に関わるような処理条件を異ならせた状態の、分散印刷処理を、実行可能に制御する。この分散印刷処理のことを、不完全一致型の分散印刷処理と称す。これが、不完全一致で分散印刷を実行させるシーケンスに相当する。
尚、図17や図18の制御例と図19の制御例を以下に比較する。図17や図18のジョブ制御例は、完全一致型の分散印刷処理を実行させるシーケンスに該当する。
図17の例にて、MFP101とSFP105は、ジョブAの分散処理にて、両方とも、完全一致の印刷装置に該当する。理由は、これらの装置は、両方とも、ユーザAがステップS1にて要求した、印刷体裁に直接的に関わる、複数の処理条件の全ての処理条件に満足する印刷体裁で、ジョブAの分散印刷が可能な印刷装置に該当するからである。
図18の例にて、MFP102とMFP101は、ジョブBの分散処理にて、両方とも、完全一致の印刷装置に該当する。理由は、これらの装置は、両方とも、ユーザBがステップS1にて要求した、印刷体裁に直接的に関わる、複数の処理条件の全ての処理条件に満足する印刷体裁で、ジョブBの分散印刷が可能な印刷装置に該当するからである。
図19の例では、MFP101は、ジョブCの分散処理にて、完全一致の印刷装置に該当する。SFP105は、ジョブCの分散処理にて、不完全一致の印刷装置に該当する。理由は、MFP101は、ユーザCがステップS1にて要求した、印刷体裁に直接的に関わる、複数の処理条件の全ての処理条件に満足する印刷体裁で、ジョブCの分散印刷が可能な印刷装置に該当するからである。他方、SFP105は、ユーザCがステップS1にて要求した、印刷体裁に直接的に関わる、複数の処理条件の全ての処理条件に満足する印刷体裁で、ジョブCの分散印刷が実行不可の印刷装置に該当するからである。
上述の如く、本形態のシステムは、ユーザの利用環境やユースケースに配慮した仕組みとして、完全一致型の分散印刷処理を実行可能に構成するのみならず、不完全一致型の分散処理を実行可能に構成している。
これにより、従来技術で想定したような状況にも対処でき、様々なユーザからの様々なニーズに柔軟に対応可能となる。又、本形態のような不完全一致型の分散印刷処理を実行可能に構成することで、以下のような状況にも対処可能となる。
例えば、分散印刷の有効活用を実際のオフィス環境でも簡単に実現可能となる。特に、同シリーズ同士或いは同等機能同士でしか分散印刷が出来ないといった問題も解消できる。換言すると、例えば、システム内に、ユーザから言われたとおりの処理と全く同じ事を出来る機能を具備した装置が複数台なくても、分散印刷が実現可能となる。又、例えば、MFPとSFP等の異機種デバイスはオフィスに混在しているものの、同タイプの印刷装置はオフィス無い等の利用環境でも、本システムの効果を発揮できる。このように、実際の現場に根付いた柔軟なシステム構築が可能となる。
又、本形態の構成により、実際の環境における各種ユーザニーズに対しても柔軟に対処可能となる。例えば、ドキュメントの出力体裁に関わる各種要望を抱いたユーザが、可能ならば印刷装置に対処して欲しい処理ではある反面、たとえ対処出来なくても、それ程問題では無いと考えている状況等に柔軟に対応出来る。特に、このようなケースにて、そのユーザが、処理条件の一部を妥協してでも、むしろ、分散印刷を優先的に行いたい等の要望を頂いているような場合に対処できる。換言すると、従来で想定したようなシステムでは、ユーザが最初に要求した処理条件の全てを満たさないと分散印刷不可となる等の制限が発生する可能性が考えられる。このような問題に対しても対処可能となる。
又、本形態の印刷システムは、上記効果を図りつつも、実際の環境のニーザに対する配慮として、種々の仕組みを取り入れている。
その一例として、例えば、上記不完全一致型の分散印刷処理を、本システムにて、実行させるか否かを、少なくとも、該不完全一致の分散印刷処理が完了する前に、該ジョブのユーザが決定可能に構成している。好ましくは、例えば、図5のステップS14の処理を行うタイミング等、不可全一致型の分散印刷処理を本システムに開始させる前に、不可全一致型の分散印刷処理の実行可否を、ユーザにより決定可能に構成する。又例えば、ステップS2の処理でYESのタイミング等、該ジョブの読取開始前のタイミングにて、図8のUIを提示する。そして、該UIを介して、上記の判断をユーザに委ねるように構成しても良い。
このように、不完全一致型の分散印刷処理を実行するか否かを、そのジョブの原稿画像データがマスタ装置の記憶装置に全て格納される前に、マスタ装置のUIを介して該ジョブのユーザが選択可能に構成しても良い。換言すると、不完全一致型の分散印刷を実行するか否かを、そのジョブの原稿画像データが、スレーブ装置の記憶装置にデータ転送される前、或いは、スレーブ装置により印刷開始前に、UIを介してユーザにより選択可能に構成する。
以上のように、ユーザの承諾無しに、勝手に、不完全一致型の分散印刷を実行させないように構成する事も出来る。これにより、例えば、ユーザが希望していないにも拘らず、不可全一致の分散印刷処理が実行されてしまう等の問題も未然に防止可能となる。換言すると、ユーザが最初に望んだ処理条件で分散印刷が仮に実行できなくても、該ユーザが納得した出力形態で、異機種・異機能の印刷装置同士での分散印刷が可能となる。
このように本形態は、システム内に存在する複数のデバイスの有効活用出来るという効果を、煩雑な操作をユーザに要求すること無しに、且つ、ユーザの承諾を得たうえで、図る事が可能という効果を奏する。即ち、本形態の上記効果を、更に向上させる事も可能となる。
尚且つ、本形態は、上記効果を更に向上させる更なる仕組みの1例として、以下の点を、本システムにて提供可能に構成している。
例えば、不完全一致型の分散印刷動作を本システムの複数の印刷装置を用いて実行させるにあたり、以下の2つのモードからユーザが所望のモードを実行可能に構成する。
[第1の不完全一致型分散印刷モード:不可能設定自動解除モード]
このモードは、例えば、図8のUIのキー803により不可能設定自動解除モードの実行指示が該UIを介してユーザにより入力された場合に、分散印刷先の各印刷装置に実行させる動作である。本例では、ステップS15にてYESの判定を経て、ステップS16の処理を行う場合の例に相当する。
このモードでは、分散印刷対象のジョブの為に、不完全一致の印刷装置に、以下の動作Aを実行させる。且つ、該動作Aと並行して(同時に)、完全一致の印刷装置に、以下の動作Bを、自動的に実行させる。
(動作A)ユーザが分散印刷指示を入力する前に事前に処理対象のジョブの為に設定した複数の印刷処理条件のうちの、不完全一致の印刷装置が実行不可の印刷処理条件を、該不完全一致の印刷装置では、自動的にキャンセル(無視)する。換言すると、不完全一致の印刷装置が実行不可の処理はスキップして、該装置により該ジョブの為の分散印刷を実行可能にする。但し、好ましくは、該複数の印刷処理条件のうちの、該不完全一致の印刷装置が実行可の処理条件には従った印刷出力体裁でもって、該不完全一致の印刷装置により該ジョブの分散印刷を実行可能に制御する。又、完全一致の印刷装置側では、該不可全一致の印刷装置により実行不可の処理をキャンセルせず(スキップせず)、有効状態のままとする。換言すると、上記複数の印刷処理条件の全ての条件に従った印刷出力体裁の、分散印刷を該ジョブの為に完全一致の印刷装置により実行可能に制御する。
このように、該複数の処理条件のうちの、一部の処理条件は無視し、残りの処理条件には従った、印刷出力体裁でもって、不完全一致の印刷装置により分散印刷処理を、動作Aとして、実行させる。
この一連の動作Aを該不完全一致の印刷装置により自動的に実行させる事に並行して(同時に)、以下の動作Bを、完全一致の印刷装置により、実行させる。
(動作B)前記複数の印刷処理条件のうちの全ての処理条件に従った印刷出力体裁でもって、上記完全一致の印刷装置により上記ジョブの分散印刷処理を、自動的に、実行させる。
このような、不可全一致の印刷装置による動作Aと、完全一致の印刷装置による動作Bとを、同時に、(並行して)、分散印刷処理として、自動的に、実行させる。これが、ステップS16の処理にて、これらの印刷装置に実行させる第1の不完全一致型分散印刷モード処理の1例である。
このモードで図19のジョブCを分散印刷させる場合には以下のような手順となる。例えば、制御部201は、図5のステップS8の処理として、図19の動作1をMFP101に実行させる。その後、図5のステップS14にて、ジョブCに関する表示として、図8の表示を、表示部306に実行させる。そして、ジョブCに対する処置として図8のUI画面のキー803がユーザCにより押下された場合、制御部201は、ステップS16の処理へ移行する。制御部201は、ステップS16の処理として、例えば、図19の動作2と動作3を、MFP101に実行させる。且つ、図19の動作4をSFP105に実行させる。
以上の図19の動作1〜動作4を実行させることで、ジョブCの為の第1の不可全一致型の分散印刷処理を完了させる。
尚、このモードにて、図19のSFP105は、ジョブCの分散印刷として、ステイプルの設定を自動解除し、その他の設定は全てユーザからの指示に従った処理条件でもって、印刷処理を実行させる。
このステイプルという設定は、フィニッシングの設定に属する設定である。フィニッシィングの設定に属する処理条件は、ステイプル以外にもパンチ処理や断裁処理等、複数の候補が存在しうる。上記のように、ユーザにより設定された処理条件を自動的に解除する場合にて、その処理条件の代わりとなるような選択候補が存在する場合、デフォルト値を採用するよう処理条件を制御する。以下、具体例を挙げる。
例えば、SFP105は、フィニッシィングの設定として、「ノンソート」がデフォルト設定として登録されているとする。この場合、SFP105では、ジョブCのフィニッシィングに関わる処理条件を「ステイプル」ではなく「ノンソート」になるよう制御する。
又、例えば、SFP105が、ステイプル機能は具備していないものの、フィニッシィングの機能の1つに含まれる機能として、シフト排紙機能を具備しているとする。このシフト排紙機能とは、例えば、複数部数の出力用紙を、1部数分のシート束毎に、シフトした状態で排紙トレイに積載させる機能である。もし、このようにSFP105がシフト排紙機能を具備しており、且つ、フィニッシィングに関するデフォルト設定として「シフト排紙」がSFP105に設定されているとする。この場合、SFP105では、上記ジョブCのフィニッシィングに関する設定条件を「ステイプル」ではなく「シフト排紙」になるよう制御する。
このように、第1の不完全一致型の分散印刷モードにて、処理対象のジョブの処理条件を自動的に解除する場合に、その条件の代わりとなる処理条件が、不可全一致の印刷装置にて存在するとする。このような場合、その条件が属する設定のデフォル値を、該ジョブの為に自動設定するよう該装置を制御する構成でも良い。
[第2の不完全一致型分散印刷モード:相手先設定手動変更モード]
このモードは、例えば、図8のUIのキー804により相手先設定手動変更モードの実行指示が該UIを介してユーザにより入力された場合に、分散印刷先の各印刷装置に実行させる動作である。本例では、ステップS17にてYESの判定を経て、ステップS18及びステップ19の処理を行う場合の例に相当する。
この第2の不完全一致型分散印刷モードは、上記第1の不可全一致型分散印刷モードと比較して、不可全一致の印刷装置に対する制御が異なる。完全一致の印刷装置に対する制御は、上記第1の不可全一致型分散印刷モードの時と同じである。例えば、このモードでは、分散印刷対象のジョブの為に、完全一致の印刷装置により、上記動作Aを実行させる。但し、該動作Aに並行して(同時に)、不完全一致の印刷装置には、以下の動作Cを実行させる。
(動作C)ユーザが分散印刷指示を入力する前に事前に処理対象のジョブの為に設定した複数の印刷処理条件のうちの、不完全一致の印刷装置が実行不可の印刷処理条件を、不完全一致の印刷装置では、キャンセルする。且つ、代わりとなる処理条件を、ユーザ自身があらためて設定しなおす。そして、前記複数の印刷処理条件のうちの該不完全一致の印刷装置が実行可の印刷処理条件と、新たにユーザが設定し直した処理条件とに従った、印刷出力体裁でもって、該不完全一致の印刷装置により該ジョブの分散印刷処理を実行させる。
このように、該複数の処理条件のうちの、一部の処理条件をあらためてユーザが設定変更し、残りの処理条件は、最初の設定に従った、印刷出力体裁でもって、不完全一致の印刷装置により分散印刷処理を、動作Cとして、実行させる。
このモードで図19のジョブCを分散印刷させる場合には以下のような手順となる。例えば、制御部201は、図5のステップS8の処理として、図19の動作1をMFP101に実行させる。その後、図5のステップS14にて、ジョブCに関する表示として、図8の表示を、表示部306に実行させる。そして、ユーザCによりジョブCに対する処置として図8のUI画面のキー804が押下された事に応じて、制御部201は、ステップS18に処理を移行する。
ステップS18では、例えば、後述する図9のUIを表示部306に表示させる。この画面を介して、SFP105のフィニッシィングの設定として選択可能な複数の候補の中から、ステイプル以外の、例えば「ノンソート」を設定する。これを受け、制御部201は、ステップS19の処理として、例えば、図19の動作2と動作3を、MFP101に実行させる。且つ、図19の動作4をSFP105に実行させる。
以上の図19の動作1〜動作4を実行させることで、ジョブCの為の第2の不可全一致型の分散印刷処理を完了させる。
以上のように、本形態は、ユーザの意思を尊重しつつ上記効果を図るように、様々な仕組みを取り入れている。
次に、図5の各ステップの説明に戻る。ステップS15にて、制御部201は、不可能設定自動解除ボタン803がユーザにより選択されたか否かを判定する。不可能設定自動解除ボタン803がユーザにより選択されたと判定された場合には、ステップS16へ移行する。
ステップS16の処理では、以下の二つの動作を各印刷装置に実行させるよう制御する。例えば、自装置であるMFP101では、ステップS1にてユーザから受付た印刷条件の設定内容の全てに対して、そのまま従うように、分散印刷を実行させる。他方、上記設定内容の全ての指示内容には従う事が不可のリモート印刷装置では、次のように動作させる。例えば、ユーザによって設定された処理条件のうちの、該リモート印刷装置では実行不可の処理条件に対応した処理を、自動的に、スキップさせる(無視する)。但し、該装置が実行不可の設定内容以外の該装置が実行可の設定内容には従った処理を、該リモート印刷装置により、実行させる。このような分散印刷処理を実行させる。
ここで、MFP101については上記と同様に割り当てられた設定内容に従ったジョブが統括管理マネージャ405により生成されて、印刷処理が実行される。なお、図5のフローチャートに対応する本実施形態では存在しないが、設定内容に従った処理が可能なリモート印刷装置が他にあった場合も、同様に処理する。例えば、そのリモート印刷装置に割り当てられた設定内容に従ったジョブが統括管理マネージャ405において生成され、ネットワーク104を介して各リモート印刷装置に送信され、印刷処理が実行されるよう制御する。
一方、実行不可能な処理が存在するリモート印刷装置については、統括管理マネージャ405が、当該実行不可能な処理を除外したジョブを生成し、ネットワーク104を介して当該リモート印刷装置に送信する。例えば、本実施形態の場合、SFP105は、ステイプル処理を実行できない例で説明している。
故に、この例では、MFP101の統括管理マネージャ405は、SFP105用のジョブとしてステイプル処理を除外したジョブを生成し、ネットワーク104を介してSPF105に送信する。例えば、図8の例では、SPF105側では、処理条件(1)〜(7)のうちの処理条件(7)のステイプル処理を除いた、分散印刷処理を、元々の設定内容(1)〜(6)に従って、実行される。
尚、図8の例にて、MFP101側では、処理条件(1)〜(7)の全ての処理条件に従った分散印刷処理を、上記SFP105の処理に並行して(同時に)、実行させる。
このように、不可能設定自動解除ボタン803が選択された場合には、各印刷装置において可能な処理のみを、ユーザがステップS1にて印刷条件を確定した後に新たに印刷条件を設定変更し直す事無く、自動的に、実行可能に制御する。即ち、第1の不可全一致型の分散印刷モードによる分散印刷を本システムにて実行可能にする。
このようなクラスタ印刷を遂行することができる。好ましくは、完全一致の印刷装置では、ユーザが最初に設定した全ての処理条件に従った分散印刷処理を、実行させる。他方、不可全一致の印刷装置では、ユーザが最初に設定した処理条件のうちの少なくとも一部の処理条件には従った分散印刷処理を、実行させる。
ステップS15にて不可能設定自動解除ボタン803が選択されていないと判定された場合には、ステップS17へ移行する。制御部201は、ステップS17にて、図8のUI画面の相手先設定手動変更ボタン804がユーザにより選択されたか否かを判定する。相手先設定手動変更ボタン804が選択されたと判定された場合には、ステップS18へ移行する。制御部201は、ステップS19にて、図9に一例を示すような手動設定画面を、表示部306に表示させる。且つ、該表示を介してユーザからの指示入力を受け付け可能に制御する。
制御部201が表示部306に表示させる図9の画面は、次のような表示構成要素を具備する。例えば、表示欄801である。これは、図8の表示欄801と同様の機能を果たす。即ち、ステップS1にて最初にユーザにより設定された一連の印刷条件を示す表示を実行させる表示欄である。図9の表示欄900は、ステップS1にてユーザにより設定された処理条件のうちの、不可全一致の印刷装置では実行不可の処理条件を、その装置により実行可の処理条件に該ユーザにより設定変更可能にする為の再設定入力欄である。
この入力欄900を介してユーザにより設定変更されたパラメータは、不完全一致の印刷装置の為だけに機能させる処理条件である。換言すると、処理対象のジョブの分散印刷先として、完全一致の印刷装置と不可全一致の印刷装置の両方が含まれている場合には、次のように制御する。
例えば、当該入力欄900を介して設定変更された処理条件は、完全一致の印刷装置には機能しないよう制御し、不可全一致の印刷装置に対して機能するように制御する。完全一致の印刷装置に対しては、ユーザがステップS1にて最初に設定した処理条件の全てに従った処理を分散印刷処理として実行させるよう制御する。不可全一致の印刷装置に対しては、ステップS1にてユーザにより設定された処理条件のうちの該装置が実行可の処理条件及び入力欄900で設定変更された処理条件に従った処理を、実行させるよう制御する。これを図19で説明すると以下のようになる。
例えば、ジョブCの分散印刷にて完全一致の印刷装置に該当するMFP101では、ジョブCの処理条件(1)〜(7)の全ての条件を満足する印刷体裁でもって、ジョブCの分散印刷を実行させる。この印刷処理をMFP101に分配された印刷部数に相当する50セット分、MPF101に、実行させる。即ち、図19の動作2を、MFP101に実行させるよう制御する。
一方、ジョブCの分散印刷にて不完全一致の印刷装置に該当するSFP105では、ジョブCの処理条件(1)〜(7)のうちの、処理条件(7)のステイプル処理は、実行不可の処理条件である。
そこで、制御部201は、図9の入力欄900で、SFP105にて実行可の処理条件の設定候補を表示部306に表示させる。例えば、入力欄900の排紙モード設定欄903では、SFP105にて実行可のフィニッシィングの候補を表示させる。好ましくは、該装置では実行不可の設定条件をユーザが認識可能にする表示を実行させる。この例では、ステイプルの設定に該当する項目をグレーアウト表示させる。該表示制御により、SFP105の為のステイプルモードの選択を禁止するよう制御する。
且つ、その他のSFP105により実行可のフィニッシィングの選択候補に該当する「ノンソート/ソート/グループソート」は有効表示状態になるよう制御する。そして、この中から所望のフィニッシィングの設定をSFP105の為にユーザにより選択可能に制御する。例えば、該フィニッシィング設定変更欄903にて「ノンソート」がユーザにより選択された場合、制御部201は、このSFP105の為のフィニッシィングの設定変更をユーザから受け付ける。
以上のようなユーザによる設定変更操作が完了し、決定キー904がユーザにより押下されたら、制御部201は、図19の動作3として、MFP101からSFP105に対して、例えば、以下のような各種データを、送信する。
(1)ジョブCの一連の画像データ(16ページ分の印刷データ)。
(2)ジョブCの為の処理条件(1)〜(6)の各種パラメータ(但し、処理条件3の印刷部数に関しては、SFP105に対して分配した分配部数に相当する50部を示すパラメータとする)。
(3)処理条件(7)の設定変更後のパラメータ、即ち、「ノンソート」。
そして、SFP105が、上記各種データを受信したら、例えば、該受信データを、SFP105のハードディスク314に格納する。そして、該処理条件に従った印刷体裁でもって、該ジョブCの分散印刷を実行させる。即ち、図19の動作4を、SFP105に実行させるよう制御する。
尚、この動作4の制御の主体は、SFP105の制御部210にて行う構成でも良い。好ましくは、図19のMFP101の動作2に並行して(同時に)、SFP105の動作4を実行可能に構成する。但し、既に実行中のジョブや印刷待ちのジョブが存在するならば、先行するジョブの印刷終了を待ち、その上で、該ジョブCの分散印刷を実行させる。
以上のような動作を第2の不完全一致の分散印刷モードにて実行させる。その上で、図9のようなユーザインタフェースを提供する。
尚、入力欄900には、互いに異なる属性の複数の処理条件に関する複数の設定変更欄を表示させる構成でも良い。例えば、図9の表示例では、排紙モードの設定変更欄903の他にも、給紙モードの設定変更を実行可能にする為の給紙モード設定変更欄901を表示させる。又、両面印刷/片面印刷等、印刷面に関する設定変更欄902等を表示可能に制御する。
尚、勿論、全ての設定変更欄を同一画面上に表示させる構成でも良いし、各項目毎に別画面で表示させる構成でも良い。このように如何なる表示構成でも良い。しかし、好ましくは、当該設定変更後のパラメータは、不完全一致の印刷装置の為だけに機能するよう制御する。換言すると、完全一致の印刷装置に対しては、この設定変更後の処理内容に従った処理は、実行させないよう制御する。
即ち、図19の例で説明すると、MFP101とSFP105のうちの、SFP105に対しては、当該設定変更後の処理条件を反映させる。他方、MFP101は、当該設定変更後の処理条件には依存しないよう制御する。制御部201は、ステップS1にてユーザにより設定された、当初の処理条件(1)〜(7)に従った出力体裁でもって、分散印刷を、MFP101に実行させるよう制御する。
尚、図9の画面の904は、変更した設定内容の決定を指示する決定ボタン、905はキャンセルボタンである。
このように、本実施形態の場合には、リモート印刷装置であるSFP105はステイプル機能を有していない。故に、排紙モード903のうちステイプルの項目をグレーアウト表示させる。制御部201は、排紙モード設定変更欄903を介してステイプル以外のフィニッシィングの設定変更をユーザから受付可能に制御する。そのうえで、SFP105における印刷処理を実行させる。
ユーザが設定を完了し決定ボタン904を操作すると、変更内容が決定されるとともに、変更後の設定内容による印刷開始指示がなされるよう制御する。一方、キャンセルボタン905がユーザにより操作された場合には、図8の表示画面に戻るよう表示部306を制御する。
図9では、本実施形態に対応してSFP105のみの設定画面が表示されているが、クラスタ印刷設定において複数のリモート印刷装置が選択された場合には、ある印刷装置について決定ボタン904が選択されると、残りの印刷装置についての設定画面が表示されて設定内容の変更を受け付けるとともに、最後の印刷装置について決定ボタン904が操作されると設定変更後の内容にて印刷開始指示がなされたこととなる。
ステップS19では、MFP101については上記と同様に割り当てられた設定内容に従ったジョブが統括管理マネージャ405により生成されて、印刷処理が実行される。なお、図5のフローチャートに対応する本実施形態では存在しないが、設定内容に従った処理が可能なリモート印刷装置が他にあった場合も、同様にして当該リモート印刷装置に割り当てられた設定内容に従ったジョブが統括管理マネージャ405において生成され、ネットワーク104を介して各リモート印刷装置に送信され、印刷処理が実行される。
一方、設定内容が変更されたリモート印刷装置については、統括管理マネージャ405が、変更後の設定内容に対応するジョブを生成し、ネットワーク104を介して当該リモート印刷装置に送信する。より具体的に、本実施形態の場合、例えば図9の画面においてソートが選択された場合には、MFP101の統括管理マネージャ405は、SFP105用のジョブとしてステイプル処理の代わりにソート処理を実行するジョブを生成し、ネットワーク104を介してSPF105に送信する。よって、SPF105側では、ステイプル処理を除く他の設定内容に従った印刷処理とともにソート処理を行う。
このように、相手先設定手動変更ボタン804が選択された場合には、実行可能な範囲においてリモート印刷装置の設定内容を変更して、クラスタ印刷を遂行することができる。即ち、第2の不可全一致型の分散印刷モードによる分散印刷を本システムにて実行可能にする。
ステップS17において、相手先設定手動変更受付ボタン804が選択されていないと判定された場合には、ステップS20へ移行して、キャンセルボタン805が選択されたか否かが判定される。キャンセルボタン805が選択されたと判定された場合には処理を終了する。一方、キャンセルボタン805が選択されていないと判定された場合には、ステップS15に戻って処理を継続する。
以上のように、本実施形態では、分散印刷を行う場合等、リモート印刷装置を利用する場合にて、該リモート印刷装置では処理できない設定内容がある場合に、様々な仕組みを採用している。
例えば、上述のしたように、ユーザが当初希望していた処理条件の設定内容を示す表示を実行させる。且つ、その処理条件のうちの該リモート印刷装置では実行不可の処設定内容を示す表示を実行させる。このような方法で、クラスタ印刷を、ユーザが当初希望していた設定通りには、実行できないことをユーザに報知するよう制御する。これにより、その旨をユーザにより確認してもらう。
しかも、本形態は、このようなケースが発生したからといって、該リモート印刷装置の利用を直ぐには断念せずに、システム全体を有効活用する事を念頭に入れている。例えば、このようなケースでも、そのリモート印刷装置を、極力、利用可能に構成する。但し、本システムの制御部が、独断で、該装置を利用する事を自動決定する等の構成は、採用しない。好ましくは、本形態のような、ユーザへの配慮を取り入れる。
例えば、まず、上記のようなケースが発生した場合には、その旨を上記のような通知方法でもって、ユーザに報告する。例えば、完全一致型の分散印刷が実行できない旨をユーザに対してUIにより通知させる。その上で、この事実に対して、本システムにて如何様に処置すべきかを、該ユーザ自身により決定可能に構成する。例えば、不可全一致型の分散印刷の実行可否をユーザにより選択可能に構成する。
且つ、第1、第2のどちらの不可全一致型の分散印刷を実行させるかをユーザにより決定可能に構成する。尚且つ、このように、ユーザに判断を委ねる際に、どのような処置が可能なのか、その選択候補をユーザに通知するよう制御する。この例として、図8のようなUI画面を表示させる。これにより、当該ユーザ判断の手助けを担うように構成する。
これにより、上記のようなケースが起きても、容易に、次に行うべき処理を続行できる。換言すると、印刷システムを利用するユーザの多様な利用の仕方に柔軟に対応することが可能となる。よって、共通の機能を有しない印刷装置がネットワークに接続されてシステムが構築されている場合であっても、印刷装置間における不具合を報知し、当該不具合を回避することが容易となる。また、そのためのユーザインターフェースを提供することができる。即ち、従来技術で想定したような問題も極力抑え、上述した各種効果を得る事が可能となる。
なお、上述した実施形態においては、図8に示す画面においてキャンセルボタン805が操作された場合に処理を終了すると記載したが、以下のような処理を行っても良い。
まず、キャンセルボタン805が操作された場合には、設定内容を実行できないリモート印刷装置に割り当てられている全ての処理をローカル印刷装置に割り当てて、クラスタ印刷を続行するようにしても良い。当然、上述したようなジョブ終了処理を実行しても良い。即ち、分散印刷をする為に当該ジョブの画像データを記憶させた記憶装置304(及び/又は、記憶装置に314)から、該ジョブの画像データを消去するよう制御する。又、印刷待ちの他のジョブが存在するならば、順次、他のジョブの印刷を代わりに実行するよう制御する。例えば、ステップS1に戻るように構成しても良い。
また、クラスタ印刷がローカル印刷装置と複数のリモート印刷装置で実行される場合には、図10に示すクラスタ印刷設定画面を再表示して、設定内容を実行できないリモート印刷装置に割り当てられる全ての処理を残りの印刷装置に振り分けて、クラスタ印刷を続行するようにしても良い。
又、図8、図9、図19の説明では、互いに異機能の印刷装置同士に相当するMFP101及びSFP105による不可全一致型の分散印刷の制御例を説明した。例えば、MFP101は、自装置のスキャナ部で読取ったデータを自装置のプリンタ部でプリントするコピー機能、及び、外部装置からのデータをプリントするプリント機能の両方を有する印刷装置に相当する。
他方、SFP105は、コピー機能(少なくもスキャン機能)は具備しないがプリント機能を有する印刷装置に相当する。このように異機種同士の印刷装置による分散印刷を可能に構成している。しかし、好ましくは、同一機能の印刷装置同士でも、不可全一致型の分散印刷を実行可能に構成する。何故なら、例えば、MFP101とMFP102が同一機能同士の印刷装置でも、状況によっては、不完全一致型の分散印刷に対処すべきケースが発生しうる事を念頭に入れているからである。この一例を以下に示す。
例えば、MFP101のUIで、処理対象のジョブ(以下、ジョブDと称する)に対して、図7の画面を介して、MFP101とMFP102による分散印刷実行指示がユーザ(以下、ユーザDと称する)により要求されたとする。この際(図5の例では、ステップS1の処理にて)、ジョブDの印刷処理条件として、少なくとも、以下の複数の設定項目を含む一連の処理条件がユーザDにより指示されたとする。
(処理条件1)出力用紙サイズの設定「A4サイズ」。
(処理条件2)出力用紙タイプの設定「再生紙」。
(処理条件3)片面印刷か両面印刷かの設定「両面印刷」。
(処理条件4)フィニッシィングの設定「ステイプル」。
(処理条件5) 印刷部数の設定は「20部」。
以上のような各種設定がユーザDよりなされたうえで、ジョブDの処理要求をMFP101の制御部201が受付けたとする。これを受け、例えば、MFP101の制御部201は、ステップS11にて、図11の管理テーブル内のMFP101とMFP102の機能情報を確認する。又、これらの印刷装置の消耗材の残量情報を少なくとも含む装置の現在のステータス情報等を確認する。尚、印刷部数20部は、ジョブDのトータルの印刷部数である。故に、MFP101とMFP102には、それぞれ、10部ずつ分配するものとする。
このステップS11の判定にて、MFP101の制御部201は、上記処理条件1〜5の全ての処理条件に満足する印刷処理をMFP101により実行可能であると判断したとする。理由として、例えば、制御部201が、MFP101の給紙部に「A4サイズで且つ再生紙」の用紙が存在する事を確認した。且つ、MPF101は両面印刷ユニットを具備し、両面印刷可能であると判断した。且つ、MPF101はフィニッシャユニットを具備し、ステイプル機能を実行可能であると判断した。このような状況に基く。
しかし、ステップS11の判定にて、MFP101の制御部201は、上記処理条件1〜5の全ての処理条件に満足する印刷処理をMFP102では実行不可であると判断したとする。具体的には、処理条件(2)以外の処理条件には従う事ができるが、処理条件(2)の処理条件には従う事ができないと判断したとする。理由として、例えば、MFP101の制御部201が、MFP102から取得したステータス情報に基き、MFP102の給紙部には、「A4サイズで且つ普通紙」の用紙は存在する事を確認した。しかし、「A4サイズで且つ再生紙」の用紙はMFP102にセットされてない事を確認した。且つ、MPF102は両面印刷ユニットを具備し、両面印刷可能であると判断した。且つ、MPF102はフィニッシャユニットを具備し、ステイプル機能を実行可能であると判断した。
以上のような各確認結果に基き、MPF101の制御部201が、ステップS11にてNOの判定を下したとする。このようなケースでも、MFP101とMFP102による分散印刷の実行を強制的に禁止しないように制御する。例えば、このようなケースの場合に、図5のステップS15へ移行するよう制御する。そして、図8のUIのような表示をUIに実行させる。
上記UI画面を表示させることで、ジョブDの完全一致型の分散印刷処理は実行不可である旨、及び、その理由を、ユーザDに通知するよう制御する。且つ、この事実に対する対処方法の候補の内容を通知する。そして、キー803〜805のいずれかのキーを介して、ユーザにより実行すべき処置を決定可能に制御する。例えば、キー803がユーザにより押下されれば、スップS16にて、当該ジョブDの為に、第1の不完全一致型の分散印刷を、MFP101とMFP102により実行可能に制御する。又、例えば、キー803がユーザにより押下されれば、スップS19にて、当該ジョブDの為に、第2の不完全一致型の分散印刷を、MFP101とMFP102により実行可能に制御する。
以上のような制御により、ジョブDの不完全一致型の分散印刷として、例えば、MFP101とMFP102とで、以下の動作を、夫々にて、実行させる。図20を用いて説明する。
まず、図20の動作1をMFP101に実行させる。例えば、MFP101にて、該ジョブDの文書データ(A4サイズで100ページ分の一連の文書データとする)を、自装置の記憶装置304のハードディスクに順次記憶させる。
プリント中の他のジョブがMFP101にて存在しない、或いは、プリント待ち状態の他のジョブがMFP101に存在しない場合、好ましくは、図20の動作1に並行し(略同時に)、図20の動作2をMFP101により実行させる。動作2では、例えば、上記メモリに記憶させたジョブDの文書データを、「A4サイズで且つ再生紙」の出力用紙を使って、両面プリントさせる。且つ、1部数分単位で、ステイプル処理を実行させる。このような分散印刷を、分配部数分、即ち、10部数分、MFP101に実行させる。
又、図20の動作2に並行して(略同時に)、図20の動作3をMFP101に実行させる。例えば、MFP101の上記メモリに蓄積したジョブDに関する一連のデータをMFP102に送信する。送信するデータとしては、例えば、ジョブDの文書データ、及び、ジョブDの処理条件データである。尚、各MFPに割り振ったジョブDの分配部数は10部である。故に、この分配部数データを、処理条件データと共に送信する。又、MFP101では用紙タイプ「再生紙」であるが、この指示はMFP102ではキャンセルする。故に、MFP102にてジョブDの分散印刷にて用紙タイプが「普通紙」の設定がなされるように、そのコマンドも送信する。
他方、MFP102では、例えば、プリント中のジョブやプリント待ちのジョブ等がMFP102にて無いならば、好ましくは、図20の動作2に並行して(略同時に)、図20の動作4を実行させる。又、MFP102に対しては、「A4サイズで且つ再生紙」の出力用紙を実行する設定は解除させている。故に、動作4では、例えば、該設定の代わりに、「A4サイズで且つ普通紙」の出力用紙を使って、MFP102のハードディスクに蓄積したMFP101からのジョブDの文書データを、MFP102により、両面プリントさせる。且つ、1部数分単位で、ステイプル処理を実行させる。このような分散印刷を、分配部数分、即ち、10部数分、MFP102により、実行させる。
以上の図20の動作1〜動作4を実行させることで、図20のように、MFP101とMFP102とで、ジョブDの印刷体裁の一部を異ならせた、出力結果を、合計20セット、迅速に、得られる。
このように、ジョブDの為に、一部処理条件が異なる不完全一致型の分散処理を、MFP101とMFP102により実行可能に制御する。
尚、MPF102の出力用紙タイプのデフォルト設定が「普通紙」である場合にて、第1の不可全一致型の分散印刷を、ステップ16で実行させる場合には、自動的に、MFP102では「普通紙」を選択させる。又、第2の不可全一致型の分散印刷でも、ユーザがステップS18で「普通紙」を選択すれば、MFP102では「普通紙」を選択する。
このように、本形態では、様々な形態の不可全一致型の分散印刷処理を本システムにて実行可能に構成されている。即ち、本例では、完全一致の印刷装置と不完全一致の印刷装置にて異なる処理条件の例として、フィニッシィングの設定、及び、出力用紙のタイプに関する設定について、例示した。しかし、これ以外にも、印刷レイアウトに関する処理条件や、両面か片面印刷かの設定に関する処理条件や、用紙サイズや、倍率設定、等、印刷出力形態に直接関わるような処理条件が、存在する。故に、いちいち例示しないが、このような処理条件も、完全一致の印刷装置と不完全一致の印刷装置にて、異なる処理条件の1例として、適用可能に構成しても良い。又、本例では、不可全一致型の分散印刷処理を行う場合において、完全一致の印刷装置と不可全一致の印刷装置との両者にて、異なる処理条件が1つの場合について例示した。しかし、両者の間で、処理条件を2個以上異ならせた出力形態となる、分散印刷を、これらの印刷装置にて、実行可能に制御しても良い。その一例を以下に示す。
例えば、もし、SFP105が、両面印刷機能もステイプル機能も具備しないとする。一方、MFP102は、両面印刷機能もステイプル機能も具備するとする。このような状況にて、ユーザ(以下、ユーザEと称す)が、MFP102の表示部に表示させた図7の画面を介して、これら二台の印刷装置を用いた分散印刷を要求したとする。且つ、該分散印刷対象のジョブ(以下、ジョブEと称す)に対して、該ユーザEが、ステップS1にて、MFP102のUIを介して、少なくとも、以下の複数の処理条件を該ジョブEの為に設定したとする。
(処理条件1)出力用紙サイズの設定「A4サイズ」。
(処理条件2)出力用紙タイプの設定「普通紙」。
(処理条件3)片面印刷か両面印刷かの設定「両面印刷」。
(処理条件4)フィニッシィングの設定「ステイプル」。
(処理条件5) 印刷部数の設定は「100部」。
このような設定の場合に、MFP102の制御部は、ステップS16或いはステップS19の処理を経て、ジョブEの不完全一致型の分散印刷として、例えば、MFP102とSFP105とで、以下の動作を、夫々にて、実行可能に制御する。
MFP102では、「A4サイズで且つ普通紙」の出力用紙を使って、両面プリントさせる。且つ、1部数分単位で、ステイプル処理を実行させる。このようなジョブEの為の分散印刷を、分配部数分、即ち、50部数分、MFP102に実行させる。
他方、SFP105に対しては、「両面印刷」の設定及び「ステイプル」の設定の2つの設定を解除する。そして、「両面印刷」の代わりに、「A4サイズで且つ普通紙」の出力用紙を使って、「片面印刷」を実行させる。且つ、「ステイプル」の代わりに、1部数分の出力紙毎に、「シフト排紙」を、実行させる。このようなジョブEの為の分散印刷を、分配部数分、即ち、50部数分、SFP105により、実行させる。
このように、ジョブEの分散処理として、処理条件が少なくとも2個以上異なった印刷体裁の、不完全一致型の分散処理を、MFP102とSFP105により実行可能に制御する。
以上のように種々の構成を本システムにて適用出来る。但し、これらの各種構成を採用する場合でも、上述した各種の制御は実行する事が好ましい。例えば、上記のような構成であっても、実際に、不完全一致型の分散印刷動作を実行する前に、図8のような表示を実行可能にUIを制御する。且つ、該動作の実行可否を、ユーザにより該UIを介して選択可能に構成する。且つ、そのジョブのユーザにより承諾を得たうえで、不完全一致型の分散印刷を各印刷装置により実行可能に制御する。換言すると、もし、そのユーザにより承諾しない旨がUIを介して入力された場合には、該不可全一致型の分散印刷の実行を禁止するよう制御する。
このように、本形態の効果を担う事が出来るような趣旨で、柔軟にシステムを構築する事が望ましい。又、本形態の効果の1つである、分散印刷に関する様々なユーザニーズに対して柔軟に対応できるという効果を更に向上させるべく、以下のような構成を取り込んでも良い。例えば、印刷装置の初期設定登録の1つとして、分散印刷に関する初期設定をUIを介してユーザにより設定可能にする。好ましくは、管理者等のある程度権限のあるユーザにより当該設定を可能にする。
この設定の1つとして、例えば、もし、ステップS12の設定でNOになった場合に、不可全一致型の分散印刷を実行する事を許可するか禁止するかを予め設定する為の分散印刷初期設定画面(不図示)をUIに表示させる。
この分散印刷初期設定画面を介して、不可全一致型の分散印刷の実行を禁止する設定がユーザによりなされたら、制御部は、当該設定を、登録情報として、不揮発性メモリに登録させる。この設定が印刷装置に対して行われた場合、制御部は、次のように、印刷装置を制御する。
例えば、MFP101にて上記初期設定がなされた後に、新たにジョブ(以下、ジョブFと称す)をMFP101が受付けたとする(ステップS2でYESに対応する)。制御部201は、該ジョブFの情報を確認した結果、該ジョブFは分散印刷要求のジョブであると判断したとする(図5のステップS9でYESに対応する)。しかし、ステップS12の判定の結果、該ジョブFは、完全一致型の分散印刷が実行出来ないジョブであると判断したとする(図5のステップS12でNOに対応する)。そこで、制御部201は、上記初期設定情報を参照する。
その結果、制御部201は、不可全一致型の分散印刷の実行を禁止する初期設定がなされている事を確認する。故に、制御部201は、該ジョブFを不可全一致型の分散印刷で本システムにより処理させる事を、禁止する。この場合、好ましくは、警告表示等を表示部306に実行させる。例えば、図8の表示欄801と表示欄802を具備する表示画面を表示させる。
但し、不完全一致型の分散印刷は禁止する設定である。故に、キー803やキー804をユーザにより選択可能にするような有効表示を表示部306に実行させる事は禁止するよう制御する。例えば、これらのキーを網掛け表示やグレーアウト表示する。或いは、キー自体を非表示とする。
これにより、該ジョブFのユーザによる不完全一致型の分散印刷の実行指示の入力を禁止する。このような方法で、ジョブFの不可全一致型の分散印刷の実行を禁止する。尚、この場合、好ましくは、図5のフローにて、ステップS12でNOの判定により、上記警告表示を表示部306い実行させたら、処理を、ステップS1に移行させる。
これに対して、もし分散印刷初期設定画面を介して、不可全一致型の分散印刷の実行を許可する設定がユーザ(このユーザとは、ジョブFのユーザではなく、例えば管理者)により登録されているとする。この場合、制御部201は、ジョブFの処理として、ステップS14側への処理の移行を許可する。即ち、制御部201は、ジョブFの不完全一致型の分散印刷の実行を許可する。
例えば、ステップS14にてジョブFの為の図8のような画面を表示させる。キー803が押下されれば、ステップS16にて、第1の不可全一致型の分散印刷をジョブFの為に実行させる。或いは、キー804が押下されれば、ステップS19にて、第2の不可全一致型の分散印刷をジョブFの為に実行させる。以上のような機能を本システムにて搭載しても良い。
又、上記の例では、完全一致の印刷装置と不可全一致の印刷装置との間で、2個以上処理条件が異なる不可全一致一致型の分散印刷を例示した。これに関連し、例えば、何個まで処理条件が異なるのを許容するか、分散印刷の初期設定として、ユーザ(好ましくは管理者)により、登録可能に構成しても良い。
例えば、上記分散印刷初期設定画面に、不可全一致型の分散印刷を許可する設定がなされた際に、ユーザにより、何個まで処理条件が異なるのを許容するかをキー入力可能にする表示を実行させる。
このような構成のもとで、例えば、「3個まで許容する」等の設定がUIを介してなされた場合に、以下のように動作させる。
例えば、MFP101にて、この初期設定がなされた後に、新たなジョブ(以下、ジョブGと称す)を受付けたとする(ステップS2でYESに対応する)。
制御部201は、該ジョブGの情報を確認した結果、該ジョブFは分散印刷要求のジョブであると判断したとする(図5のステップS9でYESに対応する)。且つ、例えば、分散印刷先として、MFP101とSFP105が選択された事を確認する。
ここで、制御部201は、ステップS12の判定の結果、該ジョブGは、完全一致型の分散印刷が実行出来ないジョブであると判断したとする(図5のステップS12でNOに対応する)。更に、制御部201は、ユーザにより設定された複数の処理条件のうちの、何個の処理条件を満足する事ができないかを、ジョブGのジョブ情報と、各デバイスの機能並びにステータス情報に基いて、確認する。
更に、ユーザによりジョブGの為に設定された複数の処理条件の中で、指定されたスレーブ印刷装置(この例では、SFP105が該当する)では満足できない処理条件の数と、上記分散印刷初期設定にて登録されたパラメータ「3」とを、比較する。その結果、例えば、ジョブGに対してユーザが設定した複数の処理条件のうち、スレーブ装置(この例ではSFP105)にて実行不可の処理条件が4個以上存在すると判断したとする。
この場合、制御部201は、該ジョブGを不可全一致型の分散印刷で本システムにより処理させる事を禁止する。好ましくは、先の例と同様、例えば、図8の表示欄801と表示欄802を具備する表示画面をUIに表示させる。これによりその旨をジョブGのユーザ(以下、ユーザGと称す)に通知する。但し、不完全一致型の分散印刷の実行は禁止するので、先程と同様、キー803やキー804は該ユーザGにより選択不可能状態にする。そして、図5のフローにて、ステップS12でNOの判定により、上記警告表示を表示部306い実行させたら、処理を、ステップS1に移行させる。
これに対して、もし、例えば、ジョブGに対してユーザが設定した複数の処理条件のうち、スレーブ装置(この例ではSFP105)にて実行不可の処理条件が「3」である事を、制御部201が確認したとする。即ち、上記分散印刷初期設定における「3個まで許容する」条件を満足しているとする。
この場合、制御部201は、ジョブGの処理として、ステップS14側への処理の移行を許可する。即ち、制御部201は、ジョブGの不完全一致型の分散印刷の実行を許可する。例えば、ステップS14にてジョブGの為の図8のような画面を表示させる。キー803が押下されれば、ステップS16にて、第1の不可全一致型の分散印刷をジョブGの為に実行させるようMFP101とSFP105を制御する。或いは、キー804が押下されれば、ステップS19にて、第2の不可全一致型の分散印刷をジョブGの為に実行させるようMFP101とSFP105を制御する。
但し、第1、第2の、どちらの不可全一致型の分散印刷を実行させる場合でも、MFP101では、上述の形態の如く、動作させる。即ち、ユーザGがジョブGの為にステップS1にて最初に設定した複数の処理条件の全ての処理条件に従った印刷出力体裁でもって、分散印刷対象のジョブGのデータのプリント処理を実行させるよう制御する。換言すると、もう一方の分散先のSFP105側では、当該分散印刷ジョブGの為に、次のように動作させる。
例えば、ジョブGのデータのMFP101による印刷処理にて利用する処理条件と比較して、少なくとも3個処理条件が異なった処理条件でもって、ジョブGのデータの印刷処理を、SFP105により、実行させるよう制御する。
尚、上述のジョブEを、当該シーケンスに当てはめると、ジョブEは、不可全一致の印刷装置により実行不可の処理条件は「ステイプル」と「両面印刷」の2つである。故に、「3個まで許容する」ルールでもって制御するならば、このジョブEも、ジョブGと不可全一致型の分散印刷の実行を許可する。
以上、不可全一致型の分散印刷の実行可否を、「許可する/許可しない」等の初期設定情報に基いて、決定可能に制御する構成以外の構成を採用しても良い。その1例として、上記の如く、不可全一致型の分散印刷の実行可否を、不可全一致の印刷装置にて実行不可の処理条件の数に基いて、決定可能に構成しても良い。
以上のような機能も本システムにて搭載しても良い。このように柔軟にシステムを構築出来るようにする事が好ましい。これにより、例えば、本システムの管理者等の都合をも考慮したシステム構築が可能となる。即ち、本形態の上記効果が更に向上可能となる。
尚、図17〜図20の例では、画像データの発生源がマスタ側の印刷装置のリーダ部である例を示した。しかし、上述したように、データ発生源の候補は、印刷装置のリーダのみに留まらない。例えば、ホストコンピュータ103等の外部の情報処理装置からのジョブを複数の印刷装置で分散印刷される場合にも対応可能に構成する。この場合、分散印刷対象のジョブのユーザはデータ発生源元の情報処理装置に存在する。故に、上述した各種のユーザインタフェース画面は、該情報処理装置の表示部に表示させる。例えば、ホストコンピュータ103からジョブを受ける場合には、ホストコンピュータ103のプリンタドライバ画面を介して、各種UIを提供する。このような構成でも良い。そして、制御の主体を、ホストコンピュータにて実行可能に構成する。
以上の如く、本形態は、システムにて接続された複数の装置(例えば、図1のコンピュータ103、MFP101、MFP102、SFP105等)の、どの装置がマスタ装置になっても、上述の各種動作を実行可能に構成する事が出来る。このように柔軟にシステムを構築することで、上記効果も更に向上可能となる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、クラスタ印刷を複数の印刷装置で実行する場合について説明したが、本実施形態では、ローカル印刷装置での印刷を全てリモート印刷装置で代行させる代行印刷について説明する。
本実施形態における代行印刷とは、リモート印刷装置のみにより印刷を行う印刷処理を言う。本実施形態における代行印刷も基本的な動作は第1の実施形態におけるクラスタ印刷と同様である。但し、第1の実施形態のクラスタ印刷ではローカル印刷装置も印刷処理を実行していたのに対し、本実施形態における代行印刷では印刷がリモート印刷装置においてのみ実行される点が大きく異なる。
従って、図5に示す第1の実施形態に対応するフローチャートにおいて、ローカル印刷装置に関する事項を除外し、クラスタ印刷(クラスタプリント)を代行印刷(リモートプリント)と置き換えれば、本実施形態における代行印刷処理のフローチャートとなる。
また、図6〜図11までの各図面についても、代行印刷の場合には、ローカル印刷装置に関する設定は不要となるので、ローカル印刷装置に関する設定を除外して、ジョブを全てリモート印刷装置に割り当てれば、本実施形態における代行印刷処理に対応する図面となる。
このようにして、本実施形態においても第1の実施形態におけるクラスタ処理と同様に、リモート印刷装置で処理できない設定があるときに、ユーザが設定している内容と処理できない設定とを表示して、代行印刷をユーザが設定した通り実行できないことをユーザに報知し、確認した上で、容易に次の処理を続行できるので、印刷システムを利用するユーザの多様な利用の仕方に対応することが可能となる。よって、共通の機能を有しない印刷装置がネットワークに接続されてシステムが構築されている場合であっても、印刷装置間における不具合を報知し、当該不具合を回避することが容易となる。また、そのためのユーザインターフェースを提供することができる。
以上のように、本発明によれば、複数の印刷装置が相互にデータの授受が可能に接続されたシステムにおいて、機能の異なる印刷装置間での代行印刷やクラスタ印刷を実行することが可能となる。又、印刷システムの利便性を高めることができる。即ち、従来技術で想定したような問題も解消し、上述した各種効果を奏する事が出来る。
[他の実施形態]
本発明は、前述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態の機能を実現する為のソフトウェアのプログラムコードを供給する。例えば、該プログラムコードとして、図5のフローチャートの処理を実行差せる為のプログラムや、上述した各種UIに関するプログラム等を含む。そのシステム及び/又は装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を、格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させる。このような方法で実施したものも本発明の範疇に含まれる。
またこの場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。