以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態を適用した画像出力システム1の構成例を示す図である。図示のように、本実施形態の画像出力システム1は、出力媒体上の画像を読み取りその電子データ(画像データ)を取得する画像取得機能や紙などの出力媒体に画像を出力する画像出力機能を持つ各種のイメージング機器3と、各種のイメージング機器3に対して画像取得処理や画像出力処理を指令するパーソナルコンピュータ(以下パソコンとも称する)などの情報処理端末4と、処理された文書画像を保存・管理し、情報処理端末4との連携により画像出力指示を発するなどのサーバ機能を持った管理サーバ6が通信手段の一例であるネットワーク9により接続されて構成されている。
ネットワーク9は、たとえば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network )、インターネットなどによって構成される。
イメージング機器3としては、たとえば、画像取得機能および画像出力機能(合わせて複写機能と称する)を持つ複写機3A、プリンタと称される単機能(画像出力機能の一例である印刷機能のみ)の印刷装置3B、スキャナと称される画像取得機能(特にスキャナ機能と称する)を持つ画像読取装置3C、印刷機能や複写機能やスキャナ機能を持つ複合機3D(MFP:マルチファンクションプリンタ)、およびファクシミリ3Eがあり、これらは、ネットワーク9を介してあるいは所定の接続インタフェースを介して管理サーバ6と接続されている。図では、イメージング機器3を、各種1台もしくは2台で示しているが、その数は任意でよく、また、システム運用によっては、何れかが存在しない場合であってもよい。その各運用事例については後述する。
イメージング機器3の内、印刷装置3B、複合機3Dなどの画像出力機能を持つものを特に画像出力装置3Xと称する。本実施形態では、画像出力装置3Xは、画像出力装置3Xは、1ページ分のデータを纏めて出力(印刷)する方式のもの、いわゆるページ・プリンタ(Page Printer)であるものとする。
たとえば、複写機3Aは、ネットワーク9を介して管理サーバ6に接続されており、利用者がその複写機3Aの操作パネル(図示せず)を操作して複写指示を行なったときに、複写指示に従って読み取った画像(詳しくはその電子データである画像データ:以下同様)を管理サーバ6へ送信する。このとき、複写機3Aは、複写指示を行なった利用者を、利用者名やパスワードを入力させることで認証し、認証によって得られた利用者を特定する利用者名などの情報を、画像とともに管理サーバ6へ送信してもよい。
さらに、複写機3Aは、読み取った画像をそのまま用紙に形成処理せず、管理サーバ6から形成処理の対象となる画像を受信して、受信した画像に基づき用紙に対応する画像を形成する。つまり、複写機3Aは、複写する原稿を読み取って得た画像を一旦管理サーバ61へ送信し、管理サーバ6から受信した画像に基づいて処理を継続するようにする。
印刷装置3Bは、シリアルバスインタフェースなどを介して情報処理端末4に接続されており、あるいはネットワーク9などを介して管理サーバ6に接続されており、情報処理端末4や管理サーバ6から入力される印刷用の画像に基づき用紙などの出力媒体に画像を形成する。
画像読取装置3Cは、シリアルバスインタフェースなどを介して情報処理端末4に接続されあるいはネットワーク9を介して管理サーバ6に接続されており、利用者がその画像読取装置3Cの操作パネル(図示せず)もしくは情報処理端末4を操作して読取り指示を行なったときに、その読取り指示に従って原稿を読み取って電子化した電子原稿(画像データ)を情報処理端末4や管理サーバ6へ送る。管理サーバ6へ電子原稿を送る際には、画像読取装置3Cは、読取り指示を行なった利用者を、利用者名やパスワードを入力させることで認証し、この認証によって得られた利用者を特定する利用者名などの情報を、電子原稿(画像データ))とともに管理サーバ6へ送信してもよい。
複合機3Dは、ネットワーク9を介して管理サーバ6に接続されており、複写機3A、印刷装置3B、画像読取装置3Cの各機能を実行する。
ファクシミリ3Eは、ネットワーク9などを介して管理サーバ6に接続されており、読み取った画像をFAX送信し、あるいは受信した画像に基づき用紙などの出力媒体にFAX画像を出力するととともに、送受信時の処理画像を管理サーバ6に出力する。
情報処理端末4は、文書作成やデータ処理などの一般的な情報処理機能を備える他に、画像出力指示機能を具備する、つまり画像出力指示装置として機能するようにもなっている。情報処理端末4は、印刷装置3Bの他にネットワーク9を介して管理サーバ6にも接続されており、画像出力指示装置として機能する際には、印刷装置3Bや複合機3Dなどに処理させる画像(具体的には画像出力処理用の印刷ジョブ(出力ジョブ)に含まれる)と、処理指示を行なう利用者名などの付帯情報とを管理サーバ6に送信する。情報処理端末4は、これらの制御を行なう制御部42Aと、画像出力処理に供される電子文書を記憶するハードディスク装置などのデータ保持部44を有する。データ保持部44としては、内蔵のものでもよいしUSB(Universal Serial Bus)などで外部に接続された記憶装置でもよい。
複写機3Aや複合機3Dは、それぞれに対応した制御部32A,32Dと、自身が持つ画像読取機能により原稿を読み取って電子化した電子文書(最終的には画像出力処理に供される)を記憶するハードディスク装置や光ディスク装置などを記憶装置として具備するそれぞれに対応したデータ保持部34A,34Dを有する。
管理サーバ6は、サーバ機能を備え、クライアント・システムである情報処理端末4側からの要求によってイメージング機器3における画像取得処理や画像出力処理のための制御を行なうとともに、処理画像を所定の記憶装置に記録・保存する。このため、管理サーバ6は、制御部62と、画像出力処理に供される電子文書を記憶するハードディスク装置や光ディスク装置などを記憶装置として具備するデータ保持部64を有する。
各データ保持部34A,34D,44,64はそれぞれ、画像出力処理に供される電子文書を記憶する原稿・文書記憶部として機能する。
ここで、本実施形態の画像出力システム1には、複写機3Aや画像読取装置3Cや複合機3Dなどが持つ画像読取機能により原稿を読み取って電子化された電子文書や既に保存済みの(過去に原稿を読み取って保存しておいたものを含む)電子文書(詳細には電子文書を構成する各ページの電子原稿)を用いた画像出力処理時に電子原稿別(つまりページ別)に出力設定(その内容は後述する)を制御可能な画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bや画像出力指示装置2Cが組み込まれている。画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bや画像出力指示装置2Cは、詳細は後述するが、複数ページ(複数枚の電子原稿)で構成された電子文書中の全体もしくは一部(所定の複数枚)に対して出力指示を発する際、所定数や所定箇所の出力ページ範囲の別に個別の出力設定(以下個別設定とも称する)が可能に構成されている点に特徴を有する。
たとえば、パソコンなどの情報処理端末4に画像出力設定制御装置2Bの機能を持たせることができる。この場合の情報処理端末4は、画像読取機能を持つ各種のイメージング機器3(複写機3A、画像読取装置3C、複合機3D)により取得された電子文書や自身で生成した電子文書に基づき、ケーブル(たとえばUSBインタフェースで)やネットワーク9に接続された画像出力機能を持つ装置(複写機3Aや印刷装置3Bや複合機3Dなど)に対して、全ページ同一の出力条件で出力指示を発することに限らず、ページ別に異なった出力条件で出力制御を行なうこともある。なお、電子文書を記憶する文書記憶部としては、当該情報処理端末4に内蔵のハードディスク装置などの記憶装置を利用することができるし、複合機3Dに備えられているデータ保持部34Dを利用することもできる。
あるいは、ネットワーク通信機能を有する複写機3Aや複合機3Dが画像出力設定制御装置2Bを搭載した状態として構成することもできる。あるいは、管理サーバ6が画像出力設定制御装置2Bを搭載した状態として構成することもできる。この場合のイメージング機器3や管理サーバ6は、全ページ同一の出力条件で出力指示を発することに限らず、ページ別に異なった出力条件で出力制御を行なうこともある。
あるいは、パソコンなどの情報処理端末4に組み込まれる画像出力指示装置2Cと管理サーバ6とが連携して、ネットワーク9に接続された画像出力機能を持つ装置(複写機3Aや印刷装置3Bや複合機3Dなど)に対して出力指示を発する画像出力設定制御システム2Aを構成することもできる。この場合、全ページ同一の出力条件で出力制御を行なうことに限らず、本実施形態の特徴点として、所定のページ範囲別に異なった出力条件で出力制御を行なうこともある。
このように、各部をシステム上の何処にどのように配置するかは任意であり、処理に必要となる各部が有機的に結合して全体の処理が完結するように構成されていればよい。本実施形態を実現するための各部(機能ブロックを含む)の具体的手段は、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、これらの組合せ、その他の任意の手段を用いることができ、このこと自体は当業者において自明である。また、機能ブロック同士が複合して1つの機能ブロックに集約されてもよい。
<機能ブロック:基本構成>
図1Aは、画像出力システム1においてページ別に出力設定を可能にする仕組みを実現するための機能に関わる部分(画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2B)に着目した基本構成の機能ブロック図である。なお、「基本構成」と称しているが、最も単純な構成という意味ではなく、典型的な構成例の意味である。
基本構成の画像出力設定制御システム2Aは、操作画面を提示したりユーザからの操作指示を受け付けたりするユーザインタフェース部200と、電子文書を記憶する記憶部210と、原稿を読み取って画像データとされた電子原稿を生成する電子原稿生成部220と、ワープロソフトや図形ソフトなどのアプリケーションAPにより電子原稿や電子文書を生成する電子文書生成部222を備える。
ユーザインタフェース部200は、画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bを利用するユーザに対して各種の情報を表示したり、ユーザが各種の情報を入力したりするもので、たとえば、タッチパネル付きのディスプレイを有する表示部や、各種のボタン、スイッチ、キーなどを有する入力部などによって構成される。たとえば、図1におけるイメージング機器3の操作パネルや情報処理端末4や管理サーバ6のキーボードやマウスなどの指示部材および表示装置が該当する。
電子原稿生成部220は、原稿の画像を光学的に読み取るものであり、図1における複写機3Aや画像読取装置3Cや複合機3Dなどの画像読取機能部分が該当する。電子文書生成部222は、典型的には、パソコンなどの情報処理端末4にプログラムとして組み込まれるものが該当する。たとえば、電子原稿生成部220は、原稿面に向けて画像読取用のライン状の光を照射する光源ユニットと、原稿面からの反射光をそれぞれ所定の方向に反射させる複数のミラーと、これらのミラーによって反射させた光を所定の位置で結像させる結像レンズと、この結像レンズで結像させた光を受光して光電変換する光電変換素子(たとえばCCDやCMOSなどを用いたラインセンサ)を用いて構成される。電子原稿生成部220は、原稿の読取位置に向けて原稿を1枚ずつ順に搬送する自動原稿搬送装置ADF(Auto Document feeder)を備えるものとするとよい。電子原稿生成部220は、1枚の原稿を読み取って得た画像データを1枚分の電子原稿として生成する。
記憶部210は、電子原稿そのものや複数枚の電子原稿を纏めて1つの電子文書として、たとえばハードディスク装置や光ディスク装置などの大容量の記憶媒体に保存(記憶あるいは蓄積という文言を用いることもある)するものであり、図1におけるデータ保持部34A,34D,44,64が該当する。記憶部210に記憶される電子文書は、電子原稿生成部220で原稿を読み取って得られる電子原稿により構成された電子文書や、電子文書生成部222でアプリケーションAPによりで作成された電子原稿により構成される電子文書やネットワーク9を介して取り込んだ電子文書などが含まれる。
さらに、画像出力設定制御システム2Aは、各画像出力装置3Xの出力設定に関わる機能情報(詳しくはユーザが設定可能な機能項目の情報)を取得する出力装置別機能情報取得部240と、記憶部210に記憶された電子文書における所望のページについて、出力処理に使用する画像出力装置3Xや出力設定をユーザより受け付ける出力条件受付部250と、出力条件受付部250が受け付けた出力条件(出力設定の内容)の概要を画像や文字でユーザに提示する設定概要提示部260を備える。
また、複数の画像出力装置3Xの使用を可能とする場合、好ましくは、画像出力制御部230は、各出力範囲に指定された出力設定に適合する画像出力装置3Xを、出力装置別機能情報取得部240が管理する(データベースに登録済みの)機能情報や稼働中か否かに基づいて選定する適正出力装置選定部264と、各画像出力装置3Xと各出力設定の組合せをユーザに提示する出力装置選定結果提示部266を有するものとする。
さらに、画像出力設定制御システム2A(画像出力制御部230)は、出力条件受付部250が受け付け確定された出力設定に従って出力ジョブを生成し所定の画像出力装置に対して出力ジョブを発する出力指示部270と、各画像出力装置3Xと各出力設定の組合せをユーザに提示する出力装置選定結果提示部266を備える。
出力装置別機能情報取得部240と適正出力装置選定部264と出力装置選定結果提示部266は、全てのシステム構成において必ず必要なものではなく、複数の画像出力装置3Xに対応する場合に備えるようにすればよい任意的な機能部と考えてよい。たとえば、出力処理に使用する画像出力装置3Xは、ユーザによる指定を受け付けてもよいし、出力指示部270が出力設定に適合するものを検索して自動的に設定するようにしてもよい。後者の場合、出力処理に使用される装置の情報をユーザに提示する仕組みとして出力装置選定結果提示部266を採り入れるのがよい。
出力装置別機能情報取得部240と出力条件受付部250と出力指示部270と出力装置選定結果提示部266は、画像出力設定制御システム2Aや文画像出力設定制御装置2Bの中核をなすもので、図1における制御部32A,32D,42,62に組み込まれる。以下、出力装置別機能情報取得部240と出力条件受付部250と出力指示部270と出力装置選定結果提示部266を組み込んだ制御部を画像出力制御部230とも称する。
画像出力制御部230のハードウェア構成としては、たとえば、制御処理や演算処理を行なう中枢を司るCPU(Central Processing Unit :中央演算制御部)や処理データやプログラムデータを記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ装置などで構成される一般的な電子計算機と同様の仕組みとすることができる。そのハードウェア構成例については、所定の処理用のソフトウェアを実行するマイクロプロセッサなどから構築される、パーソナルコンピュータを始めとする電子計算機の構成として周知である(一例は後述する)。
画像出力制御部230のハードウェア構成を電子計算機のようにして構成する場合、画像出力制御部230は、出力ジョブを作成して任意の画像出力装置3Xや管理サーバ6に送信するいわゆるプリンタドライバの仕組みを採り入れることができる。すなわち、電子計算機には、ワープロソフトや図形ソフトなどのアプリケーションAPや、画像出力装置3Xや管理サーバ6を制御するプログラムであるプリンタドライバが格納される。プリンタドライバは、指定された出力設定(出力条件や印刷条件や印刷属性とも称される)に基づいて出力ジョブ(印刷ジョブとも称される)を作成する。出力ジョブは、紙媒体などに画像形成すべき内容である画像データ(印刷データ)と出力設定とを含んでいる。
画像出力制御部230と画像出力装置3Xや管理サーバ6との間の画像データの受渡しには、画像出力装置3Xがページ・プリンタであることに対応して、ページ記述言語(PDL:Page Description Language )と称されるプログラム言語を使用する。画像出力制御部230で作成された出力ジョブは、画像出力装置3Xに送信される。画像出力装置3Xは、画像出力制御部230から(あるいは管理サーバ6から)受け取ったPDLデータに基づきページ単位でビットマップ状の画像データ(イメージ)へ変換し、所定の記憶装置に蓄積してから印刷を行なうのが一般的である。
本実施形態の画像出力制御部230は、出力条件受付部250により、複数ページで構成された1つの文書について、所定ページ範囲ごとに出力設定を受け付け、出力指示部270は、当該1つの文書についての1つの出力処理に当たり、出力条件受付部250が受け付けた複数の印刷ページ範囲のそれぞれについて設定された複数の出力設定を含む1つの出力指示を発する。ここで、複数の出力設定を含む1つの出力指示を発する際の出力ジョブの取り扱いとしては、画像出力装置が1台であるのか複数台であるのかや管理サーバ6を経由した出力処理とするのかなどによって、種々のフォーマット形式を採り得る。
管理サーバ6を経由した出力制御を行なう場合は、画像出力設定制御装置2Bは画像出力指示装置2Cと管理サーバ6に分かれ、画像出力制御部230の部分が、画像出力指示装置側に配される第1の画像出力制御部と管理サーバ6側に配される第2の画像出力制御部とに分けられる。また、画像出力制御部230を2箇所に分割したことに伴い、単独構成とは異なり、両者間で情報のやり取りをするための新たな構成要素も追加される。この点については、後で具体的な態様を示して説明する。
たとえば、画像出力装置3Xが従前のものと同様に、複数ページで構成された1つの画像出力対象の文書(印刷対象文書とも称する)に対して、1回の出力実行指示では1種類の出力設定しか受け付けない形態(以下「1ジョブ1設定対応」とも称する)の場合、出力設定単位の設定別分割ジョブを生成して、設定別分割ジョブごとに出力指示を発する仕組みを採る。この場合、画像出力制御部230(詳しくは出力指示部270)は、ユーザからの1回の出力実行指示に基づき生成した複数の設定別分割ジョブを送信する。出力ジョブは複数に分割されるが、1つの文書についての1つの出力処理に当たっては、出力条件受付部250が受け付けた複数の出力設定を含む1回の出力実行指示の元で複数の設定別分割ジョブを送信する。またこのとき、画像出力装置3Xが1台である場合には、当然の如く、その1台の画像出力装置3Xは、複数種類の出力設定に対して対処可能なものであるとする。そして、複数の設定別分割ジョブを同一の画像出力装置3Xに送信する。
あるいは、画像出力装置3Xが複数台である場合には、複数種類の出力設定に対して対処可能なものを選択する仕組みを採り入れることができる。その選択はユーザが行なってもよいが、画像出力制御部230にて、各画像出力装置3Xの出力設定に関わる機能情報を出力装置別機能情報取得部240にて取得しておいて、各出力設定との照合により、設定別分割ジョブの出力処理の対応が可能な画像出力装置3Xを自動的に選択する仕組みを採り入れるのがよい。この場合、画像出力制御部230(詳しくは出力指示部270)は、ユーザからの1回の出力実行指示に基づき生成した複数の設定別分割ジョブを、その出力処理の対応が可能な画像出力装置3Xに割り振って送信する。この場合、1つの出力ジョブに対して複数の画像出力装置3Xを使用したいわゆる分割印刷が行なわれるので、何れの画像出力装置3Xが使用されたのかの情報や分割印刷された印刷物を取り纏める際の参照情報をユーザに提示する仕組を採り入れるのがよい(たとえば特許文献2に記載のページ位置転送情報の差込み印刷など)。
一方、画像出力装置3Xが従前のものとは異なり、複数ページで構成された1つの画像出力対象の文書(印刷対象文書とも称する)に対して、1回の出力実行指示で複数種類の出力設定を受け付けることのできる新しい形態(以下「1ジョブ複数設定対応」と称する)の場合、あるいは、管理サーバ6を経由した出力制御を行なう場合は、画像出力制御部230(詳しくは出力指示部270)は、印刷範囲ごとに各別の出力設定がなされている1つの出力ジョブとして出力指示を送信することができる。
管理サーバ6を経由した出力制御を行なう場合は、画像出力設定制御装置2B側の第1の画像出力制御部は、印刷範囲ごとに各別の出力設定がなされている1つの出力ジョブとして出力指示を管理サーバ6に送信する。この印刷範囲ごとに各別の出力設定がなされている出力ジョブを受け取った管理サーバ6側の第2の画像出力制御部は、管理サーバ6が管理する画像出力装置3Xが従前と同様に1ジョブ1設定対応であるのかそれとも新しい1ジョブ複数設定対応であるのかに応じて、画像出力設定制御装置2B側の第1の画像出力制御部と同様の処理を行なう。
前記のような制御を行なうべく、画像出力制御部230は、イメージング機器3に搭載の操作パネルなどの操作手段から出力指示などの処理操作の情報を受け付ける処理操作情報受付部232と、記憶部210に保存されている各種の電子文書の中から出力処理に使用する電子文書を読み出す保存文書読出部234を有する。
画像出力制御部230はまた、電子原稿生成部220(たとえば複写機3Aや画像読取装置3Cや複合機3Dなどに搭載されている原稿読取機能部)や電子文書生成部222や保存文書読出部234から出力処理対象の電子原稿や電子文書(纏めて出力情報と称する)を受け取る出力文書受取部236を有する。
出力文書受取部236は、電子原稿生成部220で生成された1枚もしくは複数枚の電子原稿を出力処理対象の文書として扱う。あるいは、出力文書受取部236は、電子文書生成部222で生成された電子文書や、電子文書を記憶する記憶部210(データ保持部34A,34D,44,64など)に既に登録済みの電子文書の中からユーザにより指定され保存文書読出部234により読み出されたものを出力処理対象の文書として扱う。
なお、ユーザは、原稿を電子原稿生成部220における原稿読取部の所定位置にセットする(置く)とともに、イメージング機器3に搭載の操作パネルなどのユーザインタフェース部200(あるいは情報処理端末4)を通じて、コピー、ファックス送信、スキャン、シュレッダーでの削除などの操作入力を行なう。原稿読取部においては、原稿から、原稿の画像データ(特に電子原稿と称する)を生成し、その電子原稿を一意に特定する原稿識別情報とともに出力文書受取部236へ送る。このとき、必要に応じて、文書を一時的に記憶部210に保存してもよい。
出力条件受付部250は、従前と同様に、1つの出力ジョブに対して1種類の出力設定(デバイスファンクション)のみを受け付けてもよいが、本実施形態においては、たとえば、画像出力処理に関わる出力条件の設定(出力設定と称する)として、基本設定、レイアウト設定、ページ装飾設定、仕上げ設定などの各項目に関して、所定数や所定箇所の出力ページ範囲の別に出力条件を設定する個別設定を受け付ける点に特徴を有する。
なお、「個別設定」と称しているが、厳格に1ページずつ設定を受け付けることに限らず、同じ出力設定のページ番号の指定を受け付けて、それらの複数ページに対して出力設定を受け付けてもよい。要するに、従前の仕組みが1つの出力ジョブについて1つの出力設定しか受け付けていないのに対して、1つの出力ジョブについて、所定数のページ別に印刷ページ範囲を分け、分割した複数の印刷ページ範囲の別に、異なった出力設定を受け付けるものであればよいのである。最も単純なものは、1または複数ページの第1のページ群に対して第1の種類の出力設定がなされ、また、1または複数ページの第2のページ群に対して第1の種類とは異なる第2の種類の出力設定がなされる場合である。最も複雑なのは、複数ページのそれぞれに対してそれぞれ異なる種類の出力設定がなされる場合である。
なお、出力設定項目の中には、何もしなければ自然と全ページに共通に設定されることになる基準設定(デフォルト)とは別に、積極的に全ページに共通に適用する条件を含んでいてよい。このような共通の出力設定を受け付ける仕組みとする場合には、ページ別の出力設定を受け付ける手順との関係では、共通の出力設定を受け付けた後に、ページ別の出力設定を受け付けるようにし、またページ別の出力設定を受け付ける際には、既に設定済みの共通の出力設定の項目があるページについてのみ意図しない状態で修正されてしまうのを防止するべく、設定済みの共通設定については、設定の受付け(事実上の変更指示)を禁止するようにしておくのがよい。
基本設定には、たとえば、印刷枚数、印刷部数、白黒かカラーか、用紙サイズ(A4,A3、B4,B5など)、印刷方向(縦/横)、給紙トレイ(自動、トレイ番号)、印刷品質などの項目が含まれる。印刷品質の設定は、たとえば、「きれい〜はやい」の中からスライドバーで設定する、あるいは、予め登録されている一般文書、写真、DTP(Desk Top Publishing )、CAD(Computer Aided Design)などの中から選択する。
レイアウト設定には、たとえば、片面か両面か、変倍(拡大/縮小)の有無と変倍率の設定、割付け印刷(集約印刷)の有無と配置態様の設定などの項目が含まれる。
ページ装飾設定中には、たとえば、ページ印刷の有無とその詳細設定、スタンプマークの有無とスタンプマークの設定、ヘッダやフッタの有無とその印刷情報の設定などの項目が含まれる。
仕上げ設定には、たとえば、ソート、フィニッシャ(終末装置)、綴じ代、開き方向、製本の設定などの項目が含まれる。フィニッシャは、たとえばパンチの有無と孔数の設定、ステイプル(1つの束にして綴じる処理)の有無と綴じ位置の設定などの項目が含まれる。
なお、前述の印刷設定は、1つの画像出力装置3Xが全て対応可能ということを必須とするものではなく、装置別に設定可能な項目が異なっていてよい。一般的には、画像出力装置3Xが設定されると、その画像出力装置3Xに対応した設定可能な項目も1対1で決まり、画像出力装置3X別のプリンタドライバが用意される。
これに対して、本実施形態では、装置別に設定可能な項目が異なる場合にも対処するべく、各画像出力装置3Xに対応した設定可能な項目の情報(換言すれば装置ごとの機能情報)を取得する出力装置別機能情報取得部240を有する。出力装置別機能情報取得部240は、画像出力設定制御装置2Bが管理する各画像出力装置3Xの機能情報をデータベース(DB:Database)化して、図示しないハードディスク装置に登録している。
出力条件受付部250は、出力装置別機能情報取得部240が取得した各画像出力装置3Xの全て機能の出力設定をできる出力設定画面(いわゆるプリンタドライバの設定画面)を生成する。以下このような各画像出力装置3Xの全て機能の出力設定をできる出力設定画面を生成するプリンタドライバを、オール・イン・ワン(All in One)・ドライバと称し、画像出力制御部230に組み込まれる。
出力条件受付部250(オール・イン・ワン・ドライバによる)は、各画像出力装置3Xの全ての機種の出力設定をユーザに提示する(操作パネルなどに表示する)全出力設定提示部252を有し、それらについて、ユーザからの指定を受け付ける。出力条件受付部250は、ユーザから受け付けたページ別の出力設定の情報を出力指示部270に通知する。
出力指示部270は、出力条件受付部250が受け付けた出力設定ごとにその出力設定単位の出力ジョブ(設定別分割ジョブと称する)を生成する設定別分割ジョブ生成部272、および出力条件受付部250が受け付けた複数種類の出力設定を含む1つの出力ジョブを生成する複数設定出力ジョブ生成部274の何れかを有する。出力指示部270はまた、設定別分割ジョブ生成部272や複数設定出力ジョブ生成部274で生成された出力ジョブの送信を指示する出力ジョブ送信制御部276を有する。
設定別分割ジョブ生成部272は、従前の1つの出力ジョブを出力ページ範囲ごとに分け、当該出力ページ範囲の各ページ画像と当該範囲の出力条件とを纏めた設定別分割ジョブを生成する。一方、複数設定出力ジョブ生成部274は、複数の出力ページ範囲の各ページ画像と出力ページ範囲ごとの各出力条件とを纏めた1つの出力ジョブを生成する。
出力指示部270はまた、複数の画像出力装置3Xの中から出力処理に使用するものを選択可能な仕組とする場合には、各設定別分割ジョブを出力処理可能な装置へ振り分けて送信を指示する出力ジョブ振分け送信制御部278が設けられる。
また、画像出力制御部230は、複数の画像出力装置3Xの中から出力処理に使用するものを選択可能な仕組とする場合には、ページごとの各画像出力装置3Xと出力設定の組合せをユーザに提示する(操作パネルなどに表示する)出力装置選定結果提示部266を有し、その組合せで出力処理を行なうか(印刷するか)否かのユーザ指定を受け付ける。
因みに、画像出力設定制御システム2Aと画像出力設定制御装置2Bとの相違は、図1においても述べたことから推測されるように、画像出力制御部230と記憶部210や電子原稿生成部220などが機構的に一体的であるか別体であるかや、管理サーバ6を備えるか否か(つまり画像出力制御部230が2箇所に分割されるか否か)である。たとえば、画像出力設定制御装置2Bは、少なくとも画像出力制御部230の出力条件受付部250と出力指示部270を備えていればよい。
複数の画像出力装置3Xと接続される構成の場合には、好ましくは、図示のように、出力装置別機能情報取得部240や適正出力装置選定部264や出力装置選定結果提示部266も、これらと一体的に、同一の装置(画像出力設定制御装置2B)内に組み込まれているとよい。画像出力制御部230を構成する各部が別体であるとき、それらを接続ケーブルやネットワーク9などで接続することで、画像出力設定制御システム2Aが構成される。その典型例は、管理サーバ6を備えて、画像出力制御部230の一部の機能が画像出力設定制御装置2Bと管理サーバ6の2箇所に分割される態様である。
<処理手順の概要>
図1Bは、本実施形態の画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bに対する比較例の処理手順を説明するフローチャートである。図1Cは、本実施形態の画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bにおける基本の処理手順を説明するフローチャートである。
ここでは、複数の画像出力装置3Xが使用可能な状態であり、また、複数枚の電子原稿で構成された1つの文書について、一部の項目には全ページ共通のものが存在するが、多くの項目については、電子原稿別(ページ別)に出力設定が異なる事例で説明する。
比較例の処理手順では、図1Bに示すように、先ず、出力対象文書を取得する(S10)。具体的には、印印刷しようとする電子文書用のアプリケーションAPを起動して印刷しようとする電子文書を読み出す。必要な編集などを行なった後に、アプリケーションAP上の操作メニューにて印刷メニューを起動する(S12)。すると、先ず、使用を希望する画像出力装置3Xに適したプリンタドライバを選択するための画面(ドライバ選択画面G12と称する)が提示される。
ユーザは、このドライバ選択画面G12上で、使用する画像出力装置3Xに適したプリンタドライバを選択する(S20)。すると、そのプリンタドライバは、出力設定画面G20をユーザに提示する。ユーザは、この出力設定画面G20上で、出力を希望する印刷ページ範囲としての個別のページ番号“k”と(S22)、そのkページ目に適用する出力条件を設定して(S24)、印刷実行を指示する(S26)。印刷実行の指示が無事に完了すれば、アプリケーションAPは、ドライバ選択画面G12を閉じる。
他にも印刷を希望する印刷ページ範囲が存在するときには、再度、アプリケーションAP上の操作メニューにて印刷メニューを起動して(S12)、他の印刷ページ範囲について、前記と同様の処理を繰り返す。
つまり、複数ページで構成された1つの印刷対象文書に対して、ページごとに異なる出力設定を反映した印刷実行を指示するには、ある印刷ページ範囲を指定し、その印刷ページ範囲に適用する印刷条件を設定して、印刷指示を出し、次に再度、出力設定画面G20を開いて、別な印刷ページ範囲とその印刷ページ範囲に適用する印刷条件を設定し、という複数回の印刷指示動作を行なう必要がある。また、このときに、複数の装置が使用可能な状態であるときには、印刷メニューの中で、出力しようとする印刷ページ範囲に対して指定しようとする出力条件を設定できる装置を選択して、前述の操作を行なうことになる。仮に、ある印刷ページ範囲に所定の印刷条件を設定し出力しようとして選択した装置が、その印刷条件に対応する印刷機能を有していない場合には、再度、印刷メニューの中で適正な装置の選択をやり直すことになる。
つまり、複数の画像出力装置3Xが使用可能な状態であるときには、出力しようとする印刷ページ範囲(本例では各ページ)に対して指定しようとする出力条件を設定できる画像出力装置3Xに対応したプリンタドライバを選択する必要がある。1台の画像出力装置3Xでは、印刷したい出力設定を全て満足することができないような場合には、希望する機能を有する画像出力装置3Xに対応するプリンタドライバを選択して、その機能を用いた印刷を行ないたい印刷ページ範囲を指定し、希望する出力設定を行なってから印刷実行を指示し、さらに、別な機能を有する画像出力装置3Xに適したプリンタドライバを選択して、その別の機能を用いた印刷を行ないたい印刷ページ範囲を指定した別な印刷実行を指示する、という複数回の印刷指示動作を行なうことになる。
このような操作をするには、ユーザは情報処理端末4に接続された全ての画像出力装置3Xの全ての機能を把握してから作業を行なうことが要求される。さもなくば、ある印刷ページ範囲を出力指示しようとして選択した画像出力装置3Xが、その印刷機能を有していない場合には、再度、プリンタドライバの選択をやり直さなくてはならなくなる。
これらのことから分るように、比較例の仕組みでは、ある1つの文書に対する印刷ページ範囲の指定、その印刷ページ範囲に対して設定する印刷条件の指定、さらにその印刷条件で印刷可能な画像出力装置3X(詳しくは対応するプリンタドライバ)の選択といった複雑な設定操作が必要となる。
一方、本実施形態の手順では、図1Cに示すように、先ず、比較例のステップS10と同様にして、出力対象文書を取得する(S30)。必要な編集などを行なった後に、アプリケーションAP上の操作メニューにて印刷メニューを起動する(S32)。すると、先ず、画像出力制御部230の出力条件受付部250(詳しくは全出力設定提示部252)はドライバ選択画面G32を提示する。本実施形態の場合、ユーザは、このドライバ選択画面G32上で、使用する画像出力装置3Xが何であるかを気にせずに、オール・イン・ワン・ドライバを選択する(S40)。すると、そのオール・イン・ワン・ドライバは、出力設定画面G40をユーザに提示する。
なお、オール・イン・ワン・ドライバを使用するに当たっては、出力装置別機能情報取得部240が予め、各画像出力装置3Xの機能情報(特に出力設定に関わるもの)を各画像出力装置3Xから取得してデータベースに登録しておくことで、各画像出力装置3Xの機能を把握しておく。オール・イン・ワン・ドライバは、出力装置別機能情報取得部240に問い合せることで、出力設定画面G40で提示する設定項目として、各画像出力装置3Xの全ての機種のデバイスファンクションを表示する。
全出力設定提示部252は、この出力設定画面G40上で、先ず、全ページに対して共通する出力条件のユーザ設定を受け付ける(S42)。ユーザは、たとえば、ページ印刷やヘッダやフッタなどのページ装飾設定や、パンチやステイプルなどのフィニッシング設定など、全ページに対して共通する出力条件を設定する。この後、出力を希望する印刷ページ範囲別(本例では各ページ別)の個別設定に移行する。
全出力設定提示部252は、個別設定を受け付ける際には、先ず、ステップS42で受け付けた共通設定の項目に関しては個別設定を受け付けないようにしておく。また、共通設定がフィニッシングに関するものである場合、好ましくは、出力処理を担当する装置が同一装置となるように指示しておくのがよい。
そして、全出力設定提示部252は、出力を希望する印刷ページ範囲としての個別のページ番号“k”と(S52)、そのkページ目に適用する出力条件のユーザ設定を受け付け(S54)、他にも印刷を希望する印刷ページ範囲が存在するときには(S56−YES)、再度、他の印刷ページ範囲について、前記と同様の処理を繰り返す。
ユーザは、個別設定が完了すると、その指示を出す。この情報を処理操作情報受付部232が受け付けると(S56−NO)、適正出力装置選定部264は、各印刷ページ範囲の個別設定項目と、予め出力装置別機能情報取得部240にて登録・管理してある各画像出力装置3Xの機能情報と各画像出力装置3Xが現在稼働中であるか否か(詳しくは使用可能な状態にあるか否)に基づいて、各印刷ページ範囲に指定された出力設定(印刷属性)に最適な画像出力装置3Xを選定して、その選定情報を出力装置選定結果提示部266に通知する(S80)。
出力装置選定結果提示部266は、印刷ページ範囲ごとの各画像出力装置3Xと出力設定の組合せを示した選定結果画面G82を提示し、その組合せで印刷するか否かの確認指示を求める(S82)。ユーザは、この選定結果画面G82上で、印刷ページ範囲ごとの各画像出力装置3Xと出力設定の組合せを確認し、問題があれば、その旨を指示する。この指示を処理操作情報受付部232が受け付けると、出力条件受付部250は、ステップ52に戻り、その問題のある印刷ページ範囲について設定のやり直しのユーザ指定を受け付る(S84−NO)。一方問題がなければ、ユーザは印刷実行を指示する(S84−YES,S86)。
印刷実行の指示を処理操作情報受付部232が受け付けると(S90−YES)、出力指示部270は、各ページの画像データをPDLで作成するとともに、ステップS42で受け付けた全ページ共通の出力設定と、ステップS52で受け付けた個別設定と合わせて、出力ジョブを作成する(S92)。このとき、本例の場合には、設定別分割ジョブ生成部272が、出力設定ごとにその出力設定単位の設定別分割ジョブを生成する。
そして、出力ジョブ振分け送信制御部278は、設定別分割ジョブ生成部272で生成された設定別分割ジョブを、その出力設定に対応可能なものとして適正出力装置選定部264により選択されている画像出力装置3Xに送信するよう指示を出す(S98)。つまり、出力指示部270は、ステップS42,S52で既に受け付けている出力設定を反映した印刷属性コマンド群とPDL形式の印刷データをページごとに組み合わせた設定別分割ジョブを作成して、これを対応する各画像出力装置3Xに振り分けて送信する。
このことから分るように、本実施形態の仕組みでは、複数ページからなる1つの印刷対象文書に対して、出力実行指示を出す前に出力条件を文書の所定ページ範囲ごとに異なったものを指定できるので、ユーザの指示負担が軽減される。ユーザは、ある1つの文書に対する印刷ページ範囲の指定と、その印刷ページ範囲に対して設定する印刷条件の指定をオール・イン・ワン・ドライバ上で行ない、全ての設定が完了した後に1回の出力実行指示を発するだけでよく、出力設定を変える都度、出力実行指示を発する必要がない。1ジョブ内における印刷指定を所定のページ範囲ごとに異なったものを指定してから1回の出力実行指示を発するだけで出力処理が完了する。
加えて、各印刷条件で処理可能な画像出力装置3Xの選択は画像出力制御部230にて自動的になされた後に、適切なものに出力ジョブが振り分けられて送られるので、ユーザは情報処理端末4に接続された全ての画像出力装置3Xの全ての機能を把握しておく必要はない。画像出力装置3Xの選択に関する設定負担や設定ミスが緩和される。複数の画像出力装置3Xが使用可能な状況下において、印刷指定を所定ページ範囲ごとに異なったものを指定してから1回の出力実行指示を出すと、画像出力制御部230が複数の画像出力装置3Xの内の適正なものに出力ジョブを自動的に割り振るからである。
なお、本例では、複数の画像出力装置3Xが使用可能な状態で実際に使用する装置の選択を画像出力設定制御装置2Bで行なうものとして説明したが、画像出力装置3Xが1台しか存在しない、あるいは複数の画像出力装置3Xが使用可能な状態であってもユーザが使用を希望する1台の画像出力装置3Xを指定するようなケースでは、オール・イン・ワン・ドライバである必要がなく、またステップS80の処理も不要で、ステップS84では1台の(ユーザが指定したものを含む)画像出力装置3Xへ、印刷ページ範囲ごとに個別に設定された印刷条件を含む出力ジョブを送信する。
<機能ブロック:第1実施形態:基本例>
図2および図2Aは、画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bの第1実施形態の基本例を説明する図である。ここで、図2は、第1実施形態に適合した画像出力設定制御システム2Aの構成例を示した図である。図2Aは、第1実施形態の画像出力制御部230の具体例を機能的に示したブロック図である。なお、基本構成の機能部との対応を括弧書きで示す。
第1実施形態の構成は、サーバ経由で1つの出力ジョブを複数台の画像出力装置3Xに分けて処理させる分散出力システムの適用事例である。図2に示すように、任意数の情報処理端末4と、管理サーバ6(通常は1台)と、複数台の画像出力装置3X(印刷装置3Bや複合機3Dなど)とがネットワーク9で接続され、情報処理端末4と管理サーバ6とが連携して、ネットワーク9に接続された複数の画像出力装置3Xに対して出力指示を発する仕組みとする場合に好適な構成例である。図2Aに示すように、第1実施形態の構成では、画像出力制御部230が、画像出力指示装置2C側の第1の画像出力制御部(以下印刷制御部400と称する)と管理サーバ6側の第2の画像出力制御部(以下連携処理制御部600と称する)に分けられる。本例の場合、画像出力指示装置2Cが情報処理端末4に備えられる。
印刷制御部400は、たとえばクライアント側の情報処理端末4に搭載され、オール・イン・ワン・ドライバが組み込まれる。このオール・イン・ワン・ドライバは、ユーザが印刷したい文書のアプリケーションAPによって起動されるもので、管理サーバ6が管理している全ての画像出力装置3Xの全ての機能の出力指定ができるようになっている。
印刷制御部400は、印刷指示装置の制御部として機能するもので、機能の異なる複数の画像出力装置3Xの持つ印刷機能を包含する全ての印刷機能に対する印刷条件を設定可能であって、印刷対象文書に対して複数の印刷ページ範囲を指定して、指定された各々の印刷ページ範囲に対してそれぞれ異なる印刷条件を設定し、複数の印刷ページ範囲のそれぞれに異なる印刷条件が設定された印刷指示を管理サーバ6に送信する。
この機能を実現するべく、印刷制御部400は、オール・イン・ワン・ドライバにてページごとの印刷属性をユーザインタフェース(出力設定画面G20)上にて指定する印刷属性設定部420(出力条件受付部250に相当し設定概要提示部260を含む)、オール・イン・ワン・ドライバにてページごとの印刷属性コマンド群を生成する印刷指定コマンド生成部430、オール・イン・ワン・ドライバにてページごとの印刷属性コマンド群を送信する印刷属性コマンド送信部440を有する。印刷属性コマンド生成部430と印刷属性コマンド送信部440とで、印刷属性設定部420が受け付けたページ範囲ごとの出力条件の情報を管理サーバ側に通知する出力条件通知部402が構成される。
また、印刷制御部400は、ページごと(正しくは出力設定別)の各画像出力装置3Xと印刷属性の組合せを表示し、その組合せで印刷するかどうかユーザに許可を求める出力装置選定結果表示部450(出力装置選定結果提示部266に相当)、オール・イン・ワン・ドライバにてジョブを生成する印刷ジョブ生成部460、オール・イン・ワン・ドライバにて生成したジョブを管理サーバ6に送信する出力ジョブ送信部470を有する。
印刷属性コマンド送信部440は、印刷属性のみのデータを管理サーバ6に送ることにより、どの出力機器(画像出力装置3X)に出力するかの情報(図4Iを参照)を表示するために機能する。出力ジョブ送信部470は、最終的にID(識別情報)と印刷データを管理サーバ6に送るために機能する。
連携処理制御部600は、異なる機能を持った各画像出力装置3Xを管理し、それらの状態を把握し、情報処理端末4の印刷制御部400と連携して、ページごとのジョブを印刷属性コマンド群とともに対応する(設定された印刷条件で出力処理が可能な)画像出力装置3Xに振り分けるものである。
つまり、管理サーバ6に備えられる連携処理制御部600は、印刷指示装置としての情報処理端末4から送信された印刷指示を受信し、受信した印刷指示に含まれる印刷ページ範囲ごとに個別に設定された印刷条件による印刷を実行可能な画像出力装置3Xを抽出し、印刷ページ範囲ごとに、抽出された画像出力装置3Xに対して、当該印刷ページ範囲に対する印刷条件による印刷指示を送信する。
この機能を実現するため、連携処理制御部600は、装置別に設定可能な項目が異なる場合にも対処するべく、各画像出力装置3Xに対応した設定可能な項目の情報(換言すれば装置ごとの機能情報)を取得する出力装置別機能情報取得部610(出力装置別機能情報取得部240に対応)、選択しようとする画像出力装置3Xが稼動か休止かをチェックする出力装置状態確認部620、情報処理端末4から送信された印刷属性コマンド群をページごとの属性において解析する属性コマンド解析部630を有する。出力装置別機能情報取得部610は、管理サーバ6が管理する各画像出力装置3Xの機能情報をデータベース化して、図示しないハードディスク装置に登録している。
また連携処理制御部600は、各ページに指定された印刷属性に最適な画像出力装置3Xを出力装置別機能情報取得部610が管理する機能情報(データベース化されている)と出力装置状態確認部620による稼動チェック結果に基づき選定する適正出力装置選定部640(適正出力装置選定部264に対応)を有する。さらに連携処理制御部600は、情報処理端末4から送信された印刷属性コマンド群を受信し、ページごとに解析した結果をユーザが印刷OKを許可した場合にその印刷属性コマンド群を出力する設定単位適正出力装置選定部660、既に受信した印刷属性コマンド群と印刷ジョブをページごとに組み合わせて、適合する画像出力装置3Xに送信するジョブ解析振分け部670(出力ジョブ振分け送信制御部278に対応)を有する。各画像出力装置3Xは、連携処理制御部600(ジョブ解析振分け部670)から受信した印刷指示に基づき、印刷を実行する。
出力装置選定結果表示部450から設定単位適正出力装置選定部660へは、ユーザが画面上にてOKかキャンセルを押下した結果で、管理サーバ6上のIDおよび印刷属性コマンド群を保持するかどうか決めるための情報が送られる。設定単位適正出力装置選定部660は、出力装置選定結果表示部450から得たIDと、アプリケーションデータをPDLに変更したデータを纏めてジョブデータとしてジョブ解析振分け部670に渡す。
図2Aにおいて、印刷属性コマンド送信部440から印刷属性コマンドのみが設定単位適正出力装置選定部660に送られ、設定単位適正出力装置選定部660にて適切な機器群(MFP群)が選ばれ、出力装置選定結果表示部450にその結果が通知されるときに設定単位適正出力装置選定部660では印刷属性コマンド群に対するIDが発行され、管理サーバ6においてはそのIDと印刷属性コマンド群が一対一に管理される。出力装置選定結果表示部450にて出力機器の選択結果(MFP選択結果)が表示される。
その際、IDも出力装置選定結果表示部450に送られる。ユーザがOKかキャンセルをユーザインタフェース上で押下するとその結果が出力装置選定結果表示部450から設定単位適正出力装置選定部660に送られる。ここでOKの場合はIDは保持され、キャンセルの場合はIDと印刷属性コマンド群の情報は削除される。印刷ジョブ生成部460で印刷データが生成され、出力ジョブ送信部470にてIDと印刷データがジョブ解析振分け部670に送られる。そして、設定単位適正出力装置選定部660で保持されているIDが呼び出され、そこで各出力機器(画像出力装置3X:MFP)に送られるデータが生成される。
<操作手順:第1実施形態の基本例>
図3〜図4Iは、第1実施形態の基本例の仕組みにおける操作手順を説明する図である。ここで、図3は、オール・イン・ワン・ドライバの機能概要を説明する図である。図3Aは、印刷属性コマンド生成部430で生成され印刷属性コマンド送信部440により管理サーバ6側へ送信される印刷属性コマンド群のフォーマット例を示す図である。図3Bは、印刷ジョブ生成部460で生成され出力ジョブ送信部470により管理サーバ6側へ送信される出力ジョブのフォーマット例を示す図である。図3Cは、ジョブ解析振分け部670により各画像出力装置3Xへ送信される出力ジョブ(設定別分割ジョブ)のフォーマット例を示す図である。
図4は、第1実施形態の基本例の仕組みにおける操作手順を説明するフローチャートである。ステップ番号を100番で示すとともに、10番台と1番台は、図1Cにおける基本例の処理ステップと同様・類似の処理ステップには同じ番号を付す。図4A〜図4Iは、第1実施形態の基本例における操作手順にて使用される各画面の一例を示す図である。
図3に示すように、オール・イン・ワン・ドライバは、基本的には、PDL形式で出力ジョブを作成するようになっている。PDLには各社・各様の仕様があるが、本実施形態ではどのようなものであってもよい。オール・イン・ワン・ドライバは、連携処理制御部600側で管理している各画像出力装置3Xの機能情報を元に、各画像出力装置3Xの全ての機種のデバイスファンクションを表示する。このため、そのコアモジュール(Core Module )は、連携処理制御部600との連携により、各画像出力装置3Xの機能情報を記述したDDD(Device Dependent Description)ファイルを参照する。
図4に示すように、情報処理端末4に搭載される画像出力指示装置2Cにおいて、画像出力制御部230は、印刷文書のアプリケーションを立ち上げて、出力対象文書を取得する(S130)。そして、アプリケーションAP上の操作メニューにて印刷指示することで印刷メニューを起動する(S132)。すると、印刷制御部400の印刷属性設定部420は、図4Aに示すようなドライバ選択画面G132を提示する。ユーザは、このドライバ選択画面G132上で、オール・イン・ワン・ドライバを選択する(S140)。すると、そのオール・イン・ワン・ドライバは、図4Bに示すようなデフォルトの出力設定画面G140をユーザに提示する。
出力設定画面G140では、基本、トレイ/排出、グラフィックス、スタンプ/フォーム、詳細設定のタブが用意され、各タブにはそれぞれ詳細な設定項目が存在する。ステップ140でデフォルトの出力設定画面G140を表示させた時点では、各項目はデフォルト設定にされている。たとえば、トレイ/排出タブでは、トレイ選択が自動、ステイプルやパンチなどのフィニッシングはなしがデフォルトである。グラフィックスタブでは、カラーモード(カラー属性)として白黒(2値ではなくグレイスケール)がデフォルトである。
また、本例の出力設定画面G140では、全てのタブにおいて、設定されている印刷条件の概要を示す設定概要表示欄140aが用意されている。この設定概要表示欄140aでは、印刷ページ範囲ごとの印刷出力イメージを表示するようにする。ステップ140でデフォルトの出力設定画面G140を表示させた時点では、各デフォルトの印刷条件の概要が設定概要表示欄140aに表示される。たとえば、印刷ページ範囲と、その印刷ページ範囲に対するフィニッシング状態の概要、標準原稿のサムネイル画像が示される。サムネイル画像では、白黒/カラーの区別が分るように示される。また、本例の出力設定画面G140では、印刷ページ範囲別の個別設定を行なう場合であっても、同一の装置で全ての結果物を取得できるように、「1台プリンタ優先」の項目140bが存在する。
印刷属性設定部420は、この出力設定画面G140上で、先ず、全ページに対して共通する出力条件のユーザ設定を受け付ける(S142)。ユーザは、「すべて」のラジオボタン140cをクリックして、たとえば、ページ印刷やヘッダやフッタなどのページ装飾など、全ページに対して共通する出力条件を設定して、「ページ指定」のラジオボタン140dの近傍のOKボタン140fをクリックする。この後、出力を希望する印刷ページ範囲別の個別設定に移行する(S150)。
印刷属性設定部420は、個別設定に移行すると、出力を希望する印刷ページ範囲の指定と(S152)、その印刷ページ範囲に適用する出力条件のユーザ設定を受け付ける(S154)。他にも印刷を希望する印刷ページ範囲が存在するときには(S156−YES)、再度、他の印刷ページ範囲について、前記と同様の処理を繰り返す。なお、印刷ページ範囲の指定(S152)と、その印刷ページ範囲に適用する出力条件の設定(S154)は、順不同でよい。
たとえば、“1−4”ページに対しては、白黒(グレイスケール)、ステイプル右2箇所指定、“5−9”ページに対しては、カラー、2つ折りを行なう指定の場合で説明する。図4Cに示すように、トレイ/排出タブにて、「ページ指定」のラジオボタン140dをクリックして、その右側の入力欄140eに、出力を希望する印刷ページ範囲(1−4ページ)を指定するべく“1−4”を入力する。この後、図4Dに示すように、“1−4”ページに対する印刷条件として、ステイプルの設定欄140g(プルダウンメニュー)にてステイプル右2箇所の指定を行なう。カラー属性に関してはデフォルト値は白黒(グレイスケール)であるので、ユーザが指定することは不要である。
“1−4”ページに対しての印刷条件の指定が完了すると、ユーザは「ページ指定」のラジオボタン140dの近傍のOKボタン140fをクリックする。すると、図4Eに示すように、“1−4”ページの表示と、その“1−4”ページに対して設定されている印刷条件の概要が表示される。標準原稿のサムネイル画像では、白黒(グレイスケール)モードであることが分るように全体が白黒の多階調で表示される。標準画像のサムネイルの一部にはグレイスケールチャートを示している。
次に、出力を希望する印刷ページ範囲(5−9ページ)に対しての印刷条件の設定を行なうべく、先ず、図4Fに示すように、グラフィックスタブに移り、カラーモードの設定欄140h(プルダウンメニュー)にて“カラー(自動判別)”を選択する。さらに、図4Gに示すように、トレイ/排出タブに戻り、紙折りの設定欄140i(プルダウンメニュー)にて“二つ折り”を選択し、ページ入力欄140eに“5−9”を入力する。“5−9”ページに対しての印刷条件の指定が完了すると、ユーザは「ページ指定」のラジオボタン140dの近傍のOKボタン140fをクリックする。すると、図4Hに示すように、設定概要表示欄140aには、“5−9”ページの表示と、その“5−9”ページに対して設定されている印刷条件の概要の表示が追加される。本例では、“5−9”ページに対して二つ折りが設定されていることを示すグラフィックスマークが示され、また、標準原稿のサムネイル画像ではカラーモードであることが分るように少なくとも所定部分がカラーで表示される。たとえば、標準画像のサムネイルの一部にはカラーバーチャートを示している。
ユーザは、共通設定および個別設定が完了すると、最下部のOKボタン140jをクリックする。この情報を印刷属性設定部420が受け付けると(S156−NO)、印刷属性コマンド生成部430は、印刷ページ範囲ごとの印刷属性コマンド群を生成し印刷属性コマンド送信部440に送る(S160)。印刷属性コマンド送信部440は、その印刷ページ範囲ごとの印刷属性コマンド群を管理サーバ6に送信する(S162)。本例では、印刷属性コマンド送信部440は、“1−4ページは白黒、ステイプル右2箇所指定”、“5−9ページはカラー、二つ折り”の印刷属性コマンド群を送信する。属性群のフォーマットは、たとえば図3Aに示すように、PDLファイルの中に示され、これらが管理サーバ6に送信される。本例では、PDLファイルをPJL言語で記述している。後述するその他のPDLファイルでも同様である。
管理サーバ6の連携処理制御部600においては、設定単位適正出力装置選定部660が印刷制御部400の印刷属性コマンド送信部440から送信された印刷属性コマンド群を受信し、その印刷属性コマンド群を属性コマンド解析部630に送る。属性コマンド解析部630は、情報処理端末4から送信された印刷属性コマンド群をページごとの属性において解析し、その解析結果を適正出力装置選定部640に送る(S174)。
適正出力装置選定部640は、先ず、各印刷ページ範囲に指定された印刷属性に最適な画像出力装置3Xを出力装置別機能情報取得部610が管理する機能情報(データベース化されている)に基づき選定する(S176)。本例では、“ステイプル機能とグレイスケール印刷に対応した装置”、“二つ折りとカラー印刷に対応した装置”を、出力装置別機能情報取得部610が管理するデータベースを元に検索する。
適正出力装置選定部640は、さらに、検索された各画像出力装置3Xが現在稼働中か否かを出力装置状態確認部620との連携により確認する(S178)。たとえば、適正出力装置選定部640は、データベース検索で選択した画像出力装置3Xの情報を出力装置状態確認部620に通知する。出力装置状態確認部620は、その画像出力装置3Xに稼動中かどうかを問い合わせ、その結果を適正出力装置選定部640に通知する。設定単位適正出力装置選定部660は、選択した画像出力装置3Xが稼動中であることを適正出力装置選定部640で確認後に、各印刷ページ範囲に指定された出力設定(印刷属性)に最適な画像出力装置3Xの選択結果の情報を情報処理端末4に通知する(S180)。なお、画像出力装置3Xが非稼動である場合は、稼動中で次に最適なものを選択する。もし、それでもなければ、利用できないことをユーザにその旨を知らせる。
選択結果の情報の中には、選択した装置の機種名や配置場所などの情報を含むものとする。また、印刷ページ範囲に指定された出力設定に適合する稼働状態の画像出力装置3Xが見付からなかったときには、その情報も含むものとする。本例では、最初の組合せに適合した装置、つまり“ステイプル機能とグレイスケール印刷に対応した装置”の機種名をMFP1、次の組合せに適合した装置、つまり“二つ折りとカラー印刷に対応した装置”の機種名をMFP2とする。
情報処理端末4の印刷制御部400においては、出力装置選定結果表示部450が設定単位適正出力装置選定部660から送信された装置選択結果の情報を受信し、その情報に基づいて、各印刷ページ範囲の出力設定ごとの各画像出力装置3Xと印刷属性の組合せを示した図4Iに示すような選定結果画面G182を提示し、その組合せで印刷するかどうかユーザに許可を求める(S182)。
選定結果画面G182では、出力設定画面G140における設定概要表示欄140aと同様に、たとえば、印刷ページ範囲と、その印刷ページ範囲に対するフィニッシング状態の概要や標準原稿のサムネイル画像がカラーモードの区別が付くように表示されるとともに、その印刷ページ範囲に対する印刷設定に適合する画像出力装置3Xの情報として、たとえば型番や配置場所が表示される。
ユーザは、この選定結果画面G182上で、印刷ページ範囲ごとの各画像出力装置3Xと出力設定の組合せを確認し、問題があれば、キャンセルボタン182aをクリックしてその旨を指示する。オール・イン・ワン・ドライバがこの指示を受け付けると、印刷属性設定部420は、個別設定(S150)に戻り、出力設定画面G140を提示して、その問題のある印刷ページ範囲について設定のやり直しのユーザ指定を受け付る(S184−NO)。一方、問題がなければ(S184−YES)、ユーザはOKボタン182bをクリックする。オール・イン・ワン・ドライバがこの指示を受け付けると、図4Aに示したドライバ選択画面G132に戻る。ユーザは、このドライバ選択画面G132上でOKボタン132aをクリックすることで印刷実行を指示する(S186)。
オール・イン・ワン・ドライバが印刷実行の指示を受け付けると(S190−YES)、印刷ジョブ生成部460はオール・イン・ワン・ドライバにて印刷ジョブを生成し出力ジョブ送信部470に送る(S192)。出力ジョブ送信部470は、印刷ジョブ生成部460で生成された印刷ジョブを管理サーバ6に送信する(S194)。印刷ジョブ生成部460は、管理サーバ6にて発行されたIDと文書データからPDLデータになったものを合成し、1つのジョブファイルにする。ここでの印刷ジョブのフォーマットは、たとえば図3Bに示すように、PDLで記述される。
管理サーバ6の連携処理制御部600においては、ジョブ解析振分け部670が印刷制御部400の出力ジョブ送信部470から送信された印刷ジョブを受信する。ジョブ解析振分け部670は、設定単位適正出力装置選定部660による選定結果の情報に基づき、設定単位適正出力装置選定部660にて既に印刷属性コマンド送信部440から受信している印刷属性コマンド群と出力ジョブ送信部470から受信した1つの印刷ジョブを、印刷ページ範囲別(画像はページごとに組み合わせる)に組み替えて(S197)、適合する画像出力装置3Xに振り分けて送信することで、各画像出力装置3Xに印刷実行を指示する(S198)。
各画像出力装置3Xは、連携処理制御部600のジョブ解析振分け部670から受信した印刷指示に基づき、印刷を実行する。ここで、ジョブ解析振分け部670が生成する印刷ジョブのフォーマットは、たとえば図3Cに示すように、PDLで記述される。印刷指示を印刷ページ範囲ごとの複数の出力ジョブ(設定別分割ジョブ)として作成・送信することになる。
なお、本例では、印刷ページ範囲の別に出力処理を担当する画像出力装置3Xが異なる事例で示したが、各印刷ページ範囲に対する印刷設定に対処可能な画像出力装置3Xが見付かることを前提した場合、「1台プリンタ優先」の項目140bがクリックされていない場合でも自動選択結果として1台の画像出力装置3Xが選択される場合もあるし、「1台プリンタ優先」の項目140bをクリックしていると、複数の印刷ページ範囲に対して個別設定されている印刷条件の全てに対処可能な1台の画像出力装置3Xが選択される。これらの場合、ジョブ解析振分け部670は、図3Cに示したようなフォーマット例の設定別分割ジョブを生成して同一の画像出力装置3Xに送信してもよい。つまり、2台の場合と変わらず、ジョブは連続した2回のジョブにすればよい。あるいは、事実上、出力ジョブを複数台に振り分ける必要がないので、ジョブ解析振分け部670が生成する印刷ジョブのフォーマットとしては、後述する第3実施形態と同様に、画像出力装置3Xが「1ジョブ1設定対応」の場合であるか否かに応じてフォーマットを選択してもよい。
<機能ブロック:第1実施形態の変形例>
図5は、画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2B(画像出力指示装置2Cと管理サーバ6)の第1実施形態の変形例を説明する図であり、画像出力制御部230の具体例を機能的に示したブロック図である。適用されるシステム構成は図3と同様である。図5Aは、第1実施形態の変形例における操作手順を説明するフローチャートである。ステップ番号を100番で示すとともに、10番台と1番台は、図4における第1実施形態の基本例の処理ステップと同様・類似の処理ステップには同じ番号を付す。
第1実施形態の変形例は、図3に示した基本例との相違点として、画像出力指示装置2Cの印刷制御部400は印刷属性コマンド送信部440を備えていない点にある。また、印刷属性コマンド生成部430で生成された印刷属性コマンド群は出力装置選定結果表示部450を経由することなく直ちに印刷ジョブ生成部460に送られる。出力ジョブ送信部470から管理サーバ6に送信された出力ジョブは、ジョブ解析振分け部670だけでなく設定単位適正出力装置選定部660にも送られる。
以下、図5Aに基づき、第1実施形態の基本例との相違点に着目して第1実施形態の変形例の操作手順を説明する。オール・イン・ワン・ドライバが共通設定および個別設定の完了指示を受け付けると(S156−NO)、印刷属性コマンド生成部430は、印刷ページ範囲ごとの印刷属性コマンド群を生成し印刷ジョブ生成部460に送る(S164)。印刷ジョブ生成部460は印刷ジョブを生成し出力ジョブ送信部470に送る(S166)。出力ジョブ送信部470は、印刷ジョブ生成部460で生成された印刷ジョブを管理サーバ6に送信する(S168)。ここでの印刷ジョブのフォーマットは、図示を割愛するが、ページ別の画像情報を示す部分と印刷設定を示す部分とが存在するPDLデータとすればよい。ここでは、印刷ページ範囲ごとに印刷条件を設定した1つのジョブとして作成・送信する。
管理サーバ6の連携処理制御部600においては、設定単位適正出力装置選定部660とジョブ解析振分け部670が印刷制御部400の出力ジョブ送信部470から送信された印刷ジョブを受信するが、ジョブ解析振分け部670は先ずその印刷ジョブを所定の記憶媒体に保持しておく一方(S170)、設定単位適正出力装置選定部660は印刷ジョブ中の印刷属性コマンド群を属性コマンド解析部630に送る。以下、選定結果画面G182を提示し、その組合せで印刷するかどうかユーザに許可を求める(S182)まで、第1実施形態の基本例と同様である。
選定結果に問題がなければ(S184−YES)、ユーザは印刷実行を指示する(S186)。オール・イン・ワン・ドライバが印刷実行の指示を受け付けると(S190−YES)、出力装置選定結果表示部450は、その情報を、管理サーバ6の設定単位適正出力装置選定部660に通知する(S196)。
管理サーバ6の連携処理制御部600において、ジョブ解析振分け部670は、出力ジョブ送信部470から受信し一時的に保存してある印刷ジョブを、設定単位適正出力装置選定部660による選定結果の情報に基づき、1つの印刷ジョブを、印刷ページ範囲別(画像はページごとに組み合わせる)に組み替えて、適合する画像出力装置3Xに振り分けて送信することで、各画像出力装置3Xに印刷実行を指示する(S198)。各画像出力装置3Xは、連携処理制御部600のジョブ解析振分け部670から受信した印刷指示に基づき、印刷を実行する。ここで、ジョブ解析振分け部670が生成する印刷ジョブのフォーマットは、図3Cに示すものと同様に、印刷ページ範囲ごとの複数の出力ジョブ(設定別分割ジョブ)である。
第1実施形態の変形例では、選定結果の確認を経て出力設定が確定される過程で設定のやり直しがある場合、印刷属性コマンド生成部430による印刷属性コマンド群の生成と印刷ジョブ生成部460による印刷ジョブの生成が繰り返される。しかしながら、印刷ジョブが既に管理サーバ6側に送信されジョブ解析振分け部670にて保留されているので(S170)、印刷実行の指示を受け付けると(S190−YES)、印刷ジョブの受信完了を待つことなく、ジョブ解析振分け部670は直ちに、1つの印刷ジョブを、印刷ページ範囲別(画像はページごとに組み合わせる)に組み替えて、適合する画像出力装置3Xに振り分けて送信する。よって、ユーザが出力実行を指示してから(S186)、出力処理が完了するまでの時間は第1実施形態の基本例よりも短くなる。
<機能ブロック:第2実施形態>
図6は、画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bの第2実施形態を説明する図である。ここで、図6は、第2実施形態に適合した画像出力設定制御システム2Aの構成例を示した図である。図示を割愛するが、画像出力制御部230により画像出力装置3Xへ送信される出力ジョブのフォーマット例としては、図3Bや図3Cに示すものでよい。
第2実施形態の構成は、図6に示すように、管理サーバ6を備えておらず、画像出力設定制御装置2Bを備えた1台の情報処理端末4と複数台の画像出力装置3X(印刷装置3Bや複合機3Dなど)がネットワーク9で接続され、情報処理端末4内の画像出力設定制御装置2Bがネットワーク9に接続された複数の画像出力装置3Xに対して出力指示を発する仕組みとする場合に好適な構成例である。つまり、第2実施形態の構成は、サーバを経由せずに、1つの出力ジョブを複数台の画像出力装置3Xに分けて処理させる分散出力システムの適用事例である。
第2実施形態の場合、画像出力設定制御装置2Bは、図3に示した基本構成をそのまま適用でき、また、操作手順は図4に示した基本例をそのまま適用できる。第2実施形態の場合、1台の画像出力設定制御装置2Bが複数台の画像出力装置3Xに対応可能な状態において、1つの出力ジョブを複数台の画像出力装置3Xに分けて処理させるに当たり、ネットワーク9を介して接続された複数台の画像出力装置3Xの持つ印刷機能を包含する印刷機能に対する印刷条件を出力条件受付部250(オール・イン・ワン・ドライバ)にて設定する(S40〜S56)。そして、画像出力制御部230(出力指示部270)は、印刷ページ範囲ごとに異なる印刷条件を設定した印刷指示を、各々の印刷ページ範囲ごとの印刷条件による印刷を実行可能な画像出力装置3Xに送信する(S90〜S98)。ここで、出力指示部270が生成する印刷ジョブのフォーマットは、図3Cに示すように、印刷ページ範囲ごとの複数の出力ジョブ(設定別分割ジョブ)である。
なお、画像出力制御部230により、自動的に、印刷ページ範囲別の個別設定に適合する画像出力装置3Xが自動的に選択され、処理しようとする1つの出力ジョブが選択された画像出力装置3Xに振り分けられて処理される。このため、どの画像出力装置3Xで処理されるのかをユーザが確認できるように、印刷ページ範囲ごとに、処理を担当する画像出力装置3Xを特定する情報をユーザに提示し、確認の上で処理を継続するのがよい(S80〜S86)。
<機能ブロック:第3実施形態>
図7および図7Aは、画像出力設定制御システム2Aや画像出力設定制御装置2Bの第3実施形態を説明する図である。ここで、図7は、第3実施形態に適合した画像出力設定制御システム2Aの構成例を示した図である。図7Aは、第3実施形態の画像出力制御部230の具体例を機能的に示したブロック図である。
第3実施形態の構成は、1台の情報処理端末4が1台の画像出力装置3X(印刷装置3Bや複合機3Dなど)に対して出力処理を指示する場合に好適な構成例である。1台の情報処理端末4が1台の画像出力装置3Xに対して出力処理を指示する構成例としては、図7に示すように、管理サーバ6を備えておらず(あるいは備えている場合でも管理サーバ6を経由することなく)、ネットワーク9に接続された1台もしくは複数台の画像出力装置3Xの中の特定の1台に対して出力処理を指示する場合と、同図中に鎖線で囲んで示したように、情報処理端末4と画像出力装置3X_2とが1対1で接続されている場合が該当する。
このような第3実施形態の態様では、処理手順の概要の最後にも述べたが、各印刷ページ範囲に指定された出力設定に最適な画像出力装置3Xを選定して、その選定結果のユーザ確認を求める処理が不要になるので、情報処理端末4に備えられる画像出力設定制御装置2Bの構成も、その点に着目した変形が加えられる。具体的には、第3実施形態の画像出力設定制御装置2Bの画像出力制御部230は、図7Aに示すように、基本構成と同様の第2実施形態の画像出力設定制御装置2Bから、出力装置別機能情報取得部240、設定概要提示部260、適正出力装置選定部264、出力装置選定結果提示部266を取り外した構成である。
<操作手順:第3実施形態>
図8は、第3実施形態における操作手順を説明するフローチャートである。ステップ番号を300番で示すとともに、10番台と1番台は、図8Aおよび図8Bは、出力指示部270により画像出力装置3Xへ送信される出力ジョブのフォーマット例を示す図である。
第3実施形態の場合、画像出力制御部230には、オール・イン・ワン・ドライバを組み込む必要がなく、またステップS80の処理も不要で、ステップS84では1台の(ユーザが指定したものを含む)画像出力装置3Xへ、印刷ページ範囲ごとに個別に設定された印刷条件を含む出力ジョブを送信する(S398)。
ここで、第3実施形態の場合、画像出力設定制御装置2Bは、印刷ページ範囲ごとに異なる印刷条件を設定した印刷指示を1台の画像出力装置3Xに対して送信するので、受信側の画像出力装置3Xが、その印刷指示の出力ジョブに対応したものでなければならない。たとえば、従前のように「1ジョブ1設定対応」の画像出力装置3Xの場合、1つのジョブ指示に対しては1つの印刷設定がなされていることを前提として処理するので、本例のように、処理しようとする1つの出力ジョブを印刷ページ範囲ごとの個別設定にして印刷処理をするには、出力設定単位の設定別分割ジョブを生成して(S393a)、設定別分割ジョブごとに出力指示を発する仕組みを採ることが必要になる。本例に則して言えば、印刷ページ範囲ごとの複数の出力ジョブに分割して送信することが必要になる。この場合、出力指示部270が生成する印刷ジョブのフォーマットは、図8Aに示すように、印刷ページ範囲ごとの複数の出力ジョブ(設定別分割ジョブ)である。元の1つの出力ジョブ(印刷ジョブ)を複数に分けていることを示すべく、ジョブ名に参照子(本例では“−1”と“−2”を付している。
一方、画像出力装置3X自体を「1ジョブ複数設定対応」の新しい仕組みのものとして、印刷ページ範囲ごとに印刷条件を設定した1つのジョブを受信して出力処理を行なうことを可能に構成してもよい。この場合、印刷指示を印刷ページ範囲ごとに印刷条件を設定した1つの出力ジョブとして送信できる。出力指示部270は、図8Bに示すようなフォーマットで、印刷ページ範囲ごとに印刷条件を設定した1つの出力ジョブを作成して送信すればよい(S393b)。
また、フィニッシングなど、複数の印刷ページ範囲の全てに共通して適用する設定をすることができるようにする場合、出力ジョブのフォーマットとしては、以下の点に留意しておくのがよい。
たとえば、図8Aの場合において、1〜4ページの印刷ジョブおよび5〜9ページの出力ジョブのそれぞれに同様のステイプル設定がなされていた場合には、両者を1つに束ねてステイプルするようにしてもよい。あるいは、ステイプルの指示に関する設定として、全範囲を1つに束ねることを示した印刷属性コマンドを追加しておくことで、そのような印刷属性コマンドを含んだ出力ジョブを受信した画像出力装置が全範囲を1つに束ねるように処理するようになっていてもよい。その場合、全範囲を1つに束ねることを示す印刷属性コマンドがない出力ジョブの場合や、あるいは印刷ページ範囲ごとに束ねる印刷属性コマンドが含まれた出力ジョブであった場合には、印刷ページ範囲ごとに束ねるような処理をするようにしてもよい。
第3実施形態の仕組みでは、1台の画像出力装置3Xで出力処理を行なうので、全ページに対しての共通の処理としてフィニッシングを適用しても、何ら不都合は生じない。たとえば、第1実施形態や第2実施形態でも全ページに対しての共通のフィニッシングを適用することは可能であるが、印刷ページ範囲別に担当する画像出力装置3Xが異なる場合、たとえば装置別にステイプルをすると予期せぬ結果物になってしまう。もちろん、第1、第2実施形態でも、出力設定画面G140で、同一の装置で全ての結果物を取得できるように、「1台プリンタ優先」の項目140bをクリックしておくことでこのような事態を回避するようにしてもよい。
第3実施形態は、1つの出力ジョブについて、印刷ページ範囲別に印刷設定される場合に、1台の画像出力装置3Xが各印刷設定で処理を行なうものであり、その適用事例としては、1台の情報処理端末4(画像出力設定制御装置2B)と1台の画像出力装置3Xとが物理的に1対1で接続されている場合に限らず、実質的に、このような状態の場合にも、同様に適用できる。たとえば、複数の画像出力装置3Xが使用可能な状態で実際に使用する装置の選択を画像出力設定制御装置2Bで行なう場合に、その選択結果が1台となった場合や、複数の画像出力装置3Xが使用可能な状態であってもユーザが使用を希望する1台の画像出力装置3Xを指定するようなケースである。
<画像出力設定制御装置;計算機構成>
図9は、画像出力設定制御装置2Bや画像出力指示装置2Cや管理サーバ6の他の構成例を示すブロック図である。ここでは、パーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用して、自動編集処理をソフトウェアを実行するマイクロプロセッサなどから構築されるより現実的なハードウェア構成を示している。
すなわち、本実施形態において、ユーザより印刷ページ範囲別に出力設定を受け付け、印刷ページ範囲別の出力条件に従って画像出力処理(印刷処理)を行なう仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現することも可能である。つまり、本実施形態において、印刷ページ範囲別に出力設定を受け付け、その印刷ページ範囲別の出力条件に従って画像出力処理を行なう中心的な機能をなす画像出力制御部230の仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現することも可能である。
よって、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定と設定された各出力条件に基づき画像出力処理を行なう仕組みを、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。ソフトウェアにより実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点が享受される。
電子計算機に、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定と設定された各出力条件に基づき画像出力処理を行なう機能をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込マイコンなど)、あるいは、CPU、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの状態変化を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクFDを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MO(Magneto Optical Disk)を含む)、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。また、ソフトウェアを構成するプログラムは、記録媒体を介して提供されることに限らず、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
たとえば、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、ハードウェア処理回路にて構成する場合と同様の効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能を実現する。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能が実現されるだけでなく、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(Operating Systems ;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理により1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能が実現される場合であってもよい。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能が実現される場合であってもよい。
なお、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
たとえば、コンピュータシステム900は、コントローラ部901と、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、所定の記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取制御部902とを有する。
コントローラ部901は、CPU(Central Processing Unit )912、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)913、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM(Random Access Memory)915、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)916を有している。ROM913,RAM915,NVRAM916は、図示を割愛したメモリ制御部で制御されるようになっている。
なお、上記において“揮発性の記憶部”とは、装置の電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶部”とは、装置のメイン電源がオフされた場合でも、記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。記憶内容を保持し続けることができるものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。
また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体を利用して構成してもよい。たとえば、ハードディスク装置を不揮発性の記憶部として利用できる。また、CD−ROMなどの記録媒体から情報を読み出す構成を採ることでも不揮発性の記憶部として利用できる。
また、コンピュータシステム900は、ユーザインタフェースをなす機能部としての指示入力部903と、操作時のガイダンス画面や処理結果などの所定の情報をユーザに提示する表示出力部904と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部(IF部)909とを有する。インタフェース部909にはユーザインタフェース制御部が組み込まれる。
指示入力部903としては、たとえば、図示を割愛するが、ユーザインタフェース部の操作キー部を利用してもよいし、あるいは、キーボードやマウスなどを利用してもよい。表示出力部904は、表示制御部919と図示を割愛した表示装置とを備える。表示装置としては、たとえば、図示を割愛したユーザインタフェース部の操作パネル部を利用してもよい。あるいは、CRT(Cathode Ray Tube;陰極線管)やLCD(Liquid Crystal Display;液晶)などでなるその他のディスプレイ部を利用してもよい。
たとえば、表示制御部919が、操作パネル部やディスプレイ部上に、ガイダンス情報やコンピュータシステム900が取り込んだ全体画像などを表示させる。また、各種の情報をユーザに通知する際の表示デバイスとしても利用される。なお、表示面上にタッチパネルを有するディスプレイ部とすることで、指先やペンなどで所定の情報を入力する指示入力部903を構成してもよい。
インタフェース部909としては、処理データ(画像データを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス991の他、たとえば、文書を所定の出力媒体(たとえば印刷用紙)に出力する画像形成部906や他のプリンタとのインタフェース機能をなすプリンタIF部996、およびネットワークとの間の通信データの受け渡しを仲介するネットワーク制御部999aおよびLANカード999bを有する通信IF部999を備える。プリンタIF部996には、図示を割愛した印刷制御部を組み込んで画像形成部906を制御するようにする。
このような構成において、CPU912は、システムバス991を介してシステム全体の制御を行なう。ROM913は、CPU912の制御プログラムなどを格納する。RAM915は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納する。また、RAM915は、所定のアプリケーションプログラムに従って演算して得たデータや外部から取得したデータなどを一時的に格納する領域を含んでいる。
たとえば、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体を通じて配布される。あるいは、このプログラムは、CD−ROMではなくFDに格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなど、その他の記録媒体にプログラムを格納してもよい。さらに、他のサーバなどからインターネットなどのネットワークを経由してプログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新したりしてもよい。
なおプログラムを提供するための記録媒体としては、FDやCD−ROMなどの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MOなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアカードなどの半導体メモリを用いてもよい。記録媒体の一例としてのFDやCD−ROMなどには、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能を実現する際の、一部または全ての機能を格納してもよい。
また、ハードディスク装置は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、自装置で取得したデータや外部から取得したデータなどを大量に一時的に格納したりする領域を含んでいる。
このような構成により、操作者による指令にて、前述の1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け処理と設定された各出力条件に基づく画像出力処理を実行する文書編集プログラムが記憶されているCD−ROMなどの読取可能な記録媒体からRAM915に画像出力処理(印刷処理)プログラム(いわゆるプリンタドライバ)がインストールされ、また操作者による指令や自動処理にて、このプリンタドライバが起動される。
CPU912は、このプリンタドライバに従って前述の1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け処理と設定された各出力条件に基づく画像出力処理に伴う制御演算処理を施し、処理中のデータをRAM915やハードディスクなどの記憶装置に格納し、必要により所定の情報(たとえば設定中の出力条件の情報や設定条件に対応した画像出力装置3Xの情報など)を操作パネル部あるいはCRTやLCDなどの表示装置に出力する。
なお、このようなコンピュータを用いた構成に限らず、図1Aや図2Aや図7Aを用いて示した各機能部の処理をなす専用のハードウェアの組合せにより、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け処理と設定された各出力条件に基づく画像出力処理を行なう画像出力設定制御装置2Bを構成してもよい。たとえば、1つの出力ジョブについての出力条件の個別設定の受付け機能と設定された各出力条件に基づく画像出力指示機能の全てをソフトウェアで行なうのではなく、これら機能部分の一部を専用のハードウェアにて行なう処理回路を設けてもよい。
ソフトウェアで行なう仕組みは、並列処理や連続処理に柔軟に対処し得るものの、その処理が複雑になるに連れ、処理時間が長くなるため、処理速度の低下が問題となる。これに対して、ハードウェア処理回路で構築すると、処理が複雑であっても、処理速度の低下を防ぐことができ、高いスループットを得ることができる高速化を図ったアクセラレータシステムが構築される。
<画像出力装置>
図10は、画像出力装置3Xの一構成例を示すブロック図である。ここで示す画像出力装置3Xは、従前のもののように、1回の出力実行指示では1種類の出力設定しか受け付けない1ジョブ1設定対応のものではなく、「1ジョブ複数設定対応」の新しい仕組みを採り入れたものである。
画像出力装置3Xは、画像出力設定制御装置2Bや画像出力指示装置2Cあるいは管理サーバ6(以下纏めてホスト側装置8とも称する)との間のインタフェース機能をなすインタフェース部302を備える。インタフェース部302は、ホスト側装置8から送出される出力ジョブを受信するジョブ受信部として機能する。
画像出力装置3Xはまた、システムバスを介して画像出力装置3Xの各部の動作を制御するCPU310と、CPU310などが利用するRAM312と、ホスト側装置8から受け取った出力ジョブデータに基づいて、画像出力用のページ画像を生成する描画展開部320と、描画展開部320により生成されたページ画像に基づいて印刷処理を制御する印刷制御部380を備える。
描画展開部320は、ホスト側装置8から受け取った出力ジョブファイルを記憶する記憶部322と、インタフェース部302を介して入力された出力ジョブファイル中の描画命令を解釈するインタプリタ部(描画命令解釈部)350と、インタプリタ部350により解釈されたデータに基づいてラスタデータに展開する展開処理部の一例であるレンダリング部360とを備える。レンダリング部360は、描画処理の際、RAM312上でラスタデータを展開する。
画像出力装置3Xは、さらに描画展開部320の印刷制御部380からの指令に従って印刷処理を実行するプリンタエンジン部390を備える。プリンタエンジン部390とシステムバスとの間にはプリンタエンジンインタフェース部392が設けられる。
RAM312は、画像出力装置3Xの全体を制御するCPU310が使用するメインメモリとしても利用される。この場合、RAM312には、メインメモリ用のワーク領域が割り当てられる。ワーク領域は、プログラムが動作するために一時的に使われる領域である。またRAM312は、レンダリング部360における描画展開処理用のメモリとしても利用される。この場合、RAM312には、描画展開処理用のラスタ展開領域が設けられる。
印刷制御部380は、印刷を行なう際に、プリンタエンジン部390を起動し、レンダリング部360がRAM312上で展開したラスタデータ(ビットマップデータ)をプリンタエンジン部390に供給する。プリンタエンジン部390は、プリンタエンジンインタフェース部392を介して供給されるラスタデータに従って、用紙に画像を形成して出力する。
ここで、本実施形態の描画展開部320は、従前と同様に、「1ジョブ1設定」を前提とした出力ジョブを受け取って設定されている出力条件に従ってページ別に描画展開する機能を備えるだけでなく、1ジョブ内に複数の出力設定を含む出力ジョブを受け取って、そこに設定されている各出力条件に従ってページ別に描画展開する機能を備える点に特徴有する。
この機能により、ページ別に画像を印刷用紙上に形成する際には、ホスト側装置8側にて設定されている基本設定、レイアウト設定、ページ装飾設定、仕上げ設定などの出力条件(出力設定)の各項目が出力ページ範囲の別に異なっている場合でも、ページ別に、設定されている各出力条件に従って描画処理を行なう。
この機能を実現するために、本実施形態の描画展開部320は、「1ジョブ1設定」に対応した描画展開部とは異なり、以下の点で相違がある。たとえば、描画展開部320は、「1ジョブ複数設定対応」機能を実現するための特有の機能部として、受け取った出力ジョブのヘッダ部分に記載されている出力条件を設定別に解釈する出力条件解釈部330と、印刷用紙に配置すべきページ順を決定するページ配置制御部340を有する。
出力条件解釈部330は、「1ジョブ複数設定」の出力ジョブを受け取ったときには、そこで指定されている出力条件のページ範囲別に、受け取った出力ジョブを振り分けて、レンダリング部360に渡す。こうすることで、レンダリング部360は、「1ジョブ1設定」の出力ジョブを受け取ったときと同様にして描画展開処理を行なうことができる。
ページ配置制御部340は、印刷制御部380との連携により、プリンタエンジン部390における印刷用紙上への画像形成処理に当たり、処理順序を、以下の基準に基づいて決定する。たとえば、ページ順モードで処理する場合には、ページ順で処理を行なうようにプリンタエンジン部390を制御する。また、フィニッシング処理がステイプルなどのように出力対象の全ページを1つの束に纏めるものであるときには、ページ順モードで処理するように制御する。
また、処理速度優先モードで処理する場合には、ページ順を無視して、印刷ページ範囲別に印刷処理するように処理順序を決定する。この際には、処理条件の切替え時間も考慮するのがよい。たとえば、受け取った出力ジョブが、白黒が設定されている印刷ページ範囲とカラーが設定されている印刷ページ範囲とを含む場合において、直前のジョブが白黒処理で完了しているときには、白黒モードが設定されている印刷ページ範囲を先に処理し、直前のジョブがカラー処理で完了しているときには、カラーモードが設定されている印刷ページ範囲を先に処理することで切替え時間を短縮する。何れも、ページの並替えはユーザが行なうことになる。
1…画像出力システム、140a…設定概要表示欄、200…ユーザインタフェース部、210…記憶部、220…電子原稿生成部、222…電子文書生成部、230…画像出力制御部、232…処理操作情報受付部、234…保存文書読出部、236…出力文書受取部、240…出力装置別機能情報取得部、250…出力条件受付部、252…全出力設定提示部、260…設定概要提示部、264…適正出力装置選定部、266…出力装置選定結果提示部、270…出力指示部、272…設定別分割ジョブ生成部、274…複数設定出力ジョブ生成部、276…出力ジョブ送信制御部、278…出力ジョブ振分け送信制御部、2B…画像出力設定制御装置、2C…画像出力指示装置、2A…画像出力設定制御システム、3…イメージング機器、3X…画像出力装置、302…インタフェース部(受信部)、320…描画展開部、330…出力条件解釈部、340…インタプリタ部、340…ページ配置制御部、360…レンダリング部、380…印刷制御部、390…プリンタエンジン部、4…情報処理端末、400…印刷制御部、402…出力条件通知部、420…印刷属性設定部、430…印刷属性コマンド生成部、440…印刷属性コマンド送信部、450…出力装置選定結果表示部、460…印刷ジョブ生成部、470…出力ジョブ送信部、6…管理サーバ、600…連携処理制御部、610…出力装置別機能情報取得部、620…出力装置状態確認部、630…属性コマンド解析部、640…適正出力装置選定部、660…設定単位適正出力装置選定部、670…ジョブ解析振分け部、8…ホスト側装置、9…ネットワーク、900…コンピュータシステム、901…コントローラ部、902…記録・読取制御部、912…CPU、996…プリンタIF部、999…通信IF部