JP2006118076A - 塗工紙の製造方法及び製造設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 オンマシン内で次記の連続的な工程が順に組み込まれていることを特徴とする塗工紙の製造方法である。(1)それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する工程、(2)ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する工程、(3)湿紙を乾燥する工程、(4)接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する工程、(4) 少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダー70にて平坦化処理する工程。
【選択図】図4
Description
特に、本発明は、ギャップタイプのツインワイヤーフォーマを有する抄紙機を使用し、抄速1300m/分以上、より望ましくは1400m/分以上の高速で、塗料のオンマシン塗工、表面仕上げを行うことで、一貫した塗工紙の生産を効率的に、高品質に行うことができる塗工紙の製造方法及び製造設備に関する。
<請求項1項記載の発明>
オンマシン内で次記の連続的な工程が順に組み込まれていることを特徴とする塗工紙の製造方法。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する工程、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する工程、
湿紙を乾燥する工程、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する工程、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する工程(ここに、前記金属ロールは、その幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備され、金属ロールの表面温度が130℃以上にて処理するものである)。
前記ヘッドボックスが鉛直または下流側に傾斜した状態で上向き設置され、紙料吐出方向線が水平線となすと吐出角度が、50度〜90度である請求項1記載の塗工紙の製造方法。
金属ロールの近傍には、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置及びロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備の少なくとも一方が装備されている請求項1記載の塗工紙の製造方法。
抄紙速度1300m/分以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
オンマシン内で次記の連続的な手段が順に組み込まれていることを特徴とする塗工紙の製造設備。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する手段、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する手段、
湿紙を乾燥する手段、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する手段、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理するもので、前記金属ロールは、その幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備され、金属ロールの表面温度が130℃以上にて処理する手段。
それぞれループをなす2つのワイヤー(第1ワイヤー1と第2ワイヤー2との)間にヘッドボックス3から紙料Jを噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマ10で抄紙する抄紙機が設置されている。紙料Jは、ワイヤーパートにおいて、サクション(フォーミング)ロール4Aと対向するロール4Bとの間にワイヤー間に吐出されて紙層が形成され、その紙層はサクション(フォーミング)ロール4A、ブレード5、サクションクーチロール6、サクションボックス7などを通りながら、たとえば20%程度まで脱水される。
本発明のワイヤーパート形式、ヘッドボックスの配置角度、サクションの形態、熱カレンダー、加熱温度及びその加熱形態、冷却手段、及び抄紙速度の要因を変えて、紙の品質評価を行った。なお、実施例2が先に図面に沿って示した例である。また、各実施例は各要因のすべてについて個々のラインを新設したものではなく、テストプラントによるテスト例であることを断っておく。
1.地合評価:実施例で規定する地合評価は、東洋精機社製、シートフォーメーションテスターを用い透過光量の変動を時系列信号としてとらえ評価される。この測定機では、ムラの波長約0.16〜80mmの範囲で28点が測定が可能であるが、実施例では、4.0〜80mmの範囲の14点について、官能検査での透かし地合で、大きな濃淡として表れる地合と密接な関係があることから、この範囲での変動率の和を測定した。ムラ指数が6%未満の場合には、地合は非常に均一であり、地合ムラに起因する塗工紙表面の光沢ムラも起こりにくく、塗工層の形成も均一となり、印刷時の印刷ムラ、印刷光沢ムラ等がなくなり、印刷適性は向上する。
2.密度:JIS P 8118号に準拠して測定。
3.光沢:JIS P 8142号に従い、角度75度で測定した。
4.光沢ムラ:A4サイズの試験紙を調整し、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
5.印刷ムラ:四六版サイズの試験紙を調整し、ローランドオフセット印刷機にて印刷し、恒室にて24時間放置後、サンプルのブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色重ね刷りベタ印刷部について、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
6.黄変化:A4サイズの試験紙を調整し、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
7.生産性:テストマシンにおける各実施例でのウエットエンドの安定性、プレスパートでの脱水性、ドレネージ、ストリークの発生状況などを操業者5人で観察し、それぞれの評価結果を集約し5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
8.綜合評価:品質項目全てを2段階で綜合評価した。
<紙基材の作成>
下記のパルプ、内添薬品配合で60g/m2の坪量(絶乾)の原紙を抄造し、紙基材を作成した。
<パルプの配合>
・LBKP(瀘水度350mlcsf) :30重量部
・NBKP(瀘水度420mlcsf) :70重量部
紙基材は上記のパルプ配合と下記の内添薬品配合で調成された。
<内添薬品の配合>
・軽質炭酸カルシウム :10重量部(平均粒径;3.4μ、カルサイト系)
・市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤(AKD) :0.03重量部
・市販カチオン化澱粉 :0.2重量部
・市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留り向上剤 :0.03重量部
<塗工紙の作成>
ブレードコーターで下記の配合の塗液を上記の紙基材上に、片面9g/cm2塗布して、乾燥した。
<上塗り塗液配合>
下記のとおりである。
(顔料)
・紡錘形軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製TP121、3.4μm):30重量部
・市販微粒カオリン(アマゾン88、平均粒子径:0.8μm):70重量部
(バインダー及び添加剤)
・市販燐酸エステル化澱粉(日本食品化工製MS4400) :1重量部
・スチレンブタジエンラテックス(日本合成ゴム製0617) :12重量部
・市販ポリアクリル酸系分散剤 :0.1重量部
・市販ステアリン酸カルシウム :0.3重量部
・水酸化ナトリウム :0.15重量部
本発明に従って実施例は、比較例に比較して、高速抄紙でありながら、高い品質の紙が得ることができることが判る。
Claims (5)
- オンマシン内で次記の連続的な工程が順に組み込まれていることを特徴とする塗工紙の製造方法。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する工程、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する工程、
湿紙を乾燥する工程、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する工程、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する工程(ここに、前記金属ロールは、その幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備され、金属ロールの表面温度が130℃以上にて処理するものである)。 - 前記ヘッドボックスが鉛直または下流側に傾斜した状態で上向き設置され、紙料吐出方向線が水平線となすと吐出角度が、50度〜90度である請求項1記載の塗工紙の製造方法。
- 金属ロールの近傍には、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置及びロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備の少なくとも一方が装備されている請求項1記載の塗工紙の製造方法。
- 抄紙速度1300m/分以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の工紙の塗工紙の製造方法。
- オンマシン内で次記の連続的な手段が順に組み込まれていることを特徴とする塗工紙の製造設備。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する手段、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する手段、
湿紙を乾燥する手段、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する手段、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理するもので、前記金属ロールは、その幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備され、金属ロールの表面温度が130℃以上にて処理する手段。
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