JP5591193B2 - 塗工紙の製造方法及び製造設備 - Google Patents
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<請求項1項記載の発明>
オンマシン内で次記の連続的な工程が順に組み込まれ、かつ抄紙速度1300m/分以上であることを特徴とする塗工紙の製造方法。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する工程、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する工程、
シングルデッキ方式のプレドライヤーパート及びアフタードライヤーパートで湿紙に加熱ロールをあてて乾燥する工程、
前記プレドライヤーパートとアフタードライヤーパートとの間において、下塗り塗工液をフィルムトランスファー方式で塗布する下塗り塗工液塗布工程、
前記下塗り塗工液を塗布した下塗り塗工紙を、金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなるプレカレンダーを用いて前記加熱ロールがあてられた面に前記弾性ロールを、反対側の面に前記金属ロールをあてて平滑化する工程、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する工程、
前記水性塗工液を塗工する工程は、ジェットファウンテン方式で、掻き落しがブレードにより行ない、アプリケータのファウンテン角αは、30〜90度、ブレード刃先部分は、30〜50度のベベル角θを有し、ブレードの厚みは0.45〜0.60mmであり、ブレード刃先部分はタングステンを主原料とする素材で構成され、1000〜1700Hvのビッカース硬度を有する条件であり、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する工程。
前記水性塗工液の塗工を上面への第1塗工機及び下面への第2塗工機で行い、
前記第1塗工機の後段に幅方向に温度制御可能な第1赤外線乾燥装置を設け、前記第2塗工機の後段に幅方向に温度制御可能な第2赤外線乾燥装置を設ける請求項1記載の塗工紙の製造方法。
前記熱カレンダーがヤヌスタイプの傾斜配置で、かつ全段独立してニップ圧を調整可能なマルチニップカレンダーである請求項1又は請求項2記載の塗工紙の製造方法。
前記水性塗工液を塗工する工程及び熱カレンダーにて平坦化処理する工程の間に、上面へのガス式エアードライヤー及び下面へのガス式エアードライヤーが設置される請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
熱カレンダーの金属ロールの表面温度を230〜500℃の加熱温度とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
オンマシン内で次記の連続的な工程が順に組み込まれ、かつ抄紙速度1300m/分以上であることを特徴とする塗工紙の製造設備。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する手段、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する手段、
シングルデッキ方式のプレドライヤーパート及びアフタードライヤーパートで湿紙に加熱ロールをあてて乾燥する手段、
前記プレドライヤーパートとアフタードライヤーパートとの間において、下塗り塗工液をフィルムトランスファー方式で塗布する下塗り塗工液塗布手段、
前記下塗り塗工液を塗布した下塗り塗工紙を、金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなるプレカレンダーを用いて前記加熱ロールがあてられた面に前記弾性ロールを、反対側の面に前記金属ロールをあてて平滑化する手段、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する手段、
前記水性塗工液を塗工する手段は、ジェットファウンテン方式で、掻き落しがブレードにより行ない、アプリケータのファウンテン角αは、30〜90度、ブレード刃先部分は、30〜50度のベベル角θを有し、ブレードの厚みは0.45〜0.60mmであり、ブレード刃先部分はタングステンを主原料とする素材で構成され、1000〜1700Hvのビッカース硬度を有する条件であり、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する手段。
それぞれループをなす2つのワイヤー(第1ワイヤー1と第2ワイヤー2との)間にヘッドボックス3から紙料Jを噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマ10で抄紙する抄紙機が設置されている。紙料Jは、ワイヤーパートにおいて、サクション(フォーミング)ロール4Aと対向するロール4Bとの間にワイヤー間に吐出されて紙層が形成され、その紙層はサクション(フォーミング)ロール4A、ブレード5、サクションクーチロール6、サクションボックス7などを通りながら、たとえば20%程度まで脱水される。
本発明のワイヤーパート形式、ヘッドボックスの配置角度、サクションの形態、サイズプレス、熱カレンダー、加熱温度及びその加熱形態、冷却手段、及び抄紙速度の要因を変えて、紙の品質評価を行った。また、各実施例は各要因のすべてについて個々のラインを新設したものではなく、テストプラントによるテスト例であることを断っておく。
1.地合評価:実施例で規定する地合評価は、東洋精機社製、シートフォーメーションテスターを用い透過光量の変動を時系列信号としてとらえ評価される。この測定機では、ムラの波長約0.16〜80mmの範囲で28点が測定が可能であるが、実施例では、4.0〜80mmの範囲の14点について、官能検査での透かし地合で、大きな濃淡として表れる地合と密接な関係があることから、この範囲での変動率の和を測定した。ムラ指数が6%未満の場合には、地合は非常に均一であり、地合ムラに起因する塗工紙表面の光沢ムラも起こりにくく、塗工層の形成も均一となり、印刷時の印刷ムラ、印刷光沢ムラ等がなくなり、印刷適性は向上する。
2.断紙:表3の下欄に記載のとおりである。
3.シワ:表3の下欄に記載のとおりである。
4.比容積:JIS P 8118号に準拠して測定。
5.光沢:JIS P 8142号に従い、角度75度で測定した。
6.光沢ムラ:A4サイズの試験紙を調整し、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
7.印刷ムラ:四六版サイズの試験紙を調整し、ローランドオフセット印刷機にて印刷し、恒室にて24時間放置後、サンプルのブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色重ね刷りベタ印刷部について、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
8.黄変化:A4サイズの試験紙を調整し、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
9.生産性:テストマシンにおける各実施例でのウエットエンドの安定性、プレスパートでの脱水性、ドレネージ、ストリークの発生状況などを操業者5人で観察し、それぞれの評価結果を集約し5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
10.綜合評価:品質項目全てを4段階で綜合評価した。
<紙基材の作成>
下記のパルプ、内添薬品配合で60g/m2の坪量(絶乾)の原紙を抄造し、紙基材を作成した。
・LBKP(瀘水度350mlcsf) :30重量部
・NBKP(瀘水度420mlcsf) :70重量部
紙基材は上記のパルプ配合と下記の内添薬品配合で調成された。
・軽質炭酸カルシウム :10重量部(平均粒径;3.4μ、カルサイト系)
・市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤(AKD) :0.03重量部
・市販カチオン化澱粉 :0.2重量部
・市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留り向上剤 :0.03重量部
ブレードコーターで下記の配合の塗液を上記の紙基材上に、片面9g/cm2塗布して、乾燥した。
下記のとおりである。
(顔料)
・紡錘形軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製TP121、3.4μm):30重量部
・市販微粒カオリン(アマゾン88、平均粒子径:0.8μm):70重量部
(バインダー及び添加剤)
・市販燐酸エステル化澱粉(日本食品化工製MS4400) :1重量部
・スチレンブタジエンラテックス(日本合成ゴム製0617) :12重量部
・市販ポリアクリル酸系分散剤 :0.1重量部
・市販ステアリン酸カルシウム :0.3重量部
・水酸化ナトリウム :0.15重量部
本発明に従って実施例は、比較例に比較して、高速抄紙でありながら、高い品質の紙が得ることができることが判る。
Claims (6)
- オンマシン内で次記の連続的な工程が順に組み込まれ、かつ抄紙速度1300m/分以上であることを特徴とする塗工紙の製造方法。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する工程、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する工程、
シングルデッキ方式のプレドライヤーパート及びアフタードライヤーパートで湿紙に加熱ロールをあてて乾燥する工程、
前記プレドライヤーパートとアフタードライヤーパートとの間において、下塗り塗工液をフィルムトランスファー方式で塗布する下塗り塗工液塗布工程、
前記下塗り塗工液を塗布した下塗り塗工紙を、金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなるプレカレンダーを用いて前記加熱ロールがあてられた面に前記弾性ロールを、反対側の面に前記金属ロールをあてて平滑化する工程、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する工程、
前記水性塗工液を塗工する工程は、ジェットファウンテン方式で、掻き落しがブレードにより行ない、アプリケータのファウンテン角αは、30〜90度、ブレード刃先部分は、30〜50度のベベル角θを有し、ブレードの厚みは0.45〜0.60mmであり、ブレード刃先部分はタングステンを主原料とする素材で構成され、1000〜1700Hvのビッカース硬度を有する条件であり、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する工程。 - 前記水性塗工液の塗工を上面への第1塗工機及び下面への第2塗工機で行い、
前記第1塗工機の後段に幅方向に温度制御可能な第1赤外線乾燥装置を設け、前記第2塗工機の後段に幅方向に温度制御可能な第2赤外線乾燥装置を設ける請求項1記載の塗工紙の製造方法。 - 前記熱カレンダーがヤヌスタイプの傾斜配置で、かつ全段独立してニップ圧を調整可能なマルチニップカレンダーである請求項1又は請求項2記載の塗工紙の製造方法。
- 前記水性塗工液を塗工する工程及び熱カレンダーにて平坦化処理する工程の間に、上面へのガス式エアードライヤー及び下面へのガス式エアードライヤーが設置される請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
- 熱カレンダーの金属ロールの表面温度を230〜500℃の加熱温度とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
- オンマシン内で次記の連続的な工程が順に組み込まれ、かつ抄紙速度1300m/分以上であることを特徴とする塗工紙の製造設備。
それぞれループをなす2つのワイヤー間にヘッドボックスから紙料を噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマで抄紙する手段、
ワイヤーパートにおいてサクション(フォーミング)ロール及び/またはブレードによる脱水手段にて湿紙を形成する手段、
シングルデッキ方式のプレドライヤーパート及びアフタードライヤーパートで湿紙に加熱ロールをあてて乾燥する手段、
前記プレドライヤーパートとアフタードライヤーパートとの間において、下塗り塗工液をフィルムトランスファー方式で塗布する下塗り塗工液塗布手段、
前記下塗り塗工液を塗布した下塗り塗工紙を、金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなるプレカレンダーを用いて前記加熱ロールがあてられた面に前記弾性ロールを、反対側の面に前記金属ロールをあてて平滑化する手段、
接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液を塗工する手段、
前記水性塗工液を塗工する手段は、ジェットファウンテン方式で、掻き落しがブレードにより行ない、アプリケータのファウンテン角αは、30〜90度、ブレード刃先部分は、30〜50度のベベル角θを有し、ブレードの厚みは0.45〜0.60mmであり、ブレード刃先部分はタングステンを主原料とする素材で構成され、1000〜1700Hvのビッカース硬度を有する条件であり、
少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する手段。
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