JP4598480B2 - 塗工紙の製造方法及び製造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、塗工紙の製造方法及び製造設備に関する。
特に、本発明は、ギャップタイプのツインワイヤーフォーマを有する抄紙機を使用し、抄速1300m/分以上、より望ましくは1400m/分以上の高速で、塗料のオンマシン塗工、表面仕上げを行うことで、一貫した塗工紙の生産を効率的に、高品質に行うことができる塗工紙の製造方法及び製造設備に関する。
近年、製紙業界では省力化・製造コスト削減を目的として抄紙機の広幅化・高速化が進んでいる。特に、ワイヤーパートにおいては、長網フォーマから、高速化に伴う表裏差の悪化や地合の悪化などを改善するために、オントップフォーマの採用、さらにツインワイヤーフォーマへの移行が顕著である。
特に、ヘッドボックスから噴出された紙料ジェットを2枚のワイヤーで直ちに挟み込むギャップタイプのギャップフォーマが多く採用される傾向にある。このギャップフォーマは、紙料を上方に噴出し、両面から脱水するので、きわめて表裏差が少ない利点がある。
かかる基本的な利点をもつギャップフォーマであるものの、塗工紙を高速で製造する場合においては、種々の問題が顕在化し、ワイヤーパートあるいはギャップフォーマでの改善のみでは解決に至らない。
すなわち、ギャップフォーマでは、ヘッドボックスを出た紙料ジェットを直ちに両ワイヤー面側に強力な脱水を行うものであるために、高速になればなるほど、ワイヤーに接する湿紙表面の微細繊維の抜けによる原料のリテンションの低下や、両ワイヤー面からの脱水比率の差によっては表裏面の性状に差が生じるといった欠点も持っている。そのため、ワイヤーパートに、このギャップフォーマを有する抄紙機で製造した原紙を用いて、高速抄紙する場合は、高精細な印刷用途への適用には不向きであり、ギャップフォーマにて印刷用塗工紙を製造することは、製品の表面の平滑性、印刷後の光沢の劣化および表裏差などのトラブルを引き起こす問題を生じていた。
また、ワイヤーパートでの脱水において、脱水ブレードによるパルス力で湿紙層にマイクロタービュランスを与え、繊維の分散を推進し、地合(シートフォーメーション)を向上させ印刷適性を向上させる方策が試まれてきたが、湿紙内部への微細なパルス力により、湿紙内部の微細な繊維が抜け出し、歩留まりが低下するという問題を発現し、湿紙内部における繊維同士の絡み合いが少なくなるため、層間強度(インターナルボンド)が低下し、印刷時の層間剥離や印刷後の乾燥工程において火ぶくれ問題(ブリスター)の原因になっている。
近年のビジュアル化の推進、マルチメディア化の流れに対応して、出版・広告・宣伝等の媒体として幅広く利用されてきた印刷物についても、ビジュアル化やカラー化など高品位化のニーズが急速に増加している。このようなユーザーの要求の変化に伴って、従来の非塗工の印刷用紙から印刷用塗工紙への切り替えが増加し、印刷用塗工紙の需要が急速に増加している。
加えて、印刷工程からは作業性改善や効率化につながる印刷用紙のハンドリング性や印刷機上での走行安定性についての品質要請もますます厳しくなってきている。
このように、ギャップフォーマの持つ高速運転可能な特性を活かしたままで、より優れた印刷特性を備えた印刷用塗工紙の製造方法を見出すことが強く求められているのである。
これらの品質要請に対し、近年高い平滑性と光沢を得ることができる熱ソフトカレンダーが注目されてきている。この熱ソフトカレンダーは、通常金属ロールを100℃以上に加温して塗工紙を加圧・平滑化する方法である。この方法は、従来のスーパーカレンダーに比較して少ないニップ数で高い表面平滑および印刷光沢を得ることができ、さらに製品剛度も相対的に高い値に維持できるといった利点を有している。これは金属ロールと弾性ロールからなるニップを通過する間に、塗工層に接着剤として使用されているラテックス等の熱可塑性物質が高い温度と圧力によって可塑化され、塗工層中の顔料を効果的に配向させて塗工層表面の平滑化をはかることができるため、少ないニップ数で内部の原紙層を比較的嵩高に保持することができるためである。
しかし、より高速な1300m/分、より望ましくは1400m/分を超える高速抄紙機の出現においては、前記熱ソフトカレンダーを使用しても、十分な平坦化処理が行えず、多段やスタック数を増加させる方法による平坦化処理にて対応せざるを得ず、設備投資費用が莫大なものになる問題が生じている。
また、熱ソフトカレンダーを利用する特許文献1の技術に知られているが、十分な平坦化処理とは言い難い。
また、ブレード塗工は高速塗工に適している。ブレード塗工の場合、両端部が厚塗りとなるので、両端部に未塗工のドライエッジ部を設けて塗工することがあるが、そのドライエッジと幅方向中央部分との乾燥速度差に起因して種々の問題点を生じることに鑑み、特許文献2では、塗工後において両端部に水を噴霧する乾燥速度を幅方向に均一にする技術が知られている。
本発明は抄速1300m/分以上、より望ましくは1400m/分以上の高速で、塗料のオンマシン塗工、表面仕上げを行うことを課題としている。その結果、ブレード塗工の開始時に、ブレードが原紙あるいはバッキングロールとの接触によりいわゆる焼付きを生じ、一旦、焼付きが生じた場合、その後の均一塗布が困難となる。
さりとて、塗工液の塗工開始後においてブレードを接触させると、塗工開始時点に対応する部分が過剰量の塗布となり、後続の設備類を汚損させる。
塗工前に走行するウェブにブレードを接触させると、ブレードが波打ち、幅方向の接触圧力が均一でなくなり、塗布ムラや刃先の欠損などの要因となり、安定した塗工は困難となる。
これらの要素を総合的に判断して、問題を最小限に留めるために、通常は、塗工液の塗工開始後においてブレードを接触させる方法を採っている。その結果、ブレードの焼付き発生の問題が残されたままとなる。
特開平11―100789号公報 特開2003―89999号公報
したがって、本発明の主たる課題は、抄紙速度が1300m/分以上の高速抄紙・塗工であっても、近年特に厳しい塗工紙に要求される印刷適性を示す塗工紙を得ることにある。
特に、高速抄紙・塗工において、ブレードの焼付きを防止し、安定しかつ均一な塗工を約束することにある。
本発明者は、第1に、(1)抄紙及び湿紙を形成する工程、(2)湿紙を乾燥する工程、(3)接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液をアプリケータによりウェブに塗布しブレードにより掻き取る塗工工程、(4)水性塗工液を乾燥する工程、(5)少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する工程とを順に組み込み、抄紙速度1300m/分以上であるオンマシンで塗工紙を製造することを可能とすること、第2に、その際に、塗工工程においては、アプリケータによる塗工液の塗工幅をウェブの幅より狭くしドライエッジを形成しつつ塗工液を塗布するとともに、前記塗工幅より広幅のブレードにより塗工液の掻取りを行い、アプリケータによる塗工液の塗布前段において、湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位に対し湿潤液体を塗布することで、ウェブを湿潤化させることでブレードの焼付きを防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
オンマシン内で次記の(1)〜(5)連続的な工程が順に組み込まれ、かつ抄紙速度1300m/分以上であり、
(1)抄紙及び湿紙をギャップタイプのツインワイヤーフォーマで形成する工程、
(2)湿紙を乾燥する工程、
(3)接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液をアプリケータによりウェブに塗布しブレードにより掻き取る塗工工程、
(4)水性塗工液を乾燥する工程、
(5)少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する工程;
さらに、塗工工程は、アプリケータによる塗工液の塗工幅をウェブの幅より狭くしドライエッジを形成しつつ塗工液を塗布するとともに、前記塗工幅より広幅のブレードにより塗工液の掻取りを行い、
アプリケータによる塗工液の塗布前段において、湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位に対し湿潤液体を塗布する、
ことを特徴とする塗工紙の製造方法。
<請求項2項記載の発明>
ブレードのウェブに対する押し当て前に、ウェブに湿潤液体の塗布を行う請求項1記載の塗工紙の製造方法。
<請求項3項記載の発明>
湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位であって、幅方向中間部を除く部位に対し湿潤液体を塗布する請求項1または2記載の塗工紙の製造方法。
<請求項4項記載の発明>
湿潤液体塗布手段はウェブの両側部に設け、ウェブのドライエッジをそれぞれ検出し、各位置検出信号に基づき、湿潤液体塗布手段を幅方向にそれぞれ追従移動させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
<請求項5項記載の発明>
アプリケータの両側にドライエッジを形成するマスキング部材を幅方向に移動可能に設け、ウェブのドライエッジをそれぞれ検出し、各位置検出信号に基づき、マスキング部材を幅方向にそれぞれ追従移動させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
<請求項6項記載の発明>
水性塗工液の塗布工程が、ジェットファウンテン方式でブレード塗工する請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
<請求項7項記載の発明>
熱カレンダーの金属ロールの表面温度が130℃以上の加熱温度とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
<請求項8項記載の発明>
オンマシン内で次記(1)〜(5)の連続的な手段が順に組み込まれており、
(1)抄紙及び湿紙をギャップタイプのツインワイヤーフォーマで形成する手段、
(2)湿紙を乾燥する手段、
(3)接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液をアプリケータによりウェブに塗布しブレードにより掻き取る塗工手段、
(4)水性塗工液を乾燥する手段、
(5)少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する手段;
さらに、塗工手段は、アプリケータによる塗工液の塗工幅をウェブの幅より狭くしドライエッジを形成しつつ塗工液を塗布するとともに、前記塗工幅より広幅のブレードにより塗工液の掻取りを行い、アプリケータによる塗工液の塗布前段において、湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位に対し湿潤液体を塗布するものである、
ことを特徴とする塗工紙の製造設備。
本発明による塗工紙の製造方法により、1300m/分以上(設計速度では1800m/分以上)の高速抄紙を行うにおいて、きわめて良好な操業性を確保できるとともに、光沢度、平滑性、印刷適性に優れた塗工紙を、製紙原料から製品に至る一貫した抄紙装置(オンラインマシン)にて製造することができる。
特に、アプリケータによる塗工液の塗布前段において、湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位に対し湿潤液体を塗布することでブレードの焼付を防止できる。
本発明は、たとえば原紙米坪が28〜80g/m2(特には39〜48g/m2)、製品米坪が40〜105g/m2(特には54〜64g/m2)の塗工紙あるいは微塗工紙を、抄紙速度1300m/分以上、たとえば平均抄紙速度で1600m/分、設計抄紙速度で1800m/分の高速で抄紙から巻き取りまで連続的かつ一貫で製造することを意図している。
まず、本発明の実施の形態の全体的な概要を図1〜図4によって説明する。
それぞれループをなす2つのワイヤー(第1ワイヤー1と第2ワイヤー2との)間にヘッドボックス3から紙料Jを噴出して紙層を形成するギャップタイプのツインワイヤーフォーマ10で抄紙する抄紙機が設置されている。紙料Jは、ワイヤーパートにおいて、サクション(フォーミング)ロール4Aと対向するロール4Bとの間にワイヤー間に吐出されて紙層が形成され、その紙層はサクション(フォーミング)ロール4A、ブレード5、サクションクーチロール6、サクションボックス7などを通りながら、たとえば20%程度まで脱水される。
ここで、脱水機構として、図示例ではロール手段及びブレード脱水手段の併用形態を示したが、好ましくは両方であるが、一方のみでも可能である。
ヘッドボックス3は、鉛直または下流側に傾斜した状態で上向き設置され、図5に拡大で示すように、紙料吐出方向線が水平線となすと吐出角度θが、50度〜90度であるのが望ましい。本発明が意図する高速抄紙の下では、地合、Z軸強度、表裏差、繊維配向角などの点から、繊維重量の影響が小さくなる上向きヘッドボックスであることが望ましい。ギャップタイプのツインワイヤーフォーマにおいて、ヘッドボックスが水平などであると、高速抄紙の下で、求める特性が得難い。
ワイヤーパートでの紙層は、プレスパートに移行され、さらに脱水が行われる。実施の形態でのプレスパートは、第1プレス21及び第2プレス22のそれぞれがシュープレス21a、22aを有し、オープンドローを無くし断紙を防止するために、紙層をストレートでニップする形態としてある。また、ダブルフェルトの第1プレス21に対し、第2プレス22ではボトム側にベルトを採用し、再湿防止を脱水の向上を図る構成となっている。坪量が60g/m2以上と高くなり、脱水量が多くなる場合には、ダブルフェルトが望ましい。
プレスパートを通った水分50%程度の湿紙は、プレドライヤーパートに移行し、乾燥が図られる。図示のプレドライヤーパートは、ノーオープンドロー形式のシングルデッキドライヤーで、上側が加熱ロール31、下側が真空ロール32の適宜本数のロール構成である。ドライヤー初期ではドロー調整のために群分けを細かくし、また、通紙性及びシート走行性向上のためにサクションボックス33を設置するのが望ましい。
プレドライヤーパートにて乾燥された紙匹は、アフタードライヤーパートとの間のフィルムトランスファー(方式)などによるサイズプレス40において、澱粉などのサイズ剤やピグメント塗工液などの下塗り塗工液が両面に塗布される。サイズプレス40としては、図示のロッドメタリングサイズプレスコータのほか、ゲートロールコータ40Aなどでもよい。
下塗り塗工液としては、前述のように澱粉のほか、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、エーテル化デンプンなどのデンプン誘導体、大豆蛋白、酵母蛋白、セルロース誘導体等の天然接着剤などを使用することができ、他方、必要により、ピグメントを添加してもよく、そのピグメントとしては、カオリン、クレー、硫酸バリウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、亜硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、プラスチックピグメント等通常の塗工紙用顔料がそれぞれの顔料性質に応じて配合される。さらに接着剤として、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル共重合体ラテックスといったアルカリ非感応性或いはアルカリ感応性の合成樹脂エマルジョンなどの合成樹脂接着剤等通常の塗工紙用接着剤を使用できる。必要により、分散剤、流動変性剤、消泡剤、染料、滑剤、耐水化剤、保水剤等の各種助剤を配合することができる。下塗り剤の塗布量としては、3〜15g/m2が好ましい。
前述のように、実施の形態において好ましく採用されるフィルムトランスファー方式の塗布手段は、ゲートロールコータ、シムサイザ、ブレードメタリングサイズプレスあるいはロッドメタリングサイズプレスなどが使用できる。特の望ましいのはロッドメタリングサイズプレスであり、このロッドメタリングサイズプレスコータを使用する場合には、操業上ストリーク発生を避ける上で、表面が平滑なロッドを用いることが望ましい。そのロッドの径を15〜50mmにすることにより、より好ましい操業性と品質を得ることができる。直径が15mmより小さいロッドでは、フィルムの形成能が低下し面状が劣る傾向にあり、50mmより大きいロッドでは効果が変わらないため、特に大きくする必要がない。ロッドとして、溝付きロッド、ワイヤ線巻き付けロッドなども使用できる。
下塗り塗工液の塗布後、アフタードライヤーにおいて表面汚れが生じないように、予めエアーターンバー41及び赤外線を使用した補助乾燥装置42を設置するのが望ましい。
図示のシングルデッキのアフタードライヤーパートでは、サイズ剤やピグメント塗工液の乾燥が行われる。
その後に、コータパートにて接着剤及び顔料(クレーなど)を主成分とする水性塗工液を塗工する。この場合、1300m/分以上の抄紙速度が条件の下で、しかも高い平滑性及び光沢性の塗工紙が求められるから、水性塗工液をブレード塗工とするのが得られる塗工紙の品質で望ましい。
しかるに、水性塗工液のブレード塗工に先立って、より高い平滑性を確保するために、サイズ剤を塗布した表面を、プレカレンダー50により平滑化するのが望ましい。実施の形態のプレカレンダー50は、上側が金属ロール51で下側が弾性ロール52である。
コータパートにおいては、上面への第1塗工機61、ガス式熱風ドライヤー62、第1カンバスドライヤー63、下面への第2塗工機64、ガス式熱風ドライヤー66、第2カンバスドライヤー67が順に設置されている。本発明では、第1塗工機61の後段に幅方向の乾燥ムラを防止するために、幅方向に温度制御可能な第1予備赤外線乾燥装置68を設ける。また、第2塗工機64の後段に主に水分率調整のための、幅方向に温度制御可能な第2予備赤外線乾燥装置69を設けるのが望ましい。必要により、ガス式熱風ドライヤー66の後段で、第2カンバスドライヤー67の前に、第3の中間赤外線乾燥装置69Aを設けることが望ましい。
ここで、赤外線乾燥装置としては、近赤外、中間赤外及び遠赤外のいずれの波長でもよいが、2.5〜6.0μm程度の波長が水への吸収性に優れ望ましい。また、ガス燃焼式バーナーを使用するものより、高速塗布に伴う光沢ムラの解消を図るためには、幅方向の乾燥速度を制御できる赤外線ランプを幅方向に複数装備したものが特に好ましい。幅方向の乾燥速度の制御に際しては、表面温度計(図示せず)により塗工面の表面温度が45〜85度となるように乾燥速度を制御するのが好ましい。したがって、幅方向中間、両側部の少なくとも3つのゾーンにおいて、乾燥速度を制御するのが望ましい。
第1塗工機61及び第2塗工機64では、ロール塗工を必ずしも排除するものではないものの、高速抄紙の場合、片面7g/m2以上の塗工量が必要な場合には、アプリケータとして高速供液を可能とするジェットファウンテン方式で、掻き落しがブレードによるものであるのが望ましい。片面7g/m2未満の塗工量が必要な場合は、高速用に改良された、ショートドゥエルブレードコーターでもよい。
ブレード塗工において、ロール塗工の場合における流れ方向及び幅方向の塗工ムラを解消するために、図10に示すように、ジェットファウンテン方式の塗工が採用する場合におけるアプリケータ90のファウンテン角αは、30〜90度、より望ましくは40〜60度である。ファウンテン角αが前記範囲外であると、肌荒れや塗布ムラを生じる。ブレード刃先部分は、30〜50度のベベル角θを有するものが望ましい。ブレードの厚みは0.45〜0.60mmが望ましい。高い硬度を持たせるために、ブレード刃先部分はタングステンを主原料とする素材で構成する、たとえばブレードの刃先部分を構成する母材にタングステンを溶射した構成とし、1000〜1700Hvのビッカース硬度を有しているものが、塗布性に優れる条件である。
この場合、ブレード交換後において、新たなブレードタッチ時における、高抄速でのブレードの焼付き防止のために、水シャワー冷却などの冷却手段を設けるのが望ましい。このための手段及び方法は後述する。
最後に熱ソフトカレンダーからなるオンマシンカレンダー70が設置されており、カレンダー処理が行われる。図示のカレンダー70は、7ニップの1スタック型であり、ロール自重の影響を少なくしたヤヌスタイプの傾斜配置となっている。もちろん、オプチロードタイプの垂直配置でもよい。
カレンダー70は最終的な平滑性及び光沢性を左右する。したがって、この観点及び高抄速の観点から種々の配慮が必要である。
カレンダー70の段数は、少なくとも2ニップを有する限り限定はされないが、複数段に構成された金属ロールMと弾性ロールDの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理するのが望ましい。特にはマルチニップカレンダー、より望ましくは6段、8段、10段のマルチニップカレンダーが最適である。図4に10段のマルチニップカレンダー例を併示してある。さらに、全段独立してニップ圧を調整可能なマルチニップカレンダーが最適である。
他方、熱カレンダーは、オイルなどの熱媒体を流通させて加熱するものでもよいが、これでは表面温度180℃程度が限界である。高速での抄紙を図るためには、図6〜図8に示すように、前記金属ロールMは、その幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備され、金属ロールMの表面温度が230℃以上、特に230〜500℃にて処理するものが望ましい。具体例では、シェル74内の鉄心72の周囲に誘導コイル71が巻回され、ジャケット室73を通る熱媒体を加熱するものである。
金属ロールMの温度を250℃〜380℃で、特には300℃を超え380℃以下の温度での表面処理をし、できる限り低いニップ圧で紙が全層に渡って潰れないようにすることにより、嵩の低下を防ぎ、不透明度の低下を抑えることが可能となる操業も行うことができる。要すれば、いわば極高温のアイロンを短時間で当てる形態である。
金属ロールの表面温度のコントロールとしては、前述のように、金属ロール内部に温水や油を循環させる方法のほか、非回転部としての内側に設けた鉄芯の周囲に誘導コイルを設け、その誘導コイルに交流電流を流すことで、コイルに磁束を発生させ回転部としての外側のシェル(外筒)の内側に誘導電流を誘起させ、その抵抗熱によって外側のシェル(外筒)自身を自己発熱(誘導発熱)させる、「電磁誘導作用による内部加熱装置」によるものが、本発明の高温処理のために特に優れる。また、この電磁誘導作用による内部加熱装置によれば、誘導コイルをロールの幅方向(ロール自体の長手方向)に分割(たとえば3〜6分割)し、シェルに設けた温度センサによる温度信号に基づき、対応する誘導コイルに流す交流電流量を制御することで、ロールの幅方向の特に表面の温度制御が高精度で可能である利点がある。
この場合、特にシェル内部に長手方向に延びるジャケット路を、周方向に間隔を置いて多数10本〜90本程度設け、これらを相互に連通させ、内部に熱媒体を封入しておく構造のものが、シェルの自己発熱による熱を吸収し、熱をロール表面全体において均一化できる点がより優れる。
本発明に従って、高温で表面処理すると、紙の表層部だけでなく、内層部の温度も高くなり、その結果、紙が表層部だけでなく、全層に渡って潰れ易くなるため、嵩が低下する。しかるに、はるかに高い高温処理で、短時間の通紙を図る場合には、内層部への熱移動は極力防止でき、もって嵩の低下を防止できるものである。
他方、金属ロールの表面温度の高温化に伴って、金属ロールのシェルに厚み方向の応力が発生し、ロールプロフィールが崩れがちとなり、もって紙厚プロフィールの制御性が低下する。また、電磁誘導作用による内部加熱装置に依存する場合には、金属ロール表面温度の時間当たりの温度応答性が良好とは言えない、さらにこれを原因として幅方向の温度応答性が悪いので、温度制御性が悪いことによる歩留まり低下の原因となる。そこで、金属ロールMの近傍には、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置及びロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備の少なくとも一方が装備されているのが望ましい。
この例を図7に沿って説明すると、金属ロールMは、シェル74、誘導コイル71、鉄芯72、温度センサ75、交流電源76、及びジャケット路73を有する。この金属ロールMに対して、幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置77を金属ロールM近傍に設けて各段において、基紙の高温ニップ域を構成する。
外部加熱装置77は、電磁誘導加熱に原理を応用したもので、図示のように、ワークコイル77Aに交流電源(インバータ)77Bからの交流電流(たとえば3〜20kHzの高周波)を流し、磁界を発生させて、シェル74表面部に渦電流を生成させ、自己発熱させるものである。ワークコイル77Aとシェル74表面との離間距離は、2〜20mm、特に2〜5mm程度が望ましい。また、単位ワークコイルは、金属ロールMの軸心に対して交差する斜め配置とするのが、加熱用プロフィールの均一化のために望ましい。ロール幅方向のゾーン制御ピッチは、75〜150mm程度であり、ゾーン当たりの定格電力は4〜20kWとすることができる。
ロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備78の例としては、図8に示すように、ファン78aからのエアをヘッダ78bに送り、連通孔が形成された調整板78cを通して温度調節室78d内に送入し、この温度調節室78d内に設けたコイル78eを温度調節手段78fにより冷却することにより小孔を有する分散板78gを通る送風温度を制御するものである。
カレンダー70でのニップ圧としては、200KN/m〜450KN/m、特に300KN/m〜450KN/mが望ましい。カレンダー70にて平滑処理された紙は最終的にリール80にて巻き取りが行われ、小分け用の巻取りを仕上げるワインダー(図示せず)がマシンの最終部分に設置される。
さて、本発明において、ブレード交換後において、新たなブレードタッチ時における、高抄速でのブレードの焼付き防止のために、水シャワー冷却などの冷却手段を設けるのが望ましいことは前述のとおりである。
このブレードの焼付き防止手段を図11及び図12に示した。これらの図において、Wは図示しない搬送装置により矢印方向に搬送される塗工用の原紙、93は塗工用のバッキングロール、94はウェブWのドライエッジWeのエッジの位置を検出する位置検出手段である。さらに、95はウェブWのライエッジWe近傍に水を供給する湿潤液体塗布手段としてのシャワーノズル、90は塗工液を塗工液噴射孔からウェブWの表面に塗工するジェットファウンテン式のアプリケータ、96はアプリケータ90の両端部側上面に設けられ、塗工液噴射孔の両端部を遮蔽してウェブWにドライエッジWeを形成するマスキング部材である。91は余剰の塗工液を掻き取るドクターブレード、97はフロークリンドクターで、洗浄水を水供給管97a、97bからバッキングロール93の表面に供給した後ドクターブレード91によりクリーニングするものである。98はシャワーノズル95の横方向位置を制御する駆動装置989はマスキング部材96の横方向位置を制御する駆動装置である。
かかる設備では、塗工用のバッキングロール93を巡って搬送されるウェブWの両端部近傍(実質的にはドライエッジWeに相当する領域)に水を供給して湿潤化させた後、アプリケータ90の両端部上面に設けたマスキング部材96により原紙の両端部分にドライエッジWeを形成し、アプリケータ90により塗工液をウェブWの表面に塗工する。
その際、シャワーノズル95の上流側に設けた位置検出手段94によりウェブWの耳端部位置を検出し、この検出信号に基づき駆動装置98を介してシャワーノズル95の幅方向位置を制御し、同時に駆動装置99を介してマスキング部材96の幅方向位置を制御するように構成されている。
位置検出手段94は、一対の投受光器からなる公知の光電式の検出器で、ウェブWの一端部側に設けられ、支持部材94aを介して装置本体に固定されている。投受光器はウェブWの耳端部の位置を常時検出し、位置検出信号を出力する。なお、この位置検出手段94は光電式のものに限定されるものではなく、例えばリミットスイッチ等による接触式のものであってもよい。
シャワーノズル95は、図示例では、ウェブWの両端部近傍に向けて水を吹き付ける3本のノズル本体の表面側に備え、ウェブWの両端部側に設けられている。なお、ノズル本体の本数や配置は必要に応じ適宜に設計される。シャワーノズル95は支持部材を介して駆動装置98に連結されている。このシャワーノズル95は、駆動装置98によってウェブWの幅方向に移動される。ここに、シャワーノズル95によりウェブWの両端部近傍、実質的にはドライエッジWeに相当する領域に向けて水を吹き付ける目的は、ウェブWのドライエッジWeの形成領域を湿潤化することにより中央部の塗工面とドライエッジWeとの塗工量の差を調整し、余剰の塗工液がドライエッジWeに塗工されることを防止すると共に、バッキングロール93の両端部における発熱を防止することにある。
アプリケータ90に設けられたマスキング部材96は、上述したように塗工液噴射孔の両端部を遮蔽してウェブWの両端部にドライエッジWeを形成するもので、前記アプリケータ90の山形頂部と合致し、かつ塗工液噴射孔を遮蔽できるように形成された屋根状部材を備えている。この屋根状部材は支持部材を介して駆動装置99に連結されている。マスキング部材96は後述するように駆動装置99の駆動により、アプリケータ90の山形頂部に沿ってウェブWの幅方向に摺動する。
ドクターブレード91は、たとえばステンレス製の母材91aの刃先部にセラミック製やタングステン溶射などの被覆層91bを備えてなるもので、図示しない押圧支持部材によりウェブWの塗工面に対し適度の押圧力をもって当接され、余剰の塗工液を掻き取るようになっている。
フロークリンドクター97は、前述したドクターブレード91と実質的に同一な構造のドクターブレード97Aを垂直下方に有する本体を備える。洗浄水は、水供給管97aを介して水供給管97bからバッキングロール93の全幅に対して供給できるようになっている。ドクターブレード97Aの刃先部の先端はバッキングロール93の表面に当接するように配置され、このドクターブレード8dの表面とバッキングロール93の表面とにより、図11に示すように、側面視で三角形状の水溜め部が形成され、この水溜め部に洗浄水が供給され、バッキングロール93の洗浄に供した洗浄水は幅方向側端部に設けられた排水部材97Bを介して図示しないタンクに回収されるようになっている。前記駆動装置98及び駆動装置99としては適宜の駆動機構が採用される。
シャワーノズル95は以上のとおり構成されているので、走行するウェブWに蛇行が生じてウェブWの耳端部位置が変動しても、この変動に駆動装置98によりシャワーノズル95が追従して、ウェブWの両端部における所定領域に水を噴射することができる。
また、マスキング部材96を駆動する駆動装置99も同様に構成されているので、走行するウェブWに蛇行が生じてウェブWの耳端部位置が変動しても、この変動に追従してマスキング部材96も移動し、このマスキング部材96により常にウェブWの両端部における所定領域を遮蔽し、これによりウェブWの両端部に常に一定幅のドライエッジWeを形成することができる。また、このようにウェブWの両端部に常に一定幅のドライエッジWeを形成することは、とりもなおさず、アプリケータ90の塗工液噴射孔の幅方向距離を常に一定に保持することに外ならず、これによりウェブWの表面に常に一定幅の塗工面を形成することができる。
上記の形態によれば、走行するウェブWに蛇行を生じても、塗工液噴出幅(すなわち塗工面の幅)W及びドライエッジWeの幅がウェブWの蛇行に追従して常に一定なるように制御され、かつドドライエッジWeに対する水供給位置も制御されるので、バッキングロール93の端部に余剰の塗工液が付着することを防止することができ、これにより塗工液Lに含まれる塗料が洗浄水等と共に流出することを未然に防止することができる。また、ウェブWの両端部においてドクターブレード91により余剰の塗工液Lを掻き取る必要がなくなるので、ドクターブレード91が局部的に摩耗することを防止することができる。
実施の形態での設備を使用して、ブレード交換後において、新たなブレード91のウェブWに対する押し当て前に、ウェブWにシャワーノズル95から水などの湿潤液体の塗布を行うことでブレード91の焼付を防止できる。
この場合、湿潤液体塗布手段によりウェブWの少なくともドライエッジに相当する部位であって、幅方向中間部を除く部位に対し湿潤液体を塗布することで足りるが、必要ならば全幅にわたって湿潤液体を塗布してもよい。
さらに、湿潤液体塗布手段95はウェブの両側部に設け、ウェブのドライエッジをそれぞれ検出し、各位置検出信号に基づき、湿潤液体塗布手段95を幅方向にそれぞれ追従移動させるようにすると、ドライエッジWeに対して正確に湿潤液体を塗布できる。
以上のように、実施の形態での設備は、ブレード91の焼付防止のほか、前述のように塗工液の塗布位置の制御に利用できる利点がある。
実施例により本発明の効果を明らかにする。
本発明のワイヤーパート形式、ヘッドボックスの配置角度、サクションの形態、サイズプレス、熱カレンダー、加熱温度及びその加熱形態、冷却手段、及び抄紙速度の要因を変えて、紙の品質評価を行った。また、各実施例は各要因のすべてについて個々のラインを新設したものではなく、テストプラントによるテスト例であることを断っておく。
紙の品質評価は次記のとおりである。
1.焼付き(磨耗・紙紛・振動)について、表2の下段に示す評価基準とした。
2.地合評価:実施例で規定する地合評価は、東洋精機社製、シートフォーメーションテスターを用い透過光量の変動を時系列信号としてとらえ評価される。この測定機では、ムラの波長約0.16〜80mmの範囲で28点が測定が可能であるが、実施例では、4.0〜80mmの範囲の14点について、官能検査での透かし地合で、大きな濃淡として表れる地合と密接な関係があることから、この範囲での変動率の和を測定した。ムラ指数が6%未満の場合には、地合は非常に均一であり、地合ムラに起因する塗工紙表面の光沢ムラも起こりにくく、塗工層の形成も均一となり、印刷時の印刷ムラ、印刷光沢ムラ等がなくなり、印刷適性は向上する。
3.比容積:JIS P 8118号に準拠して測定。
4.光沢:JIS P 8142号に従い、角度75度で測定した。
5.光沢ムラ:A4サイズの試験紙を調整し、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
6.印刷ムラ:四六版サイズの試験紙を調整し、ローランドオフセット印刷機にて印刷し、恒室にて24時間放置後、サンプルのブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色重ね刷りベタ印刷部について、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
7.インク着肉性:RIテスト印刷機(明製作所)を用いて、市販のオフセットインキにより印刷を施し、印刷面の均一性とインク濃度を5段階評価で目視で評価した。評価3以上が許容レベルとした。
8.黄変化:A4サイズの試験紙を調整し、女性5人、男性5人にて目視にて5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
9.生産性:テストマシンにおける各実施例でのウエットエンドの安定性、プレスパートでの脱水性、ドレネージ、ストリークの発生状況などを操業者5人で観察し、それぞれの評価結果を集約し5段階評価した。評価3以上が許容レベルとした。
10.綜合評価:品質項目全てを4段階で綜合評価した。
原紙条件は次記のとおりである。
<紙基材の作成>
下記のパルプ、内添薬品配合で60g/m2の坪量(絶乾)の原紙を抄造し、紙基材を作成した。
<パルプの配合>
・LBKP(瀘水度350mlcsf) :30重量部
・NBKP(瀘水度420mlcsf) :70重量部
紙基材は上記のパルプ配合と下記の内添薬品配合で調成された。
<内添薬品の配合>
・軽質炭酸カルシウム :10重量部(平均粒径;3.4μ、カルサイト系)
・市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤(AKD) :0.03重量部
・市販カチオン化澱粉 :0.2重量部
・市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留り向上剤 :0.03重量部
<塗工紙の作成>
ブレードコーターで下記の配合の塗液を上記の紙基材上に、片面9g/cm2塗布して、乾燥した。
<上塗り塗液配合>
下記のとおりである。
(顔料)
・紡錘形軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製TP121、3.4μm):30重量部
・市販微粒カオリン(アマゾン88、平均粒子径:0.8μm):70重量部
(バインダー及び添加剤)
・市販燐酸エステル化澱粉(日本食品化工製MS4400) :1重量部
・スチレンブタジエンラテックス(日本合成ゴム製0617) :12重量部
・市販ポリアクリル酸系分散剤 :0.1重量部
・市販ステアリン酸カルシウム :0.3重量部
・水酸化ナトリウム :0.15重量部
Figure 0004598480
Figure 0004598480
「考察」
本発明に従って実施例は、比較例に比較して、高速抄紙でありながら、高い品質の紙が得ることができることが判る。
抄紙機の設備構成例の第1のゾーンを示す概要説明図である。 抄紙機の設備構成例の第2のゾーンを示す概要説明図である。 抄紙機の設備構成例の第3のゾーンを示す概要説明図である。 抄紙機の設備構成例の第4のゾーンを示す概要説明図である。 抄紙機の設備構成例の第4のゾーンにおける変形例を示す概要説明図である。 ヘッドボックスの紙料の噴出を示す概要説明図である。 加熱金属ロールを示す概要説明図である。 電磁誘導作用による内部加熱装置例を示す概要説明図である。 クーリング設備例を示す概要説明図である。 ブレード塗工機の例を示す概要説明図である。 ブレード焼付き防止手段の概要説明図である。 ブブレード焼付き防止手段の概要斜視図である。
1…第1ワイヤー、2…第2ワイヤー、3…ヘッドボックス、5…ブレード、10…ツインワイヤーフォーマ、21…第1プレス、22…第2プレス22、40…サイズプレス、41…エアーターンバー、50…プレカレンダー、51…金属ロール、52…弾性ロール、61…第1塗工機、64…第2塗工機64、70…オンマシンカレンダー、M…金属ロール、D…弾性ロール、80…リール、90…アプリケータ、91…ブレード、95…シャワーノズル(湿潤液体塗布手段)。

Claims (8)

  1. オンマシン内で次記の(1)〜(5)連続的な工程が順に組み込まれ、かつ抄紙速度1300m/分以上であり、
    (1)抄紙及び湿紙をギャップタイプのツインワイヤーフォーマで形成する工程、
    (2)湿紙を乾燥する工程、
    (3)接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液をアプリケータによりウェブに塗布しブレードにより掻き取る塗工工程、
    (4)水性塗工液を乾燥する工程、
    (5)少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する工程;
    さらに、塗工工程は、アプリケータによる塗工液の塗工幅をウェブの幅より狭くしドライエッジを形成しつつ塗工液を塗布するとともに、前記塗工幅より広幅のブレードにより塗工液の掻取りを行い、
    アプリケータによる塗工液の塗布前段において、湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位に対し湿潤液体を塗布する、
    ことを特徴とする塗工紙の製造方法。
  2. ブレードのウェブに対する押し当て前に、ウェブに湿潤液体の塗布を行う請求項1記載の塗工紙の製造方法。
  3. 湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位であって、幅方向中間部を除く部位に対し湿潤液体を塗布する請求項1または2記載の塗工紙の製造方法。
  4. 湿潤液体塗布手段はウェブの両側部に設け、ウェブのドライエッジをそれぞれ検出し、各位置検出信号に基づき、湿潤液体塗布手段を幅方向にそれぞれ追従移動させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
  5. アプリケータの両側にドライエッジを形成するマスキング部材を幅方向に移動可能に設け、ウェブのドライエッジをそれぞれ検出し、各位置検出信号に基づき、マスキング部材を幅方向にそれぞれ追従移動させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
  6. 水性塗工液の塗布工程が、ジェットファウンテン方式でブレード塗工する請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
  7. 熱カレンダーの金属ロールの表面温度が130℃以上の加熱温度とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
  8. オンマシン内で次記(1)〜(5)の連続的な手段が順に組み込まれており、
    (1)抄紙及び湿紙をギャップタイプのツインワイヤーフォーマで形成する手段、
    (2)湿紙を乾燥する手段、
    (3)接着剤及び顔料を主成分とする水性塗工液をアプリケータによりウェブに塗布しブレードにより掻き取る塗工手段、
    (4)水性塗工液を乾燥する手段、
    (5)少なくとも2ニップを有する複数段に構成された金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱カレンダーにて平坦化処理する手段;
    さらに、塗工手段は、アプリケータによる塗工液の塗工幅をウェブの幅より狭くしドライエッジを形成しつつ塗工液を塗布するとともに、前記塗工幅より広幅のブレードにより塗工液の掻取りを行い、アプリケータによる塗工液の塗布前段において、湿潤液体塗布手段によりウェブの少なくともドライエッジに相当する部位に対し湿潤液体を塗布するものである、
    ことを特徴とする塗工紙の製造設備。
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