JP2007100263A - 塗工紙の製造方法及び製造設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗工工程がオンライン・ブレード塗工方式でありながら、断紙・生産効率低下のおそれがない塗工紙の製造方法とする。
【解決手段】基紙Wに塗料をアプリケータ90で塗布しブレード91で掻き取るオンライン・ブレード塗工工程を備える。そして、このブレード塗工工程の上流において基紙Wの異常の有無を検査し、この検査結果に応じてブレード塗工を一時的に中断する。
【選択図】図1
【解決手段】基紙Wに塗料をアプリケータ90で塗布しブレード91で掻き取るオンライン・ブレード塗工工程を備える。そして、このブレード塗工工程の上流において基紙Wの異常の有無を検査し、この検査結果に応じてブレード塗工を一時的に中断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、塗工紙の製造方法及び製造設備に関するものである。より詳しくは、オンラインでブレード塗工する工程ないし手段を有する場合に関するものである。
塗工紙は、一般に、基紙表面に塗料を塗布して製造する。そして、この塗布は、例えば、省人化を目的としてオンラインで、塗工層表面の平滑性向上を目的としてブレード塗工方式で、行うことがある(オンライン・ブレード塗工。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
しかしながら、オンライン・ブレード塗工方式によると、次のような問題がある。
すなわち、例えば、基紙が異物を含有して、あるいは基紙表面に異物が付着して、あるいは基紙自体にシワや亀裂等が存在するなどして、基紙に異常部位が存在すると、基紙の異常部位が、ブレード塗工に際して、ブレードに引っ掛かり、断紙が発生して、生産効率が低下する。ブレード塗工を、オフラインで行うのであれば、リリーラーパートを設けて異常部位を除去することもできるが、オンラインではこれができない。また、特に、資源の有効利用という観点から、近年、古紙パルプの高配合が望まれているが、古紙パルプを高配合にすると異物が多くなり、かかる問題が生じ易くなる。
特開平5−272086号公報
特開平10−77592号公報
特開2000−154489号公報
しかしながら、オンライン・ブレード塗工方式によると、次のような問題がある。
すなわち、例えば、基紙が異物を含有して、あるいは基紙表面に異物が付着して、あるいは基紙自体にシワや亀裂等が存在するなどして、基紙に異常部位が存在すると、基紙の異常部位が、ブレード塗工に際して、ブレードに引っ掛かり、断紙が発生して、生産効率が低下する。ブレード塗工を、オフラインで行うのであれば、リリーラーパートを設けて異常部位を除去することもできるが、オンラインではこれができない。また、特に、資源の有効利用という観点から、近年、古紙パルプの高配合が望まれているが、古紙パルプを高配合にすると異物が多くなり、かかる問題が生じ易くなる。
本発明が解決しようとする主たる課題は、塗工工程がオンライン・ブレード塗工方式でありながら、断紙・生産効率低下のおそれがない塗工紙の製造方法及び製造設備を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
基紙に塗料をアプリケータで塗布しブレードで掻き取るオンライン・ブレード塗工工程を有する、塗工紙の製造方法であって、
前記ブレード塗工工程の上流において前記基紙の異常の有無を検査し、この検査結果に応じて前記ブレード塗工を一時的に中断する、ことを特徴とする塗工紙の製造方法。
〔請求項1記載の発明〕
基紙に塗料をアプリケータで塗布しブレードで掻き取るオンライン・ブレード塗工工程を有する、塗工紙の製造方法であって、
前記ブレード塗工工程の上流において前記基紙の異常の有無を検査し、この検査結果に応じて前記ブレード塗工を一時的に中断する、ことを特徴とする塗工紙の製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記ブレード塗工の一時的な中断は、次記(1)〜(4)の順に行う、請求項1記載の塗工紙の製造方法。
(1)前記基紙の異常部位が通過するに先立って、前記アプリケータによる塗布を停止する。
(2)前記ブレードを前記基紙から開放する。
(3)前記異常部位の通過後において、前記ブレードの開放を終了する。
(4)前記アプリケータによる塗布を再開する。
前記ブレード塗工の一時的な中断は、次記(1)〜(4)の順に行う、請求項1記載の塗工紙の製造方法。
(1)前記基紙の異常部位が通過するに先立って、前記アプリケータによる塗布を停止する。
(2)前記ブレードを前記基紙から開放する。
(3)前記異常部位の通過後において、前記ブレードの開放を終了する。
(4)前記アプリケータによる塗布を再開する。
〔請求項3記載の発明〕
前記(1)の塗布停止から前記(2)のブレード開放までの間、前記ブレードの少なくとも刃先部分に液体を付与する、請求項2記載の塗工紙の製造方法。
前記(1)の塗布停止から前記(2)のブレード開放までの間、前記ブレードの少なくとも刃先部分に液体を付与する、請求項2記載の塗工紙の製造方法。
〔請求項4記載の発明〕
前記ブレード塗工の速度を、1300m/分を超える速度とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
前記ブレード塗工の速度を、1300m/分を超える速度とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
〔請求項5記載の発明〕
前記ブレード塗工工程を2工程以上とすることによって、前記ブレード塗工を次記(A)及び(B)の少なくともいずれか一方の態様で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
(A)前記基紙の両面に対して行う。
(B)前記基紙の片面に対して2度以上行う。
前記ブレード塗工工程を2工程以上とすることによって、前記ブレード塗工を次記(A)及び(B)の少なくともいずれか一方の態様で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
(A)前記基紙の両面に対して行う。
(B)前記基紙の片面に対して2度以上行う。
〔請求項6記載の発明〕
前記基紙の検査を、サイズプレス工程において行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
前記基紙の検査を、サイズプレス工程において行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
〔請求項7記載の発明〕
基紙に塗料を塗布するアプリケータとこのアプリケータで塗布した塗料を掻き取るブレードとが備わるブレード塗工手段を有する塗工紙の製造設備であって、
前記ブレード塗工手段の上流において前記基紙の異常の有無を検査する検査手段と、この検査手段からの検査信号に応じて前記ブレード塗工を一時的に中断させる塗工制御手段と、を有する、ことを特徴とする塗工紙の製造設備。
基紙に塗料を塗布するアプリケータとこのアプリケータで塗布した塗料を掻き取るブレードとが備わるブレード塗工手段を有する塗工紙の製造設備であって、
前記ブレード塗工手段の上流において前記基紙の異常の有無を検査する検査手段と、この検査手段からの検査信号に応じて前記ブレード塗工を一時的に中断させる塗工制御手段と、を有する、ことを特徴とする塗工紙の製造設備。
本発明によると、塗工工程がオンライン・ブレード塗工方式でありながら、断紙・生産効率低下のおそれがない塗工紙の製造方法及び製造設備となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態の塗工紙の製造方法は、例えば、抄紙マシンパート等を経て得た基紙を、いったんリール等に巻き取っておき、これを巻き出してから処理する(オフライン)ものではなく、抄紙マシンパート等を経て得た基紙に対して、続けて処理する(オンライン)ものである。
本実施の形態の塗工紙の製造方法は、例えば、抄紙マシンパート等を経て得た基紙を、いったんリール等に巻き取っておき、これを巻き出してから処理する(オフライン)ものではなく、抄紙マシンパート等を経て得た基紙に対して、続けて処理する(オンライン)ものである。
〔基紙(原紙)の製造〕
本実施の形態において、基紙の製造方法は、特に限定されない。例えば、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤパート、サイズプレスパート、アフタードライヤパート等の公知の工程を順に経るなどして、基紙を製造することができる。
本実施の形態において、基紙の製造方法は、特に限定されない。例えば、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤパート、サイズプレスパート、アフタードライヤパート等の公知の工程を順に経るなどして、基紙を製造することができる。
また、基紙の坪量も特に限定されない。ただし、坪量28〜80g/m2であるのが好ましく、坪量39〜48g/m2であるのがより好ましい。
〔オンライン・ブレード塗工工程〕
図1に示すように、本形態においては、オンライン・ブレード塗工工程(以下、単にブレード塗工工程ともいう。)に先立って、より高い平滑性を確保するために、基紙の表面を、プレカレンダ50によりニップして平滑化するのが望ましい。本プレカレンダ50は、上下がともに金属ロールであってもよいが、好ましくはソフトカレンダであり、例えば、図示のように上側が金属ロール51で下側が弾性ロール52である。
図1に示すように、本形態においては、オンライン・ブレード塗工工程(以下、単にブレード塗工工程ともいう。)に先立って、より高い平滑性を確保するために、基紙の表面を、プレカレンダ50によりニップして平滑化するのが望ましい。本プレカレンダ50は、上下がともに金属ロールであってもよいが、好ましくはソフトカレンダであり、例えば、図示のように上側が金属ロール51で下側が弾性ロール52である。
プレカレンダ50での処理により、基紙表面を平坦化処理することができるとともに、後の熱ソフトカレンダで過度の平坦化処理を要しないことで、紙の緊度を高くすることなく基紙表面の平坦性を向上させることが可能になり、嵩高な塗工紙を得ることができる。また、基紙表面の平坦化処理により塗料の塗工ムラの発現を抑えることができる。
プレカレンダ50における金属ロール51の表面粗さ(JIS B 0601)が0.02〜0.2μmで、弾性ロール52のショアーD硬度が90以上であるのが望ましい。
また、プレカレンダ50でのニップ圧は、5〜50kN/m、好ましくは10〜40kN/mである。ニップ圧が5kN/m未満であると、基紙の平滑性が劣る。他方、ニップ圧が50kN/mを超えると、紙の緊度が過度となる。
プレカレンダ50の金属ロール51としては、必要によって、後述する熱ソフトカレンダと同様にオイルなどの熱媒体を流通させて加熱するもの、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置を備えるもの、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置を備えるもの、ロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備を備えるもの、などを採用することができる。
本実施の形態のブレード塗工工程は、接着剤及び顔料(クレーなど)を主成分とする第1の塗料を塗工(下層塗工)し、これを乾燥することを、基紙の一方の面及び他方の面に対し順に行う第1塗工工程と、接着剤及び顔料(クレーなど)を主成分とする第2の塗料を塗工(上層塗工)し、これを乾燥することを、前記第1塗工工程後の基紙の一方の面及び他方の面に対し順に行う第2塗工工程と、を有する。つまり、4ヘッドの塗工機を備えている。
具体的には、基紙上面への下層用第1塗工機61A、ガス式エアードライヤー62、第1カンバスドライヤー63、基紙下面への下層用第2塗工機64A、ガス式エアードライヤー66、第2カンバスドライヤー67、基紙上面への上層用第1塗工機61B、ガス式エアードライヤー62、第1カンバスドライヤー63、基紙下面への上層用第2塗工機64B、ガス式エアードライヤー66、第2カンバスドライヤー67が順に設置されている。望ましくは、第1塗工機61A及び61Bの後段に幅方向の乾燥ムラを防止するために、幅方向に分割温度制御可能な第1赤外線乾燥装置68を設ける。また、第2塗工機64A及び64Bの後段に主に水分率調整のための、幅方向に分割温度制御可能な第2赤外線乾燥装置69を設けるのが望ましい。必要により、ガス式エアードライヤー66の後でカンバスドライヤー67の前に第3赤外線乾燥装置69Aを設けることもできる。
ここで、赤外線乾燥装置68,69,69Aとしては、近赤外、中間赤外及び遠赤外のいずれの波長でもよいが、2.5〜6.0μm程度の波長が水への吸収性に優れ望ましい。また、高速塗工にともなう光沢ムラの解消を図るためには、ガス燃焼式バーナーを使用するものよりも、幅方向の乾燥速度を制御することができる赤外線ランプを幅方向に複数装備したものの方が好ましい。幅方向の乾燥速度の制御に際しては、表面温度計(図示せず)により塗工面の表面温度が45〜85℃となるように、乾燥速度を制御するのが好ましい。特に、幅方向中間部及び両側部の少なくとも3つのゾーンにおいて、乾燥速度を制御するのが好ましい。
ここで、第1塗工工程における下層用塗工機61A及び64A、並びに第2塗工工程における上層用塗工機61B及び64Bについて、説明する。なお、本発明は、塗工工程のいずれかがブレード塗工工程であれば効果が発揮される。つまり、以下で説明するように、ブレード塗工以外の塗工方法と組み合わせることができる。
(フィルムトランスファー+ブレード)
まず、下層用塗工機61A,64Aとして、フィルムトランスファー塗工機を使用し、上層用塗工機61B,64Bとして、基紙に塗料をアプリケータで塗布しブレードで掻き取るブレード塗工機を使用することができる。ブレード塗工はブレードで掻き取るため平滑性の点で、フィルムトランスファー塗工は塗工機に対する基紙の引っ掛かりが生じないため安定性の点で、それぞれ優れる。
まず、下層用塗工機61A,64Aとして、フィルムトランスファー塗工機を使用し、上層用塗工機61B,64Bとして、基紙に塗料をアプリケータで塗布しブレードで掻き取るブレード塗工機を使用することができる。ブレード塗工はブレードで掻き取るため平滑性の点で、フィルムトランスファー塗工は塗工機に対する基紙の引っ掛かりが生じないため安定性の点で、それぞれ優れる。
上層用塗工機61B,64Bによって塗工紙の表面ないし表層が形成されることになるため、下層用塗工機61A,64Aではなく上層用塗工機61B,64Bをブレード塗工機とした方が、平滑性向上効果が大きい。
フィルムトランスファー塗工機としては、ゲートロールコータや、シムサイザ、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレスなどを、使用することができる。ただし、ゲートロールコータ及びロッドメタリングサイズプレスの少なくともいずれか一方を使用するのが好ましく、ロッドメタリングサイズプレスを使用するのが特に好ましい。このロッドメタリングサイズプレスコータを使用する場合は、操業上ストリークの発生を避けるために、表面が平滑なロッドを使用するのが好ましい。特に、ロッド径を15〜50mmにすると、より好ましい操業性及び品質を得ることができる。直径15mm未満のロッドでは、フィルムの形成能が低下し面状が劣る傾向にある。直径50mmを超えるロッドでも、効果が変わらないため、大きくする必要がない。ロッドとしては、溝付きロッド、ワイヤ線巻き付けロッドなども使用することができる。
もっとも、フィルムトランスファー塗工は、ブレード塗工に比べて、平滑性に劣る。そこで、第1塗工工程での塗工量を両面で4.0〜10.0g/m2とし、第2塗工工程での塗工量を両面で4.0〜10.0g/m2とするのが好ましい。これらの範囲にあると、最低限の平滑性が確保される。
(ブレード+ブレード)
また、下層用塗工機61A,64A、及び上層用塗工機61B,64Bのいずれとしても、基紙に塗料をアプリケータで塗布しブレードで掻き取るブレード塗工機を使用することもできる。いずれとしてもブレード塗工機を使用すると、極めて平滑性が向上する。
また、下層用塗工機61A,64A、及び上層用塗工機61B,64Bのいずれとしても、基紙に塗料をアプリケータで塗布しブレードで掻き取るブレード塗工機を使用することもできる。いずれとしてもブレード塗工機を使用すると、極めて平滑性が向上する。
ここで、1300m/分以上の高速塗工で、かつ片面7g/m2以上の塗工量が必要な場合は、塗料を高速塗布することができるジェットファウンテン方式のアプリケータを使用するのが好ましい。一方、片面7g/m2未満の塗工量で足りる場合は、高速用に改良されたショートドゥエルブレード塗工機を使用することもできる。もっとも、必要ならば、第1塗工機61A,61Bについては、片面7g/m2以上の塗工量が必要な場合であっても、高速用に改良されたショートドゥエルブレード塗工機を使用することができる。
ブレード塗工においては、流れ方向及び幅方向の塗工ムラを防止するために、図7に示すようなジェットファウンテン方式を採用することができる。この場合、アプリケータ90のファウンテン角αは、30〜90°、好ましくは40〜60°である。ファウンテン角αが30〜90°の範囲外であると、肌荒れや塗工ムラを生じるおそれがある。ブレード91の刃先部分は、30〜50°のベベル角θを有するのが好ましい。ブレード91の厚みは、0.45〜0.60mmであるのが好ましい。ブレード91の刃先部分は、高い硬度を持たせるために、タングステン又は酸化アルミナを主成分とする溶射素材で構成するのが好ましい。特に、ブレード91の刃先部分がタングステンを主成分とする溶射素材で構成されて、1000〜1700Hvのビッカース硬度を有していると、塗工性に優れる。
この場合、ブレード91の交換後において、新たなブレードタッチ時におけるブレードの焼付き防止のために、水シャワー冷却装置などの冷却手段を設けるのが好ましい。
ブレードの焼付き防止手段を、図8及び図9に例示した。Wは図示しない搬送装置により矢印方向に搬送される塗工用の基紙、93は塗工用のバッキングロール、94は基紙WのドライエッジWeのエッジの位置を検出する位置検出手段、95は基紙WのドライエッジWe近傍に水を供給する湿潤液体塗布手段としてのシャワーノズル、90は塗料を塗料噴射孔から基紙Wの表面に噴射して塗布するジェットファウンテン式のアプリケータ、96はアプリケータ90の両端部上面に設けられ、両端部の塗料噴射孔を遮蔽して基紙WにドライエッジWeを形成するマスキング部材、91は余剰の塗料を掻き取るドクターブレード、97は洗浄水を水供給管97a、97bからバッキングロール93の表面に供給した後ドクターブレード91によりクリーニングするフロークリンドクター、98はシャワーノズル95の横方向位置を制御する駆動装置、99はマスキング部材96の横方向位置を制御する駆動装置、である。
本ブレードの焼付き防止手段においては、塗工用のバッキングロール93を巡って搬送される基紙Wの両端部近傍(実質的にはドライエッジWeに相当する領域)に水を供給して湿潤化させた後、アプリケータ90の両端部上面に設けたマスキング部材96により基紙Wの両端部分にドライエッジWeを形成し、アプリケータ90により塗料を基紙Wの表面に塗布する。
その際、シャワーノズル95の上流側に設けた位置検出手段94により基紙Wの端部位置を検出し、この検出信号に基づき駆動装置98を介してシャワーノズル95の幅方向位置を制御し、同時に駆動装置99を介してマスキング部材96の幅方向位置を制御する。
位置検出手段94は、一対の投受光器からなる公知の光電式の検出器で、基紙Wの一端部側に設けられ、支持部材94aを介して装置本体に固定されている。一対の投受光器は、基紙Wの端部位置を常時検出し、位置検出信号を出力する。なお、この位置検出手段94は、光電式のものに限定されるものではなく、例えば、リミットスイッチ等による接触式のものであってもよい。
シャワーノズル95は、図示例では、基紙Wの両端部近傍に向けて水を吹き付ける3本のノズル本体を表面側に備え、基紙Wの両端部側に設けられている。なお、ノズル本体の本数や配置は、必要に応じて適宜設計することができる。シャワーノズル95は、支持部材を介して駆動装置98に連結されている。このシャワーノズル95は、駆動装置98によって、基紙Wの幅方向に移動される。シャワーノズル95により基紙Wの両端部近傍に向けて、実質的にはドライエッジWeに相当する領域に向けて、水を吹き付ける目的は、基紙WのドライエッジWeの形成領域を湿潤化することにより中央部の塗工面とドライエッジWeとの高低差等を調整して、余剰の塗料がドライエッジWeに塗布されることを防止するとともに、バッキングロール93の両端部における発熱を防止することにある。
アプリケータ90に設けられたマスキング部材96は、前述したように、塗料噴射孔の両端部を遮蔽して基紙Wの両端部にドライエッジWeを形成するためのものであり、アプリケータ90の山形頂部と合致し、かつ塗料噴射孔を遮蔽できるように形成された屋根状部材を備えている。この屋根状部材は、支持部材を介して駆動装置99に連結されている。マスキング部材96は、後述するように、駆動装置99の駆動により、アプリケータ90の山形頂部に沿って基紙Wの幅方向に摺動する。
ドクターブレード91は、例えば、ステンレス製の母材91aの刃先部分に、セラミック素材やタングステン溶射素材などからなる被覆層91bを備えてなるもので、図示しない押圧支持部材によって基紙Wの塗工面に対し適度の押圧力をもって当接されて、余剰の塗料を掻き取るようになっている。
フロークリンドクター97は、前述したドクターブレード91と実質的に同一な構造のドクターブレード97Aを垂直下方に有する本体が備わる。洗浄水は、水供給管97aを介して水供給管97bからバッキングロール93の全幅に対して供給することができるようになっている。
ドクターブレード97Aの刃先部分の先端は、バッキングロール93の表面に当接するように配置され、このドクターブレード97Aの表面とバッキングロール93の表面とにより、図8に示すように、側面視で三角形状の水溜め部が形成され、この水溜め部に洗浄水が供給され、バッキングロール93の洗浄に供した洗浄水は、幅方向側端部に設けられた排水部材97Bを介して図示しないタンクに回収されるようになっている。駆動装置98及び駆動装置99としては、適宜の駆動機構を採用することができる。
シャワーノズル95は以上のとおりに構成されているので、走行する基紙Wに蛇行が生じて基紙Wの端部位置が変動しても、この変動に駆動装置98によってシャワーノズル95が追従して、基紙Wの両端部における所定領域に水を噴射することができる。
また、マスキング部材96を駆動する駆動装置99も同様に構成されているので、走行する基紙Wに蛇行が生じて基紙Wの端部位置が変動しても、この変動に追従してマスキング部材96も移動し、このマスキング部材96により常に基紙Wの両端部における所定領域を遮蔽し、これにより基紙Wの両端部に常に一定幅のドライエッジWeを形成することができる。また、このように基紙Wの両端部に常に一定幅のドライエッジWeを形成することは、とりもなおさず、アプリケータ90の塗料噴射孔の幅方向距離を常に一定に保持することに外ならず、これにより基紙Wの表面に、常に一定幅の塗工面を形成することができる。
以上の形態によれば、走行する基紙Wに蛇行が生じても、塗料噴出幅(すなわち塗工面の幅)及びドライエッジWeの幅が基紙Wの蛇行に追従して常に一定になるように制御され、かつドライエッジWeに対する水供給位置も制御されるので、バッキングロール93の端部に余剰の塗料が付着することを防止することができ、これにより塗料が洗浄水等とともに流出することを未然に防止することができる。また、基紙Wの両端部においてドクターブレード91により余剰の塗料を掻き取る必要がなくなるので、ドクターブレード91が局部的に摩耗することを防止することができる。
実施の形態での設備を使用して、ブレード交換後において、新たなブレード91の基紙Wに対する押し当て前に、基紙Wにシャワーノズル95から水などの湿潤液体の塗布を行うことでブレード91の焼付きを防止することができる。
この場合、湿潤液体塗布手段(95)により基紙Wの少なくともドライエッジWeに相当する部位であって、幅方向中間部を除く部位に対し湿潤液体を塗布することで足りるが、必要ならば全幅にわたって湿潤液体を塗布してもよい。
さらに、湿潤液体塗布手段(95)は、基紙Wの両側部に設け、基紙WのドライエッジWeをそれぞれ検出し、各位置検出信号に基づき、湿潤液体塗布手段(95)を幅方向にそれぞれ追従移動させると、ドライエッジWeに対して正確に湿潤液体を塗布することができるようになる。
以上のように、本実施の形態の設備は、ブレード91の焼付き防止のほか、前述のように塗料の塗布位置の制御に利用することができる利点がある。
〔ブレード塗工の制御〕
本実施の形態では、以上におけるブレード塗工工程(61A,64A,61B,64B)の上流において、基紙Wの異常の有無を検査し、この検査結果に応じてブレード塗工を一時的に中断する。このブレード塗工の一時的な中断は、種々の手順を経て行うことが考えられるが、本実施の形態では、次記(1)〜(4)の順に行う。
(1)基紙Wの異常部位が通過するに先立って、基紙Wに対するアプリケータ90による塗料の塗布を停止する。
(2)ブレード91を基紙Wから開放する。すなわち、本実施の形態では、基紙Wの塗工面に当接させているブレード91の刃先部分91bを基紙Wの塗工面から離間させる。この開放は、例えば、基紙W上に塗料が塗布されなくなったことを検知した時に行うことができる。
(3)基紙Wの異常部位の通過後において、ブレード91の開放を終了する。すなわち、本実施の形態では、基紙Wの塗工面から離間させているブレード91の刃先部分91bを基紙Wの塗工面に当接させる。
(4)基紙Wに対するアプリケータ90による塗料の塗布を行う(再開)。
このように、基紙Wの異常部位が、ブレード塗工機61A,64A,61B,64Bを通過する時に、ブレード91を開放することにより、基紙Wの異常部位がブレード91に引っ掛かり、断紙が発生して、生産効率が低下するのを防止することができる。
本実施の形態では、以上におけるブレード塗工工程(61A,64A,61B,64B)の上流において、基紙Wの異常の有無を検査し、この検査結果に応じてブレード塗工を一時的に中断する。このブレード塗工の一時的な中断は、種々の手順を経て行うことが考えられるが、本実施の形態では、次記(1)〜(4)の順に行う。
(1)基紙Wの異常部位が通過するに先立って、基紙Wに対するアプリケータ90による塗料の塗布を停止する。
(2)ブレード91を基紙Wから開放する。すなわち、本実施の形態では、基紙Wの塗工面に当接させているブレード91の刃先部分91bを基紙Wの塗工面から離間させる。この開放は、例えば、基紙W上に塗料が塗布されなくなったことを検知した時に行うことができる。
(3)基紙Wの異常部位の通過後において、ブレード91の開放を終了する。すなわち、本実施の形態では、基紙Wの塗工面から離間させているブレード91の刃先部分91bを基紙Wの塗工面に当接させる。
(4)基紙Wに対するアプリケータ90による塗料の塗布を行う(再開)。
このように、基紙Wの異常部位が、ブレード塗工機61A,64A,61B,64Bを通過する時に、ブレード91を開放することにより、基紙Wの異常部位がブレード91に引っ掛かり、断紙が発生して、生産効率が低下するのを防止することができる。
この際、(1)の塗布停止から(2)のブレード開放までの間、ブレード91の少なくとも刃先部分91bに、水等の液体を噴射するなどして付与するのが好ましい。ブレード91の刃先部分91bが、塗料の塗布されていない基紙Wの表面に擦られることによって、ブレード91の刃先部分91bが焼付くのを防止する趣旨である。
ここで、近年では、特に、需要増加、コスト削減等を原因として、1300m/分以上の高速で塗工処理等を行い、生産性の向上を図ることが求められるようになっている。しかるに、ブレード塗工の速度が1300m/分を超える速度であると、断紙による影響が極めて大きな範囲に及ぶことになる。したがって、本ブレード塗工の一時的な中断は、近年の高速処理のもとにおいて、より大きな効果が発揮される有用な方法ということになる。
以上における基紙Wの異常の有無の検査は、各塗工工程(61A,64A,61B,64B)の上流においてそれぞれ行うこともできるが、設備コストの削減という観点からは、上流において1度のみ行うのが好ましい。
塗工速度が1300m/分を超える高速状態では、異常の検出と本発明に基づく作動を瞬時に行うことは、機器設備の応答ロスにより極めて困難であるとともに、設備への負荷により操業トラブルの起因になる問題が生じる。従って、特に、1度のみ行う場合は、サイズプレス工程において行うことが、異常の起因検知とその対応作動の連携の点と、基紙Wの異常はほとんどがサイズプレス工程よりも前の工程で発生するため好ましい。
ここで、何をもって基紙Wの異常とするかは、例えば、設備の運転に先立って、設定することができる。また、AI(Artificial Intelligence:人工知能)ソフトなどを利用して学習機能をもたせることもできる。具体的には、例えば、断紙が生じた基紙の断紙が生じる前の画像データを履歴データとして蓄積し、この蓄積データを設定する。
また、以上のブレード塗工の一時的な中断を、どのような設備をどのように備えて実現するかは、特に限定されない。例えば、ブレード塗工工程(61A,64A,61B,64B)の上流において基紙Wの異常の有無を検査する検査手段40を設けるとともに、この検査手段40からの検査信号に応じてブレード塗工(61A,64A,61B,64B)を一時的に中断させる制御を行う図示しない塗工制御手段を設けることなどができる。これに加えて、前記(4)の塗布再開時において塗料の流れ方向及び幅方向の塗布量を調節するために、オートプロファイラ(自動塗布量調節装置)を設けることもできる。オートプロファイラを設けることにより、塗布量のムラを原因とする損紙の発生を少なくすることができる。
〔オンライン・カレンダ工程〕
本実施の形態では、以上のブレード塗工工程に続いて、図3に示すように、熱ソフトカレンダからなるオンライン・カレンダ70が設置されており、カレンダ処理が行われる。図示のカレンダ70は、7ニップの1スタック型であり、ロール自重の影響を少なくしたヤヌスタイプの傾斜配置となっている。もちろん、オプチロードタイプの垂直配置でもよい。
本実施の形態では、以上のブレード塗工工程に続いて、図3に示すように、熱ソフトカレンダからなるオンライン・カレンダ70が設置されており、カレンダ処理が行われる。図示のカレンダ70は、7ニップの1スタック型であり、ロール自重の影響を少なくしたヤヌスタイプの傾斜配置となっている。もちろん、オプチロードタイプの垂直配置でもよい。
カレンダ70は、最終的な平滑性及び光沢性を左右する。したがって、この観点及び高速処理の観点から種々の配慮が必要である。
カレンダ70は、マルチニップカレンダであるのが好ましく、6段、8段、10段のマルチニップカレンダであるのがより好ましい。図3には、10段のマルチニップカレンダを併示してある。カレンダ70は、全段独立してニップ圧を調整可能なマルチニップカレンダが最適である。
また、カレンダ70は、複数段に構成された金属ロールMと弾性ロールDとの組み合わせからなる熱ソフトカレンダであるのが好ましい。本カレンダ70は、金属ロールMと弾性ロールDとの組み合わせ構成が、一部に対の繰り返しでない段を有する。
熱ソフトカレンダを6段〜10段に構成する場合、塗工処理された基紙W(カレンダ処理対象)の片面が接する金属ロールMの表面粗さ(JIS B 0601)が0.02〜0.2μmで、他面が接する弾性ロールMのショアーD硬度が90以上であるのが好ましい。また、金属ロールMと弾性ロールDとの最上のロール対から最下のロール対に至るまでの金属ロールMの表面粗さ(JIS B 0601)がすべて同一、又は、最上のロール対の金属ロールMの表面粗さに対し、最下のロール対に至るまでの金属ロールMの表面粗さが、2.0μm以下の範囲内で表面粗さが粗く設定され(ただし、上方のロール対の金属ロールMの表面粗さが下方のロール対の金属ロールMの表面粗さより粗くなることがない条件を満たす。)、通紙全段における金属ロールMと弾性ロールDと間のニップ圧が200〜450kN/mであるのが好ましい。
他方、熱カレンダは、オイルなどの熱媒体を流通させて加熱するものでもよいが、これでは表面温度180℃程度が限界である。高速処理を可能とするためには、図4に示すように、金属ロールMが、その幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備されたジャケットロールであり、金属ロールMの表面温度を230℃以上、特に230〜500℃にして処理するのが好ましい。図示例の金属ロールMは、シェル74内の鉄心72の周囲に誘導コイル71が巻回されてジャケット室73を通る熱媒体を加熱するものである。
金属ロールMの表面温度を250℃〜380℃として、好ましくは300℃超〜380℃として、できる限り低いニップ圧で基紙Wが全層に渡って潰れないようにすることにより、嵩の低下や不透明度の低下を抑えることができる。これは、いわば極高温のアイロンを短時間当てる形態である。
金属ロールMの表面温度の制御方法としては、前述のような金属ロールMの内部に温水や油を循環させる方法のほか、非回転部としての内側に設けた鉄芯72の周囲に誘導コイル71を設け、この誘導コイル71に交流電流を流すことで、誘導コイル71に磁束を発生させて回転部としての外側のシェル(外筒)74の内側に誘導電流を誘起させ、その抵抗熱によって外側のシェル(外筒)74自身を自己発熱(誘導発熱)させる方法(電磁誘導作用による内部加熱方法)が、高温処理のために優れる。また、この電磁誘導作用による内部加熱方法によると、誘導コイル71を金属ロールMの幅方向(金属ロールM自体の長手方向)に分割(例えば、3〜6分割。)し、シェル74に設けた温度センサによる温度信号に基づき、対応する誘導コイル71に流す交流電流量を制御することで、金属ロールMの幅方向の特に表面の温度制御を高精度で行うことができる。
この場合、特に、図5に示すように、シェル74内部に、長手方向に延びるジャケット路73を、周方向に間隔をおいて、例えば、10本〜90本程度設け、これらを相互に連通させ、内部に熱媒体を封入しておけば、シェル74の自己発熱による熱が吸収され、熱を金属ロールMの表面全体において均一化することができる。
一般に、高温で表面処理すると、基紙Wの表層部だけでなく内層部の温度も高くなり、その結果、基紙Wが、表層部だけでなく全層に渡って潰れ易くなるため、嵩が低下する。しかるに、本形態のように、著しい高温で短時間の通紙を行うと、内層部への熱移動が減少するため、嵩の低下が防止される。
他方、金属ロールMの表面温度の高温化にともなって、金属ロールMのシェル74に厚み方向の応力が発生し、ロールプロフィールが崩れがちとなり、もって紙厚プロフィールの制御性が低下する。また、電磁誘導作用による内部加熱方法によると、金属ロールMの表面温度の時間当たりの温度応答性が悪くなる。さらに、これを原因として幅方向の温度応答性も悪くなり、歩留まりも低下する。そこで、金属ロールMの近傍には、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置及びロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備の少なくとも一方が装備されているのが好ましい。
この例を図5に沿って説明すると、金属ロールMは、シェル74、誘導コイル71、鉄芯72、温度センサ75、交流電源76、及びジャケット路73を有する。この金属ロールMに対して、幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置77を金属ロールM近傍に設けて各段において、基紙Wの高温ニップ域を構成する。
外部加熱装置77は、電磁誘導加熱の原理を応用したもので、図示のように、ワークコイル77Aに交流電源(インバータ)77Bからの交流電流(例えば、3〜20kHzの高周波。)を流し、磁界を発生させて、シェル74表面部に渦電流を生成させ、自己発熱させるものである。ワークコイル77Aとシェル74表面との離間距離は、例えば、2〜20mm、好ましくは2〜5mmである。また、単位ワークコイル77Aは、金属ロールMの軸心に対して交差する斜め配置とするのが、加熱用プロフィールの均一化のために好ましい。ロール幅方向のゾーン制御ピッチは、例えば、75〜150mmとすることができ、また、ゾーン当たりの定格電力は4〜20kWとすることができる。
本形態におけるロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備78は、図6に示すように、ファン78aからのエアをヘッダ78bに送り、連通孔が形成された調整板78cを通して温度調節室78d内に送入し、この温度調節室78d内に設けたコイル78eを温度調節手段78fで冷却することにより小孔を有する分散板78gを通る送風温度を制御するものである。
カレンダ70でのニップ圧としては、200〜450kN/m、特に300〜450kN/mとするのが好ましい。カレンダ70にて平滑処理された塗工層の設けられた基紙Wは、図3に示すように、最終的にリール80にて巻き取られ、例えば、小分け用の巻取りを仕上げるワインダー(図示せず)を、マシンの最終部分に設置することができる。
〔その他〕
(1)塗料には、澱粉のほか、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、エーテル化デンプンなどのデンプン誘導体、大豆蛋白、酵母蛋白、セルロース誘導体等の天然接着剤などを配合することができる。また、必要により、ピグメントを添加してもよい。ピグメントとしては、カオリン、クレー、硫酸バリウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、亜硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、プラスチックピグメントなどの、通常の塗料用顔料をそれぞれの顔料性質に応じて配合することができる。
また、接着剤としては、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル共重合体ラテックスといったアルカリ非感応性或いはアルカリ感応性の合成樹脂エマルジョンなどの合成樹脂接着剤などの、通常の塗料用接着剤を配合することができる。
必要により、分散剤、流動変性剤、消泡剤、染料、滑剤、耐水化剤、保水剤等の各種助剤を配合することもできる。塗料の塗布量は、3〜15g/m2とするのが好ましい。
(1)塗料には、澱粉のほか、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、エーテル化デンプンなどのデンプン誘導体、大豆蛋白、酵母蛋白、セルロース誘導体等の天然接着剤などを配合することができる。また、必要により、ピグメントを添加してもよい。ピグメントとしては、カオリン、クレー、硫酸バリウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、亜硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、プラスチックピグメントなどの、通常の塗料用顔料をそれぞれの顔料性質に応じて配合することができる。
また、接着剤としては、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル共重合体ラテックスといったアルカリ非感応性或いはアルカリ感応性の合成樹脂エマルジョンなどの合成樹脂接着剤などの、通常の塗料用接着剤を配合することができる。
必要により、分散剤、流動変性剤、消泡剤、染料、滑剤、耐水化剤、保水剤等の各種助剤を配合することもできる。塗料の塗布量は、3〜15g/m2とするのが好ましい。
(2)以上本実施の形態では、基紙Wの両面にそれぞれ2層の塗工層を設ける形態としたが、これに限定する趣旨ではない。基紙Wの片面に1層の塗工層を設ける形態、基紙Wの両面にそれぞれ1項の塗工層を設ける形態、基紙Wの片面のみに2層以上の塗工層を設ける形態とすることなどもできる。
(3)ブレード塗工の一時的な中断は、基紙の異常部位が存在するたびに、繰り返し行うことができる。
本発明は、オンラインでブレード塗工する工程ないし設備を有する塗工紙の製造方法及び製造設備として、適用可能である。
50…プレカレンダ、51…金属ロール、52…弾性ロール、61A,61B…第1塗工機、64A,64B…第2塗工機、70…カレンダ、M…金属ロール、D…弾性ロール、80…リール、90…アプリケータ、91…ブレード。
Claims (7)
- 基紙に塗料をアプリケータで塗布しブレードで掻き取るオンライン・ブレード塗工工程を有する、塗工紙の製造方法であって、
前記ブレード塗工工程の上流において前記基紙の異常の有無を検査し、この検査結果に応じて前記ブレード塗工を一時的に中断する、ことを特徴とする塗工紙の製造方法。 - 前記ブレード塗工の一時的な中断は、次記(1)〜(4)の順に行う、請求項1記載の塗工紙の製造方法。
(1)前記基紙の異常部位が通過するに先立って、前記アプリケータによる塗布を停止する。
(2)前記ブレードを前記基紙から開放する。
(3)前記異常部位の通過後において、前記ブレードの開放を終了する。
(4)前記アプリケータによる塗布を再開する。 - 前記(1)の塗布停止から前記(2)のブレード開放までの間、前記ブレードの少なくとも刃先部分に液体を付与する、請求項2記載の塗工紙の製造方法。
- 前記ブレード塗工の速度を、1300m/分を超える速度とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
- 前記ブレード塗工工程を2工程以上とすることによって、前記ブレード塗工を次記(A)及び(B)の少なくともいずれか一方の態様で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
(A)前記基紙の両面に対して行う。
(B)前記基紙の片面に対して2度以上行う。 - 前記基紙の検査を、サイズプレス工程において行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工紙の製造方法。
- 基紙に塗料を塗布するアプリケータとこのアプリケータで塗布した塗料を掻き取るブレードとが備わるブレード塗工手段を有する塗工紙の製造設備であって、
前記ブレード塗工手段の上流において前記基紙の異常の有無を検査する検査手段と、この検査手段からの検査信号に応じて前記ブレード塗工を一時的に中断させる塗工制御手段と、を有する、ことを特徴とする塗工紙の製造設備。
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JP2012117174A (ja) * | 2010-12-02 | 2012-06-21 | Oji Paper Co Ltd | コールドセット用オフセット印刷用紙 |
JP2012167414A (ja) * | 2011-02-16 | 2012-09-06 | Duplo Seiko Corp | 抄紙装置及び古紙再生処理装置 |
CN112878100A (zh) * | 2021-03-02 | 2021-06-01 | 抚州市鹤达实业有限公司 | 一种定位与施胶相配合使书写效果更佳的纸张加工设备 |
-
2005
- 2005-10-06 JP JP2005293954A patent/JP2007100263A/ja active Pending
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CN112878100B (zh) * | 2021-03-02 | 2023-01-13 | 新乡市腾飞纸业有限公司 | 一种定位与施胶相配合使书写效果更佳的纸张加工设备 |
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