JP2000073291A - 紙のカレンダー処理方法及びその装置 - Google Patents

紙のカレンダー処理方法及びその装置

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JP2000073291A
JP2000073291A JP23388598A JP23388598A JP2000073291A JP 2000073291 A JP2000073291 A JP 2000073291A JP 23388598 A JP23388598 A JP 23388598A JP 23388598 A JP23388598 A JP 23388598A JP 2000073291 A JP2000073291 A JP 2000073291A
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elastic
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JP23388598A
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Tomoji Sato
友治 佐藤
Masahiro Hirakawa
昌宏 平川
Jun Kobayashi
潤 小林
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属ロールと弾性ロールでニップ部分を構成
するソフトニップカレンダー機で、紙をカレンダー処理
する際に、弾性ロールのクラックや破壊が発生せず、作
業性に優れ、嵩高な品質を与えるカレンダー処理方法を
確立することにある。 【解決手段】 金属ロール及び/又は弾性ロールの両端
部に、ザウター平均粒径150〜250μmの気水混合
の水ミスト噴霧装置を設け、上記ロールの両端部に気水
混合ミストを噴霧し、ロール両端部を冷却しながら通紙
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、金属ロールと弾性ロー
ルで構成されるソフトニップカレンダー装置を使用し、
高温条件で紙をカレンダー処理する工程において、高熱
により、弾性ロールにクラックが発生したり、破壊され
るのを防止し、作業性に優れ、嵩高な紙を製造するカレ
ンダー処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙の表面仕上げ工程において、カレンダ
ー処理は紙に優れた表面性(光沢、平滑度等)、印刷適
性(インキ着肉性、印刷後光沢等)を与え、付加価値を
高める上で非常に重要な技術である。しかし、一方でカ
レンダー処理により、紙の密度の上昇、すなわち嵩の低
下は避けられず、その結果、不透明度やこわさ(剛度)
も低下する。したがって、嵩の低下を最小限に押さえ
て、紙に優れた表面性、印刷適性を付与する目的で、高
温ロールによる熱カレンダー処理(高温ソフトニップカ
レンダー法)あるいはカレンダー処理直前での蒸気付与
等の方法が記載されている(特開平4−361695公
報、特開平6−73685公報)。
【0003】これらは、紙の内層部は低い温度の状態で
嵩を保持したまま、紙表層部のみを高温あるいは高水分
の状態にすることにより、表層部を可塑化した状態で金
属ロールの鏡面を紙表面に転写させることによって、紙
の表面性を向上させるという考え方に基づいている。
【0004】また、高温ソフトニップカレンダー法は、
紙に嵩高な品質を与える上、生産効率にも非常に優れた
表面仕上げ法である。例えば、従来塗工紙は、各種塗工
装置(以下コータと称す)で塗工液を塗工した紙を一旦
巻取った後、スーパーカレンダーを使用し、低温且つ、
通常10〜14段の多段ニップ条件で処理して光沢を付
与し、製品化される。しかし、これに使用するコットン
ロールは、内部発熱の問題で耐熱性が劣り、耐圧・耐久
性も劣るため高速化に限界があり、現状で操業可能な最
高速度は約800m/分程度である。
【0005】したがって、近年の1000m/分を越え
る高速のコータと併用するためには2台のスーパーカレ
ンダーが必要となる。
【0006】これに対し、図3に示すような、耐熱、耐
圧性に優れるプラスチックカバー材を巻いた弾性ロール
と加熱した金属ロールでニップ部分を構成するソフトニ
ップカレンダー装置の場合には、1000m/分を越え
る速度の操業も可能となり、高温でより少ないニップ数
で処理することが可能なため、省力、省スペース化で
き、コータにオンラインで且つ高速で表面仕上げできる
ことから、生産性が向上する。
【0007】以上の理由から、近年、特に軽量化が進
み、品質的に嵩やこわさ、不透明度が要求される軽量塗
工紙、微塗工紙、新聞用紙等の製造にソフトニップカレ
ンダー処理が多く行われるようになり、より嵩高な品質
を得るため、そのカレンダー処理も、ますます高温の条
件下で行われる傾向が強くなっている。
【0008】そのため、弾性ロールメーカーでは耐熱性
に優れたプラスチックカバー材の開発を積極的に進めて
いるが、現状では、プラスチックカバー材の耐熱限界温
度は、概ね90〜100℃である。従って、これら比較
的高温に耐え得るプラスチックカバー材を用いた弾性ロ
ールを用いた場合においても、弾性ロールの寿命を十分
に延ばすためには、表面温度が常時90℃以下の状態で
用いることが望ましい。
【0009】通紙時に、紙が熱圧されながら通過する部
分においては、加熱した金属ロールの熱は、直接弾性ロ
ールに伝わらないから、上記プラスチックカバー材の耐
熱限界温度よりも高い温度に金属ロールを加熱すること
ができるが、通紙時に紙が接触しない弾性ロール両端部
は、弾性ロールが高温に加熱された金属ロールに直接接
触するため、プラスチックカバー材の表面温度が90℃
を越えた場合、その材質の劣化が進行し、クラックや破
壊が起こるケースがある。
【0010】したがって、このような重大なトラブルを
防ぐため、通常、風冷装置を弾性ロール両端部に設置し
たり、更に両端部には、テーパーをつける(斜めに削
る)か段落としして、弾性ロールと金属ロールとの接触
を防止又は緩和する対策が施されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、より軽量で薄
物の紙を高温ソフトニップカレンダー処理するに従い、
弾性ロール表面温度はますます高くすることが要求さ
れ、高温、高線圧の条件で処理する場合、紙幅の異なる
製品を頻繁に製造する場合、紙が蛇行したりする等の場
合には、前記対策だけでは不十分で、プラスチックカバ
ー材のクラックや破壊が発生する危険性が増すため、瞬
時に且つ高精度にロール両端部を冷却し得る技術が求め
られている。
【0012】以上のような状況に鑑み、本発明の課題
は、高温ソフトニップカレンダー処理時に、弾性ロール
両端部でのクラックや破壊が発生せず、作業性に優れ、
嵩高な紙を製造するカレンダー処理方法とその装置を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、速効性の
ある優れた弾性ロール端部冷却方法について鋭意研究を
重ねた結果、金属ロールの表面温度が100℃〜250
℃の条件で紙をカレンダー処理する工程において、金属
ロール若しくは弾性ロールのいずれか一方又は前記両ロ
ールの両端部に、微細な気水混合ミストを噴霧すること
により、紙が接触しないロール両端部を90℃以下に保
持することにより本発明に至った。以下に、本発明の特
徴を詳述する。
【0014】本発明者等は、従来より弾性ロール端部冷
却方法として一般に使用されている常温あるいは低温エ
アーの吹き付け方式(紙パ技協誌45(5),24(1
991)を試みた。その結果、金属ロールを高速ソフト
ニップカレンダー方法で普通に採用されている表面温度
150℃以上に加熱した場合、10℃程度に冷却した大
量のエアーを直接弾性ロールあるいは金属ロール両端部
表面に吹き付けても、エアーは、熱交換率が低いため、
弾性ロール両端部で紙と接触しない部分の温度を目標と
する90℃以下にすることは困難であることが判明し
た。
【0015】経済性を考慮せずに、大量のエアーを吹き
付けようとしても、エアノズル設置のスペースの問題も
あり、さらに、エアにより、ニップ部分付近に不規則な
気流が発生し、通紙中の紙がその気流によって煽られ
て、紙に皺が発生する等の障害が生じるため、上記エア
吹き付け方法は、経済面のみならず技術面からも難題が
多く、実用に適しないことが判明した。
【0016】次ぎに、金属ロールの表面温度を180℃
に加熱し、上記エアーよりも冷却効果の大きい水滴をシ
ャワーリングする方法と水ミストの噴霧を試みた。この
方法によれば、エアー吹き付け方式より、ロール冷却能
力は高かったが、紙と接触しない両端部のみに正確にシ
ャワーリング又は噴霧することが困難なうえに、その部
分にシャワーリング又は噴霧するだけでは、弾性ロール
の温度を所定の温度まで下げることができなかった。そ
のため、紙と接触する部分にもシャワーリング又は噴霧
する必要のあることが判明した。
【0017】ところが、紙と接触するロール部分にもシ
ャワーリング又は噴霧すると、そのニップ部分を通過す
る紙の両端部において、微細な紙表層剥離が起こり、長
時間の連続操業中に次第にロール汚れが発生するという
問題があることを認めた。
【0018】そこで、上記障害発生の原因が、水滴の大
きさに関係あるとの想定のもとに、水滴のザウター平均
粒径を500μmから徐々に小さくしながら噴霧して、
実験を行った結果、ザウター平均粒径が150〜250
μmの範囲内にある水ミストを噴霧すると、上記のよう
な障害を伴わずに、紙と接触しないロール両端部を、9
0℃以下に保持できることができた。
【0019】通常の噴霧装置では、水ミストは、ザウタ
ー平均粒径が300μm以上であるが、特殊な噴霧装置
を用いると、ザウター平均粒径が250μm以下の微細
な水ミストを噴霧することができる。上記よりも、粒径
が大きいミストは、一般に気水比(水/空気の比)が大
きいので、単位面積当たりに噴霧できる水の量が多いか
ら、冷却効果は大きいが、ロール表面に到達すると瞬時
に気化せずに、その一部が紙中に浸透する結果、前記の
ような障害が発生するものと想像される。
【0020】ザウター平均粒径が150μm以下の水ミ
ストでは、紙の品質やロール汚れに対する影響は極めて
小さくすることができるが、ロール冷却効果が小さい上
に、周囲に飛散する量も多く、ロールとの熱交換に用い
られる割合が小さくなるので、効率が低く、実用的でな
い。
【0021】図1及び図2は、ソフトニップカレンダー
機に、水ミストの噴霧装置を取り付けたもので、通紙し
ながら金属ロール及び/又は弾性ロールの両端で紙に接
触しない部分、並びに紙に接触する部分で紙の両端から
50mm程度内側まで噴霧できるように、設置されてい
る。
【0022】
【発明の実施の形態】ザウター平均粒径が150〜25
0μmの範囲の微粒化したミストを噴霧する装置とし
て、例えば、二流体ノズルを挙げることができる。二流
体ノズルは、ノズル本体内で水と空気をあらかじめ混合
し、吐出口より混合ミストを噴霧するタイプであり、微
粒化されたミストを均一に噴霧できる。そのため、前記
のようなロール汚れの発生もほとんど認められず、エア
ー吹き付け方式よりロール冷却能力にも優れてる。
【0023】また、二流体ノズルで、上記ザウター平均
粒径の水ミストを弾性ロールと金属ロールのいずれに噴
霧しても、あるいは両方同時に噴霧しても同様な効果が
あることを認めた。従って、弾性ロールの耐熱限界より
も、遙かに高い温度でカレンダー処理する場合は、金属
ロールの設定温度もそれに応じて高くすることになるか
ら、金属ロール及び弾性ロールの両方に噴霧し、処理温
度が比較的低い場合は、金属ロール又は弾性ロールのい
ずれか一方に噴霧すればよい。
【0024】また、噴霧量の調整範囲が広い噴霧装置で
あれば、弾性ロール又は金属ロールのいずれか一方に噴
霧することとし、噴霧量の調整だけで、弾性ロールの表
面温度を所定の温度範囲に維持することができる。従っ
て、噴霧量の調整範囲が広い噴霧装置を用いれば、設置
する噴霧装置の数を減らすことができる。但し、後述の
ように、同一型式の噴霧装置で噴霧量を変化させると、
水ミストの平均粒径も変化することがあるので、予め、
噴霧量の調整範囲とミストの平均粒径との相関関係を確
認しておく必要がある。
【0025】水ミストの噴霧装置を、何個、どのような
位置に設置すべきかは、そのカレンダー装置において設
定する最も高い温度、線圧条件を設定し、弾性ロールの
表面温度が所定の温度範囲に維持されるよう、実機で実
験を行えば容易に決定できる。
【0026】ひとつのカレンダー装置で、金属ロールの
加熱温度、ニップ部分の線圧等の処理条件を変えて、多
種類の紙を処理する場合、水ミストの噴霧量等の調整が
必要になるが、これらの調整を自動化しようと思えば、
各ロール両端部の表面温度を赤外線表面温度計等で常時
検出し、ロール両端部の表面温度が所定の温度以上に上
昇した場合は、電磁調整弁により、空気圧及び/又は水
圧を調整して噴霧する気水混合ミストの水量を増加さ
せ、また、表面温度が所定の温度以下に下がった場合
は、空気圧及び/又は水圧を下げて噴霧する気水混合ミ
ストの量を減少させ、表面温度を所定の範囲内に保持す
ればよい。この種の温度制御方法は、温度検知センサー
と流量制御技術等の公知技術を組み合わせることによ
り、多数の技術分野で実用化されている。
【0027】また、各ロール両端部の表面温度と、その
温度における最適な水ミストの噴霧量と、その量の水ミ
ストを噴霧するため、空気圧、水圧等の操業条件をコン
ピュータープログラムに登録し、そのデータに基づい
て、常に適正な量の水ミストを噴霧し、各ロール両端部
の表面温度の変動を最小限に制御することもできる。
【0028】また、噴霧するミストの噴霧範囲について
は、紙と接触するロール部分については、ロール両端部
からできるだけ狭い幅に制限することが好ましいが、金
属ロールの熱伝導率が大きいため、金属ロールの設定温
度を高くすれば、更に内側にまで噴霧する必要が生じて
くる。従って、通紙する紙幅が幾通りもある場合や、カ
レンダー処理温度を頻繁に変える場合は、上記自動温度
制御装置に加えて、水ミストの噴霧装置の位置変更も、
カレンダー処理すべき紙の質や幅に応じて自動的に変え
られるようプログラムに組み込むことが望ましい。
【0029】但し、前述したように、用いる水ミスト噴
霧装置によっては、空気圧を小さくしたり、水圧を大き
くして、気水比を変えると、水ミストのザウター平均粒
径が変化し、150〜250μmの範囲から外れること
があるので、事前に確認しておくことが必要である。
【0030】本発明において使用するソフトニップカレ
ンダーの型式は、一対の金属ロールと弾性ロール(2ロ
ール)で構成される単独ニップのスタックを1基あるい
は2基以上並べたタンデムタイプの方式あるいは、複数
ロール(3ロール以上)で構成される複数ニップのスタ
ックを1基あるいは2基以上並べた方式のいずれの型式
でも良い。
【0031】金属ロールとしては、クラウンコントロー
ルあるいは、ロール内部に油圧エレメントを内蔵させ、
個々のエレメントをそれぞれ独立して油圧制御すること
により、幅方向で細かく分割してクラウンをコントロー
ルするゾーンコントロールタイプを使用することができ
る。
【0032】また、金属ロールの加温方式は、オイル加
温方式、蒸気加温方式、ドリルドロールやダブルウォー
ルドロール、シングルウォールドロール、バダルロール
等に代表される温水加温方式、あるいは誘導発熱加温方
式等のいずれを採用しても良い。
【0033】弾性ロールとしては、前記の各種クラウン
コントロールタイプのロールに、ポリウレタン系、エポ
キシ系、ポリエーテル系等のプラスチックカバーを厚さ
10〜30mm程度巻いたものが一般に使用される。
【0034】その他付属装置として、電磁誘導加熱方式
や熱風・冷風方式の各種アクチュエータを装備したキャ
リパーコントロール装置や、ロールクリーニング用のカ
ーボンあるいはグラスファイバー製のドクターブレード
や弾性ロール表面温度を面長方向にわたって測定するス
キャンニング型赤外線温度計等を適宜装備したものが用
いられる。
【0035】またソフトニップカレンダーのその他使用
条件は、最高線圧が概ね400kg/cm(Ma
x.)、最高運転速度が1800m/分程度である。
【0036】本発明で使用する紙は、新聞用紙、上質
紙、中質紙、グラビア用紙、薄葉印刷紙等の非塗工印刷
用紙、微塗工印刷用紙やアート紙、コート紙、軽量コー
ト紙等塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、ノーカ
ーボン原紙、裏カーボン原紙、フォーム用紙、PPC用
紙、感熱やインクジェット用情報記録紙、感光紙用紙等
の情報用紙、各種包装用紙、加工原紙、電気絶縁紙、グ
ラシンペーパー、ライスペーパー等の雑種紙や、クラフ
トライナー、ジュートライナー、中芯原紙、塗工あるい
は非塗工白板紙、クラフト板紙等の板紙で、酸性抄紙、
中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した坪量30〜6
00g/m2 のもののいずれであっても良く、ケミカル
パルプだけでなくメカニカルパルプや回収古紙パルプを
含む紙を使用しても良い。
【0037】上記使用する紙は、通常使用される長網フ
ォーマや、ギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、
長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッ
ドフォーマや円網フォーマで単層あるいは多層で抄紙さ
れる。
【0038】抄紙された紙は、その後適宜プレス、乾燥
された後、必要に応じてデンプンあるいはその誘導体等
の水溶性バインダー及び必要に応じ助剤を配合したクリ
アー塗工液を使用して表面サイズ処理されるか、若しく
は顔料と接着剤等を有する塗工液が塗工される。 塗工
紙の場合には、オンマシンあるいはオフマシンコータを
使用して塗工されるが、その場合オンマシンコータとし
ては、ゲートロールコータ、ブレードあるいはロッドメ
タリングサイズプレスコータ等のフィルムトランスファ
ー方式のコータやショートドウェル型ブレードコータ等
が適宜使用される。またオフマシンコータとしては、一
般にファウンテンアプリケーションタイプあるいはロー
ルアプリケーションタイプのブレードコータが用いられ
る。
【0039】その際、塗工液に使用する顔料には、重質
炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、デラミネーテッドクレー、タルク、サチンホワイ
ト、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜
鉛、二酸化チタンなどの無機顔料、プラスチックピグメ
ントなどの有機顔料等を用いることができ、これらの顔
料は必要に応じて単独または2種以上混合で使用するこ
とができる。
【0040】また、塗工液に使用する接着剤は、ラテッ
クスあるいはその他の水性接着剤から必要に応じ1種あ
るいは2種以上を選択して使用する。ラテックスとして
は、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリレート・
ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテック
ス、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エス
テルの重合体または共重合体等のビニル系重合体ラテッ
クス、あるいはこれらを更にカルボキシル等の官能基含
有単量体で変性したものである。
【0041】また、ラテックス以外の水性接着剤として
は、例えば酸化デンプン、尿素リン酸エステル化デンプ
ン等のエステル化デンプン、ヒドロキシエチルエーテル
化デンプン等のエーテル化デンプン、デキストリン、陽
性デンプン等のデンプン類、カゼイン、大豆蛋白、合成
蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合
成樹脂系接着剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等
セルロース誘導体等、通常の塗工用接着剤である。ま
た、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等通常
の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を使用しても良
い。
【0042】
【発明の効果】金属ロール及び/又は弾性ロールの両端
部に、微細な気水混合ミストを噴霧することにより、紙
の品質に悪影響を及ぼさずに、弾性ロール両端部を耐熱
限界温度以下に冷却し、弾性ロールのクラックや破壊を
防止できる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に示
す。
【0044】[実施例1]顔料として平均粒子径が0.
65μmの重質炭酸カルシウム95部及び、0.50μ
mカオリン5部を含有する顔料100部に対して、ポリ
アクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を添加し、カウレス
分散機を用いて水に分散し、接着剤としてリン酸エステ
ル化デンプン25部とカルボキシ変性スチレン・ブタジ
エン共重合ラテックスを4部配合して濃度38%の下塗
り塗工液を調製した。坪量45g/m2 の広葉樹晒しク
ラフトパルプ単独配合原紙に、下塗り顔料塗工する装置
として高速ゲートロールコータを使用し塗工速度120
0m/分で、固形分で5g/m2 (両面)下塗り塗工
し、乾燥した。更に4ロール・1スタックの金属ロール
のみで構成されるカレンダー装置を用い、王研式平滑度
が50秒になるようカレンダー処理した。
【0045】次いでそのままオンラインで前記重質炭酸
カルシウム60部およびカオリン40部を含有する顔料
100部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.
3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接
着剤としてリン酸エステル化デンプン4部とカルボキシ
変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを11部配
合して濃度65%の上塗り塗工液を調製し、ファウンテ
ンアプリケート方式のブレードコータを使用し、塗工速
度1200m/分で、固形分で16g/m2 (両面)上
塗り塗工し、乾燥した。
【0046】更に、クラウンコントロールにショアD硬
度92度のポリエーテル系のプラスチックカバー材を巻
いた弾性ロールと誘導発熱式金属ロールの組み合わせか
らなる2ロール・4スタックのソフトニップカレンダー
(バルメット社製)で温度150℃、4ニップの条件で
白紙光沢度が53%で一定になるように線圧を調整し
(線圧:200kg/cm)、表面仕上げした。
【0047】その際、図1及び図2にあるように、各ス
タックの金属ロール及び弾性ロールのそれぞれの両端部
に二流体ノズルを15mm間隔で3基づつ、即ち各ロー
ルに6基づつ設置し、ザウター平均粒径140〜160
μmの水ミストを金属ロール及び弾性ロールの両端部に
噴霧した。
【0048】噴霧範囲は、金属ロール及び弾性ロールの
両端部から、紙と接触する部分で紙の端部から25mm
内側までとした。このとき、紙と接触していない弾性ロ
ール部分で紙端部から20mmの表面温度を放射型赤外
線温度計で測定し、その部分の温度が、85〜87℃に
収まるように、噴霧量を調整した。
【0049】[実施例2]噴霧装置の空気圧と水圧を調
整し、紙と接触していない弾性ロール部分で紙端部から
20mmの表面温度が80〜83℃に収まるように、水
ミストの噴霧量を調整し、ザウター平均粒径240〜2
60μmの水ミストを噴霧した以外は、上記実施例1と
同一条件で塗工紙を製造した。
【0050】[実施例3]クラウンコントロールにショ
アD硬度87°のウレタン系のプラスチックカバー材を
巻いた弾性ロールと誘導発熱式金属ロールの組み合わせ
からなる2ロール・2スタックのソフトニップカレンダ
ー機のカレンダーの第1〜第2スタックの弾性ロール及
び金属ロールのそれぞれの両端部に、二流体ノズルを1
5mm間隔で4基づつ、即ち各ロール合計8基づつ設置
し、通紙しながら、水ミストを噴霧し、金属ロールの表
面温度を190℃、2ニップの条件で白紙光沢度が53
%になるように線圧を調整し(線圧:270kg/c
m)、ザウター平均粒径140〜160μmの水ミスト
を金属ロール及び弾性ロールの両端部に噴霧した。噴霧
範囲は、金属ロール及び弾性ロールの両端部から、紙と
接触する部分で紙の端部から45mm内側までとし、紙
と接触していない弾性ロール部分で紙端部から20mm
の表面温度が85〜87℃に収まるように、噴霧量を調
整した。上記以外は上記実施例1と同様の条件で、塗工
紙を製造した。
【0051】[実施例4]紙と接触していない弾性ロー
ル部分で紙端部から20mmの表面温度が80〜83℃
に収まるように、ザウター平均粒径240〜260μm
の水ミストを噴霧した以外は、上記実施例3と同じ条件
で塗工紙を製造した。
【0052】[比較例1]二流体ノズルを用いる代わり
に、水単独の霧状シャワーをノズルから弾性ロール及び
金属ロールに直接吹き付けて、紙と接触していない弾性
ロール部分で紙端部から20mmの表面温度を80〜8
3℃に維持した他は、上記実施例1と同じ条件で塗工紙
を製造した。
【0053】[比較例2]紙と接触していない弾性ロー
ル部分で紙端部から20mmの表面温度が85〜87℃
に収まるように、噴霧装置の空気圧と水圧を調整した。
その時の水ミストのザウター平均粒径は約270μmで
あった。上記以外は、上記実施例1と同じ条件で塗工紙
を製造した。
【0054】[比較例3]二流体ノズルを用いる代わり
に、水単独の霧状シャワーをノズルから弾性ロールに直
接吹き付け、紙と接触していない弾性ロール部分で紙端
部から20mmの表面温度を80〜83℃に維持した以
外は、上記実施例3と同じ条件。
【0055】[比較例4]紙と接触していない弾性ロー
ル部分で紙端部から20mmの表面温度が85〜87℃
に収まるように、ザウター平均粒径は約400μmの水
ミストを噴霧した外は、上記実施例3と同じ条件で塗工
紙を製造した。
【0056】以上により製造した塗工紙の幅方向両端部
20mmを採取し、品質試験と、20分間通紙運転後の
ロールの汚染状態を観察した結果を表1に示す。また、
金属ロール温度をそれぞれ150℃、190℃に設定
し、水ミスト又は水シャワーを吹き付ける代わりに、同
じノズルを用いて、金属ロール及び弾性ロールの両端部
から、紙と接触する部分で紙の端部から45mm内側ま
での部分に、できるだけ大量の冷却(10℃)エアを吹
き付けて冷却しながらコート紙を通紙運転した。通紙後
20分に、紙と接触していない弾性ロール部分で紙端部
から20mmの表面温度を測定した結果を参考例1,2
として表1に示す。
【0057】表1の結果から、ザウター平均粒径150
〜250μmの水ミストを、金属ロール及び/又は弾性
ロールの両端に噴霧し、弾性ロール両端を弾性ロールの
耐熱限界である90℃以下に冷却しながら製造した紙
は、層間剥離が見られず、ロール両端部の汚染もない。
一方、上記よりも粒径の大きな水ミストを噴霧したもの
は、紙の両端部において、層間剥離が生じるとともに、
ロール両端部が汚染された。また、水ミストに代えて冷
却エアを吹き付けた場合は、大量のエアを吹き付けて
も、金属ロール温度が高い場合は、弾性ロールの表面温
度は、耐熱限界に達し、あるいはそれを越えてしまうこ
とが分かる。
【0058】なお、ロール汚染の程度は目視により、ロ
ール汚れの全くないものを◎、ロール汚れが若干発生し
たものを△、ロール汚れの発生が多かったものを×とし
た。同様に、紙間剥離の全くないものを◎、紙間剥離が
若干発生したものを△、紙間剥離の発生が多かったもの
を×とした。
【0059】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 各ロールの端部におけるロールと2流体ノズ
ルの位置関係を示す説明図。
【図2】 各ロールにおける2流体ノズル取り付け位置
を示す斜視説明図である。
【図3】 2ロール・4スタックのソフトニップカレン
ダーの斜視説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 小林 潤 東京都千代田区有楽町1丁目12番1号 新 有楽町ビル 日本製紙株式会社内 (72)発明者 藤原 秀樹 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4L055 BE01 BE20 CF46 CH01 CH02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱した金属ロールと弾性ロールとで構
    成されるニップ部分に紙を通過させて紙にカレンダー処
    理を施す際に、金属ロール及び/又は弾性ロール両端部
    であって、紙が接触しない部分及び紙の幅方向両端部が
    接触する部分に、ザウター平均粒径が150〜250μ
    mの気水混合ミストを噴霧し、弾性ロール両端部で紙が
    接触しない部分の温度が90℃以下に維持されるよう
    に、上記気水混合水ミストを噴霧することを特徴とする
    紙のカレンダー処理方法。
  2. 【請求項2】 加熱した金属ロールと弾性ロールとで構
    成されるニップ部分に紙を通過させて紙にカレンダー処
    理を施すカレンダー装置であって、金属ロール及び/又
    は弾性ロール両端部に、ザウター平均粒径が150〜2
    50μmの気水混合ミストを噴霧する装置が設けられて
    いることを特徴とする紙のカレンダー処理装置。
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