JP2006108319A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006108319A
JP2006108319A JP2004291801A JP2004291801A JP2006108319A JP 2006108319 A JP2006108319 A JP 2006108319A JP 2004291801 A JP2004291801 A JP 2004291801A JP 2004291801 A JP2004291801 A JP 2004291801A JP 2006108319 A JP2006108319 A JP 2006108319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode sheet
anode electrode
forming
cathode
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004291801A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironobu Sato
広宣 佐藤
Akira Ebisawa
晃 海老沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004291801A priority Critical patent/JP2006108319A/ja
Publication of JP2006108319A publication Critical patent/JP2006108319A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】 レジスト部の形成を容易に且つ適切に行うことができる固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】 固体電解コンデンサを製造する場合、粗面化したアルミニウムシートの表面に酸化皮膜を形成して、陽極電極シート8Aを作製する。続いて、陽極電極シート8Aに、コンデンサ素子の側面の一部を形成すると共にコンデンサ素子の側面にレジスト部を設けるための複数の貫通孔22を形成する。その後、各貫通孔22同士を結ぶように、陽極電極シート8Aの両面及び各内壁面にレジスト部7を形成する。続いて、陰極部を形成するための陰極形成領域が陽極電極シート8Aに形成されるように、陽極電極シート8Aを帯状に切断する。続いて、その切断面に酸化皮膜を形成した後、陰極形成領域の酸化皮膜上に固体電解質層11を形成する。そして、固体電解質層11上に陰極部6(導電体層)を形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子を備えた固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
従来における固体電解コンデンサの製造方法としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の方法では、まずシート状のマザー金属箔に複数のコンデンサ素子箔を形成し、その後で各コンデンサ素子箔にレジスト層を形成して、陽極引出部と陽極箔部とに分離し、陽極箔部に電解重合膜を形成する。
特開平5−283304号公報
しかしながら、上記従来技術においては、マザー金属箔にコ字状の切込溝により複数のコンデンサ素子箔を形成するため、各コンデンサ素子箔はマザー金属箔に片持ち支持された状態となる。このため、その後でコンデンサ素子箔にレジスト層を形成するときに、コンデンサ素子箔が撓みやすくなり、レジスト層の形成が困難になる。特に、スクリーン印刷やオフセット印刷等といった印刷工法を用いて、コンデンサ素子の両面(上面及び下面)だけでなく、コンデンサ素子の側面にもレジスト層を形成する場合には、そのような不具合が顕著になる。
本発明の目的は、レジスト部の形成を容易に且つ適切に行うことができる固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
本発明は、陽極部と、陰極部と、陽極部と陰極部とを電気的に絶縁するレジスト部とを有するコンデンサ素子を備えた固体電解コンデンサを製造する方法であって、弁作用金属シートの表面を粗面化し、その表面に誘電体酸化被膜を形成することにより、陽極部を形成する陽極電極シートを作製する工程と、陽極電極シートに、コンデンサ素子の側面を主として形成すると共にコンデンサ素子の側面にレジスト部を設けるための複数の貫通孔を形成する工程と、複数の貫通孔同士を結ぶように、陽極電極シートの両面と各貫通孔を形成する陽極電極シートの複数の内壁面とにレジスト部を形成する工程と、陽極電極シートにレジスト部を形成した後、陰極部を形成するための陰極形成領域が陽極電極シートに形成されるように、陽極電極シートを切断する工程と、陽極電極シートの切断面に誘電体酸化被膜を形成する工程と、陰極形成領域における誘電体酸化被膜上に固体電解質層を形成する工程と、固体電解質層上に陰極部を形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
このように本発明においては、まず陽極電極シートに複数の貫通孔を形成し、これらの貫通孔を結ぶように陽極電極シートにレジスト部を形成した後、陽極電極シートに陰極形成領域が形成されるように陽極電極シートを切断する。このため、陽極電極シートにレジスト部を形成する時点では、陽極電極シートには未だ陰極形成領域が形成されていない状態となっている。従って、陽極電極シートにレジスト部を形成する際に、陽極電極シートが撓むことは殆ど無く、陽極電極シートが取り扱いやすくなる。これにより、レジスト部の形成を容易に行うことができる。また、陽極電極シートの両面と各貫通孔を形成する陽極電極シートの各内壁面とにレジスト部を形成することにより、最終的にコンデンサ素子の両面にレジスト部が形成されるだけでなく、コンデンサ素子の側面にも確実にレジスト部が形成されるようになる。
好ましくは、陽極電極シートを切断する工程において、陽極電極シートに陰極形成領域が複数並んで形成されるように、陽極電極シートを帯状に切断し、固体電解質層を形成する工程において、帯状に切断された陽極電極シートの各陰極形成領域を固体電解質形成用重合液に浸漬させて、化学酸化重合または電解酸化重合を行うことにより、陰極形成領域における誘電体酸化被膜上に固体電解質層を形成する。
この場合には、帯状の陽極電極シートに設けられた複数の陰極形成領域をまとめて固体電解質形成用重合液に浸漬させることで、複数の陰極形成領域に対する固体電解質層の形成をまとめて一度に行うことができる。これにより、複数のコンデンサ素子を効率良く作製することが可能となる。
また、好ましくは、陽極電極シートに複数の貫通孔を形成する工程を実施した後、陽極電極シートにレジスト部を形成する工程を実施する前に、各貫通孔を形成する陽極電極シートの複数の内壁面に誘電体酸化被膜を形成する。
この場合には、各貫通孔を形成する陽極電極シートの各内壁面とレジスト部との間に、誘電体酸化被膜が設けられていることになる。これにより、陽極電極シートの各内壁面に形成されたレジスト部が万が一切れる等といった不具合が発生した場合であっても、陽極部と陰極部との導通を確実に防止することができる。
本発明によれば、陽極電極シートにレジスト部を形成するときに、陽極電極シートが撓むことが抑止されるので、レジスト部の形成を容易に且つ適切に行うことができる。これにより、1枚の陽極電極シートに対して複数のコンデンサ素子を形成するというような大量生産に非常に有利となる。
以下、本発明に係わる固体電解コンデンサの製造方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる固体電解コンデンサの製造方法の一実施形態により製造される固体電解コンデンサを示す断面図である。同図において、固体電解コンデンサ1は、複数(ここでは3つ)のコンデンサ素子2と、これらのコンデンサ素子2が載置・固定される基板3と、各コンデンサ素子2をモールドする樹脂モールド部4とを備えている。なお、コンデンサ素子2をモールドするのは、コンデンサ素子2を酸素や湿度、接触等から保護するためである。
コンデンサ素子2は、陽極部5と、陰極部6と、陽極部5と陰極部6とを電気的に絶縁するレジスト部7とを有している。陽極部5は、箔状または板状の陽極電極シート8により形成されている。陽極電極シート8は、図2に示すように、表面積を増やすべく表面が粗面化(拡面化)されたアルミニウムシート(弁作用金属シート)9と、このアルミニウムシート9の表面に形成された絶縁性の酸化アルミニウム被膜(誘電体酸化被膜)10とからなっている。
レジスト部7は、陽極電極シート8の一部表面上に形成されている。レジスト部7は、陽極部5と陰極部6とを電気的に絶縁する機能(前述)の他に、導電性高分子重合工程やペースト塗布工程等の浸漬工程(後述)において液の這い上がりを防止する機能も有している。レジスト部7は、好ましくは熱硬化性エポキシ樹脂やシルコーン樹脂等で形成されている。
陽極電極シート8におけるレジスト部7の一側領域(図1で見て陽極電極シート8の右側の領域)の表面上には、導電性高分子を含む固体電解質層11が設けられている。この固体電解質層11は、図2に示すように、アルミニウムシート9の粗面化によって形成された微細穴8aに入り込むように形成されている。固体電解質層11上には、陰極部6を形成する導電体層12が設けられている。導電体層12は、導電性高分子よりも低抵抗であるペーストを塗布して形成される。具体的には、導電体層12は、カーボンペースト層13及び銀ペースト層14を順に積層して形成されている。
このような複数のコンデンサ素子2は、積層された状態で基板3上に載置・固定される。なお、コンデンサ素子2を積層するのは、固体電解コンデンサ1の容量を稼ぐためである。基板3は、例えばエポキシ樹脂製のプリント基板である。基板3の上面には、各コンデンサ素子2の陽極部5と電気的に接続される陽極配線パターン15と、各コンデンサ素子2の陰極部6と電気的に接続される陰極配線パターン16とが設けられている。これらの配線パターン15,16は、例えば銅箔で形成されている。
最下層のコンデンサ素子2の陰極部6を構成する導電体層12は、導電性接着剤17により陰極配線パターン16に接合されている。また、各コンデンサ素子2の陰極部6を構成する導電体層12同士も、導電性接着剤17で接合されている。導電性接着剤17としては、例えば銀−エポキシ系接着剤が用いられる。各コンデンサ素子2の陽極部5は、基板3側に曲げて重ねた状態で、YAGレーザスポット溶接等により陽極配線パターン15に接合されている。
基板3の下面には、陽極端子パターン18及び陰極端子パターン19が設けられている。これらの端子パターン18,19は、電子回路基板等(図示せず)に実装される部分であり、配線パターン15,16と同様の金属材料で形成されている。また、基板3には、陽極配線パターン15と陽極端子パターン18とを電気的に接続するスルーホール20と、陰極配線パターン16と陰極端子パターン19とを電気的に接続するスルーホール21とが設けられている。
次に、上述した固体電解コンデンサ1を製造する方法について図3により説明する。まず1枚のアルミニウムシートを用意する。そして、エッチング等によってアルミニウムシートの表面を粗面化すると共に、化成処理(陽極酸化)によってアルミニウムシートの表面に酸化アルミニウム皮膜を形成することにより、図4(a)に示すような陽極電極シート8Aを作製する(工程101)。化成処理は、例えばアジピン酸アンモニウム等の電解質溶液にアルミニウムシートを浸漬、更に通電させることにより行う。
続いて、図4(b)に示すように、陽極電極シート8Aに複数の円形状貫通孔22をマトリクス状に形成する(工程102)。これらの貫通孔22は、コンデンサ素子2の両側面の一部を形成する(図6参照)と共にコンデンサ素子2の両側面にレジスト部7を設けるための穴である。貫通孔22の形成方法としては、レーザー加工や、ピナクルダイ、金型による打ち抜き加工等が挙げられるが、金型による打ち抜き加工が好ましい。
続いて、化成処理によって、各貫通孔22を形成する陽極電極シート8Aの複数の内壁面22a(未酸化部分)に酸化アルミニウム皮膜を形成する(工程103)。化成処理は、上記工程101と同様に、アジピン酸アンモニウム等の電解質溶液を用いて行う。なお、電解質溶液(化成液)は、加熱して使用するのが好ましい。
続いて、図4(c)に示すように、マトリクス状に形成された複数の貫通孔22の行毎に各貫通孔22同士を結ぶように、陽極電極シート8Aにレジスト部7を形成する(工程104)。このとき、図5に示すように、陽極電極シート8Aの両面にレジスト部7を形成すると共に、陽極電極シート8Aの両面に形成されたレジスト部7同士をつなぐように、陽極電極シート8Aの各内壁面22aにもレジスト部7を形成する。
このとき、レジスト部7の形成方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、ロールを用いた印刷等といった印刷法があるが、スクリーン印刷が好ましい。このような印刷工程は、陽極電極シート8Aの両面別々に行われる。具体的には、まず陽極電極シート8Aの内壁面22aを含む陽極電極シート8Aの一面側にレジスト部7を印刷した後に、当該レジスト部7を一旦加熱硬化させる。その後、陽極電極シート8Aの内壁面22aを含む陽極電極シート8Aの他面側にレジスト部7を印刷し、当該レジスト部7を加熱硬化させる。
続いて、図6に示すように、マトリクス状に形成された複数の貫通孔22の行毎に陽極電極シート8Aを帯状に切断し、複数枚の陽極電極シート帯状体8Bを得る(工程105)。これらの陽極電極シート帯状体8Bは、櫛歯状に並んで形成された複数のコンデンサ素子形成領域2Aを有している。各コンデンサ素子形成領域2Aには、コンデンサ素子2の陽極部5を露出させる陽極露出領域5Aと、コンデンサ素子2の陰極部6を形成するための陰極形成領域6Aと、陽極露出領域5Aと陰極形成領域6Aとの間に位置するレジスト部7とが設けられている。このとき、陽極電極シート8Aの切断方法としては、上記工程102の貫通孔22の形成方法と同様に、レーザー加工や、ピナクルダイ、金型による打ち抜き加工等が考えられるが、金型による打ち抜き加工が好ましい。
続いて、上記工程103と同様の化成処理によって、陽極電極シート帯状体8Bの切断面(未酸化部分)に酸化アルミニウム皮膜を形成する(工程106)。
続いて、図7(a)に示すように、重合法によって、陽極電極シート帯状体8Bにおける陰極形成領域6Aの酸化アルミニウム皮膜上に、導電性高分子を含む固体電解質層11を形成する(工程107)。重合法としては、電解酸化重合法及び化学酸化重合法が挙げられるが、化学酸化重合法が好ましい。このとき、陽極電極シート帯状体8Bの各陰極形成領域6Aを固体電解質形成用の重合液に浸漬させて化学酸化重合を行い、導電性高分子を形成する。重合液としては、モノマーと酸化剤とを含む水溶液を用いる。モノマーとしては、チオフェン、ピロール、アニリン及びそれぞれの誘電体等が好適に用いられる。酸化剤としては、Fe3+等の金属イオンの塩及び錯体、或いは過硫酸アンモニウム等が用いられる。その他、導電性を持たせるために、ドーピング材料を同時に用いる。ドーピング材料としては、パラトルエンスルホン酸やアルキルナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸の他、無機スルホン酸等が用いられる。
続いて、図7(b)に示すように、固体電解質層11上に、グラファイトペースト層13及び銀ペースト層14を積層して導電体層12を形成することにより、陰極部6を形成する。導電体層12の形成は、例えばスクリーン印刷法、浸漬法(ディップ法)及びスプレー塗布法等を用いて行う。これにより、陽極電極シート帯状体8Bに複数のコンデンサ素子2が形成されることになる。
続いて、そのようにして得られた複数のコンデンサ素子2を、陽極電極シート8Bの基体部P(図7(b)参照)から切断して分離させる。そして、複数のコンデンサ素子2を積層した状態で、基板3上に載せる。そして、各コンデンサ素子2の陰極部6同士を導電性接着剤17で固定すると共に、最下層のコンデンサ素子2の陰極部6を導電性接着剤17で基板3の陰極配線パターン16に固定する。また、各コンデンサ素子2の陽極部5同士を重ね合わせた状態で、レーザー溶接により基板3の陽極配線パターン15に固定する(工程109)。
続いて、キャスティングモールド、インジェクション、トランスモールド等によって各コンデンサ素子2をモールドした樹脂モールド層4を形成する(工程110)。その後、樹脂モールド層4及び基板3を所望のサイズに切断する(工程111)。以上により、図1に示すような固体電解コンデンサ1が得られる。
なお、上記工程109において、複数のコンデンサ素子2を積層してなる積層体を1組だけ基板3上に載置・固定しても良いし、或いは陽極配線パターン15及び陰極配線パターン16が複数ずつ設けられた大サイズの基板3上に複数組の積層体を載置・固定しても良い。後者の場合には、上記工程109において、複数のコンデンサ素子2を陽極電極シート8Bの基体部Pから切り離さずに、陽極電極シート帯状体8Bのままの状態で基板3上に載置・固定し、最後の上記工程111において、樹脂モールド層4及び基板3を切断してコンデンサ素子2を1つずつ分離させても良い。
ここで、比較例として、従来一般の固体電解コンデンサの製造方法を図8に示す。この方法により固体電解コンデンサ1を製造する場合は、まず図3に示す工程101と同様にして、図9(a)に示すような陽極電極シート8Aを作製する(工程201)。
続いて、例えば金型による打ち抜き加工によって、図9(b)に示すように、陽極電極シート8Aを帯状に切断し、複数枚の陽極電極シート帯状体8Bを得る(工程202)。これらの陽極電極シート帯状体8Bは、櫛歯状に並んで形成された複数のコンデンサ素子形成領域2Aを有している。そして、化成処理によって、陽極電極シート帯状体8Bの切断面(未酸化部分)に酸化アルミニウム皮膜を形成する(工程203)。
続いて、例えばスクリーン印刷法を用いて、図9(c)に示すように、陽極電極シート帯状体8Bの各コンデンサ素子形成領域2Aにレジスト部7を形成し、このレジスト部7によって各コンデンサ素子形成領域2Aを陽極露出領域5Aと陰極形成領域6Aとに分ける(工程204)。その後、図3に示す工程107〜111と同様の処理を行い(工程205〜209)、図1に示すような固体電解コンデンサ1を得る。
このように従来一般の製法では、レジスト部7の形成を、複数のコンデンサ素子形成領域2Aが櫛歯状に形成されている陽極電極シート帯状体8Bの状態で行うので、スクリーン印刷等によるレジスト部7の形成時に、各コンデンサ素子形成領域2Aの自由端側(陰極形成領域6A側)が撓んでしまう。このため、レジスト部7の形成が行いにくくなり、特にコンデンサ素子2の側面に対するレジスト部7の形成が困難になる。
これに対し本実施形態では、まず陽極電極シート8Aに複数の貫通孔22を形成し、貫通孔22同士を結ぶように陽極電極シート8Aにレジスト部7を形成した後で、陰極形成領域6Aを有するコンデンサ素子形成領域2Aが複数組形成されるように、陽極電極シート8Aを帯状に切断して陽極電極シート帯状体8Bを得る。このように陽極電極シート8Aにレジスト部7を形成する際には、陽極電極シート8Aが帯状に切断されておらず、複数の貫通孔22だけが陽極電極シート8Aに形成された状態となっている。しかも、これらの貫通孔22は、コンデンサ素子2の側面の一部のみを形成するための小さな円形状の穴である。このため、レジスト部7の形成時に、陽極電極シート8Aの撓みが生じることは殆ど無いため、陽極電極シート8Aが取り扱いやすくなる。これにより、レジスト部7の形成を容易に行うことができる。また、そのような事から、各貫通孔22を形成する陽極電極シート8Aの各内壁面22aに十分にレジスト部7を十分に回り込ませる事ができるため、コンデンサ素子2の両面だけでなく、コンデンサ素子2の側面にもレジスト部7を確実に設けることができる。
また、複数のコンデンサ素子形成領域2Aを有する陽極電極シート帯状体8Bを形成することにより、複数のコンデンサ素子形成領域2Aに対して一括してレジスト部7を形成することができる。さらに、陽極電極シート帯状体8Bの各陰極形成領域6Aを一緒に固体電解質形成用重合液に漬けて化学酸化重合を行うので、複数の陰極形成領域6Aの表面上に一度にまとめて固体電解質層11を形成することができる。従って、コンデンサ素子2の大量生産を効果的に実現することが可能であり、製造コストの削減につながる。
また、陽極電極シート8Aに複数の貫通孔22を形成した後に、各貫通孔22を形成する陽極電極シート8Aの各内壁面22aに酸化アルミニウム皮膜を形成し、その状態で各内壁面22aにレジスト部7を形成するので、作製されたコンデンサ素子2の側面とレジスト部7との間には酸化アルミニウム皮膜が存在することになる。これにより、コンデンサ素子2の側面部に設けられたレジスト部7に亀裂等が生じた場合でも、陽極部5と陰極部6とが短絡して過電流が流れてしまうことを確実に防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、陽極電極シート8Aに複数の円形状貫通孔22を形成するようにしたが、陽極電極シート8Aに形成する貫通孔の形状は、特に円形状には限られない。その具体例を図10〜図12に示す。なお、各図において、図4及び図6と同一または同等のものには同じ符号を付してある。
図10に示す固体電解コンデンサの製造方法は、陽極電極シート8Aに複数の矩形状貫通孔30を形成するものである。この貫通孔30は、図4に示す円形状貫通孔22と同様に、コンデンサ素子2の両側面の一部を形成すると共にコンデンサ素子2の両側面にレジスト部7を設けるためのものである。
図11に示す固体電解コンデンサの製造方法は、陽極電極シート8Aに複数の矩形状貫通孔31を形成するものである。この貫通孔31は、図10に示す貫通孔30よりも大きな寸法を有し、コンデンサ素子2の両側面の一部を形成すると共にコンデンサ素子2の両側面にレジスト部7を設けるためのものである。
図12に示す固体電解コンデンサの製造方法は、陽極電極シート8Aに複数のスリット状の貫通孔32を形成するものである。この貫通孔32は、コンデンサ素子2の両側面全体を形成すると共にコンデンサ素子2の両側面にレジスト部7を設けるためのものである。
また、貫通孔の形状としては、上記以外にも種々変形可能であり、コンデンサ素子2の側面を主として形成すると共にコンデンサ素子2の側面にレジスト部7を設けるための貫通孔であれば良い。このとき、貫通孔の形状は、例えば印刷法によるレジスト部7の形成時に、陽極電極シート8Aの撓みを生じさせない程度とする必要がある。そのような貫通孔としては、例えばコンデンサ素子2の両側面とコンデンサ素子2の一端面(陰極形成領域6A側の端面)の一部分とを形成すると共にコンデンサ素子2の両側面にレジスト部7を設けるためのL字型の貫通孔等が挙げられる。
また、上記実施形態では、コンデンサ素子2の陽極部5のベースとなる弁作用金属シートとしてアルミニウムシート9を用いたが、弁作用金属シートの材料としては、アルミニウム以外に、アルミニウム合金、チタン、タンタル、ニオブ及びジルコニウムまたはこれらの合金を使用してもよい。
さらに、上記実施形態の固体電解コンデンサ1は、陽極部5及び陰極部6を1つずつ有する2端子型コンデンサであるが、本発明は、複数の陽極部を有する多端子型コンデンサにも適用可能である。また、上記の固体電解コンデンサ1は、コンデンサ素子2の積層体を基板3に固定したものであるが、本発明は、リードフレーム型の固体電解コンデンサにも適用可能である。さらに、本発明は、上記のような積層型の固体電解コンデンサに限られず、コンデンサ素子2を1枚のみとした単層型の固体電解コンデンサにも適用できることは言うまでもない。
本発明に係わる固体電解コンデンサ製造方法の一実施形態により製造される固体電解コンデンサを示す断面図である。 図1に示すコンデンサ素子の一部構造を詳細に示す拡大断面図である。 本発明に係わる固体電解コンデンサ製造方法の一実施形態の手順を示すフローチャートである。 図3に示す工程101〜104を実施したときの陽極電極シートの状態を示す平面図である。 図3に示す工程104を実施したときの陽極電極シートの状態を示す断面図である。 図3に示す工程105を実施したときの陽極電極シートの状態を示す平面図である。 図3に示す工程106〜108を実施したときの陽極電極シート帯状体の状態を示す平面図である。 従来一般の固体電解コンデンサ製造方法の手順を示すフローチャートである。 図8に示す工程201〜204を実施したときの陽極電極シートの状態を示す平面図である。 陽極電極シートに形成する貫通孔の形状を変えて、図3に示す工程102〜105を実施したときの陽極電極シートの状態を示す平面図である。 陽極電極シートに形成する貫通孔の形状を更に変えて、図3に示す工程102〜105を実施したときの陽極電極シートの状態を示す平面図である。 陽極電極シートに形成する貫通孔の形状を更に変えて、図3に示す工程102〜105を実施したときの陽極電極シートの状態を示す平面図である。
符号の説明
1…固体電解コンデンサ、2…コンデンサ素子、5…陽極部、6…陰極部、6A…陰極形成領域、7…レジスト部、8…陽極電極シート、8A…陽極電極シート、9…アルミニウムシート(弁作用金属シート)、10…酸化アルミニウム被膜(誘電体酸化被膜)、11…固体電解質層、12…導電体層、22…貫通孔、22a…内壁面、30,31,32…貫通孔。

Claims (3)

  1. 陽極部と、陰極部と、前記陽極部と前記陰極部とを電気的に絶縁するレジスト部とを有するコンデンサ素子を備えた固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    弁作用金属シートの表面を粗面化し、その表面に誘電体酸化被膜を形成することにより、前記陽極部を形成する陽極電極シートを作製する工程と、
    前記陽極電極シートに、前記コンデンサ素子の側面を主として形成すると共に前記コンデンサ素子の側面に前記レジスト部を設けるための複数の貫通孔を形成する工程と、
    前記複数の貫通孔同士を結ぶように、前記陽極電極シートの両面と前記各貫通孔を形成する前記陽極電極シートの複数の内壁面とに前記レジスト部を形成する工程と、
    前記陽極電極シートに前記レジスト部を形成した後、前記陰極部を形成するための陰極形成領域が前記陽極電極シートに形成されるように、前記陽極電極シートを切断する工程と、
    前記陽極電極シートの切断面に前記誘電体酸化被膜を形成する工程と、
    前記陰極形成領域における前記誘電体酸化被膜上に固体電解質層を形成する工程と、
    前記固体電解質層上に前記陰極部を形成する工程とを含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記陽極電極シートを切断する工程において、前記陽極電極シートに前記陰極形成領域が複数並んで形成されるように、前記陽極電極シートを帯状に切断し、
    前記固体電解質層を形成する工程において、前記帯状に切断された陽極電極シートの前記各陰極形成領域を固体電解質形成用重合液に浸漬させて、化学酸化重合または電解酸化重合を行うことにより、前記陰極形成領域における前記誘電体酸化被膜上に前記固体電解質層を形成することを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記陽極電極シートに複数の貫通孔を形成する工程を実施した後、前記陽極電極シートに前記レジスト部を形成する工程を実施する前に、前記各貫通孔を形成する前記陽極電極シートの複数の内壁面に前記誘電体酸化被膜を形成することを特徴とする請求項1または2記載の固体電解コンデンサの製造方法。





JP2004291801A 2004-10-04 2004-10-04 固体電解コンデンサの製造方法 Withdrawn JP2006108319A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004291801A JP2006108319A (ja) 2004-10-04 2004-10-04 固体電解コンデンサの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004291801A JP2006108319A (ja) 2004-10-04 2004-10-04 固体電解コンデンサの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006108319A true JP2006108319A (ja) 2006-04-20

Family

ID=36377698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004291801A Withdrawn JP2006108319A (ja) 2004-10-04 2004-10-04 固体電解コンデンサの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006108319A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008034771A (ja) * 2006-08-01 2008-02-14 Tdk Corp 固体電解コンデンサの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008034771A (ja) * 2006-08-01 2008-02-14 Tdk Corp 固体電解コンデンサの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7331999B2 (en) Method of producing solid electrolytic capacitor
JP4084391B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2008028383A (ja) チップ型固体電解コンデンサ
JP2006040938A (ja) 固体電解コンデンサ、それを用いた積層コンデンサおよびその製造方法
JP4343652B2 (ja) 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサデバイス
JP4677775B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2009129936A (ja) 表面実装薄型コンデンサ及びその製造方法
JP2008078312A (ja) 固体電解コンデンサ
JP4626556B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP3128831B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2005191466A (ja) コンデンサ
JP4854945B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2006108319A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2004158577A (ja) 積層型大面積アルミ固体電解コンデンサの製造方法及び該方法によるコンデンサ
JP2006093343A (ja) 固体電解コンデンサ
JP2007273502A (ja) 固体電解コンデンサ
JP2004087713A (ja) アルミニウム固体電解コンデンサ
JP5429392B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5892803B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4806874B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法及び固体電解コンデンサ
JP2006073638A (ja) 固体電解コンデンサ
JP4756649B2 (ja) 表面実装薄型コンデンサ
JP4133801B2 (ja) コンデンサ
JP4403799B2 (ja) コンデンサ
JP2001307956A (ja) シートコンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071204