JP3128831B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JP3128831B2 JP03003729A JP372991A JP3128831B2 JP 3128831 B2 JP3128831 B2 JP 3128831B2 JP 03003729 A JP03003729 A JP 03003729A JP 372991 A JP372991 A JP 372991A JP 3128831 B2 JP3128831 B2 JP 3128831B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波領域において低イ
ンピーダンスで、容量の体積効率の良い固体電解コンデ
ンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のデジタル化に伴って電
子回路に使用されるコンデンサも高周波領域における低
インピーダンス、小形大容量が厳しく要求されるように
なってきた。小形大容量を特徴とする電解コンデンサの
分野においても、従来の乾式アルミ電解コンデンサや二
酸化マンガンを固体電解質とするタンタル固体電解コン
デンサおよびアルミ固体電解コンデンサなどに対し、複
素環式化合物の重合物である導電性高分子を固体電解質
とする固体電解コンデンサが、この要求に応え得るコン
デンサとして数多く提案され、一部で商品化されるよう
になってきた。
【0003】高周波領域における低インピーダンスは複
素環式化合物の重合物である導電性高分子を固体電解質
とすることにより達成されるが、固体電解質である特質
から定格電圧よりかなり高い化成電圧を余儀なくされる
ことにより、乾式アルミ電解コンデンサに比べ容量の容
積効率は低く、したがって、この容積効率を上げるため
には積層構造をとる必要がある。積層構造をとる方法
は、以前より公知であるが、導電性高分子を固体電解質
として用いる例としては、特開昭63−239917号
公報がある。
【0004】この一例のものは、図10および図11に
示すように、帯状のアルミニウムエッチド箔1の一側部
に複数の突起部2を形成し、この複数の突起部2の所定
位置の全面にレジスト層3を形成することにより、突起
部2を二つの部分に区分している。そして前記レジスト
層3により区分された一方の部分(陰極部)に誘電体と
して酸化アルミニウム皮膜層4を、電解質となる複素環
式化合物のポリマー層としてピロールよりなるポリマー
層5を、端子取り出し用の導体層としてグラファイト層
6および銀ペースト層7を順次形成してコンデンサ素子
板8を構成している。
【0005】上記のように構成したコンデンサ素子板8
を図12(a)に示すように複数枚積み重ねる。この場
合、複数枚のコンデンサ素子板8の突起部2と突起部2
とが互いに対応するように積み重ね、そして突起部2を
高温下で加圧し、レジスト層3で区分された一方の部分
(陰極部)9の銀ペースト層7を仮乾燥させてコンデン
サ素子板8の一方の部分9を互いに固着させて一体化す
るとともに、レジスト層3で区分された他方の部分に当
たるアルミニウムエッチド箔1の部分(図11の×印で
示す陽極部)10を溶接等により互いに接合させてコン
デンサ素子本体11を構成する。次に、このコンデンサ
素子本体11のレジスト層3で区分された一方の部分
(陰極部)9の仮乾燥させている銀ペースト層7に板状
の陰極端子12の外表面を圧設し、そして銀ペースト層
7を本乾燥させて硬化させることにより、一方の部分
(陰極部)9に板状の陰極端子12を取り付けるととも
に、レジスト層3で区分された他の部分(陽極部)10
に同じく板状の陽極端子13をスポット溶接または超音
波溶接あるいはシーマ溶接等により取り付けてコンデン
サ素子とし、このコンデンサ素子に樹脂外装を施し、積
層型の固体電解コンデンサを構成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の構成方法では、いくつかの欠点があり、特に陽極
部の接続方法に信頼性が乏しいという大きな欠点があっ
た。
【0007】すなわち、アルミニウムのような弁金属の
表面には化成皮膜が存在しない場合でも、空気中での酸
化による強固な酸化皮膜が存在するため、従来例に挙げ
られたような抵抗溶接や超音波溶接では、複数枚の積層
された箔における何重もの酸化皮膜を突き破っての信頼
性のある溶接を行うことは極めて至難のことである。ま
た、見かけ上接合されていても接触抵抗が大きく、使用
中に剥離するなどの危険があった。
【0008】これは、従来の溶接法ではエネルギーが小
さいために、隣り合った箔間の酸化皮膜を突き破った個
所のみで溶接されているためで、溶接の基本である溶接
部が一体に合金化された状態とかけ離れているためと考
えられる。
【0009】また、従来例のような抵抗溶接では、溶接
時に溶接電流以外の電流が流れ、酸化皮膜や導電性高分
子膜の破壊をきたすことがしばしばあった。
【0010】本発明は上記従来例の問題点を解決するも
ので、特に積層した複数枚のコンデンサ素子の陽極部の
接合条件を適正化してレーザ溶接することにより、信頼
性の高い固体電解コンデンサの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、酸化皮
膜を形成した弁金属よりなる箔を絶縁体層で区分し、こ
の区分された一方の部分(陰極部)に導電物質層,導電
性高分子膜、グラファイト層と銀ペイント層からなる導
体層を順次形成してコンデンサ素子を構成し、かつこの
コンデンサ素子を複数枚積層するとともに、この複数枚
のコンデンサ素子における一方の部分(陰極部)を引出
し端子を兼ねるコムの一部分に積層して接続し、さらに
前記複数枚のコンデンサ素子における他方の部分(陽極
部)を前記コムの別の部分に積層するとともに、このコ
ムの別の部分の先端部を180度折り曲げて、複数枚の
コンデンサ素子における他方の部分(陽極部)を密着さ
せた状態で挾み込み、この挾み込んだ状態の前記複数枚
のコンデンサ素子における他方の部分(陽極部)とコム
とをレーザ溶接により接続するとともに、全体をモール
ド樹脂で外装するようにしたものである。
【0012】
【作用】上記した製造方法によれば、複数枚積層された
弁金属よりなるコンデンサ素子における他方の部分(陽
極部)を引出し端子を兼ねるコムの別の部分に積層する
とともに、このコムの別の部分の先端部を180度折り
曲げて、複数枚のコンデンサ素子における他方の部分
(陽極部)を密着させた状態で挾み込んでいるため、複
数枚の弁金属よりなるコンデンサ素子における他方の部
分(陽極部)間に空間ギャップが生じることはなくな
り、その結果、複数枚の弁金属よりなるコンデンサ素子
の陽極部と引出し端子を兼ねるコムとをレーザ溶接によ
り接続する場合、理想的な溶接状態を実現することがで
きるため、信頼性の高い溶接法が得られ、これにより、
高周波領域において低インピーダンスで小形大容量の固
体電解コンデンサを提供することができるものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の各実施例を添付図面にもとづ
いて説明する。
【0014】(実施例1)厚さ100μmの弁金属であ
るアルミニウム箔を公知の方法でエッチング処理して多
孔質化した後、化成処理によりその表面に酸化皮膜を形
成し、そしてこのアルミニウム化成箔を図1に示すよう
な突起部21を有する櫛形電極22に打ち抜く。また前
記突起部21の所定の位置には絶縁体層23を設け、陰
極部24と陽極部25に区分する。なお、前記アルミニ
ウム箔の打ち抜きは、金属箔の状態で行った後、エッチ
ング、化成処理を行っても良いが、生産性を考えると、
広い幅の化成済みの箔で行うのが得策である。また、絶
縁体層23はアルミニウム化成箔を打ち抜いた後、絶縁
塗料を塗布することにより設けても良いが、アルミニウ
ム化成箔の所定の位置に予め接着剤を塗布した絶縁テー
プ、たとえば耐熱性のポリイミドテープを貼り付けてお
き、その後、打ち抜いて図1に示すような櫛形電極22
を構成しても良い。
【0015】次いで、少なくとも陰極部24の全面以上
を化成液中に浸漬して切断面及び酸化皮膜の修復化成を
行ってから、櫛形電極22の陰極部24の部分を硝酸マ
ンガンの水溶液中に浸漬した後、約300℃で10分間
熱処理し、図2(b)に示すように二酸化マンガンより
なる導電物質層26を形成する。この後、熱処理により
劣化した酸化皮膜を修復するため、再化成を行った方が
万全ではあるが、この再化成は省略しても良い。
【0016】次に、図3に示すように、電解重合して導
電性高分子を形成するピロールと支持電解質としてのト
リイソプロピルナフタレンスルフォン酸とを水に溶解し
た電解重合液27を、対極を兼用するステンレス製の容
器28内に入れ、そしてこの容器28内に、櫛形電極2
2を絶縁体層23の中途まで浸漬し、さらに櫛形電極2
2に対応した形のステンレス電極29の先端が陰極部2
4の導電物質層26に極力近い絶縁体層23の部分に接
触した状態で、ステンレス電極29を陽極、かつ容器2
8を陰極として電圧を印加することにより電解重合を行
い、図2(b)に示すように導電性高分子膜30を導電
物質層26の上に形成する。
【0017】さらにこの導電性高分子膜30の上に図2
(b)に示すように、公知の方法でグラファイト層31
と銀ペイント層32を順次形成する。この場合、グラフ
ァイト層31は薄いため、通常の浸漬して焼き付ける方
法で良いが、銀ペイント層32の場合は浸漬方式では下
部が厚くなって積層時の弊害となるため、印刷方式など
の均一な塗布方法が好ましい。こうして完成した櫛形電
極22において、図1および図2(a),(b)のC−
C線の部分で突起部21を切断し、単一のコンデンサ素
子33を構成する。この場合、櫛形電極22の状態でそ
のまま積層する手段もあるが、生産上の歩留まりと後の
組立工程との関連からすれば、この手段は得策ではな
い。例えば、単一のコンデンサ素子33で90%の歩留
まりとすると、5枚の単一のコンデンサ素子33を櫛形
電極22の状態で積層した場合、それだけで59%の歩
留まりの確率となる。したがって、単一のコンデンサ素
子33の状態で良否の判別を行い、それらを積層した方
が有利なことは自明の理である。
【0018】次に、図4および図5(a),(b)に示
すような引出し端子を兼ねるコム(金属枠)34上に単
一のコンデンサ素子33を積層して設置するが、ここで
は、引出し端子を兼ねるコム34としては、厚さ0.1
mmの平板を打ち抜いた鉄基材に銅3μm,錫1μmのメ
ッキを施して使用した。そしてこのコム34はあらかじ
め図5(a)の陰極搭載部35および陽極搭載部36の
破線で示す部分を直角に曲げておき、そしてコンデンサ
素子33の陰極部24間とコム34の間に接着剤として
少量の銀ペイントを塗布し、単一のコンデンサ素子33
を複数枚積層して装填する。さらに、コム34の陽極搭
載部36の先端部37をさらに90度折り曲げ、すなわ
ち、陽極搭載部36は全体で180度折り曲げて図5
(b)および図6に示すように複数枚積層したコンデン
サ素子33の陽極部25を密着させた状態でコム34に
より挾み込んだ形としている。そしてこの状態でコム3
4の陽極搭載部36における先端部37の上部からレー
ザ溶接を行った。この場合、溶接点は2点または3点と
した。
【0019】このレーザ溶接を良好に行うためには、レ
ーザ光を当てたスポット部分の複数枚のアルミニウム箔
を構成する弁金属と引出し端子を兼ねるコム34を構成
する金属を溶融し、均一に混合または合金化された状態
とする必要がある。前記引出し端子を兼ねるコム34は
一般に鉄を基材とし、これに半田と合金化し易い金属、
例えば銅,ニッケル,錫などのメッキが施されたもの
で、鉄の融点が1535℃であるのに対し、弁金属はア
ルミニウムの融点が660℃、タンタルの融点が299
6℃、ニオブの融点が2468℃という具合に鉄と弁金
属の融点がかけ離れているため、両者を同時に溶融しよ
うとすると融点の低い金属が蒸発して失われ、孔が空く
などの現象を生じ易い。また、これに加え、複数枚のア
ルミニウム箔の表面に施された酸化皮膜を突き破るエネ
ルギーが同時に必要となるものである。
【0020】さらに、コンデンサ素子33を積層したと
きに陽極部25の厚さは例えば100μmのアルミニウ
ム箔を5枚重ねたとすると計500μmとなるのに対
し、陰極部24の厚さは導電性高分子膜30および導電
体層31,32の厚さを加えて1枚当たり約0.5mm
で、5枚では2.5mmにも達するため、溶接される陽極
部25を構成するアルミニウム箔間ではそのまま重ねた
だけでは約0.4mmの空間が存在することになる。
【0021】しかるに、本発明の一実施例においては、
上記したように、引出し端子を兼ねるコム34の陽極搭
載部36の先端部37をさらに90度折り曲げ、すなわ
ち、陽極搭載部36を全体で180度折り曲げて図5
(b)および図6に示すように複数枚積層したコンデン
サ素子33の陽極部25を密着させた状態でコム34に
より挾み込んだ形としているため、この状態で、コム3
4の陽極搭載部36における先端部37の上部からレー
ザ溶接を行うと、理想的な溶接の状態が得られる。すな
わち、図7(a)に示すように、コム34の陽極搭載部
36における金属とコンデンサ素子33における陽極部
(この例の場合はアルミニウム箔)25が溶融して一体
38となっており、しかもレーザの入射側のみならず、
裏面からも溶解痕が認められるものである。この溶解部
のX線マイクロアナライザによる成分分析図を図8に示
したが、この図8からもAl,Fe,Cu,Snが一様
に溶解していることがわかる。また、レーザ光が強すぎ
ると、図7(b)のように低融点金属が主に蒸発して孔
39があいた状態となる。例えば、SI(ステップ・イ
ンデックス)方式の光学ファイバーを使用すると、広く
浅く溶解しやすいため、底まで溶解しようとすると、図
7(b)のようになりやすい。また、複数枚積層したコ
ンデンサ素子33の陽極部25のアルミニウム箔間に空
間ギャップが存在すると、均一に溶解させることができ
ないため、溶接できないかまたは似たような状態とな
る。一方、レーザ光が弱すぎると、底まで溶解できない
ことは勿論のこと、溶接の是非が確認できない。
【0022】また、本発明の一実施例におけるレーザ溶
接の溶接条件については、まず発振方式は炭酸ガスレー
ザ方式に比べ、YAGレーザ方式が小エネルギーに適し
ているため、YAGレーザ方式を選択した。そしてレー
ザ光のモードを微小エネルギーで小スポットに集中して
連続して供給し、小さな面積で深く複数枚の金属を溶融
させるために、SI(ステップ・インデックス)方式の
光学ファイバーではなく、GI(グレーテッド・インデ
ックス)方式の光学ファイバーを用いた。
【0023】そして本発明の一実施例においては、コム
34の陽極搭載部36における金属とコンデンサ素子3
3における陽極部25をレーザ溶接した後、陰極部を構
成する銀ペイント層32を硬化させ、さらに成形用金型
にコム34を設置し、エポキシ樹脂でモールド成形した
後、端子部を切断し、固体電解コンデンサを取り出し
た。この固体電解コンデンサの外観を図9に示す。この
固体電解コンデンサ40における陽極端子41および陰
極端子42は上記コム34をそのまま利用しているもの
で、この場合、モールド樹脂に沿って陽極端子41と陰
極端子42を折り曲げれば、チップ形固体電解コンデン
サを得ることができる。
【0024】(実施例2)コム34の陽極搭載部36に
おける金属とコンデンサ素子33における陽極部25の
溶接をレーザ溶接で行う。この場合、レーザ溶接はSI
(ステップ・インデックス)方式の光学ファイバーを用
い、その他は実施例1と同じ条件で固体電解コンデンサ
を製作した。
【0025】(比較例)コム34の陽極搭載部36にお
ける金属とコンデンサ素子33における陽極部25の溶
接を抵抗溶接で行い、その他は実施例1と同じ条件で固
体電解コンデンサを製作しようとしたが、陽極部25を
構成する複数枚のアルミニウム箔の溶接を抵抗溶接で行
うのは困難で固体電解コンデンサを構成することはでき
なかった。
【0026】なお、化成電圧28Vで突起部21の寸法
が3×7mmのアルミニウム箔を5枚積層して製作した実
施例1および実施例2の固体電解コンデンサ各10個の
初期特性と熱衝撃試験(−40℃30分間保持,105
℃30分間保持を交互に100回繰り返す試験)による
信頼性試験をした結果は(表1)と(表2)に示す通り
であった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】上記(表1),(表2)から明らかなよう
に、(表1)に示す実施例1においては、高周波領域
(500kHz)におけるインピーダンスはほとんど変化
していなかったが、(表2)に示す実施例2において
は、試験後におけるインピーダンスが大幅に高くなって
いるのが見受けられた。
【0030】なお、上記実施例においては、陽極部25
をアルミニウム箔で構成したものについて説明したが、
これに限定されるものではなく、他の弁金属箔、例えば
タンタル,ニオブなどで構成しても良い。また導電性高
分子膜30はポリピロールよりなる導電性高分子で構成
したものについて説明したが、他の導電性高分子、例え
ばポリフラン,ポリチオフェンよりなる導電性高分子で
構成しても、製造条件が異なるだけで本発明の要件を損
うものではない。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明の固体電解コンデン
サの製造方法によれば、複数枚積層された弁金属よりな
るコンデンサ素子における他方の部分(陽極部)を引出
し端子を兼ねるコムの別の部分に積層するとともに、こ
のコムの別の部分の先端部を180度折り曲げて、複数
枚のコンデンサ素子における他方の部分(陽極部)を密
着させた状態で挾み込んでいるため、複数枚の弁金属よ
りなるコンデンサ素子における他方の部分(陽極部)間
に空間ギャップが生じることはなくなり、その結果、複
数枚の弁金属よりなるコンデンサ素子の陽極部と引出し
端子を兼ねるコムとをレーザ溶接により接続する場合、
理想的な溶接状態を実現することができるため、信頼性
の高い溶接法が得られ、これにより、高周波領域におい
て低インピーダンスで小形大容量の固体電解コンデンサ
を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用した複数の突起部を有す
る櫛形電極の平面図
【図2】(a)導電性高分子膜や導体層を形成してコン
デンサ素子を完成させた櫛形電極の突起部の拡大図 (b)(a)におけるA−A線断面図
【図3】本発明の実施例における導電性高分子膜を形成
する電解重合層の概略図
【図4】本発明の実施例に使用した引出し端子を兼ねる
コム(金属枠)の横断面図
【図5】(a)図4のB−B線で示されるコムの部分拡
大図 (b)(a)におけるコム部にコンデンサ素子を積層し
て充填した状態を示す概要図
【図6】図5(b)におけるD−D線で示す本発明の実
施例のコンデンサ素子を複数枚積層した状態の側断面図
【図7】(a)本発明のレーザ溶接による陽極部の理想
的な溶融溶接状態を示す断面図 (b)本発明の実施例2の不満足な溶接状態を示す断面
【図8】本発明のレーザ溶接における溶解部のX線マイ
クロアナライザによる成分分析を示すグラフ
【図9】本発明の実施例で製作した固体電解コンデンサ
の外観を示す斜視図
【図10】(a)従来例を示すアルミニウムエッチド箔
の側部に設けた突起部の拡大図 (b)(a)におけるE−E線断面図
【図11】従来例を示す複数の突起部を設けたアルミニ
ウムエッチド箔の平面図
【図12】(a)従来例を示す複数枚のコンデンサ素子
を積層した状態の側面図 (b)同平面図
【符号の説明】
22 櫛形電極 23 絶縁体層 24 陰極部 25 陽極部 26 導電物質層 30 導電性高分子膜 31 グラファイト層 32 銀ペイント層 33 コンデンサ素子 34 コム 36 陽極搭載部 37 陽極搭載部の先端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 賢二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中島 秀郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山下 実 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−171223(JP,A) 特開 平1−278011(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/012 H01G 9/00 H01G 9/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化皮膜を形成した弁金属よりなる箔を絶
    縁体層で区分し、この区分された一方の部分(陰極部)
    に導電物質層,導電性高分子膜、グラファイト層と銀ペ
    イント層からなる導体層を順次形成してコンデンサ素子
    を構成し、かつこのコンデンサ素子を複数枚積層すると
    ともに、この複数枚のコンデンサ素子における一方の部
    分(陰極部)を引出し端子を兼ねるコムの一部分に積層
    して接続し、さらに前記複数枚のコンデンサ素子におけ
    る他方の部分(陽極部)を前記コムの別の部分に積層す
    るとともに、このコムの別の部分の先端部を180度折
    り曲げて、複数枚のコンデンサ素子における他方の部分
    (陽極部)を密着させた状態で挾み込み、この挾み込ん
    だ状態の前記複数枚のコンデンサ素子における他方の部
    分(陽極部)とコムとをレーザ溶接により接続するとと
    もに、全体をモールド樹脂で外装するようにした固体電
    解コンデンサの製造方法。
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