JP5232625B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、複数のコンデンサ素子が積層された固体電解コンデンサに関する。
従来から、固体電解コンデンサを小型化すると共にコンデンサ容量を増大すべく、複数のコンデンサ素子が積層された固体電解コンデンサが提案されている(例えば、特許文献1)。
コンデンサ素子は、陽極体と、該陽極体の外周面のうち一部の領域に形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された電解質層と、該電解質層上に形成された陰極層とから構成されており、陽極体には、弁作用を有する金属から成る箔体の表面に、エッチング処理によって多孔質層を形成したものが用いられている。そして、陽極体のうち外周面が誘電体層によって被覆されずに露出した部分によって、コンデンサ素子の陽極部が構成されると共に、電解質層と陰極層によってコンデンサ素子の陰極部が構成されている。
積層された複数のコンデンサ素子は、隣接するコンデンサ素子の陽極部どうしがレーザ溶接により互いに電気的に接続されると共に、陰極部どうしが互いに導電性接着剤により互いに電気的に接続されている。
又、従来の固体電解コンデンサでは、何れのコンデンサ素子に対しても、陽極部の同じ領域にレーザ溶接が施されていた。
特開2003−257788号公報
しかしながら、コンデンサ素子の陽極体の表面には多孔質層が形成されているので、溶接によってコンデンサ素子の陽極部が溶解した場合、溶解した部分の体積は減少することとなる。従って、溶接が施された領域には陽極部の表面に窪みが形成されることとなる。
このため、陽極部の同じ領域にレーザ溶接を施しながら、コンデンサ素子を1つずつ積層していった場合、コンデンサ素子の積層数が増加するに従って、形成される窪みの深さが大きくなり、隣接する陽極部どうしの接合強度が低下するという問題があった。接合強度が低いと、陽極間に接合不良が生じてコンデンサ容量が不足してしまう虞がある。
又、複数のコンデンサの陽極部を、一度のレーザ溶接で纏めて接続する方法が提案されているが、レーザが最下層のコンデンサ素子まで到達しない場合があり、最下層のコンデンサ素子と上層のコンデンサ素子の陽極部間に接合不良が生じ易かった。
そこで本発明の目的は、コンデンサ素子の陽極部間の接合不良が生じにくい固体電解コンデンサを提供することである。
本発明に係る固体電解コンデンサは、複数のコンデンサ素子が積層されると共に、隣接する2つのコンデンサ素子の陽極部どうしが溶接によって電気的に接続されている。溶接にはレーザ溶接を用いることが出来る。
そして、隣接する第1コンデンサ素子と第2コンデンサ素子の陽極部どうしが溶接された第1溶接部と、隣接する第2コンデンサ素子と第3コンデンサ素子の陽極部どうしが溶接された第2溶接部とが、積層方向に対して垂直な方向にずれており、第1溶接部と第2溶接部とには重複した部分がない。
固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子の陽極部には、弁作用を有する金属の箔体から成る陽極体の表面に、エッチング処理によって多孔質層を形成したものを用いることが多く、該多孔質層が表面に形成された陽極体をコンデンサ素子の陽極部として用いた場合、溶接により陽極部の一部が溶解した際に、溶解した部分の体積が減少することとなる。従って、溶接が施された領域には陽極部の表面に窪みが形成されることとなる。
しかし、上記コンデンサによれば、第1溶接部と第2溶接部とが積層方向に対して垂直な方向にずれ、しかも第1溶接部と第2溶接部には重複した部分がないので、コンデンサ素子の積層数が増加した場合でも、形成される窪みの深さが大きくなることがなく、従って、陽極部間の接合強度の低下が抑制されることとなる。
具体的構成において、前記第1溶接部及び第2溶接部のそれぞれは、互いに離間した複数の領域に形成されている。
該具体的構成によれば、複数の領域に第1溶接部及び第2溶接部を形成することにより、陽極部間の接合強度を高めると共に、陽極部間の電気抵抗を低下させることが出来る。
他の具体的構成において、前記第1コンデンサ素子の陽極部には、前記第2コンデンサ素子とは反対側の表面に陽極端子が溶接によって電気的に接続されており、該陽極部と陽極端子とが溶接された第3溶接部と、前記第1溶接部とは、積層方向に対して垂直な方向にずれており、第1溶接部と第3溶接部とには重複した部分がない。
本発明に係る固体電解コンデンサは、コンデンサ素子の陽極部間の接合不良が生じにくい。
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサは、以下に説明する素子積層工程と、樹脂被覆工程と、切断工程とを順に実行することにより作製されるものである。
素子積層工程では、図6(a)に示す如く、フレーム材6の上面に複数のコンデンサ素子1を積層することによって、積層体71を形成する。フレーム材6には、図1に示す如く、固体電解コンデンサの陽極端子3となる陽極フレーム部61と、該固体電解コンデンサの陰極端子4となる陰極フレーム部62とが形成されている。
コンデンサ素子1は、図2に示す如く、陽極体11と、陽極体11の外周面のうち一部の領域に形成された誘電体層12と、誘電体層12上に形成された電解質層13と、電解質層13上に形成された陰極層14とから構成されている。そして、陽極体11のうち外周面が誘電体層12によって被覆されずに露出した部分によって、コンデンサ素子1の陽極部11aが構成されると共に、電解質層13と陰極層14によってコンデンサ素子1の陰極部が構成されている。
陽極体11には、弁作用を有する金属から成る箔体の表面に、エッチング処理によって多孔質層を形成したものが用いてられており、弁作用を有する金属には、例えばアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンなどが用いられる。
誘電体層12は、陽極体11の外周面の一部を酸化することによって形成された酸化皮膜から構成されている。具体的には、陽極体11の一部をリン酸水溶液やアジピン酸水溶液などの電解溶液に浸漬させ、陽極体11の表面を電気化学的に酸化させること(陽極酸化)により、陽極体11のうち電解溶液に浸漬された部分の外周面に誘電体層12が形成される。
電解質層13は、二酸化マンガン等の導電性無機材料、TCNQ(Tetracyano-quinodimethane)錯塩、導電性ポリマー等の導電性有機材料などから構成されている。具体的には、誘電体層12が形成された陽極体11を化学重合液に浸漬させることにより、化学反応によって誘電体層12上に電解質層14が形成される。尚、陽極体11を電解液に浸漬させ、電解反応によって誘電体層12上に電解質層14を形成してもよい。
陰極層14は、電解質層13上に形成されたカーボン層と、該カーボン層上に形成された銀ペースト層とから構成され、電解質層14と電気的に接続されている。
素子積層工程では、まず図1に示す様に、積層すべき複数のコンデンサ素子1のうち第1コンデンサ素子1Aを、フレーム材6の上面に搭載する。このとき、第1コンデンサ素子1Aは、その陽極部11aの下面がフレーム材6の陽極フレーム部61の上面に接触又は近接するように配置されると共に、陰極層14が、フレーム材6の陰極フレーム部62の上面に導電性接着剤8によって接着される。
フレーム材6の表面に第1コンデンサ1Aを搭載した状態で、図3(a)及び図3(b)に示す如く、第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aの内、互いに離間した2つの領域R2,R2にレーザLを照射する。レーザLには、例えばYAGレーザなど種々のレーザが用いられる。
これにより、図7に示す如く、2つの領域R2,R2のそれぞれに、第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aとフレーム材6の陽極フレーム部61とがレーザ溶接された溶接部92,92が形成される。その結果、第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aには、フレーム材6の陽極フレーム部61が電気的に接続されることとなる。
尚、陽極部11aには、弁作用を有する金属から成る箔体の表面に多孔質層を形成したものが用いられているので、溶接により陽極部11aの一部が溶解した際に、溶解した部分の体積が減少することとなる。従って、図7に示す様に、2つの溶接部92,92を形成すべく溶接が施された2つ領R2,R2には、陽極部11aの上面に窪みが形成されることとなる。
照射するレーザは、レーザ溶接によって陽極部11aと陽極フレーム部61の両方が溶解するように、強度(エネルギー)及び照射時間が調節される。又、レーザの強度(エネルギー)及び照射時間は、コンデンサ素子の陽極部11aに用いられる金属や陽極部11aの形状ごとに調節される。
陽極部11aの表面に酸化皮膜が形成されていると、溶接部92での電気抵抗が増大する虞があるので、第1コンデンサ素子1Aをフレーム材6の上面に載置する前に、陽極部11aの外周面に対して酸化皮膜の除去処理を施してもよい。該処理には例えばレーザが用いられる。
次に、図4(a)に示す如く、積層すべき複数のコンデンサ素子1のうち第2コンデンサ素子1Bを、第1コンデンサ素子1Aに対して上方から積層する。このとき、第2コンデンサ素子1Bは、その陽極部11aの下面が第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aの上面に接触又は近接するように配置されると共に、陰極層14が、第1コンデンサ素子1Aの陰極層14に導電性接着剤によって接着される。
第1コンデンサ1Aに第2コンデンサ素子1Bを積層した状態で、図4(a)及び図4(b)に示す如く、第2コンデンサ素子1Bの陽極部11aの内、互いに離間した2つの領域R1,R1にレーザLを照射する。
ここで、各領域R1は、積層方向に対して垂直な方向に領域R2からずれた領域であり、領域R1と領域R2には重複した部分がない。そして、本実施の形態においては、図4(b)に示す様に2つの領域R1,R1は、積層方向に対して垂直な方向において2つの領域R2,R2を間に挟むように配置されている。
上述の如く2つの領域R1,R1にレーザLを照射することにより、図8に示す如く、2つ領域R1,R1のそれぞれに、第2コンデンサ素子1Bの陽極部11aと第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aとがレーザ溶接された溶接部91,91が形成される。その結果、第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aと第2コンデンサ素子1Bの陽極部11aとが、互いに電気的に接続されることとなる。
尚、陽極部11aには、弁作用を有する金属から成る箔体の表面に多孔質層を形成したものが用いられているので、上述した2つの領域92,92と同様、2つの溶接部91,91を形成すべく溶接が施された2つの領域R1,R1にも、陽極部11aの上面に窪みが形成されることとなる(図8参照)。
更に、図5(a)に示す如く、積層すべき複数のコンデンサ素子1のうち第3コンデンサ素子1Cを、第2コンデンサ素子1Bに対して上方から積層する。このとき、第3コンデンサ素子1Cは、その陽極部11aの下面が第2コンデンサ素子1Bの陽極部11aの上面に接触又は近接するように配置されると共に、陰極層14が、第2コンデンサ素子1Bの陰極層14に導電性接着剤によって接着される。
第2コンデンサ1Bに第3コンデンサ素子1Cを積層した状態で、図5(a)及び図5(b)に示す如く、第3コンデンサ素子1Cの陽極部11aの内、第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aに対してレーザLを照射したのと同じ2つの領域R2,R2にレーザLを照射する。
これにより、図9に示す如く、2つ領域R2,R2のそれぞれに、第3コンデンサ素子1Cの陽極部11aと第2コンデンサ素子1Bの陽極部11aとがレーザ溶接された溶接部92,92が形成される。その結果、第2コンデンサ素子1Bの陽極部11aと第3コンデンサ素子1Cの陽極部11aとが、互いに電気的に接続されることとなる。
上記方法によりフレーム材6の上面には3つのコンデンサ素子1が積層されるが、更に多くのコンデンサ素子1を積層する場合には、第1コンデンサ素子1Aに対して第2コンデンサ素子1Bと第3コンデンサ素子1Cを順に積層したのと同様に、第3コンデンサ素子1Cに対して、コンデンサ素子1を繰り返し積層すればよい。これにより、フレーム材6の上面に複数のコンデンサ素子1が積層された積層体71が形成されることとなる。
即ち、偶数番目に積層されるコンデンサ素子1については、該コンデンサ素子1の陽極部11aの内、第2コンデンサ素子1Bの陽極部11aに対してレーザLを照射したのと同じ2つの領域R1,R1に、レーザLを照射して溶接部91,91を形成する。これにより、偶数番目に積層されるコンデンサ素子1の陽極部11aと、該コンデンサ素子1に対して下方から隣接するコンデンサ素子1(奇数番目に積層されるコンデンサ素子1)の陽極部11aとが電気的に接続されることとなる。
一方、奇数番目に積層されるコンデンサ素子1については、該コンデンサ素子1の陽極部11aの内、第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aに対してレーザLを照射したのと同じ2つの領域R2,R2に、レーザLを照射して溶接部92,92を形成する。これにより、奇数番目に積層されるコンデンサ素子1の陽極部11aと、該コンデンサ素子1に対して下方から隣接するコンデンサ素子1(偶数番目に積層されるコンデンサ素子1)の陽極部11aとが電気的に接続されることとなる。
尚、図6(a)及び図6(b)、並びに図10には、第3コンデンサ素子1Cに対して、更に2つのコンデンサ素子1D,1Eを順に積層した場合が示されている。
樹脂被覆工程では、図11(a)に示す如く、積層体71を外装樹脂2によって被覆することによって、素子ブロック72を作製する。このとき、図11(b)に示す如く、外装樹脂2の下面2cからは、フレーム材6の陽極フレーム部61及び陰極フレーム部62の下面を露出させておく。尚、外装樹脂2には、エポキシ樹脂などの樹脂材が用いられる。
切断工程では、図12において一点鎖線で示す様に、素子ブロック72に切断加工を施す。具体的には、フレーム材6の陽極フレーム部61を外装樹脂2の前面2aに沿って切断すると共に、フレーム材6の陰極フレーム部62を外装樹脂2の背面2bに沿って切断する。
これにより、図13(a)及び図14に示す如く、陽極端子3及び陰極端子4の上面に複数のコンデンサ素子1が積層された固体電解コンデンサが作製される。図13(b)に示す様に該固体電解コンデンサにおいては、切断された陽極フレーム部61及び陰極フレーム部62によって陽極端子3及び陰極端子4が構成されると共に、外装樹脂2の下面2cから露出した陽極フレーム部61及び陰極フレーム部62の下面によって、陽極端子面31及び陰極端子面41が構成されることとなる。
又、上記固体電解コンデンサにおいては、隣接する2つのコンデンサ素子の陽極部11a,11aどうしが、レーザ溶接によって電気的に接続されており、奇数番目に積層されたコンデンサ素子1の陽極部11aと該コンデンサ素子1上に積層されたコンデンサ素子1の陽極部11aとが溶接された溶接部91と、偶数番目に積層されるコンデンサ素子1の陽極部11aと該コンデンサ素子1上に積層されたコンデンサ素子1の陽極部11aとが溶接された溶接部92とが、積層方向に対して垂直な方向にずれており、溶接部91と溶接部92とには重複した部分がない。
更に、陽極端子3と、その上面に1番目に積層された第1コンデンサ素子1Aの陽極部11aとは、溶接部92において溶接されており、これにより互いに電気的に接続されている。
溶接部91,92を形成すべく溶接を施した領域R1,R2には、上述したように陽極部11aの上面に窪みが形成されるが(図10参照)、上記固体電解コンデンサによれば、溶接部91と溶接部92とは積層方向に対して垂直な方向にずれ、しかも溶接部91と溶接部92には重複した部分がないので、コンデンサ素子1の積層数が増加した場合でも、形成される窪みの深さが大きくなることがなく、従って、陽極部11a,11a間の接合強度の低下が抑制されることとなる。
よって、陽極部11a,11a間の接合不良が生じにくく、その結果、作製された固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ容量が不足した不良品が生じにくくなる。
更に又、上記固体電解コンデンサにおいては、互いに離間した複数の領域R1に溶接部91が形成されると共に、互いに離間した複数の領域R2に溶接部92が形成されているので、陽極部11a,11a間の接合強度を高めると共に、陽極部11a,11a間の電気抵抗を低下させることが可能となっている。
本願発明者は、上述した固体電解コンデンサにおいてコンデンサ容量が不足した不良品が生じにくいことを、実験によって確かめている。該実験では、陽極体11として、エッチング処理により表面に多孔質層が形成されたアルミニウム箔を用い、そのサイズを幅3.45mm、長さ5.9mm、厚さ110μm〜120μmとした。そして、アルミニウム箔の外周面には、誘電体層12となる酸化アルミニウム(Al2O3)皮膜を、0.01wt%〜2wt%のリン酸水溶液又はアジピン酸水溶液を用いて形成した。又、誘電体層12上には、電解質層13となるポリチオフェン層を、3,4−エチレンジオキシチオフェン、P−トルエンスルホン酸鉄(III)、1−ブタノールからなる化学重合液を用いて形成した。
更に、コンデンサ素子1の積層数を5つとし、固体電解コンデンサの外寸を幅4.3mm、長さ7.3mm、厚さ1.8mmとした。又、レーザ溶接にはYAGレーザを用い、そのエネルギーを100J/P(パルス幅10ms)とし、溶接時の照射時間を0.125sとした。
そして、図10に示す如く溶接部91,92の位置を積層方向に対して垂直な方向にずらした固体電解コンデンサのサンプルS1と、溶接部91,92の位置を積層方向に対して垂直な方向において一致させた従来の固体電解コンデンサのサンプルS2とを、それぞれ100個ずつ用意した。尚、何れのサンプルS1,S2についても、コンデンサ容量の目標値は220μFである。
用意したサンプルS1とサンプルS2のそれぞれに対して、コンデンサ容量の測定を行い、測定値が目標値(220μF)に達していない不良品の数を測定した。その結果、従来品であるサンプルS2については不良品数が30であった。これに対して、サンプルS1については不良品数が0であった。
従って、溶接部91,92が重複することがないように、溶接部91,92の位置を積層方向に対して垂直な方向にずらすことにより、コンデンサ容量が不足した不良品が生じにくくなることが確かめられた。
図15〜図18は、上記固体電解コンデンサ及びその製造方法に対する改良形態の例を示している。該改良形態においては、図15〜図18に示す様に領域R1と領域R2とが、積層方向に対して垂直な方向において交互に位置にするように配置されている。
上記改良形態においても、上述した固体電解コンデンサと同様、コンデンサ素子1の積層数が増加した場合でも、形成される窪みの深さが大きくなることがなく、作製された固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ容量が不足した不良品が生じにくくなる。
本願発明者は、本改良形態に係る固体電解コンデンサについても、上述した実験と同様の実験を行って、コンデンサ容量が不足した不良品が生じにくいことを確かめた。実験の結果、本改良形態に係る固体電解コンデンサについての不良品数は0であった。
図19〜図22は、上記固体電解コンデンサ及びその製造方法に対する他の改良形態の例を示している。該改良形態では、樹脂被覆工程において、図19(a)に示す如く積層体71を外装樹脂2によって被覆する際に、図19(b)に示す様に、フレーム材6の陽極フレーム部61及び陰極フレーム部62の下面も、外装樹脂2によって被覆する。
そして切断工程では、図20(a)において一点鎖線で示す様に、フレーム材6の陽極フレーム部61を、外装樹脂2の前面2aから前方に離間した位置にて切断すると共に、フレーム材6の陰極フレーム部62を、外装樹脂2の背面2bから後方に離間した位置にて切断する。
これにより、図20(b)に示す如く、外装樹脂2の前面2aから前方に陽極フレーム部61が突出すると共に、外装樹脂2の背面2bから後方に陰極フレーム部62が突出した素子体73が作製される。
本改良形態においては、切断工程の後に、更に端子形成工程を実行する。端子形成工程では、図21(a)及び図21(b)に示す如く、陽極フレーム部61を、外装樹脂2の前面2aと下面2cとに沿うように折り曲げることによって陽極端子3を形成し、陰極フレーム部62を、外装樹脂2の背面2bと下面2cとに沿うように折り曲げることによって、陰極端子4を形成する。
これにより、図22に示す如く、外装樹脂2内において陽極端子3及び陰極端子4の上面に複数のコンデンサ素子1が積層された固体電解コンデンサが作製される。該固体電解コンデンサにおいては、陽極端子3及び陰極端子4のうち外装樹脂2の下面2cに沿って延びた部分の下面によって、陽極端子面31及び陰極端子面41が構成されることとなる。
図23は、上記固体電解コンデンサに対する更に他の改良形態の例を示している。該改良形態に係る固体電解コンデンサは、陽極端子3及び陰極端子4の上面側に3つのコンデンサ素子1が積層されると共に、陽極端子3及び陰極端子4の下面側に2つのコンデンサ素子1が積層されたものである。
陽極端子3及び陰極端子4の下面側に複数のコンデンサ素子1を積層する場合も、上面側に複数のコンデンサ素子1を積層する場合と同様、上述した素子積層工程が実行される。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。上述した固体電解コンデンサにおいては、溶接部は、互いに離間した2つの領域に形成されたが、例えば互いに離間した3つ以上の領域に形成されてもよいし、1つの領域にだけ形成されてもよい。
又、上述した固体電解コンデンサにおいては、溶接部を形成する場合、奇数番目に積層されるコンデンサ素子、或いは偶数番目に積層されるコンデンサ素子については、陽極部に対して同じ領域にレーザを照射したが、これに限られるものではなく、積層されるコンデンサ素子ごとに、レーザ照射する領域を異ならせてもよい。但し、隣接するコンデンサ素子については、レーザ照射する領域に重複した部分が生じないように、該領域を積層方向に対して垂直な方向にずらす必要がある。
更に又、上述した固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子1の誘電体層12は、コンデンサ素子1の陽極部11aの表面には形成されていなかったが、本発明に係る固体電解コンデンサの構成は、これに限られるものではない。即ち、本発明に係る固体電解コンデンサは、陽極部11aの表面にも誘電体層12が形成された構成を有していてもよい。
この場合、コンデンサ素子1は、次のようにして作製される。まず、ロール状に巻かれた陽極箔の表面全体に、陽極酸化によって酸化被膜を形成する。その後、陽極箔を所定のサイズに切断し、切断面に酸化被膜を形成することにより、前記酸化被膜からなる誘電体層12が外周面全体に形成された陽極体11を作製する。そして、誘電体層12の外周面の一部に電解質層13及び陰極層14を形成する。
陽極部11aの表面にも誘電体層12が形成されたコンデンサ素子1を積層する場合であっても、上述した素子積層工程と同じ処理を実行するだけで、隣接するコンデンサ素子1の陽極部11aどうしを電気的に接続することが可能である。なぜなら、レーザ溶接を行うことにより、レーザが照射された領域において陽極体11が溶解するのに伴って、誘電体層12が分断され、溶解した陽極体11の一部が誘電体層12を突き破るからである。
本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサに関して、素子積層工程において第1コンデンサ素子を積層する前の状態を示す斜視図である。 コンデンサ素子の断面図である。 該素子積層工程における第1コンデンサ素子の積層状態を示した(a)斜視図及び(b)平面図である。 該素子積層工程における第2コンデンサ素子の積層状態を示した(a)斜視図及び(b)平面図である。 該素子積層工程における第3コンデンサ素子の積層状態を示した(a)斜視図及び(b)平面図である。 該素子積層工程において5つのコンデンサ素子を積層した状態を示した(a)斜視図及び(b)平面図である。 図3に示すVII−VII線に沿う断面図である。 図4に示すVIII−VIII線に沿う断面図である。 図5に示すIX−IX線に沿う断面図である。 図6に示すX−X線に沿う断面図である。 樹脂被覆工程によって作製された素子ブロックを、(a)上方から見た斜視図、及び(b)下方から見た斜視図である。 切断工程において切断する位置を一点鎖線によって示した斜視図である。 切断工程の実行によって作製された固体電解コンデンサを、(a)上方から見た斜視図、及び(b)下方から見た斜視図である。 図13(a)に示すXIV−XIV線に沿う断面図である。 上記固体電解コンデンサの改良形態に関して、素子積層工程における第1コンデンサ素子の積層状態を示した(a)平面図、及びXV−XV線に沿う断面図である。 該素子積層工程における第2コンデンサ素子の積層状態を示した(a)平面図、及びXVI−XVI線に沿う断面図である。 該素子積層工程における第3コンデンサ素子の積層状態を示した(a)平面図、及びXVII−XVII線に沿う断面図である。 該素子積層工程において5つのコンデンサ素子を積層した状態を示した(a)平面図、及びXVIII−XVIII線に沿う断面図である。 上記固体電解コンデンサの他の改良形態に関して、樹脂被覆工程によって作製された素子ブロックを、(a)上方から見た斜視図、及び(b)下方から見た斜視図である。 (a)切断工程において切断する位置を一点鎖線によって示した斜視図、及び(b)切断工程の実行によって作製された素子体を示す斜視図である。 端子形成工程において、陽極フレーム部及び陰極フレーム部を折り曲げる(a)前の状態及び(b)後の状態を示した斜視図である。 図21(b)に示すXXII−XXII線に沿う断面図である。 上記固体電解コンデンサの更に他の改良形態を示す断面図である。
符号の説明
1 コンデンサ素子
11 陽極体
11a 陽極部
12 誘電体層
13 電解質層
14 陰極層
2 外装樹脂
3 陽極端子
4 陰極端子
91,92 溶接部

Claims (4)

  1. 複数のコンデンサ素子が積層されると共に、隣接する2つのコンデンサ素子の陽極部どうしが溶接によって電気的に接続されている固体電解コンデンサにおいて、
    隣接する第1コンデンサ素子と第2コンデンサ素子の陽極部どうしが溶接された第1溶接部と、隣接する第2コンデンサ素子と第3コンデンサ素子の陽極部どうしが溶接された第2溶接部とが、積層方向に対して垂直な方向にずれており、第1溶接部と第2溶接部とには重複した部分がないことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記第1溶接部及び第2溶接部のそれぞれは、互いに離間した複数の領域に形成されている請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記第1コンデンサ素子の陽極部には、前記第2コンデンサ素子とは反対側の表面に陽極端子が溶接によって電気的に接続されており、該陽極部と陽極端子とが溶接された第3溶接部と、前記第1溶接部とは、積層方向に対して垂直な方向にずれており、第1溶接部と第3溶接部とには重複した部分がない請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 溶接にはレーザ溶接が用いられている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
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