JP3591463B2 - 積層型電解コンデンサ用陽極箔および積層型電解コンデンサ - Google Patents

積層型電解コンデンサ用陽極箔および積層型電解コンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型電解コンデンサ用陽極箔および電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にアルミニウム電解コンデンサ用電極箔は、単位面積当たりの静電容量を高めるために、アルミ箔を電気化学的または化学的にエッチング処理することにより、表裏面に通常エッチングピットまたはトンネル状ピットと呼ばれる無数の微細な穴を内部方向に向かって形成している(例えば、特開平3−109711号公報、特開平10−256096号公報等)。エッチングピットは、陽極箔の表裏面に貫通するもの(以下、貫通ピットという)と、貫通しないもの(以下、不貫通ピットという)とがある。特に、貫通タイプの陽極箔は、貫通ピットを電解液が浸透し、陰極箔へのイオン伝導が行われるため、陽極箔を2枚重ねてダブルアノードとして使用できる反面、不貫通タイプの陽極箔と異なり、厚さ方向の中心部に芯と呼ばれる地金部がないため、機械的強度が弱く、化成処理したり、陽極箔を複数枚積層して接続する際に、箔割れしたり切断してしまう。
【0003】
このため、従来は、機械的強度を維持するために、ピット数を少なくしたり、箔の側縁部にエッチングされない帯状の未エッチング部を設けている。また、特開平8−264391号公報に記載された電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法は、別工程によって貫通ピットと不貫通ピットを形成し、さらに別工程で貫通ピットの直径を拡大するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピット数を少なくして貫通ピットが形成されていない部分を多く残すと、単位面積当たりで得られる静電容量が制限されるため、大容量化を図る上で障害になるという問題があった。陽極箔の側縁部に帯状の未エッチング部を設ける場合も、それだけ有効表面積が減少するため、大容量化を図る上で障害になる。
特開平8−264391号公報に記載された電解コンデンサ用陽極箔は、貫通ピットを形成するエッチング工程と、不貫通ピットを形成するエッチング工程と、貫通ピットの直径を拡大するエッチング工程を必要とするため、エッチングの処理工程が多くなり、陽極箔の製作に長時間を要し、生産性が低いという問題があった。
【0005】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、陽極箔の一部に接続用の未エッチング部を設けるという簡単な構造で、静電容量および機械的強度を向上させることができ、複数の陽極箔を確実に接続することができるようにした積層型電解コンデンサ用陽極箔を提供することにある。
また、本発明は、薄型小型化を図ることができる積層型電解コンデンサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、陽極箔の一部に該陽極箔の表面から裏面にまで達する厚さの接続用未エッチング部を設け、この接続用未エッチング部が形成されている部分以外の部分に表裏面にわたって貫通するエッチングピットを形成した積層型電解コンデンサ用陽極箔において、前記接続用未エッチング部の表裏面の面積を異ならせたものである。
この発明においては、未エッチング部が表面から裏面にまで達しているので、未エッチング部の強度を増大させることができる。また、未エッチング部の表面側の面積と裏面側の面積とが異なっているので、陽極箔の内部において未エッチング部に段差ができるため、複数の陽極箔を積層してコールドウエルド法(圧着法)等によって接続する際に、貫通ピットが形成されているエッチング部分と未エッチング部分の厚さ方向の相対的な移動を防止し、互いに分離するのを防止することができる。
【0007】
第2の発明は、陽極箔の一部に該陽極箔の表面から裏面にまで達する厚さの接続用未エッチング部を設け、この接続用未エッチング部が形成されている部分以外の部分に表裏面にわたって貫通するエッチングピットを形成した積層型電解コンデンサ用陽極箔において、前記接続用未エッチング部の表面と裏面を前記陽極箔の面方向にずらしたものである。
このような発明においても、第1の発明と同様に陽極箔の内部において未エッチング部に段差ができるため、複数の陽極箔を積層してコールドウエルド法(圧着法)等によって接続する際に、貫通ピットが形成されているエッチング部分と未エッチング部分の厚さ方向の相対的な移動を防止し、互いに分離するのを防止することができる。
【0011】
3の発明は、上記第1または第2の発明に記載の発明に係る陽極箔を複数枚積層して形成した陽極箔積層体と、この陽極箔積層体に積層された陰極層と、前記陽極箔積層体と前記陰極箔との間に介在された電解紙とでコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸したものである。
【0012】
このような発明においては、貫通ピットが駆動用電解液の通過を可能にするため、陽極箔間に電解紙を介在させる必要がなく、コンデンサを薄型、小型化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る積層型電解コンデンサの一実施の形態を示す概略断面図、図2はコンデンサ素子の要部の断面図、図3は陽極箔の平面図である。
【0014】
図1において、1は弁作用金属としてアルミニウムを用いた積層型アルミ電解コンデンサである。この積層型アルミ電解コンデンサ1は、絶縁材からなるケース本体2と、このケース本体2内に2段に積層されて収納されたコンデンサ素子3と、ケース本体2の上面開口部を液密に閉塞する蓋体4と、ケース本体2内に収納された駆動用電解液5等で構成され、各コンデンサ素子3の陽極タブ6と陰極タブ7(図2)が前記ケース本体2に貫通して設けたプラスとマイナスのラグ端子8,9にそれぞれ電気的に接続されている。
【0015】
図2および図3において、前記コンデンサ素子3は、所定の製品サイズに裁断された複数の陽極箔14を複数枚積層して形成した陽極箔積層体15と、この陽極箔積層体16の表裏面に電解紙17を介して積層された陰極箔18とで構成され、図示しない駆動用電解液が含浸されている。陽極箔積層体15と陰極箔18の上面の一側縁部には、前記陽極タブ6と陰極タブ7の一端部が従来周知のコールドウエルド法(またはかしめつけ法)によってそれぞれ取付けられている。このようなコンデンサ素子3は、含浸工程により前記陽極箔14および電解紙17に電解液が含浸された後、前記ケース2内に収納される。
【0016】
前記陽極箔14は、厚さが100μm程度のアルミ箔に溶液中で電気化学的または化学的エッチング処理を施し、表面と裏面からそれれぞれ内部方向に向かって延びる無数の微細なエッチングピット20を形成した後、化成処理によって表面全体に誘電体としての酸化被膜(Al)を形成したアルミ箔が用いられる。エッチングピット20は、陽極箔14の略全面にわたって形成されており、陽極箔14の厚さ方向中心部付近で互いに連通することにより貫通ピットを形成している。
【0017】
また、陽極箔14の表面の一部には、エッチング時にマスキングされることにより、貫通ピット20が形成されない部分、つまり未エッチング部21(図2の斜線部)が設けられている。この未エッチング部21は、複数の陽極箔14を積層してコールドウエルド法(またはかしめつけ法)により機械的および電気的に接続する際の接続部となる部分であり、また前記陽極タブ6の取付部として用いられる。したがって、以下の説明においては、接続用未エッチング部ともいう。
【0018】
接続用未エッチング21は、図2に示すように陽極箔14の厚さ方向の略中心部にまで達する厚みをもって形成され、この接続用未エッチング部21に対応する裏面側には陽極箔14の厚さ方向中心部に向かって伸長する不貫通なエッチングピット(不貫通ピット)22が形成されている。このような接続用未エッチング部21と不貫通ピット22は、貫通ピット20の形成時に図4に示すように陽極箔14の表面で陽極タブ取付予定部に、例えばポリエステル系樹脂塗料等のマスク剤23を塗布しておくことにより容易に形成することができ、形成後はマスク剤23を溶剤によって除去すればよい。
【0019】
ここで、本実施の形態においは、複数の陽極箔14を積層してコールドウエルド法(またはかしめつけ法)により接続すると、全ての陽極箔14を電気的に接続することができるため、前記陽極タブ6を積層された3枚の陽極箔14のうち最上層の陽極箔14にのみ設けた例を示したが、これに限らず各陽極箔14にそれぞれ設け、リード線で接続してもよい。
【0020】
貫通ピット20、不貫通ピット22および接続用未エッチング21を有する前記陽極箔14を製作するには、純度99.98%以上、厚さ100μmのアルミ箔に以下の工程を施すことにより製作することができる。
一般的にエッチング工程は、まず塩酸、硫酸等の酸を含む酸性水溶液もしくは水酸化ナトリウム等のアルカリを含むアルカリ性水溶液に所定の時間アルミ箔を浸漬し、第一工程のエッチングを行う。この後、塩酸、塩化ナトリウム等の塩化物を含む水溶液に、硫酸、リン酸、硝酸、蓚酸等の皮膜を形成する酸を添加した液中で、電気化学的にエッチングピットを形成する第二工程を行う。次に、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、蓚酸等の酸を含む水溶液中で、化学的もしくは電気化学的エッチングを行いピット内壁に沿ってアルミニウムを溶解させ、ピット径を目的の太さに拡大する第三工程のエッチングを行う。第三工程が終わったアルミ箔を洗浄後、純水で洗浄して乾燥し、エッチング処理を終了する。これらの処理により、アルミ箔には無数の微細な貫通ピット20と非貫通ピット22および未エッチング部21が形成される。
【0021】
次に、化成処理によってアルミ箔の表面全体に誘電体である酸化皮膜を形成する。一般的に化成処理は、前記エッチング処理を行ったアルミ箔を沸騰した純水中に浸漬し、表面に疑似ベーマットを形成する。次に、ホウ酸、リン酸等の無機酸イオンや、モノカルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン酸等の有機酸イオンを含む水溶液中にアルミ箔を浸漬し、所定の電圧を印加し陽極酸化を行う。その後、熱処理、減極処理、陽極酸化を繰り返し、その後、洗浄、乾燥して化成工程を終了する。以上の工程を終了したアルミ箔を上記した陽極箔14として用いる。この陽極箔14は、有効面積が大きく、高圧(100V以上)の積層型アルミ電解コンデンサ用陽極箔として用いることができる。
【0022】
前記陰極箔18は、陽極箔14と同様にアルミ箔からなり、エッチング処理されることにより表面と裏面から内部方向に向かって延びる無数の不貫通ピット25がそれぞれ形成されることにより、厚さ方向中心部に芯としての地金部26を残すものが用いられるが、これに限らず不貫通ピット25が形成されていないアルミ箔であってもよい。陰極箔18の厚さは、15〜60μm程度で、特別の場合を除き化成処理による酸化皮膜は形成されていない。ただし、安定化処理は行われるため、きわめて薄い酸化皮膜は存在する。
【0023】
前記ケース本体2内に収納される駆動用電解液5と、前記陽極箔14、電解紙17に含浸される駆動用電解液としては、通常エチレングリコール(EG)を主溶媒とし、硼酸系、有機酸系アンモニウム等が溶質として用いられる。
【0024】
前記電解紙17としては、マニラ紙、クラフト紙等が用いられる。電解紙17の特性としては、電荷をもったイオンの移動を可能にするため微細な貫通孔を有する多孔質で高い緻密性と気密性が要求される。電解紙17の厚さは、30〜70μm、密度は0.6〜0.85程度とされる。
【0025】
このような積層型電解コンデンサ1においては、陽極箔14の表面の一部に機械的強度の大きい接続用未エッチング部21を設けているので、複数の陽極箔14を積層してコールドウエルド法(またはかしめつけ法)により接続するとき、この接続用未エッチング部21を加圧またはかしめつけて接続すると、貫通ピット20が形成されているエッチング部分が破壊したり切断することがなく良好に、かつ確実に接続することができる。また、機械的、電気的に接続が良好であれば、貫通ピット20のピット数を増大させて有効表面積を拡大することができるので、静電容量を向上させることができる。
【0026】
また、本実施の形態においては、表面側の接続用未エッチング部21に対応する陽極箔14の裏面側に、厚さ方向中心部に向かって伸長する不貫通ピット22を形成しているので、陽極箔14の有効表面積を一層増大させることができ、静電容量を向上させることができる。
【0027】
さらに、貫通タイプの陽極箔14を用いたコンデンサ素子3は、陰極箔18に対するイオン伝導が貫通ピット20を通って行われるので、陽極箔14間に電解紙を介在させる必要がなく、不貫通タイプの陽極箔を用いたコンデンサ素子に比べて、薄型、小型化、さらには軽量化を図ることができる。但し、実際の製作に当たっては、駆動用電解液の浸透をより良好かつ確実にしコンデンサの寿命を向上させるために陽極箔14間に電解紙を介在させてもよいことは勿論である。
【0028】
次に、接続用未エッチング部の他の例を図5〜図9に示す。
図5(a)、(b)は、請求項3に記載の発明に対応する実施の形態を示すもので、接続用未エッチング部31を陽極箔14の表面から裏面にまで達する厚さに形成するとともに、接続用未エッチング部31の表面31aと裏面31bの面積を異ならせて厚さ方向中心部付近に段差32を設け、陽極箔14の裏面で前記段差32に対応する部分に不貫通ピット22を形成したものである。このような接続用エッチング部31を形成するには、陽極箔14の表面側と裏面側に面積の異なるマスク剤23A,23Bを大きさを異ならせて塗布してエッチング処理を行い、貫通ピット20と不貫通ピット22を形成すればよい。
【0029】
接続用未エッチング部31の表面31aと裏面31bの面積を異ならせ、未エッチング部31の上側部分と下側部分との間に段差32を設けると、複数の陽極箔14を積層してコールドウエルド法(またはかしめつけ法)により接続するとき、段差32が貫通ピット20が形成されているエッチング部分と接続用未エッチング部31の厚さ方向の相対的な移動を防止し、互いに分離するのを防止することができる。
【0030】
図6(a)、(b)は、請求項4に記載の発明に対応する実施の形態を示すもので、接続用未エッチング部35を陽極箔14の表面から裏面にまで達する厚さに形成するとともに、接続用未エッチング部35の表面35aと裏面35bを陽極箔14の面方向に所要距離ずらして厚さ方向中心部付近に段差36を設け、陽極箔14の表面と裏面で前記段差36に対応する部分に不貫通ピット22を形成したものである。このような接続用エッチング部36を形成するには、陽極箔14の表面側と裏面側にマスク剤23A,23Bを所要距離ずらして塗布してエッチング処理を行い、貫通ピット20と不貫通ピット22を形成すればよい。
【0031】
このような陽極箔14においても、未エッチング部35の上側部分と下側部分との間に段差36を設けているので、図5に示した実施の形態と同様に、複数の陽極箔14を積層してコールドウエルド法(またはかしめつけ法)により接続するとき、段差36が貫通ピット21が形成されているエッチング部分と未エッチング部35の厚さ方向の相対的な移動を防止し、互いに分離するのを防止することができる。
【0032】
図7は図6に示した未エッチング部35の変形例で、接続用未エッチング部35を陽極箔14の表面から裏面にまで達する厚さに形成するとともに、接続用未エッチング部35の表面35aと裏面35bの面積を異ならせ、一側縁を互いに一致させたものである。このような構造においても、上記した実施の形態と同一の効果が得られることは明らかであろう。
【0033】
図8(a)、(b)は、請求項5に記載の発明に対応する実施の形態を示すもので、陽極箔14の表面および裏面に陽極箔14の内部中間位置まで達する厚さの接続用未エッチング部38,39を互いに重ならないように陽極箔14の面方向に所要距離だけ離間させてそれぞれ設け、これら接続用未エッチング部38,39が形成されている部分以外の部分に表裏面に貫通する貫通ピット20を形成し、未エッチング部38,39の裏側に不貫通ピット22をそれぞれ形成したものである。
【0034】
このような構造においては、未エッチング部の面積が増大するため、陽極箔14の機械的強度を増大させることができる。
【0035】
図9(a)、(b)は、陽極箔14の表裏面に達する厚さの接続用未エッチング部40を設け、この接続用未エッチング部40の厚さ方向中心部に幅が表面および裏面側より広い広幅部40Aを設けることにより段差41を設けたものである。このような接続用エッチング部40を形成するには、陽極箔14の表面側と裏面側にエッチングされ易いマスク剤43と、され難いマスク剤44を重ねて塗布してエッチング処理を行い、貫通ピット20と不貫通ピット22を形成すればよい。
【0036】
このような構造においても、図5〜図7に示した実施の形態と同一の効果が得られることは明らかだろう。
【0037】
【実施例】
図10〜図12に陽極箔の電子顕微鏡写真を示す。
図10は不貫通ピットが形成された陽極箔、図11は従来の貫通ピットが形成された電解コンデンサ用陽極箔、図12は本発明によって製作された積層型電解コンデンサ用陽極箔の断面の電子顕微鏡写真である。
図10に示す不貫通ピットが形成された陽極箔の場合、ピット密度が多く(単位面積当たりの静電容量が高い)、陽極箔の厚さ方向の中央部分が未エッチングのまま残存しているため機械的強度が強いことが特徴ではあるが、貫通ピットがないため、電解液が浸透しずらく、小型化を目的とした積層型コンデンサ(陽極箔を積層)には不適である。
【0038】
図11に示す貫通ピットが形成された従来の陽極箔は、陽極2枚重ね(ダブルアノード)用であり、積層型コンデンサに使用可能ではあるが、機械的強度を維持するためにピット密度が図10に示した不貫通ピットに比べて低い。
【0039】
図12に示す本発明による陽極箔は積層型電解コンデンサに使用することを主目的とするものである。このため、エッチング部の機械的強度の制限が殆どなく、ピット密度を極限まで高めることが可能である。これは、上記の図1〜図9で説明したように接続用未エッチング部21(31,35,38,39,40)を採用したことによるものである。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る積層型電解コンデンサ用陽極箔および電解コンデンサによれば、陽極箔の表面から裏面に達し、かつ表裏面の面積が異なるかまたは表面側と裏面側が陽極箔の面方向にずれた接続用未エッチング部を設けているので、複数の陽極箔を積層して接続するとき、確実に接続することができ、貫通タイプにも拘わらずピット数を増大させることができる。
また、接続用未エッチング部の強度が大で、複数の陽極箔を積層してコールドウエルド法(圧着法)等によって接続する際に、貫通ピットが形成されているエッチング部分と未エッチング部分の厚さ方向の相対的な移動を防止し、互いに分離するのを防止することができる。
また、電解紙を必要としないので、コンデンサの薄型、小型化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型電解コンデンサの一実施の形態を示す概略断面図である。
【図2】コンデンサ素子の要部の断面図である。
【図3】陽極箔の平面図である。
【図4】エッチング時の様子を示す図である。
【図5】(a)、(b)は接続用未エッチング部の他の実施の形態を示す断面図およびエッチング時の様子を示す図である。
【図6】(a)、(b)は接続用未エッチング部のさらに他の実施の形態を示す断面図およびエッチング時の様子を示す図である。
【図7】(a)、(b)は接続用未エッチング部のさらに他の実施の形態を示す断面図およびエッチング時の様子を示す図である。
【図8】(a)、(b)は接続用未エッチング部のさらに他の実施の形態を示す断面図およびエッチング時の様子を示す図である。
【図9】(a)、(b)は接続用未エッチング部のさらに他の実施の形態を示す断面図およびエッチング時の様子を示す図である。
【図10】不貫通ピットが形成された陽極箔の電子顕微鏡写真である。
【図11】従来の貫通ピットが形成された電解コンデンサ用陽極箔の電子顕微鏡写真である。
【図12】本発明によって製作された積層型電解コンデンサ用陽極箔の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1…アルミ電解コンデンサ、2…ケース、3…コンデンサ素子、5…駆動用電解液、6…陽極タブ、7…陰極タブ、8,9…ラグ端子、14…陽極箔、15…陽極箔積層体、17…電解紙、18…陰極箔、20…貫通ピット、21…接続用未エッチング部、22…不貫通ピット、31,35,38,39,40…未エッチング部。

Claims (3)

  1. 陽極箔の一部に該陽極箔の表面から裏面にまで達する厚さの接続用未エッチング部を設け、この接続用未エッチング部が形成されている部分以外の部分に表裏面にわたって貫通するエッチングピットを形成した積層型電解コンデンサ用陽極箔において、
    前記接続用未エッチング部の表裏面の面積を異ならせたことを特徴とする積層型電解コンデンサ用陽極箔。
  2. 陽極箔の一部に該陽極箔の表面から裏面にまで達する厚さの接続用未エッチング部を設け、この接続用未エッチング部が形成されている部分以外の部分に表裏面にわたって貫通するエッチングピットを形成した積層型電解コンデンサ用陽極箔において、
    前記接続用未エッチング部の表面と裏面を前記陽極箔の面方向にずらしたことを特徴とする積層型電解コンデンサ用陽極箔。
  3. 請求項1または2記載の積層型電解コンデンサ用陽極箔を複数枚積層して形成した陽極箔積層体と、この陽極箔積層体に積層された陰極層と、前記陽極箔積層体と前記陰極箔との間に介在された電解紙とでコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸してなる積層型電解コンデンサ。
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