JP2008034771A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】積層方向におけるコンデンサ素子の陽極部の端面を高い精度で揃えることができ、且つ効率よく固体電解コンデンサを製造することができる固体電解コンデンサの製造方法の提供。
【解決手段】予備切断工程では、コンデンサ素子の陽極部の端部となる板状体の一端寄りの部分においてその幅方向の一端から他端へわたって予備切断する。予備切断は、金属を切断するための金型又は押し切りによって行い、切断位置よりも突出方向に位置する端縁部を切り落とす。レーザー切断工程では、一点鎖線Bに沿って、積層方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断し、レーザー切断の切断位置である一点鎖線Bの位置よりも突出方向に位置し製品とならない陽極部の部分を一枚分除去する。これをコンデンサ素子30、コンデンサ素子20、コンデンサ素子10についても繰返し行う。
【選択図】図4(b)

Description

本発明は固体電解コンデンサの製造方法に関し、特に複数のコンデンサ素子を積層し電気的に並列接続して固体電解コンデンサを製造する固体電解コンデンサの製造方法に関する。
固体電解コンデンサとしては、高い静電容量を確保するために複数のコンデンサ素子が積層され電気的に並列接続されている構成が従来より知られている。例えば、特開平10−144573号公報(特許文献1参照)にはこの構成の固体電解コンデンサ及びその製造方法が記載されている。固体電解コンデンサの製造方法では、固体電解コンデンサを構成する複数の板状のコンデンサ素子は、金型により打ち抜かれて所定の形状とされた後に積層され、固体電解コンデンサが構成される。
特開平10−144573号公報
しかし、前述の従来の固体電解コンデンサの製造方法では、予め金型により打抜いて所定の形状とした板状のコンデンサ素子を積層するため、積層方向におけるコンデンサ素子の陽極部の端面を高い精度で揃えることは困難であった。
そこで、本発明は、積層方向におけるコンデンサ素子の陽極部の端面を高い精度で揃えることができ、且つ効率よく固体電解コンデンサを製造することができる固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成することによって複数のコンデンサ素子を製造するコンデンサ素子製造工程と、該コンデンサ素子において該陰極部が層状に形成された部分から該陰極部が形成されていない該陽極部の部分が突出する方向を突出方向とし、該突出方向かつコンデンサ素子の厚さ方向に垂直の方向を幅方向としたときに、それぞれの該コンデンサ素子の該陽極部の端部において該幅方向の一端から他端へわたり予備切断して、該予備切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の端縁部を切落とす予備切断工程と、該複数の該コンデンサ素子を、該厚さ方向において該陽極部の端部同士が互いに隣接するように積層配置するとともに該陰極部同士を互いに積層配置する積層工程と、該積層された複数のコンデンサ素子の上層から下層へ一枚ずつ該コンデンサ素子の該陽極部の端部において所定の陽極領域を残すように該幅方向の一端から他端へわたり該積層方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断して、該レーザー切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の部分を一枚ずつ除去するレーザー切断工程と、積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法を提供している。
それぞれのコンデンサ素子の陽極部の端部において幅方向の一端から他端へわたり予備切断して、予備切断の切断位置よりも突出方向に位置する陽極部の端縁部を切落とす予備切断工程を行うようにしたため、レーザー切断工程において、製品とならない陽極部の部分、即ちレーザー切断の切断位置よりも突出方向に位置する陽極部の部分を一枚ずつレーザー切断して一枚ずつ除去することができる。このため、積層されたコンデンサ素子の陽極部の端部の上層から一枚ずつ順番にレーザー切断する際に、レーザー照射によるレーザー切断を一枚のコンデンサ素子に対してより少なくすることができ、各コンデンサ素子においてレーザー切断の切断位置よりも突出方向に位置する陽極部の部分を容易に切断することができる。このため、効率よく固体電解コンデンサを製造することができる。
また、積層された複数のコンデンサ素子の上層から下層へ一枚ずつコンデンサ素子の陽極部の端部において所定の陽極領域を残すように幅方向の一端から他端へわたり厚さ方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断するようにしたため、厚さ方向におけるコンデンサ素子の陽極部の端面を高い精度で揃えることができる。
また、本発明は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成することによって複数のコンデンサ素子を製造するコンデンサ素子製造工程と、該複数の該コンデンサ素子を、該陽極部の端部同士が互いに隣接するように積層配置するとともに該陰極部同士を互いに積層配置する積層工程と、該コンデンサ素子において該陰極部が層状に形成された部分から該陰極部が形成されていない該陽極部の部分が突出する方向を突出方向とし、該コンデンサ素子が積層される方向を積層方向とし、該突出方向及び該積層方向に垂直の方向を幅方向としたときに、全ての該コンデンサ素子の該陽極部の端部において該幅方向の一端から他端へわたり予備切断して、該予備切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の端縁部を切落とす予備切断工程と、該積層された複数のコンデンサ素子の上層から下層へ一枚ずつ該コンデンサ素子の該陽極部の端部において所定の陽極領域を残すように該幅方向の一端から他端へわたり該積層方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断して、該レーザー切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の部分を一枚ずつ除去するレーザー切断工程と、積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法を提供している。
それぞれのコンデンサ素子の陽極部の端部において幅方向の一端から他端へわたり予備切断して、予備切断の切断位置よりも突出方向に位置する陽極部の端縁部を切落とす予備切断工程を行うようにしたため、レーザー切断工程において、製品とならない陽極部の部分、即ちレーザー切断の切断位置よりも突出方向に位置する陽極部の部分を一枚ずつレーザー切断して一枚ずつ除去することができる。このため、積層されたコンデンサ素子の陽極部の端部の上層から一枚ずつ順番にレーザー切断する際に、レーザー照射によるレーザー切断を一枚のコンデンサ素子に対してより少なくすることができ、各コンデンサ素子においてレーザー切断の切断位置よりも突出方向に位置する陽極部の部分を容易に切断することができる。このため、効率よく固体電解コンデンサを製造することができる。
また、積層された複数のコンデンサ素子の上層から下層へ一枚ずつコンデンサ素子の陽極部の端部において所定の陽極領域を残すように幅方向の一端から他端へわたり積層方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断するようにしたため、積層方向におけるコンデンサ素子の陽極部の端面を高い精度で揃えることができる。
ここで、該接続工程は、レーザー切断工程においてレーザー切断により生じた該陽極部の端部の切断面に、該複数のコンデンサ素子の各該陽極部の端部を互いに電気的に接続するための導電性の材料からなる接続部材をすべての該陽極部の端部に跨って固定する接続部材固定工程を有することが好ましい。
接続工程は、レーザー切断工程においてレーザー切断により生じた陽極部の端部の切断面に、導電性の材料からなる接続部材をすべての陽極部の端部に跨って固定する接続部材固定工程を有するため、複数のコンデンサ素子の各陽極部の端部を互いに電気的に接続することができる。
また、該予備切断工程は、幅方向を規定する一側部又は他側部に凹部又は切欠きを形成する工程を有することが好ましい。
予備切断工程は、幅方向を規定する一側部又は他側部に凹部又は切欠きを形成する工程を有するため、予めコンデンサ素子の陽極部の端部を所定の形状とする場合に、凹部又は切欠きを当該所定の形状の輪郭の一部とすることができる。この際、接続部材が固定される陽極部の端部の切断面以外の輪郭の部分を凹部又は切欠きの部分とすることで、レーザー照射によるレーザー切断を極力少なくすることができ、効率よく固体電解コンデンサを製造することができる。
また、該接続部材固定工程は、該接続部材を該陽極部の端部の該切断面に固定する前に該接続部材と該切断面とを対向配置する対向配置工程を有し、該対向配置工程で対向配置する該接続部材と該切断面との間の距離は50μm以下とされることが好ましい。
対向配置工程で対向配置する接続部材と切断面との間の距離は50μm以下とされるため、陽極部の端部に当接する接続部材の側に対する反対の側から、コンデンサ素子の積層方向に交差する方向に向けて接続部材に対してレーザーを照射して、接続部材を陽極部の端部にレーザー溶接する場合に、各陽極部の端部に接続部材を高い確率で溶接することができ、各陽極部の端部と接続部材との接続不良を高い確率で防止することができる。このため、固体電解コンデンサの容量特性の悪化を防止することができる。
また、該対向配置工程で対向配置する該接続部材と該切断面との間の距離は30μm以下とされることが好ましい。
対向配置工程で対向配置する接続部材と切断面との間の距離は30μm以下とされるため、陽極部の端部に当接する接続部材の側に対する反対の側から、コンデンサ素子の積層方向に交差する方向に向けて接続部材に対してレーザーを照射して、接続部材を陽極部の端部にレーザー溶接する場合に、各陽極部の端部に接続部材を確実に溶接することができ、各陽極部の端部と接続部材との接続不良を防止することができる。このため、固体電解コンデンサの容量特性の悪化を確実に防止することができる。
以上により、積層方向におけるコンデンサ素子の陽極部の端面を高い精度で揃えることができ、且つ効率よく固体電解コンデンサを製造することができる固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法について図1乃至図6に基づき説明する。先ず、固体電解コンデンサの製造方法によって製造される固体電解コンデンサについて説明する。図1に示されるように固体電解コンデンサ1は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40と、プリント基板50と、接続部材60と、4つのコンデンサ素子10〜40を覆うようにしてモールドする図示せぬモールド部とを備えている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、それぞれ同一形状且つ同一の構成であり、図1に示されるように陽極部11〜41と、陰極部12〜42とを備えている。なお、図2を参照して説明する以下の説明では、4つのコンデンサ素子10〜40の構成は同一であることから、コンデンサ素子10のみについて図示し、他のコンデンサ素子20〜40については説明を省略する。
陽極部11は略長方形状をした板状をなしており、図1及び図2に示される左右方向に長辺が指向し、図1に示される左側の端部11Bには、図5に示されるように外方へ略長方形状に突出する凸部11Cが設けられている。
ここで、コンデンサ素子10において陰極部12の形成されていない陽極部11の部分が後述の陰極部12の形成された部分から突出する方向、即ち、図1の左方向を突出方向とし、コンデンサ素子10〜40が積層される方向を積層方向とし、突出方向及び積層方向に垂直の方向、即ち、図1の紙面の表と裏とを結ぶ方向を幅方向とする。積層方向はコンデンサ素子10の厚さ方向に一致する。
後述のように、当該陽極部11の端部11Bにおいて当該幅方向の一端から他端へわたり積層方向上方からレーザー照射されることにより、陽極部11の端部11Bがレーザー切断される。このレーザー切断により生じた切断面が、凸部11Cの設けられた端部11Bの輪郭を規定する。この切断面は、後述のようにコンデンサ素子10〜40の積層方向上方からレーザー照射されることにより生じるため、コンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の切断面たる図1に示される端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cの左端の切断面11D〜41Dは、積層方向において略面一となっている。
陽極部11は弁作用金属であるアルミニウムにより構成されており、図2に示されるように、その表面には、表面積を増やすためにエッチングが施されることにより粗面化(拡面化)されてポーラス状になっている。このポーラス状の表面全体は化成処理(陽極酸化)によって絶縁性の酸化膜層(誘電体層)11Aが形成されている。陽極部11の寸法は、長手方向の長さが10mm、幅が5mm程度であり、厚さ、即ち、図2に示される上下方向の幅は100μm程度である。
陽極部11の表面の所定の領域、即ち、図2に示される陽極部11の右側の端部から左側の端部11Bに向って陽極部11の左右方向の長さの略2/3の位置に至るまでの領域全体には、導電性のポリマーにより構成される固体電解質層12Aが形成されている。固体電解質層12Aは酸化膜層11Aの上に積層して設けられており、酸化膜層11Aに対向する固体電解質層12Aの部分は、エッチングにより陽極部11の表面に形成されたポーラスの中に入り込んでいる。固体電解質層12A上には、グラファイトペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとがこの順で積層されており、固体電解質層12A、グラファイトペースト層12B、及び銀ペースト層12Cは陰極部12を構成する。グラファイトペースト層12B及び銀ペースト層12Cは、固体電解質層12Aが形成されている陽極部11及び酸化膜層(誘電体層)11Aの領域を覆うようにして固体電解質層12A上に形成されている。
陽極部11の図2に示される左側の端部11Bであって陰極部12が設けられていない領域と陰極部12との境界位置には、絶縁性を有するエポキシ系樹脂等からなるレジスト13が設けられている。レジスト13は、固体電解質層12Aを陽極部11上に形成するために陽極部11となる化成箔を溶液に浸漬させているときに、ポーラス状になっている陽極部11の表面において毛細管現象により溶液が所定の領域よりも図2の左側の方へ上がってくることを防止し、固体電解質層12Aが形成されていない陽極部11の図2に示される左側の端部11Bを確保するために設けられている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、図1に示されるように、陰極部12〜42同士が互いに積層配置されている。陰極部12〜42は、板状の陽極部11〜41上に形成されているため、陽極部11〜41の厚さ方向に対して略垂直な上面10A〜40Aと下面10B〜40Bとを有している。図1に示されるように、積層される4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の上面10Aと第2コンデンサ素子20の下面20Bとが導電性接着剤71によって接着され、第2コンデンサ素子20の上面20Aと第3コンデンサ素子30の下面30Bとが導電性接着剤71によって接着され、第3コンデンサ素子30の上面30Aと第4コンデンサ素子40の下面40Bとが導電性接着剤71によって接着されている。従って、4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42は電気的に接続されており、後述のように4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41B同士が電気的に接続されることと相まって、4つのコンデンサ素子10〜40は電気的に並列接続されている。
4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42が設けられていない陽極部11〜41の端部11B〜41Bの部分は、陰極部12〜42が設けられている部分と比較して銀ペースト層12C等が形成されていないことから薄くなっている。このため、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の積層方向において、陽極部11〜41の図の左側の端部11B〜41B同士が互いに所定の間隔で離間して隣接して積層配置されている。
積層された4つのコンデンサ素子10〜40は、陽極部11〜41と略同一形状をしたプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、例えば、エポキシ樹脂製のプリント基板50である。4つのコンデンサ素子10〜40は、プリント基板50に対して形状が一致して重なるようにプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40のうちの第1コンデンサ素子10の陰極部12及び陽極部11の下面11Bに対向している。
プリント基板50の表面50A及び裏面50Bには、第1の導電パターン51A、51Bと第2の導電パターン52A、52Bとがそれぞれ設けられている。表面50Aの第1導電パターン51A、第2の導電パターン52Aは、それぞれ裏面50Bの第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bと、スルーホール50a、50bを介して電気的に接続されている。第1の導電パターン51Aは、第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bに対向する位置に配置されており、第2の導電パターン52Aは、第1コンデンサ素子10の陰極部12に対向する位置に配置されている。
プリント基板50の裏面の第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bは、それぞれ図示せぬ電子回路等に実装されるいわゆるユーザ端子であり、プリント基板50の表面の第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52Aと同様の金属材料により構成されている。陽極部11の図1に示される左側の端部11Bは、プリント基板50の表面の第1の導電パターン51Aに電気的に後述の接続部材60を介して接続されている。また、陰極部12は導電性接着剤71によって第2の導電パターン52Aに電気的に接続されている。
4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bの位置には、接続部材60が設けられている。接続部材60は、図5に示されるように、それぞれ略長方形状の板状をなす接続部本体61と底部62と上壁部63とを有している。
接続部本体61は、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の積層方向に沿って延出し、陽極部11〜41の各端部11B〜41Bにそれぞれ跨って当接して固定されている。接続部本体61は、すべての陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cに対向した状態で、コンデンサ素子10〜40の積層方向に交差する方向であって、且つ陽極部11〜41の端部の凸部11C〜41Cが当接している側とは反対の側である接続部材60の外側から、即ち、図1の左側から右側へ向けてレーザの照射を受けることにより、陽極部11〜41の各端部11B〜41Bにそれぞれ電気的に接続される。接続部材60はNiにより構成されている。
接続部本体61は、図1に示されるように、積層されたコンデンサ素子10〜40よりも積層方向上方に突出する上方余肉部60Aと積層方向下方に突出する下方余肉部60Bとを備えている。上方余肉部60A、下方余肉部60Bは、それぞれ接続部本体61と同一の材料で接続部本体61と一体に設けられている。
上壁部63は、接続部本体61と同一の材料で接続部本体61と一体に設けられており、接続部本体61に関してコンデンサ素子10〜40側の方向、即ち、図1の右方向へ上方余肉部60Aから延出し、接続部本体61と略垂直の角度をなして接続されている。上壁部63は、積層された複数のコンデンサ素子10〜40の最上層のコンデンサ素子40の上方に位置しており、図1に示される最上層のコンデンサ素子40の上面と所定の隙間を介して対向している。上壁部63の延出方向に垂直の方向であって図5における左右方向に相当する上壁部63の長さは、同方向における接続部本体61の長さよりも短い。
接続部材60の底部62は、接続部本体61と同一の材料で接続部本体61と一体に設けられており、接続部本体61に関してコンデンサ素子10〜40側の方向、即ち、図1の右方向へ下方余肉部60Bから延出し、接続部本体61と略垂直の角度をなして接続されている。従って、接続部材60は、図1に示されるように、底部62と接続部本体61と上壁部63とで略コの字状をなしている。底部62の長手方向の幅、即ち、図5における左右方向の長さは、同方向における接続部本体61の長さに等しい。
底部62は、第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bと、プリント基板50の第1の導電パターン51Aとの間に配置されており、最下層のコンデンサ素子10の端部11Bの下面とプリント基板50の第1の導電パターン51Aとにそれぞれ当接している。底部62は、コンデンサ素子10〜40の積層方向、即ち、図1において上から下に向う方向へレーザの照射を受けることによりプリント基板50の第1の導電パターン51Aに電気的に接続される。
前述のように、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bには凸部11C〜41Cが設けられているため、図5に示されるように、端部11B〜41Bはあたかも長方形状の一の短辺を挟む2つの角部を、それぞれ切欠いて取除いたたような形状をなしている。これに対して、図5に示されるように底部62は長方形状をしている。底部62は、コンデンサ素子10〜40の積層方向において、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cと重なるように配置されるのであるが、底部62の長手方向の幅、即ち、図5における左右方向の長さは、陽極部11〜41の幅方向における凸部11C〜41Cの幅、即ち図5における凸部11C〜41Cの左右方向の長さよりも大きい。また、底部62の長手方向の幅、即ち、図5における左右方向の長さは、図5における上壁部63の左右方向の長さよりも大きい。このため、底部62は、結果的にコンデンサ素子10〜40の積層方向においていずれのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41とも重ならず、また、上壁部63とも重ならない非重畳部62Aを有する。
固体電解コンデンサの製造方法では、先ず、コンデンサ素子製造工程を行う。コンデンサ素子製造工程では、先ず表面に酸化膜層11Aが形成され陽極部11となるアルミニウム板、即ち化成箔を切断して、幅方向及び厚さ方向の長さが陽極部11と同一で長手方向の長さが陽極部11よりも長い長方形の板状体11´〜41´(図3)を複数製造する。板状体11´〜41´の長手方向の一端寄りの部分は製品にならない余分な化成箔の端縁部11E´〜41E´であり、他端寄りの部分はコンデンサ素子10の陽極部11となる部分である。後述の予備切断工程と、接続工程を行う直前に行うレーザー切断工程とにおいて、この余分な化成箔の端縁部11E´〜41E´は切断され除去される。
次に、複数の板状体11´〜41´の一端部たる端縁部11E´〜41E´を、図3に示されるように、SUS304からなる帯状体2に固定する。より具体的には、帯状体2の幅方向を規定する一側部2Aにおいて帯状体2の長手方向に所定の間隔を隔てて、複数の板状体11´〜41´の長手方向と帯状体2の長手方向とが垂直をなすように配置させ、複数の板状体11´〜41´の一端部たる端縁部11E´〜41E´を抵抗溶接により帯状体2に固定する。
次に、スクリーン印刷法又はロール印刷法を用いて、陽極部11の所定の位置であって陰極部12と陽極部11との境界となる位置にレジスト13を形成する。次に、前述のように化成箔を切断したときに、切断した断面には酸化膜層11Aが形成されていない部分が生ずるが、この部分に酸化膜層11Aを生成するために再度酸化させる再化成を行う。
次に、レジスト13を境とする所定の領域、即ち図1に示される陽極部11のレジスト13よりも右側の部分に相当する化成箔の部分である図3の板状体11´〜41´の下端寄りの部分を、固体電解質層12Aを形成するための反応溶液中に浸漬し、化学酸化重合を行うことにより、固体電解質層12A、即ち、導電性ポリマー層を形成する。陽極部11の表面はエッチングによりポーラス状になっているので、直接銀ペースト層12Cを形成することができないため、銀ペースト層12Cを形成する準備のために固体電解質層12Aを形成するのである。
次に、何らかの原因により、化成箔の表面に形成されている酸化膜層11Aに破損が生じることがある。この部分を修正するために再度酸化させる修復工程を行う。次に、導電性高分子層の上にグラファイトペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとをこの順で積層して形成する。グラファイトペースト層12B、銀ペースト層12Cの形成は、ディップ法やスクリーン印刷法やスプレー塗布法等が用いられる。以上の工程をコンデンサ素子4つ分行う。以上がコンデンサ素子製造工程であり、このコンデンサ素子製造工程により、未だ陽極部11〜41の端部11B〜41Bが帯状体2に固定された状態の4つのコンデンサ素子10〜40が製造される。
次に、予備切断工程を行う。予備切断工程では、それぞれのコンデンサ素子の陽極部の端部となる板状体11´〜41´の一端寄りの部分において、コンデンサ素子の幅方向に相当する板状体11´〜41´の幅方向の一端から他端へわたって、即ち図3に示される一点鎖線Aの一端から他端へわたって予備切断する。予備切断は、金属を切断するための金型又は押し切りによって行われる。この予備切断によって、予備切断の切断位置、即ち一点鎖線Aの位置よりも図3に示される上の部分である端縁部11E´〜41E´を切り落とす。
次に、積層工程を行う。積層工程では、板状体11´〜41´の一端寄りの部分が未だ陽極部11〜41の端部11B〜41Bの形状とされていない状態の4つのコンデンサ素子10〜40を、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bとなる部分同士が互いに隣接するように積層配置するとともに、陰極部12〜42同士を互いに積層配置する。陰極部12〜42間には、導電性接着剤71が塗布され、陰極部12〜42同士が導電性接着剤71によって互いに電気的に接続される。導電性接着剤71としては、例えば、銀−エポキシ系接着剤が用いられる。
次に、積層された状態の4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bとなる部分から、製品とならない余分な化成箔の部分を切断することにより陽極部11〜41の端部11B〜41Bを、凸部11C〜41Cを有する所定の輪郭形状とするレーザー切断工程を行う。レーザー切断工程では、積層された状態のコンデンサ素子10〜40の上層のコンデンサ素子40から下層のコンデンサ素子10へ一枚ずつ切断してゆく。
より具体的には、先ずコンデンサ素子40の陽極部41の端部41B相当部において、図4(a)において示される一点鎖線Bに沿って、積層方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断する。次に、レーザー切断の切断位置である一点鎖線Bの位置よりも突出方向に位置し製品とならない陽極部の部分を、図4(b)に示されるように一枚分除去する。次に、コンデンサ素子30について同様に、図4(a)において示される一点鎖線Bに沿ってレーザー切断する。これをコンデンサ素子20、コンデンサ素子10についても繰返し行い、製品とならない余分な化成箔の部分を切り落とし、凸部11C〜41Cが設けられた陽極部11〜41の端部11B〜41Bの形状とする。
予備切断工程を行うようにしたため、レーザー切断工程において、製品とならない陽極部の部分をレーザー切断する毎に一枚ずつ除去することができる。このため、積層されたコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bの上層から一枚ずつ順番にレーザー切断する際に、レーザー照射によるレーザー切断を一枚のコンデンサ素子に対してより少なくすることができ、各コンデンサ素子10〜40においてレーザー切断の切断位置よりも突出方向に位置する陽極部の部分を容易に切断することができる。このため、効率よく固体電解コンデンサ1を製造することができる。
また、積層された複数のコンデンサ素子10〜40の上層から下層へ一枚ずつコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bにおいて所定の陽極領域である当該端部11B〜41B及び凸部11C〜41Cを残すように幅方向の一端から他端へわたり厚さ方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断するようにしたため、厚さ方向におけるコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の凸部11C〜41C端面の切断面11D〜41Dを高い精度で揃えることができる。
次に、接続工程を行う。接続工程では、図5に示されるように、4つの積層されたコンデンサ素子10〜40とは別体として用意された接続部材60を、積層した複数のコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bに、電気的に接続することにより、4つのコンデンサ素子10〜40を互いに電気的に並列接続する接続部材固定工程を行う。
具体的には、先ず、積層された4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bの凸部11Cと平行に底部62を対向配置させた状態で、接続部材60の接続部本体61をすべての陽極部11〜41の当該端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cに跨って対向させ、図6に示されるように、接続部材60とコンデンサ素子10〜40とを組合せる対向配置工程を行う。このことにより、コンデンサ素子10〜40の積層方向においていずれのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41とも重ならない非重畳部62A(図5)を底部62に規定する。このとき、凸部11C〜41Cと接続部本体61との間の距離、即ち、レーザー切断工程において陽極部11〜41の端部11B〜41Bに生じた切断面であって凸部11C〜41Cの先端を画成する切断面11D〜41Dと接続部本体61との間の距離は、50μm以下とされ、好ましくは30μmとされており、互いに当接しているものも存在する。
ここで、切断面11D〜41Dと接続部本体61との距離は、各コンデンサ素子10〜40によって異なっている場合があり、この場合の前述の「30μm以下」とは、異なっている各距離が30μm以下であるということを意味する。また、1つのコンデンサ素子、例えばコンデンサ素子10について見た場合に、切断面11Dと接続部本体61との距離が一様に所定の値になっておらず、場所によってわずかに異なる場合があり、この場合の前述の「30μm以下」とは一様に所定の値になっていない当該距離が30μm以下であるということを意味する。「50μm以下」の意味についても「30μm以下」の意味と同様である。
このように50μm以下となっているため、後述のように陽極部11〜41の端部11B〜41Bに対向する接続部本体61の側に対する反対の側から、コンデンサ素子10〜40の積層方向に垂直の方向に向けて接続部本体61に対してレーザーを照射して、接続部本体61を陽極部11〜41の端部11B〜41Bにレーザー溶接する場合に、各陽極部11〜41の端部11B〜41Bに接続部材60を高い確率で溶接することができ、各陽極部11〜41の端部11B〜41Bと接続部材60との接続不良を高い確率で防止することができる。このため、固体電解コンデンサ1の容量特性の悪化を防止することができる。
更に、好ましくは30μm以下となっているため、各陽極部11〜41の端部11B〜41Bに接続部材60を確実に溶接することができ、各陽極部11〜41の端部11B〜41Bと接続部材60との接続不良を防止することができる。このため、固体電解コンデンサ1の容量特性の悪化を確実に防止することができる。
なお、図5において二点鎖線で示される矢印Cは、単に積層された4つのコンデンサ素子10〜40と、接続部材60と、プリント基板50との位置関係を示しているだけであって、必ずしもこの方向に移動させることによりこれら3つを接続するという意味ではない。
次に、陽極部11〜41の端部11B〜41Bに当接する接続部本体61の側に対する反対の側、即ち、図1に示される左側から、コンデンサ素子10〜40の積層方向に交差する方向、具体的には、積層方向に垂直の方向に向けて接続部本体61に対してレーザを照射する。レーザはYAGレーザ溶接が用いられ、レーザの照射は、1回のパルス照射を行なった後に接続部本体61の長手方向の一端から他端の方向へ、即ち、コンデンサ素子10〜40の積層方向へ位置をずらす、という工程を繰返すことにより行なう。このことにより接続部本体61を陽極部11〜41の各端部11B〜41Bに電気的に接続する。以上が接続部材固定工程である。このような接続部材固定工程を行うため、複数のコンデンサ素子の各陽極部の端部を互いに電気的に接続することができる。
次に、プリント基板接続工程を行う。プリント基板接続工程では、図5に示されるように、4つの積層されたコンデンサ素子10〜40、接続部材60とは別体として用意されたプリント基板50上に、当該4つの積層されたコンデンサ素子10〜40及び接続部材60を載置し電気的に接続する。具体的には、先ず、導電性接着剤71を塗布した陰極部12〜42をプリント基板50の第2の導電パターン52A上に当接させ、また、接続部材60の底部62を第1の導電パターン51A上に当接させ、非重畳部62Aに対してコンデンサ素子10〜40の積層方向から、即ち、図1又は図2に示される上方向から、図5の破線で示される円の位置にレーザーを照射する。このことにより、接続部材60の底部62をプリント基板50の第1の導電パターン51Aに電気的に接続すると共に、陰極部12〜42を第2の導電パターン52Aに電気的に接続する。
その後、固体電解コンデンサ1を保護するためにモールドを行い、切断を行い、更に、損傷している部分を修復するためのエージングを行い、特性検査、外観検査を経て固体電解コンデンサの製造方法の全工程を終了する。
次に、固体電解コンデンサの製造方法の対向配置工程において、レーザー切断工程により陽極部11〜41の端部11B〜41Bに生じた切断面であって凸部11C〜41Cの先端を画成する切断面11D〜41Dと接続部本体61との間の距離を様々な値として、接続部材固定工程を行い、凸部11C〜41Cと接続部本体61との接合の良否判定を行う試験を行った。
試験では、表1に示されるように、切断面11D〜41Dと接続部本体61との間の距離を30μm以下、40μm以下、50μm以下、60μm以下、70μm以下としたものを、それぞれ10個ずつ計50個の固体電解コンデンサを作成して、接合の良否判断を行った。良否判断は、製造した固体電解コンデンサの容量値を測定し、容量値が155μF以上である場合に接合良品と判断した。試験結果は表1に示されるとおりである。
Figure 2008034771
表1に示されるように70μm以下の場合では、10個中1つも良品とはならず、良品確率は0%であった。60μm以下の場合では10個中4個が良品であり、良品確率は40%であり、残りの6個は接合不良であった。
これに対して50μm以下の場合では10個中7個が良品であり、良品確率は70%であり、60μm以下の場合と比較して格段に良品確率が上がっている。更に、40μm以下の場合では10個中9個が良品であり、良品確率は90%であり、ほとんど接合良品となっている。そして、30μm以下の場合では10個中10個が良品であり、良品確率は100%であり、全て接合良品となっている。以上の試験結果より、50μm以下では良品確率は格段に改善され、30μm以下では確実に接合良品となることが分かる。
本発明による固体電解コンデンサの製造方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態ではSUS304からなる帯状体2を用いたが、これを用いずに、図7に示されるように、コンデンサ素子製造工程において陽極部となる化成箔を略くし歯状板2´として打ち抜いて用いてもよい。この場合には、略くし歯状板2´の歯に相当する部分の延出端寄りの部分が陽極部11となる部分11´´である。
この場合、固体電解コンデンサの製造方法のコンデンサ素子製造工程においては、上述のように略くし歯状板2´として化成箔を打ち抜いた後に、スクリーン印刷法を用いて、当該略くし歯状板2´の歯に相当する部分の陽極部11となる部分11´´の所定の位置であって陰極部12と陽極部11との境界となる位置にレジスト13を形成する。その後に陰極部を形成する工程以降のコンデンサ素子製造工程については、本実施の形態と同様である。
そして、コンデンサ素子製造工程の次には積層工程が行われる。積層工程では、図7に示される略くし歯状板2´4枚を、形状が一致した位置関係として重ね、両端に形成された貫通孔2A´に図示せぬピンを貫通させる。このことにより、図8(a)に示されるように、未だ陽極部11〜41の端部11B〜41Bの形状とされていない状態の4つのコンデンサ素子10〜40を、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bとなる部分同士が互いに隣接するように積層配置するとともに、陰極部12〜42同士を互いに積層配置する。陰極部12〜42間には、導電性接着剤71が塗布され、陰極部12〜42同士が導電性接着剤71によって互いに電気的に接続される。
次に、予備切断工程が行われる。予備切断工程では、陽極部の端部において図8(a)において示される一点鎖線Aに沿って、幅方向の一端から他端へわたり陽極部を予備切断する。この予備切断では、全てのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bにおいて同時に切断が行われる。このことにより、当該予備切断の切断位置たる一点鎖線Aよりも突出方向に位置する陽極部11〜41の端縁部11E´´〜41E´´を切落とす。次に、本実施の形態によるレーザー切断工程以降の工程を行う。従って、レーザー切断工程において、レーザー照射することによりレーザー切断した後に、図8(b)に示されるように、レーザー切断の切断位置である一点鎖線Bの位置よりも突出方向に位置し製品とならない陽極部の部分を一枚分除去することを繰り返し行う点についても、本実施の形態と同様である。また、本実施の形態と同様に、予備切断工程の後に積層工程を行うようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、陽極部11〜41の端部11B〜41Bに凸部11C〜41Cを設けるために、図4(a)や図8(a)に示される一点鎖線Bに沿ってレーザー切断したが、この方法に限定されない。例えば、このような凸部11C〜41Cを設けるために、第1の実施の形態における予備切断工程において、図9(a)に示されるように、コンデンサ素子の10〜40の幅方向を規定する一側部10C〜40C、他側部40Dに、予備切断により凹部10a〜40a(切欠き)を形成する工程を更に有するようにする。このような凹部10a〜40aの輪郭を画成する切断面の一部が、凸部11C〜41Cの輪郭の一部たる切断面となるようにすることにより、レーザー切断工程においてレーザー切断を極力少なくすることができる。このため、効率よく固体電解コンデンサを製造することができる。
この場合であっても、接続部本体61とレーザー溶接される凸部11C〜41Cの先端の切断面11D〜41D(図1等)については、レーザー切断工程において図9(a)において示される一点鎖線Bに沿ってレーザー切断されることにより生ずる切断面によって構成される。予備切断以外の工程は、本実施の形態と同様である。従って、レーザー切断工程において、レーザー照射することによりレーザー切断した後に、図9(b)に示されるように、レーザー切断の切断位置である一点鎖線Bの位置よりも突出方向に位置し製品とならない陽極部の部分を一枚分除去することを繰り返し行う点についても、本実施の形態と同様である。
また、導電性接着剤71は、エポキシ樹脂と銀とを主成分とし、銀がエポキシ樹脂中に混合されて構成されていたが、これに限定されない。例えば、エポキシ樹脂に代えてポリイミド、シリコーン、アクリル、フェノキシ、ポリエステル等の樹脂を用いてもよい。
また、コンデンサ素子10〜40は4つ設けられていたが、個数は4つに限定されない。また、陽極部11〜41を構成する弁作用金属はアルミニウムにより構成されたが、これに限定されない。例えばタンタルやニオブ等であってもよい。
また、接続部材は、本実施の形態による接続部材60の形状に限定されない。また、接続部材が固定されるコンデンサ素子の陽極部の端部の位置は、本実施の形態による位置に限られない。また、積層されたコンデンサ素子10〜40はプリント基板50上に配置されたが、これに限定されない。例えば、プリント基板に代えてリードフレーム上に載置されるようにしてもよい。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、多数のコンデンサ素子が積層されて構成される固体電解コンデンサ及び当該固体電解コンデンサの製造方法の分野において有用である。
本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法により製造される固体電解コンデンサを示す断面図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法により製造される固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す断面図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法において固体電解コンデンサの陽極部となる板状体が帯状体に固定された状態を示す概念図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の積層工程を示す概念図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法のレーザー切断工程を示す概念図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法により製造される固体電解コンデンサを示す分解斜視図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法において固体電解コンデンサのコンデンサ素子と接続部材とが組合された状態を示す概略斜視図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の変形例において製造される化成箔を示す概略斜視図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の変形例における積層工程を示す概念図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の変形例におけるレーザー切断工程を示す概念図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の変形例における積層工程を示す概念図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の変形例におけるレーザー切断工程を示す概念図。
符号の説明
1 固体電解コンデンサ
10〜40 コンデンサ素子
11〜41 陽極部
11A 酸化膜層
11B〜41B 端部
10C〜40C 一側部
10a〜40a 凹部
11D〜41D 切断面
11E´〜41E´ 端縁部
12〜42 陰極部
12A 固体電解質層
12B グラファイトペースト層
12C 銀ペースト層
13〜43 端縁部
40D 他側部
40a 凹部
60 接続部材
61 接続部本体
62 底部

Claims (6)

  1. 表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成することによって複数のコンデンサ素子を製造するコンデンサ素子製造工程と、
    該コンデンサ素子において該陰極部が層状に形成された部分から該陰極部が形成されていない該陽極部の部分が突出する方向を突出方向とし、該突出方向かつコンデンサ素子の厚さ方向に垂直の方向を幅方向としたときに、それぞれの該コンデンサ素子の該陽極部の端部において該幅方向の一端から他端へわたり予備切断して、該予備切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の端縁部を切落とす予備切断工程と、
    該複数の該コンデンサ素子を、該厚さ方向において該陽極部の端部同士が互いに隣接するように積層配置するとともに該陰極部同士を互いに積層配置する積層工程と、
    該積層された複数のコンデンサ素子の上層から下層へ一枚ずつ該コンデンサ素子の該陽極部の端部において所定の陽極領域を残すように該幅方向の一端から他端へわたり該積層方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断して、該レーザー切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の部分を一枚ずつ除去するレーザー切断工程と、
    積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成することによって複数のコンデンサ素子を製造するコンデンサ素子製造工程と、
    該複数の該コンデンサ素子を、該陽極部の端部同士が互いに隣接するように積層配置するとともに該陰極部同士を互いに積層配置する積層工程と、
    該コンデンサ素子において該陰極部が層状に形成された部分から該陰極部が形成されていない該陽極部の部分が突出する方向を突出方向とし、該コンデンサ素子が積層される方向を積層方向とし、該突出方向及び該積層方向に垂直の方向を幅方向としたときに、全ての該コンデンサ素子の該陽極部の端部において該幅方向の一端から他端へわたり予備切断して、該予備切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の端縁部を切落とす予備切断工程と、
    該積層された複数のコンデンサ素子の上層から下層へ一枚ずつ該コンデンサ素子の該陽極部の端部において所定の陽極領域を残すように該幅方向の一端から他端へわたり該積層方向上方からレーザー照射することによりレーザー切断して、該レーザー切断の切断位置よりも該突出方向に位置する該陽極部の部分を一枚ずつ除去するレーザー切断工程と、
    積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 該接続工程は、レーザー切断工程においてレーザー切断により生じた該陽極部の端部の切断面に、該複数のコンデンサ素子の各該陽極部の端部を互いに電気的に接続するための導電性の材料からなる接続部材をすべての該陽極部の端部に跨って固定する接続部材固定工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 該予備切断工程は、幅方向を規定する一側部又は他側部に凹部又は切欠きを形成する工程を有することを特徴とする請求項3記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 該接続部材固定工程は、該接続部材を該陽極部の端部の該切断面に固定する前に該接続部材と該切断面とを対向配置する対向配置工程を有し、該対向配置工程で対向配置する該接続部材と該切断面との間の距離は50μm以下とされることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 該対向配置工程で対向配置する該接続部材と該切断面との間の距離は30μm以下とされることを特徴とする請求項5記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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