JP2009010153A - 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定して低ESR化が図られた固体電解コンデンサ及び当該固体電解コンデンサの製造方法の提供。
【解決手段】陰極部12と第2の導電パターン52Aとを電気的に接続する導電性接着剤71は、コンデンサ素子10〜40の積層方向において最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12と第2の導電パターン52Aとの間の位置で、その端縁71Aがコンデンサ素子10〜40の積層方向に垂直をなす一の方向において素子積層体の輪郭であって最下層のコンデンサ素子10の陰極部12相当部分の輪郭10Cよりも外方へ突出する位置関係にある。このため、導電性材料部72の一部であって極めて薄くなっている部分、及び銀ペースト層12Cの一部であって極めて薄くなっている部分が補われるようにして導電性材料部72によって覆われている。
【選択図】図1

Description

本発明は固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法に関し、特に複数のコンデンサ素子が積層され電気的に並列接続されてなる固体電解コンデンサ及び当該固体電解コンデンサの製造方法に関する。
固体電解コンデンサとしては、高い静電容量を確保するために複数のコンデンサ素子が積層され電気的に並列接続されている構成が従来より知られている。例えば、特開2004−289142号公報(特許文献1参照)にはこの構成の積層型固体電解コンデンサが記載されている。積層型固体電解コンデンサを構成する複数のコンデンサ素子は、各陰極部が導電性接着剤により互いに電気的に接続されて積層されている。
特開2004−289142号公報
上記公報記載の固体電解コンデンサでは、ESR低減を十分且つ安定して図ることはできなかった。そこで本発明は、安定して低ESR化が図られた固体電解コンデンサ及び当該固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子を複数備え、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに積層配置されて、互いに電気的に並列接続されてなる素子積層体を有し、該素子積層体は、該陰極部の端部において全ての該端部に跨って覆うようにして設けられた導電性材料部を有する固体電解コンデンサであって、ユーザ側陰極電極と、該ユーザ側陰極電極に電気的に接続された陰極側導電性接続具とを有し、最下層をなす該コンデンサ素子の該陰極部は導電性接着剤を介して該陰極側導電性接続具に電気的に接続され、該コンデンサ素子の積層方向において該最下層をなすコンデンサ素子の陰極部と該陰極側導電性接続具との間に位置する該導電性接着剤は、その端縁が該コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向において該素子積層体の輪郭であって最下層をなす該コンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭と一致する位置関係にあるか又は該輪郭よりも外方へ突出する位置関係にある固体電解コンデンサを提供している。
素子積層体の最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭は、最下層のコンデンサ素子の最外層が導電性材料部により覆われていない場合には、コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向における最下層のコンデンサ素子の最外層の外表面からなり、導電性材料部により覆われている場合には、最下層のコンデンサ素子の最外層を覆う導電性材料部の部分であってコンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向における部分の外表面からなる。
コンデンサ素子の積層方向において最下層をなすコンデンサ素子の陰極部と陰極側導電性接続具との間に位置する導電性接着剤は、その端縁がコンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向において素子積層体の輪郭であって最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭と一致する位置関係にあるか又は輪郭よりも外方へ突出する位置関係にあるため、コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向において素子積層体の輪郭であって最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭の一部が、導電性接着剤により覆われた状態とすることができる。このことによりESRを低減した固体電解コンデンサとすることができる。
ここで、該導電性接着剤の端縁は、該一の方向において該素子積層体の該導電性材料部の端縁と一致する位置関係にあるか又は該導電性材料部の端縁よりも外方へ突出する位置関係にあることが好ましい。
導電性接着剤の端縁は、一の方向において素子積層体の導電性材料部の端縁と一致する位置関係にあるか又は導電性材料部の端縁よりも外方へ突出する位置関係にあるため、コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向において素子積層体の輪郭であって最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭が導電性材料部の外表面からなり、この該表面を導電性接着剤により覆われた状態とすることができる。このことによりESRを更に低減した固体電解コンデンサとすることができる。
また、該導電性材料部を構成する材料と該導電性接着剤を構成する材料とは組成が異なることが好ましい。
導電性材料部を構成する材料と導電性接着剤を構成する材料とは組成が異なるため導電性材料部に要求される特性と、導電性接着剤に要求される特性とをそれぞれ満たした固体電解コンデンサとすることができる。
また、表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは、互いに近接配置されたスルーホールを介してそれぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンと電気的に接続される基板を備え、該ユーザ側陰極電極は該第2の導電パターンからなり、該陰極側導電性接続具は該第1の導電パターンからなることが好ましい。
表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、表面の第1導電パターン、第2の導電パターンは、互いに近接配置されたスルーホールを介してそれぞれ裏面の第1の導電パターン、第2の導電パターンと電気的に接続される基板を備え、ユーザ側陰極電極は第2の導電パターンからなり、陰極側導電性接続具は第1の導電パターンからなるため、第1の導電パターンと陰極部の端部との間をESRを低減させた状態で電気的に接続された固体電解コンデンサとすることができる。
また、本発明は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子を複数製造するコンデンサ素子製造工程と、該コンデンサ素子を、該陽極部の端部同士を互いに隣接させて積層配置するとともに該陰極部同士を互いに積層配置して、該陰極部同士を互いに電気的に接続して素子積層体を構成する積層工程と、該コンデンサ素子の該陰極部の全ての該端部に跨って覆うようにして導電性材料部を設ける端部処理工程と、ユーザ側陰極電極に電気的に接続された陰極側導電性接続具の表面の部分であって最下層をなす該コンデンサ素子の該陰極部の少なくとも端縁部分に対向させられる部分に導電性接着剤を塗布する塗布工程と、最下層をなす該コンデンサ素子の該陰極部を該陰極側導電性接続具に対向配置させ、積層された複数の該コンデンサ素子を該陰極側導電性接続具に押圧する押圧工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法を提供している。
ユーザ側陰極電極に電気的に接続された陰極側導電性接続具の表面の部分であって最下層をなすコンデンサ素子の陰極部の少なくとも端縁部分に対向させられる部分に導電性接着剤を塗布する塗布工程と、最下層をなすコンデンサ素子の陰極部を陰極側導電性接続具に対向配置させ、積層された複数のコンデンサ素子を陰極側導電性接続具に押圧する押圧工程とを有するため、押圧工程における押圧によって、塗布工程において塗布された導電性接着剤を、その端縁がコンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向において素子積層体の輪郭であって最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭と一致する位置関係とするか又は輪郭よりも外方へ突出する位置関係とすることができる。
このため、コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向において素子積層体の輪郭であって最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭の一部を導電性接着剤により覆うことができ、このことによりESRを低減することができる。
素子積層体の最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭は、最下層のコンデンサ素子の最外層が導電性材料部により覆われていない場合には、コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向における最下層のコンデンサ素子の最外層の外表面からなり、導電性材料部により覆われている場合には、最下層のコンデンサ素子の最外層を覆う導電性材料部の部分であってコンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向における部分の外表面からなる。
ここで、該塗布工程及び該押圧工程では、表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは互いに近接配置されたスルーホールを介してそれぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンと電気的に接続される基板の該第2の導電パターンを該ユーザ側陰極電極として用い、該第1導電パターンを該陰極側導電性接続具として用いることが好ましい。
塗布工程及び押圧工程では、表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ表面の第1導電パターン、第2の導電パターンは互いに近接配置されたスルーホールを介してそれぞれ裏面の第1の導電パターン、第2の導電パターンと電気的に接続される基板の第2の導電パターンをユーザ側陰極電極として用い、第1導電パターンを陰極側導電性接続具として用いるため、第1の導電パターンと陰極部の端部との間をESRを低減させた状態で電気的に接続することができる。
また、該端部処理工程において設けられる該導電性材料部となる材料の粘度と、該塗布工程で塗布される該導電性接着剤の材料の粘度とは異なることが好ましい。
端部処理工程において設けられる導電性材料部となる材料の粘度と、塗布工程で塗布される導電性接着剤の材料の粘度とは異なるため、導電性接着剤の粘度を導電性材料部の粘度よりも高くして、陰極側導電性接続具上から流出してしまうことを防止することができる。また、コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向における素子積層体の輪郭であって最下層をなすコンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭に対する、コンデンサ素子の積層方向において最下層をなすコンデンサ素子の陰極部と陰極側導電性接続具との間に位置する導電性接着剤の端縁の位置を、容易に調整することを可能とすることができる。
以上により、本発明は、安定して低ESR化が図られた固体電解コンデンサ及び当該固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法について図1乃至図6に基づき説明する。先ず、固体電解コンデンサの製造方法によって製造される固体電解コンデンサについて説明する。図1に示されるように固体電解コンデンサ1は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40と、プリント基板50と、接続部材60と、4つのコンデンサ素子10〜40を覆うようにしてモールドする図示せぬモールド部とを備えている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、それぞれ同一形状且つ同一の構成であり、図1に示されるように陽極部11〜41と、陰極部12〜42とを備えている。なお、図2を参照して説明する以下の説明では、4つのコンデンサ素子10〜40の構成は同一であることから、コンデンサ素子10のみについて図示し、他のコンデンサ素子20〜40については説明を省略する。
陽極部11は略長方形状をした板状をなしており、図1及び図2に示される左右方向に長辺が指向し、図1に示される左側の端部11Bには、図3に示されるように外方へ略長方形状に突出する凸部11Cが設けられている。陽極部11は弁作用金属であるアルミニウムにより構成されており、図2に示されるように、その表面には、表面積を増やすためにエッチングが施されることにより粗面化(拡面化)されてポーラス状になっている。このポーラス状の表面全体は化成処理(陽極酸化)によって絶縁性の酸化膜層(誘電体層)11Aが形成されている。陽極部11の寸法は、長手方向の長さが10mm、幅が5mm程度であり、厚さ、即ち、図2に示される上下方向の幅は100μm程度である。
陽極部11の表面の所定の領域、即ち、図2に示される陽極部11の右側の端部から左側の端部11Bに向って陽極部11の左右方向の長さの略2/3の位置に至るまでの領域全体には、導電性のポリマーにより構成される固体電解質層12Aが形成されている。固体電解質層12Aは酸化膜層11Aの上に積層して設けられており、酸化膜層11Aに対向する固体電解質層12Aの部分は、エッチングにより陽極部11の表面に形成されたポーラスの中に入り込んでいる。
固体電解質層12A上には、カーボンペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとがこの順で積層されており、固体電解質層12A、カーボンペースト層12B、及び銀ペースト層12Cは陰極部12を構成する。カーボンペースト層12B及び銀ペースト層12Cは、固体電解質層12Aが形成されている陽極部11及び酸化膜層(誘電体層)11Aの領域を覆うようにして固体電解質層12A上に形成されている。なお、銀ペースト層12Cは、実際には、図2に示されるように均一の厚さを有しておらず、図1に示されるように、カーボンペースト層12Bの図の右端に示される角部においては、極めて薄くなっている。
陽極部11の図2に示される左側の端部11Bであって陰極部12が設けられていない領域と陰極部12との境界位置には、絶縁性を有するエポキシ系樹脂等からなるレジスト13が設けられている。レジスト13は、固体電解質層12Aを陽極部11上に形成するために陽極部11となる化成箔を溶液に浸漬させているときに、ポーラス状になっている陽極部11の表面において毛細管現象により溶液が所定の領域よりも図2の左側の方へ上がってくることを防止し、固体電解質層12Aが形成されていない陽極部11の図2に示される左側の端部11Bを確保するために設けられている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、図1に示されるように、陰極部12〜42同士が互いに積層配置されて素子積層体をなしている。陰極部12〜42は、板状の陽極部11〜41上に形成されているため、陽極部11〜41の厚さ方向に対して略垂直な上面10A〜40Aと下面10B〜40Bとを有している。図1に示されるように、積層される4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の上面10Aと第2コンデンサ素子20の下面20Bとが導電性接着剤71によって接着され、第2コンデンサ素子20の上面20Aと第3コンデンサ素子30の下面30Bとが導電性接着剤71によって接着され、第3コンデンサ素子30の上面30Aと第4コンデンサ素子40の下面40Bとが導電性接着剤71によって接着されている。
従って、4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42は電気的に接続されており、後述のように4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41B同士が電気的に接続されることと相まって、4つのコンデンサ素子10〜40は電気的に並列接続されている。導電性接着剤71は、銀−エポキシ系接着剤、即ち、エポキシ樹脂と銀とを主成分とし、銀がエポキシ樹脂中に混合されて構成されている。
4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42が設けられていない陽極部11〜41の端部11B〜41Bの部分は、陰極部12〜42が設けられている部分と比較して銀ペースト層12C等が形成されていないことから薄くなっている。このため、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の積層方向において、陽極部11〜41の図の左側の端部11B〜41B同士が互いに所定の間隔で離間して隣接して積層配置されている。
また、4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42の図1に示される右端部には、陰極部12〜42に跨って覆うようにして設けられた導電性材料部72を有している。導電性材料部72は、銀−エポキシ系接着剤、即ち、エポキシ樹脂と銀とを主成分とし、銀がエポキシ樹脂中に混合されてなる材料により構成されており、導電性接着剤71とは組成が異なり導電性接着剤71の材料の方が導電性材料部72の材料よりも粘度が高い。後述のように導電性接着剤71をプリント基板50上に塗布した後に、導電性接着剤71が流れてしまわないように、導電性材料部72の材料よりも導電性接着剤71の材料の方が高い粘度が要求されるが、導電性材料部72を構成する材料と導電性接着剤71を構成する材料とは組成が異なっているため、このような特性の要求を満たした固体電解コンデンサ1とすることができる。なお、図1の左から右へ向かう方向は一の方向に相当する。
導電性材料部72の一部であって最下層のコンデンサ素子10及び最上層のコンデンサ素子40に相当する部分は、コンデンサ素子10の銀ペースト層12Cと場合と同様に、図1に示されるように、カーボンペースト層12Bの図の右端に示される下側の角部と、カーボンペースト層42Bの図の右端に示される上側の角部とにおいては、極めて薄くなっている。導電性材料部72により陰極部12〜42の当該右端部同士が低ESRで互いに電気的に接続される。
積層された4つのコンデンサ素子10〜40は、陽極部11〜41と略同一形状をしたプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、例えば、エポキシ樹脂製のプリント基板50である。4つのコンデンサ素子10〜40は、プリント基板50に対して形状が一致して重なるようにプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40のうちの第1コンデンサ素子10の陰極部12及び陽極部11の下面に対向している。
プリント基板50の表面50A及び裏面50Bには、第1の導電パターン51A、51Bと第2の導電パターン52A、52Bとがそれぞれ設けられている。表面50Aの第1導電パターン51A、第2の導電パターン52Aは、それぞれ裏面50Bの第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bと、スルーホール50a、50bを介して電気的に接続されている。第1の導電パターン51Aは、第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bに対向する位置に配置されており、第2の導電パターン52Aは、第1コンデンサ素子10の陰極部12に対向する位置に配置されている。
プリント基板50の裏面の第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bは、それぞれ図示せぬ電子回路等に実装されるいわゆるユーザ端子であり、プリント基板50の表面の第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52Aと同様の金属材料により構成されている。第2の導電パターン52Bはユーザ側陰極電極に相当し、第2の導電パターン52Aは陰極側導電性接続具に相当する。陽極部11の図1に示される左側の端部11Bは、プリント基板50の表面の第1の導電パターン51Aに電気的に後述の接続部材60を介して接続されている。また、陰極部12が導電性接着剤71によって第2の導電パターン52Aに電気的に接続されている。導電性接着剤71としては、例えば、陰極部12〜42間に設けられた導電性接着剤71と同一の銀−エポキシ系接着剤が用いられる。
陰極部12と第2の導電パターン52Aとを電気的に接続する導電性接着剤71は、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の積層方向において最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12と第2の導電パターン52Aとの間の位置で、その端縁71Aがコンデンサ素子10〜40の積層方向に垂直をなす一の方向、即ち、図の左から右へ向かう方向において素子積層体の輪郭であって最下層のコンデンサ素子10の陰極部12相当部分の輪郭10Cよりも外方へ突出する位置関係にある。輪郭10Cに対する端部71Aの突出量は10μm〜100μm程度である。このため、前述のように導電性材料部72の一部であって極めて薄くなっている部分、及び銀ペースト層12Cの一部であって極めて薄くなっている部分を補うようにして、当該薄くなっている部分を導電性材料部72によって覆った状態とすることができる。
この結果、第2の導電パターン52Aと陰極部12の図1の右端部との間をESRを低減させた状態で電気的に接続することができ、ESRを低減した固体電解コンデンサ1とすることができる。更に、陰極部12の図1に示される右端部が導電性材料部72によっても覆われているため、ESRを更に低減した固体電解コンデンサ1とすることができる。また、導電性接着剤71の材料の粘度を調整することにより、前述の突出量を調整することが可能である。ここで、素子積層体の最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12相当部分の輪郭10Cは、最下層のコンデンサ素子10の最外層たる銀ペースト層12Cを覆う導電性材料部72の部分であってコンデンサ素子10〜40の積層方向に垂直をなす一の方向における部分の外表面からなる。
4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bの位置には、接続部材60が設けられている。接続部材60は、図3に示されるように、それぞれ略長方形状の板状をなす接続部本体61と底部62と上壁部63とを有している。
接続部本体61は、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の積層方向に沿って延出し、陽極部11〜41の各端部11B〜41Bにそれぞれ跨って当接して固定されている。接続部本体61は、すべての陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cに対向した状態で、コンデンサ素子10〜40の積層方向に交差する方向であって、且つ陽極部11〜41の端部の凸部11C〜41Cが当接している側とは反対の側である接続部材60の外側から、即ち、図1の左側から右側へ向けてレーザの照射を受けることにより、陽極部11〜41の各端部11B〜41Bにそれぞれ電気的に接続される。接続部材60はNiにより構成されている。
接続部本体61は、図1に示されるように、積層されたコンデンサ素子10〜40よりも積層方向上方に突出する上方余肉部60Aと積層方向下方に突出する下方余肉部60Bとを備えている。上方余肉部60A、下方余肉部60Bは、それぞれ接続部本体61と同一の材料で接続部本体61と一体に設けられている。
上壁部63は、接続部本体61と同一の材料で接続部本体61と一体に設けられており、接続部本体61に関してコンデンサ素子10〜40側の方向、即ち、図1の右方向へ上方余肉部60Aから延出し、接続部本体61と略垂直の角度をなして接続されている。上壁部63は、積層された複数のコンデンサ素子10〜40の最上層のコンデンサ素子40の上方に位置しており、図1に示される最上層のコンデンサ素子40の上面と所定の隙間を介して対向している。上壁部63の延出方向に垂直の方向であって図3における左右方向に相当する上壁部63の長さは、同方向における接続部本体61の長さよりも短い。
接続部材60の底部62は、接続部本体61と同一の材料で接続部本体61と一体に設けられており、接続部本体61に関してコンデンサ素子10〜40側の方向、即ち、図1の右方向へ下方余肉部60Bから延出し、接続部本体61と略垂直の角度をなして接続されている。従って、接続部材60は、図1に示されるように、底部62と接続部本体61と上壁部63とで略コの字状をなしている。底部62の長手方向の幅、即ち、図3における左右方向の長さは、同方向における接続部本体61の長さに等しい。
底部62は、第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bと、プリント基板50の第1の導電パターン51Aとの間に配置されており、最下層のコンデンサ素子10の端部11Bの下面とプリント基板50の第1の導電パターン51Aとにそれぞれ当接している。底部62は、コンデンサ素子10〜40の積層方向、即ち、図1において上から下に向う方向へレーザの照射を受けることによりプリント基板50の第1の導電パターン51Aに電気的に接続される。
前述のように、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bには凸部11C〜41Cが設けられているため、図3に示されるように、端部11B〜41Bはあたかも長方形状の一の短辺を挟む2つの角部を、それぞれ切欠いて取除いたたような形状をなしている。これに対して、図3に示されるように底部62は長方形状をしている。底部62は、コンデンサ素子10〜40の積層方向において、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cと重なるように配置されるのであるが、底部62の長手方向の幅、即ち、図3における左右方向の長さは、陽極部11〜41の幅方向における凸部11C〜41Cの幅、即ち図3における凸部11C〜41Cの左右方向の長さよりも大きい。また、底部62の長手方向の幅、即ち、図3における左右方向の長さは、図3における上壁部63の左右方向の長さよりも大きい。このため、底部62は、結果的にコンデンサ素子10〜40の積層方向においていずれのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41とも重ならず、また、上壁部63とも重ならない非重畳部62Aを有する。
固体電解コンデンサの製造方法では、先ず、コンデンサ素子製造工程を行う。実際に行われるコンデンサ素子製造工程では、複数のコンデンサ素子が同時に製造されるが、ここでは、説明の便宜上1つのコンデンサ素子10が製造される工程を一回のコンデンサ素子製造工程とする。先ず、表面に酸化膜層11Aが形成され陽極部11となるアルミニウム板、即ち、化成箔を打抜いて一端を略陰極部12の形状とする。このとき、後述のように陽極部となる化成箔の部分は、複数同時に製造される他のコンデンサ素子の陽極部が形成される化成箔の部分と、製品にならない余分な化成箔の部分を介して接続された状態となっている。後述の積層工程を行う直前に行う切断の工程において、この余分な化成箔の部分は切断され除去される。
次に、スクリーン印刷法を用いて、陽極部11の所定の位置であって陰極部12と陽極部11との境界となる位置にレジスト13を形成する。次に、前述のように化成箔を打抜いたときに、打抜いた断面には酸化膜層11Aが形成されていない部分が生ずるが、この部分に酸化膜層11Aを生成するために再度酸化させる再化成を行う。
次に、レジスト13を境とする所定の領域、即ち図1に示される陽極部11のレジスト13よりも右側の部分に相当する化成箔の部分を、固体電解質層12Aを形成するための反応溶液中に浸漬し、化学酸化重合を行うことにより固体電解質層12A、即ち、導電性ポリマー層を形成する。陽極部11の表面はエッチングによりポーラス状になっているので、直接銀ペースト層12Cを形成することができないため、銀ペースト層12Cを形成する準備のために固体電解質層12Aを形成するのである。
次に、何らかの原因により、化成箔の表面に形成されている酸化膜層11Aに破損が生じることがある。この部分を修正するために再度酸化させる修復工程を行う。次に、導電性高分子層の上にカーボンペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとをこの順で積層して形成する。カーボンペースト層12B、銀ペースト層12Cの形成は、ディップ法やスクリーン印刷法やスプレー塗布法等が用いられる。以上がコンデンサ素子製造工程である。このコンデンサ素子製造工程を4回行うことによって、4つのコンデンサ素子10〜40を製造する。
次に、陽極部となる化成箔の部分から前述の余分な化成箔の部分を切断し除去し、複数のコンデンサ素子が余分な化成箔の部分によって繋がれている状態から、ばらばらにされた4つのコンデンサ素子10〜40の状態とする。
次に、積層工程を行う。積層工程では、4つのコンデンサ素子10〜40を、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41B同士が互いに隣接するように積層配置するとともに、陰極部12〜42同士を互いに積層配置して素子積層体を製造する。陰極部12〜42間には、銀−エポキシ系接着剤たる導電性接着剤71が塗布され、陰極部12〜42同士が導電性接着剤71によって互いに電気的に接続される。
より具体的には、先ず、コンデンサ素子10の陰極部12の上面に導電性接着剤71を塗布し、コンデンサ素子20の陰極部22の下面を、導電性接着剤71を介してコンデンサ素子10の陰極部12に電気的に接続し固定する。また、コンデンサ素子20の陰極部22の上面に導電性接着剤71を塗布し、コンデンサ素子30の陰極部32の下面を、導電性接着剤71を介してコンデンサ素子20の陰極部22に電気的に接続し固定する。また、コンデンサ素子30の陰極部32の上面に導電性接着剤71を塗布し、コンデンサ素子40の陰極部42の下面を、導電性接着剤71を介してコンデンサ素子30の陰極部32に電気的に接続し固定する。
次に端部処理工程を行う。端部処理工程では、導電性材料部72となる材料が貯留されている貯留漕に浸漬させた図示せぬへら、若しくは導電性材料部72となる材料を吐出可能なディスペンサーを用いて、陰極部12〜42の図1に示される右端部に当該導電性材料部72となる材料を供給することにより、導電性材料部72を設ける端部処理を行うか、又は、陰極部12〜42の図1に示される右端部を、導電性材料部72となる材料が貯留されている貯留漕中に浸漬させることにより、導電性材料部72を設ける端部処理を行う。
次に、接続工程を行う。接続工程では、図3に示されるように、4つの積層されたコンデンサ素子10〜40とは別体として用意された接続部材60を、積層した複数のコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bに、電気的に接続することにより、4つのコンデンサ素子10〜40を互いに電気的に並列接続する接続部材固定工程を行う。
具体的には、先ず、積層された4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bの凸部11Cと平行に底部62を対向配置させた状態で、接続部材60の接続部本体61をすべての陽極部11〜41の当該端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cに跨って当接させる。このことにより、コンデンサ素子10〜40の積層方向においていずれのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41とも重ならない非重畳部62Aを底部62に規定する。
なお、図3において二点鎖線で示される矢印は、単に積層された4つのコンデンサ素子10〜40と、接続部材60と、プリント基板50との位置関係を示しているだけであって、必ずしもこの方向に移動させることによりこれら3つを接続するという意味ではない。
次に、陽極部11〜41の端部11B〜41Bに当接する接続部本体61の側に対する反対の側、即ち、図1に示される左側から、コンデンサ素子10〜40の積層方向に交差する方向、具体的には、積層方向に垂直の方向に向けて接続部本体61に対してレーザを照射する。レーザはYAGレーザ溶接が用いられ、レーザの照射は、陽極部11〜41の端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cに当接する接続部本体61の位置にのみにスポットで間欠的に照射する。例えば、光ファイバとしてφ0.4mmのSIファイバを用いた場合には、1回の照射エネルギーは3Jから15J程度である。このことにより接続部本体61を陽極部11〜41の各端部11B〜41Bに電気的に接続する。以上が接続部材固定工程である。
次に、プリント基板接続工程を行う。プリント基板接続工程では塗布工程と押圧工程とレーザ照射工程とを行い、図3に示されるように、4つの積層されたコンデンサ素子10〜40、接続部材60とは別体として用意されたプリント基板50上に、当該4つの積層されたコンデンサ素子10〜40及び接続部材60を載置し電気的に接続する。具体的には、塗布工程では、図5に示されるように、後述の押圧工程においてプリント基板50の第2の導電パターン52A上であって最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12の図1の右端部(図5の下端部)に対向させられる部分に、当該右端部に沿って導電性接着剤71を塗布する。また、後述の押圧工程においてプリント基板50の第2の導電パターン52A上であってレジスト13近傍の陰極部12に対向させられる部分に、レジスト13に沿って(図6)導電性接着剤71を塗布する。
平面視において塗布される導電性接着剤71の形状は、図5に示されるように長細い略長方形状をなしており、長手方向の長さは4.5mm程度であり、幅Aは0.2mm程度であり、導電性接着剤71からプリント基板50の第2の導電パターン52Aの図5の下端縁までの距離Bは0.3mm程度である。
次に押圧工程では、図6に示されるように、略長方形状をしたコンデンサ素子10とプリント基板50とを、互いに略一致した位置関係で対向配置させ、導電性接着剤71を間に介在させた状態でコンデンサ素子10をプリント基板50に対して相対的に押圧する。コンデンサ素子10の陰極部12の図6の下縁部からプリント基板50の第2の導電パターン52Aの図6の下端縁までの距離Cは0.2mm程度である。
この押圧により、図6に示されるように導電性接着剤71は、コンデンサ素子10の陰極部12の図6に示される下端縁からはみ出し、コンデンサ素子10〜40の積層方向において最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12と第2の導電パターン52Aとの間の位置で、その端縁71Aがコンデンサ素子10の積層方向に垂直をなす一の方向、即ち、図1の左から右へ向かう方向において素子積層体の輪郭であって最下層のコンデンサ素子10の陰極部12相当部分の輪郭10C(図1)よりも外方へ突出する。この突出した部分は、前述のように導電性材料部72の一部であって極めて薄くなっている部分、及び銀ペースト層12Cの一部であって極めて薄くなっている部分を補うようにして、当該薄くなっている部分を覆う。
レーザ照射工程では、接続部材60の底部62を第1の導電パターン51A上に当接させ、非重畳部62Aに対してコンデンサ素子10〜40の積層方向から、即ち、図1に示される上方向から、図3の破線で示される円の位置にレーザを照射する。このことにより、接続部材60の底部62をプリント基板50の第1の導電パターン51Aに電気的に接続する。
その後、固体電解コンデンサ1を保護するためにモールドを行い、切断を行い、更に、損傷している部分を修復するためのエージングを行い、特性検査、外観検査を経て固体電解コンデンサの製造方法の全工程を終了する。
次に、本発明の効果を試す試験を行った。試験では、本実施の形態による固体電解コンデンサ1を本発明品として6つ製造し、ESR(100kHz)の値を測定した。また、固体電解コンデンサの製造方法における塗布工程で、プリント基板50の第2の導電パターン52A上の中央位置に、図7に示されるように円形に導電性接着剤71を塗布することにより製造した固体電解コンデンサを、従来品として6つ製造し、ESR(100kHz)の値を測定した。本発明品の図5に示される導電性接着剤71の塗布面積と、従来品の図7に示される導電性接着剤71の塗布面積とは同一であり、導電性接着剤71の塗布量も同一である。試験結果は表1に示されるとおりである。
Figure 2009010153
表1に示されるように、本発明品ではいずれもESR(100kHz)の値は、4.66〜5.41であり5.00前後になっており、安定して良好な低い値を得ることができている。これに対して従来品では、全体としてESR(100kHz)の値は高く9.00を超えており、また、値もばらつきが大きく、9.73〜16.30となっている。この結果より、本発明品の導電性接着剤71の塗布面積と、従来品の導電性接着剤71の塗布面積とは同一であり、導電性接着剤71の塗布量は同一であっても、本発明品では、ESR(100kHz)の値は低くなり、且つ、ESR(100kHz)の値は安定していることが分かる。
本発明による固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、積層されたコンデンサ素子10〜40からなる素子積層体はプリント基板50上に配置されたが、これに限定されない。例えば、プリント基板50に代えてリードフレーム上に載置されるようにしてもよい。この場合には、ユーザ端子となるリードフレームの部分はユーザ側陰極電極に相当し、導電性接着剤71を介して最下層のコンデンサ素子10の陰極部12に電気的に接続されるリードフレームの部分は陰極側導電性接続具に相当する。
また、導電性材料部72は、4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42の図1に示される右端部に設けられたが、この位置に限定されない。例えば、図1に示される素子積層体の、図1の紙面の手前又は奥に位置する左右方向に沿った正面全体又は背面全体を覆うようにして、4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42の図の手前又は奥の端部において全ての当該端部に跨って覆うようにして設けられてもよい。この場合、素子積層体の最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12相当部分の輪郭は、紙面の手前と奥とを結ぶ方向における最下層のコンデンサ素子10の銀ペースト層12Cの外表面からなる。
また、陰極部12と第2の導電パターン52Aとを電気的に接続する導電性接着剤71は、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の積層方向において最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12と第2の導電パターン52Aとの間の位置で、その端縁71Aがコンデンサ素子10〜40の積層方向に垂直をなす一の方向、即ち、図の左から右へ向かう方向において素子積層体の輪郭であって最下層のコンデンサ素子10の陰極部12相当部分の輪郭10Cよりも外方へ突出する位置関係にあったが、突出せず、当該端縁と当該輪郭とが一致する位置関係にあってもよい。
また、塗布工程において導電性接着剤71を塗布する位置は上述の実施の形態に限定されない。第2の導電パターン52A等の陰極側導電性接続具の表面の部分であって最下層をなすコンデンサ素子10の陰極部12の少なくとも端縁部分に対向させられる部分に導電性接着剤71を塗布すればよい。従って、例えば、陰極部12〜42に対向する第2の導電パターン52Aの全面に塗布してもよい。
また、導電性材料部72を構成する材料の組成と、導電性接着剤71を構成する材料の組成とは異なり、導電性接着剤71を構成する材料の方が導電性材料部72を構成する材料よりも粘度が高かったが、これに限定されない。例えば、組成を同じとして粘度も同じにしてもよいし、また組成は異なるが粘度を同じにしてもよい。
また、導電性接着剤71は、エポキシ樹脂と銀とを主成分とし、銀がエポキシ樹脂中に混合されて構成されていたが、これに限定されない。例えば、エポキシ樹脂に代えてポリイミド、シリコーン、アクリル、フェノキシ、ポリエステル等の樹脂を用いてもよい。また、陰極部12〜42間に設けられた導電性接着剤71は、銀−エポキシ系接着剤が用いられたが、これに代えて、例えば銀等の導電性成分を含まないエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の、導電性ではない接着剤が用いられてもよい。
また、レーザを照射する位置は、図3において破線で示される円の位置には限られない。また、接続部材のレーザ照射を受ける表面は粗面化されていてもよい。粗面化されていることにより、レーザ光の反射を低減することができる。このため、接続部材におけるレーザ光の吸収を増加させることができる。
また、接続部材60はNiにより構成されていたが、これに限定されない。例えば、SUS、鉄、アルミニウム、銅、リン青銅、Mo、Cr等の導電性の金属、又は、Fe―Ni合金に代表されるようなこれらを含む合金であればよい。また、表面に導電性材料がメッキされたものを用いてもよい。この場合メッキとしては、例えば、Snメッキ、Znメッキ、半田メッキ、Niメッキ等が用いられる。これらは、レーザを反射する等のレーザ照射に対する悪影響の少ないものであるため用いられる。また、例えば、日立電線株式会社により製造されている商品名「日立ハイクラッド」のような、異種金属を金属学的に接合させたいわゆるクラッド材等を用いてもよい。また、コンデンサ素子10〜40は4つ設けられていたが、個数は4つに限定されない。
また、接続部本体61と底部62と上壁部63とは一体に接続されていたが、これに限定されず、予め別体として用意された接続部本体と底部とを溶接等により接続して構成してもよい。
また、レーザの照射は、陽極部11〜41の端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cに当接する接続部本体61の位置にのみにスポットで間欠的に照射したが、これに限定されない。例えば、接続部本体61の長手方向の一端から他端へ向って波を描くようにして照射してもよく、接続部本体61の幅方向の一端から他端へ向って波を描くようにして照射してもよい。また、レーザの強度は略一定であってもよく、また、照射する位置によって強度を変えてもよい。
また、レーザはYAGレーザ溶接が用いられたが、これに限定されず、例えば、第二高調波レーザや、LD(半導体)レーザ、エキシマレーザ等を用いてもよい。
また、接続部本体61は、すべての陽極部11〜41の端部11B〜41Bの凸部11C〜41Cに当接した状態でレーザ照射されたが、当接せずに接続部本体61と凸部11C〜41Cとの間に僅かな隙間を介して近接対向した状態でレーザ照射されてもよい。この場合には、接続部本体61と凸部11C〜41Cとの間の距離は50μm以下であることが好ましく、更に、30μm以下であることがより好ましい。このように近接対向した状態でレーザ照射された場合であっても、レーザ照射によって接続部本体61が溶融して陽極部11〜41の凸部11C〜41Cに当接した状態となると考えられ、凸部11C〜41Cと接続部本体61とは電気的に接続されると考えられる。
また、コンデンサ素子10〜40は4つ設けられていたが、個数は4つに限定されない。また、陽極部11〜41を構成する弁作用金属はアルミニウムにより構成されたが、これに限定されない。例えばタンタルやニオブ等であってもよい。
また、接続部材は、本実施の形態による接続部材60の形状に限定されない。また、接続部材が固定されるコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bの位置は、本実施の形態による位置に限られない。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、多数のコンデンサ素子が積層されて構成される固体電解コンデンサ及び当該固体電解コンデンサの製造方法の分野において有用である。
本発明の実施の形態による固体電解コンデンサを示す断面図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す断面図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法を示す斜視図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の塗布工程を示す概略斜視図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の塗布工程を示す概略平面図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法の押圧工程を示す概略平面図。 比較品の固体電解コンデンサのプリント基板上に導電性接着剤が塗布された状態を示す概略平面図。
符号の説明
1 固体電解コンデンサ
10〜40 コンデンサ素子
10C 輪郭
11〜41 陽極部
11A 酸化膜層
11B〜41B 端部
12〜42 陰極部
12A 固体電解質層
12B カーボンペースト層
12C 銀ペースト層
71 導電性接着剤
71A 端縁

Claims (7)

  1. 表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子を複数備え、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに積層配置されて、互いに電気的に並列接続されてなる素子積層体を有し、該素子積層体は、該陰極部の端部において全ての該端部に跨って覆うようにして設けられた導電性材料部を有する固体電解コンデンサであって、
    ユーザ側陰極電極と、該ユーザ側陰極電極に電気的に接続された陰極側導電性接続具とを有し、最下層をなす該コンデンサ素子の該陰極部は導電性接着剤を介して該陰極側導電性接続具に電気的に接続され、
    該コンデンサ素子の積層方向において該最下層をなすコンデンサ素子の陰極部と該陰極側導電性接続具との間に位置する該導電性接着剤は、その端縁が該コンデンサ素子の積層方向に垂直をなす一の方向において該素子積層体の輪郭であって最下層をなす該コンデンサ素子の陰極部相当部分の輪郭と一致する位置関係にあるか又は該輪郭よりも外方へ突出する位置関係にあることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 該導電性接着剤の端縁は、該一の方向において該素子積層体の該導電性材料部の端縁と一致する位置関係にあるか又は該導電性材料部の端縁よりも外方へ突出する位置関係にあることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 該導電性材料部を構成する材料と該導電性接着剤を構成する材料とは組成が異なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは、互いに近接配置されたスルーホールを介してそれぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンと電気的に接続される基板を備え、
    該ユーザ側陰極電極は該第2の導電パターンからなり、該陰極側導電性接続具は該第1の導電パターンからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の固体電解コンデンサ。
  5. 表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子を複数製造するコンデンサ素子製造工程と、
    該コンデンサ素子を、該陽極部の端部同士を互いに隣接させて積層配置するとともに該陰極部同士を互いに積層配置して、該陰極部同士を互いに電気的に接続して素子積層体を構成する積層工程と、
    該コンデンサ素子の該陰極部の全ての該端部に跨って覆うようにして導電性材料部を設ける端部処理工程と、
    ユーザ側陰極電極に電気的に接続された陰極側導電性接続具の表面の部分であって最下層をなす該コンデンサ素子の該陰極部の少なくとも端縁部分に対向させられる部分に導電性接着剤を塗布する塗布工程と、
    最下層をなす該コンデンサ素子の該陰極部を該陰極側導電性接続具に対向配置させ、積層された複数の該コンデンサ素子を該陰極側導電性接続具に押圧する押圧工程とを有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 該塗布工程及び該押圧工程では、表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは互いに近接配置されたスルーホールを介してそれぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンと電気的に接続される基板の該第2の導電パターンを該ユーザ側陰極電極として用い、該第1導電パターンを該陰極側導電性接続具として用いることを特徴とする請求項5記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 該端部処理工程において設けられる該導電性材料部となる材料の粘度と、該塗布工程で塗布される該導電性接着剤の材料の粘度とは異なることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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