JP2006104000A - 水素ガス生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型・軽量化が可能であると共に、エネルギーを循環利用したエネルギー利用効率の高い水素生成が行なえ、特に内燃機関を有する場合はその排気熱を利用して水素生成に必要な温度域を確保し、熱効率よく水素ガスを脱水素生成する。
【解決手段】 加圧下500℃以上で脱水素反応させる加圧型脱水素タンク10と常圧下250〜350℃で脱水素反応させる常圧型脱水素タンク20と常圧下100℃以下で脱水素/水素化反応させる脱水素兼水素化タンク30とを、水素エンジンの排出ガスを加圧型脱水素タンク10側から脱水素兼水素化タンク30の方向に向かって挿通する加熱器40によって、順次段階的に温度を下げつつ加熱する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素ガス生成装置に関し、詳しくは、廃熱のカスケード利用が可能で、水素ガスの生成を熱効率よく行なうことができる水素ガス生成装置に関する。
近年、環境適性が重要視され、二酸化炭素や窒素酸化物(NOx)等の排出を抑制しようとする動向から、電気自動車が注目されている。電気自動車は一般に、車両の駆動力を得るための電源としての燃料電池、及び該燃料電池を用いて発電を行なうための燃料である水素、又は水素を生成するための原燃料を搭載している。
また、従来から、内燃機関、特に水素エンジンを搭載した水素エンジン車も、車両の駆動力を得るための燃料源として水素、又は水素生成のための原燃料を搭載している。水素エンジン車も、燃料である水素の燃焼時に空気中の酸素と結合して水が発生するだけで、二酸化炭素や窒素酸化物等の排出に伴なう公害の心配がない点で燃料電池車と同等である。
車両が水素を搭載する場合には、水素ガスを圧縮して高圧ボンベに若しくは液化してタンクに充填し、又は水素吸蔵合金や水素吸着材料を用いて水素を搭載する。しかし、高圧ボンベも液体タンクも耐圧構造上、形状の制約を受けるうえ、高圧充填による場合は、容器壁厚が厚く大きいわりに内容積をかせげないため水素充填量が少なく、また、液体水素とする液化充填による場合は、断熱性に限度があるため、気化ロスが避けられないほか液化に多大なエネルギーを要し、いずれも総合的なエネルギー利用効率の点は望ましくなく、一般車両に車載した場合は安全性の面でも課題がある。また、水素吸蔵合金や水素吸着材料による場合は、水素エンジンに必要とされる水素貯蔵密度が不充分であり、水素の繰り返し吸蔵や速やかな吸着、脱離の制御も困難である。さらに、水素を高圧もしくは液化充填したり吸蔵するのに別途設備を整備する必要性もある。
一方、車両が原燃料を搭載する場合、原燃料としてのメタノールやガソリン等の炭化水素と原燃料を水蒸気改質して水素リッチガスを生成する水素生成装置とを搭載し、水素自体の搭載に比較して1回の燃料補給で走行可能な距離が長いという利点を持つと共に、さらに炭化水素系の原燃料は水素ガスに比較し輸送等の取扱いが容易である利点がある。
最近では、水素を燃料とした内燃機関として往復型及び回転型のものなどが実用化されている。しかしながら、上記のように水素供給源はいずれも液化水素もしくは圧縮水素であり、わが国での普及には安全面だけでなく、法規面、社会受容面などの点で抜本的な改善が要求される。また、水素エンジン等の内燃機関は、燃料のエネルギー利用効率の点で燃料電池に比較して劣るとされている。つまり、燃料電池が水素反応に伴なう化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換し、カルノー効率の制約を受けないのに対し、水素エンジンでは水素が持つ化学エネルギーを一旦熱エネルギーに変換し、これを更に機械エネルギーに変えるため、その過程で熱的エネルギーロスがあるほか、熱エネルギーの一部は排気熱として、そのまま車外に排出されている。
このように水素の燃焼で得られ、これまで単に放出されてきた熱量は、化学エネルギーに変換するならば、熱エネルギーとしての更なる利用が可能である。つまり、この熱量を水素の生成、すなわち吸熱反応である炭化水素からの脱水素化に利用し、この脱水素化を高温域だけでなく低温域でも行なわせて熱のカスケード利用を図ることができれば、燃焼廃熱を水素生成のためのエネルギー源にして有効利用する分、燃費性能の向上が期待できる。
この場合、熱により水素生成する方法として、例えば原燃料として炭化水素を用い、この炭化水素から脱水素して水素ガスを得る方法がある。例えば、脂環式炭化水素の1つであるデカリン(デカヒドロナフタレン)は、常温では殆ど蒸気圧がゼロ(沸点が200℃近傍)で取扱いし易いことから、原燃料としての使用の可能性が期待される。
デカリンの脱水素化方法としては、デカリンをコバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、ニッケル、及び白金より選ばれる少なくとも1種の遷移金属を含有する遷移金属錯体の存在下で光照射し、デカリンから水素を離脱させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、有機リン化合物のロジウム錯体の存在下、又は有機リン化合物とロジウム化合物との存在下でデカリンに光照射することでデカリンから水素を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、デカリン等は、圧縮着火が可能なセタン価を持ち、発生水素を内燃機関に供給するに際し、燃焼室の工夫を図ることでディーゼル・エンジンへの展開も期待される。この場合にも、燃費はさらに向上するものと考えられる。
上記のようなデカリンの脱水素反応を利用して水素ガスを生成し、燃料電池などの水素使用装置に水素供給する水素ガス生成装置については開示されているものがある(例えば、特許文献3参照)。
特公平3−9091号公報 特公平5−18761号公報 特開2002−255503公報
上記したように、これまで燃料を燃焼させる内燃機関などでは、放出熱があるにも拘わらず、発生した熱はエネルギーとして有効利用されておらず、システム全体としてのエネルギーの有効利用は、充分に図られて来なかったのが実状である。
一方、上記のデカリンをはじめとする脱水素可能な燃料を用いて脱水素反応を行なおうとする場合には、脱水素に用いる触媒の温度を250℃以上まで上昇させる熱源を確保する必要があるが、別途専用の熱源を設けてもかかる高温域を安定的に確保するのは容易でなく、コスト上も不利である。しかも、車載には装置サイズや重量が小さいことが不可避である。
また、水素エンジン等の内燃機関や燃料電池等に水素ガスを供給しようとする場合には、供給する水素ガス中の水素濃度が高いことが重要となる。つまり、水素分圧が低いと高性能が得られ難い課題がある。燃料電池等の内燃機関以外の水素使用装置に対しては、一酸化炭素のような有害不純物を含まないことが重要である。デカリンなどの炭化水素の脱水素生成物は一酸化炭素を含まないが、脱水素化して得た脱水素生成物や未反応の脱水素用燃料が混在して大きく水素分圧が低下した場合は、顕著な性能低下を伴なう懸念がある。したがって、反応生成物の凝縮分離による水素精製で、上記従来の脱水素化方法以上の反応転化率を実現することも要求されている。
本発明は、上記に鑑み成されたものであり、小型・軽量化が可能であると共に、熱エネルギーを回収利用するエネルギーの総合利用効率の高い水素生成が行なえ、特に内燃機関を有する場合は排気される排気熱を利用して水素生成に必要な温度域を広く確保し、熱効率よく水素ガスを脱水素生成することができる水素ガス生成装置を提供することを目的とし、該目的を達成すること課題とする。
上記目的を達成するために、本発明の水素ガス生成装置は、加熱雰囲気を一方から他方に挿通して外部を加熱する加熱手段と、第1の脱水素触媒を備え、(特に液体のまま)供給された脱水素用燃料を加圧下、前記加熱手段により沸点よりも高い温度t1に加熱された前記第1の脱水素触媒上で脱水素反応(特に液体のまま供給されたときには蒸発を伴ないつつ液相脱水素反応)させる第1反応手段と、前記第1反応手段の前記加熱雰囲気の挿通方向下流側に設けられ、第2の脱水素触媒を備え、かつ(特に液体のまま)供給された脱水素用燃料を(好ましくは常圧下)、前記加熱手段により沸点よりも高い温度t2(≦t1)に加熱された前記第2の脱水素触媒上で脱水素反応(特に液体のまま供給されたときには蒸発を伴ないつつ液相脱水素反応)させる第2反応手段と、前記第2反応手段の前記加熱雰囲気の挿通方向下流側に設けられ、脱水素兼水素化触媒及び該脱水素兼水素化触媒と接する脱水素用燃料を備え、かつ前記加熱手段により温度t3(≦t2)に加熱された前記脱水素兼水素化触媒上で(好ましくは常圧下)、水素ガスが供給されないときには脱水素兼水素化触媒と接する前記脱水素用燃料を脱水素反応させ、水素ガスが供給されたときには脱水素兼水素化触媒と接する前記脱水素用燃料の脱水素反応により生成された脱水素生成物である水素化用燃料を水素化反応させる第3反応手段と、で構成したものである。
第1反応手段及び第2反応手段に供給される脱水素用燃料には、脂環式炭化水素、脂肪族系アルコールなどを含む燃料が含まれる。脂環式炭化水素には、例えば、無置換又は置換シクロヘキサン(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど)等の単環脂環式化合物、無置換又は置換デカリン(デカリン、メチルデカリンなど)、テトラリン(テトラヒドロナフタレン)等の二環脂環式化合物、テトラデカヒドロアントラセン等の三環脂環式化合物、等が含まれる。脂肪族系アルコールには、メタノール、エタノールなどの1級アルコール、2−プロパノ−ルなどの2級アルコール等が含まれる。中でも、無置換又は置換デカリンと単環脂環式化合物(単環脂環式炭化水素)との混合燃料が好ましく、特にデカリンと単環脂環式炭化水素との混合燃料が好ましく、デカリンと置換シクロヘキサン(特にメチルシクロヘキサン)との混合燃料が最も好ましい。
第3反応手段における脱水素兼水素化触媒と接する脱水素用燃料は、好ましくは150℃以下の温度域で脱水素反応を起こすことができる脱水素用燃料として及び、その脱水素反応により生成された脱水素生成物であって、好ましくは150℃以下の温度域で水素化反応を起こすことができる水素化燃料として、の両方の働きをなす燃料であり、水素エンジン等用燃料としての水素を作り出す脱水素段階と、液相に戻して余剰水素を一時的に貯蔵する水素化段階とのいずれかに、場合により切替えて使用することができる。
この脱水素用燃料の具体例には、前記脱水素用燃料で列挙した化合物を挙げることができ、中でも、低温での反応進行性、相状態等の取扱い性、環境適応などの点から、無置換又は置換シクロヘキサン(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど)等の単環脂環式化合物(単環脂環式炭化水素)、メタノール、エタノールなどの1級アルコール、2−プロパノ−ルなどの2級アルコール等の脂肪族系アルコールが好適である。中でも、単環脂環式炭化水素と2級アルコールとの混合燃料が好ましく、置換シクロヘキサン(特にメチルシクロヘキサン)と2級アルコール(特に2−プロパノール)との混合燃料がより好ましい。
また、第3反応手段において、脱水素用燃料の脱水素反応により生成された脱水素生成物である水素化用燃料としては、無置換もしくは置換の芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルベンゼン、トリメチルベンゼンなど)、アルデヒド、ケトン等の脂肪族系カルボニル化合物が好適である。中でも、単環芳香族炭化水素とケトンとの混合燃料が好ましく、特にトルエンとアセトンとの混合燃料が好ましい。
本発明では、脱水素反応を行なう第1の脱水素触媒、及び第2の脱水素触媒、並びに脱水素反応と水素化反応とを切替えて行なう脱水素兼水素化触媒を、加熱雰囲気を一方から他方に挿通する流路途中にこの順に位置するように配設し、まず最も高温となる一方の側において、加熱雰囲気(好ましくは内燃機関の排出ガス、又は中温域定置型燃料電池の排出熱)で高温(温度t1)に加熱された第1の脱水素触媒に脱水素用燃料が供給されると、脱水素反応を起こして水素ガス及び脱水素生成物を含む混合気体(水素リッチガス;未反応の脱水素用燃料を含んでいてもよい)を発生し、ここでの脱水素反応熱と蒸発熱に使われて温度の下がった余熱は他方の側に更に挿通され、その余熱で第2の脱水素触媒は加熱(温度t2)され、同様にして脱水素反応を起こして水素リッチガスを発生し、更に温度の下がったその余熱は他方の側に挿通されて脱水素兼水素化触媒を加熱(温度t3)し、加熱された脱水素兼水素化触媒と接して存在する脱水素用燃料を脱水素反応させて水素リッチガスを発生させるように構成されるので、一方の側で与えられた熱は、温度t1での脱水素反応後直ぐに排出されず、異温度の低温での脱水素反応に順次利用できる。これにより、系に与えられた熱を有効に吸熱反応に用いることができる。
加熱手段の加熱雰囲気の挿通方向において、第1反応手段、第2反応手段、及び第3反応手段がこの順に配設されて、温度t1≧温度t2≧温度t3(好ましくは温度t1>温度t2>温度t3)のように順次温度を下げつつ加熱雰囲気をカスケード利用することが可能で、加熱雰囲気の挿通方向下流側に向かって並ぶ各触媒を異温度で加熱することができる。ここで、温度t1は、使用する脱水素用燃料の種類に応じて異なるが、燃料起源の炭素質析出による触媒失活を起こさない範囲で設定する必要がある一方、過熱温度域はできるだけ広いことが望ましいため、好ましくは第1反応手段の温度t1を450℃以上(より好ましくは500℃以上)とする。また、温度t2が300℃±100℃(より好ましくは300℃±50℃)であって、温度t3が150℃以下(より好ましくは100℃以下)である態様が好適である。
前記第1反応手段では、温度t1に加熱された第1の脱水素触媒による脱水素反応を加圧下で行なう。ここでは、脱水素用燃料は、所望とする水素生成量に合わせて適宜供給される。t1の温度域では、温度が高すぎると燃料起源の炭素質析出が起こったり蒸発量が増えるなど実用的でない等の不都合を伴なう場合があるが、脱水素用燃料の沸点上昇を生じさせる加圧下で脱水素反応させつつ、激しい気泡の発生を通して触媒表面に生じた炭素質前駆体が重縮合する前に脱離させることで、これらの不都合を回避し、良好に水素ガスを脱水素生成することができる。逆に、例えば内燃機関や燃料電池等の始動時など温度が低いときには、第1の脱水素触媒は徐々に予熱され、触媒上に液体のまま存在する脱水素用燃料は蒸発・凝縮を繰り返し、吸熱反応なために温度がt1に達するまでは実質的に水素生成されない。
上記のように、液相脱水素触媒反応に伴なう水素リッチガスの生成と水素リッチガスの冷却による未反応の脱水素燃料の液化分離、換言すれば蒸発/凝縮サイクルを繰り返し行なうことによって、高い脱水素転化率を得ることができる。脱水素反応時の加圧範囲としては、絶対圧0.1〜1.0MPa程度が望ましい。
前記第2反応手段では、温度t1以下の温度t2で加熱された第2の脱水素触媒による脱水素反応を(好ましくは常圧下で)行なう。ここでも、脱水素用燃料は、所望とする水素生成量に合わせて適宜供給される。t2の温度域では、燃料起源の炭素質析出を起こしたり蒸発量が増えるなど実用的でない等の不都合を伴なうことが少なく、良好に水素ガスを脱水素生成することができ、前記第1反応手段で利用されなかった熱の利用機会を設けることで、系に与えられた廃熱(排熱等)の単位熱量当たりの水素生成効率を向上させることができる。
上記のような熱のカスケード利用によって、エネルギー利用効率を大幅に向上させ得ると同時に、第1反応手段と同様、蒸発/凝縮サイクルを繰り返すことで、高い脱水素転化率を得ることができる。なお、上記した常圧とは、略大気圧である(以下同様)。
前記第3反応手段では、温度t2以下の更に低い温度t3で加熱された第3の触媒、すなわち脱水素兼水素化触媒によって、水素ガスが第3反応手段に供給されないときには、脱水素兼水素化触媒と接触している脱水素用燃料の脱水素反応を、水素ガスが第3反応手段に供給されたときには、脱水素兼水素化触媒による脱水素用燃料の脱水素反応で生成された脱水素生成物たる水素化用燃料の水素化反応をそれぞれ(好ましくは常圧下で)行なう。この第3反応手段には、常に脱水素用燃料が脱水素兼水素化触媒と接するようにして収容されている。
3の温度域では、例えば内燃機関や燃料電池等の始動時など未だ廃熱温度が低温の場合には、上記の第1反応手段及び第2反応手段では液相脱水素触媒反応が進行せず、第3反応手段において初めに低温下で水素ガスが脱水素生成される。このように、温度が低すぎて第2反応手段でも利用されなかった熱が残存する場合にはその利用機会を設けることで、系に与えられた廃熱(排熱等)単位熱量当たりの水素生成効率を向上させることができる。上記の第1反応手段と同様、蒸発/凝縮サイクルを繰り返すことで、高い脱水素転化率を得ることができる。
さらに、脱水素反応による水素生成量と生成された水素ガスの例えば内燃機関や燃料電池による水素使用量とは必ずしも一致せず、また、脱水素用燃料の供給停止後もある程度反応が進行して水素生成され得ることから、残余の水素ガスが生じたときには、これを第3反応手段に供給して脱水素用燃料の脱水素生成物(水素化用燃料)を水素化し、化学結合で原燃料中に水素貯蔵するようにすることができる。ここに、水素貯蔵された水素は加熱温度が低くても取出すことができるので、例えば内燃機関や燃料電池などの始動時の水素ガス供給や他の水素使用装置に利用することができる。
本発明の水素ガス生成装置には、水素を含む燃料(炭化水素燃料など)が供給されて作動する内燃機関を更に設けて好適に構成することができる。内燃機関、特に水素エンジンから排出された排出ガスは高温であり、この排出ガスを加熱手段に一方の側から供給し、他方の側に向かって排出ガスを挿通することで、複数の触媒を順次温度を(例えば段階的に)下げつつ加熱することができる。これにより、これまで利用されず単に排気されていた熱エネルギーを、水素の保有する化学エネルギーを介して時間差で循環利用でき、しかも順次複数の触媒を加熱するようにするので、余熱の有効利用性を高めることができる。このとき、排出ガスの排気熱は、吸熱反応である脱水素用燃料の脱水素反応熱と脱水素生成された脱水素生成物の蒸発熱との両方に利用され、廃熱回収を通して生成された水素は内燃機関もしくは燃料電池等の燃料として使用される。これにより、システム全体のエネルギー利用効率が効果的に高められ、その結果燃費をも向上させることができる。
第1反応手段及び第2反応手段には、脱水素用燃料を脱水素触媒上で液膜状態となるように供給する燃料供給手段を更に設けることが好ましい。触媒が僅かに湿潤した液膜状態を形成することによって、過熱(基質溶液である脱水素用燃料の沸点を越える温度での加熱)・液膜状態で脱水素反応させることができ、水素ガス生成量を効果的に向上させることができる。
また、第3反応手段には、脱水素兼水素化触媒と接する脱水素用燃料及びその脱水素生成物である水素化用燃料を補充する補充手段を更に設けることができる。第3反応手段では脱水素用燃料は脱水素兼水素化触媒と接するようにして常に収容されているが、例えば、反応により消費され、あるいは生成された水素ガスの排出に伴なって気相に蒸発する脱水素用燃料やその脱水素生成物である水素化用燃料も気相に排出される等、に起因して脱水素用燃料と水素化用燃料とを適量に維持できないときには、脱水素兼水素化触媒に、脱水素用燃料を補充したり、あるいは水素化用燃料である液体の脱水素生成物を補充し、気相に存在する水素ガスとの水素化反応を起こさせることによって、触媒上に常に適量の脱水素用燃料を存在させるようにすることが可能である。
この補充手段は、脱水素用燃料を貯留する脱水素用燃料貯留タンクと、その脱水素生成物である水素化燃料を貯留する水素化用燃料貯留タンクとで好適に構成することが可能である。また、第1反応手段及び第2反応手段に供給される脱水素用燃料との共用が可能な場合には、後述する脱水素用燃料貯留手段と脱水素生成物貯留手段とで構成するようにしてもよい。
第1反応手段及び第2反応手段で用いる脱水素用燃料には、デカリンと単環脂環式炭化水素(特に、脱水素生成物が常温液状で、蒸気圧が低く脱水素芳香族化能の高い単環脂環式炭化水素(好ましくは置換シクロヘキサン))との混合燃料が効果的である。デカリンは、沸点が高く常温での取り扱いが容易で水素貯蔵を多量に行ない得ると共に、例えばデカリンとメチルシクロヘキサンとの混合燃料を用いた場合など、デカリンから脱水素生成されたナフタレンは凝析もしくは晶析し易いが、同時にメチルシクロヘキサンから液状のトルエンが脱水素生成されるため、脱水素生成物の取扱いが容易となる。
また、第3反応手段の脱水素兼水素化触媒と接触させて用いる脱水素用燃料には、脱水素芳香族化能の高い単環脂環式炭化水素(特に置換シクロヘキサン)と、ケトン生成選択性の高い2級アルコールとの混合燃料が効果的である。例えば、メチルシクロヘキサンと2−プロパノールとの混合燃料を用いた場合など、取扱い上及びコスト上の点で有利であると共に、脱水素生成物であるトルエンとアセトンの混合物は常温で良好な反応性を有して水素化に伴なう発熱を容易に得ることができるので、加熱器による加熱が低温の場合でも自己スタータ的作用を発現して水素化反応性が高められる。
また更に、第1反応手段、第2反応手段、及び第3反応手段には、脱水素用燃料の脱水素反応によって生じた混合気体(水素リッチガス)を冷却して水素ガスを分離する冷却装置と、分離された水素ガスを排出する水素排出口とを設けることができる。上記のように、水素ガスは水素リッチガスとして生成されるため、水素リッチガスを冷却し、水素ガス以外の気相の脱水素生成物及び未反応の脱水素用燃料等を凝縮して液化することで、気相の水素ガスを高純度に分離することができる。分離された水素ガスは、水素排出口を挿通して水素エンジン等の内燃機関や燃料電池等の内燃機関以外の水素使用装置に供給される。
また、前記水素排出口、少なくとも第3反応手段の水素排出口には、脱水素生成物を吸着除去して水素ガスを選択的に透過する水素分離部材を設けることができる。上記のようにして分離された水素ガスを排出する場合に、気相に残存する比較的蒸気圧の高い脱水素生成物、例えばアセトン等が水素ガスに同伴して排出されるのを効果的に防止する。また、余剰水素を使って脱水素生成物を再び脱水素用燃料に戻す場合に例えば内臓の電気等による加熱手段で蒸発脱離させて得た水素により脱水素生成物を水素化して除去できるようにすれば、吸着材料としての再利用を図ることができる。
水素分離部材には、例えば、水素ガス以外の気相の脱水素生成物や未反応の脱水素用燃料等を透過させずに水素ガスのみを通過させる、パラジウム又はその合金製の管、あるいは多孔性セラミックスの細孔にパラジウム又はその合金を充填した薄膜からなる水素透過膜、などを適宜使用することができる。
水素排出口には、更にバルブを設けることができ、生成された水素リッチガスの量に合わせてバルブの開閉を適宜切り替えることによって、特に第1反応手段内に所望の加圧状態を形成することができ、また必要に応じて、第1反応手段、第2反応手段及び第3反応手段において、内部を所望圧にコントロールすることができる。
本発明の水素ガス生成装置には、第1反応手段及び第2反応手段に供給される脱水素用燃料を貯留する脱水素用燃料貯留手段と、第1反応手段及び第2反応手段に供給された脱水素用燃料の脱水素反応により生成された脱水素生成物を貯留する脱水素生成物貯留手段とを更に設けることができる。これにより、第1反応手段及び第2反応手段における水素ガスの生成を連続して継続的に行なうことが可能となる。また、脱水素用燃料を貯留する脱水素用燃料貯留部と脱水素用燃料の脱水素反応により生じ、かつ水素ガスが除去された脱水素生成物を貯留する脱水素生成物貯留部とを可動壁を隔てて有するタンクを設けるようにしてもよく、単一のタンクに統括することによる小型化、軽量化を図ることができる。
本発明の水素ガス生成装置は、水素エンジン等の内燃機関、又は燃料電池等の内燃機関以外の水素使用装置に水素ガスを供給する場合に、高圧タンクや液体水素タンクなどの搭載や水素の吸着・吸蔵、燃料の改質によることなく、水素ガスの供給を、排気熱エネルギーを水素の保有する化学エネルギーを介し時間差で循環利用することで効率的に生成された水素ガス、特に車両に搭載された内燃機関の、発生する熱量と温度が短時間で変化する排気熱をカスケード利用した脱水素反応によって生成された水素ガスを用いて行なうことができる。また、プロトン透過型固体電解質膜と非白金系電極触媒とを備えた不銹鋼製の膜・電極集合体を採用することによって、600℃以下の熱並びに電気を併給し得る中温域定置型燃料電池等への水素供給を、排気熱のカスケード利用による脱水素反応で生成された水素ガスを用いて行なえる。このように、エネルギー利用の高効率化、装置全体の小型化、軽量化が図れると共に、二酸化炭素や窒素酸化物の発生のないクリーンなシステムを構築することができる。
本発明によれば、小型・軽量化が可能であると共に、熱エネルギーを回収利用するエネルギーの総合利用効率の高い水素生成が行なえ、特に内燃機関を有する場合は排気される排気熱を利用して水素生成に必要な温度域を広く確保し、熱効率よく水素ガスを脱水素生成することができる水素ガス生成装置を提供することができる。例えば、中温域固体電解質型燃料電池に水素ガスを供給する場合は、排出される熱の広い温度域におけるカスケード利用によって、熱効率よく水素ガスを脱水素生成することができる。
本発明の水素ガス生成装置の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。本実施形態は、水素エンジンの排出ガスを触媒加熱用の加熱器に供給し、排出ガスの排気熱によって排出ガスの挿通方向に順次近接配列された3つのタンクを三段階の温度域でカスケード加熱するようにしたものである。
なお、本実施形態では、車両に水素エンジンを搭載すると共に、脱水素用燃料として、デカリン及びメチルシクロヘキサンの混合燃料(以下、「Dc−Mch燃料」と称する。)、並びにメチルシクロヘキサン及び2−プロパノールの混合燃料(以下、「Mch−PrOH燃料」と称する。)を用いた場合を中心に説明する。但し、本発明においてはこれら実施形態に制限されるものではない。
図1及び図2に示すように、本実施形態は、脱水素触媒を備えた加圧型脱水素タンク10及び常圧型脱水素タンク20、並びに脱水素兼水素化触媒を備えた脱水素兼水素化タンク30が隣接するように配列されてなる反応装置100と、水素エンジン110と、水素エンジンから排出された排出ガスが供給され、排出ガスを加圧型脱水素タンク10から常圧型脱水素タンク20を経て脱水素兼水素化タンク30に向かって挿通しながら3つのタンクを各々異温度でカスケード加熱する加熱器40と、を備えている。
本発明において、カスケードとは、温度を一方向に順次段階的(例えばt3≦100℃、250℃≦t2≦350℃、500℃≦t1)に温度を下げつつ熱供給して、脱水素用燃料に対する吸熱的脱水素反応と供給された脱水素用燃料の液相状態からの蒸発とを同時に起こさせる形態をいい、本実施形態では、脱水素反応を行なう3つのタンク(加圧型脱水素タンク10、常圧型脱水素タンク20、及び脱水素兼水素化タンク30)を連結した構成(反応装置)にし、タンク毎に温度を変えて水素ガスの脱水素生成を行なう。「段階的」は連続していてもよく、例えば、t3≦200℃、200℃≦t2≦400℃、400℃≦t1やt3<200℃、200℃≦t2≦500℃、500℃<t1などのように温度を下げるようにすることができる。
加圧型脱水素タンク10は、加熱器40の排出ガス挿通方向の上流側に設けられており、加熱器40に供給された排出ガスで底壁側から加熱されるようになっている。加圧型脱水素タンク10は、500℃以上の高温で加熱されると共に、後述のように内部はDc−Mch燃料(脱水素用燃料)の沸点上昇をもたらす加圧状態に保持する必要があるため、加圧(好ましくは内圧0.1〜1.0MPa)に耐え得る耐圧性の金属製壁材を用いて構成されている。
加圧型脱水素タンク10の内部は、図2に示すように、互いに向かい合う二つの側壁にそれぞれ一端が固定された二枚の湾曲状板の他端を繋ぎ合わせて底部側(重力方向側)に凸形状を有する冷却用仕切板11で上室及び下室の2室に仕切られている。
加圧型脱水素タンク10の下室の底部には、500℃以上(t1)の高温域で脱水素反応を行なうためのPt−W触媒12が設けられており、Pt−W触媒12は底壁を介して伝達された排出ガスの排気熱で温度500℃以上に加熱されて、Dc−Mch燃料(デカリン及びメチルシクロヘキサンの混合燃料)の脱水素反応と、加圧上昇した沸点で進行する蒸発とを行なえるようになっている(以下、下室を「高温反応室」ともいう。)。
Pt−W触媒12は、高表面積活性炭繊維織布にナノサイズに微粒子化した白金−タングステン複合粒子が担持された、デカリン及びメチルシクロヘキサンの脱水素活性が高い触媒であり、加圧型脱水素タンク10の底部に複数枚(例えば4枚)を積層して配置してある。このPt−W触媒以外に、ナフタレン及びトルエンによる吸着阻害を受けにくい、例えば高表面積活性炭繊維織布にナノサイズに微粒子化した白金−レニウム複合粒子が担持された触媒(Pt−Re触媒)なども好適に使用することができ、触媒金属微粒子には上記のPt−ReやPt−Wの複合金属以外に、脂環式炭化水素の脱水素芳香族化活性が大きい、例えばPt、Pt−Ir複合金属等の貴金属系の金属微粒子を適宜選択して用いることができる。また、脱水素転化率に応じて液相組成が変化していく状況を考慮して、Pt−W触媒とPt−Re触媒とを例えば交互に積層して配置する(Pt−W/Pt−Re触媒)ようにしてもよいし、あるいはPt−W触媒を転化率の小さいDc−Mch燃料供給側に、Pt−Re触媒を転化率の大きくなった排出ガス挿通方向下流側に配設して活性成分の配置が傾斜するようにしてもよい。担体としては、炭素担体が望ましく、上記以外に多孔性の及び/又は顆粒状の炭素担体も使用できる。
加圧型脱水素タンク10の高温反応室(下室)の側壁には、ポンプP1を備えた燃料供給管61が貫通し、燃料供給管61の一端にDc−Mch燃料を液体のまま供給する燃料噴射装置13が取付けられている。燃料噴射装置13は、Pt−W触媒上でDc−Mch燃料の液膜状態が形成されるように供給可能なようになっている。例えば、インジェクタ(噴射装置)などが好適であり、制御用のドライバを接続して噴射装置ごとに噴射量を適宜コントロールすることができる。また、燃料供給管61の他端は、Dc−Mch燃料を貯留する燃料タンク60と接続されている。
液膜状態は、触媒が僅かに湿潤し、熱源温度が液相燃料の沸点よりも高いときに固相−液相界面に生じる伝熱境膜内に触媒が位置する状態であり、この液膜状態では、触媒温度が液相燃料の沸点よりも熱源温度に近い過熱(スーパーヒート)と呼ばれる状態にあり、しかも液相量が限定されているため発生する気泡内の気相成分が媒質溶液の液相成分との間で気液平衡に達することなく蒸気相界面に達し、その気相成分を気泡から蒸気相に移行させる。したがって、過熱(Dc−Mch燃料の沸点を越える温度での加熱)・液膜状態で脱水素反応させたときに水素ガス生成量は最大になる。このとき、転化率が向上するのは、Dc−Mch燃料の蒸発速度が、基質液量(Dc−Mch燃料の液量)が少ない程小さくなり、蒸発速度が小さいにもかかわらず、脱水素反応と生成物の触媒表面からの離脱に有利な高温の状態に触媒をおくことができるからである。すなわち、蒸発速度は液量・伝熱面積・加熱源と沸点との温度差の各々に比例するので、液体Dc−Mch燃料の量が少なければ蒸発速度が小さくなる。液体Dc−Mch燃料は、過熱触媒上でも液膜状態で存在し得るうえ、触媒活性サイトは液相からのデカリンの速やかな吸着により充分に高い被覆度で常時補填される。すなわち、触媒を過熱・液膜状態におくことで相変化を伴ないつつ液相燃料を脱水素反応させることにより、熱的非平衡・定常反応が可能となるため、通常の微視的平衡条件下、熱的平衡・定常反応しか実現することができない触媒表面上で気体で反応させるよりも、優れた反応性が得られる。
高温反応室の側壁には更に、図1に示すように、互いに対向する壁間を渡すようにしてフィン付管型水冷冷却器15、16が取り付けられており、脱水素反応させた場合において、Pt−W触媒12で脱水素生成された混合気体(水素リッチガス)を冷却し、冷却され液化した液相と気相の水素ガスとに分離可能なようになっている。1本のフィン付管型水冷冷却器16の下部には、落下する液相(脱水素生成物であるナフタレン及びトルエンの混合溶液;以下、「ナフタレン/トルエン混合溶液」ともいう。)を受ける受け皿17がフィン付管型水冷冷却器16に沿って取付けられており、この受け皿17には、側壁を貫通してナフタレン/トルエン混合溶液をタンク外に排出するためのポンプを備えた排出配管71の一端が接続されている。この排出配管71の他端は、Dc−Mch燃料の脱水素生成物溶液であるナフタレン/トルエン混合溶液を貯留する廃棄タンク70と接続されている。
フィン付管型水冷冷却器15、16は、冷却水を挿通する冷却水管と、この冷却水管の管外壁に取付けられた複数枚の円盤状フィンとで構成されている。円盤状フィンを備えることで、水素リッチガスとの接触面積が大きく確保されるようになっている。冷却水管の一端は、後述する低温反応室のフィン付管型水冷冷却器35及び36を構成する冷却水管の一端と接続され、他端は循環ポンプを備えている配管によって、フィン付管型水冷冷却器35及び36の冷却水管の他端と接続されて、高温反応室から低温反応室に入り再び高温反応室に戻る循環系が構築されており、低温反応室から高温反応室に戻るまでの配管の少なくとも一部に冷却ファンが配設されて配管中の水を冷却できるようになっている。これにより、高温反応室から流れ出た冷却水は冷却水管を挿通して低温反応室に入り、例えばエンジン始動時など低温反応室が低温度である場合に予熱し、高温反応室で得た熱が有効に利用されるようになっている。
廃棄タンク70の底部近傍には、貯留されたナフタレン/トルエン混合溶液を排出するための排出管が設けられており、例えば、ガソリンスタンド等に設けられた回収タンクに排出したり、水素ステーション等で水素化可能な場合はDc−Mch燃料に再生して装置内の燃料タンク60に戻すこともできる。
また、高温反応室の側壁には、内圧を測定するための水素圧センサ14が取付けられており、制御装置120と電気的に接続されて水素絶対圧が監視できるようになっている。
また、加圧型脱水素タンク10の上壁には、上室を貫通し、その一端で高温反応室(下室)と連通するバルブV1を備えた水素排出管18が設けられており、水素排出管18を挿通して高温反応室で生成された水素ガスを排出できるようになっている。バルブV1は、水素圧センサ14からの値に基づいて制御装置120により自動開閉され、気相内水素分圧を制御しながら水素ガスを排出することができる。水素排出管18の他端は、水素貯蔵装置50と接続されており、水素貯蔵装置50を介して水素エンジン110に水素ガスを供給することができる。
水素貯蔵装置50は、生成された水素ガスを一旦貯留し、要求に応じて水素エンジンに水素供給すると共に、過剰に生成された余剰の水素ガスや水素エンジン停止後に生成された水素ガスを一時的に貯留し、例えば水素エンジン運転始動時や窒素酸化物触媒還元装置などのような他の水素使用装置への水素ガスの供給に利用することができる。水素貯蔵装置には、例えば水素貯蔵タンクや水素吸蔵合金、水素吸着材料等を適用することができる。
また、加圧型脱水素タンク10の上室側の側壁には、図1に示すように、冷却用仕切板11を冷却するためのエア(空気)を供給するエア供給管19aと上室内のエアを排出するためのエア排出管19bとが各々一端で接続されて、上室は空冷室として構成されている。空冷室は、エア供給管19aから冷えたエアが供給されると共に、冷却用仕切板11で熱交換されて暖められたエアがエア排出管19bから排出されることで冷却用仕切板11を冷却し、冷却された冷却用仕切板11によって高温反応室内の雰囲気を冷却する冷却器として機能するようになっている。高温反応室内の雰囲気は、冷却用仕切板11と接触して冷却され、気相から液化した未反応のDc−Mch燃料は冷却用仕切板11の表面を伝ってPt−W触媒12上に落下して再び脱水素反応に供することができる。これが繰り返されることにより、供給されたDc−Mch燃料の脱水素転化率が向上し、水素生成効率をより高めることができる。
常圧型脱水素タンク20は、加熱器40の排出ガス挿通方向における加圧型脱水素タンク10の下流側に設けられており、加熱器40に供給された排出ガスの排気熱のうち加圧型脱水素タンク10で脱水素反応熱と蒸発熱とに使われて温度の下がった熱によって底壁側から加熱されるようになっている。常圧型脱水素タンク20の内部は、図2に示すように、加圧型脱水素タンク10と略同様に、互いに向かい合う二つの側壁にそれぞれ一端が固定された二枚の湾曲状板の他端を繋ぎ合わせて底部側(重力方向側)に凸形状を有する冷却用仕切板21で上室及び下室の2室に仕切られて構成されている。
常圧型脱水素タンク20の下室の底部には、250〜350℃(t2)の中温域で脱水素反応を行なうためのPt−W触媒22が設けられており、Pt−W触媒22は底壁を介して伝達された排出ガスの排気熱で温度250〜350℃の範囲にまで加熱されて、Dc−Mch燃料の脱水素反応と蒸発とを行なえるようになっている(以下、下室を「中温反応室」ともいう。)。なお、Pt−W触媒22は、高表面積活性炭繊維織布にナノサイズに微粒子化した白金−タングステン複合粒子を担持した触媒であり、常圧型脱水素タンク20の底部に複数枚(例えば4枚)を積層して配置されている。Pt−W触媒22は、既述したPt−W触媒12と同様に構成でき、また、Pt−W触媒12と同様にPt−Re触媒との複合形態に配置することができる。
常圧型脱水素タンク20の中温反応室(下室)の側壁には、ポンプP2を備えた燃料供給管62が貫通し、燃料供給管62の一端にDc−Mch燃料を液体のまま供給する燃料噴射装置23が取付けられている。燃料噴射装置23は、Pt−W触媒上でDc−Mch燃料の過熱・液膜状態が形成されるように供給可能なようになっている。なお、過熱・液膜状態については既述した通りである。燃料供給管62の他端は、Dc−Mch燃料を貯留する燃料タンク60と接続されている。
中温反応室の側壁には更に、図1に示すように、加圧型脱水素タンク10と略同様にしてフィン付管型水冷冷却器25、26が取り付けられており、脱水素反応させた場合において、Pt−W触媒22で脱水素生成された水素リッチガスを冷却し、冷却により液化した液相(脱水素生成物であるナフタレン及びトルエンの混合溶液)と気相の水素ガスとに分離可能なようになっている。1本のフィン付管型水冷冷却器26の下部には、落下するナフタレン/トルエン混合溶液を受ける受け皿27がフィン付管型水冷冷却器26に沿って取付けられており、受け皿27には側壁を貫通してナフタレン/トルエン混合溶液をタンク外に排出するためのポンプを備えた排出配管72の一端が接続されている。この排出配管72の他端は、Dc−Mch燃料の脱水素生成物溶液であるナフタレン/トルエン混合溶液を貯留する廃棄タンク70と接続されている。
なお、フィン付管型水冷冷却器25、26は、上記のフィン付管型水冷冷却器15、16と同様に構成することができるが、ここでの冷却水管の両端には、循環ポンプを備えた配管が接続されて単独循環系が構築されており、配管の一部には冷却ファンが配設されて配管中の冷却水を冷却できるようになっている。
また、中温反応室には、水素圧センサ24が取付けられており、水素圧センサ24によって計測された水素絶対圧に基づいて、加圧型脱水素タンク10と同様に気相内水素分圧が監視できるようになっている。
常圧型脱水素タンク20の上壁には、加圧型脱水素タンク10と略同様にして上室を貫通して中温反応室(下室)と連通するバルブV2を備えた水素排出管28が設けられており、水素排出管28を挿通して中温反応室で生成された水素ガスを排出できるようになっている。バルブV2は、水素圧センサ24からの値に基づいて制御装置120により自動開閉され、気相内水素分圧を制御しながら水素ガスは排出される。水素排出管28の他端は、水素貯蔵装置50と接続されており、水素貯蔵装置50を介して水素エンジン110に水素ガスを供給することができる。
また、常圧型脱水素タンク20の上室側の側壁には、図1に示すように加圧型脱水素タンク10と略同様に、冷却用仕切板21を冷却するためのエアを供給するエア供給管29aと室内のエアを排出するためのエア排出管29bとが各々一端で接続されて空冷室が形成されている。空冷室は、加圧型脱水素タンク10と略同様にして中温反応室内の雰囲気を冷却する冷却器として機能するようになっている。中温反応室においても、雰囲気が冷却用仕切板21と接触して冷却され、特に気相から液化した未反応のDc−Mch燃料は冷却用仕切板21の表面を伝ってPt−W触媒22上に落下し、再び脱水素反応に供することができる。このように蒸発・凝縮が繰り返されることで、供給されたDc−Mch燃料の脱水素転化率が向上する。なお、エア供給管29a及びエア排出管29bは、上記したエア供給管19a及びエア排出管19bと同様に構成することができる。
脱水素兼水素化タンク30は、加熱器40の排出ガス挿通方向における常圧型脱水素タンク20の更に下流側に設けられており、加熱器40に供給された排出ガスの排気熱のうち加圧型脱水素タンク10及び常圧型脱水素タンク20で脱水素反応熱と蒸発熱とに使われて温度の下がった熱によって底壁側から加熱されるようになっている。脱水素兼水素化タンク30の内部もまた、図2に示すように加圧型脱水素タンク10と略同様にして、二枚の湾曲状板を繋ぎ合わせて底部側(重力方向側)に凸形状を有する冷却用仕切板31で上室及び下室の2室に仕切られて構成されている。
脱水素兼水素化タンク30の下室の底部には、100℃以下(t3)の低温域で脱水素反応と水素化反応とを切替えて行なうためのPt−Ir/Pt−Ru触媒32が設けられており、Pt−Ir/Pt−Ru触媒32は底壁を介して伝達された排出ガスの排気熱で温度100℃以下に加熱され、Mch−PrOH燃料(メチルシクロヘキサン及び2−プロパノールの混合燃料)を用いた脱水素/水素化反応を適宜切替えて行なえるようになっている(以下、下室を「低温反応室」ともいう。)。
Pt−Ir/Pt−Ru触媒32は、例えば、既述のように排出ガスの挿通方向上流側の各タンクにDc−Mch燃料が供給されて脱水素反応が行なわれているときには脱水素反応を行なうようにし、上流側の各タンクへのDc−Mch燃料の供給が停止され、余剰の水素ガスが存在するときには水素化反応を行なうようにすることができる。
Pt−Ir/Pt−Ru触媒32は、高表面積活性炭繊維織布にナノサイズに微粒子化した白金−イリジウム複合粒子が担持された、メチルシクロヘキサンの脱水素活性及びトルエンの水素化活性が高い触媒(Pt−Ir触媒)と高表面積活性炭繊維織布にナノサイズに微粒子化した白金−ルテニウム複合粒子が担持された、2−プロパノールの脱水素活性及びアセトンの水素化活性が高い触媒(Pt−Ru触媒)とを複数枚(例えば各2枚)交互に積層して、脱水素兼水素化タンク30の底部に配置されたものである。
このPt−Ir/Pt−Ru触媒以外に、高表面積活性炭繊維織布にナノサイズに微粒子化したPt−Pd、Pt−Ni、Pt−Fe、Pt−Co等の二元複合触媒や、PtとIr又はRuとにPd、Ni、Fe、Co、Rh等を添加した三元複合触媒が担持された触媒なども使用することができ、触媒金属微粒子には、上記のPt系以外に、Ni又はCuを基成分とし、Zn、Cr、Mn、Fe、Co等の卑金属又は貴金属を複数成分複合させた金属微粒子を適宜選択して用いることができる。
また、Pt−Ru触媒とPt−Ir触媒の各一枚もしくは複数枚を一枚ずつ交互に積層して配置してもよいし、それぞれ複数枚ずつを交互に配置するようにしてもよい。あるいは、Pt−Ru触媒とPt−Ir触媒の複数枚を位置を変えて配置するようにしてもよい。担体としては、炭化水素やアルコール、ケトンとの濡れ性に優れた炭素担体が望ましく、上記以外に多孔性の及び/又は顆粒状の炭素担体も使用できる。
脱水素兼水素化タンク30の低温反応室(下室)の側壁には、ポンプP3及び三方バルブV5を備えた補充配管81が取付けられており、適宜Mch−PrOH燃料(脱水素用燃料)もしくはその脱水素生成物であるアセトン/トルエン混合溶液(水素化用燃料)又はこれらの構成成分の補充が可能なようになっている。Pt−Ir/Pt−Ru触媒32は、Mch−PrOH燃料又はその脱水素生成物であるアセトン/トルエン混合溶液に浸漬されて触媒反応を起こし得る状態となっている。補充配管81の他端は、Mch−PrOH燃料を貯留する補充タンク80と接続されている。
低温反応室の側壁には更に、図1に示すように、加圧型脱水素タンク10と略同様にしてフィン付管型水冷冷却器35、36が取付けられており、脱水素反応させた場合において、発生した水素リッチガスを冷却し、冷却で液化した液相(アセトン/トルエン混合溶液)と気相の水素ガスとに分離可能なようになっている。1本のフィン付管型水冷冷却器36の下部には、落下するアセトン/トルエン混合溶液を受ける受け皿37がフィン付管型水冷冷却器36に沿って取付けられており、受け皿37には側壁を貫通してアセトン/トルエン混合溶液をタンク外に排出するためのポンプを備えた排出配管74の一端が接続されて、さらに排出配管74の他端で接続された水素化用燃料タンク73にアセトン/トルエン混合溶液を貯留できるようになっている。
また、水素化用燃料タンク73の底部には、脱水素兼水素化タンク30で水素化用燃料であるアセトン/トルエン混合溶液を水素化反応させる場合に、貯留されたアセトン/トルエン混合溶液を低温反応室に供給するためのポンプP4を備えた戻し管75の一端が接続されており、三方バルブV5を介して補充配管81と接続されて低温反応室と連通されている。触媒上に供給されたアセトン/トルエン混合溶液を余剰の水素ガスで水素化反応させた場合には、水素化されて気相状態で存在するMch−PrOH燃料成分は、液化されて降下し再びPt−Ir/Pt−Ru触媒32との接触された状態でその後の脱水素反応に供される。余剰の水素ガス量が水素化用燃料タンク73のアセトン/トルエン混合溶液の量より少なく、補充タンク80のMch−PrOH燃料を消費し終えた場合には、水素化用燃料タンク73に貯留されているアセトン/トルエン混合溶液を取り出し、補充タンク80に脱水素用燃料であるMch−PrOH燃料を補充する。
なお、フィン付管型水冷冷却器35、36は、上記したフィン付管型水冷冷却器15、16と同様に構成することができ、既述のように冷却水管を通って、高温反応室をでた冷却水は低温反応室内に入り、低温反応室を出た後再び高温反応室内に戻る循環系に構成されている。また、中温反応室に水素圧センサを設けて水素絶対圧を計測可能な構成にすることもできる。
また、脱水素兼水素化タンク30の上壁には、上室を貫通し、その一端で低温反応室(下室)と連通するバルブV3及び水素分離器33を備えた水素排出管38とバルブV4を備えた水素供給管34とが設けられている。脱水素兼水素化タンク30において、脱水素反応させた場合には、低温反応室で生成された水素ガスを水素排出管38を挿通して排出し、逆に水素化反応させる場合には水素供給管34を挿通して水素ガスの供給が行なえるようになっている。
水素排出管38には、その一端からバルブV3に至るまでの管内の一部に、気相中の蒸気圧の比較的高いアセトン(脱水素生成物)等の有機化合物を吸着、凝縮して除去し、水素化反応の段階で加熱脱離させて触媒上でもとの2−プロパノール等に戻す一方、水素分圧を高めた状態では水素ガスのみを選択的に透過させる水素分離膜で精製する水素分離器33が付設されており、水素ガス排出時に蒸気圧の比較的高いアセトン等の有機化合物が水素ガスに同伴して排出されるのを効果的に防止し、水素ガスを高純度に排出できるようになっている。なお、水素エンジンに供給する場合には、燃料電池等の他の水素使用装置と異なり、水素ガスに微量の有機化合物が混入していても大きな支障を来すことはなく、この場合には水素化用燃料タンク73に貯留された有機化合物の量は水素エンジンで消費される分だけ少なくなる。
水素分離器33は、例えば、有機化合物吸着能を有する高表面積活性炭繊維織布や、パラジウムやパラジウム合金で構成された水素透過精製薄膜、ゼオライト等の多孔性セラミックス薄膜のミクロ細孔にパラジウムやパラジウム合金のナノサイズ粒子を密充填した親水・疎油性水素透過膜からなる水素分離膜などを使用することができ、更に電気ヒータ(不図示)が内装されている。活性炭繊維織布に吸着分離させたアセトン等の有機化合物は、電気ヒータの加熱によって水素化反応の段階で脱水素用燃料の再生のために適宜離脱させることが可能である。この吸着質脱離によって、吸着性材料の機能も再生する。
水素排出管38及び水素供給管34の他端はいずれも、水素貯蔵装置50と接続されており、水素貯蔵装置50を介して、水素排出管38を挿通して水素エンジン110に水素ガスを供給し、水素貯蔵装置50に貯蔵できない余剰の水素ガスが存在するときには水素供給管34を挿通して低温反応室に供給できるようになっている。
また、脱水素兼水素化タンク30の上室側の側壁には、図1に示すように加圧型脱水素タンク10と略同様に、冷却用仕切板31を冷却するためのエアを供給するエア供給管39aと上室内のエアを排出するためのエア排出管39bとが各々一端で接続されて空冷室が形成されている。空冷室は、加圧型脱水素タンク10と略同様にして低温反応室内の雰囲気を冷却する冷却器として機能するようになっている。なお、エア供給管39a及びエア排出管39bは、上記したエア供給管19a及びエア排出管19bと同様に構成することができる。
低温反応室においては、脱水素反応時には水素リッチガスが冷却用仕切板31と接触して冷却され、気相中から液化した残余のMch−PrOH燃料が、また、水素化反応時にはメチルシクロヘキサン及び2−プロパノールの混合気体が冷却用仕切板31と接触して冷却され、気相中から液化した残余のアセトン/トルエン混合溶液が、それぞれ冷却用仕切板31の表面を伝って再びPt−Ir/Pt−Ru触媒32上に落下し、再び各反応に供される。このように蒸発・凝縮が繰り返されることで、供給されたDc−Mch燃料の脱水素転化率、及びアセトン/トルエン混合溶液の水素化転化率を向上させることができる。
加熱器40は、内部中空に構成されており、一端に水素エンジン110から排出された排出ガスを供給するための給気口41が設けられ、他端に一端から供給された排出ガスを排出するための排気口42が設けられており、給気口41側に設けられた加圧型脱水素タンク10から順次、常圧型脱水素タンク20を経て脱水素兼水素化タンク30に向かって排出ガスを挿通しながらこれら3つのタンクを加熱し、加熱後に他端の排気口42から排気できるようになっている。給気口41は排ガス管43の一端と接続されており、他端は水素エンジン110と接続されている。
水素貯蔵装置50には、水素排出管18、28、及び38並びに水素供給管34の各他端と、水素ガスを燃料として水素エンジンに供給する水素供給管51の一端とが接続されており、水素供給管51によって水素エンジンと連通されている。
燃料噴射装置13,23、水素圧センサ14,24、ポンプP1〜P4、バルブV1〜V4、三方バルブV5、並びに水素貯蔵装置50等は、制御装置120と電気的に接続されており、制御装置120によって動作タイミングが制御されるようになっている。
以下、本実施形態の制御装置120による制御ルーチンについて説明する。なお、ここでは本発明に関係する水素ガス発生制御ルーチンのみを説明する。図3は、イグニッション(IG)スイッチオンで実行されるメインルーチンを示す。
IGスイッチがオンされると、水素貯蔵装置50に貯蔵された水素ガスが水素エンジンに供給されて始動し、水素エンジンから排出された排出ガスが排ガス管43を通じて加熱器40に給気される。エンジン始動時は排出ガスの温度が低いため、加圧型脱水素タンク10及びこの排出ガス挿通方向下流側に位置する常圧型脱水素タンク20では予熱されるのみで直ぐに吸熱反応は進行せず(触媒の加熱温度が低い間はDc−Mch燃料の蒸発・凝縮を繰り返し、吸熱的な脱水素反応は進行しない)、排出ガスは更に下流側に位置する脱水素兼水素化タンク30に到達し、まず初めにこの脱水素兼水素化タンク30において、Pt−Ir/Pt−Ru触媒32を加熱し、その温度が脱水素反応を起こし得る温度t3(ここでは100℃)付近にまで達すると、該触媒と接しているMch−PrOH燃料のうち2−プロパノールの吸熱的な脱水素反応(CH3-CH(OH)-CH3→CH3COCH3+H2)が徐々に起こる。これに続いて、メチルシクロヘキサンの脱水素反応が進行すると共に、さらに温度上昇するにつれ、排出ガス挿通方向上流側の常圧型脱水素タンク20でも同様に、Pt−W触媒22による吸熱的な脱水素反応が進行するようになる。なお、常圧型脱水素タンク20及び加圧型脱水素タンク10では、触媒の温度がMch−PrOH燃料又はDc−Mch燃料の沸点温度以上に上昇するまでは脱水素反応を起こさず、蒸発と凝縮とを繰り返し、沸点以上に達すると以下のようにして水素ガスが生成される。
常圧型脱水素タンク20では、排出ガスが供給されるに伴なってPt−W触媒22が徐々に加熱され、吸熱的な脱水素反応は、Pt−W触媒の温度がDc−Mch燃料の沸点温度以上に上がった後に図3に示すルーチンにしたがって行なわれる。まず、ステップ100において、Pt−W触媒22近傍に取付けられた温度センサ(不図示)によって触媒温度t2が取り込まれ、ステップ102において触媒温度t2が予め定められた所定温度T2(ここでは250〜350℃)に達しているか否かが判断される。このとき、触媒温度t2が所定温度T2に達していないと判断されたときには、ステップ100に戻って再度触媒温度t2を取り込み、触媒温度t2が所定温度T2に達していると判断されたときには、制御装置120と電気的に繋がる図示しない制御用ドライバにより燃料噴射装置23から予め定めた所定量(触媒表面上で液膜が得られる直前の量)でDc−Mch燃料が供給される。
加熱器40の温度が更に上昇していくと、常圧型脱水素タンク20よりも排出ガス挿通方向の更に上流側に位置する加圧型脱水素タンク10でもPt−W触媒12が徐々に温度を高めつつ加熱され、常圧型脱水素タンク20とは別にPt−W触媒の温度がDc−Mch燃料の沸点温度以上に上がった後に、吸熱的な脱水素反応が図3に示すルーチンにしたがって上記同様に行なわれる。つまり、ステップ100において、Pt−W触媒12の温度近傍に取付けられた温度センサ(不図示)により触媒温度t1が取り込まれ、ステップ102において触媒温度t1が予め定められた所定温度T1(ここでは500℃)未満であるか否かが判断される。触媒温度t1が所定温度T1未満であると判断されたときには、ステップ100に戻って再度触媒温度t1を取り込み、触媒温度t1が所定温度T1以上であると判断されたときには、制御装置120と電気的に繋がる図示しない制御用ドライバにより燃料噴射装置13から予め定めた所定量(触媒表面上で液膜が得られる直前の量)でDc−Mch燃料が供給される。
このとき、水素排出管18のバルブV1は閉状態にあり、水素生成に伴なって内圧は上昇し、高温反応室の側壁に取付けられた水素圧センサ14で監視しながら、Dc−Mch燃料(脱水素用燃料)沸点上昇がもたらされるように、バルブV1によって1.0MPa以下に加圧制御されるようになっている。ここで、気相の水素分圧は、容器の内圧と水素絶対圧(水素圧センサの計測値)とから算出することができる。内圧を上記範囲に加圧制御することで、触媒上の炭素質析出に伴なう失活を防止し、かつ蒸発量が増えすぎて凝縮のための冷却負荷が過大にならないようにし、しかも沸騰・凝縮を伴なう伝熱効果の大きいエンジン排熱の冷却が進行するのを含め、実用的な範囲で過熱・液膜状態にて反応を行なわせることができる。
上記のように、所定温度T1、T2が各々500℃、250〜350℃の温度条件では、脱水素反応の高い反応速度、換言すれば内燃機関や他の水素使用装置の高性能を得ながら、エネルギー利用効率の向上、つまり燃費の向上が図られる。また、所定温度T3が100℃の温度条件では、排気熱の余熱を有効に利用しながらも脱水素反応の反応性をある程度確保することが可能であり、内燃機関や他の水素使用装置の高性能を高めると共に、更なるエネルギー効率の向上、燃費の向上を実現することができる。
Dc−Mch燃料の供給に際し、次のステップ103では、燃料噴射装置からの供給量を予め定めた所定量から徐々に増加させながらDc−Mch燃料を供給し、生成した水素リッチガスをバルブV1、V2を開いて水素貯蔵装置50に送ると共に、次のステップ104において水素圧センサ14、24で検出された水素圧の値に基づいて水素圧が増加しているか否か、すなわち水素ガス発生量が増加しているか否かが判断される。水素圧が増加していると判断されたときには、ステップ103に戻ってDc−Mch燃料の供給量を徐々に増加することを繰り返す。これにより、乾燥した触媒上にDc−Mch燃料が徐々に供給され、これら表面が徐々に湿潤していき、Dc−Mch燃料が液膜状態で供給されるので、水素発生量が最大値に近づく。この間にも加熱される触媒表面は、脱水素用燃料の蒸発、凝縮を繰り返し、高い脱水素転化率を得ることができる。
一方、ステップ104において水素圧が低下していると判断されたときには、触媒温度が略同一であればDc−Mch燃料の供給量が液膜状態より過剰に供給された場合であるので、ステップ106において、低下の程度に応じて制御用ドライバを制御し、燃料噴射装置からのDc−Mch燃料の供給量を徐々に減少させながら供給する。これにより、再び水素発生量が最大値に近づく。ステップ108では、水素圧が低下したか否かが判断され、水素圧が未だ低下しないときにはステップ106に戻って、Dc−Mch燃料の供給量を徐々に減少することを繰り返し、触媒温度が略同一であって水素圧が低下するときには、Dc−Mch燃料の供給量が液膜状態より少なすぎる状態であるので、ステップ103に戻ってDc−Mch燃料の供給量を徐々に増加して供給することを繰り返す。これにより、Dc−Mch燃料が触媒表面において常に液膜状態で保持され、水素圧、すなわち水素ガス発生量が最大になるようにDc−Mch燃料が供給される。
本実施形態では、IGスイッチがオンされると水素エンジンが始動し、上記のようにして、始動後水素エンジンから排出された排出ガスによって各触媒が順次加熱され、Mch−PrOH燃料と接触した状態にあるPt−Ir/Pt−Ru触媒32では、反応進行温度以上に達することで脱水素反応を開始する。更に加熱されて、Pt−W触媒12が所定温度T1に達したときにはポンプP1を、Pt−W触媒22が所定温度T2に達したときにはポンプP2を駆動し、燃料タンク60からDc−Mch燃料がPt−W触媒12、22上に供給される。脱水素反応により発生した水素リッチガス(蒸発した未反応のDc−Mch燃料又はMch−PrOH燃料を含んでもよい。)は、各室において、フィン付管型水冷冷却器及び冷却用仕切板によって各室内で冷却され、冷却液化されたナフタレン/トルエン混合溶液又はトルエン/アセトン混合溶液と水素ガスとに分離される。高純度に分離された水素ガスは、水素排出管18、28、38から排出されて水素貯蔵装置50に供給、貯蔵されると共に水素エンジンに供給される。一方、冷却液化されたナフタレン/トルエン混合溶液は、受け皿17、27からポンプで送液されて廃棄タンク70に回収され、トルエン/アセトン混合溶液は受け皿37からポンプで送液されて水素化用燃料タンク73に回収される。
また、冷却は、冷却用仕切板11、21及び31によっても行なわれ、気相中に未反応のまま残存するDc−Mch燃料又はMch−PrOH燃料は液化された後、冷却用仕切板を伝ってPt−W触媒12、22又はPt−Ir/Pt−Ru触媒32上に落下し、再び触媒上での脱水素反応に供される。これにより脱水素転化率を向上させることができる。
車両を停止させてIGスイッチをオフした場合は、水素エンジンが停止されると共に、ポンプP1、P2の駆動が停止され、燃料噴射装置13、23からのDc−Mch燃料の供給の停止に伴なって水素ガスの生成が停止する。このとき、Dc−Mch燃料の供給を停止した後も少量の水素ガスが発生するため、バルブV1及びV2を開状態にして発生した水素ガスを水素貯蔵装置50に貯蔵する。そして、水素貯蔵装置50に貯蔵すると共に、あるいは貯蔵せずに余剰の水素ガスが存在する場合は、バルブV4を開き、水素供給管34を挿通して脱水素兼水素化タンク30の低温反応室に供給される。このとき、ポンプP4を駆動すると共に、三方バルブV5が戻し管75と低温反応室とが連通するように切替えられ、水素化用燃料タンク73中のアセトン/トルエン混合溶液が戻し管75を通じて低温反応室のPt−Ir/Pt−Ru触媒32上に供給される。また、供給された水素ガスは、Pt−Ir/Pt−Ru触媒32上で、Mch−PrOH燃料の脱水素生成物であるトルエン及びアセトンの水素化によって各々メチルシクロヘキサン(Mch)及び2−プロパノール(PrOH)に戻され、化学結合によって水素貯蔵される。Pt−Ir/Pt−Ru触媒32は加熱された状態が保持されており、発熱的な水素化反応は低温度でも速やかに進行する。
以上のように、水素エンジンからの排出ガスの排気熱を利用した車両内での水素生成が可能で、高純度の水素ガスを継続的に供給できると共に、与えられた熱の有効利用を図ることで、エネルギー利用効率の向上、低燃費化を実現することができる。
上記では、500℃以上で高温反応させる高温加圧型脱水素タンク、100℃以下で低温反応させる脱水素兼水素化タンク、及びこれらの間の中温域で反応させる中温常圧型脱水素タンクの三つのタンクで構成された反応装置を用いたが、これに限られるものではなく、高温加圧型脱水素タンクもしくは中温常圧型脱水素タンクと低温反応させる脱水素兼水素化タンクとで構成された反応装置や、高温加圧型脱水素タンクと温度の異なる二つの中温常圧型脱水素タンクと低温反応させる脱水素兼水素化タンクとの四つのタンクで構成された反応装置など、目的等に応じて適宜選択して構成することができる。また、本実施形態の反応装置を二以上組合わせて構成することもできる。
また、本実施形態では、Dc−Mch燃料及びMch−PrOH燃料を用いた場合を説明したが、Dc−Mch燃料及びMch−PrOH燃料以外の上記した脱水素用燃料、脱水素兼水素化用燃料を用いた場合も同様である。
水素エンジン等の内燃機関で進行する高温燃焼のもたらす窒素酸化物を酸化バリウムなどで捕捉し、それを触媒で還元分解する必要があるときには、水素貯蔵装置50に貯留された水素ガスを還元剤として活用することができる。また、排出ガスの排気熱の温度が500℃を遥かに上回るときには、高温度でよく機能する熱電変換素子を活用する方法もある。
さらに、セタン価を持つデカリンやメチルシクロヘキサン等のナフテン系炭化水素燃料を用い、内燃機関の燃焼室での圧縮着火が可能なように構成することによって、水素ガスを主たる燃料としてディーゼル・エンジンに利用することができ、二酸化炭素と窒素酸化物の排出削減とあわせてエネルギーの有効利用性が高まり、燃費の一層の向上が期待される。
本発明の水素ガス生成装置は、上述のように、廃熱を熱効率よく有効に利用(特にカスケード利用)して水素ガスを生成できるものであり、車両からの排気ガス等の排熱や定置型発電装置排熱などの廃熱を発する系統に好適に利用することができる。例えば、車両に搭載可能に構成され、オットーサイクルエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関に水素ガスを車両内で生成して供給する水素ガス生成装置、あるいは水素ガスを燃料とし、プロトン透過性電解質膜と非白金系電極触媒で構成された、中温域・定置型燃料電池などの内燃機関以外の他の水素使用装置、等として好適である。
本発明の実施形態に係る反応装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態を示す図1のA−A’線断面図である。 本発明の実施形態の水素ガス発生制御ルーチンを示す流れ図である。
符号の説明
10…加圧型脱水素タンク(第1反応手段)
20…常圧型脱水素タンク(第2反応手段)
30…脱水素兼水素化タンク(第3反応手段)
12,22…脱水素触媒
13,23…燃料噴射装置
15,16,25,26,35,36…フィン付管型水冷冷却器
11,21,31…冷却用仕切板
32…脱水素兼水素化触媒
33…水素分離器
40…加熱器
60…燃料タンク
70…廃棄タンク
73…水素化用燃料タンク
80…補充タンク
110…水素エンジン(内燃機関)

Claims (11)

  1. 加熱雰囲気を一方から他方に挿通して外部を加熱する加熱手段と、
    第1の脱水素触媒を備え、供給された脱水素用燃料を加圧下、前記加熱手段により温度t1に加熱された前記第1の脱水素触媒上で脱水素反応させる第1反応手段と、
    前記第1反応手段の前記加熱雰囲気の挿通方向下流側に設けられ、第2の脱水素触媒を備え、かつ供給された脱水素用燃料を、前記加熱手段により温度t2(≦t1)に加熱された前記第2の脱水素触媒上で脱水素反応させる第2反応手段と、
    前記第2反応手段の前記加熱雰囲気の挿通方向下流側に設けられ、脱水素兼水素化触媒及び該脱水素兼水素化触媒と接する脱水素用燃料を備え、かつ前記加熱手段により温度t3(≦t2)に加熱された前記脱水素兼水素化触媒上で、水素ガスが供給されないときには脱水素兼水素化触媒と接する前記脱水素用燃料を脱水素反応させ、水素ガスが供給されたときには脱水素兼水素化触媒と接する前記脱水素用燃料の脱水素反応により生成された脱水素生成物である水素化用燃料を水素化反応させる第3反応手段と、
    を備えた水素ガス生成装置。
  2. 水素を含む燃料が供給されて作動する内燃機関を更に備え、前記内燃機関から排出された排出ガスを前記加熱手段に供給し、前記排出ガスを挿通して加熱するようにした請求項1に記載の水素ガス生成装置。
  3. 前記第1反応手段及び前記第2反応手段は、前記脱水素用燃料を前記脱水素触媒上で液膜状態となるように供給する燃料供給手段を更に備えた請求項1又は2に記載の水素ガス生成装置。
  4. 前記第1反応手段及び前記第2反応手段に供給される脱水素用燃料は、デカリンと単環脂環式炭化水素との混合燃料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素ガス生成装置。
  5. 脱水素兼水素化触媒と接する前記脱水素用燃料は、単環脂環式炭化水素と2級アルコールとの混合燃料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素ガス生成装置。
  6. 前記単環脂環式炭化水素は、置換シクロヘキサンである請求項4又は5に記載の水素ガス生成装置。
  7. 前記温度t1が450℃以上であって、前記温度t2が300℃±100℃であって、前記温度t3が150℃以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水素ガス生成装置。
  8. 前記第1反応手段、前記第2反応手段、及び前記第3反応手段は、脱水素反応によって生じた混合気体を冷却して水素ガスを分離する冷却装置と、分離された水素ガスを排出する水素排出口とを更に備えた請求項1〜7のいずれか1項に記載の水素ガス生成装置。
  9. 脱水素生成物を吸着除去して水素ガスを選択的に透過する水素分離部材が、少なくとも前記第3反応手段の前記水素排出口に設けられている請求項8に記載の水素ガス生成装置。
  10. 前記第1反応手段及び前記第2反応手段に供給される脱水素用燃料を貯留する脱水素用燃料貯留手段と、前記第1反応手段及び前記第2反応手段に供給された脱水素用燃料の脱水素反応により生成された脱水素生成物を貯留する脱水素生成物貯留手段とを更に備えた請求項1〜9のいずれか1項に記載の水素ガス生成装置。
  11. 前記第3反応手段は、脱水素兼水素化触媒と接する脱水素用燃料及びその脱水素生成物である水素化用燃料を補充する補充手段を更に備えた請求項1〜10のいずれか1項に記載の水素ガス生成装置。
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