JP2004026593A - 水素発生・貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状反応容器1を有する水素発生・分離装置であって、筒状反応容器1は、ヒーター3を一体化した触媒2が装入されて、筒状反応容器1の端側部位には、一方に原料供給部4が、他方に生成物導出部5が設けられ、原料を、原料供給部4から連続的に供給し、原料をヒーター3により加熱された触媒2に接触し反応させて、水素分離装置6により、水素と、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素とに分離することを特徴とする水素発生・貯蔵装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ハイドライドの脱水素反応又は芳香族炭化水素の水素化反応による水素発生・貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
触媒によるシクロヘキサンやデカリン等の有機ハイドライドの脱水素反応と、べンゼンやナフタレン等の芳香族炭化水素の水素化反応とを利用して、燃料電池システム向けの水素の供給・貯蔵装置とすることは、特開2001−110437号公報、特開2001−198469号公報、特開2002−134141で知られている。
【0003】
上記の、有機ハイドライドを利用した水素供給・貯蔵装置は、反応容器において有機ハイドライドを、一定の反応温度が供給された触媒に接触させて、水素及び気体状の芳香族炭化水素に改質し、冷却器による芳香族炭化水素分離や水素分離膜などにより水素を選択的に分離し、利用するものである。
また同様に、芳香族炭化水素の水素化反応を利用した水素貯蔵装置では、一定の反応温度に保たれた反応容器において、水素雰囲気の中で液体状の芳香族炭化水素を触媒に接触させて水素化反応を促進し、有機ハイドライドとして水素を貯蔵するものである。
【0004】
有機ハイドライドを利用した燃料電池システムへの水素貯蔵・供給装置の研究は国内外の研究者により精力的に取り組まれており、高転化率・高選択率にて改質生成物を与える触媒系や、反応方式についての技術の進展が見られている。
とりわけ、自動車や家庭用の用途に応じた燃料電池システムに必要な水素量を供給するべく本願発明者をはじめとする研究者による研究により、該有機ハイドライド又は芳香族炭化水素と触媒との接触の方式により、装置の反応効率の向上が期待されており、その具体的な実施方法について鋭意研究が進められている。
【0005】
近年の本願発明者らの研究によれば、上記の先行技術では、たとえば、特開2002−134141号公報の技術では、触媒に対し、有機ハイドライド又は芳香族炭化水素の原料をスプレー状又はシャワー状に噴霧する方式であり、触媒表面に原料の薄い膜(液膜)が形成され、転化率の効率化が図られるものの、原料供給部と触媒との間に所定の間隔を設ける必要があり、また、噴霧のための複雑な機構を要するなど、反応容器の容積効率の向上や装置の簡素化など、実用上の課題が想定されている。
【0006】
また、特開2001−110437号公報、特開2001−198469号公報において開示されている技術は、滴下による触媒への原料供給方式のために反応容器には所定の容積が必要とされるともに、滴下による原料の触媒への接触方式に起因する低い反応効率の改善が課題となっている。
【0007】
一方、特開2001−110437では、実施装置の例として、触媒を上下方向に配し、触媒外部にヒーターを設置し、触媒内部に水素分離装置を配置した反応装置において、触媒上部より原料を触媒に供給し、触媒中を通過させていく方式が、図面において示されているが、反応容器や触媒、水素分離装置の形状や、原料と触媒の接触方法が具体的に記載されていないため、この実施装置の容積効率や反応効率に関する検討は行えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる有機ハイドライド又は芳香族炭化水素の水素発生・貯蔵装置の容積効率や反応効率の向上にかかる問題点に鑑み、簡素な反応容器の構成を持ちながら、十分な原料と触媒との接触面積を確保できる水素発生・貯蔵装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、触媒を加熱するヒーターを一体化した触媒を、筒状容器に装入し、一方の端側部位から原料を筒内に送入して、他方の端側部位から生成物を導出する構成により、簡素な反応容器の構成を持ちながら、十分な原料と触媒との接触面積を確保ができる。
また、かかる筒状反応容器を、直列的に複数台結合していくことで、発生装置全体の規模拡大や空間効率の向上を容易に実現できることを見出し、上記課題を解決する手段に対応した水素発生・貯蔵装置を発明するに至った。
【0010】
すなわち、課題を解決するための手段である本願第1の発明は、
筒状反応容器1と、ヒーター3が一体化された触媒2と、水素分離装置6とを有する水素発生・分離装置であって、
筒状反応容器1は、ヒーター3が一体化された触媒2を装入し、一方の端側部には原料供給部4が、他方の端側部には生成物導出部5が設けられ、
水素を発生させるときには、有機ハイドライドを主成分とする原料を、原料供給部4から、連続的に筒状反応容器1に供給し、原料をヒーター3により加熱された触媒2に接触させて、有機ハイドライドの脱水素反応を生起させて水素を発生させ、
水素を貯蔵するときには、芳香族炭化水素を主成分とする原料と水素とを、原料供給部(4)から、連続的に筒状反応容器(1)に供給し、原料及び水素をヒーター3により加熱された触媒2に接触させて、芳香族化合物の水素化反応を生起させて水素を吸収させ、
生成物は、他方の端側部の生成物導出部5を介して水素分離装置6に導出して、水素と、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素とに分離することを特徴とする水素発生・貯蔵装置である。
【0011】
本願第2の発明は、
複数の筒状反応容器1と、ヒーター3が一体化された触媒2と、水素分離装置6とを有する水素発生・貯蔵装置であって、
各筒状反応容器1は、夫々ヒーター3を一体化した触媒2が装入され、一方の端側部には原料供給部4が、他方の側端部には生成物導出部5が設けられ、
かつ互いに隣接する如く配置され、隣接する一方の筒状反応容器1の生成物導出部5は他方の筒状反応容器1の原料供給部4に接合連通され、一方の最端部の筒状反応容器1の原料供給部4から全体の原料が供給され、他方の最端部の筒状反応容器1の生成物導出部5から全体の生成物が導出される如く結合されており、
水素を発生させるときには、有機ハイドライドを主成分とする原料を、一方の最端部の筒状反応容器1の原料供給部4から、連続的に筒状反応容器1に供給して、原料をヒーター3により加熱された触媒2に接触させて、有機ハイドライドの脱水素反応を生起させて水素を発生させ、
水素を貯蔵するときには、芳香族炭化水素を主成分とする原料と水素とを、一方の最端部の筒状反応容器1の原料供給部4から、連続的に筒状反応容器1に供給し、原料及び水素をヒーター3により加熱された触媒2に接触させて、芳香族化合物の水素化反応を生起させて水素を吸収させ、
生成物は、他方の最端部の筒状反応容器1の生成物導出部5介して水素分離装置6に導出して、水素と、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素とに分離することを特徴とする水素発生・貯蔵装置である。
【0012】
本願第3の発明は、
触媒2は、棒状に形成されて、筒状反応容器1内壁面との間に間隙が形成され、その間隙に原料又は原料と水素とが通流されることを特徴とする請求項1又は2の水素発生・貯蔵用装置である。
【0013】
本願第4の発明は、
触媒2は、筒状反応容器1内壁面に内接する筒状に形成され、筒状内部を原料又は原料と水素とが通流されることを特徴とする請求項1又は2の水素発生・貯蔵用装置である。
【0014】
本願第5の発明は、
触媒2は、主反応表面が突起状又は襞状に成形されていることを特徴とする請求項3又は4の水素発生・貯蔵用装置である。
【0015】
本願第6の発明は、
水素発生・貯蔵量は、筒状反応容器1への原料又は原料と水素との供給量の調整により行うことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5の記載の水素発生・貯蔵装置である。
【0016】
本願第7の発明は、
水素発生・貯蔵量は、ヒーター3により加熱される触媒2の温度の調整によって行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6の水素発生・貯蔵装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本願第1の発明の基本構成を模式的に示す。本発明は、ヒーター3を一体化した触媒2が装入された筒状反応容器1に、端側部位に原料供給部4と生成物導出部5が設けられ、生成物導出部5に、水素分離装置6が接合されて構成される。
【0018】
本願発明における筒状反応容器1は、長手方向の断面径が、短手方向の断面径よりも長い外形を有する立体物の内部が中空であり、内部に物質や装置等を収容できる容器を指す。短手方向の断面形状は円形を基本とするが、円形以外の任意の形状でもよいし、短手方向の断面形状は部位により一定でなくともよい。
また、長手方向の断面形状も、矩形や台形、菱形、曲線を有する形状など任意の形状でもよい。また、短手方向の断面径に比べ長手方向の断面径が十分に長い管状の容器でもよい。本願において使用する「筒状」も、上記と同義の形状を形容するものである。
【0019】
本願発明において、原料供給部4と生成物導出部5が設けられる端側部とは、図1に示すように、長手方向の断面の左右端及びその近傍を指し、原料供給部4と、生成物導出部5とは、別々の端側部に設けられる。筒状反応容器1と、原料供給部4や生成物導出部5の接合方法は、特に限定されるものではなく、一体的に接合してもよいし、管(図示せず)等の接合部材により接合してもよい。
【0020】
容器は両端側が開口しているものでも、塞がれているものでもよいが、内部にヒーター3を一体化した触媒2が装入でき、かつ原料供給部4と生成物導出部5を設置したときに、容器内部が密閉されるものでなければならない。
また、水素発生・貯蔵の反応圧力は、概0.1〜50気圧、好ましくは概0.5〜15気圧、さらに好ましくは概1〜10気圧に保たれることが望ましいため、筒状反応容器1は、上記圧力に対して十分な強度を有するものでなければならない。
【0021】
筒状反応容器1内に装入されるヒーター3を一体化した触媒2は、筒状反応容器1の長手方向の一部又は全部に挿設されている。ヒーター3を一体化した触媒2の形状は、容器内に挿設できるものであれば任意の形状とすることができる。
また本願第3又は第4発明の如く、棒状の形状や、筒状反応容器1の内壁面に内接する筒状の形状であれば、原料の送入に大きな抵抗が発生しないため好適である。
また装置の製作や保守など、触媒の着脱を要するときなどに簡便に取り扱うことができる。
【0022】
有機ハイドライドの脱水素反応や芳香族炭化水素の水素化反応のための触媒2としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、鉄、レニウム、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン、及び銅によって構成される群から選定された少なくとも一つを担持金属として、活性炭、ゼオライト、チタニア、カーボンナノチューブ等を触媒担体とするものが望ましい。
しかし上記に限定されることなく、特開2001−110437号公報、特開2001−198469号公報、特開2002−134141等で知られている公知の触媒の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。
【0023】
触媒(2)とヒーター3との一体化は、棒状、プレート状又はシート状等の筒状反応容器1内に挿設可能な任意のヒーター3に、カーボンニット触媒を巻き付けたり、アルミナ触媒を塗布することにより行うが、導電性発熱物質を触媒担体として利用してもよい。その他、触媒2を十分に加熱できる一体化方法であれば、任意の方法でもよい。
ヒーター3は、本願第7発明の如く温度制御を行う点を考慮すれば、電気式の発熱体であることが望ましい。
【0024】
また、本願第5発明の如く、触媒2単位長さあたりの原料との接触面積を拡大するために、触媒2の表面を、突起状又は襞状に成形することもできる。突起又は襞の形状は特に限定されず、筒状反応容器1内に装入できる形状であれば任意の形状でよい。
【0025】
原料供給部4は、筒状反応容器1内部に、原料を送入する装置であり、原料貯蔵部(図示せず)と管(図示せず)で連通している。
原料を送入するポンプ(図示せず)や、流量を調整する弁(図示せず。)は、原料供給部(4)に内蔵されていてもよいし、別体として原料貯蔵部(図示せず)から原料供給部(4)までの原料経路に設けてもよい。
【0026】
本願第6発明の如く、筒状反応容器1への原料供給量を、原料供給部4に内蔵された弁(図示せず)、又は別体で設けた原料経路の弁(図示せず)により調整することで、水素発生・貯蔵量を調整することができる。
水素貯蔵を行うときは、当然に、水素供給量を調整することでも、水素貯蔵量は調整することができる。
【0027】
生成物導出部5は、筒状反応容器1内で、原料の全部又は一部が触媒2と接触して生成する生成物(未反応の原料を含む)を、筒状反応容器1から導出し、生成物を水素分離装置6へ給送する装置である。必要に応じて、弁(図示せず)を内蔵し、水素分離装置6への生成物の給送量の制御を行うこともできる。
【0028】
水素分離装置6と生成物導出部5との接合方法は、特に限定されるものではなく、相互に接合部(図示せず)を形成しておいてもよいし、管(図示せず)などにより連通させて接合してもよい。
また生成物導出部5と一体的に設けることもできる。特に水素を発生させるときは、水素を選択的に生成物より分離していくことにより、平衡条件を好適に制御することができるため生成物導出部5と一体化していることが望ましい。
【0029】
水素分離装置6は、水素、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素の混合物である生成物から、水素を選択的に分離する装置である。
分離材料としては、1nm〜10μmの膜厚で特徴付けられるPd膜、PdとAgの合金膜(Ag−Pd膜)、1nm〜100μmの膜厚で特徴付けられるゼオライト膜や多孔質シリカ膜等のような水素分離膜、ポリイミド等のような高分子分離膜、ゼオライト、メソ多孔質材、フェルト状活性炭、ハニカム状活性炭、カーボンナノチューブ等の水素吸着作用で水素と分離する吸着材のうち1つ以上を選択することが好ましいが、特に限定されることなく公知の分離材料から選択することができる。
また、液体有機ハイドライド中でのバブリング等により、有機ハイドライドや芳香族炭化水素を溶解させて、水素を分離してもよい。
【0030】
本装置で、水素を発生させるときは、有機ハイドライドを主成分とする原料を、原料貯蔵部(図示せず)から、ポンプ(図示せず)により、原料供給部4から連続的に筒状反応容器1に供給し、原料をヒーター3により加熱された触媒2に原料を接触させて、有機ハイドライドの全部又は一部の脱水素反応により水素を発生させ、原料供給部4から連続的に原料が送入されることにより生成物導出部5から送出される生成物を、水素分離装置6により、水素と、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素とに分離し、水素を選択的に得る。分離後の有機ハイドライド及び芳香族炭化水素は装置外に導出してもよいし、原料貯蔵部に還送してもよい。
【0031】
本装置で、水素を貯蔵するときは、芳香族炭化水素を主成分とする原料と水素を、原料貯蔵部(図示せず)及び水素貯蔵部(図示せず)から、ポンプ(図示せず)により、原料供給部4から連続的に筒状反応容器1に供給し、原料及び水素をヒーター3により加熱された触媒2に接触させて、芳香族化合物の全部又は一部の水素化反応により水素を吸収させ、原料供給部4から連続的に原料が送入されることにより生成物導出部5から送出される生成物を、水素分離装置6により、水素と、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素とに分離し、水素は水素保持部へ還送する。
分離後の有機ハイドライド及び芳香族炭化水素は装置外に導出してもよいし、原料貯蔵部に還送してもよい。
【0032】
触媒2の温度は、概50〜350℃に制御されることが望ましい。水素発生時は温度が高いほど反応が進行し、水素化反応は、発熱反応のため温度が高温になると転化率が下がる。このため、本願第7発明の如く、触媒2の温度を制御することで、水素発生・貯蔵量を調整することができる。
ヒーター3が電気式発熱体であるときは、触媒2の温度をセンサー(図示せず)により検知し、制御装置(図示せず)により電流量を調整したり、電源のオン・オフ切り替えにより加熱を制御することができる。
【0033】
筒状反応容器1の長さを延長し、それに応じてヒーター3を一体化した触媒2の挿設量を増加させることで、筒状反応容器1の反応規模を拡大することができる。
ただし、筒状形状のため、実用上は、設置場所や保守上の諸事情により、長さの延長には一定の制約がある。
本願第2の発明は、筒状反応容器1の長さに関する実用上の制約の中で、本願発明による装置規模を効率的に拡大することができるものである。
【0034】
図2に示すように、複数の筒状反応容器1の、1つの筒状反応容器1の生成物導出部5と、別の筒状反応容器1の原料供給部4とを、原料貯蔵部(図示せず)より原料を導入し、生成物を導出するための少なくとも1つの原料供給部4と生成物導出部5を除いて、直列的に接合し、運転することができる。
原料供給部4と生成物導出部5との接合方法は、特に限定されるものではなく、原料供給部4と生成物導出部5とに相互の接合部(図示せず)を形成しておいてもよいし、管(図示せず)などにより連通させて接合してもよい。
【0035】
1つの筒状反応容器1の生成物導出部5からの生成物には、未反応の原料が含まれているため、本願第2の発明によれば、いわゆる多段化反応プロセスにより全体での反応効率を向上することができる。また、原料供給部4と生成物導出部5との接合時のレイアウトの自由度も高いため、装置規模の拡大における制約が緩和されるとともに、装置全体での空間利用効率を向上できる。
【0036】
【実施例】
原料にシクロヘキサンを利用して、請求項1の発明の筒状反応容器1の構成により水素を発生させた。筒状反応容器1としては、直径20mm、長さ200mmの管を使用し、触媒2は白金触媒5wt%のカーボンニット触媒0.8gを使用した。水素分離装置6には冷却分離器を利用した。
触媒2の温度を300℃に保持し、シクロヘキサンを流量5ml/minで供給したところ、350ml/minの水素が発生した。
同様の装置において、触媒2の温度を350℃に保持し、シクロヘキサンを流量5ml/minで供給したところ、1000ml/minの水素が発生した。
【0037】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】
本発明の水素発生・貯蔵装置によれば、有機ハイドライドの脱水素反応又は芳香族炭化水素の水素化反応を利用した水素発生・貯蔵装置において、簡素な反応容器の構成を持ちながら、十分な原料と触媒との接触面積を確保できる水素発生・貯蔵装置を提供することができる。
このため、有機ハイドライドを利用した水素発生・貯蔵技術や、燃料電池システムの各方面への導入を促進し、地球環境問題への対応やエネルギー利用の適正化に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒状反応容器を有する水素発生・貯蔵装置の基本構成を示す断面図
【図2】複数の筒状反応容器を直列的に接合した水素発生・貯蔵装置の基本構成を示す図
【符号の説明】
1 筒状反応容器
2 触媒
3 ヒーター
4 原料供給部
5 生成物導出部
6 水素分離装置
Claims (7)
- 筒状反応容器(1)と、ヒーター(3)が一体化された触媒(2)と、水素分離装置(6)とを有する水素発生・分離装置であって、
筒状反応容器(1)は、ヒーター(3)が一体化された触媒(2)を装入し、一方の端側部には原料供給部(4)が、他方の端側部には生成物導出部(5)が設けられ、
水素を発生させるときには、有機ハイドライドを主成分とする原料を、原料供給部(4)から、連続的に筒状反応容器(1)に供給し、原料をヒーター(3)により加熱された触媒(2)に接触させて、有機ハイドライドの脱水素反応を生起させて水素を発生させ、
水素を貯蔵するときには、芳香族炭化水素を主成分とする原料と水素とを、原料供給部(4)から、連続的に筒状反応容器(1)に供給し、原料及び水素をヒーター(3)により加熱された触媒(2)に接触させて、芳香族化合物の水素化反応を生起させて水素を吸収させ、
生成物は、他方の端側部の生成物導出部(5)を介して水素分離装置(6)に導出して、水素と、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素とに分離することを特徴とする
水素発生・貯蔵装置 - 複数の筒状反応容器(1)と、ヒーター(3)が一体化された触媒(2)と、水素分離装置(6)とを有する水素発生・貯蔵装置であって、
各筒状反応容器(1)は、夫々ヒーター(3)を一体化した触媒(2)が装入され、
一方の端側部には、原料供給部(4)が、他方の側端部には生成物導出部(5)が設けられ、
かつ互いに隣接する如く配置され、隣接する一方の筒状反応容器(1)の生成物導出部(5)は他方の筒状反応容器(1)の原料供給部(4)に接合連通され、一方の最端部の筒状反応容器(1)の原料供給部(4)から全体の原料が供給され、他方の最端部の筒状反応容器(1)の生成物導出部(5)から全体の生成物が導出される如く結合されており、
水素を発生させるときには、有機ハイドライドを主成分とする原料を、一方の最端部の筒状反応容器(1)の原料供給部(4)から、連続的に筒状反応容器(1)に供給して、原料をヒーター(3)により加熱された触媒(2)に接触させて、有機ハイドライドの脱水素反応を生起させて水素を発生させ、
水素を貯蔵するときには、芳香族炭化水素を主成分とする原料と水素とを、一方の最端部の筒状反応容器(1)の原料供給部(4)から、連続的に筒状反応容器(1)に供給し、原料及び水素をヒーター(3)により加熱された触媒(2)に接触させて、芳香族化合物の水素化反応を生起させて水素を吸収させ、
生成物は、他方の最端部の筒状反応容器(1)の生成物導出部(5)を介して水素分離装置(6)に導出して、水素と、有機ハイドライド及び芳香族炭化水素とに分離することを特徴とする
水素発生・貯蔵装置。 - 触媒(2)は、棒状に形成されて、筒状反応容器(1)内壁面との間に間隙が形成され、その間隙に原料又は原料と水素とが通流されることを特徴とする
請求項1又は2の水素発生・貯蔵用装置。 - 触媒(2)は、筒状反応容器(1)内壁面に内接する筒状に形成され、筒状内部を原料又は原料と水素とが通流されることを特徴とする
請求項1又は2の水素発生・貯蔵用装置。 - 触媒(2)は、主反応表面が突起状又は襞状に成形されていることを特徴とする
請求項3又は4の水素発生・貯蔵用装置。 - 水素発生・貯蔵量は、筒状反応容器(1)への原料又は原料と水素との供給量の調整により行うことを特徴とする
請求項1、2、3、4又は5の記載の水素発生・貯蔵装置。 - 水素発生・貯蔵量は、ヒーター(3)により加熱される触媒(2)の温度の調整により行うことを特徴とする
請求項1、2、3、4、5又は6の水素発生・貯蔵装置。
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