JP2005200253A - 高圧水素供給・利用方法 - Google Patents

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謙二郎 浜田
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敬 横山
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克彦 高木
Kenji Matsubara
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Abstract

【課題】芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する水素供給・供給システムにおいて、脱水素化工程で発生した水素をボンベに高圧で加圧充填するための作業等を不要にすること。
【解決手段】水素化芳香族化合物の脱水素反応によって生成する水素ガスを利用する水素供給・利用方法において、該脱水素反応を操業下で液体状態にある水素化芳香族化合物の、触媒存在下かつ加熱加圧下で行うことによって高圧水素ガスを得て、この高圧水素ガスを高圧のまま、直接利用する。利用の態様としては、高圧水素ガスをそのまま自動車の燃料電池用の高圧水素ガスボンベに充填する方法、及び、石炭液化プロセス、アンモニア合成プロセス及び石油精製プロセスで用いる方法がある。
【選択図】 なし

Description

本発明は、芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する水素ガス利用方法に関する。
近年、自動車及び発電所等において化石燃料を燃焼させることによって発生するCO、NO、SO、塵埃等が、地球温暖化、環境汚染に関して大きな問題となっていることから、CO、NO、SO、塵埃の排出がほとんどないクリーンなエネルギー源である燃料電池が、自動車の駆動源及び住宅用のエネルギー源として大きな期待を集めている。
この燃料電池は水素と酸素とを燃料源としており、水素の供給方法としては、自動車に積んだメタノールやガソリン等の液体燃料から水素ガスを発生させて供給する方法、水素を収容したガスボンベを車に搭載して水素を供給する方法、ガソリンスタンドで都市ガスを改質して得た水素を供給する方法等が提案されている。
このほかに、芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する方法も提案されている。
非特許文献1には、水素化サイトにおいて、ナフタレンを水素ガスと反応させてデカリンを主成分とする水素化生成物を得、これをタンクローリー等で家庭用燃料油卸売店・小売店又はガソリン元売店・スタンドに運搬し、運搬先でデカリン脱水素反応器によってデカリンからナフタレンと水素とを生成させ、この水素を自動車等に供給し、ナフタレンをタンクローリーで再び水素化サイトへ運搬することについての記載がある。しかしながら、脱水素反応の圧力条件については記載がない。
特許文献1には、水素ガスの貯蔵、運搬媒体としてベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの単環式芳香族化合物、ナフタレン、メチルナフタレンなどの2環式芳香族化合物、アントラセンなどの3環式芳香族化合物を用いることが記載されており、また、その脱水素触媒反応の反応条件としては、反応温度が50〜350℃(好ましくは80〜250℃)であり、反応圧力が0.1〜10気圧(好ましくは1〜5気圧)がであるとしている。
特許文献2には、芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する水素貯蔵・供給システムにおいて、水素化反応と脱水素化反応との双方に優れた触媒活性を有する触媒であって、担持金属としてニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属をアルミナ、シリカ等の担体に担持させた触媒が提案されている。そして、水素化反応及び脱水素化反応の条件としては、温度50〜500℃、水素分圧0.1〜50気圧が記載されているが、段落0069には脱水素化反応については前記水素分圧範囲内の低圧側が好ましいことが記載されている。
特許文献3には、芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する水素貯蔵・供給システムであって、水素貯蔵体の水素化と脱水素とを単一容器内で行わせることができるものが記載されており、その反応条件については、温度を20〜500℃(好ましくは50〜350℃)、反応圧力を0.1〜50気圧(好ましくは1〜10気圧)とすることが記載されている。
ところで、水素化芳香族化合物の脱水素化反応は、水素ガスが発生する反応であるため、一般的には常圧以下で行われる。
これを例えば、ナフタレンを水素化して得られるデカリンについてみると、デカリンの脱水素化は次の反応式で表すことができ、非特許文献1(図2参照)に記載されているように、通常は240℃以上の温度で触媒の存在の下で行われる。
1018(デカリン)→C10(ナフタレン)+5H (1)
即ち、この反応は右辺では水素ガスが5分子発生し容積が増大する為に、一般的には常圧(1気圧)以下で行われるのが普通である。また、この反応は平衡値Kp=1の時の温度がほぼ240℃(510K)でありそれ以上の温度で反応を起させることが望ましいとされている。
しかしながら、この脱水素反応を常圧以下の条件で行った場合、発生した水素をボンベに高圧充填する場合は数百気圧まで加圧する必要があり相当の設備と圧縮のための電力を要するという課題がある。
上記従来技術を示す文献には、上記のような観点から反応条件を検討した旨の記載はない。
特開2001−110437号公報 特開2001−198469号公報 特開2002−134141号公報 ECOIndustryVol.7 No.8(2002)P.29-35
本発明は、芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する水素貯蔵・供給システムにおいて、脱水素化工程で発生した水素をボンベに高圧で加圧充填するための作業等を不要にすることにより、設備、電力のコストダウンを図り、効率的な水素貯蔵・供給システムを提供することを目的とする。また、本発明は、自動車、住宅用等の燃料電池において用いられる水素を供給するほか、石炭液化プロセス、アンモニア合成或いは石油精製用に利用される水素貯蔵・供給システムを提供することを目的とする。
本発明者等は、水素化芳香族の脱水素プロセスを高圧下で行わせて高圧の水素を発生させることにより上記の課題が解決することができることを見いだして本件発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は次の構成を有する。
(1)水素ガス供給工程と水素ガス利用工程とからなる水素供給・利用方法において、該水素ガス供給工程が、水素化芳香族化合物の脱水素反応による水素ガス生成工程であり、該水素ガス利用工程が、該水素ガス生成工程で生成した水素ガスを用いる工程であって、該水素ガス供給工程の該脱水素反応が、操業下で液体状態にある水素化芳香族化合物の、触媒存在下かつ加熱加圧下での連続式脱水素反応であり、該水素ガス利用工程が該反応生成物である高圧水素ガスを高圧のまま直接利用する水素ガス利用工程であることを特徴とする高圧水素供給・利用方法。
(2)前記水素ガス利用工程が、前記水素化芳香族化合物の脱水素反応で生成した高圧水素ガスを直接ボンベに詰める工程であることを特徴とする上記(1)の高圧水素供給・利用方法。
(3)前記高圧水素ガスを直接ボンベに詰める工程で得られた高圧水素ガスボンベが燃料電池用の高圧水素ガスボンベとして利用されることを特徴とする上記(2)の高圧水素供給・利用方法。
(4)前記水素ガス利用工程が、石炭液化プロセスでの利用、アンモニア合成での利用及び石油精製での利用のいずれか一つであることを特徴とする上記(1)の高圧水素供給・利用方法。
(5)前記水素ガス生成工程における水素化芳香族化合物の脱水素反応の反応温度が150〜400℃であり、反応圧力が常圧超であることを特徴とする上記(1)〜(4)の高圧水素供給・利用方法。
(6)前記反応圧力が10atm〜2000atmであることを特徴とする上記(5)の高圧水素供給・利用方法。
(7)前記反応圧力が50atm〜700atmであることを特徴とする上記(5)の高圧水素供給・利用方法。
(8)上記水素化芳香族化合物がシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの単環式化合物またはデカリン、メチルデカリンなどの2環式化合物、または、テトラデカヒドロアセトンなどの3環式化合物を主成分とする水素化芳香族化合物であることを特徴とする上記(1)〜(7)の高圧水素ガスの高圧水素供給・利用方法。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の高圧水素供給・利用方法において用いられる、水素化芳香族化合物の脱水素反応を利用した高圧水素ガスの供給装置であって、該脱水素反応が、操業下で液体状態にある水素化芳香族化合物の、触媒存在下で、反応温度が150〜400℃、反応圧力が50〜700atmの条件下での連続式脱水素反応であることを特徴とする高圧水素ガスの供給装置。
(10)上記(2)の高圧水素供給・利用方法によって得られたことを特徴とする水素ガスが充填された高圧ボンベ。
(11)上記(9)の高圧水素ガスの供給装置において用いられる脱水素反応器であって、該反応器の下部に脱水素反応の原料である水素化芳香族化合物液の供給口が、該反応器の中間部に脱水素した水素化芳香族化合物液の排出口が、かつ該反応器の上部に発生する高圧水素ガスの排出口が配設され、加えて該反応器が脱水素触媒を反応液に浸漬させる機構を有することを特徴とする高圧水素ガスの供給装置に用いる脱水素反応器。
本発明によれば、水素化芳香族化合物の脱水素反応において高圧の水素ガスを得ることができるので、これを直接利用する(例えばそのままボンベに詰める)ことにより、常圧水素ガスを高圧充填するための設備を不要とすることができる。
はじめに、本発明の水素ガス利用方法の一例を図1に基づいて説明する。
本発明においては、水素の貯蔵・運搬用媒体として芳香族炭化水素を利用する。
まず、水素化サイトで、芳香族化合物と水素含有ガス(純粋な水素ガス又は水素ガスを含むガス)とを水素化反応装置内で反応させて水素化芳香族化合物を生成させ貯蔵する。 この水素化芳香族化合物はタンクローリー等の輸送手段で卸売店又は小売店等のステーションに送られ、水素化芳香族化合物貯蔵設備T1に貯蔵する。この水素化芳香族化合物Aは脱水素反応装置R内で脱水素され、脱水素後芳香族化合物Cと水素ガスBとが生成する。本発明においては、この脱水素プロセスにおいて高圧の水素を生成させ、発生水素を高圧水素貯蔵容器T2に一旦貯蔵し、圧縮機Cを用いて燃料電池自動車Vが搭載する水素ボンベBに充填するか、又は前記高圧水素貯蔵容器T2を介することなく直接燃料電池自動車Vが搭載する水素ボンベBに充填し、燃料電池の燃料として利用する。一方、脱水素後に得られる脱水素後芳香族化合物Cは脱水素後芳香族化合物貯蔵設備T3に貯蔵され、タンクローリー等の輸送手段で水素化サイトに搬送され、再び水素化されて水素化芳香族化合物に変換される。
芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の単環式化合物、ナフタレン、メチルナフタレン等の2環式化合物及びアントラセン等の3環式化合物を用いることができるが、好ましくはナフタレンを用いる。
芳香族炭化水素から水素化芳香族炭化水素を製造するための水素化反応においては、水素化触媒による触媒反応を利用する。水素化触媒としては公知の触媒を用いることができ、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム及び銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いることができる。また、触媒担体としてはアルミナ、シリカ、ゼオライト、活性炭等を用いることができる。
水素化芳香族化合物は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの単環式化合物またはデカリン、メチルデカリンなどの2環式化合物、または、テトラデカヒドロアセトンなどの3環式化合物のうちの一つ又は前記いずれかの化合物を複数混合したものを用いることが好ましい。より好ましい水素化芳香族化合物はデカリンである。触媒を適切に選定することにより、ナフタレンは低圧、低温度、短時間でデカリンに転換することができ、また、デカリンは、脱水素反応により容易にナフタレンに戻すことができる。
また、水素化芳香族炭化水素から芳香族炭化水素と水素ガスとを製造するための脱水素反応においては、脱水素触媒による触媒反応を利用する。脱水素触媒としては公知の触媒を用いることができ、例えば、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、ニッケル、クロム、コバルト及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いることができる。また、触媒担体としてはアルミナ、シリカ、ジルコニア、ゼオライト、チタニア、活性炭等を用いることができる。
次に脱水素プロセスについて詳細に説明する。
本発明においては、水素化芳香族化合物を高圧反応容器内で脱水素して高圧水素ガスを得る。得られた高圧水素ガスは、直接高圧状態で利用される。なお、本発明でいう「直接利用する」とは、高圧水素ガスを、そのまま、または再加圧或いは適宜減圧して利用することをいい、利用の形態としては水素ボンベ等に供給し充填することを挙げることができる。
脱水素反応は触媒存在下、水素化芳香族化合物が液体状態であるような加熱・加圧下での連続式脱水素反応によって行う。脱水素反応容器内での温度及び圧力等の条件は、水素ガスをどのような用途に用いるかによって適宜に設定することができるが、反応温度は150〜400℃、好ましくは200〜300であり、反応圧力は常圧を超えるか、好ましくは10〜2000atm、より好ましくは50〜700atmである。
例えば、水素ガスを自動車の燃料電池の燃料として用いる場合について述べると、現状では、自動車の燃料電池用水素ボンベの圧力は、十分な走行距離(500km程度)を実現するためには、700atm程度が必要とされおり、その開発が進められている。
従って、脱水素高圧反応容器内で700atmで脱水素できれば、得られた水素はそのまま、燃料電池自動車搭載のボンベに充填可能である。また、脱水素装置の経済性等により高圧反応容器内で100atm程度にて脱水素した場合は、100atmの水素ガスを700atmに再加圧して燃料電池自動車搭載のボンベに充填することもできる。
100atm程度で脱水素した場合でも、1atmの水素ガスを700atmまで圧縮する場合、700分の1に圧縮する必要があるが、100atmの水素ガスであれば、7分の1に圧縮すれば700atmの水素ガスが得られるため、圧縮機の規模(イニシャルコスト)ならびに運転費は、1atmの水素ガスを圧縮する場合に比べて、大幅に縮小されることになり、メリットは大きい。
また、充填される水素ボンベの要求する圧力が複数あるような場合(複数の目的の異なるボンベに充填するような場合)には、脱水素反応器の圧力は一定にしておき、対象となるボンベの要求圧力により、そのまま、再加圧、減圧を適宜使い分ける。
次に、本発明の水素貯蔵・供給システムをアンモニア合成において用いる場合について述べる。アンモニア合成は窒素と水素とを高圧条件下で反応させて行なわれる。通常、その反応圧力は150〜350atm程度であり、原料の水素ガスは、その圧力まで昇圧して反応容器に供給されるが、本発明を適用して水素化芳香族化合物から高圧で脱水素した水素ガスを直接利用すれば、水素ガスの加圧工程を省略できるか、または、圧縮比の低い加圧工程ですませることが可能となる。
また、本発明の水素貯蔵・供給システムを石油精製工程に適用する場合について述べると、石油精製においては、脱硫、水素化分解などの工程において高圧水素が必要となるが、アンモニア合成の場合と同様に、高圧脱水素した水素ガスを直接利用することで、水素ガスの加圧に要するコストを低減することができる。
本発明における脱水素反応は、例えば図2に示すような脱水素反応器を用いて行うことができる。
図2において、反応器1内には触媒吊下げ装置2によって触媒塗布板3が保持されている。水素化芳香族化合物供給管4から液体状態の高圧水素化芳香族化合物Aが反応器1内に供給されて触媒塗布板3表面の触媒によって脱水素化反応が起こり、高圧水素が生成する。水素化芳香族化合物の反応物Cは反応器1の側壁に設けた排出管5から排出されるようになっており、反応器1内の液相の液面を一定に保って、触媒塗布板3の触媒塗布部分が液相のみに接触するようにしている。反応器1の上部には空間部が形成されており、最上部に設けた水素排出管6から高圧水素Bが排出される。
以下では、実施例に基づいて本発明を説明する。実施例は水素化芳香族化合物としてデカリンを用いた場合についてのものである。
図2に示される反応器にデカリン121.8kg/Hrを100kg/cmの圧力で装入した。触媒としては炭素担持Ptを使用した。反応器内部は280℃に保持して滞留時間を30分とした。
排出ガスの成分は次のとおりであった。
水素 : 33.64Nm/Hr(100kg/cm
デカリン : 12.11kg/Hr
ナフタリン : 1.97kg/Hr
テトラリン : 4.65kg/Hr
また、排出液の成分は次の通りであった。
デカリン : 66.68kg/Hr
ナフタレン : 16.22kg/Hr
テトラリン : 33.22kg/Hr
水素 : 0.183kg/Hr
この反応によって100kg/cmの水素ガスを得ることができた。
反応器から排出されたガスを冷却処理し、次いで活性炭処理を行って、デカリン、ナフタレン、テトラレン等を分離し、得られた水素ガスを水素貯蔵容器T2(圧力:100kg/cm、幾何容積:10m)に貯蔵した。
次に、水素貯蔵容器にされた水素ガスを圧縮機Cで再加圧(100kg/cm→700kg/cm)して、燃料電池自動車搭載のボンベに充填した。
燃料電池自動車が1回の水素充填で500km程度走行するためには、5kgの水素充填が必要であるため、1回の充填で56Nm (5000×22.4/(2×1000)=56Nm)の水素が消費されることになり、消費された分の水素ガスは、脱水素装置から水素貯蔵容器に補充されるが、水素貯蔵容器内の水素量は、100×10=1000Nmあるため、脱水素装置能力(33.64Nm/Hr)が小さくても、数台の燃料電池自動車への水素充填は連続的に可能であることになる。
図1に示される反応器にデカリン30.45kg/Hrを100kg/cmの圧力で装入した。滞留時間を2時間とし残りの条件は実施例1と同じとした。
排出ガスの成分は次のとおりであった。
水素 : 14.48Nm/Hr(100kg/cm
デカリン : 1.60kg/Hr
ナフタレン : 2.10kg/Hr
テトラリン : 1.17kg/Hr
排出液の成分は次の通りであった。
デカリン : 6.06kg/Hr
ナフタレン : 12.00kg/Hr
テトラリン : 6.12kg/Hr
水素 : 0.0325kg/Hr
これにより100kg/cmの水素ガスを得ることができた。
本発明の高圧水素供給・利用方法は、住宅用及び自動車用の燃料電池に水素燃料を供給するためのシステムとして利用することができる他、石炭液化プロセス、アンモニア合成又は石油精製に利用される水素燃料を供給するためのシステムとして利用することができる。
本発明の高圧水素供給・利用方法における水素ガスの利用形態の一例を示す図である。 本発明の高圧水素供給・利用方法において用いる脱水素反応器の一例を示す図である。
符号の説明
1 反応器
2 触媒吊下げ装置
3 触媒塗布板
4 水素化芳香族化合物供給管
5 排出管
6 水素排出管
A 水素化芳香族化合物
B 水素ガス
C 脱水素後芳香族化合物
T1 水素化芳香族化合物貯蔵設備
T2 水素貯蔵容器
T3 脱水素後芳香族化合物貯蔵設備
R 脱水素装置
圧縮機
水素ボンベ
V 燃料電池自動車

Claims (11)

  1. 水素ガス供給工程と水素ガス利用工程とからなる水素供給・利用方法において、該水素ガス供給工程が、水素化芳香族化合物の脱水素反応による水素ガス生成工程であり、該水素ガス利用工程が、該水素ガス生成工程で生成した水素ガスを用いる工程であって、該水素ガス供給工程の該脱水素反応が、操業下で液体状態にある水素化芳香族化合物の、触媒存在下かつ加熱加圧下での連続式脱水素反応であり、該水素ガス利用工程が該反応生成物である高圧水素ガスを高圧のまま直接利用する水素ガス利用工程であることを特徴とする高圧水素供給・利用方法。
  2. 前記水素ガス利用工程が、前記水素化芳香族化合物の脱水素反応で生成した高圧水素ガスを直接ボンベに詰める工程であることを特徴とする請求項1記載の高圧水素供給・利用方法。
  3. 前記高圧水素ガスを直接ボンベに詰める工程で得られた高圧水素ガスボンベが燃料電池用の高圧水素ガスボンベとして利用されることを特徴とする請求項2記載の高圧水素供給・利用方法。
  4. 前記水素ガス利用工程が、石炭液化プロセスでの利用、アンモニア合成での利用及び石油精製での利用のいずれか一つであることを特徴とする請求項1記載の高圧水素供給・利用方法。
  5. 前記水素ガス生成工程における水素化芳香族化合物の脱水素反応の反応温度が150〜400℃であり、反応圧力が常圧超であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高圧水素供給・利用方法。
  6. 前記反応圧力が10atm〜2000atmであることを特徴とする請求項5記載の高圧水素供給・利用方法。
  7. 前記反応圧力が50atm〜700atmであることを特徴とする請求項5記載の高圧水素供給・利用方法。
  8. 上記水素化芳香族化合物がシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの単環式化合物またはデカリン、メチルデカリンなどの2環式化合物、または、テトラデカヒドロアセトンなどの3環式化合物を主成分とする水素化芳香族化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高圧水素ガスの高圧水素供給・利用方法。
  9. 上記請求項1〜8のいずれかに記載の高圧水素供給・利用方法において用いられる、水素化芳香族化合物の脱水素反応を利用した高圧水素ガスの供給装置であって、該脱水素反応が、操業下で液体状態にある水素化芳香族化合物の、触媒存在下で、反応温度が150〜400℃、反応圧力が50〜700atmの条件下での連続式脱水素反応であることを特徴とする高圧水素ガスの供給装置。
  10. 上記請求項2記載の高圧水素供給・利用方法によって得られたことを特徴とする水素ガスが充填された高圧ボンベ。
  11. 上記請求項9記載の高圧水素ガスの供給装置において用いられる脱水素反応器であって、該反応器の下部に脱水素反応の原料である水素化芳香族化合物液の供給口が、該反応器の中間部に脱水素した水素化芳香族化合物液の排出口が、かつ該反応器の上部に発生する高圧水素ガスの排出口が配設され、加えて該反応器が脱水素触媒を反応液に浸漬させる機構を有することを特徴とする高圧水素ガスの供給装置に用いる脱水素反応器。
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