JP5036969B2 - エネルギーステーション - Google Patents

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Description

本発明は、石油燃料、高純度水素および電気を顧客の選択にあわせて供給するエネルギーステーションに関し、特に、効率よく高純度の水素を供給することができるエネルギーステーションに関するものである。
近年、環境問題やエネルギー問題から、新しいエネルギー源として水素が有望視されており、例えば、水素を直接燃料として用いる水素自動車、あるいは水素を用いる燃料電池などの開発が進められている。該燃料電池は、小型でも高い発電効率を有しており、加えて騒音や振動も発生せず、さらには排熱を利用することができるなどの優れた利点を有している。
また、自動車においては、高圧水素を搭載する燃料電池自動車や水素ロータリーエンジン車が次世代自動車として注目されており、公道試験を行うなど実用化に向けた評価が行われている。これに対し、これらの自動車に燃料として水素を供給するための水素スタンド等の施設が全国的に必要になることが予想され、圧縮水素や液体水素を輸送して水素スタンドに貯蔵する方式、水素スタンドにおいてメタノール・都市ガス・炭化水素系石油燃料を改質して水素を製造・貯蔵する方式、水素製造所において芳香族炭化水素に水素を貯蔵して輸送しそれを水素スタンドにおいて脱水素して水素を製造する方式など種々の方式の水素スタンドが提案されている。
しかしながら、上記圧縮水素を輸送する方式では、輸送効率が低く、また、水素スタンドにおいて大きなカードルを設置する広いスペースが必要となるため都市部には不向きであり、更に、インフラを新たに整備する必要があるという問題がある。
また、液体水素を輸送する方式では、輸送効率が高いものの、液体水素の製造コストが非常に高く、更には、ボイルオフ、インフラの新規整備が必要となるという問題がある。
更に、都市ガス改質で水素を製造する方式では、都市ガスのインフラが都市部に限られており、該方式の採用が全国各地どこでも可能ではないという問題がある。また、メタノール改質で水素を製造する方式では、インフラの新規整備が必要になるという問題がある。
これらに対し、炭化水素系石油燃料の改質により水素を製造する方式、および芳香族炭化水素に水素を貯蔵して輸送しそれを水素スタンドで脱水素して水素を製造する方式では、既存の石油燃料インフラを使用できるため、インフラ整備のコストを最小限に抑え、水素スタンドの普及を促進することが出来る。特に、芳香族炭化水素の水素化物を利用する方式では、水素スタンドにおける脱水素反応装置の温度を石油燃料の改質反応装置の温度よりも低くすることが出来、更には、脱水素反応の際に二酸化炭素を発生しない、水素製造後にリサイクルすることが出来るなど種々の点で優れている。反面、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応は吸熱反応であるので、エネルギー効率を上げるためには脱水素反応装置の熱源の選択が重要であり、この目的のためにいくつかの提案がなされている。
例えば、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造し、得られた水素を含むガスを用いて、固体酸化物型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、リン酸水溶液型燃料電池などの燃料電池により電力を供給する分散型発電システムにおいて、これら燃料電池の排熱を脱水素反応の熱源として利用する方法、さらには脱水素反応装置で発生する水素の一部、燃料電池からオーバーフローした水素並びに芳香族炭化水素及びその水素化物の一部を燃焼器により燃焼させ、その燃焼熱を脱水素反応の熱源に利用する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により製造した水素を供給する高圧水素の供給システムにおいて、灯油などの石油系燃料、LPGなどを燃料とする燃焼タービン発電装置を稼動させて、それから得られる電力及び排ガスを前記脱水素反応の熱源として利用する方法も提案されている(特許文献2参照)。
一方、従来の石油燃料を用いる自動車から水素を燃料として用いる自動車へ総て置き換わるには数十年以上の長い期間が必要であると考えられており、その間は、従来の石油系燃料を利用する自動車と、水素を利用する自動車とが混在することになる。これら混在する燃料の異なる自動車への燃料供給のために、水素スタンドと石油燃料スタンドとを個別に設置することは膨大な費用と土地の確保が必要となるため、自動車利用者がその燃料に応じてステーションで燃料の種類を選択できる形態が望まれ、従来のガソリンスタンドでも水素を補給できる機能を付与したものが提案されている(特許文献3参照)。
一方、家庭用分散電源としても水素を利用する燃料電池が注目されており、都市ガス、灯油、LPGなど現に家庭に供給することが可能な炭化水素を改質して燃料電池を稼動させるための水素を得る方式、あるいは水素パイプラインで水素を供給する方式などが提案されている。しかしながら、個々の家庭に新規に設備を導入するには、家庭の費用負担が大きいため、中大規模の燃料電池で発電し、電気と熱に変換してから個々の家庭に供給する方式も提案されている。ここで、中大規模の燃料電池に水素を供給するには、水素スタンドを利用することが可能であり、電気は家庭からの距離に関係なく供給することが出来る。
以上のことから、従来の石油燃料スタンド(自動車用サービステーション)に水素供給設備、燃料電池を設置し、石油系燃料、水素、電気の3種類の形態のエネルギーを顧客の需要に合わせて供給するエネルギーステーションが望まれている。これまでも石油燃料その他の炭化水素燃料を水素製造の原料として用いる改質器と、これから得られた水素含有ガスを用いる燃料電池とを設置し、炭化水素燃料、水素、電気を供給できるエネルギーステーションが提案されている(特許文献4参照)。
特開2004−39351号公報 特開2004−197705号公報 特開2002−241772号公報 特開2002−337999号公報
このような状況下、本発明の目的は、CO2排出量を削減し、効率よく、石油燃料、水素、電気を供給することができるエネルギーステーションを提供することにある。
本発明者は、この課題を解決するために鋭意研究した結果、従来の石油燃料スタンド(自動車用サービスステーション)の機能に、水素供給機能、電気供給機能を付与する方法として、水素の供給にはCO2を排出しない芳香族炭化水素水素化物の脱水素反応装置を利用し、電気の供給には石油燃料の改質生成物を用いる燃料電池を利用することにより、エネルギーステーション全体のCO2排出量を削減することが出来ることを見出し、さらには、燃料電池として固体酸化物型燃料電池を用い、その排熱を芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応装置の熱源に用いることにより、エネルギーステーション全体の効率を高めることが可能になることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記1から5に示すエネルギーステーションに関するものである。
1.石油燃料、高純度水素および電気を供給するエネルギーステーションにおいて、
脱水素反応器を備え、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備と、
前記石油燃料の改質反応生成物により固体酸化物型燃料電池を作動させて電気と熱を製造する設備とを備え、
更に、前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の後段に水素精製設備を備え、
前記固体酸化物型燃料電池の排ガスを脱水素反応器内の芳香族炭化水素の水素化物の流路とは別の流路に吹き込む、あるいは、熱交換器を介して芳香族炭化水素の水素化物を加熱することにより、前記固体酸化物型燃料電池で発生した排熱を前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の熱源に用い、
前記水素精製設備を介して前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応で得られた水素を純度99.99%以上の高純度水素とし、その一部を高純度水素として供給し、他の一部を前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の脱水素反応器へリサイクルすることを特徴とするエネルギーステーション。
.前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の脱水素反応器が固定床流通式反応器であることを特徴とする上記に記載のエネルギーステーション。
.前記脱水素反応器に用いる脱水素触媒が白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、スズ、レニウム、及びゲルマニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属を多孔質担体に担持してなり、平均細孔径が40〜130Åであることを特徴とする上記1又は2に記載のエネルギーステーション。
.前記固体酸化物型燃料電池を作動させるために用いる石油燃料が、ガソリン、灯油、ナフサ、又はLPGであることを特徴とする上記1からのいずれかに記載のエネルギーステーション。
本発明のエネルギーステーションによれば、芳香族炭化水素水素化物の脱水素反応装置と石油燃料の改質生成物を用いる燃料電池との組み合わせにより、CO2の排出量を削減しつつ、石油燃料、水素、電気を同時に供給することができ、また、燃料電池として固体酸化物型燃料電池を用い、その排熱を脱水素反応装置の熱源として用いることにより、エネルギーステーション全体のエネルギー効率を高めることができる。特に、本発明のエネルギーステーションを既存の石油燃料スタンドを活用して建設すれば、既存の貯蔵設備、輸送設備を活用できるので、設備投資が少なくてすみ、従来型の内燃機関自動車から燃料電池自動車への移行期間に長期にわたり営業を続けることが出来るので、実用的メリットが大きい。
以下に、本発明の好適な実施の形態を、図1を用いて具体的に説明する。しかしながら、本発明は、図1に示す形態に限定されるものではない。
図1に示すエネルギーステーションは、石油燃料タンク1と、芳香族炭化水素水素化物タンク2と、脱水素反応回収油タンク3とを備える。ここで、石油燃料タンク1は、内燃機関自動車および改質器4に供給するための石油燃料を貯蔵し、芳香族炭化水素水素化物タンク2は、脱水素反応器5により水素を発生させるための芳香族炭化水素水素化物を貯蔵し、脱水素反応回収油タンク3は、脱水素反応後発生する芳香族炭化水素を主成分とする回収油を貯蔵する。なお、芳香族炭化水素水素化物タンク2と脱水素反応回収油タンク3とは、内部が隔壁で仕切られた2室型の1タンクであってもかまわない。また、脱水素反応回収油タンク3に回収された回収油は、水素化反応により芳香族炭化水素の水素化物に再生して、再利用することが出来る。
本発明のエネルギーステーションには、従来の石油燃料スタンド(自動車用サービスステーション)の機能を維持したまま、水素供給機能及び電気供給機能が付与されているので、従来の石油燃料スタンドで受けることの出来る灯油・軽油・LPG・エンジンオイル等の販売、タイヤなどのカー用品の販売、エンジンオイルやタイヤなどの交換、洗車、点検作業などのサービスは、本発明のエネルギーステーションでも同様に受けることが出来る。
図1に示すエネルギーステーションにおいて、石油燃料の改質反応生成物により固体酸化物型燃料電池を作動させて電気と熱を製造する設備は、改質器4と、固体酸化物型燃料電池(SOFC)6とから構成される。
改質器4に供給する石油燃料は、ガソリン以外に、本発明のエネルギーステーションで販売する灯油・軽油・LPGのいずれでもよい。また、改質器4に供給する石油燃料としては、脱硫装置を介して含有する硫黄分を除去したものが好ましい。改質器4に供給する石油燃料中に硫黄分が存在すると、該硫黄分が改質器4に充填される改質触媒の被毒物質となるので、吸着剤など公知の方法で除去することが好ましい。なお、石油燃料として、GTLなどの硫黄分が存在しない燃料を用いる場合は、そのまま用いることが出来る。
改質器4は、水蒸気改質反応、部分酸化反応、自己熱改質反応により水素を含む燃料を得るための装置である。燃料電池として固体高分子型燃料電池を用いると高純度の水素が必要となるが、本発明では脱水素反応器5への排熱利用に鑑み、比較的純度の低い水素でも作動する固体酸化物型燃料電池6を用いる。ここで、固体酸化物型燃料電池6に供給する水素含有燃料には、水素の他に、メタン、CO、CO2などが含まれていてもよいが、C2以上の炭化水素はコーキングの原因となりやすいため、含まれないことが好ましい。
改質器4に用いる改質用触媒としては、水蒸気改質用触媒として一般に知られる触媒を用いればよく、Ni、Ru、Rhなどの金属をアルミナ、ジルコニア、セリア等の担体に担持したものが用いられる。また、改質器4における改質反応は、反応温度:400〜900℃、反応圧力:常圧〜3MPa、GHSV:500〜500000、S/C:0.5〜3の条件で行うことが好ましい。
エネルギーステーションにおいて電気を供給するためには、燃料電池以外の石油燃料を原料とする発電機、たとえばガスタービンを用いることも出来るが、本発明のエネルギーステーションでは、発電効率の高い固体酸化物型燃料電池6を用いる。固体酸化物型燃料電池6により発電した電気は、コミュニティーに提供され、家庭・ビル・事業所等で使用したり、電気自動車に供給することも出来る。
燃料電池自動車や燃料電池バス等に供給する高純度水素をオンサイトで製造する方法としては、従来より、石油燃料や都市ガスなどの炭化水素あるいはメタノールを改質する方法があるが、この方法による生成ガスにはCOやCO2が含まれ、水素純度は高々70〜80%であるため、燃料電池自動車用高純度水素(純度99.99%以上)を得るためには、これらを除去するCO変成器やCO除去装置を経た後、更にPSA(プレシャースイングアドソープション)や膜分離など通常の水素精製設備にて高純度化することが必要になる。これに対し、本発明に用いる芳香族炭化水素の水素化物を用いる脱水素反応によれば、水素製造の際にCOやCO2の発生が無く、生成ガスには水素以外に未反応芳香族炭化水素水素化物のベーパー、脱水素反応後生じる芳香族炭化水素のベーパー、副反応により微量に生じるメタンなどが含まれるだけであり、これらは気液分離や通常の水素精製設備によって、容易に除去することが出来るので、設備の簡略化、コスト削減の面から、オンサイトでの高純度水素製造方法として好ましい。
図1に示すエネルギーステーションにおいて、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備は、芳香族炭化水素水素化物タンク2、脱水素反応器5、回収油タンク3から構成されるが、本発明のエネルギーステーションに用いる水素製造設備は、更に、水素精製装置、気液分離器などを備えてもよい。原料となる芳香族炭化水素の水素化物は、芳香族炭化水素水素化物タンク2からポンプ等でくみ上げ、予熱後、脱水素反応器5に供給されることが好ましい。
本発明に用いる芳香族炭化水素の水素化物としては、シクロヘキサン類、デカリン類が挙げられるが、脱水素反応後生じる芳香族炭化水素の安全性、取り扱いやすさから、置換基を持つものが好ましく、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサンなどのアルキルシクロヘキサン、メチルデカリン、エチルデカリン、ジメチルデカリン、ジエチルデカリンなどのアルキルデカリン、およびこれらの混合物を用いることが好ましい。
本発明に用いる脱水素反応器5には触媒を充填し、芳香族炭化水素水素化物を供給して脱水素反応を行わせる。ここで、脱水素反応器5への供給方式としては、芳香族炭化水素水素化物を液体で供給する方式、および予熱して気体で供給する方式のいずれをとることも出来るが、特には、固定床式反応器に気体で供給する方式が好ましい。
また、脱水素反応器5に充填する触媒としては、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、スズ、レニウム、及びゲルマニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属を多孔質担体に担持したものが好ましく、脱水素反応器5に供給する芳香族炭化水素の水素化物の種類により、平均細孔径を適宜選択することが好ましい。すなわち、1環のシクロヘキサン類を用いる場合には、特に40〜80Åの平均細孔径を持つ触媒が好ましく、2環のデカリン類を用いる場合には、特に65〜130Åの平均細孔径を持つ触媒を選択することが好ましく、いずれも好ましい細孔径をもつ細孔の容量が全細孔容量の50%以上であることが好ましい。
上記触媒の平均細孔径および細孔容量の比率を制御するには、触媒の担体としてAl23あるいはSiO2を用いることが好ましく、それぞれ単独で用いてもよいし、適当な割合で両者を組み合わせて用いてもかまわない。芳香族炭化水素水素化物が1環と2環の混合物である場合は、その組成により、好ましい平均細孔径をもつ触媒を混合して用いても良い。
また、上記触媒の金属担持率は、0.001〜10質量%の範囲が好ましく、0.01〜5質量%の範囲が更に好ましい。金属担持率が0.001質量%未満では、十分に脱水素反応を進行させることができず、一方、10質量%を超えて金属を担持しても、金属の増量に見合う効果が得られない。
本発明で行う脱水素反応は、上記脱水素反応用触媒の存在下、LHSV:0.5〜4、反応温度:100〜450℃、好ましくは250℃〜450℃、反応圧力:常圧〜2MPaで、水素を流通させながら実施することが好ましい。ここで、水素流通量は、水素/芳香族炭化水素水素化物のモル比で0.01〜10の範囲が好ましい。水素を流通させて脱水素反応を行うことで、水素を流通させない場合に比べ副反応を抑えることが出来、水素を効率的に製造できるだけでなく、脱水素反応後回収される油を再度水素化して芳香族炭化水素水素化物として再利用する際に含まれる不純物を少なくすることが出来る。さらに、水素を効率的に製造するには、転化率90%以上になるように反応条件を選択することが好ましい。
上記芳香族炭化水素水素化物の脱水素反応は吸熱反応であるので、外部より熱を供給する必要があるが、本発明のエネルギーステーションでは、その熱源の全量あるいは一部として、電気を供給するために用いる固体酸化物型燃料電池6の排熱を利用する。固体酸化物型燃料電池6の排熱の利用の仕方としては、例えば、図2に示すように、排ガスを多管式の脱水素反応器5の上部に吹き込む方法、あるいは図3に示すように、熱交換器7を介して芳香族炭化水素の水素化物を加熱する方法、好ましくは、芳香族炭化水素の水素化物及び水素の混合物を加熱する方法をとることができる。
脱水素反応により生成するガスは、水素を主成分とするが、その他に、未反応の芳香族炭化水素水素化物、脱水素反応により生じる芳香族炭化水素、副反応により生じるメタン、エタン等の低級炭化水素、副反応により生じるアルキルシクロペンタンなどを含むことがある。しかしながら、都市ガス、灯油、ナフサ等の改質反応により水素を製造する場合に反応生成ガス中に含まれる一酸化炭素は、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応生成ガス中には含まれない。
脱水素反応により生成したガスを燃料電池自動車に供給するためには、該ガスを純度99.99%以上の高純度水素とすることが好ましいので、本発明のエネルギーステーションは、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の後段に更に水素精製設備を備える。また、脱水素反応には、水素を流通させることが好ましいが、該流通水素の純度が低いと、水素流通下で脱水素反応を行うことによる利点が十分に得られないため、水素精製設備を介して得られる純度99.99%以上の高純度水素の一部を芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備へリサイクルする。水素精製設備を備えた本発明のエネルギーステーションの好適例を図4及び図5に示す。
上記水素精製設備としては、通常、水素ガスの精製に用いられるPSA(プレシャースイングアドソープション)、水素分離膜等の装置を用いることができる。ここで、水素精製設備としてPSAを用いる場合は、図4に示すように、脱水素反応器5からの生成ガスを熱交換器7を経由して気液分離器8に送り、該気液分離器8でガス分と油分とに分離し、得られたガス分をPSA9によって、純度99.99%以上の高純度水素と、水素およびその他のガスとに分離することが好ましい。また、水素精製設備として水素分離膜を用いる場合は、図5に示すように、脱水素反応器5からの生成ガスを水素分離膜10によって、純度99.99%以上の高純度水素と、その他の成分とに分離し、その他の成分を熱交換器7を経由して気液分離器8に送り、該気液分離器8で水素およびその他のガスと油分とに分離することが好ましい。なお、気液分離は、PSA9や水素分離膜10等による水素精製工程の前工程および後工程のいずれであってもよいが、水素分離膜10を用いる場合は、水素精製工程後に気液分離を行うことが好ましい。また、設備全体を小型化するためには、ガス精製としては水素分離膜10による精製が特に好ましい。ここで、水素分離膜としては、金属膜、ゼオライト膜、セラミック膜、高分子膜等を例示できるが、脱水素反応器5の温度、圧力、流体に含まれる成分から作動できるものとして、Pd合金膜を用いることが好ましく、特には、圧延膜として薄膜化が可能であり、水素脆化の少ないPd−Cu膜を用いることが好ましい。
水素精製装置を介して製造した純度99.99%以上の高純度水素は、燃料電池自動車へ供給されるが、その一部を脱水素反応器5にリサイクルし、脱水素反応における流通水素として用いることが好ましい。脱水素反応に用いる流通水素としては、外部から導入される水素、脱水素反応器5から出る反応生成ガスの未精製ガス中に含まれる水素、水素分離膜10を透過しなかったガスに含まれる水素、PSA9のオフガス中の水素を用いることも出来るが、水素純度が低いと、リサイクルしているうちに水素以外のガスの濃度が高くなってしまい、水素流通下で脱水素反応を行うことの利点が十分に得られないので、水素分離膜10を透過して得た、あるいはPSA9を介して得た純度99.99%以上の高純度水素をリサイクルすることが特に好ましい。
本発明において、脱水素反応生成ガスから気液分離後に水素精製装置を経て低純度水素として回収されたガス、あるいは水素精製装置を経た後に気液分離して得られた低純度水素は、水素および副反応により生じた低級炭化水素、並びに分離しきれなかった液体のベーパーを含むので、これらは、脱水素反応器5の加熱のために他の燃料と共にバーナーで燃焼させるなどして、熱源原料の一部として利用することが出来る。
一方、水素精製装置および気液分離の2工程を経て液体として回収された油には、未反応芳香族炭化水素水素化物、脱水素反応により生成した芳香族炭化水素が含まれる。これらは回収して、再度水素化することにより、芳香族炭化水素水素化物とすることができ、再び脱水素反応器5に供給して再利用することが出来る。
本発明のエネルギーステーションの構成を示す模式図である。 本発明のエネルギーステーションにおいて、固体酸化物型燃料電池の排熱を脱水素反応器の熱源として利用する例である。 本発明のエネルギーステーションにおいて、固体酸化物型燃料電池の排熱を脱水素反応器の熱源として利用する他の例である。 本発明のエネルギーステーションの好適例のフローチャートであり、水素精製装置としてPSAを利用する例である。 本発明のエネルギーステーションの他の好適例のフローチャートであり、水素精製装置として水素分離膜を利用する例である。
符号の説明
1 石油燃料タンク
2 芳香族炭化水素水素化物タンク
3 脱水素反応回収油タンク
4 改質器
5 脱水素反応器
6 固体酸化物型燃料電池(SOFC)
7 熱交換器
8 気液分離器
9 PSA(プレシャースイングアドソープション)
10 水素分離膜

Claims (4)

  1. 石油燃料、高純度水素および電気を供給するエネルギーステーションにおいて、
    脱水素反応器を備え、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備と、
    前記石油燃料の改質反応生成物により固体酸化物型燃料電池を作動させて電気と熱を製造する設備とを備え、
    更に、前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の後段に水素精製設備を備え、
    前記固体酸化物型燃料電池の排ガスを脱水素反応器内の芳香族炭化水素の水素化物の流路とは別の流路に吹き込む、あるいは、熱交換器を介して芳香族炭化水素の水素化物を加熱することにより、前記固体酸化物型燃料電池で発生した排熱を前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の熱源に用い、
    前記水素精製設備を介して前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応で得られた水素を純度99.99%以上の高純度水素とし、その一部を高純度水素として供給し、他の一部を前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の脱水素反応器へリサイクルすることを特徴とするエネルギーステーション。
  2. 前記芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を製造する設備の脱水素反応器が固定床流通式反応器であることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーステーション。
  3. 前記脱水素反応器に用いる脱水素触媒が、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、スズ、レニウム、及びゲルマニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属を多孔質担体に担持してなり、平均細孔径が40〜130Åであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエネルギーステーション。
  4. 前記固体酸化物型燃料電池を作動させるために用いる石油燃料が、ガソリン、灯油、ナフサ、又はLPGであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエネルギーステーション。
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