JP5215058B2 - 水素製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素製造装置、特には、従来よりも水素回収率を向上させることが可能な水素製造装置に関するものである。
近年、環境問題やエネルギー問題から、新しいエネルギー源として水素が有望視されており、例えば、水素を直接燃料として用いる水素自動車、あるいは水素を用いる燃料電池などの開発が進められている。該燃料電池は、小型でも高い発電効率を有しており、加えて騒音や振動も発生せず、さらには廃熱を利用することができるなどの優れた利点を有している。
一方、水素をエネルギー源として利用するに当っては、燃料となる水素を安全にかつ安定的に供給することが欠かせない。これに対し、圧縮水素や液体水素として直接供給する方法、水素吸蔵合金やカーボンナノチューブなどの水素吸蔵材料を利用して水素を貯蔵及び供給する方法、メタノールや炭化水素を水蒸気改質して水素を供給する方法など、種々の方法が提案されている。
また、これらに並ぶ水素の供給方法として、近年、水素吸蔵率が高く、水素吸蔵と水素供給を繰返し行い再利用が可能であるとの理由から、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により水素を供給する方法が注目されている。
このような芳香族炭化水素の水素化物を用いた脱水素反応による水素の製造方法においては、通常、脱水素反応後の反応混合物には、水素ガスの他に、未反応の芳香族炭化水素の水素化物、脱水素反応により生成した芳香族炭化水素及び副生成物等が含まれている。そのため、脱水素反応後の反応混合物から気液分離により水素ガスを分離した後、更に水素の純度を上げるために、プレッシャースイング吸着(PSA)を用いて水素ガスの精製を行う方法が提案されている。しかしながら、PSAを利用した場合、水素回収率が70〜85%程度と低いという問題がある。この問題に対して、高い水素回収率を達成するために、水素分離膜を用いて脱水素反応後の反応混合物から水素を回収する方法が各種提案されている。
例えば、特開2006−232607号公報(特許文献1)には、脱水素反応直後の気相を、水素分離膜を用いた水素の精製手段により高純度水素とし、更に該高純度水素の一部を脱水素反応器へリサイクルすることで、高い水素回収率で高純度水素を製造する方法が開示されている。
また、特開2007−099528号公報(特許文献2)には、水素分離膜を150℃以上350℃未満の第一の温度で運転し、水素分離膜の運転停止に際して、水素分離膜を300℃以上であって且つ前記第一の温度より高い第二の温度に加温処理した後に水素分離膜の運転を停止したり、水素分離膜を150℃以上350℃未満の第一の温度で運転し、水素分離膜における水素回収率が低下した際に水素分離膜の温度を300℃以上であって且つ前記第一の温度より高い第二の温度に昇温し、その後、該水素分離膜の温度を150℃以上350℃未満の第一の温度に降温して運転を継続することで、高い水素回収率を維持しつつ連続的あるいは断続的に高純度水素を製造する方法が開示されている。
更に、特開2005−035842号公報(特許文献3)には、シクロヘキサン環を有する炭化水素を原料とし、そのシクロヘキサン環を脱水素して芳香族環とする反応により水素を発生させる水素発生反応器と、水素中に含まれる炭化水素を、セラミック膜を用いた膜分離により除去する水素膜分離器とを具え、高いエネルギー効率で高純度水素を製造することが可能な水素製造システムが開示されている。
特開2006−232607号公報 特開2007−099528号公報 特開2005−035842号公報
しかしながら、上記従来技術では、脱水素反応器からの生成ガスの熱容量を活かして、水素分離膜によって水素を分離回収する方法を採用していたため、必然的に、脱水素反応器の温度が水素分離膜の温度よりも高くなっていた。ここで、一般に脱水素反応には貴金属触媒が用いられ、高温で長期間運転すると、貴金属の凝集等により触媒活性の劣化が見られる。
これに対し、一般に触媒の劣化を抑えるために、脱水素反応器の温度を低く抑える等の方策が採られている。しかしながら、従来の水素製造においては、水素分離膜の温度よりも脱水素反応器の温度が高いため、本来高温で分離効率が優れる水素分離膜を低温で運転しなければならず、低温での分離によって水素回収率が低下するという欠点があった。
また、この低下した分離効率を向上させるために、圧力を上げて運転する方法も試みられたが、圧力を上げると脱水素反応の転化率が低下して、水素発生量が低下するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、脱水素反応の転化率を低下させることなく水素の分離効率を向上させて、水素回収率を大幅に向上させることが可能な水素製造装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、触媒層を有し芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応を行う脱水素反応器と、水素分離膜を有し脱水素反応生成物から水素を分離する水素分離装置とを具える水素製造装置に、更に、熱媒体を水素分離装置から脱水素反応器に供給するための流路を設け、加熱した熱媒体を、水素分離装置を通過させた後に脱水素反応器に供給することで、水素分離装置中の水素分離膜の温度が脱水素反応器中の触媒層の平均温度よりも高くなり、その結果として、水素回収率が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の水素製造装置は、
・触媒層を有し、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応を行うための脱水素反応器と、
・水素分離膜を有し、脱水素反応生成物から水素を分離するための水素分離装置と
を具え、
・更に、加熱した熱媒体を、前記水素分離装置を通過させた後に前記脱水素反応器に供給するための流路を具えることを特徴とする。
本発明の水素製造装置は、更に、前記脱水素反応器から排出された熱媒体を再加熱して、前記水素分離装置に供給するための流路を具えることが好ましい。
本発明の水素製造装置によれば、加熱した熱媒体を、水素分離装置を通過させた後に脱水素反応器に供給することで、水素分離装置中の水素分離膜の温度を、脱水素反応器中の触媒層の平均温度よりも高くして、高い脱水素反応転化率を達成しつつ、水素の分離効率を向上させ、その結果として、水素回収率を向上させることができる。
以下に、図1を参照しながら、本発明の水素製造装置を詳細に説明する。図1は、本発明の水素製造装置の一例の概略図である。
図1に示す水素製造装置は、触媒層1を有し且つ芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応を行うための脱水素反応器2と、水素分離膜3を有し且つ脱水素反応生成物から水素を分離するための水素分離装置4と、加熱手段5とを具える。また、図示例の水素製造装置は、脱水素反応生成物を脱水素反応器2から水素分離装置4に供給するための流路6と、加熱手段5で加熱した熱媒体を水素分離装置4に供給するための流路7と、該熱媒体を水素分離装置4を通過させた後に脱水素反応器2に供給するための流路8とを具える。
図示例の水素製造装置によれば、加熱手段5で加熱した熱媒体を、流路7及び水素分離装置4を通過させた後、流路8を介して脱水素反応器2に供給できるため、水素分離装置4中の水素分離膜3の温度を、脱水素反応器2中の触媒層1の平均温度よりも高くすることができる。ここで、水素分離膜3に対する水素の透過速度は高温ほど向上する一方、脱水素反応触媒は高温ほど活性金属が凝集し易いため、水素分離膜3の温度を触媒層1の平均温度よりも高くすることで、水素の透過速度を向上させつつ、脱水素反応触媒の劣化を防止できる。
更に、本発明の水素製造装置は、図1に示すように、脱水素反応器2から排出された熱媒体を加熱手段5に供給するための流路9を具えることが好ましく、加熱手段5で脱水素反応器2から排出された熱媒体を再加熱して、流路7を経由して再加熱された熱媒体を水素分離装置4に供給することが好ましい。ここで、流路9と流路7とが組み合わさって、脱水素反応器2から排出された熱媒体を再加熱して水素分離装置4に供給するための流路を形成する。熱媒体を再加熱してリサイクルすることで、エネルギー効率を向上させることができる。
上記脱水素反応器2としては、触媒を充填できる限り特に限定されず、公知の反応器を使用することができるが、特には、固定床式反応器を使用することが好ましい。脱水素反応器2においては、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応により、主として芳香族炭化水素と水素とが生成する。
上記脱水素反応器2に充填され触媒層1を形成する脱水素反応触媒としては、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、スズ、レニウム、及びゲルマニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属を多孔質担体に担持したものが好ましく、脱水素反応器2に供給する芳香族炭化水素水素化物の種類により、平均細孔径を適宜選択することが好ましい。すなわち、1環のシクロヘキサン類を用いる場合には、特に40〜80Åの平均細孔径を持つ触媒が好ましく、2環のデカリン類を用いる場合には、特に65〜130Åの平均細孔径を持つ触媒を選択することが好ましく、いずれも好ましい細孔径をもつ細孔の容量が全細孔容量の50%以上であることが好ましい。
脱水素反応触媒の平均細孔径および細孔容量の比率を制御するには、触媒の担体としてAl23あるいはSiO2を用いることが好ましく、それぞれ単独で用いてもよいし、適当な割合で両者を組み合わせて用いてもよい。芳香族炭化水素水素化物が1環と2環の混合物である場合は、その組成により、好ましい平均細孔径をもつ触媒を混合して用いても良い。
また、脱水素反応触媒における金属担持率は、0.001〜10質量%の範囲が好ましく、0.01〜5質量%の範囲が更に好ましい。金属担持率が0.001質量%未満では、十分に脱水素反応を進行させることができず、一方、10質量%を超えて金属を担持しても、金属の増量に見合う効果が得られない。
一方、上記水素分離装置4は、水素分離膜2を具える限り特に限定されるものではない。該水素分離装置4においては、水素分離膜2によって脱水素反応生成物から水素が分離される。該水素分離膜2としては、金属膜、ゼオライト膜、セラミック膜、高分子膜等を例示できるが、脱水素反応器2の温度、圧力、流体に含まれる成分から作動できるものとして、Pd合金膜を用いることが好ましい。該Pd合金膜としては、Pd−Ag膜、Pd−Cu膜等を例示できるが、特には、圧延膜として薄膜化が可能であり、水素脆化の少ないPd−Cu膜が好ましい。該Pd−Cu膜は、たとえば、米国特許第3,439,474号に記載の方法により作製することが出来る。
また、上記加熱手段5としては、特に限定されず、バーナーなどを使用することができる。例えば、燃料をバーナー等の加熱手段5で燃焼させて発生させた熱風を、水素分離装置4を通過させた後に流路8を介して脱水素反応器2を通過させることで、水素分離装置4中の水素分離膜3の温度を、脱水素反応器2中の触媒層1の平均温度よりも高くすることができる。
次に、本発明の水素製造装置を用いた水素の製造方法を、図2を参照しながら詳細に説明する。本発明の水素製造装置を用いて水素を製造するに当っては、まず、原料となる芳香族炭化水素水素化物を貯蔵するタンク10から芳香族炭化水素水素化物をポンプ等でくみ上げ、予熱後、脱水素反応器2に供給して、脱水素反応を行うことが好ましい。ここで、芳香族炭化水素水素化物の予熱は、熱交換器(図示せず)で行うことが好ましく、その熱源としては、燃料をバーナー等の加熱手段で燃焼させて発生させた熱等を用いることができる。
上記芳香族炭化水素の水素化物としては、シクロヘキサン類、デカリン類が挙げられるが、脱水素反応後に生成する芳香族炭化水素の安全性及び取り扱い易さの観点から、置換基を持つものが好ましく、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサンなどのアルキルシクロヘキサン、メチルデカリン、エチルデカリン、ジメチルデカリン、ジエチルデカリンなどのアルキルデカリン、およびこれらの混合物を用いることが好ましい。
上記芳香族炭化水素水素化物の脱水素反応器2への供給方式としては、芳香族炭化水素水素化物を液体で供給する方式、および予熱して気体で供給する方式のいずれをとることも出来るが、特には、固定床式反応器に気体で供給することが好ましい。
脱水素反応器2における脱水素反応は、例えば、上記脱水素反応用触媒の存在下、LHSVが0.5〜4hr-1、反応温度が100〜450℃、好ましくは250℃〜450℃、反応圧力が常圧〜2MPaG、好ましくは常圧〜0.4MPaGで、水素を流通することにより実施する。ここで、水素流通量は、水素/芳香族炭化水素水素化物のモル比で0.01〜10の範囲が好ましい。水素を流通させて脱水素反応を行うと、水素を流通させない場合に比べ、副反応を抑えることが出来、水素を効率的に製造できるだけでなく、脱水素反応後に回収される油を再度水素化して芳香族炭化水素水素化物として再利用する際に含まれる不純物を少なくすることが出来る。なお、水素を効率的に製造するには、転化率85%以上になるように反応条件を選択することが好ましい。
脱水素反応により生成するガスは、水素を主成分とするが、その他に、未反応の芳香族炭化水素水素化物、脱水素反応により生成する芳香族炭化水素、副反応により生じるメタン、エタン等の低級炭化水素、副反応により生じるアルキルシクロペンタンなどを含むことがある。しかしながら、都市ガス、灯油、ナフサ等の改質反応により水素を製造する場合に反応生成ガス中に含まれる一酸化炭素は、芳香族炭化水素水素化物の脱水素反応生成ガス中には含まれない。
次に、脱水素反応生成物を、流路6を介して水素分離装置4に供給し、水素分離膜を利用して、高純度水素を得る。ここで、脱水素反応直後の反応生成物を気液分離することなく、水素分離膜を用いて精製することが好ましく、この場合、脱水素反応生成ガスの冷却と再加熱を要していた従来技術に比べて、エネルギー効率を向上させることができる。
脱水素反応による生成ガスから、上記水素分離膜を通して高い水素回収率で高純度水素を得るためには、水素分離装置4中の水素分離膜の温度を脱水素反応器2中の触媒層の平均温度よりも10〜100℃高くすることが好ましく、20〜50℃高くすることが更に好ましい。ここで、触媒層の平均温度とは、触媒層を芳香族炭化水素水素化物の流れ方向に3等分に分割し、各部分の中心の温度を測定し、平均した温度を指す。水素分離膜に対する水素の透過速度は高温ほど向上する一方、脱水素反応触媒は高温ほど活性金属が凝集し易いため、水素分離膜の温度を触媒層の平均温度よりも高くすることで、水素の透過速度を向上させつつ、脱水素反応触媒の劣化を防止できる。そして、水素分離膜の温度を触媒層の平均温度よりも10℃以上高くすることで、水素分離膜に対する水素の透過速度が更に向上して、水素回収率が向上する。なお、水素分離膜の温度が触媒層の平均温度よりも100℃を超えて高い場合は、脱水素反応が十分に進行するように触媒層の平均温度を設定すると、水素分離膜の温度が高くなり過ぎ、水素分離膜の結晶形態が変わって、水素の透過速度が低下し、一方、水素が十分に透過するように水素分離膜の温度を設定すると、触媒層の平均温度が低くなり過ぎ、脱水素反応の反応速度が低下する。
なお、水素分離装置4中の水素分離膜の温度は、300〜400℃の範囲が好ましい。水素分離膜の温度が300℃未満では、水素の透過速度が低下して、水素回収率が低下し、一方、水素分離膜の温度が400℃を超えると、水素分離膜の結晶形態が変化して、水素の透過速度が低下して、水素回収率が低下する。
脱水素反応の反応圧力及び水素分離膜の圧力は、0.4MPaG以下であることが好ましい。この場合、脱水素反応の転化率が向上して、水素の生成量を向上させることができる。なお、効率的に水素を製造するには、水素分離膜を透過して回収される水素が脱水素反応生成ガス中の水素の85%以上となるように、差圧と温度をコントロールすることが好ましい。
本発明の水素製造装置においては、例えば、燃料をバーナー等の加熱手段5で燃焼させて発生させた熱風等の熱媒体を、水素分離装置4を通過させた後に、流路8を介して脱水素反応器2を通過させる。また、エネルギー効率を向上させる観点から、脱水素反応器2から排出された熱媒体を、流路9を介して加熱手段5で再加熱し、流路7を介して水素分離装置4に供給することが好ましい。
水素分離膜を通して製造した高純度水素は、燃料電池自動車あるいは定置用燃料電池等の燃料電池向け燃料として用いることができる。また、該高純度水素の一部を脱水素反応器2にリサイクルし、脱水素反応に必要な流通水素として用いてもよい。脱水素反応に用いる流通水素としては、外部から導入される水素、脱水素反応器2から出る反応生成ガスの未精製ガス中に含まれる水素、水素分離膜を透過しなかったガスに含まれる水素を用いることも出来るが、水素純度が低いと、リサイクルしているうちに水素以外のガスの濃度が高くなってしまい、水素流通下で脱水素反応を行うことの利点が十分に得られないため、水素分離膜を透過させて得た高純度水素を脱水素反応器2にリサイクルすることが好ましい。
脱水素反応生成ガスから水素分離膜を通らずに回収されたガスは、例えば、気液分離装置11に導入され、未反応の芳香族炭化水素水素化物、脱水素反応で生成した芳香族炭化水素および副反応により発生したアルキルシクロペンタンなどの液分と、水素およびその他のガスとに分離されることが好ましい。ガス分中のその他のガスには、副反応により発生した低級炭化水素、分離しきれなかった液分のベーパーが含まれる。ここで、水素およびその他のガスは、たとえば、水素分離装置4及び脱水素反応器2の加熱のために、他の燃料と共にバーナー等の加熱手段5で燃焼させるなどして、熱源の原料として用いることができる。一方、未反応の芳香族炭化水素水素化物、脱水素反応で生成した芳香族炭化水素および副反応により発生したアルキルシクロペンタンなどを含む液分は、回収油タンク12に回収され、再度水素化して芳香族炭化水素水素化物として再利用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す水素製造装置を用い、図2に示すように、熱風(熱媒体)を、水素分離装置4を通過させた後、流路8を介して脱水素反応器2を通過させて、脱水素反応及び水素分離を行った。脱水素反応器2として固定床流通式反応装置を、また、脱水素触媒として0.5%Pt/Al23触媒(平均細孔径72.9Å、全細孔容量に占める40〜80Åの細孔容量の割合60%)を使用し、該触媒を固定床流通式反応装置に充填した。ここで、触媒層1の容積は10cm3とした。芳香族炭化水素水素化物としてメチルシクロヘキサン(MCH)を用い、反応圧力0.5MPaG、液空間速度(LHSV)=2.0hr-1、水素/オイル比(H2/Oil)=1.0mol/molの条件下で脱水素反応を行い、脱水素反応器2からの出口ガスを、流路6を介して、水素分離膜3を具える水素分離装置4に通して水素を選択透過させた。なお、水素分離装置4の入口ゲージ圧力は、脱水素反応の反応圧力と同じ0.5MPaGであり、一方、出口ゲージ圧力は、0.0MPaGである。また、水素分離膜3としては、Pd−Cu膜を使用した。450℃の熱風を、水素分離装置4を通過させた後、脱水素反応器2を通過させたところ、水素分離装置4中の水素分離膜3の温度は350℃で、脱水素反応器2中の触媒層1の平均温度は327.6℃となった。水素分離膜3の透過ガスの流量及び該透過ガスの水素濃度、水素分離膜3の非透過ガスを気液分離装置11により気液分離した後のガス分の流量(非透過ガス流量)及び該ガス分の水素濃度、水素回収率を表1に示す。
(実施例2〜4)
脱水素反応の反応圧力及び水素分離装置4の入口ゲージ圧力を表1に示す圧力にする以外は、実施例1と同様にして、脱水素反応及び水素分離を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
図3に示すように、加熱手段5で加熱した熱媒体を脱水素反応器2に供給するための流路13と、該熱媒体を脱水素反応器2から水素分離装置4に供給するための流路14を具える水素分離装置を用い、熱風(熱媒体)を、脱水素反応器2を通過させた後、流路14を介して水素分離装置4を通過させて、脱水素反応及び水素分離を行う以外は、実施例1と同様にして、脱水素反応及び水素分離を行った。結果を表1に示す。
(比較例2〜4)
脱水素反応の反応圧力及び水素分離装置の入口ゲージ圧力を表1に示す圧力にする以外は、比較例1と同様にして、脱水素反応及び水素分離を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005215058
表1から、本発明の水素製造装置を使用して、加熱した熱媒体を、水素分離装置を通過させた後に脱水素反応器に供給することで、水素分離膜の温度が脱水素反応器中の触媒層の平均温度よりも、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜50℃高くなって、水素回収率が向上することが分かる。一方、比較例の結果から、加熱した熱媒体を、脱水素反応器を通過させた後に水素分離装置に供給すると、水素分離膜の温度が脱水素反応器中の触媒層の平均温度よりも低くなるため、同一圧力の実施例に比べて、水素回収率が大幅に低下することが分かる。
本発明の水素製造装置の一例の概略図である。 本発明の水素製造装置を用いた水素製造方法の一態様を示す模式図である。 比較例の水素製造装置及びそれを用いた水素製造方法を示す模式図である。
符号の説明
1 触媒層
2 脱水素反応器
3 水素分離膜
4 水素分離装置
5 加熱手段
6 脱水素反応生成物の流路
7,8,9,13,14 熱媒体の流路
10 芳香族炭化水素水素化物タンク
11 気液分離装置
12 回収油タンク

Claims (2)

  1. 触媒層を有し、芳香族炭化水素の水素化物の脱水素反応を行うための脱水素反応器と、水素分離膜を有し、脱水素反応生成物から水素を分離するための水素分離装置とを具える水素製造装置であって、
    更に、加熱した熱媒体を、前記水素分離装置を通過させた後に前記脱水素反応器に供給するための流路を具えることを特徴とする水素製造装置。
  2. 更に、前記脱水素反応器から排出された熱媒体を再加熱して、前記水素分離装置に供給するための流路を具えることを特徴とする請求項1に記載の水素製造装置。
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