JP2005035842A - 水素製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で効率のよい水素製造システムを提供すること。
【解決手段】水素発生反応器および水素膜分離器を備えた水素製造システムであって、
(1)該水素発生反応器が、シクロヘキサン環を有する炭化水素を原料とし、そのシクロヘキサン環を脱水素して芳香族環とする反応により水素を発生させる水素発生反応器であること
(2)該水素膜分離器が水素中に含まれる炭化水素を、セラミック膜を用いた膜分離により除去する水素膜分離器であること
を特徴とする水素製造システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素の製造方法に関し、とくに水素製造の分野において、主としてシクロヘキサン環を有する炭化水素からなる原料油を脱水素する反応により水素を発生させ、その水素中に含まれる炭化水素をセラミック膜を用いた膜分離により除去することを特徴とする水素の製造システムに関するものである。
水素は石油精製、化学産業などをはじめとしてあらゆる産業分野において広く用いられている。とくに近年、将来のエネルギーとして水素エネルギーが注目されてきており燃料電池を中心に研究が進められているが、水素ガスは熱量あたりの体積が大きく、また液化に必要なエネルギーも大きいため、水素の貯蔵、輸送のシステムが重要な課題となっている。また水素供給のためにあらたなインフラストラクチャーの整備が必要である(非特許文献1参照)。一方、液状の炭化水素は水素ガスに比べてエネルギー密度が大きく取り扱いやすいことに加え、既存のインフラストラクチャーが利用できるという利点もあることから、炭化水素を貯蔵、輸送して、必要に応じ炭化水素から水素を製造する方法は重要である。
水素の大規模な製造はメタンや軽質パラフィンの水蒸気改質法、部分酸化法など公知の技術により広く行われている。しかしこれらの反応は高温を必要とするとともにプロセスが複雑であり、小規模の製造では一般に効率が悪く適していない。小規模の水素製造方法としてメタノールの改質反応による方法もあるが、この反応で得られる水素は一酸化炭素との混合物であり、その後にシフト反応、一酸化炭素および二酸化炭素の分離除去、の各工程が必要となるという欠点がある。
これに対し、液状の炭化水素を脱水素して水素を製造する方法では、反応が単純であるため反応に関するプロセスが少なくてすむことに加え、生成物が水素と、常温で液体である不飽和炭化水素であるため両者の分離が比較的容易であるという特長がある。特にシクロヘキサン環を有する炭化水素を原料とし、そのシクロヘキサン環を芳香族環に脱水素する反応は、脱水素触媒の存在下、容易に起こるため反応条件を適切に設定すれば転化率をほぼ100%とすることができ、さらに生成物の水素と芳香族炭化水素の分離も比較的に容易であるために、小規模の水素製造に適した方法である(非特許文献2参照)。
しかし、水素の純度を高くする必要がある場合、たとえば98%以上に上げるような場合には水素と芳香族炭化水素の分離にも問題がある。生成した水素と芳香族炭化水素の温度を常温まで下げれば大部分の芳香族炭化水素は液化して水素と分離できるが、常温での蒸気圧に応じた量の芳香族炭化水素は水素ガス中に混入する。たとえば、ベンゼンは15℃において60Torrの蒸気圧があり、%オーダーの混入となる。この対策として冷却して分離する方法があるが、冷凍機を用いた冷却はエネルギー効率が低い点、および設備が大きくなる点で好ましくない。
分離の方法としては、この他に吸着剤に吸着させて分離する吸着分離の方法がある。この方法では吸着後の吸着剤から芳香族炭化水素を脱離させて回収するとともに吸着剤を再生することが必要である。この中で、圧力の変動により吸着および脱離を行わせる圧力スイング吸着法(PSA法)が知られているが、水素ガスの回収率が低く、また昇圧、降圧などの操作が必要でシステムとして大型化する欠点がある。
エネルギー効率が良い分離方法として膜分離が挙げられる。水素の精製では、一酸化炭素、窒素、メタンなどの炭化水素ガスなどとの分離に高分子膜を用いた膜分離が実用化されている。しかしながら、高分子膜は液状の炭化水素、特に芳香族炭化水素に対する耐性が低く低濃度でしか使えない欠点がある。一方、高純度水素精製の目的でパラジウム膜が実用化されている(非特許文献3参照)。しかしながらパラジウムは非常に高価であるため経済的でなく、資源的にも限界があることから適用範囲は特殊な目的に限られる。これに対してセラミック膜は耐薬品性が高く芳香族炭化水素の分離に用いることができる。また耐熱性も高いため、常温よりも高い温度で効率よく分離することができる(非特許文献4参照)。しかしながら、単純に高温に加熱すると加熱に要するエネルギーが損失となりエネルギー効率の低下を招く問題点があった。
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本発明の目的は、小型で効率よく水素を製造する水素製造システムを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、シクロヘキサン環を有する炭化水素を脱水素する反応により水素を発生させる水素発生反応器とセラミック膜を用いて膜分離により炭化水素を除去する水素膜分離器を組み合わせることにより、効率的に純度の高い水素を製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水素発生反応器および水素膜分離器を備えた水素製造システムであって、(1)該水素発生反応器が、シクロヘキサン環を有する炭化水素を原料とし、そのシクロヘキサン環を脱水素して芳香族環とする反応により水素を発生させる水素発生反応器であること、(2)該水素膜分離器が水素中に含まれる炭化水素を、セラミック膜を用いた膜分離により除去する水素膜分離器であること、を特徴とする水素製造システムに関する。さらに該水素発生反応器で行われる脱水素反応の廃熱を利用して、該水素膜分離器において高温で膜分離を行うことを特徴とする水素製造システムに関する。また該水素製造システムを用いた水素の製造方法、水素ステーション、水素自動車に関する。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水素製造システムによれば、脱水素反応の廃熱を利用してセラミック膜による分離を効率よく行えるため、エネルギー効率が高く高純度の水素を製造できる。
本発明の水素製造システムは、水素発生反応器と水素膜分離器からなり、該水素発生反応器はシクロヘキサン環を有する炭化水素のシクロヘキサン環を脱水素して芳香族環とする反応により水素を発生させるものである。この脱水素反応には触媒を用いることが一般的である。
この触媒には脱水素活性を有する任意の触媒を用いることができるが、固体触媒を用いて固定床流通式反応の形式で反応を行うことが好ましい。この固体触媒には通常使われる、安定で表面積の大きい金属酸化物を担体として、触媒活性主成分を担持した触媒を好適に用いることができる。
この触媒活性主成分は脱水素活性を有する成分であり、任意に選択することができるが、好ましくは第8族元素、第9族元素および第10族元素であり、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金である。なお本発明において、周期表の族番号は国際純正および応用化学連合無機化学命名法委員会命名規則1990年版に基づく。さらに好ましくはニッケル、パラジウム、白金である。またこれらの元素の2種類以上を組み合わせても良い。これらの触媒活性主成分を成形触媒に含有させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。用いる元素の化合物は水溶性の塩が好ましく、水溶液として含浸することが好ましい。水溶性の化合物としては、塩化物、硝酸塩、炭酸塩が好ましく挙げられる。
担体には機械的強度が高く熱的に安定で表面積が大きい点から、安定な金属酸化物が好ましく、具体的にはアルミナ、シリカ、チタニア、シリカアルミナが挙げられる。アルミナ、シリカがさらに好ましい。
触媒には必要に応じ添加物を共存させても良い。好ましい添加物として、塩基性物質が挙げられる。塩基性物質が共存することにより、酸性に起因する分解などの副反応が抑制されるとともに、炭素質析出による触媒の劣化が抑制される。塩基性物質の種類は任意であるが、1族元素および2族元素の化合物が好ましく、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの化合物が好ましい。さらに好ましくは1族元素の化合物であり、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの化合物が好ましい。これらの化合物としては、水溶性の物質が好ましい。塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩がさらに好ましい。塩基性物質の含有量は触媒活性主成分に対して重量比で0.1〜100の範囲が好ましい。これらの塩基性物質を触媒体に含有させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。
本発明に用いられる反応物はシクロヘキサン環を有する炭化水素である。具体的にはシクロヘキサンおよびシクロヘキサンのアルキル置換体、デカリンおよびデカリンのアルキル置換体、テトラリンおよびテトラリンのアルキル置換体が挙げられる。さらに好ましくはメチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン類、デカリン、メチルデカリン類である。これらのシクロヘキサン環を有する炭化水素は純物質であっても良いが、複数の炭化水素の混合物であっても良い。なお、反応物はすべてシクロヘキサン環を有する炭化水素である必要はなく、ある程度の量の他の化合物、たとえばシクロヘキサン環を持たない炭化水素などを含んでいても良い。
反応により得られる生成物は、主として芳香族炭化水素である。これらは回収して再度水素化することにより、原料のシクロヘキサン環を有する炭化水素に戻すことができる。あるいは必要に応じて脱水素反応に必要な燃料としても用いることができる。また芳香族炭化水素は一般にオクタン価が高いので、沸点が好適な物質はガソリン基材として用いることもできる。あるいは化学製品として用いることもできる。
反応条件は原料の種類、反応の種類に応じて適宜選択することになる。シクロヘキサン環から芳香族環への脱水素反応は可逆反応であり、化学平衡上は高温低圧の条件が好ましい。反応圧力は好ましくは0.1MPa以上、1MPa以下であり、さらに好ましくは0.1MPa以上、0.5MPa以下である。なお、本発明においては、特に断らないかぎり圧力は絶対圧で示す。反応温度は化学平衡上は高温が好ましいが、エネルギー効率の点では低温のほうが好ましい。好ましい反応温度は200℃以上、450℃以下であり、さらに好ましくは300℃以上、400℃以下である。また化学平衡上は不利であるが、触媒の失活を防ぐ目的あるいは装置の運転上の理由で原料に水素を加えても良い。水素と原料の比は、モル比で0.01以上、1以下が好ましい。LHSV(液空間速度)の好ましい範囲は、触媒の活性に依存するが、好ましくは1v/v/hr以上、100v/v/hr以下である。
本発明の水素膜分離器は水素発生反応器から得られた炭化水素を含んだ水素から炭化水素をセラミック膜を用いた膜分離により除去するものである。これらの炭化水素は主として芳香族炭化水素であるが、未反応の原料油の成分も含まれる。本発明のセラミック膜は分子篩作用により分離を行うものが好ましい。選択的分離を行う膜の部分の孔径は0.3nm以上、0.7nm以下が好ましく、0.3nm以上、0.5nm以下がさらに好ましい。セラミック膜の材質は、公知のセラミック材料が使えるが、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、炭化ケイ素、窒化ケイ素が好ましい。このセラミック膜は通常、機械的に膜を保持する支持体上に形成されるものである。この支持体には多孔質のセラミックが好ましく、多孔質のアルミナ、シリカ、窒化珪素がさらに好ましく挙げられる。
膜分離の分離条件は、原料の炭化水素の種類、セラミック膜の性能、要求される水素の純度により変わるが、圧力は0.1MPa以上、2MPa以下が好ましく、0.1MPa以上、1MPa以下がさらに好ましい。分離膜の差圧は0.01MPa以上、2MPa以下が好ましく、0.1MPa以上、1MPa以下がさらに好ましい。温度は、水素から分離する炭化水素の沸点以上で行うことが好ましく、すなわち常温に比べて高い温度が好ましい。好ましくは100℃以上、450℃以下、さらに好ましくは120℃以上、400℃以下である。この熱源は水素発生反応器での脱水素反応の廃熱を用いることで効率的に行うことができる。膜分離に必要な温度に応じ、脱水素反応器から出てくる生成ガスをそのままの温度で膜分離器に導入しても良いし、熱交換器を通して適当な温度に冷却してから導入しても良い。冷却する場合、熱を原料油の予熱に使うことによりエネルギー効率を高めることができる。
また、要求される水素純度が高い場合には、透過ガスの水素をさらに膜分離する多段の分離操作を行っても良い。
本発明の水素製造システムの好適な例を図1に示す。この例は原料油にメチルシクロヘキサン(MCH)を用いることを想定しているが、他のシクロヘキサン環を有する炭化水素を原料油にする場合にも有用である。原料油はタンク1からポンプ2を経由して熱交換器11において脱水素反応の生成ガスにより予熱される。さらに加熱器12で外部から加熱され脱水素反応器13で反応が起きる。脱水素反応は吸熱反応であるので反応器13も外部から加熱される。生成した水素と芳香族炭化水素は、熱交換器11において原料油に熱を与えて冷却され、リサイクルされた水素ガスと混合される。そして液体が凝縮する場合にはセパレーター21で気液分離された後、ガスは膜分離器22で分離される。透過ガスは水素であり、透過されなかった水素の少ない(芳香族炭化水素の多い)ガスはクーラー23により冷却され、セパレーター24において気液分離される。分離された芳香族炭化水素は、セパレーター21で分離された芳香族炭化水素とともにタンク3に回収される。セパレーター24により分離されたガスはコンプレッサー25によって昇圧され、熱交換器26において製品となる水素ガスにより加熱されてセパレーター21の手前で生成ガスと混合されてリサイクルされる。また必要に応じ、その一部は破線のラインを経由して加熱器12にリサイクルされる。一方、膜分離器22で得られた透過ガス(製品ガス)は、熱交換器26でリサイクルされるガスに熱を与えて冷却される。必要に応じ、さらに冷却してもよい。
脱水素反応器から出る生成ガスを冷却せずに膜分離器に導入する好適な例を図2に示す。原料油はタンク1からポンプ2を経由して熱交換器27において膜分離器の非透過ガスにより予熱される。さらに熱交換器28において膜分離器の透過ガスにより予熱された後、図1と同様に加熱器12で加熱され脱水素反応器13で反応が起きる。生成した水素と芳香族炭化水素はリサイクルされた水素ガスと混合され、膜分離器22で分離される。水素の少ない(芳香族炭化水素の多い)非透過ガスは熱交換器27において原料油に熱を与えた後クーラー23により冷やされ、セパレーター24において気液分離される。分離された芳香族炭化水素はタンク3に回収される。セパレーター24により分離されたガスはコンプレッサー25によって昇圧され、熱交換器26において製品となる水素ガスにより加熱されて膜分離器22の手前で生成ガスと混合されてリサイクルされる。また必要に応じ、その一部は破線のラインを経由して加熱器12にリサイクルされる。一方、膜分離器22で得られた透過ガス(製品ガス)は、熱交換器26でリサイクルされるガスに熱を与えて冷却される。必要に応じ、さらに冷却してもよい。
水素自動車に搭載することを想定して簡略化した好適な例を図3に示す。原料油はタンク1からポンプ2を経由して熱交換器11において脱水素反応の生成ガスにより予熱され、図1と同様にさらに加熱器12で加熱され脱水素反応器13で反応が起きる。生成した水素と芳香族炭化水素は、熱交換器11において原料油に熱を与えて冷却され、膜分離器22で分離される。水素の少ない(芳香族炭化水素の多い)非透過ガスはクーラー23により冷やされ、セパレーター24において気液分離される。分離された芳香族炭化水素はタンク3に回収される。セパレーター24により分離されたガスは加熱器12および脱水素反応器13の加熱に必要な燃料として使われる。膜分離器22で得られた透過ガス(製品ガス)は、必要に応じ冷却され、燃料電池に送られる。なお、非透過ガスのみでは加熱器12、脱水素反応器13の加熱に不足する場合には、原料油ないし回収された芳香族炭化水素を燃料にすることができる。
<実施例>
以下、本発明を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
比較例1
内径9.5mmの反応管に、平均直径1.5mmの球状のγ−アルミナ担体に0.3wt%の白金を担持した市販の触媒2gを充填した。反応管の中心には温度測定のため直径1.6mmの内管をいれ、内管の中に0.8mmの細さの熱電対を挿入し、触媒層の中心の高さの位置に固定して触媒層の温度を測定した。反応管の入口に気化器を設け、原料油のメチルシクロヘキサンを気化して反応管に供給できるようにした。反応管の出口にレシーバーを設け、5℃の冷媒を循環させて冷却し液状生成物を捕集した。また生成したガスもガスメーターを用いて流量を測定し、回収し分析した。
水素により触媒を300℃で1時間還元した後、メチルシクロヘキサンを0.22ml/分の速さで気化器に流して反応を開始した。反応温度は370℃、圧力は0.4MPaに設定した。反応開始後は水素の供給は停止した。反応を開始して1時間後にいったんレシーバーに溜まった液生成物抜き出し、その時点から改めて定常状態での液生成物を捕集した。またガスを採取しガスクロマトグラフでガス中の水素、メチルシクロヘキサン、トルエンおよび分解生成物の量を測定した。レシーバー内の液状生成物もガスクロマトグラフを用いて分析した。反応結果を表1に示す。転化率は100%で生成物はトルエンであり、極微量のメタンの副生が認められた。水素中ガス中のトルエンの量は1.7vol%であり、冷却(冷媒温度5℃)による分離では水素純度は98.3vol%に過ぎなかった。
膜分離の実験はメチルシクロヘキサン脱水素反応と別に模擬的に行った。セラミック膜は、多孔質のアルミナでできたチューブ状の支持体の外表面にシリカ膜をコーティングした構造であり、シリカ膜には0.4nmの微細孔があるものである。水素をチューブの外側から内側へ透過させる形式で分離を行った。
入口側の圧力は0.4MPa(絶対圧)、透過出口側の圧力は大気圧とし、差圧が0.3MPa、300℃の条件で、比較例1の脱水素反応の生成物と同じ組成の水素75vol%、トルエン25vol%の混合ガスの分離実験を行った。結果を表1に示す。透過したガス中のトルエン濃度は0.5vol%であり水素純度は99.5vol%に達した。
Figure 2005035842
表1に示すとおり、セラミック膜による分離を行った実施例1では、冷却による分離を行った比較例1に比べて、得られた水素ガスの純度が高い。さらに本発明の水素製造システムは膜分離に必要な温度を脱水素反応の廃熱から得ており、分離のためのエネルギー消費はない。一方、比較例1に示したような冷却分離では、冷却のためのエネルギーが必要であり、エネルギー効率の点でも本発明の水素製造システムは優れている。
本発明の水素製造システムの好適な例を示す。 本発明の脱水素反応器から出るガスを冷却せずに膜分離器に導入する好適な例を示す。 本発明の水素製造システムを水素自動車に搭載する好適な例を示す。
符号の説明
1 タンク
2 ポンプ
3 タンク
11 熱交換器
12 加熱器
13 脱水素反応器
21 セパレーター
22 膜分離器
23 クーラー
24 セパレーター
25 コンプレッサー
26 熱交換器
27 熱交換器
28 熱交換器

Claims (5)

  1. 水素発生反応器および水素膜分離器を備えた水素製造システムであって、
    (1)該水素発生反応器が、シクロヘキサン環を有する炭化水素を原料とし、そのシクロヘキサン環を脱水素して芳香族環とする反応により水素を発生させる水素発生反応器であること
    (2)該水素膜分離器が水素中に含まれる炭化水素を、セラミック膜を用いた膜分離により除去する水素膜分離器であること
    を特徴とする水素製造システム。
  2. 該水素発生反応器で行われる脱水素反応の廃熱を利用して、該水素膜分離器において高温で膜分離を行うことを特徴とする請求項1に記載の水素製造システム。
  3. 請求項1ないし2に記載の水素製造システムを用いた水素の製造方法。
  4. 請求項1ないし2に記載の水素製造システムを利用した水素ステーション。
  5. 請求項1ないし2に記載の水素製造システムを利用した水素自動車。
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