JP2007076992A - 水素製造装置およびそれを利用する燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 脱水素による水素製造装置において、装置をコンパクトとして、さらに温度制御が容易で触媒の過熱を防止し、熱の有効利用を図ることが課題とされる。
【解決手段】 脱水素部と燃焼部を具備し、それぞれ接触する共通の熱伝導性媒体を設け、かくして脱水素部の見かけの熱容量を増大させると共に、熱伝達が実質的に熱伝導のみの態様でなされるように構成してなる水素製造装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 脱水素部と燃焼部を具備し、それぞれ接触する共通の熱伝導性媒体を設け、かくして脱水素部の見かけの熱容量を増大させると共に、熱伝達が実質的に熱伝導のみの態様でなされるように構成してなる水素製造装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水素製造の分野において、炭化水素原料、例えば主としてシクロヘキサン環を有する炭化水素からなる原料油の脱水素反応で水素を発生させる水素製造装置及びそれを利用する燃料電池システムに関するものである。
水素は石油精製、化学産業などをはじめとしてあらゆる産業分野において広く用いられている。とくに近年、将来のエネルギーとして水素エネルギーが注目されてきており燃料電池を中心に研究が進められているが、水素ガスは熱量あたりの体積が大きく、また液化に必要なエネルギーも大きいため、水素の貯蔵、輸送のシステムが重要な課題となっている。また水素供給のためにあらたなインフラストラクチャーの整備が必要である(非特許文献1参照)。
一方、液状の炭化水素は水素ガスに比べてエネルギー密度が大きく取り扱いやすいことに加え、既存のインフラストラクチャーが利用できるという利点もあることから、炭化水素を貯蔵、輸送して、必要に応じ炭化水素から水素を製造する方法は重要である。
水素の製造はメタンや軽質パラフィンの水蒸気改質法、自己熱改質法、部分酸化法など公知の技術により広く行われているが、これらの反応は高温を必要とする。更に、燃料電池、特に固体高分子形燃料電池によるオンサイトでの発電を対象とした場合には、その後段にシフト反応器及び、CO選択酸化もしくはメタネーションによる一酸化炭素除去器が必要となり、非常に複雑なプロセスとなる。また、自動車用の水素ステーションを対象とした場合には、PSA(圧力スイング吸着)を用いて高純度の水素にしなければならない。これはメタノールの改質方式においても同様で、オンサイトの場合では一酸化炭素の除去器が必要であり、水素ステーションの場合にはPSAが必要となる。
水素の製造はメタンや軽質パラフィンの水蒸気改質法、自己熱改質法、部分酸化法など公知の技術により広く行われているが、これらの反応は高温を必要とする。更に、燃料電池、特に固体高分子形燃料電池によるオンサイトでの発電を対象とした場合には、その後段にシフト反応器及び、CO選択酸化もしくはメタネーションによる一酸化炭素除去器が必要となり、非常に複雑なプロセスとなる。また、自動車用の水素ステーションを対象とした場合には、PSA(圧力スイング吸着)を用いて高純度の水素にしなければならない。これはメタノールの改質方式においても同様で、オンサイトの場合では一酸化炭素の除去器が必要であり、水素ステーションの場合にはPSAが必要となる。
これに対し、常温で液状の炭化水素を脱水素して水素を製造する方法では、反応が一段階であることから製造プロセスの単純化が容易である。更に、生成物は気体である水素と、常温では液体である不飽和炭化水素であるため、両者の分離が比較的容易であるという特長がある。特にシクロヘキサン環を有する炭化水素を原料とし、そのシクロヘキサン環を脱水素し芳香族環にする反応は、脱水素触媒の存在下で容易に反応が進行し、生成物である水素と芳香族炭化水素の分離も比較的に容易であるために、小規模の水素製造に適した方法である(非特許文献2参照)。
しかしながら、生成した水素と芳香族炭化水素の温度を大気圧下、室温まで下げれば大部分の芳香族炭化水素は液化して水素と分離できるが、室温での蒸気圧に応じた量の芳香族炭化水素は水素ガス中に混入する。例えばトルエンの場合、15℃、大気圧下では約2.1%の混入となる。従って、燃料電池用途などのように水素の純度を高くする必要がある場合、水素と芳香族炭化水素の分離に問題が生じてくる。
分離の方法としては、冷却して分離する方法があるが、トルエンを例とすると水素濃度99.9%以上を達成するためには、常圧で−30℃程度の低温が必要となる。冷凍機を用いた−30℃への冷却は水素製造においてエネルギー効率の低下をもたらし、設備も大きくなるため、好ましい除去方法ではない。
この他に、吸着剤に吸着させて分離する吸着分離方法がある。この方法では吸着後の吸着剤から芳香族炭化水素を脱離させて回収するとともに吸着剤を再生することが必要である。この中で、圧力の変動により吸着および脱離を行わせるPSA法(圧力スイング吸着法)がよく知られているが、水素ガスの回収率及び全体の効率が低く、また昇圧、降圧などの操作が必要でシステムとして大きなものとなる欠点がある。
上記以外の分離方法として、膜分離法が挙げられる。膜分離法はエネルギー効率が良いという特徴をもっており、分離膜の種類としては、主に、パラジウム膜、高分子膜、セラミック膜、カーボン膜がある。水素の精製では、高純度水素精製の目的でパラジウム膜が実用化されている(非特許文献3参照)。また、シクロヘキサンの脱水素で生成する水素に適用した例も知られている(非特許文献4参照)。
膜分離法を用いる場合、非透過側を高圧にする必要があるため、水素生成反応(脱水素反応)を高圧化するか、反応後の生成ガスを昇圧する必要が生じる。生成ガスを昇圧する場合、水素製造においてエネルギー効率の低下をもたらす。また、脱水素反応は化学平衡の制約上の点から、反応圧力を高くした場合、反応温度を高くする必要が生じてしまう。
しかしながら、主としてシクロヘキサン環を有する炭化水素の脱水素反応は、副反応である分解反応および脱水素触媒の劣化を抑制するため、より低温で反応を行う必要がある。例えば、メチルシクロヘキサンの脱水素反応においては400℃、好ましくは360℃以下の温度で反応を行う必要がある。しかし、平衡論的な制約により、反応を高い圧力下で行いながら低温化することは困難であった。この問題を解決するため、水素分離膜を組み込んだ膜反応器を用い、脱水素工程で発生する水素を反応場から選択的に取り除き、水素収率の向上と反応の低温化を達成しようとする技術が開示されている。例えば特許文献1には、水素を選択的に透過する多孔質セラミック膜を組み込みシクロヘキサンの脱水素反応を行う技術が開示されている。また、特許文献2、特許文献3には、パラジウム膜を用いた反応分離による水素製造技術が開示されている。
しかしながら、いずれもスイープガスとしてアルゴン等のイナートガスを用いており、生成した水素の純度の点から、実用的ではない。
また、シクロヘキサン環の脱水素は大きな吸熱反応である。例えばシクロヘキサンの脱水素における反応エンタルピーは50kcal/molであり、置換基がついた炭化水素でもシクロヘキサン環あたりの反応エンタルピーはほぼ同じ値である。活性金属を酸化物に担持した通常の固体触媒(粒、ペレット、押出し成型体など)では伝熱が律速になってしまうため、反応器外部から触媒への熱供給の不足により、触媒の温度が低下し反応効率が低下する。特に反応分離においては、反応に関与しない水素分離膜の体積増加分だけ、伝面/触媒量の関係の点から熱供給が不利になる。この傾向はLHSVが大きくなるほど顕著になる。これに関連して、特許文献4には、連続状金属基体の表面に超微粒子の触媒物質を担持せしめた触媒体を使用することを特徴とするメタノールの水蒸気改質方法が開示され、高収率で水素と一酸化炭素を得ることができるという記載がある。
しかし、メタノールの改質反応は前述したとおり小規模の水素の製造方法として工程が多いという欠点があった。
また、脱水素反応器外部から触媒へ熱供給する場合、装置を小型化すると、熱容量が小さくなることもあり、脱水素触媒が過熱されて、その結果該触媒が失活するという危惧もある。
小林紀、季報エネルギー総合工学、第25巻第4号、73〜87頁(2003) 市川勝、工業材料、第51巻第4号、62〜69頁(2003) 中垣正幸監修、膜処理技術体系(上巻)、フジ・テクノシステム、661〜662頁および922〜925頁(1991) 伊藤直次、難波竹已、工業材料、第51巻第4号、74〜76頁(2003) 特開平4−71638号公報
特開平3−217227号公報
特開平5−317708号公報
特開平5−116901号公報
しかしながら、いずれもスイープガスとしてアルゴン等のイナートガスを用いており、生成した水素の純度の点から、実用的ではない。
また、シクロヘキサン環の脱水素は大きな吸熱反応である。例えばシクロヘキサンの脱水素における反応エンタルピーは50kcal/molであり、置換基がついた炭化水素でもシクロヘキサン環あたりの反応エンタルピーはほぼ同じ値である。活性金属を酸化物に担持した通常の固体触媒(粒、ペレット、押出し成型体など)では伝熱が律速になってしまうため、反応器外部から触媒への熱供給の不足により、触媒の温度が低下し反応効率が低下する。特に反応分離においては、反応に関与しない水素分離膜の体積増加分だけ、伝面/触媒量の関係の点から熱供給が不利になる。この傾向はLHSVが大きくなるほど顕著になる。これに関連して、特許文献4には、連続状金属基体の表面に超微粒子の触媒物質を担持せしめた触媒体を使用することを特徴とするメタノールの水蒸気改質方法が開示され、高収率で水素と一酸化炭素を得ることができるという記載がある。
しかし、メタノールの改質反応は前述したとおり小規模の水素の製造方法として工程が多いという欠点があった。
また、脱水素反応器外部から触媒へ熱供給する場合、装置を小型化すると、熱容量が小さくなることもあり、脱水素触媒が過熱されて、その結果該触媒が失活するという危惧もある。
小林紀、季報エネルギー総合工学、第25巻第4号、73〜87頁(2003) 市川勝、工業材料、第51巻第4号、62〜69頁(2003) 中垣正幸監修、膜処理技術体系(上巻)、フジ・テクノシステム、661〜662頁および922〜925頁(1991) 伊藤直次、難波竹已、工業材料、第51巻第4号、74〜76頁(2003)
本発明の目的は、主としてシクロヘキサン環を有する炭化水素からなる原料油の脱水素反応による水素製造方法における分離、低温化、熱供給などの問題点を解決すると共に、高いエネルギー効率で高純度の水素が製造できる水素製造装置を提供することである。本発明の更なる目的はコンパクトでありながら、脱水素触媒が過熱する恐れがないため脱水素反応の制御がしやすい水素製造装置を提供することである。
すなわち、本発明の第1は、炭化水素原料を脱水素して水素を生成させる炭化水素の脱水素部および脱水素反応に必要な反応熱を脱水素部に供給するために燃料を燃焼させて燃焼熱を発生させる燃焼部を具備し、
燃焼部で発生する燃焼熱を脱水素部へ熱伝達させるために、
前記脱水素部と燃焼部にそれぞれ接触する共通の熱伝導性媒体を設け、
かくして脱水素部の見かけの熱容量を増大させると共に、前記熱伝達が実質的に熱伝導のみの態様でなされるように構成してなることを特徴とする水素製造装置に関する。
当該発明により、コンパクトでありながら、脱水素触媒が過熱する恐れがないため脱水素反応の制御がしやすい水素製造装置が提供される。
本発明の第2は、本発明の第1において、脱水素部と燃焼部が熱伝導性媒体により一体化された反応ユニットを構成する水素製造装置に関する。
反応ユニットを熱伝導性媒体で一体化することで、熱源である燃焼触媒からの熱は熱伝導性媒体を通して反応ユニット全体に分散される。このことにより、脱水素触媒温度が制御しやすくなる、脱水素触媒の過熱の防止される、熱の有効利用などが図られる、などの効果がある。
したがって、コンパクトでありながら、より脱水素触媒が過熱する恐れがないため脱水素反応の制御がしやすい水素製造装置が提供される。
本発明の第3は、本発明の第1において、前記脱水素部の構造が、水素分離膜を内管とする二重管構造の反応管で構成され、外管と内管との間隙空間において脱水素反応を行い、生成する水素を水素分離膜により膜分離して、内管内の中心空間へ水素を収集する構造である水素製造装置に関する。
本発明の第4は、本発明の第1において、脱水素反応が、シクロヘキサン環を有する炭化水素化合物を脱水素触媒により脱水素反応を行い水素と芳香族化合物の混合物を得る反応である水素製造装置に関する。
本発明の第5は、本発明の第4において、脱水素触媒が、金属酸化物層が表面に偏在する金属製の熱伝導性支持体の表面に第8〜10族金属を存在させてなるものであることを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第6は、本発明の第5において、熱伝導性支持体が、アルミニウムを主成分とする金属からなり、表面に偏在する金属酸化物層がアルミナを主成分とする層であることを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第7は、本発明の第1において、前記燃焼部が、配管で構成され、供給される気体状燃料と酸素が該配管内で燃焼するものである水素製造装置に関する。
本発明の第8は、本発明の第1において、燃料の燃焼が燃焼触媒により行うことを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第9は、本発明の第8において、燃焼触媒が、金属酸化物層が表面に偏在する金属製の熱伝導性支持体の表面に第8〜10族金属を存在させてなる燃焼触媒により行うことを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第10は、本発明の第1において、燃焼部で燃焼させる燃料が、脱水素部からの脱水素化物、水素および未反応原料のいずれかを含む燃料である水素製造装置に関する。
本発明の第11は、本発明の第1において、熱伝導性媒体が、カーボンコンポジット、アルミニウム、アルミニウムを主成分とする合金、銅、真鍮、鉄、ステンレスより選ばれる材料からなることを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第12は、本発明の第1から11のいずれかに記載の水素製造装置から得られる水素を利用して運転されることを特徴とする燃料電池システムに関する。
本発明の第13は、
(1)炭化水素原料を脱水素して水素と脱水素化物を生成させ、
(2)生成した水素、脱水素化物および必要に応じて未反応原料を分離して、水素と脱水素化物をそれぞれ取り出し、
(3)脱水素工程から回収した脱水素化物、水素および未反応原料のいずれかの少なくとも一部を含む燃料を燃焼させ、
(4)前記燃焼により発生する燃焼熱を脱水素工程に熱伝達して、該燃焼熱を脱水素反応に必要な反応熱として利用する、
ことからなる炭化水素原料の脱水素による水素の製造方法に関する。
当該発明により、脱水素反応の反応熱が供給されると共に脱水素反応の余剰物が有効に利用される。
燃焼部で発生する燃焼熱を脱水素部へ熱伝達させるために、
前記脱水素部と燃焼部にそれぞれ接触する共通の熱伝導性媒体を設け、
かくして脱水素部の見かけの熱容量を増大させると共に、前記熱伝達が実質的に熱伝導のみの態様でなされるように構成してなることを特徴とする水素製造装置に関する。
当該発明により、コンパクトでありながら、脱水素触媒が過熱する恐れがないため脱水素反応の制御がしやすい水素製造装置が提供される。
本発明の第2は、本発明の第1において、脱水素部と燃焼部が熱伝導性媒体により一体化された反応ユニットを構成する水素製造装置に関する。
反応ユニットを熱伝導性媒体で一体化することで、熱源である燃焼触媒からの熱は熱伝導性媒体を通して反応ユニット全体に分散される。このことにより、脱水素触媒温度が制御しやすくなる、脱水素触媒の過熱の防止される、熱の有効利用などが図られる、などの効果がある。
したがって、コンパクトでありながら、より脱水素触媒が過熱する恐れがないため脱水素反応の制御がしやすい水素製造装置が提供される。
本発明の第3は、本発明の第1において、前記脱水素部の構造が、水素分離膜を内管とする二重管構造の反応管で構成され、外管と内管との間隙空間において脱水素反応を行い、生成する水素を水素分離膜により膜分離して、内管内の中心空間へ水素を収集する構造である水素製造装置に関する。
本発明の第4は、本発明の第1において、脱水素反応が、シクロヘキサン環を有する炭化水素化合物を脱水素触媒により脱水素反応を行い水素と芳香族化合物の混合物を得る反応である水素製造装置に関する。
本発明の第5は、本発明の第4において、脱水素触媒が、金属酸化物層が表面に偏在する金属製の熱伝導性支持体の表面に第8〜10族金属を存在させてなるものであることを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第6は、本発明の第5において、熱伝導性支持体が、アルミニウムを主成分とする金属からなり、表面に偏在する金属酸化物層がアルミナを主成分とする層であることを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第7は、本発明の第1において、前記燃焼部が、配管で構成され、供給される気体状燃料と酸素が該配管内で燃焼するものである水素製造装置に関する。
本発明の第8は、本発明の第1において、燃料の燃焼が燃焼触媒により行うことを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第9は、本発明の第8において、燃焼触媒が、金属酸化物層が表面に偏在する金属製の熱伝導性支持体の表面に第8〜10族金属を存在させてなる燃焼触媒により行うことを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第10は、本発明の第1において、燃焼部で燃焼させる燃料が、脱水素部からの脱水素化物、水素および未反応原料のいずれかを含む燃料である水素製造装置に関する。
本発明の第11は、本発明の第1において、熱伝導性媒体が、カーボンコンポジット、アルミニウム、アルミニウムを主成分とする合金、銅、真鍮、鉄、ステンレスより選ばれる材料からなることを特徴とする水素製造装置に関する。
本発明の第12は、本発明の第1から11のいずれかに記載の水素製造装置から得られる水素を利用して運転されることを特徴とする燃料電池システムに関する。
本発明の第13は、
(1)炭化水素原料を脱水素して水素と脱水素化物を生成させ、
(2)生成した水素、脱水素化物および必要に応じて未反応原料を分離して、水素と脱水素化物をそれぞれ取り出し、
(3)脱水素工程から回収した脱水素化物、水素および未反応原料のいずれかの少なくとも一部を含む燃料を燃焼させ、
(4)前記燃焼により発生する燃焼熱を脱水素工程に熱伝達して、該燃焼熱を脱水素反応に必要な反応熱として利用する、
ことからなる炭化水素原料の脱水素による水素の製造方法に関する。
当該発明により、脱水素反応の反応熱が供給されると共に脱水素反応の余剰物が有効に利用される。
本発明によれば、炭化水素、例えばシクロヘキサン環を有する炭化水素から脱水素反応によって水素を発生させるに際し、熱伝達性が良好で、しかも均一な熱伝導であるので局部加熱する恐れが少なく、それ故、装置のコンパクト化を可能にすると共に高いエネルギー効率で純度の良い水素を得ることができる。
また熱伝導性媒体で一体化した反応ユニットを使用することで、熱源である燃焼触媒からの燃焼熱は熱伝導性媒体を通して反応ユニット全体に分散される。このことにより、脱水素触媒温度が制御しやすくなる、脱水素触媒の過熱が防止される、熱の有効利用などが図られる、などの効果がある。
また熱伝導性媒体で一体化した反応ユニットを使用することで、熱源である燃焼触媒からの燃焼熱は熱伝導性媒体を通して反応ユニット全体に分散される。このことにより、脱水素触媒温度が制御しやすくなる、脱水素触媒の過熱が防止される、熱の有効利用などが図られる、などの効果がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の装置は、炭化水素原料、例えばシクロヘキサン環を有する炭化水素化合物を脱水素し、脱水素化物である芳香族化合物を回収し、水素を得る装置に関するものである。
脱水素後、回収される芳香族化合物に原料である炭化水素原料、例えばシクロヘキサン環を有する炭化水素化合物が混入することを妨げない。すなわち、脱水素反応は100%転化率で進行することが望ましいが、そうでない場合該原料は後段のプロセスに流出する。しかし、転化率が最低でも80%、好ましくは最低でも90%あれば本発明の目的は十分達成される。したがって、以後脱水素化物として芳香族化合物を記述する場合には未反応原料が混入する場合も含む。
本発明の装置は、炭化水素原料、例えばシクロヘキサン環を有する炭化水素化合物を脱水素し、脱水素化物である芳香族化合物を回収し、水素を得る装置に関するものである。
脱水素後、回収される芳香族化合物に原料である炭化水素原料、例えばシクロヘキサン環を有する炭化水素化合物が混入することを妨げない。すなわち、脱水素反応は100%転化率で進行することが望ましいが、そうでない場合該原料は後段のプロセスに流出する。しかし、転化率が最低でも80%、好ましくは最低でも90%あれば本発明の目的は十分達成される。したがって、以後脱水素化物として芳香族化合物を記述する場合には未反応原料が混入する場合も含む。
本発明の脱水素反応には、好ましくは、いわゆる膜型反応器を用いるので、以下に膜型反応器を詳しく説明する。
上記膜型反応器は、より正確には、流通式の反応管であって、水素分離膜による水素除去手段が脱水素反応管内に設けられているものである。通常は、水素分離膜は反応管の内管を構成し、全体は二重管構造であることが多い。
上記膜型反応器は、より正確には、流通式の反応管であって、水素分離膜による水素除去手段が脱水素反応管内に設けられているものである。通常は、水素分離膜は反応管の内管を構成し、全体は二重管構造であることが多い。
このような反応管を用いて脱水素して水素を製造する例を以下に具体的に示す。
すなわち、脱水素ラインをなす二重管の外管と内管の間隙空間を脱水素の反応場として、流通式反応管の一方から原料を流通させ、該間隙内に存在する脱水素触媒により原料を脱水素して水素と芳香族化合物を生成させる。そして発生した水素を、同時にin situで、内管を構成する水素分離膜により膜分離して膜分離ライン内側(内管内部の中心空間)へ収集して導き、これにより高純度な水素を得るものである。
これにより、水素は迅速に分離され、しかも吸熱反応である脱水素反応が進行する二重管間隙は、管外部からの適宜の加熱手段することにより容易に熱が供給可能であり、脱水素反応が進行しやすい。
すなわち、脱水素ラインをなす二重管の外管と内管の間隙空間を脱水素の反応場として、流通式反応管の一方から原料を流通させ、該間隙内に存在する脱水素触媒により原料を脱水素して水素と芳香族化合物を生成させる。そして発生した水素を、同時にin situで、内管を構成する水素分離膜により膜分離して膜分離ライン内側(内管内部の中心空間)へ収集して導き、これにより高純度な水素を得るものである。
これにより、水素は迅速に分離され、しかも吸熱反応である脱水素反応が進行する二重管間隙は、管外部からの適宜の加熱手段することにより容易に熱が供給可能であり、脱水素反応が進行しやすい。
脱水素反応は脱水素触媒の作用により進行させる。脱水素触媒には脱水素活性を有する固体触媒を用いて反応を行うことが好ましい。この固体触媒としては担体に触媒活性主成分を担持した触媒を好適に用いることができる。
脱水素触媒における触媒活性主成分は脱水素活性を有する成分であり、任意に選択することができるが、好ましくは第8族元素、第9族元素および第10族元素であり、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金である。なお本発明において、周期表の族番号は国際純正および応用化学連合無機化学命名法委員会命名規則1990年版に基づく。さらに好ましくはニッケル、パラジウム、白金、レニウムである。またこれらの元素の2種類以上を組み合わせても良い。これらの触媒活性主成分を成形触媒に含有させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。用いる元素の化合物は水溶性の塩が好ましく、水溶液として含浸することが好ましい。水溶性の化合物としては、塩化物、硝酸塩、炭酸塩が好ましく挙げられる。
脱水素触媒における触媒活性主成分は脱水素活性を有する成分であり、任意に選択することができるが、好ましくは第8族元素、第9族元素および第10族元素であり、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金である。なお本発明において、周期表の族番号は国際純正および応用化学連合無機化学命名法委員会命名規則1990年版に基づく。さらに好ましくはニッケル、パラジウム、白金、レニウムである。またこれらの元素の2種類以上を組み合わせても良い。これらの触媒活性主成分を成形触媒に含有させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。用いる元素の化合物は水溶性の塩が好ましく、水溶液として含浸することが好ましい。水溶性の化合物としては、塩化物、硝酸塩、炭酸塩が好ましく挙げられる。
脱水素触媒には適宜の添加剤を共存させても良い。好ましい添加剤としては塩基性物質が挙げられる。塩基性物質が共存することにより、酸性に起因する分解などの副反応が抑制されるとともに、炭素質析出による触媒の劣化が抑制される。塩基性物質の種類は任意であるが、第1族元素および第2族元素の化合物が好ましく、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの化合物が好ましい。これらの化合物としては、水溶性の物質が好ましい。塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩がさらに好ましい。塩基性物質の含有量は触媒活性主成分に対して重量比で0.1〜100の範囲が好ましい。これらの塩基性物質を触媒体に含有させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。
脱水素触媒の形状としては、従来公知の粒状、ペレット状形状の担体に担持させた触媒も使用することができる。これらの従来の粒状、ペレット状触媒は例えば二重管間隙に単純に充填する態様で使用することができる。
担体には機械的強度が高く熱的に安定で表面積が大きい点から、安定な金属酸化物を用いるのが好ましい。さらに好ましくは、熱伝導性の良好な支持体(熱伝導性支持体)の表面に金属酸化物を形成させたものが好ましい。
担体には機械的強度が高く熱的に安定で表面積が大きい点から、安定な金属酸化物を用いるのが好ましい。さらに好ましくは、熱伝導性の良好な支持体(熱伝導性支持体)の表面に金属酸化物を形成させたものが好ましい。
この担体としての金属酸化物としては具体的にはアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナが挙げられる。さらに好ましくはアルミナ、シリカまたはこれらの混合物である。
本発明の脱水素触媒および後記する燃焼触媒においては、好ましくは熱伝導性支持体を使用し得る。熱伝導性支持体とは、本発明においては300Kにおける熱伝導率が10W/m・K以上の物質を基体とする支持体と定義する。この熱伝導性支持体の基体は金属が好ましく、表面に酸化物などの皮膜を有するものを含む。具体的には、基体の金属には通常用いられる任意の金属および合金を用いることができるが、特にアルミニウムまたは表面にアルミニウムを有する金属および合金が好ましい。
金属を基体とする熱伝導性支持体を用いることにより触媒の熱伝導性が高まって熱の移動が速くなる効果がある。すなわち、脱水素反応においては該反応が吸熱反応であるために、反応器外部に設置熱源からの熱の供給が容易となる。
一方、燃焼反応の場合には、発熱反応であるために、熱を効果的に脱水素反応器のような熱が必要な部位に伝達することができる。なお、支持体の金属としての導電性を利用して直接通電することにより、たとえば迅速に脱水素または触媒燃焼の反応管を加熱し反応装置の起動時間を著しく短縮させることも可能である。
一方、燃焼反応の場合には、発熱反応であるために、熱を効果的に脱水素反応器のような熱が必要な部位に伝達することができる。なお、支持体の金属としての導電性を利用して直接通電することにより、たとえば迅速に脱水素または触媒燃焼の反応管を加熱し反応装置の起動時間を著しく短縮させることも可能である。
本発明においては、前記熱伝導性支持体の表面を触媒活性主成分の担体としての機能を持たせるべく、高表面積になるよう処理された熱伝導性支持体を用いることがさらに好ましい。この処理の方法については公知の方法が採用できるが、たとえば特開2002−119856号公報に記載されているように、陽極酸化の処理をベースに高表面積化する方法が好ましい。また、基体表面、例えば、高表面積化した基体表面は、アルミナなどの安定で高表面積の金属酸化物の層を形成することが好ましい。このためには、たとえば、高表面化した基体表面に、アルミナ水和物ゾルを塗布・乾燥後、焼成して金属酸化物層を形成させることができる。該熱伝導性支持体の形状は任意であり、板状、管状、網状、ハニカム状、もしくは反応管内部に直接設置されたフィン形状の突起とすることができる。
脱水素原料は、好ましくは炭化水素化合物であり、さらに好ましくはシクロヘキサン環を有する炭化水素である。具体的にはシクロヘキサンおよびシクロヘキサンのアルキル置換体、デカリンおよびデカリンのアルキル置換体、テトラリンおよびテトラリンのアルキル置換体が挙げられる。もっとも好ましくはメチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン類、デカリン、メチルデカリン類である。これらのシクロヘキサン環を有する炭化水素は複数の炭化水素の混合物であっても良い。さらに反応に支障のない限り、適宜に他の化合物、たとえばシクロヘキサン環を有しない炭化水素などを含んでいても良い。
好ましい炭化水素原料としてのシクロヘキサン環を有する炭化水素を脱水素の原料とする場合、脱水素の生成物は、水素と不飽和炭化水素であり、不飽和炭化水素は主として芳香族炭化水素である。これらは回収して水素化することにより、再度、原料の炭化水素に戻すことができる。あるいは必要に応じて脱水素反応に必要な熱源の燃料としても用いることができる。また芳香族炭化水素は一般にオクタン価が高いので、沸点が好適な物質はガソリン基材として用いることもできる。あるいは化学製品として用いることもできる。
脱水素反応の条件は原料の種類、反応の種類に応じて適宜選択することになる。反応圧力は好ましくは0.2MPa以上、2.0MPa以下であり、さらに好ましくは0.2MPa以上、1.0MPa以下である。なお、本明細書では特に断らないかぎり圧力は絶対圧で示す。反応温度は化学平衡上高温が好ましいが、エネルギー効率の点では低温のほうが好ましい。好ましい反応温度は200℃以上、400℃以下であり、さらに好ましくは220℃以上、360℃以下、もっとも好ましくは270℃以上、360℃以下である。また化学平衡上は不利であるが、触媒の失活を防ぐ目的あるいは装置の運転上の理由で原料に水素を加えても良い。原料に水素を加える場合、水素と原料の比は、モル比で0.01以上、1以下が好ましい。
LHSV(液空間速度)の好ましい範囲は、触媒の活性に依存するが、通常は0.2v/v/hr以上、20v/v/hr以下である。
LHSV(液空間速度)の好ましい範囲は、触媒の活性に依存するが、通常は0.2v/v/hr以上、20v/v/hr以下である。
脱水素反応により生成した水素は、芳香族炭化水素等の反応生成物と混在した状態であるが、本発明においては、直ちに、in situで水素分離膜による膜分離操作に供される。二重管の内管を水素分離膜で構成する場合は、二重管の最内部を水素の透過側とし、二重管の間隙を非透過側として操作する。
ここで、膜分離反応器における水素分離膜の透過側、すなわち膜分離ライン側の圧力は、脱水素ラインの圧力より0.05MPa以下、好ましくは0.1MPa以下に設定される。
ここで、膜分離反応器における水素分離膜の透過側、すなわち膜分離ライン側の圧力は、脱水素ラインの圧力より0.05MPa以下、好ましくは0.1MPa以下に設定される。
脱水素後の反応混合物から水素を収集するための水素分離膜としては、炭化水素と水素の混合ガスから水素を選択的に分離できる金属膜もしくは多孔質無機膜などが好ましい。金属膜の場合、管状で細孔を有する多孔質金属支持体もしくは管状で細孔を有する多孔質セラミック支持体の内表面もしくは外表面に金属薄膜を形成させた水素分離膜であり、金属薄膜として、Pdを100〜10 mass%含む金属膜、もしくは、Ag、Cu、V、Nb、Taより選ばれる少なくとも一種の金属を80〜10mass%含む金属膜が好ましい。金属薄膜の形成方法は任意の方法を選択できるが、具体的には、電解メッキ法、無電解メッキ法、蒸着法、圧延法などが挙げられる。
多孔質無機膜の場合、管状で細孔を有する多孔質セラミック支持体の内表面もしくは外表面に、細孔孔径の制御されたセラミック薄膜を形成させた水素分離膜である。多孔質無機膜は分子篩作用により選択的分離を行うため、薄膜部分の孔径は0.3nm以上、0.7nm以下が好ましく、0.3nm以上、0.5nm以下がさらに好ましい。セラミック膜の材質は、公知のセラミック材料が使えるが、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、炭化ケイ素、窒化ケイ素が好ましい。
ここで前述のように、シクロヘキサン環の脱水素は大きな吸熱反応であるため、反応器外部から触媒への熱供給の不足により、触媒の温度が低下し反応効率が低下する恐れがある。特に反応膜分離においては、反応に関与しない水素分離膜の体積増加分だけ、伝面/触媒量の関係の点から熱供給が不利になる。この傾向はLHSVが大きくなるほど顕著になる。
したがって、本発明においては、炭化水素燃料を燃焼させ、これから発生する燃焼熱を脱水素反応の外部より供給することとする。
したがって、本発明においては、炭化水素燃料を燃焼させ、これから発生する燃焼熱を脱水素反応の外部より供給することとする。
本発明において燃焼は、酸素、空気等を供給して燃焼させ、燃焼器としてはバーナーによることもできるが、好ましくは触媒による燃焼を行う。このとき用いられる触媒の触媒活性主成分は燃焼活性を有する成分であり、任意に選択することができるが、好ましくは第8族元素、第9族元素および第10族元素であり、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金である。さらに好ましくはニッケル、パラジウム、白金である。またこれらの元素の2種類以上を組み合わせても良い。これらの触媒活性主成分を成形触媒に含有させる調製法は任意であるが、含浸法が好ましく挙げられる。具体的には、Incipient Wetness法、蒸発乾固法などが挙げられる。用いる元素の化合物は水溶性の塩が好ましく、水溶液として含浸することが好ましい。水溶性の化合物としては、塩化物、硝酸塩、炭酸塩が好ましく挙げられる。
燃焼触媒の形状としては、従来公知の粒状、ペレット状形状の担体に担持させた触媒も使用することができる。担体には機械的強度が高く熱的に安定で表面積が大きい点から、安定な金属酸化物を用いるのが好ましい。さらに好ましくは、熱伝導性の良好な支持体(熱伝導性支持体)の表面に金属酸化物を形成させたものが好ましい。
この担体としての金属酸化物としては具体的にはアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナが挙げられる。さらに好ましくはアルミナ、シリカまたはこれらの混合物である。
この担体としての金属酸化物としては具体的にはアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナが挙げられる。さらに好ましくはアルミナ、シリカまたはこれらの混合物である。
本発明の燃焼触媒においては、好ましくは、前述の脱水素触媒において説明した熱伝導性支持体が同様に使用され得る。
すなわち、脱水素の項で説明したように、触媒燃焼においても、同様に、前記熱伝導性支持体の表面を触媒活性主成分の担体としての機能を持たせるべく、高表面積になるよう処理された熱伝導性支持体を用いることが好ましい。この処理の方法については公知の方法が採用できるが、たとえば特開2002−119856号公報に記載されているように、陽極酸化の処理をベースに高表面積化する方法が好ましい。また、基体表面、例えば、高表面積化した基体表面は、アルミナなどの安定で高表面積の金属酸化物の層を形成することが好ましい。このためには、たとえば、高表面化した基体表面に、アルミナ水和物ゾルを塗布・乾燥後、焼成して金属酸化物層を形成させることができる。該熱伝導性支持体の形状は任意であり、板状、管状、網状、ハニカム状、もしくは反応管内部に直接設置されたフィン形状の突起とすることができる。
すなわち、脱水素の項で説明したように、触媒燃焼においても、同様に、前記熱伝導性支持体の表面を触媒活性主成分の担体としての機能を持たせるべく、高表面積になるよう処理された熱伝導性支持体を用いることが好ましい。この処理の方法については公知の方法が採用できるが、たとえば特開2002−119856号公報に記載されているように、陽極酸化の処理をベースに高表面積化する方法が好ましい。また、基体表面、例えば、高表面積化した基体表面は、アルミナなどの安定で高表面積の金属酸化物の層を形成することが好ましい。このためには、たとえば、高表面化した基体表面に、アルミナ水和物ゾルを塗布・乾燥後、焼成して金属酸化物層を形成させることができる。該熱伝導性支持体の形状は任意であり、板状、管状、網状、ハニカム状、もしくは反応管内部に直接設置されたフィン形状の突起とすることができる。
次に燃焼器の態様について詳しく述べる。燃焼器は流通式であることが好ましく、流通管の具体的な断面形状は円形、三角形、四角形など任意である。その具体例として管状反応器の内部に燃焼触媒を設置し燃焼反応を進行させ、生成する熱を反応器の外側に供給する態様を挙げることができる。燃焼器においては生成する熱を如何に効率的に、熱を必要とする部位に伝達するかが重要である。すなわち、燃焼反応管内で進行する燃焼反応は発熱反応であるので、発生した熱を効率よく外部に伝達するため、外部と接触する壁と燃焼触媒が直接に接触することが好ましい。このため、該壁自体を触媒担体とするか、あるいは伝熱性担体を該壁に直接接する板状、管状、フィンとして基質と接触する面積を大とする熱交換器のような形式とすることが好ましい。
燃焼器に供給される燃料には制限はなく、水素、メタン、天然ガス、エタン、プロパン、ブタン、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの他に、先に例示の脱水素原料であるシクロヘキサン環を有する炭化水素化合物、その未反応物、シクロヘキサン環を有する炭化水素化合物の脱水素化物としての芳香族化合物などを具体例として挙げる事ができ、さらに、未回収残存水素も例示できる。これらの燃料の任意の割合の混合物もまた好適に使用できる。さらに水素と該芳香族化合物の混合物がより好適に使用できる。
燃焼の程度は、脱水素反応の程度に応じて適宜に調節すればよい。
燃焼の程度は、脱水素反応の程度に応じて適宜に調節すればよい。
水素製造装置は、コンパクト化すると過熱する恐れがある。このため本願発明においては、前記脱水素部と燃焼部にそれぞれ接触する共通の熱伝導性媒体を設け、かくして脱水素部の見かけの熱容量を増大させると共に、前記熱伝達が実質的に熱伝導のみの態様でなされるように構成する。これにより脱水素触媒の過熱防止が達成される。
具体的には、熱伝熱性媒体により一体化された反応ユニットとする。ここで、熱伝熱性媒体とは、300Kにおける熱伝導率が10W/m・K以上の物質からなる媒体と定義する。該物質の例としては金属、プラスチック、カーボンコンポジットなどを挙げることができ、好ましくはカーボンコンポジット、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金、銅、真鍮、鉄、ステンレスなどを挙げることができる。
具体的には、熱伝熱性媒体により一体化された反応ユニットとする。ここで、熱伝熱性媒体とは、300Kにおける熱伝導率が10W/m・K以上の物質からなる媒体と定義する。該物質の例としては金属、プラスチック、カーボンコンポジットなどを挙げることができ、好ましくはカーボンコンポジット、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金、銅、真鍮、鉄、ステンレスなどを挙げることができる。
反応ユニットの一体化とは、燃焼部で発生した燃焼熱が、有効にかつ均一に脱水素部に伝達されるよう熱伝導性が確保され固定化された状態を言う。このさい、十分な熱伝導性を確保する方法としては、低温部分である脱水素部と高温部分である燃焼部の各部の表面形状を相互に合致させ、固定は適宜の締結手段、例えば留め金で締め付ける、低温部分である脱水素部と高温部分である燃焼部を熱伝導性媒体中に埋設する、低温部分である脱水素部と高温部分である燃焼部を同一の基板の表裏に直接接触させて作成する、などの方法を取ることができる。
以上のようにして一体化された反応ユニットには、脱水素ラインの脱水素触媒存在部分、膜分離ラインの水素分離膜部分、燃焼ラインの燃焼部分が配置され、脱水素反応に必要な熱が、燃焼ラインからの熱伝導により供給される。したがって、燃焼ラインの温度は通常脱水素ラインの温度より高い。また脱水素ラインおよび燃焼ラインそれぞれの触媒以降の部分の一部を反応ユニットに配置することも熱の有効利用上有益である。
反応ユニットを熱伝導性媒体で一体化することで、熱源である燃焼触媒からの熱は熱伝導性媒体を通して反応ユニット全体に分散される。
このことにより、脱水素触媒温度が制御しやすくなる、脱水素触媒の過熱の防止される、熱の有効利用などが図られる、などの効果がある。
反応ユニットを熱伝導性媒体で一体化することで、熱源である燃焼触媒からの熱は熱伝導性媒体を通して反応ユニット全体に分散される。
このことにより、脱水素触媒温度が制御しやすくなる、脱水素触媒の過熱の防止される、熱の有効利用などが図られる、などの効果がある。
通常、脱水素ライン中の原料および燃焼ライン中の燃料は反応ユニットから流出する高温の燃焼排ガス、膜分離ラフィネート、および高純度水素と熱交換を行う。ここで、好ましくは脱水素ライン中の原料加熱により気化させ、また膜分離ラフィネートは、冷却によりその中の芳香族化合物の凝縮が行われる。このために用いられる熱交換器には制限はなく、公知の任意のものが使用可能である。また図示のように反応ユニットとは別異のブロックで該熱交換器を構成することもできる。
脱水素化物回収部においては、脱水素混合物を冷却し、凝縮した芳香族化合物を分離する。
脱水素化物回収部においては、脱水素混合物を冷却し、凝縮した芳香族化合物を分離する。
一方、ここで凝縮しなかったガス成分には、水素と芳香族化合物蒸気、および場合によっては脱水素反応の分解生成物、原料炭化水素化合物蒸気を含む。これら未凝縮物は燃料回送ラインにより燃焼ラインに回送され、必要量の空気および必要であれば回収した芳香族化合物あるいは適宜の炭化水素燃料を追加し、燃焼ラインで燃料として用いることができる。
回収された、凝縮液としての芳香族炭化水素は、先に述べたように適宜に別途の使用に供される。
回収された、凝縮液としての芳香族炭化水素は、先に述べたように適宜に別途の使用に供される。
本発明では、該水素発生装置と燃料電池を組み合わせ、発生した水素を公知の燃料電池の燃料として使用し、全体として燃料電池システムとすることもできる。このとき使用できる燃料電池としては、リン酸形、固体高分子形、固体酸化物形、溶融炭酸塩形、アルカリ形など公知のものを挙げることができ、なかでも固体高分子形燃料電池が最も好ましく使用される。
以下、添付された図面を参照して本発明をさらに詳述する。
図1は、本発明に基づくシステムの一具体例を模式縦・横断面図として示したものである。
図1は、本発明に基づくシステムの一具体例を模式縦・横断面図として示したものである。
図の水素製造装置は脱水素ライン、膜分離ライン、燃焼ライン、脱水素化物回収部、燃料回送ラインを有する。脱水素ラインはシクロヘキサン環を有する炭化水素化合物を導入し内部に配置された脱水素触媒を有する流通式反応器により脱水素反応を行い水素と芳香族化合物の混合物を得るものである。膜分離ラインは、脱水素ラインの脱水素触媒が存在する部分の内側に配置された水素分離膜を有しその作用により得られる高純度水素を流通させるものである。燃焼ラインは、燃料および酸素を導入し燃焼により装置に必要な熱を供給すると共に燃焼排ガスを排出するものである。脱水素化物回収部は脱水素ライン下流に設置され、該脱水素ラインから排出される出口混合物から凝縮した液状芳香族化合物を分離回収するものであり、必要であれば回収された芳香族化合物を移送し貯蔵するためのタンクを併設しても良い。燃料回送ラインは脱水素化物回収部から排出される水素を含むガスを燃焼ライン入口に導くものである。
次に脱水素ラインの脱水素反応器の態様についてさらに詳しく述べる。
この例として前記水素分離膜を内管する二重管の間隙内に脱水素触媒を存在させ、外管の外側から熱を供給する脱水素反応器が挙げられる。該二重管の形状は任意である。該反応器においては、該間隙内で進行する脱水素反応は吸熱反応であるので、脱水素反応熱の供給を効率的に行うためには、熱供給源と接触する外管と脱水素触媒が直接に接触することが好ましい。このため前記熱伝導性支持体を触媒担体とし、該担体の形状を二重管外管内部に直接接する板状、管状、もしくは内部フィンとして、基質と接触する面積を大とする熱交換器のような形式とすることが好ましい。加熱源と直接接触し、しかも基質と接触する面積を大とすることが可能であるならば何れの形状も採用できる。たとえば、内部フィン型としては、図に脱水素ラインの断面図で示されるように二重管構造の外側管を金属基体の一部とし、基質の流通方向に長く、そしてこの外側の管から伸びる複数のフィン状突起を設ける構造とし、該フィン表面には、金属酸化物層を形成させて触媒を担持させることができる。
この例として前記水素分離膜を内管する二重管の間隙内に脱水素触媒を存在させ、外管の外側から熱を供給する脱水素反応器が挙げられる。該二重管の形状は任意である。該反応器においては、該間隙内で進行する脱水素反応は吸熱反応であるので、脱水素反応熱の供給を効率的に行うためには、熱供給源と接触する外管と脱水素触媒が直接に接触することが好ましい。このため前記熱伝導性支持体を触媒担体とし、該担体の形状を二重管外管内部に直接接する板状、管状、もしくは内部フィンとして、基質と接触する面積を大とする熱交換器のような形式とすることが好ましい。加熱源と直接接触し、しかも基質と接触する面積を大とすることが可能であるならば何れの形状も採用できる。たとえば、内部フィン型としては、図に脱水素ラインの断面図で示されるように二重管構造の外側管を金属基体の一部とし、基質の流通方向に長く、そしてこの外側の管から伸びる複数のフィン状突起を設ける構造とし、該フィン表面には、金属酸化物層を形成させて触媒を担持させることができる。
またこの金属基体は、アルミニウム等の金属により構成し、前記した方法で高表面化することもできる。触媒は、たとえば外管の内面等のフィン以外の部分にも上述の方法により適宜に担持させることができる。内管は別に支持されることが可能であるので、外管から内管へ向かって伸びる複数のフィンは、内管を構成する水素分離膜に接触してもしなくとも良い。
かかる内部フィン型は、外管外側に配置される加熱源に直接、あるいは熱伝導性媒体を介して接触することが可能で、しかも間隙を流通する基質との接触面積が大であるので加熱が容易となり好ましい。
かかる内部フィン型は、外管外側に配置される加熱源に直接、あるいは熱伝導性媒体を介して接触することが可能で、しかも間隙を流通する基質との接触面積が大であるので加熱が容易となり好ましい。
燃料を燃焼させる触媒燃焼管も、上記脱水素部位の構造と同様に、内部フィン型としては、図に燃焼ラインの断面図により示されるように管から内に向かって長手方向に伸びる複数のフィン状突起を設ける構造とし、該フィン表面には、たとえば燃焼触媒を担持させることができる。
反応ユニットには、燃焼ラインとして燃焼触媒部分および燃焼排ガス流通管、分離膜ラインとして水素分離膜部分および高純度水素流通管、脱水素ラインとして脱水素触媒部分および膜分離ラフィネート(水素を分離した残物)流通管が設置され、該水素分離膜部分は脱水素触媒部分の内側に設置される。各ライン、部分、流通管は熱伝導性媒体で一体化される。これは、たとえば熱伝導性媒体としてアルミニウム製やカーボン製のブロックを使用し、この中に上記各ライン、部分を埋め込み一体化させることによってなされる。この時ブロックの内部に空隙を作成し熱伝導性を維持しながらも重量を低減させることが可能である。
反応ユニットには、燃焼ラインとして燃焼触媒部分および燃焼排ガス流通管、分離膜ラインとして水素分離膜部分および高純度水素流通管、脱水素ラインとして脱水素触媒部分および膜分離ラフィネート(水素を分離した残物)流通管が設置され、該水素分離膜部分は脱水素触媒部分の内側に設置される。各ライン、部分、流通管は熱伝導性媒体で一体化される。これは、たとえば熱伝導性媒体としてアルミニウム製やカーボン製のブロックを使用し、この中に上記各ライン、部分を埋め込み一体化させることによってなされる。この時ブロックの内部に空隙を作成し熱伝導性を維持しながらも重量を低減させることが可能である。
アルミニウムブロックを例として、一体化の反応ユニットの簡便な作成方法を挙げるならば、ブロックに適当な半径の円形状の孔をくり貫き、その孔と同径のステンレスあるいはアルミニウムなど金属製の反応管、パイプを外部ブロックと密着するように埋め込むことによりなされる。ブロックは複数設けることが可能である。
この他に、鋳型や切削によって内部孔構造を作成した複数のブロックを一体化することにより熱伝導性媒体を形成することも可能である。このとき、熱伝導性媒体自体に燃焼触媒、脱水素触媒の機能を持たせることも好適に採用できる方法である。さらに具体的な例を示せば、脱水素触媒部分のラインとしては、内部にひだを作成したアルミニウム製チューブの内側表面を陽極酸化、熱処理によりアルマイト化したものに白金を担持した配管などが使用できる。
この他に、鋳型や切削によって内部孔構造を作成した複数のブロックを一体化することにより熱伝導性媒体を形成することも可能である。このとき、熱伝導性媒体自体に燃焼触媒、脱水素触媒の機能を持たせることも好適に採用できる方法である。さらに具体的な例を示せば、脱水素触媒部分のラインとしては、内部にひだを作成したアルミニウム製チューブの内側表面を陽極酸化、熱処理によりアルマイト化したものに白金を担持した配管などが使用できる。
製造に際しては、要すれば熱交換器を用い、これに燃焼ラインの燃料(水素、空気および炭化水素燃料)、燃焼排ガス、脱水素ライン原料、膜分離ラフィネート、高純度回収水素、などを導入して予熱または冷却のための熱交換を行う。この場合、図のように全てのラインが一つの熱交換器に集まる必要はなく、目的に応じて随意の形態を取ることができる。
図の装置を用いて脱水素を行い、さらにそれからの水素を利用して燃料電池システムにより発電を行った。
脱水素ラインに導入する原料として、例えばメチルシクロヘキサンを使用する場合、メチルシクロヘキサンを1 mol/hの速度、絶対圧0.5 MPaで、0.1 MPaの水素と共に脱水素ラインに導入する。原料は熱交換器により加温され反応ユニット入り口で200℃を示す。反応ユニットの脱水素触媒層温度は320℃に設定され、メチルシクロヘキサンの脱水素と同時に生成した水素の抽出がPd−Ag系水素分離膜により行われる。水素分離膜抽出側の水素圧力は0.1 MPaである。精製水素の流量は2.5 mol/hである。膜分離ラフィネート(反応混合物から水素を分離した残り)は熱交換器により100℃まで冷却され、脱水素化物としてのトルエンがガスから液へ凝縮する。凝縮したトルエンは脱水素化物回収部において未回収水素と分離し、トルエン蒸気を含む未回収水素は燃焼ラインに回送される。
脱水素ラインに導入する原料として、例えばメチルシクロヘキサンを使用する場合、メチルシクロヘキサンを1 mol/hの速度、絶対圧0.5 MPaで、0.1 MPaの水素と共に脱水素ラインに導入する。原料は熱交換器により加温され反応ユニット入り口で200℃を示す。反応ユニットの脱水素触媒層温度は320℃に設定され、メチルシクロヘキサンの脱水素と同時に生成した水素の抽出がPd−Ag系水素分離膜により行われる。水素分離膜抽出側の水素圧力は0.1 MPaである。精製水素の流量は2.5 mol/hである。膜分離ラフィネート(反応混合物から水素を分離した残り)は熱交換器により100℃まで冷却され、脱水素化物としてのトルエンがガスから液へ凝縮する。凝縮したトルエンは脱水素化物回収部において未回収水素と分離し、トルエン蒸気を含む未回収水素は燃焼ラインに回送される。
二重管内側の水素分離膜抽出側に得られた高純度の水素を、固体電解質としてナフィオンを用いた固体高分子形燃料電池のアノード極に導入し、カソード極には空気を流通させると、起電力の発生が確認される。
本発明の水素製造装置は、例えば水素ステーションや燃料電池システムなどに用いられる水素製造装置に用いることができる。本発明の燃料電池システムは、自動車などの移動体用の発電装置や、固定発電システム、コージェネレーションシステムなどに用いることができる。
Claims (13)
- 炭化水素原料を脱水素して水素を生成させる炭化水素の脱水素部および脱水素反応に必要な反応熱を脱水素部に供給するために燃料を燃焼させて燃焼熱を発生させる燃焼部を具備し、
燃焼部で発生する燃焼熱を脱水素部へ熱伝達させるために、
前記脱水素部と燃焼部にそれぞれ接触する共通の熱伝導性媒体を設け、
かくして脱水素部の見かけの熱容量を増大させると共に、前記熱伝達が実質的に熱伝導のみの態様でなされるように構成してなることを特徴とする水素製造装置。 - 脱水素部と燃焼部が熱伝導性媒体により一体化された反応ユニットを構成する請求項1記載の水素製造装置。
- 前記脱水素部の構造が、水素分離膜を内管とする二重管構造の反応管で構成され、外管と内管との間隙空間において脱水素反応を行い、生成する水素を水素分離膜により膜分離して、内管内の中心空間へ水素を収集する構造である請求項1記載の水素製造装置。
- 脱水素反応が、シクロヘキサン環を有する炭化水素化合物を脱水素触媒により脱水素反応を行い水素と芳香族化合物の混合物を得る反応である請求項1記載の水素製造装置。
- 脱水素触媒が、金属酸化物層が表面に偏在する金属製の熱伝導性支持体の表面に第8〜10族金属を存在させてなるものであることを特徴とする請求項4記載の水素製造装置。
- 熱伝導性支持体が、アルミニウムを主成分とする金属からなり、表面に偏在する金属酸化物層がアルミナを主成分とする層であることを特徴とする請求項5記載の水素製造装置。
- 前記燃焼部が、配管で構成され、供給される気体状燃料と酸素が該配管内で燃焼するものである請求項1記載の水素製造装置。
- 燃料の燃焼が燃焼触媒により行うことを特徴とする請求項1記載の水素製造装置。
- 燃焼触媒が、金属酸化物層が表面に偏在する金属製の熱伝導性支持体の表面に第8〜10族金属を存在させてなる燃焼触媒により行うことを特徴とする請求項8記載の水素製造装置。
- 燃焼部で燃焼させる燃料が、脱水素部からの脱水素化物、水素および未反応原料のいずれかを含む燃料である請求項1記載の水素製造装置。
- 熱伝導性媒体が、カーボンコンポジット、アルミニウム、アルミニウムを主成分とする合金、銅、真鍮、鉄、ステンレスより選ばれる材料からなることを特徴とする請求項1記載の水素製造装置。
- 請求項1〜11に記載の水素製造装置から得られる水素を利用して運転されることを特徴とする燃料電池システム。
- (1)炭化水素原料を脱水素して水素と脱水素化物を生成させ、
(2)生成した水素、脱水素化物および必要に応じて未反応原料を分離して、水素と脱水素化物をそれぞれ取り出し、
(3)脱水素工程から回収した脱水素化物、水素および未反応原料のいずれかの少なくとも一部を含む燃料を燃焼させ、
(4)前記燃焼により発生する燃焼熱を脱水素工程に熱伝達して、該燃焼熱を脱水素反応に必要な反応熱として利用する、
ことからなる炭化水素原料の脱水素による水素の製造方法。
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