JP5138586B2 - 液体燃料合成システム - Google Patents

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Description

本発明は、天然ガス等の炭化水素原料から液体燃料を合成するための液体燃料合成システムに関する。
本願は、2006年3月30日に出願された日本国特許出願第2006−95544号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、天然ガスから液体燃料を合成するための方法の一つとして、天然ガスを改質して一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分とする合成ガスを生成し、この合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により液体炭化水素を合成し、さらにこの液体炭化水素を水素化および精製することで、ナフサ(粗ガソリン)、灯油、軽油、ワックス等の液体燃料製品を製造するGTL(Gas To Liquid:液体燃料合成)技術が開発されている。
合成反応直後の液体炭化水素は、沸点の異なる複数の液体炭化水素の混合物となっているが、この混合物を分離するために、精留塔と呼ばれる装置が用いられる。この精留塔の塔頂から排出される排ガス(以下、「オフガス」と称する。)は、例えば炭素数5以上のナフサ(粗ガソリン)、灯油、軽油等の液体燃料製品の成分が分離・回収された後は、フレアスタックに送られて燃焼され、大気中に放出されていた。
しかしながら、上記のオフガスには、例えば炭素数5未満の炭化水素ガス等が含まれている。ところが、上記の従来の液体燃料合成システムでは、これらのオフガスを燃焼して廃棄するために、液体炭化水素の原料となりうる炭化水素ガスが無駄に廃棄されている。しかも、原料の有効利用がなされていないだけでなく、排ガス燃焼に伴う二酸化炭素排出量も増加する。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、上記オフガス中に含まれる炭素数の少ない炭化水素成分を廃棄せずに有効利用することで、原料の利用効率を向上でき、二酸化炭素排出量を削減することが可能な液体燃料合成システムを提供することを目的とする。
本発明の液体燃料合成システムは、炭化水素原料を改質して一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主成分とする合成ガスを製造する第1改質器と、前記合成ガスに含まれる一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素を合成する反応器と、前記反応器で合成された前記液体炭化水素を加熱して沸点の相違する複数種類の液体燃料留分を分留する第1精留塔と、
前記合成ガスに含まれる前記水素ガスを利用して、前記炭化水素原料または前記液体燃料留分に対して所定の反応を行う水素利用反応装置と、前記水素利用反応装置から分離・回収される液分を少なくとも2つの液分を精製し、複数種類の液体燃料およびガス留分を供する第2精留塔と、前記第2精留塔の下流に設けられ、前記第2精留塔から前記ガス留分を供給されるナフサ・スタビライザーと、前記ナフサ・スタビライザーから排出されるオフガスを改質して一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主成分とする合成ガスを製造する第2改質器と、前記第2改質器により得られる合成ガスから水素ガスを分離する水素分離装置と、を備える液体燃料合成システムであって前記水素分離装置によって分離された水素ガスが、供給経路を通じて前記反応器または前記水素利用反応装置に供給される。
かかる構成によれば前記水素分離装置によって分離された水素ガスが供給経路を通じて前記反応器または前記水素利用反応装置に供給される。このようにナフサ・スタビライザーから排出されるオフガスから合成ガスを製造し、該合成ガスから分離した水素を有効利用できるので、原料である炭化水素の無駄な消費を減らし、原料の利用効率を向上させることができる。
本発明の液体燃料合成システムは、前記水素分離装置により分離された水素ガスを貯蔵する水素貯蔵装置を備えていてもよい。
本発明の液体燃料合成システムにおいて水素貯蔵装置に貯蔵される水素ガスを、液体燃料合成システムの起動時に水素利用反応装置に供給するようにしてもよい。かかる構成により、改質器から水素ガスが供給されるまえに、水素利用反応装置を迅速に起動することができる。そのため、液体燃料合成システムの生産効率を向上できる。
本発明によれば、オフガス中に含まれる炭素数の少ない炭化水素成分を廃棄せずに有効利用することで、原料の利用効率を向上でき、二酸化炭素排出量を削減することができる。
図1は、本発明の実施形態にかかる液体燃料合成システムの全体構成を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態にかかる液体燃料合成システムにおいて、精留塔の塔頂から排出されるガスを供給する供給手段の構成例を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態にかかる液体燃料合成システムにおいて、精留塔の塔頂から排出されるガスを供給する供給手段の別の構成例を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施形態にかかる液体燃料合成システムにおいて、精留塔の塔頂から排出されるガスを供給する供給手段の更に別の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1…液体燃料合成システム、3…合成ガス生成ユニット、5…FT合成ユニット、7…製品精製ユニット、10…脱硫反応器、12…第1改質器、14…排熱ボイラー、16,18…気液分離器、20…脱炭酸装置、22…吸収塔、24…再生塔、26…水素分離装置、30…気泡塔型反応器、32…伝熱管、34,38…気液分離器、36…分離器、40…第1精留塔、50…WAX分水素化分解反応器、52…灯油・軽油留分水素化精製反応器、54…ナフサ留分水素化精製反応器、56,58,60…気液分離器、70…第2精留塔、72…ナフサ・スタビライザー、100…オフガス回収・供給経路、102…第2改質器、104…合成ガス供給経路、106…水素分離装置、108…一酸化炭素ガス供給経路、110…水素貯蔵装置、112…水素ガス供給経路
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態にかかるGTL(Gas To Liquid)プロセスを実行する液体燃料合成システム1の全体構成及び工程について説明する。図1は、本実施形態にかかる液体燃料合成システム1の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる液体燃料合成システム1は、天然ガス等の炭化水素原料を液体燃料に転換するGTLプロセスを実行するプラント設備である。この液体燃料合成システム1は、合成ガス生成ユニット3と、FT合成ユニット5と、製品精製ユニット7とから構成される。合成ガス生成ユニット3は、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスを生成する。FT合成ユニット5は、生成された合成ガスからフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により液体炭化水素を生成する。製品精製ユニット7は、FT合成反応により生成された液体炭化水素を水素化・精製して液体燃料製品(ナフサ、灯油、軽油、ワックス等)を製造する。以下、これら各ユニットの構成要素について説明する。
まず、合成ガス生成ユニット3について説明する。合成ガス生成ユニット3は、例えば、脱硫反応器10と、第1改質器12(以下、「改質器12」と称する。)と、排熱ボイラー14と、気液分離器16および18と、脱炭酸装置20と、水素分離装置26とを主に備える。
脱硫反応器10は、水添脱硫装置等で構成されて原料である天然ガスから硫黄成分を除去する。改質器12は、脱硫反応器10から供給された天然ガスを改質して、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分として含む合成ガスを生成する。排熱ボイラー14は、改質器12にて生成した合成ガスの排熱を回収して高圧スチームを発生する。気液分離器16は、排熱ボイラー14において合成ガスとの熱交換により加熱された水を気体(高圧スチーム)と液体とに分離する。気液分離器18は、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分を除去し気体分を脱炭酸装置20に供給する。脱炭酸装置20は、気液分離器18から供給された合成ガスから吸収液を用いて炭酸ガスを除去する吸収塔22と、当該炭酸ガスを含む吸収液から炭酸ガスを放散させて再生する再生塔24とを有する。水素分離装置26は、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、当該合成ガスに含まれる水素ガスの一部を分離する。
このうち、改質器12は、例えば、下記の化学反応式(1)、(2)で表される水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。なお、この改質器12における改質法は、上記水蒸気・炭酸ガス改質法の例に限定されず、例えば、水蒸気改質法、酸素を用いた部分酸化改質法(POX)、部分酸化改質法と水蒸気改質法の組合せである自己熱改質法(ATR)、炭酸ガス改質法などを利用することもできる。
CH+HO→CO+3H ・・・(1)
CH+CO→2CO+2H ・・・(2)
また、水素分離装置26は、脱炭酸装置20又は気液分離器18と気泡塔型反応器30とを接続する主配管から分岐した分岐ライン上に設けられる。この水素分離装置26は、例えば、圧力差を利用して水素の吸着と脱着を行う水素PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置などで構成できる。この水素PSA装置は、並列配置された複数の吸着塔(図示せず。)内に吸着剤(ゼオライト系吸着剤、活性炭、アルミナ、シリカゲル等)を有しており、各吸着塔で水素の加圧、吸着、脱着(減圧)、パージの各工程を順番に繰り返すことで、合成ガスから分離した純度の高い水素ガス(例えば99.999%程度)を、連続して反応器へ供給することができる。
なお、水素分離装置26における水素ガス分離方法としては、上記水素PSA装置のような圧力変動吸着法の例に限定されず、例えば、水素吸蔵合金吸着法、膜分離法、或いはこれらの組合せなどであってもよい。
水素吸蔵合金法は、例えば、冷却/加熱されることで水素を吸着/放出する性質を有する水素吸蔵合金(TiFe、LaNi、TiFe0.7〜0.9、Mn0.3〜0.1、又はTiMn1.5など)を用いて、水素ガスを分離する手法である。水素吸蔵合金が収容された複数の吸着塔を設け、各吸着塔において、水素吸蔵合金の冷却による水素の吸着と、水素吸蔵合金の加熱による水素の放出とを交互に繰り返すことで、合成ガス内の水素ガスを分離・回収することができる。
また、膜分離法は、芳香族ポリイミド等の高分子素材の膜を用いて、混合ガス中から膜透過性に優れた水素ガスを分離する手法である。この膜分離法は、相変化を伴わないため、運転に必要なエネルギーが小さくて済み、ランニングコストが安い。また、膜分離装置の構造が単純でコンパクトなため、設備コストが低く設備の所要面積も小さくて済む。さらに、分離膜には駆動装置がなく、安定運転範囲が広いため、保守管理が容易であるという利点がある。
次に、FT合成ユニット5について説明する。FT合成ユニット5は、例えば、気泡塔型反応器30と、気液分離器34と、分離器36と、気液分離器38と、第1精留塔40とを主に備える。気泡塔型反応器30は、上記合成ガス生成ユニット3で生成された合成ガス、即ち、一酸化炭素ガスと水素ガスとをFT合成反応させて液体炭化水素を生成する。気液分離器34は、気泡塔型反応器30内に配設された伝熱管32内を流通して加熱された水を、水蒸気(中圧スチーム)と液体とに分離する。分離器36は、気泡塔型反応器30の中央部に接続され、触媒と液体炭化水素生成物を分離処理する。気液分離器38は、気泡塔型反応器30の上部に接続され、未反応合成ガス及び気体炭化水素生成物を冷却処理する。第1精留塔40は、気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素を蒸留し、沸点に応じて各製品留分に分離・精製する。
このうち、気泡塔型反応器30は、合成ガスを液体炭化水素に合成する反応器の一例であり、FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素を合成するFT合成用反応器として機能する。この気泡塔型反応器30は、例えば、塔型の容器内部に触媒と媒体油とからなるスラリーが貯留された気泡塔型スラリー床式反応器で構成される。この気泡塔型反応器30は、FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素を生成する。詳細には、この気泡塔型反応器30では、原料ガスである合成ガスは、気泡塔型反応器30の底部の分散板から気泡となって供給され、触媒と媒体油からなるスラリー内を通過し、懸濁状態の中で下記化学反応式(3)に示すように水素ガスと一酸化炭素ガスとが合成反応を起こす。
2nH+nCO→−(CH−+nHO ・・・(3)
このFT合成反応は発熱反応であるため、気泡塔型反応器30は内部に伝熱管32が配設された熱交換器型になっており、冷媒として例えば水(BFW:Boiler Feed Water)を供給し、上記FT合成反応の反応熱を、スラリーと水との熱交換により中圧スチームとして回収できるようになっている。
最後に、製品精製ユニット7について説明する。製品精製ユニット7は、例えば、WAX分水素化分解反応器50と、灯油・軽油留分水素化精製反応器52と、ナフサ留分水素化精製反応器54と、気液分離器56,58,60と、第2精留塔70と、ナフサ・スタビライザー72とを備える。WAX分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部に接続されている。灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されている。ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部に接続されている。気液分離器56,58,60は、これら水素化反応器50,52,54のそれぞれに対応して設けられている。第2精留塔70は、気液分離器56,58から供給された液体炭化水素を沸点に応じて分離・精製する。ナフサ・スタビライザー72は、気液分離器60及び第2精留塔70から供給されたナフサ留分の液体炭化水素を精留して、ブタンより軽い成分はフレアガス側へ排出し、炭素数5以上の成分は製品のナフサとして分離・回収する。
次に、以上のような構成の液体燃料合成システム1により、天然ガスから液体燃料を合成する工程(GTLプロセス)について説明する。
液体燃料合成システム1には、天然ガス田又は天然ガスプラントなどの外部の天然ガス供給源(図示せず。)から、炭化水素原料としての天然ガス(主成分がCH)が供給される。上記合成ガス生成ユニット3は、この天然ガスを改質して合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガスを主成分とする混合ガス)を製造する。
具体的には、まず、上記天然ガスは、水素分離装置26によって分離された水素ガスとともに脱硫反応器10に供給される。脱硫反応器10は、当該水素ガスを用いて天然ガスに含まれる硫黄分を例えばZnO触媒で水添脱硫する。このようにして天然ガスを予め脱硫しておくことにより、改質器12及び気泡塔型反応器30等で用いられる触媒の活性が硫黄により低下することを防止できる。
このようにして脱硫された天然ガス(二酸化炭素を含んでもよい。)は、二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給される二酸化炭素(CO)ガスと、排熱ボイラー14で発生した水蒸気とが混合された上で、改質器12に供給される。改質器12は、例えば、上述した水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。このとき、改質器12には、例えば、改質器12が備えるバーナー用の燃料ガスと空気が供給されており、当該バーナーにおける燃料ガスの燃焼熱により、吸熱反応である上記水蒸気・炭酸ガス改質反応に必要な反応熱がまかなわれている。
このようにして改質器12で生成された高温の合成ガス(例えば、900℃、2.0MPaG)は、排熱ボイラー14に供給され、排熱ボイラー14内を流通する水との熱交換により冷却(例えば400℃)されて、排熱回収される。このとき、排熱ボイラー14において合成ガスにより加熱された水は気液分離器16に供給され、この気液分離器16から気体分が高圧スチーム(例えば3.4〜10.0MPaG)として改質器12または他の外部装置に供給され、液体分の水が排熱ボイラー14に戻される。
一方、排熱ボイラー14において冷却された合成ガスは、凝縮液分が気液分離器18において分離・除去された後、脱炭酸装置20の吸収塔22、又は気泡塔型反応器30に供給される。吸収塔22は、貯留している吸収液内に、合成ガスに含まれる炭酸ガスを吸収することで、当該合成ガスから炭酸ガスを除去する。この吸収塔22内の炭酸ガスを含む吸収液は、再生塔24に送出され、当該炭酸ガスを含む吸収液は例えばスチームで加熱されてストリッピング処理され、放散された炭酸ガスは、再生塔24から改質器12に送られて、上記改質反応に再利用される。
このようにして、合成ガス生成ユニット3で生成された合成ガスは、上記FT合成ユニット5の気泡塔型反応器30に供給される。このとき、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H:CO=2:1(モル比))に調整されている。なお、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスは、脱炭酸装置20と気泡塔型反応器30とを接続する配管に設けられた圧縮器(図示せず。)により、FT合成反応に適切な圧力(例えば3.6MPaG程度)まで昇圧される。
また、上記脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスの一部は、水素分離装置26にも供給される。水素分離装置26は、上記のように圧力差を利用した吸着、脱着(水素PSA)により、合成ガスに含まれる水素ガスを分離する。当該分離された水素は、ガスホルダー(図示せず。)等から圧縮機(図示せず。)を介して、液体燃料合成システム1内において水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、WAX分水素化分解反応器50、灯油・軽油留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)に連続して供給する。
次いで、上記FT合成ユニット5は、上記合成ガス生成ユニット3によって生成された合成ガスから、FT合成反応により、液体炭化水素を合成する。
具体的には、上記脱炭酸装置20において炭酸ガスを分離された合成ガスは、気泡塔型反応器30の底部から流入されて、気泡塔型反応器30内に貯留された触媒スラリー内を上昇する。この際、気泡塔型反応器30内では、上述したFT合成反応により、当該合成ガスに含まれる一酸化炭素と水素ガスとが反応して、炭化水素が生成される。さらに、この合成反応時には、気泡塔型反応器30の伝熱管32内に水を流通させることで、FT合成反応の反応熱を除去し、この熱交換により加熱された水が気化して水蒸気となる。この水蒸気は、気液分離器34で液化した水が伝熱管32に戻されて、気体分が中圧スチーム(例えば1.0〜2.5MPaG)として外部装置に供給される。
このようにして、気泡塔型反応器30で合成された液体炭化水素は、気泡塔型反応器30の中央部から取り出されて、分離器36に送出される。分離器36は、取り出されたスラリー中の触媒(固形分)と、液体炭化水素生成物を含んだ液体分とに分離する。分離された触媒は、その一部を気泡塔型反応器30に戻され、液体分は第1精留塔40に供給される。また、気泡塔型反応器30の塔頂からは、未反応の合成ガスと、合成された炭化水素のガス分とが気液分離器38に導入される。気液分離器38は、これらのガスを冷却して、一部の凝縮分の液体炭化水素を分離して第1精留塔40に導入する。一方、気液分離器38で分離されたガス分については、未反応の合成ガス(COとH)は、気泡塔型反応器30の底部に再投入されてFT合成反応に再利用され、また、製品対象外である炭素数が少ない(C以下)の炭化水素ガスを主成分とする排ガス(フレアガス)は、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
次いで、第1精留塔40は、上記のようにして気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素(炭素数は多様)を加熱して、沸点の違いを利用して分留し、ナフサ留分(沸点が約315℃未満)と、灯油・軽油留分(沸点が約315〜800℃)と、WAX分(沸点が約800℃より大)とに分離・精製する。この第1精留塔40の底部から取り出されるWAX分の液体炭化水素(主としてC21以上)は、WAX分水素化分解反応器50に移送され、第1精留塔40の中央部から取り出される灯油・軽油留分の液体炭化水素(主としてC11〜C20)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52に移送され、第1精留塔40の上部から取り出されるナフサ留分の液体炭化水素(主としてC〜C10)は、ナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
WAX分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部から供給された炭素数の多いWAX分の液体炭化水素(概ねC21以上)を、上記水素分離装置26から供給された水素ガスを利用して水素化分解して、炭素数をC20以下に低減する。この水素化分解反応では、触媒と熱を利用して、炭素数の多い炭化水素のC−C結合を切断して、炭素数の少ない低分子量の炭化水素を生成する。このWAX分水素化分解反応器50により、水素化分解された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器56で気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部から供給された炭素数が中程度である灯油・軽油留分の液体炭化水素(概ねC11〜C20)を、水素分離装置26からWAX分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化精製する。この水素化精製反応は、上記液体炭化水素の不飽和結合に水素を付加して飽和させ、直鎖状飽和炭化水素を生成する反応である。この結果、水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器58で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部から供給された炭素数が少ないナフサ留分の液体炭化水素(概ねC10以下)を、水素分離装置26からWAX分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化精製する。この結果、水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器60で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、ナフサ・スタビライザー72に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
次いで、第2精留塔70は、上記のようにしてWAX分水素化分解反応器50及び灯油・軽油留分水素化精製反応器52から供給された液体炭化水素を蒸留して、炭素数がC10以下の炭化水素(沸点が約315℃未満)と、灯油(沸点が約315〜450℃)と、軽油(沸点が約450〜800℃)とに分離・精製する。第2精留塔70の下部からは軽油が取り出され、中央部からは灯油が取り出される。一方、第2精留塔70の塔頂からは、炭素数がC10以下の炭化水素ガスが取り出されて、ナフサ・スタビライザー72に供給される。
さらに、ナフサ・スタビライザー72では、上記ナフサ留分水素化精製反応器54及び第2精留塔70から供給された炭素数がC10以下の炭化水素を蒸留して、製品としてのナフサ(C〜C10)を分離・精製する。これにより、ナフサ・スタビライザー72の下部からは、高純度のナフサが取り出される。一方、ナフサ・スタビライザー72の塔頂からは、製品対象外である炭素数が所定数以下(C以下)の炭化水素を主成分とする排ガス(オフガス)が排出される。このオフガスは、通常、外部の燃焼設備(図示せず。)に送出されて、フレアガスとして燃焼され、排ガスとして大気中に放出されるが、本実施形態にかかる液体燃料合成システムは、このオフガスに含まれる炭素数が4以下の炭化水素を、以下に詳述する方法を用いて回収し、原料の一部として再利用することに特徴がある。
以上、液体燃料合成システム1の工程(GTLプロセス)について説明した。かかるGTLプロセスにより、天然ガスを、高純度のナフサ(C〜C10:粗ガソリン)、灯油(C11〜C15:ケロシン)及び軽油(C16〜C20:ガスオイル)等のクリーンな液体燃料に、容易且つ経済的に転換することができる。さらに、本実施形態では、改質器12において上記水蒸気・炭酸ガス改質法を採用しているので、原料となる天然ガスに含有されている二酸化炭素を有効に利用し、かつ、上記FT合成反応に適した合成ガスの組成比(例えば、H:CO=2:1(モル比))を改質器12の1回の反応で効率的に生成することができ、水素濃度調整装置などが不要であるという利点がある。
続いて、図2から図4を用いて、ナフサ・スタビライザーの塔頂から排出されるオフガスに含まれる炭素数が4以下の炭化水素を、本実施形態に係る液体燃料合成システム1の原料の一部として供給する供給手段について、詳細に説明する。
図2は、本実施形態にかかる液体燃料合成システムにおいて、ナフサ・スタビライザー72の塔頂から排出されるオフガスを、ナフサ・スタビライザー72よりも上流側の装置に供給する供給手段を説明するためのブロック図である。なお、図2では、説明の便宜上、図1の液体燃料合成システム1の構成要素のうち主要なものを図示し、一部の構成要素については図示を省略してある。
上述のように、ナフサ・スタビライザーの塔頂から排出されるオフガスには、炭素数が4以下の炭化水素が含まれている。これらの炭素数4以下の炭化水素は、製品対象外の炭化水素であるが、第1改質器12に導入される炭化水素原料として利用可能なものである。
図2に示したように、本実施形態に係る構成例では、ナフサ・スタビライザー72の頭頂部に、オフガス回収・供給経路100の端部を接続し、オフガス回収・供給経路100のもう一方の端部を、改質器12の更に上流側に接続する。このような経路100を設けることで、オフガスに含まれる炭素数4以下の炭化水素ガスを、改質器12に導入する炭化水素原料の一部として再利用することができる。
上記のようなオフガス回収・供給経路100を設けることで、改質器12の更に上流側に設けられる天然ガス供給源(図示せず。)から供給される天然ガスの使用量を減らすことができるため、液体燃料合成システム全体としての炭化水素原料の利用効率を向上させることができる。
なお、オフガス回収・供給経路100と、天然ガスを供給する主経路との接続点では、調整弁(図示せず。)等を介して両経路を接続し、経路100内に存在するオフガスの圧力や流量等に応じて、天然ガスの供給量を調節するようにしてもよい。
図3は、本実施形態にかかる液体燃料合成システムにおいて、ナフサ・スタビライザー72の塔頂から排出されるオフガスを、ナフサ・スタビライザー72よりも上流側の装置に供給する別の構成例を説明するためのブロック図である。なお、図3においても、説明の便宜上、図1の液体燃料合成システム1の構成要素のうち主要なものを図示し、一部の構成要素については図示を省略してある。
本構成例においては、ナフサ・スタビライザー72の塔頂から排出されるオフガスを、改質器12とは別に設けた第2改質器102(以下、「改質器102」と称する。)に導入して改質し、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする合成ガスを製造する。オフガスを改質するために要する二酸化炭素は、別途設ける二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給されるようにしてもよいし、改質器12に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給されるようにしてもよいし、水蒸気のみで改質してもよい。
上記の改質器102で合成された合成ガスを、改質器102に接続された合成ガス供給経路104を介して気泡塔型反応器30の上流側へと供給し、FT合成反応等の原料として利用する。上記のように塔頂から排出されるオフガスを改質して合成ガスとして利用することにより、液体燃料合成システム全体としての天然ガスの利用効率を、向上することができる。
なお、改質器12と改質器102で製造される合成ガスの生成量をそれぞれ監視できるようにし、改質器102で反応に十分な量の合成ガスが製造されている場合には、改質器12において製造する合成ガスの量を抑制することにより、天然ガス供給源(図示せず。)から供給される天然ガスの量を削減することも可能である。
図4は、本実施形態にかかる液体燃料合成システムにおいて、ナフサ・スタビライザー72の塔頂から排出されるオフガスを、ナフサ・スタビライザー72よりも上流側の装置に供給する更に別の構成例を説明するためのブロック図である。なお、図4においても、説明の便宜上、図1の液体燃料合成システム1の構成要素のうち主要なものを図示し、一部の構成要素については図示を省略してある。
図4に示した構成例は、ナフサ・スタビライザー72の塔頂から排出されるオフガスを改質する改質器102と、改質器102により合成される一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする合成ガスを一酸化炭素ガスと水素ガスとに分離する水素分離装置106と、水素分離装置106により分離された水素ガスを貯蔵する水素貯蔵装置110とを主に備える。
改質器102については、図3に示したものと同一の機能を有し、同様の効果を奏するものであるため、詳細な説明は省略する。水素分離装置106は、改質器102で合成された合成ガスを、一酸化炭素ガスと水素ガスとに分離する装置である。水素分離装置106には、分離された一酸化炭素ガスを気泡塔型反応器30の更に上流側へ供給する一酸化炭素ガス供給経路108と、分離された水素ガスを貯蔵することができる水素貯蔵装置110とが接続される。上記の水素分離装置106は、合成ガス生成ユニット3中に設けられる水素分離装置26と同一の機能を有し、同様の効果を奏するものを使用することが可能である。
なお、改質器102に、合成された合成ガスを直接改質器12の上流側に供給できるように、別途供給経路を設けてもよい。
一酸化炭素ガス供給経路108は、水素分離装置106によって分離された一酸化炭素ガスを、例えば気泡塔型反応器30に供給される合成ガスの一酸化炭素ガス濃度を調整するために供給する。すなわち、改質器12で生成される合成ガスの一酸化炭素濃度を監視しておき、改質器12からの一酸化炭素供給量が少ない場合には、一酸化炭素ガス供給経路108に設けられた一酸化炭素貯蔵装置および一酸化炭素圧縮機(図示せず。)を介して、一酸化炭素ガス供給経路108から一酸化炭素ガスが改質器12へ供給されるようにしてもよい。
水素貯蔵装置110は、例えば球形貯槽等の耐圧容器で構成される貯蔵タンク等から構成され、水素分離装置106により分離された水素ガスを、例えば液化して貯蔵しておくことができる。この水素貯蔵装置110には、水素ガス供給経路112が接続されている。
水素ガス供給経路112は、本実施形態にかかる液体燃料合成システム1において水素ガスを必要とする、あらゆる箇所に水素ガスを供給して、水素ガス濃度を適宜調整することができる。水素ガスを必要とする箇所とは、例えば、炭化水素原料である天然ガスを水添脱硫する脱硫反応器10や、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする合成ガスから沸点の異なる複数の液体燃料を合成する気泡塔型反応器30や、C=C二重結合やC≡C三重結合などの不飽和炭素−炭素間結合を有する液体燃料を水素化する各水素化反応器50,52,54等である。
本実施形態に係る液体燃料合成システム1では、以上説明したような供給手段を設けることにより、従来の液体燃料合成システムに比べて、原料である天然ガスの使用量をシステム全体で約10〜15%以上削減することが可能である。
なお、水素貯蔵装置110を設けることで、水素ガスが必要となったときに水素貯蔵装置110から水素ガスを瞬時に供給できるようになる。このため、液体燃料合成システム1の再起動時などに、水素貯蔵装置110に貯蔵された水素ガスを水素化反応器50,52,54や脱硫反応器10などの水素利用反応装置に即座に供給できるので、これらの水素利用反応装置を起動して安定動作させるまでに要する時間を最低限に短縮することができる。従って、液体燃料合成システム1全体の起動時間を大幅に短縮できるので、ナフサ、灯油、軽油、ワックス等の液体燃料製品の生産効率を向上することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、液体燃料合成システム1に供給される炭化水素原料として、天然ガスを用いたが、かかる例に限定されず、例えば、アスファルト、残油など、その他の炭化水素原料を用いてもよい。
また、上記実施形態では、液体燃料合成システム1に脱炭酸装置20が設けられた場合について説明したが、場合によっては、脱炭酸装置20を設けなくとも良い。
また、上記実施形態では、気泡塔型反応器30における合成反応として、FT合成反応により液体炭化水素を合成したが、本発明はかかる例に限定されない。気泡塔型反応器における合成反応としては、例えば、オキソ合成(ヒドロホルミル化反応)「RCH=CH+CO+H→RCHCHCHO」、メタノール合成「CO+2H→CHOH」、ジメチルエーテル(DME)合成「3CO+3H→CHOCH+CO」などにも適用することができる。
また、上記実施形態では、水素利用反応装置として、脱硫反応器10、WAX分水素化分解反応器50、灯油・軽油留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54の例を挙げたが、かかる例に限定されず、液体燃料合成システムにおいて水素ガスを利用して所定反応を行う装置であれば、上記以外の任意の装置であってよい。具体的には、水素利用反応装置は、例えば、燃料電池、ナフタレンの水素化反応(ナフタレン→デカリン)を行う装置、芳香族炭化水素(ベンゼン)の水素化反応(ベンゼン→シクロヘキサンなど)を行う装置、あるいは、不飽和脂肪酸への水素添加反応を行う装置などであってもよい。
また、上記実施形態では、合成ガスを液体炭化水素に合成する反応器として、気泡塔型スラリー床式反応器を用いたが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、固定床式反応器などを用いてFT合成反応を行ってもよい。
また、上記実施形態では、ナフサ・スタビライザーの塔頂から排出されるオフガスを例にとって説明を行ったが、ナフサ・スタビライザーの塔頂からの排出ガスに限定されるわけではなく、例えば、他の精留塔の塔頂からの排出ガスや、気液分離器からの排出ガスに対して上記で説明した処理を行うことも可能である。
本発明は、炭化水素原料を改質して一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主成分とする合成ガスを製造する第1改質器と;前記合成ガスに含まれる一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素を合成する反応器と;前記反応器で合成された前記液体炭化水素を加熱して沸点の相違する複数種類の液体燃料を分留する第1精留塔と;前記合成ガスに含まれる前記水素ガスを利用して、前記炭化水素原料または前記液体燃料に対して所定の反応を行う水素利用反応装置と;前記水素利用反応装置から分離・回収される液分を精製する第2精留塔と;前記第2精留塔から排出されるガスを、前記第1改質器、前記水素利用反応装置および前記反応器の少なくともいずれか1つに原料の一部として供給する供給手段と;を備える液体燃料合成システムに関する。
本発明の液体燃料合成システムによれば、原料の利用効率を向上でき、二酸化炭素排出量を削減することができる。

Claims (3)

  1. 炭化水素原料を改質して一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主成分とする合成ガスを製造する第1改質器と;
    前記合成ガスに含まれる一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素を合成する反応器と;
    前記反応器で合成された前記液体炭化水素を加熱して沸点の相違する複数種類の液体燃料留分を分留する第1精留塔と;
    前記合成ガスに含まれる前記水素ガスを利用して、前記炭化水素原料または前記液体燃料留分に対して所定の反応を行う水素利用反応装置と;
    前記水素利用反応装置から分離・回収される液分を少なくとも2つの液分を精製し、複数種類の液体燃料およびガス留分を供する第2精留塔と;
    前記第2精留塔の下流に設けられ、前記第2精留塔から前記ガス留分を供給されるナフサ・スタビライザーと;
    前記ナフサ・スタビライザーから排出されるオフガスを改質して一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主成分とする合成ガスを製造する第2改質器と;
    前記第2改質器により得られる合成ガスから水素ガスを分離する水素分離装置と;を備える液体燃料合成システムであって
    前記水素分離装置によって分離された水素ガスが、供給経路を通じて前記反応器または前記水素利用反応装置に供給される液体燃料合成システム。
  2. 前記水素分離装置により分離された水素ガスを貯蔵する水素貯蔵装置をさらに備える請求項1に記載の液体燃料合成システム。
  3. 前記水素貯蔵装置に貯蔵される前記水素ガスが、前記液体燃料合成システムの起動時に前記水素利用反応装置に供給される請求項2に記載の液体燃料合成システム。
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