JP2003299958A - 水素貯蔵・供給用金属担持触媒、その調製法及びこれを利用した水素貯蔵・供給システム - Google Patents

水素貯蔵・供給用金属担持触媒、その調製法及びこれを利用した水素貯蔵・供給システム

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JP2003299958A
JP2003299958A JP2002107796A JP2002107796A JP2003299958A JP 2003299958 A JP2003299958 A JP 2003299958A JP 2002107796 A JP2002107796 A JP 2002107796A JP 2002107796 A JP2002107796 A JP 2002107796A JP 2003299958 A JP2003299958 A JP 2003299958A
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JP2002107796A
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Masaru Ichikawa
勝 市川
Nobuko Kariya
伸子 仮屋
Yasushi Goto
靖志 五藤
Kazuhiro Fukada
和宏 深田
Kazuhiro Fukaya
和弘 深谷
Yasunori Sukai
保徳 須貝
Tadashi Utagawa
忠 歌川
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Densei Kk
Sekisui Chemical Co Ltd
Densei Communication Inc
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Densei Kk
Sekisui Chemical Co Ltd
Densei Communication Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭内の電力の負荷変動に迅速にリスポンス
できる燃料電池システムを可能とする、低コストで、安
定性、効率性に優れた水素貯蔵・供給システムに用いる
水素貯蔵・供給用金属担持触媒、その調製法及びそれを
用いる水素貯蔵・供給システムの提供。 【解決手段】 芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素
化反応と該芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供
給体の脱水素反応との双方に優れた触媒活性を有する金
属担持触媒であって、1種以上の主担持金属と、1種以
上の副担持金属との、少なくとも2種以上の金属を担持
し、かつ水素化アルカリ金属化合物で、還元・活性化さ
れていることを特徴とする水素貯蔵・供給用金属担持触
媒、その調製法及びそれを用いる水素貯蔵・供給システ
ムにて提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素貯蔵・供給用
金属担持触媒、その調製法及びこれを利用した水素貯蔵
・供給システムに関し、さらに詳しくは、家庭内の電力
の負荷変動に迅速にリスポンスできる燃料電池システム
を可能とする、低コストで、安定性があり、かつ水素貯
蔵体と水素を反応させる水素添加反応及び水素供給体か
ら水素を発生させる脱水素反応の転化率を向上させるこ
とが可能な水素貯蔵・供給システムにおいて用いる金属
担持触媒、その調製法及びこれを利用した水素貯蔵・供
給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の悪化、例えば地球温暖
化等が問題となっており、化石燃料に代わるクリーンな
エネルギー源として水素燃料が、また、その利用形態の
一つとして水素による燃料電池システムが注目を浴びて
いる。水素は水の電気分解により製造できるため、海水
や河川の水を電気分解することを前提とすれば、水素燃
料は無尽蔵に存在することになる。しかしながら、水素
は、常温で気体であり可燃性物質でもあるため、貯蔵や
運搬が難しく、取扱いにも極めて注意を要する。
【0003】分散型電源として住宅用等の燃料電池シス
テムを検討する場合には、水素の供給形態が重要となる
が、水素をそのまま各家庭に供給する方法には、安全性
の問題があるばかりでなく、供給のためのインフラを整
備する必要があるという問題があり、現在、実用化可能
な水素の供給形態として、下記の方法が考えられてい
る。 A.水素をボンベ等に圧入して各家庭に配送する方法。 B.既存インフラである都市ガス、プロパンガスから水
蒸気改質等の方法により水素を得る方法。 C.夜間電力により水を電気分解して水素を得る方法。 D.太陽電池等で得た電気エネルギーにより水を電気分
解して水素を得る方法。 E.光触媒反応により光エネルギーと水から直接水素を
得る方法。 F.光合成細菌や嫌気性水素発生細菌等を用いて水素を
得る方法。
【0004】これらの中で、A.は、供給システムとし
ては容易に実現可能であるが、家庭において水素ガスを
取り扱うことになるので、安全性に問題があり、実用性
は低いと考えられる。一方、B.は、既に家庭内に供給
されているガスが利用できるという点では現実的である
が、家庭内の負荷変動に対する改質器のリスポンス性が
十分ではないという問題がある。また、C.〜F.で
も、供給側と需要側にタイムラグが生じるため、家庭内
の負荷変動に追従できないという問題がある。
【0005】従って、実用化の可能性のある上記B.〜
F.の方法を実現させるために、発生させた水素を一旦
貯蔵し、必要に応じてリスポンスよく水素を燃料電池シ
ステムに供給する水素貯蔵・供給システムが検討されて
おり、例えば、特開平7−192746号公報には、水
素吸蔵合金を用いたシステムが、特開平5−27080
1号公報には、フラーレン類やカーボンナノチューブ、
カーボンナノファイバー等のカーボン材料を用いたシス
テムが開示されている。
【0006】しかしながら、水素吸蔵合金を用いたシス
テムでは、熱によって水素の出し入れを制御できる簡便
なシステム構築を可能にするものの、合金単位重量当た
りの水素貯蔵量が低く、代表的なLaNi合金の場合で
も、水素の吸蔵量は3重量%程度に留まっている。ま
た、合金であるため重く、安定性にも欠ける。さらに、
合金の価格が高いことも実用上の大きな問題点となって
いる。
【0007】また、カーボン材料を用いたシステムで
は、水素の高吸蔵が可能な材料が開発されつつあるもの
の未だ十分ではなく、例えば、カーボンナノチューブ
は、嵩密度が大きくて単位体積当たりの貯蔵量が低いた
め、システムが大型となる。また、これらの材料は、工
業的な規模での合成が難しく、いずれも実用に供するま
でには至っていない。
【0008】かかる状況下、本出願人らは、先に特願2
000−336092号において、低コストで、安全
性、運搬性、貯蔵能力にも優れた水素貯蔵・供給システ
ムとして、ベンゼン/シクロヘキサン系やナフタレン/
デカリン・テトラリン系の炭化水素に着目し、芳香族化
合物からなる水素貯蔵体の水素化反応と、該芳香族化合
物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応との
少なくとも一方を利用して水素の貯蔵及び/又は供給を
行う水素貯蔵・供給システムを提案したが、この水素貯
蔵・供給システムは、シクロヘキサンやデカリン等の飽
和炭化水素を、反応装置内の金属担持触媒(活性炭等の
担体に白金等の金属を担持)に噴射ノズルを用いて霧状
に供給して水素を発生させ、一方、水素が充填された反
応装置内の金属担持触媒にベンゼンやナフタレン溶解液
等を同様に噴射して水素を貯蔵するというものであっ
た。
【0009】しかしながら、上記水素貯蔵・供給システ
ムは、低コストで、かつ安全性、運搬性、貯蔵能力の面
では優れているものの、金属担持触媒に担持させる金属
として白金やパラジウム等を単独で使用していたり(実
施例1)、白金をまず担持し、これにイリジウム等の金
属を担持させた金属担持触媒(実施例2〜7)を使用し
たりしたが、前者では反応速度を向上させるには金属の
量を多くする必要があり、また、後者では、前者より反
応速度は向上したものの、反応効率の大幅な向上は見ら
れなかった。
【0010】また、本出願人らは、特願2000−38
8043号においても、同様に水素の貯蔵及び/又は供
給を行う水素貯蔵・供給システムを提案したが、ここに
おいて使用した金属担持触媒は、特願2000−336
092号の場合と同様に、担持させる金属として白金や
パラジウム等を単独で使用していたため、反応速度を向
上させるには金属の量を多くする必要があり、また、異
なる金属をそれぞれ担持させた2種以上の金属担持触媒
の混合や、一つの担体に2種以上の金属を順次担持させ
た触媒であっても、反応効率の大幅な向上は見られなか
った。さらに、一般に、担持金属を活性化させるには、
水素気流下で300〜400℃の高温に加熱して還元・
活性化させる方法が採用されるが、高温の水素雰囲気下
では、金属同士の凝集や大粒径化が起こりやすく、反応
効率が低下するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした従
来技術の問題点に鑑み、家庭内の電力の負荷変動に迅速
にリスポンスできる燃料電池システムを可能とする、低
コストで、安定性があり、かつ水素貯蔵体と水素を反応
させる水素添加反応及び水素供給体から水素を発生させ
る脱水素反応の転化率を向上させることが可能な水素貯
蔵・供給システムに用いる金属担持触媒、その調製法及
びこれを利用した水素貯蔵・供給システムを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究した結果、芳香族化合物からなる
水素貯蔵体の水素化反応と、該芳香族化合物の水素化誘
導体からなる水素供給体の脱水素反応との少なくとも一
方を利用して水素の貯蔵及び/又は供給を行う水素貯蔵
・供給システムにおいて、原料貯蔵手段、反応装置、原
料供給手段、気液分離手段および反応物回収手段からな
るシステムを構築し、その際、反応装置中に収納された
金属担持触媒として、1種以上の主担持金属と、1種以
上の副担持金属との、少なくとも2種以上の金属を担持
し、かつ水素化アルカリ金属化合物で、還元・活性化さ
れている金属担持触媒を用いると、上記課題が達成され
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素化反応と該芳香
族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反
応との双方に優れた触媒活性を有する金属担持触媒であ
って、担持金属として、1種以上の主担持金属(M
と、1種以上の副担持金属(M)とからなる少なくと
も2種の金属元素を含むことを特徴とする水素貯蔵・供
給用金属担持触媒が提供される。
【0014】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、主担持金属(M)は、ニッケル、パ
ラジウム、白金、バナジウム、クロム、コバルト、また
は鉄から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、一
方、副担持金属(M)は、パラジウム、ロジウム、イ
リジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タング
ステン、バナジウム、オスミウム、クロム、またはコバ
ルトから選ばれる少なくとも1種の金属元素である(但
し、主担持金属と副担持金属は、同一の場合は除く。)
ことを特徴とする水素貯蔵・供給用金属担持触媒が提供
される。
【0015】本発明の第3の発明によれば、第1の発明
において、主担持金属(M)と副担持金属(M)と
の担持割合は、原子比で(M)/(M)=0.01
〜1であることを特徴とする水素貯蔵・供給用金属担持
触媒が提供される。
【0016】本発明の第4の発明によれば、第1の発明
において、上記金属担持触媒の担体は、活性炭、カーボ
ンナノチューブ、モレキュラシーブ、ゼオライト、シリ
カゲル、またはアルミナであることを特徴とする水素貯
蔵・供給用金属担持触媒が提供される。
【0017】本発明の第5の発明によれば、第1〜4の
いずれかの発明において、まず、主担持金属(M)を
含む金属酸又はその塩、金属塩或いは金属錯体を溶解さ
せた第1の水溶液と、副担持金属(M)を含む金属酸
又はその塩、金属塩或いは金属錯体を溶解させた第2の
水溶液を調製し、次いでこれら2つの水溶液を混合した
混合液に担体を浸漬した後、水洗い、乾燥し、最後に、
水素化アルカリ金属化合物で還元、活性化させることに
より、担体上に主担持金属(M)と副担持金属
(M)を担持させることを特徴とする水素貯蔵・供給
用金属担持触媒の調製法が提供される。
【0018】本発明の第6の発明によれば、第5の発明
において、第1の水溶液は、塩化白金酸6水和物の水溶
液であり、一方、第2の水溶液は、塩化ロジウム3水和
物の水溶液であることを特徴とする水素貯蔵・供給用金
属担持触媒の調製法が提供される。
【0019】本発明の第7の発明によれば、第6の発明
において、上記水素化アルカリ金属化合物は、水素化ホ
ウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素
カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、または水素化カリウムから選ば
れる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする水
素貯蔵・供給用金属担持触媒の調製法が提供される。
【0020】本発明の第8の発明によれば、第1〜4の
いずれかの発明に記載の水素貯蔵・供給用金属担持触媒
を使用することを特徴とする水素貯蔵・供給システムが
提供される。
【0021】本発明の第9の発明によれば、第8の発明
において、上記水素貯蔵・供給システムは、水素貯蔵体
及び/又は水素供給体を収納する原料貯蔵手段(a)
と、水素貯蔵体の水素化及び/又は水素供給体の脱水素
化を行わせる金属担持触媒を収納する反応装置(b)
と、該金属担持触媒を加熱する加熱手段(c)と、原料
貯蔵手段内の水素貯蔵体及び/又は水素供給体を反応装
置へ供給する原料供給手段(d)と、反応装置からの生
成気体を凝縮させて水素と水素貯蔵体及び/又は水素供
給体に分離する気液分離手段(e)と、分離した水素貯
蔵体及び/又は水素供給体を回収する反応物回収手段
(f)とを含むことを特徴とする水素貯蔵・供給システ
ムが提供される。
【0022】本発明の第10の発明によれば、第9の発
明において、上記水素貯蔵体は、ベンゼン、トルエン、
キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレ
ン、アントラセン、ビフェニル、又はフェナンスレンか
らなる芳香族炭化水素化合物、或いはそのアルキル誘導
体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特
徴とする水素貯蔵・供給システムが提供される。
【0023】本発明の第11の発明によれば、第9の発
明において、上記水素供給体は、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、
1,3−ジメチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレ
ン(デカリン)、又はそれらのアルキル誘導体から選ば
れる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする水
素貯蔵・供給システムが提供される。
【0024】本発明の第12の発明によれば、第9の発
明において、上記水素貯蔵体の水素化又は水素供給体の
脱水素化反応は、温度50〜500℃、圧力0.1〜5
0気圧の条件下で行われることを特徴とする水素貯蔵・
供給システムが提供される。
【0025】本発明の第13の発明によれば、第9の発
明において、上記水素貯蔵体は、水の電気分解装置から
得られた水素により水素化されることを特徴とする水素
貯蔵・供給システムが提供される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属担持触媒及び
これを利用した水素貯蔵・供給システムについて、各項
目毎に詳細に説明する。
【0027】1. 金属担持触媒 本発明で使用される金属担持触媒は、芳香族化合物から
なる水素貯蔵体の水素化反応と、該芳香族化合物の水素
化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応との両方の反
応を促進する機能をもつものであり、下記の担体に少な
くとも2種以上の金属を担持させて得られたものであ
る。
【0028】1.1 担持される金属 担持される主金属としては、ニッケル、パラジウム、白
金、バナジウム、クロム、コバルト、及び鉄の貴金属類
等が挙げられ、また、上記主金属と共に担持される副金
属としては、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテ
ニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジ
ウム、オスミウム、クロム、コバルトの貴金属類等が挙
げられる。その内、白金、タングステン、レニウム、モ
リブデン、ロジウム、バナジウムは、活性、安定性、取
扱い性等の面から特に好ましい。但し、主金属と副金属
は、同一の場合は、その金属単体の場合と反応速度は変
わらないので、本発明からは除く。
【0029】これらの金属は、担体に担持させるとき
は、金属酸、金属酸塩、金属塩又は金属錯体の水溶液と
して準備し、水溶液中に担体を浸漬させることによって
担持させる。これらの金属の、金属酸、金属酸塩、金属
塩又は金属錯体は、下記のものが挙げられる。
【0030】ニッケル:臭化ニッケル、ヨウ化ニッケ
ル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、
トリス(エチレンジアミン)ニッケル パラジウム:塩化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パ
ラジウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テト
ラクロロパラジウム酸カリウム、テトラクロロパラジウ
ム酸アンモニウム、テトラクロロパラジウム酸パラジウ
ム、テトラブロモパラジウム酸カリウム、酢酸パラジウ
ム、テトラアミンパラジウム、ビス(エチレンジアミ
ン)パラジウム。
【0031】白金:塩化白金、硫酸白金、テトラクロロ
白金酸ナトリウム、テトラクロロ白金酸カリウム、テト
ラクロロ白金酸アンモニウム、ヘキサクロロ白金酸、テ
トラクロロ白金酸ナトリウム、ヘキサクロロ白金酸、テ
トラブロモ白金酸ナトリウム、テトラブロモ白金酸カリ
ウム、酢酸白金、テトラアミン白金、ビス(エチレンジ
アミン)白金、トリス(エチレンジアミン)白金。
【0032】バナジウム:フッ化バナジウム三水和物、
塩化バナジウム、臭化バナジウム、ヨウ化バナジウム、
硫酸バナジウム、ヘキサカルボニルバナジン酸ナトリウ
ム、クロロビス(シクロペンタジエニル)バナジウム、
ジクロロビス(シクロペンタジエニル)バナジウム。
【0033】クロム:フッ化クロム、塩化クロム六水和
物、臭化クロム六水和物、ヨウ化クロム、硝酸クロム九
水和物、酢酸クロム一水和物、シュウ酸クロム六水和
物、トリス(エチレンジアミン)クロム三水和物。
【0034】コバルト:フッ化コバルト、塩化コバルト
六水和物、過塩素酸コバルト六水和物、臭化コバルト、
ヨウ化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト六水和
物、酢酸コバルト、ペンタアンミンニトロコバルト、ト
リス(エチレンジアミン)コバルト、エチレンジアミン
テトラアセタトコバルト酸カリウム二水和物。
【0035】鉄:二塩化鉄、二塩化鉄四水和物、三塩化
鉄、三塩化鉄六水和物、過塩素酸鉄六水和物、臭化鉄、
臭化鉄六水和物、ヨウ化鉄、ヨウ化鉄四水和物、硫酸
鉄、硝酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、テトラカルボニルビ
ス(シクロペンタジエニル)二鉄。
【0036】ロジウム:三塩化ロジウム三水和物、硫酸
ロジウム、硝酸ロジウム、ヘキサクロロロジウム酸ナト
リウム、ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム、トリス
(オキサラト)ロジウム酸カリウム、テトラ(アセタ
ト)ジアクア二ロジウム、ヘキサアンミンロジウム、ト
リス(エチレンジアミン)ロジウム。
【0037】イリジウム:塩化イリジウム、臭化イリジ
ウム、ヘキサクロロイリジウム酸カリウム三水和物、ヘ
キサクロロイリジウム酸ナトリウム六水和物、ビス(硫
酸)カリウムイリジウム、トリス(オキサラト)イリジ
ウム酸カリウム四水和物、ヘキサアンミンイリジウム。
【0038】ルテニウム:塩化ルテニウム、臭化ルテニ
ウム、ヘキサアンミンルテニウム、ペンタアンミン(二
窒素)ルテニウム、トリス(エチレンジアミン)ルテニ
ウムヨウ化物、ヘキサアンミンルテニウム、ペンタアン
ミンクロロルテニウム、テトラキス(アセタト)クロロ
二ルテニウム、トリス(オキサラト)ルテニウム酸カリ
ウム、トリカルボニルジクロロルテニウム、ペンタカル
ボニルルテニウム。
【0039】モリブデン:臭化モリブデン、五塩化三酸
化モリブデン、ペンタクロロオキソモリブデン酸アンモ
ニウム、オクタシアノモリブデン酸カリウム二水和物、
三モリブデン酸ナトリウム七水和物、七モリブデン酸ナ
トリウム、七モリブデン酸アンモニウム四水和物、八モ
リブデン酸ナトリウム、ホスホ十二モリブデン酸三水素
水和物、ホスホ十二モリブデン酸三アンモニウム。
【0040】レニウム:塩化レニウム、臭化レニウム、
オクタクロロ二レニウム酸テトラブチルアンモニウム、
ペンタクロロオキソレニウム酸カリウム、ビス(エチレ
ンジアミン)ジオキソレニウム、デカカルボニル二レニ
ウム、ペンタカルボニルクロロレニウム、ペンタカルボ
ニルメチルレニウム。
【0041】タングステン:フッ化タングステン、塩化
タングステン、臭化タングステン、ヨウ化タングステ
ン、四フッ化酸化タングステン、四塩化酸化タングステ
ン、四臭化酸化タングステン、二塩化二酸化タングステ
ン、ノナクロロ二タングステン酸カリウム、オクタシア
ノタングステン酸カリウム一水和物、オクタシアノタン
グステン酸カリウム二水和物、十二タングステン酸ナト
リウム水和物、十二タングステン酸カリウム水和物、十
二タングステン酸アンモニウム水和物、ホスホ十二タン
グステン酸ナトリウム水和物、ホスホ十二タングステン
酸三水素水和物。
【0042】オスミウム:フッ化オスミウム、塩化オス
ミウム、二フッ化三酸化オスミウム、酸化オスミウム、
ヘキサクロロオスミウム酸ナトリウム二水和物、ヘキサ
クロロオスミウム酸カリウム三水和物、ヘキサクロロオ
スミウム酸カリウム、トランス−テトラクロロジオキソ
オスミウム酸カリウム、ヘキサアンミンオスミウム臭化
物、ヘキサシアノオスミウム酸カリウム三水和物、トリ
クロロトリス(トリエチルホスフィン)オスミウム。
【0043】金属担持触媒における金属の担持率は、担
体に対して通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5
〜20重量%である。また、2種以上の金属を用いる本
願発明の金属担持触媒では、主金属M1に対して副金属
M2の添加量が、M2/M1原子数比で0.01〜1で
あることが好ましい。また、より好ましくは、M2/M
1原子数比で0.05〜0.6である。M2/M1原子
数比で0.01未満の場合、2種以上の金属を用いる効
果が得られず、1以上では十分な反応が得られなくな
る。なお、M及びMは、各々以下に示す金属であ
る。 M:ニッケル、白金、バナジウム、クロム、コバル
ト、鉄 M:パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウ
ム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウ
ム、オスミウム、クロム、コバルト
【0044】1.2 担体 一方、活性金属を担持する担体としては、公知の担体な
らば特に限定されないが、例えば、活性炭、カーボンナ
ノチューブ、モレキュラシーブ、ゼオライト等の多孔質
担体、又はシリカゲル、アルミナ等を用いるのが好まし
い。
【0045】1.3 担持率 金属担持触媒における金属の担持率は、担体に対して通
常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%
である。また、2種以上の金属を用いる本願発明の金属
担持触媒では、主金属M1に対して副金属M2の添加量
が、M2/M1原子数比で0.01〜1であることが好
ましい。また、より好ましくは、M2/M1原子数比で
0.05〜0.6である。M2/M1原子数比で0.0
1未満の場合、2種以上の金属を用いる効果が得られ
ず、1以上では十分な反応が得られなくなる。なお、M
1及びM2は、各々以下に示す金属である。 M:ニッケル、白金、バナジウム、クロム、コバル
ト、鉄 M:パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウ
ム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウ
ム、オスミウム、クロム、コバルト
【0046】1.4 金属担持触媒の形状 また、上記金属担持触媒の形状は、特に限定されず、顆
粒状、シート状、織布状、ハニカム状、メッシュ状、ポ
ーラス状等、使用形態に合わせて適宜選択される。
【0047】1.5 2種以上の金属を同一担体に担持
させるための手段 本発明は、水素貯蔵・供給システムにおいて、反応装置
(b)中に収納された金属担持触媒が、1種以上の主担
持金属と、1種以上の副担持金属との、少なくとも2種
以上の金属を担持することを特徴とするものであるか
ら、この手段について更に詳細に説明する。
【0048】1.5−1 担体への複数の金属を担持さ
せるための前処理 担体に担持すべき金属の金属酸、金属酸塩、金属塩又は
金属錯体の水溶液を、担持金属の量が担体の量に応じた
所定の量になるように濃度及び液量を調整して作製す
る。次に、担体に担持すべき複数の金属の上記水溶液を
混合し、その中に担体を浸漬させ、十分に攪拌して一夜
放置する。そして、混合液から担体を取り出し、水洗し
て乾燥させる。
【0049】1.5−2 担持金属を還元・活性化させ
るための後処理 上記水洗・乾燥させた担体を、水素化ホウ素ナトリウム
水溶液などの水素化アルカリ金属水溶液中に浸漬させ、
担持金属を還元させて担体表面上に担持させることによ
り少なくとも2種以上の金属を担持させた金属担持触媒
が作製される。水素化アルカリ金属化合物としては、水
素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化
ホウ素カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化
リチウム、水素化ナトリウム又は水素化カリウムから選
ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0050】1.5−3 2種以上の金属を担持するこ
との作用効果 反応機構の異なる2種以上の金属を同一担体上に担持さ
せることによって、触媒による反応効率を向上させるこ
とができる。例えば、主金属として白金を、副金属とし
てロジウムを同一担体上に担持させた場合、白金は水素
−水素結合の着脱を活性化するのに対して、ロジウムは
水素−炭素結合の着脱を活性化するので、このような2
種の金属が同一担体上に近接して存在すると、例えば、
水素供給体からの脱水素による水素発生反応において
は、まずロジウム上で水素−炭素結合が切断され、生成
した水素ラジカルが、その近傍に存在する白金上でただ
ちに水素分子となり、反応系から離れていく。
【0051】また、水素化ホウ素ナトリウム水溶液など
の水素化アルカリ金属水溶液中への浸漬による低温での
担持金属の還元・活性化は、マイルドな環境下での反応
のため、担体上での金属の移動・凝縮・大粒径化が起こ
りにくくなり、高温水素流下での還元・活性化に比べ
て、高分散化・小粒径化・大表面積化可能な触媒を作製
することができ、結果として触媒による反応効率を向上
させることができる。
【0052】2.水素貯蔵・供給システムの基本構成 本発明の水素貯蔵・供給システムは、水素貯蔵体及び/
又は水素供給体を収納する原料貯蔵手段(a)と、水素
貯蔵体の水素化及び/又は水素供給体の脱水素化を行わ
せる金属担持触媒を収納する反応装置(b)と、該金属
担持触媒を加熱する加熱手段(c)と、原料貯蔵手段内
の水素貯蔵体及び/又は水素供給体を反応装置へ供給す
る原料供給手段(d)と、反応装置からの生成気体を凝
縮させて水素と水素貯蔵体及び/又は水素供給体に分離
する気液分離手段(e)と、分離した水素貯蔵体及び/
又は水素供給体を回収する反応物回収手段(f)が具備
されていることを基本構成とする。上記基本構成には、
反応装置における水素化反応及び/又は脱水素反応の条
件を制御する制御手段を含ませることが好ましい。以
下、本発明に係る水素貯蔵・供給システムの実施の形態
について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0053】図1は、水素の貯蔵と供給の少なくとも一
方を行うことができる水素貯蔵・供給システムの構成を
模式的に示す説明図である。図1の構成は、水素の貯蔵
と供給の両方が可能なシステムを示しているが、不要な
手段を省き、いずれか一方のみが可能なように構成して
もよい。この水素貯蔵・供給システム1は、主に、原料
貯蔵手段2と、原料送出手段3と、反応装置4と、気体
分離手段5と、反応物回収手段8と、制御手段10とを
備えている。
【0054】原料貯蔵手段2は、タンク状に形成され、
水素貯蔵体であるベンゼン又は水素供給体であるシクロ
へキサンが収納される。また、原料供給手段3は、原料
貯蔵手段2から導いたベンゼン又はシクロへキサンを加
圧して反応装置4に原料を供給するための構成部であ
り、コンプレッサ(ポンプ)31と、電磁弁よりなるバ
ルブ32とにより構成されており、原料貯蔵手段2と配
管接続されている。バルブ32により、反応装置4に供
給される原料の供給量や供給時間が制御される。
【0055】反応装置4は、ベンゼン又はシクロへキサ
ンを金属担持触媒に噴射、供給して、水素付加反応又は
脱水素反応を行わせる構成部である。反応装置4の内面
底部には、ハニカムシート状の触媒41が設けられてお
り、反応装置4の上部中央付近には、触媒41に対向し
て、原料供給手段3に配管接続された噴射ノズル42が
設けられている。噴射ノズル42は、原料が触媒上に均
一に噴射されるように設置されており、原料を噴射ノズ
ル42から噴射することにより、反応装置4内の触媒4
1表面に、原料の均一な液膜が形成される。
【0056】触媒41としては、本実施の形態では、ハ
ニカムシート状の活性炭素地に主金属として白金を、副
金属としてロジウムを担持させた触媒を用い、反応装置
内の触媒重量を5gとしているが、その重量や大きさは
必要に応じて調整すべき因子であり、特に限定されな
い。
【0057】反応装置4の底部には、触媒41を加熱す
るヒーター43が備えられている。ヒーター43は、ニ
クロム線による抵抗加熱体であり、触媒41に接してい
るアルミ製のヒーター格納部44に一体的に内蔵され、
ヒーター格納部44を介して熱伝導により触媒41が加
熱される。また、触媒41に接した熱電対45により触
媒温度を検知し、ヒーターへの供給熱量を調整して触媒
41の温度が調整される。ところで、本実施の形態で
は、触媒の加熱にニクロム線による抵抗加熱体を用いて
いるが、加熱手段は特に限定されず、電磁誘導コイルに
高周波電流を流すことにより発生させた高周波で導電体
を誘導加熱する高周波誘導加熱等も使用できる。高周波
誘導加熱を用いる場合は、金属担持触媒の担体としてカ
ーボン等の導電体を用い、渦電流が発生する形状に形成
することにより、触媒を直接加熱することができる。
【0058】触媒41の温度は、ヒーター43により、
ベンゼンの水素付加反応によりシクロへキサンを生成さ
せる際には、約60〜120℃に加熱する。変換効率を
考慮すると、95〜105℃に加熱することが好まし
い。また、シクロへキサンの脱水素反応によりベンゼン
を生成させる際には、約220〜400℃に加熱する。
同様に変換効率を考慮すると、250〜380℃に加熱
することが好ましい。なお、後者の触媒温度を高目に設
定するのは、水素付加反応は発熱反応であり、脱水素反
応は吸熱反応であるため、後者は熱エネルギーをより多
く必要とするからである。反応装置4は、電磁弁よりな
るバルブ6を介して気液分離手段5に、また、電磁弁よ
りなるバルブ7を介して水素供給手段(図示せず)に配
管接続されている。
【0059】バルブ6は、反応装置4内の生成物を気液
分離手段5に導くときに使用される。反応装置4におい
て、水素とベンゼンとの間で水素付加反応が起きるとシ
クロヘキサンが生成し、また、シクロヘキサンの脱水素
反応が起きるとベンゼンと水素が生成するが、これらの
生成物は気体であるため、気液分離手段5は、反応装置
4から送られてくるベンゼン又はシクロへキサンを完全
に液化させて水素を分離するために設けられている。ま
た、バルブ7は、水素を、水素供給手段から反応装置4
内に導入・制御するためのバルブであり、水素付加反応
でベンゼンからシクロヘキサンを生成させるときに使用
するものである。なお、水素は住宅の屋根等にとりつけ
られた太陽電池パネルにより発電した電力や商用電力の
夜間電力を利用して電気分解装置で水が電気分解された
ものであってもよい。
【0060】気液分離手段5は、冷却水による冷却を行
う、らせん状細管、交互冷却パイプ構造等の熱交換器5
1aからなる蒸気凝縮部51と、水素に同伴する液滴を
分離する、活性炭や水素セパレータ膜等の水素分離部5
2aからなる水素抽出部52とにより構成されている。
蒸気凝縮部51は、発生した水素と芳香族化合物及び水
素化芳香族化合物との気液分離を効率的に実現するた
め、例えば、冷却水温度(例えば5〜20℃)を調節し
て最適化を図ることが好ましい。
【0061】水素抽出部52は、通常、蒸気凝縮部51
の接触面積、冷却水温度、発生水素速度等の諸因子を操
作することにより、水素の分離・精製を行うことが可能
であるため、必ずしも必要とはしないが、より高純度
(99.9%以上)の水素の供給が要求される場合に
は、活性炭や、水素セパレータ膜のシリカ分離膜やパラ
ジウム・銀分離膜等の従来技術を用いて水素の高純度化
を行う必要があるので、本実施の形態では追加設置して
いる。なお、反応物回収手段8と水素抽出部52との間
に、例えばガラスウール、ワイヤーメッシュ等を充填し
た気液分離部(図示せず)を設けて、水素抽出部52へ
の液滴の同伴量を減少させることもできる。
【0062】反応物回収手段8は、気液分離手段5の蒸
気凝縮部51と配管接続されており、蒸気凝縮部51で
冷却されて液化したシクロヘキサン又はベンゼンは、反
応物回収手段8に送られて回収される。また、反応物回
収手段8は、気液分離手段5の水素抽出部52とも配管
接続されており、生成した水素は、蒸気凝縮部51で液
化したシクロヘキサン又はベンゼンと共に一旦反応物回
収手段8に入った後、水素抽出部52に送られ、水素抽
出部52内に設置された活性炭や水素セパレータ膜から
なる水素分離部52aにより、質量が軽く、また拡散速
度が大きい水素ガスのみが分離精製される。精製された
水素は、水素抽出部52に接続された配管91及び水素
放出側バルブ92を通って外部、例えば、住宅用燃料電
池システム等に効率的に供給される。
【0063】上述のように、気液分離手段5の水素抽出
部52は、通常は不用なので、気液分離手段5の蒸気凝
縮部51と水素抽出部52出口とを直接配管接続し、水
素抽出部52をバイパスして水素を配管91に送り、蒸
気凝縮部51の底部に溜まった液状のシクロヘキサン又
はベンゼンを反応物回収手段8に回収してもよい。ま
た、配管91には、発生ガス量を計測するためのセンサ
93が設置されているため、水素の発生量を測定するこ
とができる。
【0064】一方、コンプレッサ(ポンプ)31、バル
ブ32、ヒーター43、熱電対45、バルブ6、バルブ
7、バルブ92、センサ93は、それぞれ制御手段10
と電気的に接続されており、熱電対45、センサ93等
からの情報をもとに、コンプレッサ(ポンプ)や各バル
ブの作動、ヒーターへの熱量(制御手段は図示せず)を
制御できるように構成されている。本発明の水素貯蔵・
供給システムの基本構成について、以上図1に基づき詳
細に説明したが、図2に示す基本構成も本発明の水素貯
蔵・供給システムに適用できる。
【0065】図2の基本構成は、図1の構成と比較して
基本的に反応装置4の構成が異なるのみなので、反応装
置4の構成について詳述する。図2の反応装置4は、ベ
ンゼン又はシクロへキサンを触媒に接触させて、水素付
加反応又は脱水素反応を行わせる構成部であるが、少な
くとも1本の筒状体で反応装置を形成することを特徴と
する。反応装置4は、アルミナ、セラミック等の耐熱性
の高い絶縁体の筒状体で形成されており、筒状体本体4
2の内部には、ポーラスな触媒41が収納されている。
筒状体本体42の一端42aは原料供給手段3に配管接
続されており、原料供給装置3からの原料が、例えば分
散板により、触媒41上に均一に分散される。尚、反応
装置4は、原料の均一な分散、触媒の加熱効率等の観点
から、複数の細管で形成してもよい。
【0066】ここで、筒状体本体42は、流路を保ちな
がら金属担持触媒を充填できるものであれば任意の形状
でよく、また、内径をすり鉢状や蛇腹状のように変化さ
せてもよく、その形状寸法は使用状態に合わせて適宜選
択することができる。また、筒状体本体42は、ニクロ
ム線等のヒーターにより触媒を加熱する場合には、アル
ミ等の熱伝導性のよい材質で形成するのが好ましい。
【0067】触媒41としては、本実施の形態では、活
性炭素地に主金属として白金を、副金属としてロジウム
担持させた、原料及び反応生成物が透過可能なポーラス
な触媒を用い、反応装置内の触媒の重量を5gとしてい
るが、その重量や大きさは必要に応じて調整すべき因子
であり、特に限定されない。
【0068】また、触媒の加熱手段としては、特に限定
されず、ニクロム線ヒーターによる抵抗加熱、高周波誘
導加熱等が使用できるが、本実施の形態においては、反
応装置4の筒状体本体42を取り巻くように、触媒41
を加熱するコイル状の電磁誘導コイル11が配置されて
おり、触媒41に接した熱電対45により触媒温度を検
知し、電磁誘導コイルへの高周波電流を調整して触媒4
1の温度が調整される。
【0069】尚、高周波誘導加熱は、電磁誘導コイルに
高周波電流を流すことにより発生させた高周波で導電体
を誘導加熱するもので、電磁誘導作用により導電体に渦
電流が発生し、ジュール熱によって導電体が過熱される
ものである。電磁誘導コイルに印加する高周波電流の周
波数としては、加熱する導電体とのインピーダンスマッ
チングにもよるが、一般的には350〜450kHzが
使用される。
【0070】電磁誘導コイルの形状としては、一般的な
コイル形状の他、渦巻き形状が採用できる。コイル形状
の場合は、加熱する導電体をコイルの中心に、渦巻き形
状の場合は、導電体を渦巻きの中心線上に配置すると、
効率的かつリスポンスよく加熱できる。
【0071】高周波誘導加熱を行う場合には、電磁誘導
コイルに高周波電流を流し続けると導電体が加熱され続
けるため、一般的には温度制御が必要となる。温度制御
の方法としては、導電体の温度を測定して電磁誘導コイ
ルに流れる高周波電流を制御する種々のフィードバック
制御が可能であり、本発明で用いる加熱温度(100〜
500℃)においては、一般的な熱電対によるフィード
バック制御で十分である。また、加熱のために投入され
るエネルギーと反応に要するエネルギーとのバランスを
取るために、反応に必要な単位時間当たりの熱量を求め
て電磁誘導コイルに印加する電流(電力)を制御するこ
とも可能である。
【0072】また、より効率的に、かつリスポンスよく
加熱を行うためには、金属担持触媒の担体としてカーボ
ン等の導電体を用い、渦電流が発生する形状に形成する
ことにより、金属担持触媒を直接加熱することが好まし
い。担体が非導電体の場合には、担体とステンレス等の
一般的な導電体とを層状又はブレンド状等に形成し、担
体に導電性を付与する。さらに、金属担持触媒のみを効
率よく瞬時に加熱するために、筒状体本体をアルミナや
セラミック等の耐熱性の高い絶縁体で形成する。筒状体
本体が複数の場合には、各筒状体本体を電磁誘導コイル
で取り囲んで各々加熱するようにしてもよく、複数の筒
状体本体をまとめて1つの電磁誘導コイルで取り囲んで
加熱してもよい。尚、筒状体本体の長手方向に電磁誘導
コイルを複数配置し、例えば、原料の供給側から順に触
媒温度が高くなるように加熱してもよい。
【0073】触媒41の温度は、電磁誘導コイル11に
より、ベンゼンの水素付加反応によりシクロへキサンを
生成させる際には、約60〜120℃に加熱する。変換
効率を考慮すると、95〜105℃に加熱することが好
ましい。また、シクロへキサンの脱水素反応によりベン
ゼンを生成させる際には、約220〜400℃に加熱す
る。同様に変換効率を考慮すると、250〜300℃に
加熱することが好ましい。尚、後者の触媒温度を高目に
設定するのは、水素付加反応は発熱反応であり、脱水素
反応は吸熱反応であるため、後者は熱エネルギーをより
多く必要とするからである。また、反応装置4の筒状体
本体42の他端42bは電磁弁よりなるバルブ6を介し
て気体分離手段5に配管接続され、反応装置4と原料供
給手段3との間の配管は、分岐されて電磁弁よりなるバ
ルブ7を介して水素供給手段(図示せず)に配管接続さ
れている。
【0074】3. 水素貯蔵・供給システムの稼動方法 本発明の水素貯蔵・供給システムは、上述のような構成
からなり、かつ、反応装置(b)中に収納された金属担
持触媒が、1種以上の主担持金属と、1種以上の副担持
金属との、少なくとも2種以上の金属を担持しているこ
とを特徴とする。
【0075】3.1 水素付加反応及び脱水素反応 本発明の水素貯蔵・供給システムを用いてベンゼンの水
素付加反応により水素を貯蔵する手順と、シクロヘキサ
ンの脱水素反応により外部に水素を供給する手順との一
例を、図1に基づいて簡単に説明する。ベンゼンへの水
素付加反応により水素を貯蔵する場合には、まず、反応
装置4内のヒーター43に通電して触媒41の温度を1
00℃前後に調整しながら、バルブ7を開いて、水素供
給手段(図示せず)より反応装置4に水素を供給し、水
素を反応装置4内部に充填する。次に、バルブ7を閉
じ、バルブ32を開くと共に、コンプレッサ(ポンプ)
31を作動させて、原料貯蔵手段2内のベンゼンを反応
装置4に所定量供給し、噴射ノズル42より触媒41に
向けてベンゼンを噴射する。
【0076】このとき、水素付加反応に伴なって気体状
のシクロヘキサンが生成するが、生成したシクロヘキサ
ンは、気液分離手段5の蒸気凝縮部51で冷却されて液
状となり、反応物回収手段8に移動して反応物回収手段
8内に蓄えられる。一方、未反応の水素は、一旦反応物
回収手段8に入り、気液分離手段5の水素抽出部52を
経由して、外部に移動するが、水素供給手段に接続して
回収し、循環使用するように構成してもよい。
【0077】一方、シクロヘキサンの脱水素反応により
水素を外部に供給する場合には、まず、反応装置4内の
ヒーター43に通電して触媒41の温度を350℃前後
に調整しながら、バルブ32を開くと共に、コンプレッ
サ(ポンプ)31を作動させて、原料貯蔵手段2内のシ
クロヘキサンを反応装置4に所定量供給し、噴射ノズル
42より触媒41に向けてシクロヘキサンを噴射させ
る。噴射終了後は、コンプレッサ(ポンプ)31の作動
を停止させると共に、バルブ32を閉じる。
【0078】このとき、脱水素反応に伴なって気体状の
ベンゼンと水素が生成するが、生成したベンゼンは、気
液分離手段5の蒸気凝縮部51で冷却されて液状とな
り、反応物回収装置8に移動して反応物回収手段8内に
蓄えられる。一方、生成した水素は、一旦反応物回収手
段8に入り、気液分離手段5の水素抽出部52から配管
91、センサ93を経由して、外部に移動する。
【0079】以上、燃料電池への適用を前提に本発明の
水素貯蔵・供給システムを説明したが、当然のことなが
ら、本発明の水素貯蔵・供給システムを燃料電池以外の
発電装置に適用してもよい。例えば、水素を燃やしてス
チームを発生させ、タービンを回転させて発電機によっ
て電気をつくるようにしてもよい。また、従来の火力発
電所や原子力発電所等の電気供給システムと、本発明の
水素貯蔵・供給システムとを併用してもよい。
【0080】3.2 反応圧力 水素貯蔵システムにおける芳香族化合物の水素化/脱水
素化反応時の水素分圧は、通常は0.1〜50気圧、好
ましくは0.1〜10気圧、より好ましくは0.5〜5
気圧である。水素化反応では高い水素分圧の方が反応は
速いが、必要以上に高すぎると容器の耐圧性が問題とな
る。一方、脱水素化反応時は上記水素分圧範囲内の低圧
側が好ましい。
【0081】4. 水素貯蔵・供給システムにおいて用
いられる原料
【0082】4.1 芳香族化合物=水素貯蔵体 本発明に用いられる芳香族化合物としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチル
ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナンスレ
ン、エチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン等の芳香
族炭化水素化合物、又はそれらのアルキル誘導体が挙げ
られるが、この中でもベンゼン、トルエン、キシレン、
ナフタレン等が効率の面から特に好適に使用される。本
発明に用いられる芳香族化合物は、分子内に多数のエチ
レン結合(C=C)を有するので、水素が付加反応し、
下記に詳細に説明する水素化誘導体となる。すなわち、
芳香族化合物は、エチレン結合(C=C)に水素を結合
させることにより水素を貯蔵することができるので、本
発明においては水素貯蔵体とも呼称される。
【0083】4.2 水素化誘導体=水素供給体 本発明に用いられる芳香族化合物の水素化誘導体として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフ
タレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニ
ル、フェナンスレン、エチルベンゼン、テトラヒドロナ
フタレン等の芳香族炭化水素化合物、又はそれらのアル
キル誘導体を水素添加して得られるものであり、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の水
素化誘導体(B)であるシクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−
ジメチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン(デカ
リン)等が効率の面から特に好適に使用される。本発明
に用いられる水素化誘導体は、エチレン結合(C=C)
はほとんどなく、飽和炭化水素であるから、脱水素反応
により水素を供給することができるので、本発明におい
ては水素供給体とも呼称される。
【0084】
【実施例】以下に、本発明の実施の形態で述べた金属担
持触媒及びこれを用いる水素貯蔵・供給システムに関し
て、実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発
明は、これらの実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0085】(金属担持触媒の作製)次の工程により5
種類の金属担持触媒を作製した。
【0086】[金属担持触媒A]主担持金属用として、
1.328gの塩化白金酸6水和物を蒸留水200ml
に溶かした水溶液と、副担持金属用として、0.128
g塩化ロジウム3水和物を蒸留水100mlに溶かした
水溶液とを用意し、2つの水溶液を混合して約300m
lの混合液を作製した。この混合液に担体として4.4
5gの活性炭を浸漬させて十分に攪拌し、一夜放置させ
た後、活性炭を混合液の中から取り出し、十分に水洗し
た後乾燥させた。そして、この乾燥活性炭を濃度10%
の水素化ホウ素ナトリウムの水溶液500ml中に浸漬
して担持金属を還元・活性化させ、さらに水洗・乾燥さ
せて、約5gの金属担持触媒Aを作製した。作製された
金属担持触媒Aにおける主担持金属の白金と副担持金属
のロジウムの含有量は、それぞれ10wt%および1w
t%であった。なお、この場合の白金とロジウムの原子
数比は、ロジウム/白金=0.053である。
【0087】[金属担持触媒B]主担持金属用として、
1.328gの塩化白金酸6水和物を蒸留水200ml
に溶かした水溶液と、副担持金属用として、0.128
g塩化ロジウム3水和物を蒸留水100mlに溶かした
水溶液とを用意し、2つの水溶液を混合して約300m
lの混合液を作製した。この混合液に担体として4.4
5gの活性炭を浸漬させて十分に攪拌し、一夜放置させ
た後、活性炭を混合液の中から取り出し、十分に水洗し
た後乾燥させた。そして、この乾燥活性炭を窒素気流下
400℃で加熱して付着した塩分を十分に分解させ、さ
らに、約400ml/分の流量の水素気流下350℃で
4時間加熱し担持金属を還元・活性化させて、約5gの
金属担持触媒Bを作製した。作製された金属担持触媒B
における主担持金属の白金と副担持金属のロジウムの含
有量は、それぞれ10wt%および1wt%であった。
【0088】[金属担持触媒C]主担持金属用として、
1.328gの塩化白金酸6水和物を蒸留水200ml
に溶かした水溶液を用意し、この水溶液に担体として
4.45gの活性炭を浸漬させて十分に攪拌し、一夜放
置させた後、活性炭を混合液の中から取り出し、十分に
水洗した後乾燥させた。そして、この乾燥活性炭を濃度
10%の水素化ホウ素ナトリウムの水溶液300ml中
に浸漬して担持金属を還元・活性化させ、さらに水洗・
乾燥させて、白金担持触媒を作製した。次に、副担持金
属用として、0.128g塩化ロジウム3水和物を蒸留
水100mlに溶かした水溶液を用意し、この水溶液に
上記白金担持触媒を浸漬させて十分に攪拌し、同様に、
一夜放置させた後、活性炭を混合液の中から取り出し、
十分に水洗した後乾燥させた。そして、この乾燥白金担
持触媒を濃度10%の水素化ホウ素ナトリウムの水溶液
200ml中に浸漬して新たな担持金属であるロジウム
を還元・活性化させ、さらに水洗・乾燥させて、約5g
の金属担持触媒Cを作製した。作製された金属担持触媒
Cにおける主担持金属の白金と副担持金属のロジウムの
含有量は、それぞれ10wt%および1wt%であっ
た。
【0089】[金属担持触媒D]担持金属用として、
1.45gの塩化白金酸6水和物を蒸留水300mlに
溶かした水溶液を用意し、この塩化白金酸の水溶液に担
体として4.45gの活性炭を浸漬させて十分に攪拌
し、一夜放置させた後、活性炭を混合液の中から取り出
し、十分に水洗した後乾燥させた。そして、この乾燥活
性炭を窒素気流下400℃で加熱して付着した塩分を十
分に分解させ、さらに、約400ml/分の流量の水素
気流下350℃で4時間加熱し担持金属を還元・活性化
させて、約5gの金属担持触媒Dを作製した。作製され
た金属担持触媒Dにおける担持金属の白金の含有量は、
11wt%であった。
【0090】[金属担持触媒E]担持金属用として、
1.328gの塩化白金酸6水和物を蒸留水200ml
に溶かした水溶液と、0.128g塩化ロジウム3水和
物を蒸留水100mlに溶かした水溶液とを用意し、そ
れぞれに担体として4.0gと0.55gの活性炭を浸
漬させて十分に攪拌し、一夜放置させた後、各活性炭を
水溶液の中から取り出し、十分に水洗した後乾燥させ
た。そして、この乾燥活性炭を、それぞれ濃度10%の
水素化ホウ素ナトリウムの水溶液300ml中に浸漬し
て担持金属を還元・活性化させ、さらに水洗・乾燥させ
て、白金担持触媒とロジウム担持触媒とを作製した。そ
して、この白金担持触媒とロジウム担持触媒とを単純に
混合して、約5gの金属担持触媒Eを作製した。作製さ
れた金属担持触媒Eにおける担持金属の白金とのロジウ
ムの含有量は、それぞれ10wt%および1wt%であ
った。
【0091】(水素発生方法)図1に示す装置を用いて
実験を行った。上記各金蔵担持触媒を反応装置4に充填
し、この触媒を350℃に加熱して、原料としてのシク
ロヘキサンを1回あたり2mlの割合で触媒に噴射して
水素発生を行わせた。原料の噴射時間と停止時間をそれ
ぞれ1秒、5秒として1分間あたりの水素発生量を測定
した。
【0092】(実施例1)図1に示す装置の反応装置4
に、金属担触媒として、上記金属担持触媒Aを用いて水
素発生の実験を行った。1分間あたりの水素発生量を測
定した結果、水素生成速度は20l/分であった。
【0093】(比較例1)実施例1の金属担持触媒Aに
代えて金属担持触媒Bの触媒を用いて同様の実験を行っ
た。1分間あたりの水素発生量を測定した結果、水素生
成速度は13l/分であった。
【0094】(比較例2)実施例1の金属担持触媒Aに
代えて金属担持触媒Cの触媒を用いて同様の実験を行っ
た。1分間あたりの水素発生量を測定した結果、水素生
成速度は11l/分であった。
【0095】(比較例3)実施例1の金属担持触媒Aに
代えて金属担持触媒Dの触媒を用いて同様の実験を行っ
た。1分間あたりの水素発生量を測定した結果、水素生
成速度は10l/分であった。
【0096】(比較例4)実施例1の金属担持触媒Aに
代えて金属担持触媒Eの触媒を用いて同様の実験を行っ
た。1分間あたりの水素発生量を測定した結果、水素生
成速度は10l/分であった。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明の水素貯蔵・供給
システムは、家庭内の電力の負荷変動に迅速にリスポン
スできる燃料電池システムを可能とし、2種以上の金属
が同一担体上に近接して存在しており、かつ特定の水素
化金属化合物で還元・活性化されているので、それらの
相互の作用により金属担持触媒表面での反応が促進さ
れ、水素貯蔵体と水素を反応させる水素添加反応、及び
特に水素供給体から水素を発生させる脱水素反応の転化
率を向上させることができる。
【0098】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素貯蔵・供給システムの構成を模式
的に示す説明図である。
【図2】本発明の水素貯蔵・供給システムの構成を模式
的に示す他の説明図である。
【符号の説明】
1 水素貯蔵・供給システム 2 原料貯蔵手段 3 原料供給手段 31 コンプレッサ(ポンプ) 32 バルブ 4 反応装置 41 触媒 42 噴射ノズル 43 ヒーター 44 ヒーター格納部 45 熱電対 5 気液分離手段 51 蒸気凝縮部 52 水素抽出部 6 バルブ 7 バルブ 8 反応物回収手段 91 水素送出ライン 92 バルブ 93 センサ 10 制御手段 11 電磁誘導コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 3/26 C01B 3/26 (72)発明者 市川 勝 北海道札幌市西区八軒3条西4丁目4−22 −22 (72)発明者 仮屋 伸子 北海道札幌市北区北15条西2丁目21−348 −201 (72)発明者 五藤 靖志 茨城県つくば市和台32番地 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 深田 和宏 茨城県つくば市和台32番地 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 深谷 和弘 茨城県つくば市和台32番地 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 須貝 保徳 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク1 丁目2番1号 株式会社電制内 (72)発明者 歌川 忠 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク1 丁目2番1号 株式会社電制内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA01A BA02A BA07A BA08A BA38 BB08C BB19C BB20C BC02C BC03C BC04C BC08B BC16C BC54A BC58A BC59A BC60A BC66A BC67A BC68A BC70A BC71A BC71B BC71C BC72A BC73A BC74A BC75A BC75B BC75C BD03C BD12C CC40 DA05 FA01 FB04 FB14 FB19 FB44 FB45 FC02 FC04 FC08 ZA01A ZA43A 4G140 AA22 AA27 AA31 DA03 DC03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素
    化反応と該芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供
    給体の脱水素反応との双方に優れた触媒活性を有する金
    属担持触媒であって、 担持金属として、1種以上の主担持金属(M)と、1
    種以上の副担持金属(M)とからなる少なくとも2種
    の金属元素を含むことを特徴とする水素貯蔵・供給用金
    属担持触媒。
  2. 【請求項2】 主担持金属(M)は、ニッケル、パラ
    ジウム、白金、バナジウム、クロム、コバルト、または
    鉄から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、一
    方、副担持金属(M)は、パラジウム、ロジウム、イ
    リジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タング
    ステン、バナジウム、オスミウム、クロム、またはコバ
    ルトから選ばれる少なくとも1種の金属元素である(但
    し、主担持金属と副担持金属は、同一の場合は除く。)
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素貯蔵・供給用金
    属担持触媒。
  3. 【請求項3】 主担持金属(M)と副担持金属
    (M)との担持割合は、原子比で(M)/(M
    =0.01〜1であることを特徴とする請求項1に記載
    の水素貯蔵・供給用金属担持触媒。
  4. 【請求項4】 上記金属担持触媒の担体は、活性炭、カ
    ーボンナノチューブ、モレキュラシーブ、ゼオライト、
    シリカゲル、またはアルミナであることを特徴とする請
    求項1に記載の水素貯蔵・供給用金属担持触媒。
  5. 【請求項5】 まず、主担持金属(M)を含む金属酸
    又はその塩、金属塩或いは金属錯体を溶解させた第1の
    水溶液と、副担持金属(M)を含む金属酸又はその
    塩、金属塩或いは金属錯体を溶解させた第2の水溶液を
    調製し、次いでこれら2つの水溶液を混合した混合液に
    担体を浸漬した後、水洗い、乾燥し、最後に、水素化ア
    ルカリ金属化合物で還元、活性化させることにより、担
    体上に主担持金属(M)と副担持金属(M)を担持
    させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の水素貯蔵・供給用金属担持触媒の調製法。
  6. 【請求項6】 第1の水溶液は、塩化白金酸6水和物の
    水溶液であり、一方、第2の水溶液は、塩化ロジウム3
    水和物の水溶液であることを特徴とする請求項5に記載
    の水素貯蔵・供給用金属担持触媒の調製法。
  7. 【請求項7】 上記水素化アルカリ金属化合物は、水素
    化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホ
    ウ素カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化リ
    チウム、水素化ナトリウム、または水素化カリウムから
    選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とす
    る請求項6に記載の水素貯蔵・供給用金属担持触媒の調
    製法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載の水素貯
    蔵・供給用金属担持触媒を使用することを特徴とする水
    素貯蔵・供給システム。
  9. 【請求項9】 上記水素貯蔵・供給システムは、水素貯
    蔵体及び/又は水素供給体を収納する原料貯蔵手段
    (a)と、水素貯蔵体の水素化及び/又は水素供給体の
    脱水素化を行わせる金属担持触媒を収納する反応装置
    (b)と、該金属担持触媒を加熱する加熱手段(c)
    と、原料貯蔵手段内の水素貯蔵体及び/又は水素供給体
    を反応装置へ供給する原料供給手段(d)と、反応装置
    からの生成気体を凝縮させて水素と水素貯蔵体及び/又
    は水素供給体に分離する気液分離手段(e)と、分離し
    た水素貯蔵体及び/又は水素供給体を回収する反応物回
    収手段(f)とを含むことを特徴とする請求項8に記載
    の水素貯蔵・供給システム。
  10. 【請求項10】 上記水素貯蔵体は、ベンゼン、トルエ
    ン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタ
    レン、アントラセン、ビフェニル、又はフェナンスレン
    からなる芳香族炭化水素化合物、或いはそのアルキル誘
    導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを
    特徴とする請求項9に記載の水素貯蔵・供給システム。
  11. 【請求項11】 上記水素供給体は、シクロヘキサン、
    メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサ
    ン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、デカヒドロナフ
    タレン(デカリン)、又はそれらのアルキル誘導体から
    選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とす
    る請求項9に記載の水素貯蔵・供給システム。
  12. 【請求項12】 上記水素貯蔵体の水素化又は水素供給
    体の脱水素化反応は、温度50〜500℃、圧力0.1
    〜50気圧の条件下で行われることを特徴とする請求項
    9に記載の水素貯蔵・供給システム。
  13. 【請求項13】 上記水素貯蔵体は、水の電気分解装置
    から得られた水素により水素化されることを特徴とする
    請求項9に記載の水素貯蔵・供給システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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