JP4644334B2 - 燃料電池用水素供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用水素供給装置に関し、さらに詳しくは、アルコールや液化石油ガスなどの燃料を改質器により改質して発生させた水素を燃料電池、特に自動車に搭載される燃料電池に、安定して一定供給するための燃料電池用水素供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油の代替エネルギーとして、水素を発電用燃料とする燃料電池が注目を浴びている。このような燃料電池は、燃料極と酸化剤極からなり、燃料極には水素を、酸化剤極には酸素を供給して、電解質層を介して接触反応させて電気化学反応による電気化学エネルギーを取り出そうとするものである。
この種の燃料電池としては燃料として水素が使用される。この水素は一般的には天然ガス、ナフサ、液化石油ガス、メタノール等の炭化水素燃料を改質し、水素を主成分とする燃料ガスに変換することにより取り出される。
二酸化炭素やメタンのような不純物ガスを含む改質ガスから改質器によって水素を精製し、この水素を利用して電気化学的エネルギーを取り出す燃料電池装置は従来より多くの提案がなされている。一方、このような燃料電池装置において用いられる上記改質器の応答遅れによる燃料電池への水素供給量の不足分を充足すべく、水素吸蔵材としての水素吸蔵合金を有する水素貯蔵装置を備えたものが知られている(例えば、特開平2−56866号公報参照)。
【0003】
このような水素吸蔵合金を有する水素貯蔵装置を用いた燃料電池システムは、改質器の始動時や改質器からの水素供給が不足した場合に、水素貯蔵装置から水素を供給するシステムであり、このような水素貯蔵装置によって燃料電池に水素を安定して一定供給することができる。
ところで、本出願人らは、先に上記燃料電池装置を改良した燃料電池システムを提案した(特願平11−164939号)。
この燃料システムは、「水素を燃料とする機器に水素を供給すべく、アルコール、ガソリン等の原料から水素を生成する改質器を備えた水素供給システムにおいて、前記改質器により生成された水素を吸蔵し、かつ放出することが可能な水素貯蔵器を有し、その水素貯蔵器は、第1の水素吸蔵材を備えた第1貯蔵部と、第2の水素吸蔵材を備えた第2貯蔵部とを有し、両水素吸蔵材において、水素の吸蔵し易さに関しては前記第1の水素吸蔵材が前記第2の水素吸蔵材に比べて優れており、一方、吸蔵水素の放出し易さに関しては前記第2の水素吸蔵材が前記第1の水素吸蔵材に比べて優れており、前記第1貯蔵部に前記改質器からの水素を一旦吸蔵させ、次いでその吸蔵水素を放出して得られた水素を前記第2貯蔵部に吸蔵させ、前記機器の要求水素量を前記改質器により充足することができない場合に、その要求水素量を充足すべく、前記第2貯蔵部より吸蔵水素を放出させることを特徴とする、水素を燃料とする機器への水素供給システム」である。
【0004】
ところが、このような燃料電池システムにおいて、第1の水素吸蔵材に改質器で得られた水素を吸蔵させる際に、改質器から供給される水素に含まれる不純物ガス(二酸化炭素、一酸化炭素、メタン等)によって第1の水素吸蔵材が被毒を受け、予想以上に水素吸蔵能が低下することが判明した。
この結果、第1の水素吸蔵材から第2の水素吸蔵材に放出する水素量が低減するのを免れないという問題があった。したがって、上記システムにおいては、燃料電池の要求水素量を前記改質器により充足することができない場合、より詳しくは燃料電池の始動時又は高負荷時等の改質器からの水素供給の不足時に、水素貯蔵装置から水素を急速に供給しようとする場合に、水素貯蔵装置から供給される水素供給が不足するおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、アルコールや液化石油ガスなどの燃料を改質器により改質して発生させた水素を、例えば燃料電池の始動時や高負荷時などにおいて、改質器からの水素供給が不足した際にも、燃料電池に安定して一定供給し得る燃料電池用水素供給装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、改質器と、水素吸蔵合金を備えた第1の吸蔵タンク(A)と、水素吸蔵合金を備えた第2の放出タンク(B)とを有し、かつ、吸蔵タンク(A)に白金族金属又はその合金をめっきしてなる水素吸蔵合金を収納させた装置により、あるいは、前記改質器と吸蔵タンク(A)との間に、脱酸素材を収納させた不純物ガス除去器を設けた装置により、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、水素発生用改質器と、該改質器からの水素を吸蔵し、かつ放出することが可能な水素吸蔵・放出タンクを具備してなる、燃料電池に水素を供給するための燃料電池用水素供給装置において、上記水素吸蔵・放出タンクが、前記改質器からの水素を一旦吸蔵させるための水素吸蔵合金を備えた吸蔵タンク(A)と、該吸蔵タンク(A)から放出される水素を吸蔵させ、かつ放出させるための水素吸蔵合金を備えた放出タンク(B)とからなり、かつ前記改質器と吸蔵タンク(A)との間に、脱酸素材を収納させた不純物ガス除去器を備え、上記改質器、吸蔵タンク(A)及び放出タンク(B)から選ばれる少なくとも1つから燃料電池に水素を供給することを特徴とする燃料電池用水素供給装置、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池用水素供給装置は、水素発生用改質器と、該改質器からの水素を吸蔵し、かつ放出することが可能な水素吸蔵・放出タンクを具備してなる、燃料電池に水素を供給するための装置であって、3つの態様、すなわち(1)上記水素吸蔵・放出タンクが、前記改質器からの水素を一旦吸蔵させるための水素吸蔵合金を備えた吸蔵タンク(A)と、該吸蔵タンク(A)から放出される水素を吸蔵させ、かつ放出させるための水素吸蔵合金を備えた放出タンク(B)とからなり、かつ上記吸蔵タンク(A)に、白金族金属又はその合金をめっきしてなる水素吸蔵合金を収納させた装置(以下、燃料電池用水素供給装置Iと称す。)、(2)該水素吸蔵・放出タンクが、上記吸蔵タンク(A)と放出タンク(B)とからなり、かつ前記改質器と吸蔵タンク(A)との間に、脱酸素材を収納させた不純物ガス除去器を備えている装置(以下、燃料電池用水素供給装置IIと称す。)、及び(3)上記(1)と(2)を組み合わせた装置(以下、燃料電池用水素供給装置III と称す。)がある。
【0009】
本発明の燃料電池用水素供給装置における水素発生用改質器は、例えばアルコール、ガソリン、液化石油ガスなどの含水素原料を、部分酸化改質法や水蒸気改質法などにより改質処理して、水素ガスを発生させる機器である。一方、該改質器からの水素を吸蔵し、かつ放出することが可能な水素吸蔵・放出タンクは、前記改質器からの水素を一旦吸蔵させるための水素吸蔵合金を備えた吸蔵タンク(A)と、該吸蔵タンク(A)から放出される水素を吸蔵させ、かつ放出させるための水素吸蔵合金を備えた放出タンク(B)とから構成されている。上記吸蔵タンク(A)は、一個の水素吸蔵タンクであってもよく、また、たがいに離間して設けられた複数個の水素貯蔵タンクであってもよい。
【0010】
本発明の水素供給装置においては、まず、水素発生用改質器から供給された改質ガス中の水素が吸蔵タンク(A)に内蔵された水素吸蔵合金に吸蔵され、その後、その吸蔵水素が放出タンク(B)に移送され、該放出タンク(B)に内蔵された水素吸蔵合金に吸蔵される。そして、燃料電池の始動時や高負荷時など、改質器から直接供給される水素量だけでは不足するときには、放出タンク(B)から燃料電池に水素が供給される。
この際、吸蔵タンク(A)は、水素を放出タンク(B)に放出して空になった状態では再び改質器から送られる改質ガス中の水素を吸蔵し、放出タンク(B)が空になった状態で再び水素を放出タンク(B)に送る。
本発明の水素供給装置I及びIII においては、上記吸蔵タンク(A)に収納される水素吸蔵合金は、当該水素吸蔵合金粒子表面に、白金族金属又はその合金でめっきされてなるものが用いられる。ここで、白金族金属又はその合金としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金及びこれらの金属を含む合金が挙げられるが、これらの中でパラジウムが好ましい。
【0011】
このような白金族金属やその合金(以下、白金族系金属と称する。)を用いて、水素吸蔵合金粒子表面をめっきする場合、例えば一般的なめっき法、化学蒸着法、拡散被覆法などの方法が用いられ、これらの方法によって、水素吸蔵合金粒子の全面又は一部に、白金族系金属が被覆され、白金族系金属の被覆層又は点在層が形成される。このような白金族系金属は一般に一酸化炭素や酸素を吸着するが、水素を透過する作用があることが知られ、例えば燃料電池等の白金電極等の被毒を防止するために燃料極に触媒として設けられている。本発明の水素供給装置I、III に設けられる、白金族系金属めっきの被覆層又は点在層は、上述の作用を利用するのではなく、水素吸蔵合金粒子表面に白金族系金属が存在することで、水素吸蔵合金表面が被毒を受けて表面にCO2 等の吸着膜を生じ、その結果水素を吸蔵しないようになった状態でも表面に付着した白金族系金属めっき部分から水素を水素吸蔵合金粒子内部に取り込むという性質を利用するものである。なお、水素吸蔵合金は水素を吸蔵すると粒子が膨張して割れるが、水素吸蔵合金に白金族系金属を点在させておくことで、割れても前記粒子に白金族系金属が付着したままとなる。また、白金族系金属は高価であり、このように点在させることで製造原価を低減させることができる。したがって、本発明においては、水素吸蔵合金粒子表面に、白金族系金属めっきの被覆層を全面に設けるよりも、点在層を設けるのが好ましい。
【0012】
水素吸蔵合金粒子の表面にめっきされる白金族系金属の量は、該水素吸蔵合金粒子の重量に基づき、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲で選定される。このめっき量が0.1重量%未満では本発明の効果が充分に発揮されないおそれがあり、一方、10重量%を超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ経済的に不利となる。このように、水素吸蔵合金粒子の表面に、白金族系金属をめっきすることにより、改質器から発生する水素ガス中に一酸化炭素や二酸化炭素などの水素吸蔵合金を被毒する不純物ガスが含まれていても、該水素吸蔵合金の水素吸蔵能力の低下を効果的に抑制することができる(図3参照)。
本発明の水素供給装置II及びIII においては、水素発生用改質器と吸蔵タンク(A)との間に、脱酸素材を収納させた不純物ガス除去器が配置される。この不純物ガス除去器を設けることにより、改質ガス中に不可避的に含まれる酸素が、該不純物ガス除去器内に収納されている脱酸素材によって吸収除去され、酸素による水素吸蔵合金の水素吸蔵能の低下(被毒)を抑制することかできる。
上記脱酸素材としては、改質ガス中に含まれる酸素と共に一酸化炭素や二酸化炭素を吸収除去し得るもの、あるいは酸素を選択的に吸収除去し得るものを使用することができる。このような脱酸素材としては、酸素吸収能に優れ、かつ再生が容易な、式
【0013】
【化2】
Figure 0004644334
【0014】
で表されるフルオミンが好適である。
このフルオミンは、27〜38℃程度の温度において最高酸素吸収能を示し、その際の最大酸素吸収量は、1g当たり60〜70リットル程度であり、そして82℃以上の温度で容易に酸素を放出する性質を有している。
このような性質を有するフルオミンを脱酸素材として用いることにより、改質ガス中に不可避的に含まれる酸素が効果的に吸収除去される。この酸素を吸収したフルオミンの再生は、82℃以上の温度に加熱することにより、容易に行うことができ、そして、この際発生する酸素は、燃料電池の酸素極(空気)側へ供給することができる。
【0015】
【実施例】
次に、添付図面に従い、本発明の実施態様について詳細に説明する。
図1は、本発明の水素供給装置を有する燃料電池システムの一例の概要図であって、この燃料電池システムは、例えば水素を燃料とする燃料電池自動車に搭載することができる。
この燃料電池システムは、水素発生用改質器1、及び吸蔵タンク(A)(以下単に吸蔵タンクと称す。)3と放出タンク(B)(以下、単に放出タンクと称す。)4とからなる水素吸蔵・放出タンクを具備してなる本発明の水素供給装置と、上記水素供給装置から水素の供給を受けて作動する燃料電池2とを主要構成要素とするシステムである。
【0016】
水素発生用改質器1は、アルコール、ガソリン、液化石油ガスなどの含水素原料を改質して、水素(改質ガス)を発生させる機器であって、該機器で発生した改質ガスを燃料電池2に供給すべく、その供給口が燃料電池2の入口に供給管6を介して接続されている。燃料電池2の出口は通常排出管を介して改質器の燃焼系に接続され、これにより燃料電池2の排ガス中の可燃成分が燃焼されて、その発生熱は改質器1における改質反応に用いられる。この改質反応には、燃料電池、改質器、モータ等が発生する熱も利用される。
また、水素発生用改質器1からの改質ガスは、供給管5を通って吸蔵タンク3に供給され、その中に内蔵されている水素吸蔵合金によって、選択的に水素が吸蔵される。該水素吸蔵合金としては、その粒子表面に白金族系金属がめっきされてなるものが用いられる。その吸蔵タンク3に吸蔵された水素の燃料電池2への供給は、そのまま供給管7を介して燃料電池2に直接供給される配管系列と、供給管8と放出タンク4と供給管9を経由して燃料電池2に供給される配管系列とによって行われる。
【0017】
吸蔵タンク3に吸蔵された水素を、さらに放出タンク4に吸蔵させる理由は、水素発生用改質器1から送られる改質ガスの水素純度が低いためにそのままでは、燃料電池が作動しない場合があるからである。一方、上述した吸蔵タンク3から、燃料電池2へ直接供給するのは、高純度の水素を含む改質ガスが、水素発生用改質器1から送られる場合か、又は吸蔵タンク3で吸蔵水素が高純度化されて送られる場合である。
【0018】
前記吸蔵タンク3は、一個の水素貯蔵タンクでもよく、又は互いに離間して設けられた複数個の水素貯蔵タンクからなるものでもよい。各タンクは水素吸蔵合金を内蔵しており、吸蔵タンクが、複数個の水素貯蔵タンクからなる場合は、その中の一つのタンクが水素放出をしている間に、他のタンクは水素を吸蔵することができる。
次に、本発明における燃料電池システムについて、燃料電池運転プロセスと始動時又は高負荷運転時とに分けて、説明する。
(1)始動時プロセス(改質運転停止状態)
この状態は、水素発生用改質器1の停止時において、燃料電池を起動させる際のプロセスである。この場合は改質ガスが得られないので、放出タンク4に貯蔵した高純度の水素ガスを高速度で放出させることで対処する。そのために、水素発生用改質器1から吸蔵タンク3の出口までのバルブを閉じ、放出タンク4から燃料電池2に向かうバルブを開として、該放出タンク内に60℃程度の温水を供給して、放出タンク4内に充填した水素吸蔵合金から水素を発生させ、この水素を燃料電池2に供給する。そして、燃料電池システムが起動し、前記水素発生用改質器1の運転が再開された後は、以下の定常運転プロセスを採用することになる。
【0019】
このように、燃料電池の始動時には、急速に水素を放出タンクから放出させる必要があり、また、追い越しなどを行う際の高負荷時には、不足の水素を前記放出タンクから一時的に放出して、改質器からの水素を補うようにする。
吸蔵タンク3及び放出タンク4には、通常それぞれ2系列、すなわち3Aと3B及び4Aと4Bが配置されており、例えば、始動時においては、吸蔵タンク3Aと放出タンク4Aに予め水素を吸蔵させた状態で、放出タンク4Aから水素を燃料電池2に放出させる。この際、同時に吸蔵タンク3Aと放出タンク4Bの間のバルブを開とし、放出タンク4Bに水素を吸蔵させる。このシステムは放出タンク4Bに水素を吸蔵させる際に発生する熱を、放出タンク4Aの水素が燃料電池2に供給される際の冷熱によって冷却することで、放出タンク4Bを冷却する冷却水等の冷媒が不要となるか又は極めて少なくて済む。これは、特に、燃料自動車の始動時のような冷媒が得にくい状況下で効果を発揮できる。
本システムは、改質器の運転が開始された状態では以下のプロセスに移行する。
【0020】
(2)通常運転又は高負荷時運転プロセス(改質運転状態又は改質器の水素供給不足状態)
(通常運転プロセス)
この状態は、水素発生用改質器1から発生する通常の水素含有改質ガスを定常的に用いて燃料自動車を連続運転するプロセスである。
上記改質器1で生成した水素を配管を通じて燃料電池2に供給する。この状態で燃料自動車は定常走行される。定常走行中、暖機運転中又は信号機により停止中には余剰の水素は、バルブが開放され、改質ガスの一部が吸蔵タンク3A及び3Bに流れ、改質ガス中の水素が、吸蔵タンク3A,3Bに選択的に吸蔵される。吸蔵タンクを2系列にしたのは後述する放出タンク4から水素が燃料電池2に供給される際に放出タンク4に供給される水素量を確保するためであり、例えば吸蔵タンク3の大きさを放出タンク4の2倍にすれば一つであってもよく、さらに2つ以上を設けることもできる。
【0021】
吸蔵タンク3に吸蔵された水素は、走行中に放出タンク4Aに移動され、より高純度の水素に生成される。放出されるタイミングは、放出タンク4Bから水素を燃料電池2に供給する際に行われる。
すなわち、高負荷時に放出タンク4Bから燃料電池2に水素が供給される際には放出タンク4Aは水素の放出によって冷却されるので水素が吸蔵しやすくなり、一方、放出タンク4Bは放出タンク4Aの熱によって一層燃料電池2に放出しやすくなる。このように本システムは、このサイクルを繰り返すことで放出タンク4Aと4Bを切り替えながら放出、吸蔵を繰り返すことで常に放出タンク4に燃料電池2に供給する水素を有する状態で運転できる。
そして、運転停止の前などに吸蔵タンク3に吸蔵した水素を、燃料電池2ではなくいずれか少なくとも一方の放出タンク4に供給してそこで水素は貯蔵される。
【0022】
なお、放出タンク4A,4Bの内部には、各区画に水素吸蔵合金粉末が充填され、ヘッダーを介して水素が吸蔵される吸蔵管と放出される放出管を備えている。
図2は、本発明の水素供給装置を有する燃料電池システムの他の例、すなわち水素発生用改質器と吸蔵タンクとの間に不純物ガス除去器を配置した場合の一例の概要図である。
この燃料電池システムは、前記図1の場合と同様に、例えば水素を燃料とする燃料電池自動車に搭載することができる。
該燃料電池システムは、水素発生用改質器1、不純物ガス除去器10、及び吸蔵タンク3と放出タンク4とからなる水素吸蔵・放出タンクを具備してなる本発明の水素供給装置と、上記水素供給装置から水素の供給を受けて作動する燃料電池2とを主要構成要素とするシステムである。
【0023】
水素発生用改質器1は、図1の場合と同様に、該機器で発生した改質ガスを燃料電池2に供給すべく、その供給口が燃料電池2の入口に供給管6を介して接続されている。燃料電池2の出口は、通常排出管を介して改質器1の燃焼系に接続され、これにより燃料電池2の排ガス中の可燃成分が燃焼されて、その発生熱は改質器1における改質反応に用いられる。この改質反応には、燃料電池、改質器、モータ等が発生する熱も利用される。
また、水素発生用改質器1からの改質ガスは、供給管11を通って不純物ガス除去器10に供給され、その中に内蔵されている脱酸素材、好ましくはフルオミンにより吸収除去される。酸素が吸収除去された改質ガスは、吸蔵タンク3に供給され、その中に内蔵されている水素吸蔵合金によって、選択的に水素が吸蔵される。該水素吸蔵合金としては、所望によりその粒子表面に白金族系金属がめっきされてなるものが用いられる。この吸蔵タンク3に吸蔵された水素の燃料電池2への供給は、そのまま供給管7を介して燃料電池2に直接供給される配管系列と、供給管8と放出タンク4と供給管9を経由して燃料電池2に供給される配管系列とによって行われる。
【0024】
前記吸蔵タンク3は、図1の場合と同様に一個の水素貯蔵タンクでもよく、又は互いに離間して設けられた複数個の水素貯蔵タンクからなるものでもよい。各タンクは水素吸蔵合金を内蔵しており、吸蔵タンクが、複数個の水素貯蔵タンクからなる場合は、その中の一つのタンクが水素放出をしている間に、他のタンクは水素を吸蔵することができる。
一方、酸素を吸収した不純物ガス除去器10は加熱することによって、その中に内蔵されている脱酸素材が酸素を放出して、再生される。この際、放出された酸素は供給管12を通って、燃料電池2の酸素極(空気)側へ供給される。不純物ガス除去器10の加熱は、吸蔵タンク3を加熱する熱源を用いて行うことができる。
この燃料電池システムの運転方法については、前記図1の場合と同様である。
【0025】
参考例1
平均粒径14μmの水素吸蔵合金粒子(ミッシュメタル、Ni、Co、Mn及びAlからなる合金)表面に、めっき処理により、パラジウム1重量%を付着させたものを、水素の吸蔵・放出試験に用いた。
上記のパラジウムめっき水素吸蔵合金粒子(MH)を円筒型フロータイプに充填し、供試ガスとして、二酸化炭素12容量%及び酸素200容量ppmを含む水素ガスを用い、吸蔵条件;入口水素流量:7.5ml/MHg.min、入口水素分圧:0.3MPa、温度:25℃、吸蔵時間:20分、及び放出条件;温度:70℃、放出時間:吸蔵した水素を大気圧下で全て放出する時間、にて水素の吸蔵・放出のサイクル試験を10回行った。
純水素を用いた場合の1回目の吸蔵量を100とし、各サイクルにおける吸蔵指数を求めた。その結果を図3にグラフで示す。
参考例2
参考例1において、めっき処理しない(パラジウムが付着していない)水素吸蔵合金粒子を用いた以外は、参考例1と同様にして、水素の吸蔵・放出のサイクル試験を10回行った。その結果を図3にグラフで示す。
図3から分かるように、水素吸蔵合金粒子の表面にパラジウムめっきを施すことにより、水素ガス中の二酸化炭素などの不純物による被毒を効果的に抑制することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の燃料電池用水素供給装置は、アルコールや液化石油ガスなどの燃料を改質器により改質して発生させた水素を、例えば燃料電池の始動時や高負荷時などにおいて、改質器からの水素供給が不足した際にも、燃料電池に安定して一定供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素供給装置を有する燃料電池システムの一例の概要図である。
【図2】本発明の水素供給装置を有する燃料電池システムの別の異なる例の概要図である。
【図3】参考例1及び参考例2において、水素吸蔵・放出サイクル試験におけるサイクル数と吸蔵量指数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 水素発生用改質器
2 燃料電池
3 吸蔵タンク
4 放出タンク
10 不純物ガス除去器

Claims (4)

  1. 水素発生用改質器と、該改質器からの水素を吸蔵し、かつ放出することが可能な水素吸蔵・放出タンクを具備してなる、燃料電池に水素を供給するための燃料電池用水素供給装置において、上記水素吸蔵・放出タンクが前記改質器からの水素を一旦吸蔵させるための水素吸蔵合金を備えた吸蔵タンク(A)と、該吸蔵タンク(A)から放出される水素を吸蔵させ、かつ放出させるための水素吸蔵合金を備えた放出タンク(B)とからなり、かつ前記改質器と吸蔵タンク(A)との間に、脱酸素材を収納させた不純物ガス除去器を備え、上記改質器、吸蔵タンク(A)及び放出タンク(B)から選ばれる少なくとも1つから燃料電池に水素を供給することを特徴とする燃料電池用水素供給装置。
  2. 脱酸素材が、式(I)
    Figure 0004644334
    で表されるフルオミンである請求項記載の燃料電池用水素供給装置。
  3. 吸蔵タンク(A)における水素吸蔵合金が、白金族金属又はその合金をめっきしてなるものである請求項記載の燃料電池用水素供給装置。
  4. 吸蔵タンク(A)における水素吸蔵合金が、その粒子表面に白金族金属又はその合金を点在状にめっきしてなるものである請求項記載の燃料電池用水素供給装置。
JP2000130517A 2000-04-28 2000-04-28 燃料電池用水素供給装置 Expired - Fee Related JP4644334B2 (ja)

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