JP2004175966A - 灯油脱硫方法および装置並びに燃料電池システムとその運転方法 - Google Patents

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倫明 足立
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Abstract

【課題】効率的かつ安定して脱硫を行うことができ、脱硫剤の処理能が高い状態で脱硫しうる方法と装置を提供する。熱効率が良く、メンテナンスが簡易な燃料電池の運転方法と燃料電池システムを提供する。
【解決手段】脱硫容器内に収容された脱硫剤に灯油を接触させて灯油の脱硫を行う灯油脱硫方法において、100≦T≦300、かつP>8×10−9×T4.5を満たす温度T(℃)および圧力P(kPa−Gauge)において脱硫を行う。灯油を脱硫する脱硫工程、脱硫された灯油を改質して水素を含む改質ガスとする改質工程、および改質ガスを燃料電池の燃料極に供給する燃料供給工程を有する燃料電池システムの運転方法において、上記灯油脱硫方法により脱硫を行う。これらを行うための装置。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は灯油中の硫黄濃度を低減する脱硫方法および装置に関する。また本発明は、灯油を原燃料とする燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、脱硫剤を用いて灯油を脱硫することは行われてきた。従来の脱硫方法としては、灯油を気化した上で気相で脱硫する方法が知られている。
【0003】
しかし、灯油を気相で処理する場合、脱硫器の上流に気化器を設け、脱硫器も含めて気化器以降のラインを高い温度とすることが必要であり、このために装置全体が大きくなり、また放熱ロスのために熱効率が低下することがあった。また高温にされたラインや脱硫器においてコーキングが起こり、触媒や反応器あるいは配管等の表面に付着するおそれもあった。このように、脱硫剤を用いた灯油の脱硫技術には、未だ改善の余地があった。
【0004】
また、特許文献1には、灯油の一部又は全部を液相の状態で脱硫することが記載されている。しかし常温のまま脱硫を行うと脱硫触媒の寿命が短く、加温を行うと灯油の一部が気化するため安定的な運転ができないという問題があった。
【0005】
一方、近年、環境に優しいエネルギー変換技術として燃料電池が注目されている。固体高分子形など、多くのタイプの燃料電池において、燃料電池の燃料極で実際に電極反応するのは水素である。しかし、水素よりも灯油等の方が供給体制や取り扱いにおいて優れる面があるため、灯油を原燃料とし、これを改質して水素を含む改質ガスを製造し、これを燃料電池の燃料極に供給する燃料電池システムが開発されている。
【0006】
上記改質のための触媒や燃料電池の電極などに対し、硫黄分は被毒作用があるため、灯油を原燃料とする燃料電池システムには通例脱硫器が設けられる。燃料電池システムには高効率であることやメンテナンスが簡易であることなどが要求されており、特に燃料電池システムに使用する灯油脱硫技術について、前述のような点で改善が強く望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−201478号広報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
脱硫剤を用いて灯油を脱硫する方法として、低い温度、例えば常温において灯油を液相で脱硫する方法が考えられる。しかし、低い温度では脱硫剤の処理能が十分に発揮できるとは言えず、その結果、脱硫剤の寿命が短くなってしまう。
【0009】
また、前述の気相脱硫のための温度と、液相脱硫のための温度の間には、中間的な温度域が存在する。この温度条件において脱硫することも考えられるが、単に中間的な温度条件を与えてしまうと、灯油が気液混相となり、不安定な装置運転を余儀なくさせられるという問題がある。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑み、効率的かつ安定して脱硫を行うことができ、脱硫剤の処理能が高い状態で脱硫しうる方法と、この方法を実施するに好適な装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、灯油を原燃料とし、脱硫を行う燃料電池の運転方法において、熱効率が良く、メンテナンスが簡易な燃料電池の運転方法と、この方法を実施するに好適な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明により、脱硫容器内に収容された脱硫剤に灯油を接触させて灯油の脱硫を行う灯油脱硫方法において、
100≦T≦300、かつ
P>8×10−9×T4.5
を満たす温度T(℃)および圧力P(kPa−Gauge)において脱硫を行うことを特徴とする灯油脱硫方法が提供される。
【0013】
上記灯油脱硫方法においては、脱硫停止に際して、前記脱硫容器内をパージしなくてもよい。
【0014】
上記灯油脱硫方法において、前記脱硫剤が、少なくともNiを含有する吸着剤であることが好ましい。
【0015】
本発明により、灯油を脱硫する脱硫工程、脱硫された灯油を改質して水素を含む改質ガスとする改質工程、および該改質ガスを燃料電池の燃料極に供給する燃料供給工程を有する燃料電池システムの運転方法において、
上記の灯油脱硫方法により該脱硫を行うことを特徴とする燃料電池システムの運転方法が提供される。
【0016】
さらに本発明により、脱硫剤に灯油を接触させて灯油の脱硫を行うための灯油脱硫装置において、
脱硫剤を収容する密閉可能な脱硫領域を有する脱硫容器と、該容器に灯油を圧力P(kPa−Gauge)に加圧して供給することが可能な灯油加圧手段と、灯油を温度T(℃)に加熱することが可能な灯油加熱手段とを有し、該TおよびPが
100≦T≦300、かつ
P>8×10−9×T4.5
であることを特徴とする灯油脱硫装置が提供される。
【0017】
上記灯油脱硫装置において、前記脱硫剤が、少なくともNiを含有する吸着剤であることが好ましい。
【0018】
また本発明により、灯油を脱硫する灯油脱硫装置、脱硫された灯油を水素を含む改質ガスとする改質装置、および該改質ガスを燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システムにおいて、
該灯油脱硫装置が、上記の灯油脱硫装置であることを特徴とする燃料電池システムが提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明では、脱硫容器内に収容された脱硫剤に灯油を接触させて灯油の脱硫を行う。
【0020】
脱硫容器は脱硫剤を収容するための、密閉可能な脱硫領域を有し、運転に際してはここに脱硫剤が収容される。容器は、運転条件に耐えることのできる容器を、公知技術によって適宜設計できる。
【0021】
容器は断面に対し、原料が均一に流れる対称系形状が適しており、たとえば円筒、直方体などが好ましい。材質は300℃以下の温度に耐えられるものであれば,特に限りはないが,鉄,ニッケル,クロムを主成分とする合金が好ましい。
【0022】
脱硫剤については、例えば、Ni、Cu、ZnおよびFeから選ばれる少なくとも1種類の金属を含み、担体にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアおよびその複合酸化物から選ばれる少なくとも一種を用いたもの、またはこれらの成分を共沈で生成したものを使用できる。なかでも少なくともNiを含有する吸着剤が触媒寿命の観点から好ましい。
【0023】
脱硫剤は原料灯油中に存在する有機硫黄化合物から硫黄を吸着除去し、システム後段および燃料電池セルへの硫黄被毒を回避する役割を果たし、システム全体の長期運転をもたらす。
【0024】
脱硫剤形状としては、特に限りはないが、円柱、三つ葉、四葉などの押し出し成型体、円柱、ドーム状の錠剤成型体、球状成型体が好ましい。容器には脱硫剤を充填して用いる。
【0025】
原料灯油としては、例えばJIS1号灯油を好適に用いることができる。また、引火点が40℃以上、95%留出温度270℃以下の灯油を好適に用いることができ、脱硫剤の寿命の観点から、灯油の硫黄濃度(質量基準)は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましく、50ppm以下がさらに好ましく、10ppm以下が最も好ましい。
【0026】
また脱硫剤に対する灯油の供給量は、装置サイズ、経済性および脱硫速度の観点から、LHSV(液空間速度)で0.01〜5hr−1が好ましい。
【0027】
本発明においては、
100≦T≦300、かつ
P>8×10−9×T4.5
の関係を満たす温度T(℃)および圧力P(kPa−Gauge)で脱硫を行う。灯油の性状は常に一定であるわけではないが、本発明者らの検討によれば、上記関係が満たされれば、脱硫剤の処理能が高い状態で脱硫することができ、効率的かつ安定して脱硫できることがわかった。
【0028】
脱硫を行う温度、即ち脱硫温度は脱硫剤の脱硫能、あるいは触媒寿命の観点から100〜300℃とする。140〜220℃が好ましく、165〜200℃がより好ましい。低すぎると、灯油中の硫黄化合物が化学反応を伴わずそのままの形で表面に吸着し脱離が起こらず、触媒寿命が短くなる。一方高すぎると、炭素析出により、触媒上の脱硫サイトが減少し、寿命が短くなる。上記温度を実現するために、灯油を加熱した上で脱硫容器に供給するか、脱硫器内で灯油を加熱し、いずれも放熱等を考慮して脱硫剤の温度が上記範囲に入るようにすることができる。
【0029】
上記関係が満たされる場合、灯油の液相単相で脱硫することができる。すなわち脱硫容器内の灯油が沸騰することなく液体の状態で脱硫を行うことができる。灯油が気相と液相の二相になると脱硫運転が不安定になり、脱硫の度合いも不安定となる。そのため下流にある改質触媒部に供給される灯油に含まれる硫黄の含有量も不安定になり、高濃度の硫黄を含有した灯油が改質触媒に供給されると、改質触媒の寿命が短くなる。さらにその下流に一酸化炭素除去触媒や燃料電池電極触媒などの触媒がある場合には、これらの触媒も被毒され寿命が短くなる可能性もある。一方、灯油を気相単相で脱硫するためには気化熱が必要となり効率が悪化する。
【0030】
容器内の圧力が高くなると、強度に耐えるために装置が大型化し、経済性が低下する傾向があるのでこれを抑制するという観点から上記圧力Pは10MPa(絶対圧)未満とするのが好ましく、さらに保安上の理由で装置が大がかりになるのを防止する観点から1MPa(絶対圧)未満とするのがより好ましい。
【0031】
本発明によれば、灯油中の硫黄濃度(質量基準)を0.1ppm以下に脱硫することが可能である。また運転条件を調整することにより脱硫剤の寿命を1000時間以上、さらには10000時間以上にすることができる。
【0032】
脱硫停止に際しては、脱硫容器内をパージしなくてもよい。例えば、脱硫器を備える燃料電池システムにおいて、システムの運転を停止する際には脱硫器の運転も停止することになるが、従来この際に、脱硫器も含めて可燃性ガスが存在するラインを不活性ガスによりパージしていた。つまり脱硫容器中に残存する灯油を排出し、脱硫容器の中を不活性ガスで置換していた。しかし、本発明によれば、パージの必要はなく、従って再度起動する際に、新たに脱硫容器を灯油で満たす必要がない。さらに、パージを行わないことにより脱硫容器中に残存する灯油が脱硫剤に接触したままとなり、運転停止により温度が下がり脱硫剤の脱硫能が低くなったとしても脱硫は進行することもあり、脱硫容器中に脱硫された灯油が保存される。この結果、再度運転を開始する際に、最初から脱硫された灯油を供給することができる。
【0033】
パージを行わずに脱硫器の運転を停止する手順は、灯油原料の供給を停止し,熱源の供給を停止するという流れで行うことができる。つまり脱硫部は原料の液に浸したまま、降温していけばよい。
【0034】
本発明の脱硫器は、上記脱硫方法を行うために好適であり、脱硫剤に灯油を接触させて灯油の脱硫を行うための灯油脱硫装置であって、脱硫剤を収容する密閉可能な脱硫領域を有する脱硫容器と、該容器に灯油を加圧して供給する灯油加圧手段と、灯油を加熱する灯油加熱手段とを有する。
【0035】
脱硫剤および脱硫容器については前述したとおりである。灯油加圧手段については、ポンプなど公知の加圧手段を適宜採用できる。灯油加熱手段も、電気ヒーターや、燃焼排ガスあるいは燃料電池排ガスなどの必要な温度を有する流体との熱交換による加熱機構など公知の加熱手段を適宜採用できる。
【0036】
灯油加圧手段が、脱硫容器に灯油を圧力P(kPa−Gauge)に加圧して供給することが可能で、灯油加熱手段が前記脱硫領域内の灯油を温度T(℃)に加熱することが可能で、
100≦T≦300、かつ
P>8×10−9×T4.5
であれば、前記脱硫方法を好適に実施しうる。
【0037】
本発明の燃料電池システムの運転方法は、灯油を脱硫する脱硫工程、脱硫された灯油を改質して水素を含む改質ガスとする改質工程、および該改質ガスを燃料電池の燃料極に供給する燃料供給工程を有する。
【0038】
脱硫工程においては、灯油タンク等から供給される灯油を上記灯油脱硫方法により脱硫する。
【0039】
改質工程では、脱硫工程で脱硫された灯油を、水蒸気改質、部分酸化、オートサーマルリフォーミングなど公知の方法により水素を含む改質ガスに改質する。改質に先立って灯油を気化する必要がある場合には、公知の方法により適宜灯油の気化を行えばよい。また、スチーム、酸素あるいは空気など改質に必要なものは適宜供給すればよい。
【0040】
こうして得られた改質ガスを、燃料電池の燃料極に供給する。燃料電池に供給する前に、必要に応じ、シフトコンバーターやCO選択酸化反応器により改質ガス中のCO濃度を低減してもよい。
【0041】
燃料電池としては、燃料極において水素が電極反応の反応物質であるタイプの燃料電池を適宜採用することができる。例えば、固体高分子形、燐酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形の燃料電池を採用することができる。
【0042】
燃料電池の酸化剤極には、酸素を含有するガスを適宜供給すればよい。酸素を含有するガスとして例えば、酸素、あるいは酸素富化空気を使用することができるが、入手容易性から空気が好ましく用いられる。
【0043】
本発明の燃料電池システムは、上記燃料電池の運転方法を行うために好適であり、灯油を脱硫する灯油脱硫装置、脱硫された灯油を水素を含む改質ガスとする改質装置、および該改質ガスを燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システムであって、該灯油脱硫装置が前記本発明の脱硫器である。
【0044】
改質装置には、水蒸気改質装置、部分酸化装置、オートサーマルリフォーミング装置等、公知の改質装置を適宜採用できる。燃料電池も前述の各種のタイプを採用できる。燃料電池の酸化剤極に酸素を含有するガスを供給する手段も公知技術を適宜利用すればよい。
【0045】
また、各種流体を加圧するためのポンプ、圧縮機、ブロワなどの加圧手段、流体の流量を調節するため、あるいは流体の流れを遮断/切り替えるためのバルブ等の流量調節手段や流路遮断/切り替え手段、熱交換・熱回収を行うための熱交換器、液体を気化する気化器、気体を凝縮する凝縮器、水で各種機器等を冷却する水冷手段、スチームなどで各種機器を外熱する加熱/保温手段、各種流体の貯蔵手段、計装用の空気や電気系統、制御用の信号系統、制御装置、出力用や動力用の電気系統など、燃料電池システムの公知の構成要素は、必要に応じて適宜設けることができる。
【0046】
【実施例】
図1に示すような脱硫器と改質器を連結させた装置を製作、運転した。
【0047】
脱硫器について温度と圧力を変化させ、それらの影響を確認した。脱硫容器内に触媒(Ni:57質量%、シリカ:38質量%、アルミナ:5質量%を含有)を10ml充填し、脱硫器とした。供給する原料は灯油のみで、その硫黄濃度は9.8質量ppmであった。LHSVは0.5h−1で運転した。
【0048】
改質器には、Ruを2質量%アルミナに担持した触媒を用い、出口温度:700℃、LHSV:1、スチーム/炭素比:3の条件で運転した。
【0049】
〔実施例1〕
脱硫器内の最高反応温度を140℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を100kPaとして運転した。脱硫器出口の灯油硫黄濃度は検出下限以下(0.05質量ppm以下)であり、改質器も含めて100時間順調な運転が継続できた。
【0050】
運転終了後、加熱源を断ち、原料供給を止め、脱硫部温度を100℃まで降温し、その後圧力を常圧に戻し、一晩放置した。翌日改質器を立ち上げ改質温度が700℃に達した後、脱硫器が所定の使用温度140℃に戻り切る前の50℃から原料灯油を供給したが、すぐに硫黄濃度が検出限界以下の灯油が得られ、改質器も順調な性能をすぐに発揮した。
【0051】
〔実施例2〕
脱硫器内の最高反応温度を180℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を120kPaとして運転した。脱硫器出口の灯油硫黄濃度は検出下限以下(0.05質量ppm以下)であり、改質器も含めて100時間順調な運転が継続できた。
【0052】
〔実施例3〕
脱硫器内の最高反応温度を220℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を300kPaとして運転した。脱硫器出口の灯油硫黄濃度は検出下限以下(0.05質量ppm以下)であり、改質器も含めて100時間順調な運転が継続できた。
【0053】
〔比較例1〕
脱硫器内の最高反応温度を140℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を20kPaとして運転した。脱硫器出口の灯油硫黄濃度は検出下限以下(0.05質量ppm以下)であったが、改質器出口ガス量の変動が大きく、安定な運転が不可能であり、短時間で装置を停止せざるを得なかった。
【0054】
〔比較例2〕
脱硫器内の最高反応温度を180℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を80kPaとして運転した。脱硫器出口の灯油硫黄濃度は検出下限以下(0.05質量ppm以下)であったが、改質器出口ガス量の変動が大きく、安定な運転が不可能であり、短時間で装置を停止せざるを得なかった。
【0055】
〔比較例3〕
脱硫器内の最高反応温度を220℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を200kPaとして運転した。脱硫器出口の灯油硫黄濃度は検出下限以下(0.05質量ppm以下)であったが、改質器出口ガス量の変動が大きく、安定な運転が不可能であり、短時間で装置を停止せざるを得なかった。
【0056】
〔比較例4〕
脱硫器内の最高反応温度を90℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を20kPaとして運転した。改質器出口ガス量の変動は確認されなかったものの、脱硫器出口の灯油硫黄濃度は1時間後には既に0.1質量ppm以上であり、劣化が早かった。
【0057】
〔比較例5〕
脱硫器内の最高反応温度を320℃、脱硫器入口での供給灯油ゲージ圧力を1700kPaとして運転した。改質器出口ガス量の変動は確認されなかったものの、脱硫器出口の灯油硫黄濃度は15時間後には既に0.1質量ppm以上であり,劣化が早かった。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、効率的かつ安定して脱硫を行うことができ、脱硫剤の処理能が高い状態で脱硫しうる方法と、この方法を実施するに好適な装置が提供された。
【0059】
また本発明により、灯油を原燃料とし、脱硫を行う燃料電池の運転方法において、熱効率が良く、脱硫剤の寿命が長いためメンテナンスが簡易な燃料電池の運転方法と、この方法を実施するに好適な燃料電池システムが提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた脱硫等の装置の概略図である。

Claims (7)

  1. 脱硫容器内に収容された脱硫剤に灯油を接触させて灯油の脱硫を行う灯油脱硫方法において、
    100≦T≦300、かつ
    P>8×10−9×T4.5
    を満たす温度T(℃)および圧力P(kPa−Gauge)において脱硫を行うことを特徴とする灯油脱硫方法。
  2. 脱硫停止に際して、前記脱硫容器内をパージしない請求項1に記載の方法。
  3. 前記脱硫剤が、少なくともNiを含有する吸着剤である請求項1または2記載の方法。
  4. 灯油を脱硫する脱硫工程、脱硫された灯油を改質して水素を含む改質ガスとする改質工程、および該改質ガスを燃料電池の燃料極に供給する燃料供給工程を有する燃料電池システムの運転方法において、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の灯油脱硫方法により該脱硫を行うことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  5. 脱硫剤に灯油を接触させて灯油の脱硫を行うための灯油脱硫装置において、
    脱硫剤を収容する密閉可能な脱硫領域を有する脱硫容器と、該容器に灯油を圧力P(kPa−Gauge)に加圧して供給することが可能な灯油加圧手段と、灯油を温度T(℃)に加熱することが可能な灯油加熱手段とを有し、該TおよびPが
    100≦T≦300、かつ
    P>8×10−9×T4.5
    であることを特徴とする灯油脱硫装置。
  6. 前記脱硫剤が、少なくともNiを含有する吸着剤である請求項5記載の装置。
  7. 灯油を脱硫する灯油脱硫装置、脱硫された灯油を水素を含む改質ガスとする改質装置、および該改質ガスを燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システムにおいて、
    該灯油脱硫装置が、請求項5または6記載の灯油脱硫装置であることを特徴とする燃料電池システム。
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