JP2002012407A - 水素製造装置の起動方法およびその停止方法 - Google Patents

水素製造装置の起動方法およびその停止方法

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JP2002012407A
JP2002012407A JP2000194223A JP2000194223A JP2002012407A JP 2002012407 A JP2002012407 A JP 2002012407A JP 2000194223 A JP2000194223 A JP 2000194223A JP 2000194223 A JP2000194223 A JP 2000194223A JP 2002012407 A JP2002012407 A JP 2002012407A
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hydrogen
unit
gas
steam reforming
catalytic combustion
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JP2000194223A
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Akira Kobuchi
彰 小渕
Hiroyuki Taniguchi
浩之 谷口
Mare Sato
希 佐藤
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Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
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Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転コストや設置面積の低減、危険な窒素お
よび水素ボンベ交換などの作業が不要となるといった水
素製造装置の起動方法およびその停止方法を提供する。 【解決手段】 起動時には、触媒燃焼部14に、水素貯
蔵部16の高純度水素と空気とを供給して触媒燃焼反応
を起こさせ、水蒸気改質部13を昇温させて水蒸気改質
の開始温度に達したとき、水蒸気、水添脱硫用水素、原
料炭化水素の供給を開始する。一方、停止時には、触媒
燃焼部14中の酸素濃度を低下させ、燃焼ガスを反応系
内にリサイクルさせて可燃性ガス濃度を徐々に低下さ
せ、最終的に窒素、二酸化炭素、水蒸気に置換すること
で運転を停止する。その結果、運転コストや設置面積の
低減、危険な窒素および水素ボンベ交換などの作業が不
要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水蒸気改質部を含
む水素製造装置、または燃料電池システムやそれ以外の
用途に用いられる水素製造装置の起動および停止方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な水素製造装置の起動・停止は、
ボンベに充填された窒素などの不活性ガスを使用する。
起動時は、ボンベより窒素を系内に流しながら、バーナ
などで昇温、脱硫用の水添ガスとして水素ボンベより水
素を供給する。停止時は、窒素で可燃性ガスを置換して
から降温操作を行なう。この方式により、触媒の酸化
や、パラジウム膜など金属膜の水素脆化を防止できると
ともに、安全に操作を行なうことができる。しかしなが
ら、この方式の欠点としては、窒素ボンベや水素ボンベ
などが必要であり、コスト高、設置スペースが大きくな
るという問題点がある。また、不活性ガスを切らしてい
る場合には、起動・停止操作が行えず、ボンベの取り替
えが面倒でかつ高圧であるため、危険である。そのほ
か、小型装置(例えば、家庭用や車載用燃料電池用水素
製造装置)や諸事情などで、窒素ボンベや水素ボンベな
どを設置できない場合も考えられ、さらに水素および窒
素のインフラが整備されていないなどの問題点もある。
【0003】なお、原料炭化水素の供給を停止したの
ち、触媒が酸化しない程度まで徐々に降温してから、空
気で置換する方法も考えられる。しかしながら、この方
法によれば、可燃性ガス中に空気を供給するため、危険
をともなうといった問題が懸念される。そのほか、水素
を含有するガスがパラジウム膜などの無機水素分離膜へ
低温で供給されるため、水素脆化が起こりやすい。その
結果、無機水素分離膜の耐久性に乏しくなるという問題
も懸念される。さらに、水蒸気改質部の加熱は、バーナ
の使用が一般的であるが、可燃性ガス濃度が低下すると
燃焼が停止してしまうという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術を背景になされたもので、水素製造装置におい
て、窒素ボンベや水素ボンベなどのボンベを必要としな
いので、コストの低減をはかることができ、またボンベ
の設置スペースが不必要となるため装置のコンパクト化
が図れるとともに、面倒で危険をともなうボンベの取り
替え作業に要する時間も削減できる水素製造装置の起動
方法およびその停止方法を提供するものである。また、
本発明は、ボンベを設置できない家庭用燃料電池や車載
用燃料電池、およびその他の燃料電池、オンサイト水素
製造装置などで、水素ボンベや窒素ボンベ、またバーナ
や、特別な電力などを使用せず、安全な水素製造装置の
起動方法およびその停止方法を提供することを、その目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、原料炭化水素の硫黄分を除去する脱硫部と、上記脱
硫部で脱硫された原料炭化水素に水蒸気を加えて水蒸気
改質することで水素含有ガスを生成する水蒸気改質部
と、上記水素含有ガス中水素を無機水素分離膜で透過し
て精製水素を製造する水素精製部と、水素含有の可燃性
ガスと空気中の酸素とを燃焼反応させて、上記水蒸気改
質部を加熱する触媒燃焼部とを備えた水素製造装置の起
動方法において、上記触媒燃焼部に、上記水素精製部で
精製された精製水素と空気とを供給して触媒燃焼反応を
起こさせることで上記水蒸気改質部を昇温させ、上記水
蒸気改質部の温度が水蒸気改質の開始温度に達したと
き、上記水蒸気および上記原料炭化水素の供給を開始す
る水素製造装置の起動方法である。
【0006】請求項2に記載の発明は、上記精製水素
は、燃料電池に供給される請求項1に記載の水素製造装
置の起動方法である。
【0007】請求項3の発明は、上記脱硫部が、原料炭
化水素に水添脱硫用水素を添加したのち、上記原料炭化
水素中の硫黄分を脱硫して除去する水添脱硫部である請
求項1または請求項2に記載の水素製造装置の起動方法
である。
【0008】請求項4の発明は、上記水素精製部から得
られた精製水素を貯蔵する水素貯蔵部を有する請求項1
〜請求項3のうち、何れか1項に記載の水素製造装置の
起動方法である。
【0009】請求項5に記載の発明は、原料炭化水素の
硫黄分を除去する脱硫部と、上記脱硫部で脱硫された原
料炭化水素に水蒸気を加えて水蒸気改質することで水素
含有ガスを生成する水蒸気改質部と、上記水素含有ガス
中の水素を無機水素分離膜で透過して精製水素を精製す
る水素精製部と、水素含有の可燃性ガスと空気中の酸素
とを燃焼反応させて、上記水蒸気改質部を加熱する触媒
燃焼部とを備えた水素製造装置の停止方法において、上
記触媒燃焼部への空気の供給量を徐々に下げて、該触媒
燃焼部から排出された燃焼ガス中の酸素濃度を低下さ
せ、該触媒燃焼部からの燃焼ガスを水素製造装置の反応
系内に供給し、上記原料炭化水素と水蒸気の供給量を徐
々に減らしながら、この反応系内の可燃性ガスの濃度を
低下させ、その後、上記触媒燃焼部への空気の供給を停
止し、上記反応系内の温度が低下したのち上記水素製造
装置を停止する水素製造装置の停止方法である。
【0010】請求項6に記載の発明は、上記精製水素
は、燃料電池に供給される請求項5に記載の水素製造装
置の停止方法である。
【0011】請求項7の発明は、上記脱硫部が、原料炭
化水素に水添脱硫用水素を添加したのち、上記原料炭化
水素中の硫黄分を脱硫して除去する水添脱硫部である請
求項5または請求項6記載の水素製造装置の停止方法で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る水素
製造装置の起動方法を示す系統図である。図2は、本発
明の一実施の形態に係る水素製造装置の停止方法を示す
系統図である。図1において、符号10は、都市ガス,
LPG,灯油,メタノールなどを原料とする水素製造装
置である。なお、ここでは、都市ガスを採用している。
以下、この水素製造装置10の各構成部を説明する。符
号11は、都市ガスを水添脱硫部(脱硫部)12へ供給
する圧縮機である。この水添脱硫部12は、上流側の水
素化触媒層と、下流側の脱硫剤層とに分かれている。水
添脱硫部12では、圧縮機11により供給された都市ガ
スに、後述する高純度水素精製部(水素精製部)15の
パラジウム膜(無機水素分離膜)を透過して得られた高
純度水素(精製水素)の一部を水添脱硫用水素として添
加することにより、都市ガス中の硫黄分が脱硫される。
【0013】水素化触媒としては、ニッケル−モリブデ
ンまたはコバルト−モリブデンなどの酸化物、または硫
化物をシリカやアルミナなどの担体に担持させたNiM
ox触媒またはCoMox触媒などが挙げられる。低圧
下では、ニッケル−モリブデン触媒が好ましい。また、
脱硫剤としては、酸化亜鉛やニッケル系収着剤などが単
独または適宜担体に担持して用いられる。水素化触媒層
では、原料炭化水素中の硫黄分が水素化されて硫化水素
が生成する。その反応温度は、300〜400℃であ
り、高純度水素を用いて脱硫を行なうことで、脱硫効果
も上がり、改質触媒の寿命も延びることになる。脱硫剤
層では、例えば、H2 S+ZnO=ZnS+H2 Oの反
応が起きる。なお、脱硫後の原料炭化水素は、水蒸気改
質部13に供給される。ここでは、原料炭化水素中の硫
黄化合物を水添脱硫方法を採用したが、そのほか例えば
硫黄化合物を、直接、触媒に吸着させる方法でもよい。
この場合の触媒としては、例えばニッケル,亜鉛,銅な
どの金属やその酸化物、または硫化物、さらにはゼオラ
イトや活性炭などが挙げられる。活性炭としては、ナト
リウムなどのアルカリ金属を添着したもの、臭素を吸着
した活性炭などを使用することができる。
【0014】この水蒸気改質部13は、脱硫された都市
ガスに水または水蒸気を添加し、さらに改質触媒を接触
させて水蒸気改質することで、高濃度水素含有ガスを製
造する。この水蒸気改質部13には、ルテニウムまたは
ニッケルなどの元素をアルミナ,シリカなどの担体に担
持した改質触媒が充填されている。このうち、ルテニウ
ム系触媒の方が、炭素数の多い灯油などの原料を使用す
る場合は、炭素析出を抑制できるので好ましい。水蒸気
改質部13では、脱硫された炭化水素の水蒸気改質が行
なわれる。ここでの反応を、次に示す。
【0015】符号14は、水蒸気改質部13の周囲に外
装されて、水素と空気中の酸素とを触媒燃焼させる触媒
燃焼部である。なお、触媒燃焼部14は、水蒸気改質部
13に内装されていてもよく、さらには、伝熱性の高い
熱交換型の反応器などでもよい。触媒燃焼部14の触媒
としては、アルミナなどに白金,パラジウムなどを担持
した触媒が用いられる。水素製造装置10の起動時の水
蒸気改質部13の温度は、380℃以上、例えば380
〜500℃である。380℃未満では反応転化率が低
く、また水素,メタン,一酸化炭素などを含む可燃性ガ
スを触媒燃焼部で再利用する際に、これらの可燃性ガス
の酸化反応が進まないという不都合が生じる。そして、
最終的には800℃位が好ましい。
【0016】好ましい水蒸気の添加割合は、水蒸気/原
料(S/C)2.4〜3.0kg−mol−H2 O/k
g−mol−Cである。さらに好ましくは、2.5〜
2.8kg−mol−H2 O/kg−mol−Cであ
る。2.4kg−mol−H2 O/kg−mol−C未
満では、都市ガスの反応転化率が低くなり、水素精製量
が低下するとともに炭素も析出しやすくなる。一方、
3.0kg−mol−H2 O/kg−mol−Cを超え
ると、都市ガスの反応転化率は高まるが、スチーム量が
多くて水素分圧が低下するのでパラジウム膜による水素
膜分離には不利である。
【0017】符号15は、高濃度水素含有ガス中の水素
をパラジウム膜で透過して高純度水素を精製する高純度
水素精製部である。無機水素分離膜としては、このパラ
ジウム膜のほかに、パラジウムと銀,銅,ニッケル,イ
ットリウムなどとの合金からなるパラジウム合金膜など
を、単独またはセラミックス製,ガラス製,ステンレス
などの各種の多孔質担体に被覆したものや、ゼオライト
膜などが採用できる。
【0018】符号16は、高純度水素精製部15から得
られた高純度水素を貯蔵する水素貯蔵タンク(水素貯蔵
部)である。水素貯蔵タンク16は、起動時に触媒燃焼
用および水添ガス用に必要な量の水素を貯蔵できるもの
とし、コンパクト化を図るため、水素吸蔵合金が充填さ
れたタンクが好ましい。
【0019】符号17は、上記パラジウム膜の非透過ガ
スを冷却して、このガス中に含まれる水分を除去するK
O(ノックアウト)ドラムである。
【0020】符号18は、水素貯蔵タンク16に一時貯
蔵された高純度水素が供給される固体高分子型燃料電池
(以下、燃料電池18という)である。その用途として
は、例えば家庭用燃料電池,車載用燃料電池などが挙げ
られる。この燃料電池18は、電解質材料を有してい
る。この電解質材料は、一般にイオン交換基としてスル
フォン酸基をもつ高分子イオン交換膜を有する。セルに
水素(燃料)、酸素(酸化剤)を供給すると、次式の反
応によって電気エネルギーを外部へ取り出すことができ
る。
【0021】 H2 →2H+ +2e- (1) 1/2O2 +2H+ +2e- →H2 O (2) (全反応)H2 +1/2O2 →H2 O (3) 式(1)によって生成された水素イオンは、高分子イオ
ン交換膜中のイオン交換基を介して水(xH2 O)とと
もに移動し、式(2)のように酸素と反応して水(H2
O)を生成する。不純物が除去された高純度水素は、水
分調整されたのちに燃料電池18に供給され、ここで水
を生成しながら電気エネルギーが得られる。燃料電池1
8のセルには高純度水素が供給されるので、一酸化炭素
による電極被毒はなく、性能低下は防止できる。また、
セルの排ガスは、触媒燃焼部14に供給させ、反応系内
の熱源として利用される。そのほか、水添脱硫用水素と
しても再利用することができる。なお、この燃料電池1
8から排出された空気(酸素)を触媒燃焼部14に供給
してもよい。
【0022】記号E1は、圧縮機11から水添脱硫部1
2に供給される都市ガスと、触媒燃焼部14からの燃焼
ガスとを熱交換して、都市ガスを300〜400℃の水
添脱硫温度まで高める熱交換器である。記号E2は、水
蒸気改質部13に供給ポンプPにより供給される水と、
触媒燃焼部14からの燃焼ガスとを熱交換して、水蒸気
改質用の水蒸気を発生させる熱交換器である。記号E3
は、燃料電池18から触媒燃焼部14に供給される高純
度水素の余剰分およびパラジウム膜の非透過ガスと、パ
ラジウム膜を透過した高温の高純度水素とを熱交換する
熱交換器である。記号E4は、燃料電池18から触媒燃
焼部14に供給される高純度水素の余剰分およびパラジ
ウム膜の非透過ガスと、パラジウム膜の高温の非透過ガ
スとを熱交換する熱交換器である。熱交換器E3とE4
により触媒燃焼部14に再利用される水素,メタン,一
酸化炭素を含む可燃性ガスは、380℃以上に加熱・昇
温される。380℃未満では、メタンなどの可燃性ガス
の酸化反応が円滑に行われないからである。
【0023】なお、ここでの水素製造装置10は、圧縮
機11,水添脱硫部12,水蒸気改質部13,触媒燃焼
部14,高純度水素精製部15,水素貯蔵タンク16よ
り構成されている。しかしながら、水蒸気改質部13の
後段に図示しないガス変成部を設けてもよい。また、水
蒸気改質部13と高純度水素精製部15を一体化したメ
ンブレンリアクタにしてもよく、さらには、水蒸気改質
部13の後段に、CO変成部と高純度水素精製部15を
一体化したメンブレンリアクタを設けてもよい。図中、
符号19は、4方弁形式の流路切り換え装置(以下、4
方弁という)である。
【0024】上記構成の水素製造装置10の起動方法お
よびその停止方法について、以下詳述する。まず、図1
に基づき、起動時の操作を説明する。図1に示すよう
に、バルブV11を開き、系外の空気を4方弁19経て
触媒燃焼部14に供給する。次いで、バルブV6を開い
て、水素吸蔵合金が充填された水素貯蔵タンク16から
高純度水素を、4方弁19を介して触媒燃焼部14に供
給する。このようにして、空気と水素が供給されること
で、この触媒燃焼部14内で触媒燃焼反応が行われる。
触媒燃焼部14の燃焼ガス(排ガス)は、熱交換器E
1,E2により熱交換され、その後、系外へ排出され
る。触媒燃焼部14内の温度(380〜800℃)が安
定したなら、バルブV3を開いて、供給ポンプPから圧
送された水が熱交換器E2によって水蒸気となり、水蒸
気改質部13に供給される。それから、バルブV1,V
2を開くとともに圧縮機11を起動する。これにより、
水素貯蔵タンク16からの水添脱硫用水素が、圧縮機1
1によって水添脱硫部12に供給される都市ガスに添加
される。その後、都市ガスおよび水添脱硫用水素は、熱
交換器E1によって熱交換され、300〜400℃まで
加熱・昇温される。
【0025】都市ガスを水添脱硫部12に徐々に供給し
ながら、水蒸気改質部13における改質反応と、高純度
水素精製部15におけるパラジウム膜分離とを開始す
る。これらの反応の開始後、各バルブV4,V5,V9
を開く。このうち、バルブV4,V9を開弁すること
で、パラジウム膜の非透過ガスが、熱交換器E4,KO
ドラム17,熱交換器E4,E3および4方弁19を通
過して触媒燃焼部14に供給される。一方、バルブV5
を開弁することで、パラジウム膜を透過した高純度水素
が熱交換器E3を経て水素貯蔵タンク16に貯蔵され
る。
【0026】水添脱硫部12内および水蒸気改質部13
内での反応が安定し、高純度水素精製部15内で高純度
水素が安定的に精製されるようになったとき、バルブV
7,V8,V12を開き、バルブV6を閉じる。このよ
うにして、バルブV7を介して水素貯蔵タンク16から
燃料電池18に高純度水素が供給される。一方、バルブ
V12を介して、系外の空気が燃料電池18に供給され
る。これにより、燃料電池18内でイオン反応が発生し
て、外部へ電気エネルギーを取り出すことができる。さ
らに、バルブV8を介して、燃料電池18から余剰分の
高純度水素が、熱交換器E4,E3、4方弁19を通っ
て触媒燃焼部14へ供給される。そして、バルブV6を
閉弁することで、水素貯蔵タンク16から触媒燃焼部1
4へ向かう高純度水素の供給が停止される。
【0027】なお、このシステム起動時には、このよう
に触媒燃焼方式を採用することで、あらかじめ水素貯蔵
タンク16に貯蔵された高純度水素を触媒燃焼部14に
供給するだけで、容易に系内の水素製造の各反応を開始
させることができる。同様に、水添脱硫用水素も水素貯
蔵タンク16より供給することができる。これにより、
従来必要とされていた脱硫用の水素ボンベおよび起動時
の窒素ボンベが不要となる。その結果、ボンベの設置面
積の低減や運転コストの低減など、さらにはボンベ交換
作業が不要になるなどの効果が得られる。なお、図中の
バルブ14は、この起動時および運転時において常時閉
じている。
【0028】次に、図2に基づいて、停止時の操作を説
明する。図2に示すように、まずバルブV5,V7,V
8,V12を閉じ、水素貯蔵タンク16への高純度水素
の供給と空気の供給とを停止し、さらに燃料電池18へ
の高純度水素の供給を停止して、燃料電池18内でのイ
オン反応を停止させる。次に、バルブV11を調整し
て、系外からの空気の供給量を徐々に絞り、触媒燃焼部
14からの燃焼ガス中の酸素濃度をゼロにする。続い
て、バルブV1を調整することで、都市ガスの供給量を
徐々に落としながらバルブV14を開き、触媒燃焼部1
4からの燃焼ガスを反応系内へ徐々に供給する。このと
き、燃焼ガスの排気バルブであるバルブV13を閉めて
燃焼ガスの排気を停止する。なお、燃焼ガスの酸素濃度
の調整や急激な温度低下を防止するため、バルブV6お
よび必要ならばバルブV10を調整することで、水素貯
蔵タンク16内の高純度水素や系内の都市ガスを補助燃
料としてこの触媒燃焼部14へ供給してもよい。このよ
うな酸素濃度の調整は、触媒燃焼部14に供給される空
気の量を徐々に減らしていく際、例えばそれが不十分な
場合には、触媒燃焼部14の燃焼ガス中に誤って酸素が
混入されてしまい、水蒸気改質部13などの系内へ酸素
が含まれる恐れを解消するためである。
【0029】そして、バルブV1を完全に閉めて都市ガ
スの供給を停止する。さらに、バルブV2,V3を閉弁
して、水素貯蔵タンク16から系内への水添脱硫用水素
の供給、および、供給ポンプPによる系内への水蒸気の
供給を停止する。次いで、バルブV6を閉じ(必要であ
れば、バルブV10も閉じる)、補助燃料の触媒燃焼部
14への供給を停止する。続いて、系内の可燃性ガス
を、完全に窒素、二酸化炭素および水蒸気に置換し、バ
ルブV11を閉弁して触媒燃焼部14への空気の供給を
停止する。さらに、系内(水蒸気改質部13)の温度が
100℃以下まで低下したなら、圧縮機11を停止し、
全ての運転を停止する。なお、停止時の温度は、系内の
水分が除去できるので、常温まで下げるのが好ましい。
なお、系内のガスをパージする必要がある場合には、バ
ルブV13を開放し、バージが終了したなら全てのバル
ブV1〜V14を閉弁する。このとき、系内の圧力を保
ったまま全てのバルブV1〜V14を閉弁すれば、停止
中に外部から空気が系内に流れ込むことがない。その結
果、次回の起動操作時に触媒の酸化を防止することがで
きる。
【0030】以上のように、このシステム停止時におい
ては、徐々に可燃性ガスの濃度を下げながら、酸素を含
まない燃焼ガス(排ガス)を反応系内へリサイクルさせ
る。これにより、最終的に窒素と二酸化炭素と水蒸気に
変換され停止する。その結果、活性が低下したり、特に
ルテニウム系の触媒などの場合には高温で猛毒を発生す
るなどの不具合がある触媒の酸化を防止したり、またパ
ラジウム膜などの金属水素分離膜を使用する場合には膜
の破損が生じる水素脆化を防止したり、さらに置換用の
ボンベなどが不要とる。また、この触媒燃焼方式では低
濃度でも酸化反応を行えるため、停止操作時で可燃性ガ
スの濃度を徐々に減らしていく際に、不完全燃焼を防止
し、燃焼反応を継続することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明にあっては、窒素ボンベ、水素ボ
ンベを使用せずに水素製造装置の起動・停止が行えるの
で、運転コストや設置面積の低減、危険な窒素および水
素ボンベ交換などの作業が不要となるといった効果を得
ることができる。また、起動・停止の操作は、シーケン
スを組むことで自動化も行なうことができる。水蒸気改
質部の昇温が触媒燃焼方式によるため、装置のコンパク
ト化、低NOx 化などの効果も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の起
動方法を示す系統図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の停
止方法を示す系統図である。
【符号の説明】
10 水素製造装置 11 圧縮機 12 水添脱硫部 (脱硫部) 13 水蒸気改質部 14 触媒燃焼部 15 高純度水素精製部(水素精製部) 16 水素貯蔵タンク(水素貯蔵部) 18 固体高分子型燃料電池(燃料電池)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EB01 EB03 EB12 EB27 EB33 EB44 EC01 EC02 5H027 AA06 BA01 BA16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料炭化水素の硫黄分を除去する脱硫部
    と、 上記脱硫部で脱硫された原料炭化水素に水蒸気を加えて
    水蒸気改質することで水素含有ガスを生成する水蒸気改
    質部と、 上記水素含有ガス中の水素を無機水素分離膜で透過して
    精製水素を製造する水素精製部と、 水素含有の可燃性ガスと空気中の酸素とを燃焼反応させ
    て、上記水蒸気改質部を加熱する触媒燃焼部とを備えた
    水素製造装置の起動方法において、 上記触媒燃焼部に、上記水素精製部で精製された精製水
    素と空気とを供給して触媒燃焼反応を起こさせることで
    上記水蒸気改質部を昇温させ、 上記水蒸気改質部の温度が水蒸気改質の開始温度に達し
    たとき、上記水蒸気および上記原料炭化水素の供給を開
    始する水素製造装置の起動方法。
  2. 【請求項2】 上記精製水素は、燃料電池に供給される
    請求項1に記載の水素製造装置の起動方法。
  3. 【請求項3】 上記脱硫部が、原料炭化水素に水添脱硫
    用水素を添加したのち、上記原料炭化水素中の硫黄分を
    脱硫して除去する水添脱硫部である請求項1または請求
    項2に記載の水素製造装置の起動方法。
  4. 【請求項4】 上記水素精製部から得られた精製水素を
    貯蔵する水素貯蔵部を有する請求項1〜請求項3のう
    ち、何れか1項に記載の水素製造装置の起動方法。
  5. 【請求項5】 原料炭化水素の硫黄分を除去する脱硫部
    と、 上記脱硫部で脱硫された原料炭化水素に水蒸気を加えて
    水蒸気改質することで水素含有ガスを生成する水蒸気改
    質部と、 上記水素含有ガス中の水素を無機水素分離膜で透過して
    精製水素を精製する水素精製部と、 水素含有の可燃性ガスと空気中の酸素とを燃焼反応させ
    て、上記水蒸気改質部を加熱する触媒燃焼部とを備えた
    水素製造装置の停止方法において、 上記触媒燃焼部への空気の供給量を徐々に下げて、該触
    媒燃焼部から排出された燃焼ガス中の酸素濃度を低下さ
    せ、 該触媒燃焼部からの燃焼ガスを水素製造装置の反応系内
    に供給し、 上記原料炭化水素と水蒸気の供給量を徐々に減らしなが
    ら、この反応系内の可燃性ガスの濃度を低下させ、 その後、上記触媒燃焼部への空気の供給を停止し、上記
    反応系内の温度が低下したのち上記水素製造装置を停止
    する水素製造装置の停止方法。
  6. 【請求項6】 上記精製水素は、燃料電池に供給される
    請求項5に記載の水素製造装置の停止方法。
  7. 【請求項7】 上記脱硫部が、原料炭化水素に水添脱硫
    用水素を添加したのち、上記原料炭化水素中の硫黄分を
    脱硫して除去する水添脱硫部である請求項5または請求
    項6記載の水素製造装置の停止方法。
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