JP2004043218A - 燃料改質器及びその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】PEFCシステムのコンパクト化を達成するため、ボンベ等を要せずに提供可能なガスで燃料改質器内に残留した物質をパージすることができ、かつ、DSS運転においてもCO変成触媒の著しい劣化がなく、長期間にわたり安定して炭化水素系燃料から効率的に水素を製造することができる燃料改質器及びその運転方法を提供する。
【解決手段】改質触媒層11と、該改質触媒層11の後段に設けられたCO変成触媒層12と、該改質触媒層11及び該CO変成触媒層12を加熱するための燃焼手段14と、該燃料改質触媒層11に供給する水蒸気3を得るための蒸発手段15と、該CO変成触媒層12における結露の発生を防止するための手段20とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】改質触媒層11と、該改質触媒層11の後段に設けられたCO変成触媒層12と、該改質触媒層11及び該CO変成触媒層12を加熱するための燃焼手段14と、該燃料改質触媒層11に供給する水蒸気3を得るための蒸発手段15と、該CO変成触媒層12における結露の発生を防止するための手段20とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池システムにおける燃料改質器及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池システム(以下、PEFCシステム)は、主として燃料改質器と燃料電池から構成される。燃料改質器は、改質触媒、CO変成触媒及びPROX触媒を用いて、都市ガス等の炭化水素系燃料を水素リッチなガス(以下、改質ガス)に変え、これを燃料電池に供給する。燃料電池は、改質ガスと空気等の酸素含有ガスとの化学反応により発電を行う。このようなPEFCシステムは、一般家庭等を対象とした分散電源としての使用が期待されており、従来の発電所からの電気との併用が計画されている。PEFCシステムを分散電源として使用する場合、連続運転ではなく、使用者の利便性のため、朝に起動して夜に停止するDSS(Daily Start−up and Shut−downの略)運転が求められる。
【0003】
DSS運転を行う場合、停止時において、燃料改質器の触媒層や配管などの燃料経路内に可燃性の改質ガスが残留してしまう。よって、触媒層に不活性ガスを導入して、残留している改質ガスをパージする必要がある。不活性ガスとして、一般に窒素ガスが使用されている。しかし、一般家庭には窒素ガス源がないので、窒素ボンベをPEFCシステムに常備させることとなり、設備の容積が増大し、コンパクト性が損なわれるという問題があった。
【0004】
一方、燃料改質器に用いられる触媒の中でも、Cu・ZnOの複合酸化物を主成分とするCO変成触媒は、耐久性が低いという問題があった。例えば、上記の窒素ガスの代わりに空気を用いてパージを行うと、空気中の酸素により、CO変成触媒は瞬時に劣化する。また、負荷の変動が大きいDSS運転を行うことでも、CO変成触媒の著しい劣化が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、PEFCシステムのコンパクト化を達成するため、ボンベ等を要せずに提供可能なガスで燃料改質器内に残留した物質をパージすることができ、かつ、DSS運転においてもCO変成触媒の著しい劣化がなく、長期間にわたり安定して炭化水素系燃料から効率的に水素を製造することができる燃料改質器及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る燃料改質器は、改質触媒層と、該改質触媒層の後段に設けられたCO変成触媒層と、該改質触媒層及び該CO変成触媒層を加熱するための燃焼手段と、該燃料改質触媒層に供給する水蒸気を得るための蒸発手段と、該CO変成触媒層における結露の発生を防止するための手段とを含む
ことを特徴とする。
【0007】
CO変成触媒の劣化原因は、DSS運転の停止時に水分が冷却により凝縮して触媒に結露し、起動時にこの結露が蒸発する際、触媒が凝集(シンタリング)するためであると推定される。したがって、結露防止手段を備えることにより、水分を含むガスを用いて燃料改質器内の残留物質をパージしても、CO変成触媒上で結露が発生しないので、CO変成触媒の劣化を防止することができる。また、結露防止手段を備えることで、蒸発手段で得られた水蒸気(H2O)で燃料改質器内の残留物質をパージすることができるようになる。水蒸気源としては、一般家庭にある水道水を利用することができるので、ボンベ等の設備は不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。
【0008】
上記結露防止手段としては、上記CO変成触媒層の放熱を抑制するための手段、上記CO変成触媒層を加熱するための発熱手段、又は該放熱抑制手段と該発熱手段との組み合わせが好ましい。上記放熱抑制手段としては、上記燃料改質器の外壁に設けられた保温材又は真空断熱層が好ましい。保温材や真空断熱層によれば、外部からエネルギーを加えることなく、CO変成触媒層を所定の温度に保持することができる。また、上記発熱手段としては、上記燃料改質器の外壁に設けられた湯を通水するための配管又はヒータが好ましい。湯やヒータによれば、CO変成触媒層の温度が所定の温度より下がることを確実に防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る燃料改質器は、上記燃焼手段から排出されるガスを上記燃料改質触媒層に導入するための管路と、少なくとも上記CO変成触媒層の前段に設けられた該排ガス中の酸素を取り除くための手段とをさらに含むことができる。
【0010】
このように、燃焼手段から排出されたガスで燃料改質器内の残留物質をパージすることでも、ボンベ等の設備が不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。なお、燃焼排ガスには酸素(O2)が約2%含まれているが、酸素除去手段で取り除かれるので、CO変成触媒を劣化させることがない。また、燃焼排ガスは水分(H2O)を約10%しか含まないので、水蒸気を用いる場合よりCO変成触媒の温度が低温でも、CO変成触媒上での結露を防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る燃料改質器は、少なくとも上記CO変成触媒層の前段に設けられた上記排ガス中の水分を低下させるための手段をさらに含むことができる。上記水分を低下させる手段としては、凝縮器又は除湿用吸着剤が好ましい。燃焼排ガスの水分をさらに低下させることで、CO変成触媒の温度がさらに低温でも、CO変成触媒上での結露を防止することができる。
【0012】
さらに、本発明は、別の側面として、燃料改質器の運転方法であって、燃料改質器に原料を供給するのを停止する工程と、該燃料改質器内に残留した可燃性ガスを不活性ガスでパージする工程と、該燃焼改質器のCO変成触媒上に結露が発生しないように該CO変成触媒の温度を保持する工程と、該温度を保持した状態のまま該燃料改質器に原料を供給するのを開始する工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
前記したように、CO変成触媒の劣化原因は、DSS運転の停止時に水分が冷却により凝縮して触媒に結露し、起動時にこの結露が蒸発する際、触媒が凝集(シンタリング)するためであると推定される。したがって、水分を含む不活性ガスを用いて燃料改質器内の残留物質をパージしても、CO変成触媒上で結露が発生しないようにCO変成触媒の温度を保持することで、CO変成触媒の劣化を防止することができる。なお、本明細書中の「不活性ガス」とは、燃焼等の反応を系内で起こさないガスの意味として用いている。
【0014】
上記不活性ガスとしては水蒸気を用いることができ、この場合、上記CO変成触媒の温度としては100℃以上が好ましい。水蒸気源としては、一般家庭にある水道水を利用することができるので、ボンベ等の設備は不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。また、CO変成触媒の温度を100℃以上にすることで、水蒸気でパージしても確実に結露を防ぐことができる。
【0015】
また、上記不活性ガスとしては、上記燃料改質器に設けられた燃焼器から排出されたガスを用いることもでき、この場合、上記CO変成触媒層の温度としては40℃以上が好ましく、かつ、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の酸素を取り除く工程をさらに含むことが好ましい。このように、燃焼器から排出されたガスで燃料改質器内の残留物質をパージすることでも、ボンベ等の設備が不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。なお、燃焼排ガスには酸素が約2%含まれているが、事前に酸素を取り除くことで、CO変成触媒の劣化を防止することができる。また、燃焼排ガスは約10%の水分しか含まないので、CO変成触媒の温度を40℃以上に保持することで、結露を確実に防ぐことができる。
【0016】
さらに、上記不活性ガスとして、上記燃料改質器に設けられた燃焼器から排出されたガスを用いる場合、上記CO変成触媒層の温度を30℃以上とし、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の酸素を取り除く工程と、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の水分を4%以下に低下させる工程とをさらに含むこともできる。また、上記CO変成触媒層の温度を23℃以上とし、上記排ガス中の水分を2%以下とすることもできる。このように、排ガスの水分をより低下させることにより、CO変成触媒の温度がより低温でもCO変成触媒上での結露を防ぐことができる。
【0017】
また、上記CO変成触媒の温度を保持する工程は、上記燃料改質器の外壁に設けられた配管内に湯を通水する工程、上記燃料改質器の外壁に設けられたヒータを通電する工程、及び上記燃焼手段を起動させる工程からなる群から選ばれた少なくとも1つの工程を含むことができる。このように、外部からエネルギーを加えることによって、CO変成触媒層の温度が所定の温度より下がることを確実に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、保温材を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合の模式図である。図2は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。なお、図2の縦軸はCO変成触媒の温度を示す。図1に示すように、燃料改質器10は円筒形状を有しており、その中心に筒型の燃焼器(バーナ)14を備えている。燃焼器14の外周には、その熱を利用して水2から水蒸気3を得る蒸発器15が付設している。また、燃焼器14の燃焼ノズル側から蒸発器15の外周側にかけて、燃焼室16が設けてある。
【0019】
燃焼室16の外周側には、原料である都市ガス1と水2から水素と一酸化炭素を生成する水蒸気改質反応(CH4+H2O→3H2+CO)を行う改質触媒層11が設けてある。改質触媒層11の後段には、一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を生成するCO変成反応(CO+H2O→H2+CO2)を行うCO変成触媒層12が設けてある。CO変成触媒層12としては、低温(約200℃)で作動するLTS(低温シフト触媒)を使用するが、高温(約400℃)で作動するHTS(高温シフト触媒)を併用することもできる。また、CO変成触媒層12の後段であって、燃焼器14の燃焼ノズルとは反対側の燃料改質器10の一端側(上部側)には、一酸化炭素を除去するPROX反応(CO+1/2O2→CO2)を行うPROX触媒層13が設けてある。
【0020】
燃料改質器10の外周は、厚さ3cmの保温材20により覆われている。保温材20としては、例えば、硬質ウレタンフォーム、発泡スチロール、グラスウールなどを使用することができる。なお、保温材20は、200℃のCO変成触媒層12が11時間経過後でも100℃以上に保たれるように、素材及び厚さを適宜選択することができる。燃料改質器10の上部側の面には、改質触媒層11に原料である都市ガス1を供給するための配管41と、燃焼器14に燃料である都市ガス1を供給するための配管42と、蒸発器15に水を供給するための配管43と、一連の反応により生成した改質ガス5をPROX触媒層13から燃料電池(図示せず)に供給するための配管44と、燃焼器14により発生した排ガス6を燃焼室16から燃料改質器10外へ排出するための配管45が設けてある。また、蒸発器14により生成した水蒸気3を都市ガス1と混合するための配管46が、配管31に接続している。
【0021】
このような構成によれば、先ず、燃料改質器10の起動時において、都市ガス1を燃焼器14に供給し、燃焼器14の燃焼を開始する。そして、改質触媒層11を約650℃に、CO変成触媒層12を約200℃に、PROX触媒層13を約90℃に昇温する。この時、水2を蒸発器15に供給して、これにより得られた水蒸気3を改質触媒層11に流し、昇温を促進する。その際、水蒸気3で触媒層が酸化されるのを防止するため、微量の都市ガス1を水蒸気3に混入させることが好ましい。昇温は約1時間にわたって行う(図2を参照)。なお、燃焼器14には、都市ガス1とともに燃焼を安定化させるために空気も供給する。また、燃焼器14の排ガス6は、配管35を介して、燃料改質器10外へ排出する。
【0022】
次に、燃料改質器10を定常運転するため、原料である都市ガス1を供給する。都市ガス1は水蒸気3と混合され、改質触媒層11に導入される。原料としては、都市ガス1に限定されず、LPG(液化プロパンガス)や、DME(ジメチルエタノール)、灯油などを使用することができる。改質触媒層11では、水蒸気改質反応により水素が生成する。この水素を含有する改質ガス5は、CO変成触媒層12に導入される。CO変成触媒層では、CO変成反応により改質ガス5中のCOを水素に転化し、改質効率を上げることができる。さらに、この改質ガス5は、PROX触媒層13に導入される。PROX触媒層13では、PROX反応により改質ガス5中のCOが除去されるので、改質ガス5のCO濃度をさらに下げることができる。一連の反応により得られた改質ガス5は、配管34を介して、燃料電池(図示せず)に供給される。燃料電池では、この改質ガス5と別途供給される空気により発電が行われる。燃料改質器10の定常運転は、約12時間にわたって行う。
【0023】
次に、燃料改質器10を停止するため、原料である都市ガス1の供給を止める。そして、触媒層や配管等に残留した改質ガス5等の可燃性ガスをパージするため、燃焼器14及び蒸発器15を作動させたままにして、水蒸気3のみを改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13に順次導入する。その際、触媒の酸化防止を図るため、水蒸気に微量の都市ガス1を混入させることが好ましい。可燃性ガスが水蒸気3により綺麗に洗い流され、排除されたら、都市ガス1及び水2の供給を止め、燃焼器14及び蒸発器15を停止する。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0024】
停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は保温材20で全体が覆われているので、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を100℃以上に保つことができる。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、上記の起動と同様に、先ず、燃焼器14の燃焼を開始し、また、水蒸気3を各触媒層に流すことで、各触媒層を上記所定の温度まで上昇させる。そして、原料である都市ガス1と水蒸気3を改質触媒層11に導入して、定常運転を行う。
【0025】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、真空断熱層を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合を示す模式図である。なお、図1と同様の構成については、図示を省略した。また、図4は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図3に示すように、燃料改質器10の外周は、真空断熱層22により覆われている。
【0026】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動、定常運転、及び停止を行うことができるので、説明は省略する。停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は真空断熱層22で全体が覆われているので、燃料改質器10の放熱が抑制され、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を120℃以上に保つことができる(図4を参照)。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際も、第1の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0027】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、湯を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合を示す模式図である。なお、図1と同様の構成については、図示を省略した。また、図6は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図5に示すように、燃料改質器10の外周は、湯4を通水するための湯用配管24により覆われている。湯用配管24の供給口は、PEFCシステムに付設されている貯湯槽(図示せず)に接続している。また、湯用配管24の排出口は下水道に接続している。
【0028】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止は、原料である都市ガス1の供給を止め、水蒸気3のみを各触媒層に順次導入して、可燃性ガスをパージする。そして、パージの終了後、湯用配管24に湯4を通水させる。湯4は、約70〜90℃の湯を用いることが好ましい。停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10の外周は湯4で覆われているので、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を105℃以上に保つことができる(図6を参照)。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、湯用配管24から湯4を排出すること以外、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
【0029】
(第4の実施の形態)
図7は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、ヒータを用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合の模式図である。なお、図1と同様の構成については、省略した。また、図8は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図7に示すように、燃料改質器10の外周は、ヒータ26により覆われている。ヒータ26としては、100℃以上に発熱するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シーズヒータ、ストレートヒータ、エロフィンヒータ、遠赤外線ヒータ等を使用することができる。
【0030】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止は、原料である都市ガス1の供給を止め、水蒸気3のみを各触媒層に順次導入して、可燃性ガスをパージする。そして、パージの終了後、ヒータ26を通電する。停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10はヒータ26で全体が覆われているので、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を100℃以上に保つことができる(図8を参照)。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、ヒータ26の通電を止めること以外、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
【0031】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、燃焼器を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合の模式図である。なお、図1と同様の構成については、図示を省略した。また、図10は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図9に示すように、燃料改質器10の外周は、ステンレス28により覆われている。なお、ステンレス28に限定されず、例えば、アルミ合金等、特に保温や断熱の機能がないものを使用することができる。
【0032】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止は、原料である都市ガス1の供給を止め、水蒸気3のみを各触媒層に順次導入して、可燃性ガスをパージする。そして、パージの終了後、燃焼器14を起動して、低火力で運転を続ける。燃料改質器10の停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は放熱により徐々に降下する。しかし、燃焼器14で燃料改質器10を加熱することで、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を100℃以上に保つことができる(図10を参照)。このようにして、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、燃焼器14の火力を上げて各触媒層を所定の温度まで昇温する以外、第1の実施の形態と同様に行う。
【0033】
(第6の実施の形態)
図11は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、酸素を除去した排ガスでパージを行う場合を示す概略図である。なお、図1と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図12は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図11に示すように、燃料改質器10には、改質触媒層11、その後段にCO変成触媒層12、さらにその後段にPROX触媒層13が設けてある。CO変成触媒層12としては、LTSを使用する。また、燃料改質器10には、燃焼器14と蒸発器と15が設けてある。なお、各構成の構造的な配置は、図1と同様である。
【0034】
燃焼器14の出口側には、排ガス6を改質触媒層11に導入するための配管33が設けてある。この配管33には、排ガス6中の酸素を除去するための酸素吸着剤30が設けてある。酸素吸着剤30としては、金属銅(Cu)を用いるが、Cuに限定されず、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Zn(亜鉛)のいずれか1種又はこれら(Cuを含む)の2種以上の組み合わせ、例えば、Cu/Zn混合物など、酸化還元が可能なものを使用することができる。酸素吸着剤30の形状は、特に限定されず、ペレット形状及びハニカム形状を採用することができる。配管33には、酸素吸着剤30の入口側及び出口側にそれぞれ弁34、35が設けてあり、また、排ガス6を改質触媒層11に送るための動力源としてポンプ32が設けてある。
【0035】
燃料改質器10の外周は、厚さ1cmの保温材(図示せず)により覆われている(図1を参照)。保温材としては、第1の実施の形態と同様のものを使用できる。なお、保温材は、200℃のCO変成触媒層12が11時間経過後でも40℃以上に保たれるように、素材及び厚さを適宜選択することができる。また、保温材の代わりに、真空断熱層や、湯用配管、ヒータなどを用いることもできる(図3、図5及び図7を参照)。
【0036】
このような構成によれば、先ず、燃料改質器10の起動時において、都市ガス1を燃焼器14に供給し、燃焼器14の燃焼を開始する。そして、改質触媒層11を約650℃に、CO変成触媒層12を約200℃に、PROX触媒層13を約90℃に昇温する。この時、水2を蒸発器15に供給して、これにより得られた水蒸気3を改質触媒層11に流し、昇温を促進する。その際、水蒸気3で触媒層が酸化されるのを防止するため、微量の都市ガス1を水蒸気3に混入させることが好ましい。昇温は約1時間にわたって行う(図12を参照)。なお、燃焼器14には、都市ガス1とともに燃焼を安定化させるために空気も供給する。また、燃焼器14の排ガス6は、燃料改質器10外へ排出する。
【0037】
次に、燃料改質器10を定常運転するため、原料である都市ガス1を供給する。都市ガス1は水蒸気3と混合され、改質触媒層11に導入される。原料としては、第1の実施の形態と同様に、都市ガス1に限定されず、LPGや、DME、灯油などを使用することができる。改質触媒層11では、水蒸気改質反応により水素が生成する。この水素を含有する改質ガス5は、CO変成触媒層12に導入される。CO変成触媒層12では、CO変成反応により改質ガス5中のCOを水素に転化し、改質効率を上げることができる。さらに、この改質ガス5は、PROX触媒層13に導入される。PROX触媒層13では、PROX反応により改質ガス5中のCOが除去されるので、改質ガス5のCO濃度をさらに下げることができる。一連の反応により得られた改質ガス5は、燃料電池(図示せず)に供給される。燃料電池では、この改質ガス5と別途供給される空気により発電が行われる。燃料改質器10の定常運転は、約12時間にわたって行う。
【0038】
次に、燃料改質器10を停止するため、原料である都市ガス1と水2の供給を止め、蒸発器15を停止する。そして、触媒層や配管等に残留した改質ガス5等の可燃性ガスをパージするため、燃焼器14を作動させたまま、弁34、35を開き、ポンプ32を起動して、排ガス6を酸素吸着剤30に導入する。酸素吸着剤30では、Cu+1/2O2→CuOなる酸化反応で、酸素がCuに吸着されて排ガス6から除去される。なお、酸素吸着剤30の酸化反応を促進するため、酸素吸着剤30を100℃以上に加熱することもできる。このようにして、酸素が除去された排ガス(組成、CO2:9%、H2O:10%、残N2)を、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13に順次導入する。可燃性ガスが排ガス6により綺麗に洗い流され、排除されたら、都市ガス1の供給を止め、燃焼器14及びポンプ32を停止し、弁34、35を閉じる。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0039】
停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は保温材で全体が覆われているので、温度低下が抑制されて、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を40℃以上に保つことができる(図12を参照)。また、パージに用いた排ガス6の水分は10%であるため、CO変成触媒層12の温度を40℃以上に保つことで、CO変成触媒層12での結露を防止することができる。したがって、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。なお、保温材の代わりに真空断熱層を用いた場合、CO変成触媒層12の温度を120℃以上に保つことができる。燃料改質器10を再起動する際は、上記の起動と同様に、先ず、燃焼器14の燃焼を開始し、また、水蒸気3を各触媒層に流すことで、各触媒層を上記所定の温度まで上昇させる。そして、原料である都市ガス1と水蒸気3を改質触媒層11に導入して、定常運転を行う。
【0040】
なお、酸素を吸着した酸素吸着剤30は、いずれ酸素吸着機能が飽和するので、次回のパージ時までにこれをH2雰囲気で還元して、再使用することができる。その際、ヒータ(図示せず)により酸素吸着剤30を約200℃に昇温させることで、還元効率を上げることができる。
【0041】
(第7の実施の形態)
図13は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、酸素を除去し、水分を凝縮器で低下させた排ガスでパージを行う場合を示す概略図である。なお、図11と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図14は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図13に示すように、燃料改質器10には、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13、燃焼器14、及び蒸発器15が設けてある。なお、各構成の構造的な配置は、図1と同様である。
【0042】
燃焼器14の出口側には、排ガス6を改質触媒層11に導入するための配管33が設けてある。この配管33には、酸素吸着剤30と、その後段に、排ガス6を冷却して排ガス6中の水分を除去するための凝縮器36とが設けてある。燃料改質器10の外周は、厚さ5mmの保温材(図示せず)により覆われている(図1を参照)。保温材としては、第1の実施の形態と同様のものを使用できる。なお、保温材は、200℃のCO変成触媒層12が11時間経過後でも30℃以上に保たれるように、素材及び厚さを選択することができる。また、保温材の代わりに、真空断熱層や、湯用配管、ヒータなどを用いることもできる(図3、図5及び図7を参照)。
【0043】
このような構成によれば、第6の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止では、先ず、原料である都市ガス1と水2の供給を止め、蒸発器15を停止する。そして、触媒層や配管等に残留した改質ガス5等の可燃性ガスをパージするため、燃焼器14を作動させたまま、弁34、35を開き、ポンプ32及び凝縮器36を起動して、排ガス6を酸素吸着剤30に導入する。酸素吸着剤30では、酸化反応により、酸素がCuに吸着されて排ガス6中から除去される。酸素が除去された排ガス6は、次に、凝縮器36に導入される。凝縮器36では、排ガス6が冷却され、水分が低下する。このようにして、酸素の除去及び水分の低下が行われた排ガス(組成、CO2:10%、H2O:4%、残N2)を、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13に順次導入する。可燃性ガスが排ガス6により排除されたら、都市ガス1の供給を止め、燃焼器14、ポンプ32及び凝縮器36を停止し、弁34、35を閉じる。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0044】
停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は保温材で全体が覆われているので、温度低下が抑制されて、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を30℃以上に保つことができる(図14を参照)。また、パージに用いた排ガス6の水分は4%であるため、CO変成触媒層12の温度を30℃以上に保つことで、CO変成触媒層12での結露を防止することができる。したがって、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10の再起動は、第6の実施の形態と同様にして行うことができる。
【0045】
(第8の実施の形態)
図15は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、酸素を除去し、水分を除湿用吸着剤で低下させた排ガスでパージを行う場合を示す概略図である。なお、図11と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図16は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図15に示すように、燃料改質器10には、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13、燃焼器14及び蒸発器15が設けてある。また、改質触媒層11とCO変成触媒層12の間には、除湿用吸着剤38が設けてある。除湿用吸着剤38としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、モレキュラーシーブなどを用いることができる。
【0046】
燃焼器14の出口側には、排ガス6を改質触媒層11に導入するための配管33が設けてある。この配管33には、酸素吸着剤30が設けてある。燃料改質器10の外周は、ステンレス(図示せず)により覆われている(図9を参照)。なお、ステンレスの代わりに、保温材や、真空断熱層、湯用配管、ヒータなどを用いることもできる(図1、図3、図5及び図7を参照)。
【0047】
このような構成によれば、第6の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止では、先ず、原料である都市ガス1と水2の供給を止め、蒸発器15を停止する。そして、パージを行うため、燃焼器14を作動させたまま、弁34、35を開き、ポンプ32を起動して、排ガス6を酸素吸着剤30に導入する。酸素吸着剤30では、酸化反応により、酸素がCuに吸着されて排ガス6中から除去される。この酸素が除去された排ガス6は、改質触媒層11に導入された後、除湿用吸着剤38に導入される。除湿用吸着剤38では、排ガス6中に含まれる水分を吸着して、排ガス6中の水分を低下させる。このようにして、酸素の除去及び水分の低下が行われた排ガス(組成、CO2:10%、H2O:2%、残N2)を、CO変成触媒層12及びPROX触媒層13に順次導入する。可燃性ガスが排ガス6により排除されたら、都市ガス1の供給を止め、燃焼器14及びポンプ32を停止し、弁34、35を閉じる。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0048】
停止から再起動までの約11時間の間に、燃料改質器10の温度は徐々に降下して、CO変成触媒層12の温度は室温となる(図16を参照)。しかしながら、パージに用いた排ガス6の水分は2%であるため、CO変成触媒層12の温度を室温(23℃)以上に保つことで、CO変成触媒層12での結露を防止することができる。したがって、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10の再起動は、第6の実施の形態と同様にして行うことができる。
【0049】
【実施例】
1.COシフト触媒の調製
炭酸ナトリウム(Na2CO3)2.5molを水2Lに溶かして70℃に保温した。このアルカリ水溶液を溶液Aとした。硝酸亜鉛(Zn(NO3)2・6H2O)0.225molと硝酸アルミニウム(Al(NO3)3・9H2O)0.075molをそれぞれ水400mLに溶かして60℃に保温した。この溶液を溶液B、溶液Cとした。さらに、硝酸銅(Cu(NO3)2・3H2O)0.3molを水200mLに溶かして60℃に保温した。この溶液を溶液Dとした。
【0050】
先ず、攪拌しながら溶液Aに、溶液Cを30分にわたり均一に滴下し、さらに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し、懸濁液を得た。次に、この懸濁液に溶液Dを30分にわたり一定に滴下して沈殿物を得た。滴下終了後、pHは7であった。滴下後1時間の熟成を行い、次に沈殿物をろ過し、NaイオンとNO3イオンが検出されないように洗浄した。さらに、100℃で24時間乾燥し、その後300℃で3時間焼成して、CuO・ZnO・Al2O3複合酸化物の粉末触媒を得た。この粉末触媒100重量部に対して、グラファイト3重量部を添加して打錠成型を行い、直径3mm×長さ3mmのペレット状のCO変成触媒を得た。
【0051】
2.CO変成触媒の耐久性試験
(実施例1)
保温材A(グラスウール、25mm厚さ)で覆われた容器に上記で得られたCO変成触媒31.2mLを充填し、これを1時間で室温から200℃までに昇温した(起動)。次に、試験ガス(組成、CO:3.3%、CO2:11.0%、CH4:1.5%、H2:51.1%、H2O:33.1%(H2O/CO=10.1mol/mol))をGHSV(ガス空間速度)5000h−1、圧力1.0ataの条件で、12時間にわたり上記容器に供給した(定常運転)。この時、容器出口での試験ガスのCO濃度を測定した。そして、以下の式により定義されるCO転化率を算出することにより、CO変成触媒の活性を評価した。
CO転化率(%)=(1−(出口CO濃度/入口CO濃度))×100
【0052】
試験ガスの供給を止めた後、水蒸気(H2O)を30分間にわたり供給して試験ガスをパージし、H2O雰囲気にて11時間保管した(停止)。この間、CO変成触媒の温度は降下したが、保温材により最下温度は100℃であった。そして、再び、1時間で200℃まで昇温して、試験ガスを12時間にわたり供給した。このようにして、起動、定常運転、停止の作業(DSS運転)を繰り返し75回(定常運転のべ900時間)行った後、試験を終了した。75回目のCO転化率の結果を表1に示す。
【0053】
(実施例2)
保温材Aの代わりに真空断熱層で覆われた容器を用いる以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は120℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0054】
(実施例3)
保温材Aの代わりに湯用配管で覆われた容器を用いて、停止時に80℃の湯を導入する以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は105℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0055】
(実施例4)
保温材Aの代わりにヒータで覆われた容器を用いて、停止時にヒータを通電して最下温度を100℃に保つこと以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0056】
(実施例5)
保温材Aの代わりにバーナを付設した容器を用いて、停止時にバーナで加熱して最下温度を100℃に保つこと以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0057】
(実施例6)
保温材Aの代わりに保温材B(硬質ウレタンフォーム、20mm厚さ)で覆われた容器を用いるとともに、水蒸気の代わりにO2フリーのガスA(組成、CO2:9%、H2O:10%、残N2)を供給する以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は40℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0058】
(実施例7)
保温材Bの代わりに真空断熱層で覆われた容器を用いる以外は、実施例6と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は120℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0059】
(実施例8)
保温材Bの代わりに保温材C(発泡スチロール、15mm厚さ)で覆われた容器を用いるとともに、ガスAの代わりにO2フリーのガスB(組成、CO2:10%、H2O:4%、残N2)を供給する以外は、実施例6と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は30℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0060】
(実施例9)
保温材Bの代わりにステンレスで覆われた容器を用いるとともに、ガスAを除湿用吸着剤(直径3mmのシリカゲル20mL)に通したガスC(組成、CO2:10%、H2O:2%、残N2)を供給する以外は、実施例6と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は室温であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0061】
(比較例1)
上記で得られたCO変成触媒31.2mLを温度200℃に昇温して、これに試験ガス(組成は、CO:3.3%、CO2:11.0%、CH4:1.5%、H2:51.1%、H2O:33.1%(H2O/CO=10.1mol/mol))をGHSV(ガス空間速度)5000h−1、圧力1.0ataの条件で供給した。そして、触媒出口での試験ガスのCO濃度を測定し、CO変成触媒の活性を評価した。CO転化率の結果を表1に示す。
【0062】
(比較例2)
試験ガスを連続して900時間供給する以外は、比較例1と同様の条件で、CO変成触媒の活性を評価した。CO転化率の結果を表1に示す。
【0063】
(比較例3)
保温材Aの代わりにステンレスで覆われた容器を用いる以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は室温であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1に示すように、フレッシュなCO変成触媒である比較例1のCO転化率は93%であった。連続運転である比較例2のCO転化率は89%であり、連続運転ではCO変成触媒の劣化がほとんど生じていない。しかし、DSS運転においてパージに水蒸気を用い、かつCO変成触媒の温度が室温であった比較例3は、CO転化率が25%と著しい低下を示し、安定した活性を維持することができなかった。しかしながら、DSS運転においてパージに水蒸気を用いた場合でも、CO変成触媒の温度を100℃以上に保持した実施例1〜5のCO転化率は87〜88%であった。すなわち、本発明によれば、DSS運転においても連続運転と同様にCO変成触媒の劣化を防止することができた。
【0066】
また、実施例7に示すように、DSS運転においてパージに10%の水分を有するガスを用いた場合は、CO変成触媒の温度を40℃まで降下させても、CO転化率は83%と高い値が得られた。また、4%の水分を有する実施例8のCO転化率は、CO変成触媒の温度を30℃まで降下させても、86%と高い値が得られた。さらに、2%の水分を有する実施例9のCO転化率は、CO変成触媒の温度を室温まで降下させても、87%と高い値が得られた。すなわち、水分の低いガスをパージに用いることで、CO変成触媒の温度を100℃以下、特に40℃〜室温まで降下させても、CO変成触媒の劣化を防止することができた。
【0067】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、PEFCシステムのコンパクト化を達成するため、ボンベ等を要せずに提供可能なガスで燃料改質器内に残留した物質をパージすることができ、かつ、DSS運転においてもCO変成触媒の著しい劣化がなく、長期間にわたり安定して炭化水素系燃料から効率的に水素を製造することができる燃料改質器及びその運転方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料改質器の第1の実施の形態を示す模式図である。
【図2】第1の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図3】本発明に係る燃料改質器の第2の実施の形態を示す模式図である。
【図4】第2の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図5】本発明に係る燃料改質器の第3の実施の形態を示す模式図である。
【図6】第3の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図7】本発明に係る燃料改質器の第4の実施の形態を示す模式図である。
【図8】第4の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図9】本発明に係る燃料改質器の第5の実施の形態を示す模式図である。
【図10】第5の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図11】本発明に係る燃料改質器の第6の実施の形態を示す概略図である。
【図12】第6の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図13】本発明に係る燃料改質器の第7の実施の形態を示す概略図である。
【図14】第7の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図15】本発明に係る燃料改質器の第8の実施の形態を示す概略図である。
【図16】第8の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【符号の説明】
1 都市ガス
2 水
3 水蒸気
4 湯
5 改質ガス
6 排ガス
10 燃料改質器
11 改質触媒層
12 CO変成触媒層
13 PROX触媒層
14 燃焼器(バーナ)
15 蒸発器
20 保温材
22 真空断熱層
24 湯用配管
26 ヒータ
28 ステンレス
30 酸素吸着剤
32 ポンプ
34 弁
36 凝縮器
38 除湿用吸着剤
41、42、43、44、45、46 配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池システムにおける燃料改質器及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池システム(以下、PEFCシステム)は、主として燃料改質器と燃料電池から構成される。燃料改質器は、改質触媒、CO変成触媒及びPROX触媒を用いて、都市ガス等の炭化水素系燃料を水素リッチなガス(以下、改質ガス)に変え、これを燃料電池に供給する。燃料電池は、改質ガスと空気等の酸素含有ガスとの化学反応により発電を行う。このようなPEFCシステムは、一般家庭等を対象とした分散電源としての使用が期待されており、従来の発電所からの電気との併用が計画されている。PEFCシステムを分散電源として使用する場合、連続運転ではなく、使用者の利便性のため、朝に起動して夜に停止するDSS(Daily Start−up and Shut−downの略)運転が求められる。
【0003】
DSS運転を行う場合、停止時において、燃料改質器の触媒層や配管などの燃料経路内に可燃性の改質ガスが残留してしまう。よって、触媒層に不活性ガスを導入して、残留している改質ガスをパージする必要がある。不活性ガスとして、一般に窒素ガスが使用されている。しかし、一般家庭には窒素ガス源がないので、窒素ボンベをPEFCシステムに常備させることとなり、設備の容積が増大し、コンパクト性が損なわれるという問題があった。
【0004】
一方、燃料改質器に用いられる触媒の中でも、Cu・ZnOの複合酸化物を主成分とするCO変成触媒は、耐久性が低いという問題があった。例えば、上記の窒素ガスの代わりに空気を用いてパージを行うと、空気中の酸素により、CO変成触媒は瞬時に劣化する。また、負荷の変動が大きいDSS運転を行うことでも、CO変成触媒の著しい劣化が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、PEFCシステムのコンパクト化を達成するため、ボンベ等を要せずに提供可能なガスで燃料改質器内に残留した物質をパージすることができ、かつ、DSS運転においてもCO変成触媒の著しい劣化がなく、長期間にわたり安定して炭化水素系燃料から効率的に水素を製造することができる燃料改質器及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る燃料改質器は、改質触媒層と、該改質触媒層の後段に設けられたCO変成触媒層と、該改質触媒層及び該CO変成触媒層を加熱するための燃焼手段と、該燃料改質触媒層に供給する水蒸気を得るための蒸発手段と、該CO変成触媒層における結露の発生を防止するための手段とを含む
ことを特徴とする。
【0007】
CO変成触媒の劣化原因は、DSS運転の停止時に水分が冷却により凝縮して触媒に結露し、起動時にこの結露が蒸発する際、触媒が凝集(シンタリング)するためであると推定される。したがって、結露防止手段を備えることにより、水分を含むガスを用いて燃料改質器内の残留物質をパージしても、CO変成触媒上で結露が発生しないので、CO変成触媒の劣化を防止することができる。また、結露防止手段を備えることで、蒸発手段で得られた水蒸気(H2O)で燃料改質器内の残留物質をパージすることができるようになる。水蒸気源としては、一般家庭にある水道水を利用することができるので、ボンベ等の設備は不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。
【0008】
上記結露防止手段としては、上記CO変成触媒層の放熱を抑制するための手段、上記CO変成触媒層を加熱するための発熱手段、又は該放熱抑制手段と該発熱手段との組み合わせが好ましい。上記放熱抑制手段としては、上記燃料改質器の外壁に設けられた保温材又は真空断熱層が好ましい。保温材や真空断熱層によれば、外部からエネルギーを加えることなく、CO変成触媒層を所定の温度に保持することができる。また、上記発熱手段としては、上記燃料改質器の外壁に設けられた湯を通水するための配管又はヒータが好ましい。湯やヒータによれば、CO変成触媒層の温度が所定の温度より下がることを確実に防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る燃料改質器は、上記燃焼手段から排出されるガスを上記燃料改質触媒層に導入するための管路と、少なくとも上記CO変成触媒層の前段に設けられた該排ガス中の酸素を取り除くための手段とをさらに含むことができる。
【0010】
このように、燃焼手段から排出されたガスで燃料改質器内の残留物質をパージすることでも、ボンベ等の設備が不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。なお、燃焼排ガスには酸素(O2)が約2%含まれているが、酸素除去手段で取り除かれるので、CO変成触媒を劣化させることがない。また、燃焼排ガスは水分(H2O)を約10%しか含まないので、水蒸気を用いる場合よりCO変成触媒の温度が低温でも、CO変成触媒上での結露を防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る燃料改質器は、少なくとも上記CO変成触媒層の前段に設けられた上記排ガス中の水分を低下させるための手段をさらに含むことができる。上記水分を低下させる手段としては、凝縮器又は除湿用吸着剤が好ましい。燃焼排ガスの水分をさらに低下させることで、CO変成触媒の温度がさらに低温でも、CO変成触媒上での結露を防止することができる。
【0012】
さらに、本発明は、別の側面として、燃料改質器の運転方法であって、燃料改質器に原料を供給するのを停止する工程と、該燃料改質器内に残留した可燃性ガスを不活性ガスでパージする工程と、該燃焼改質器のCO変成触媒上に結露が発生しないように該CO変成触媒の温度を保持する工程と、該温度を保持した状態のまま該燃料改質器に原料を供給するのを開始する工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
前記したように、CO変成触媒の劣化原因は、DSS運転の停止時に水分が冷却により凝縮して触媒に結露し、起動時にこの結露が蒸発する際、触媒が凝集(シンタリング)するためであると推定される。したがって、水分を含む不活性ガスを用いて燃料改質器内の残留物質をパージしても、CO変成触媒上で結露が発生しないようにCO変成触媒の温度を保持することで、CO変成触媒の劣化を防止することができる。なお、本明細書中の「不活性ガス」とは、燃焼等の反応を系内で起こさないガスの意味として用いている。
【0014】
上記不活性ガスとしては水蒸気を用いることができ、この場合、上記CO変成触媒の温度としては100℃以上が好ましい。水蒸気源としては、一般家庭にある水道水を利用することができるので、ボンベ等の設備は不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。また、CO変成触媒の温度を100℃以上にすることで、水蒸気でパージしても確実に結露を防ぐことができる。
【0015】
また、上記不活性ガスとしては、上記燃料改質器に設けられた燃焼器から排出されたガスを用いることもでき、この場合、上記CO変成触媒層の温度としては40℃以上が好ましく、かつ、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の酸素を取り除く工程をさらに含むことが好ましい。このように、燃焼器から排出されたガスで燃料改質器内の残留物質をパージすることでも、ボンベ等の設備が不要となりPEFCシステムのコンパクト化を達成することができる。なお、燃焼排ガスには酸素が約2%含まれているが、事前に酸素を取り除くことで、CO変成触媒の劣化を防止することができる。また、燃焼排ガスは約10%の水分しか含まないので、CO変成触媒の温度を40℃以上に保持することで、結露を確実に防ぐことができる。
【0016】
さらに、上記不活性ガスとして、上記燃料改質器に設けられた燃焼器から排出されたガスを用いる場合、上記CO変成触媒層の温度を30℃以上とし、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の酸素を取り除く工程と、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の水分を4%以下に低下させる工程とをさらに含むこともできる。また、上記CO変成触媒層の温度を23℃以上とし、上記排ガス中の水分を2%以下とすることもできる。このように、排ガスの水分をより低下させることにより、CO変成触媒の温度がより低温でもCO変成触媒上での結露を防ぐことができる。
【0017】
また、上記CO変成触媒の温度を保持する工程は、上記燃料改質器の外壁に設けられた配管内に湯を通水する工程、上記燃料改質器の外壁に設けられたヒータを通電する工程、及び上記燃焼手段を起動させる工程からなる群から選ばれた少なくとも1つの工程を含むことができる。このように、外部からエネルギーを加えることによって、CO変成触媒層の温度が所定の温度より下がることを確実に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、保温材を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合の模式図である。図2は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。なお、図2の縦軸はCO変成触媒の温度を示す。図1に示すように、燃料改質器10は円筒形状を有しており、その中心に筒型の燃焼器(バーナ)14を備えている。燃焼器14の外周には、その熱を利用して水2から水蒸気3を得る蒸発器15が付設している。また、燃焼器14の燃焼ノズル側から蒸発器15の外周側にかけて、燃焼室16が設けてある。
【0019】
燃焼室16の外周側には、原料である都市ガス1と水2から水素と一酸化炭素を生成する水蒸気改質反応(CH4+H2O→3H2+CO)を行う改質触媒層11が設けてある。改質触媒層11の後段には、一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を生成するCO変成反応(CO+H2O→H2+CO2)を行うCO変成触媒層12が設けてある。CO変成触媒層12としては、低温(約200℃)で作動するLTS(低温シフト触媒)を使用するが、高温(約400℃)で作動するHTS(高温シフト触媒)を併用することもできる。また、CO変成触媒層12の後段であって、燃焼器14の燃焼ノズルとは反対側の燃料改質器10の一端側(上部側)には、一酸化炭素を除去するPROX反応(CO+1/2O2→CO2)を行うPROX触媒層13が設けてある。
【0020】
燃料改質器10の外周は、厚さ3cmの保温材20により覆われている。保温材20としては、例えば、硬質ウレタンフォーム、発泡スチロール、グラスウールなどを使用することができる。なお、保温材20は、200℃のCO変成触媒層12が11時間経過後でも100℃以上に保たれるように、素材及び厚さを適宜選択することができる。燃料改質器10の上部側の面には、改質触媒層11に原料である都市ガス1を供給するための配管41と、燃焼器14に燃料である都市ガス1を供給するための配管42と、蒸発器15に水を供給するための配管43と、一連の反応により生成した改質ガス5をPROX触媒層13から燃料電池(図示せず)に供給するための配管44と、燃焼器14により発生した排ガス6を燃焼室16から燃料改質器10外へ排出するための配管45が設けてある。また、蒸発器14により生成した水蒸気3を都市ガス1と混合するための配管46が、配管31に接続している。
【0021】
このような構成によれば、先ず、燃料改質器10の起動時において、都市ガス1を燃焼器14に供給し、燃焼器14の燃焼を開始する。そして、改質触媒層11を約650℃に、CO変成触媒層12を約200℃に、PROX触媒層13を約90℃に昇温する。この時、水2を蒸発器15に供給して、これにより得られた水蒸気3を改質触媒層11に流し、昇温を促進する。その際、水蒸気3で触媒層が酸化されるのを防止するため、微量の都市ガス1を水蒸気3に混入させることが好ましい。昇温は約1時間にわたって行う(図2を参照)。なお、燃焼器14には、都市ガス1とともに燃焼を安定化させるために空気も供給する。また、燃焼器14の排ガス6は、配管35を介して、燃料改質器10外へ排出する。
【0022】
次に、燃料改質器10を定常運転するため、原料である都市ガス1を供給する。都市ガス1は水蒸気3と混合され、改質触媒層11に導入される。原料としては、都市ガス1に限定されず、LPG(液化プロパンガス)や、DME(ジメチルエタノール)、灯油などを使用することができる。改質触媒層11では、水蒸気改質反応により水素が生成する。この水素を含有する改質ガス5は、CO変成触媒層12に導入される。CO変成触媒層では、CO変成反応により改質ガス5中のCOを水素に転化し、改質効率を上げることができる。さらに、この改質ガス5は、PROX触媒層13に導入される。PROX触媒層13では、PROX反応により改質ガス5中のCOが除去されるので、改質ガス5のCO濃度をさらに下げることができる。一連の反応により得られた改質ガス5は、配管34を介して、燃料電池(図示せず)に供給される。燃料電池では、この改質ガス5と別途供給される空気により発電が行われる。燃料改質器10の定常運転は、約12時間にわたって行う。
【0023】
次に、燃料改質器10を停止するため、原料である都市ガス1の供給を止める。そして、触媒層や配管等に残留した改質ガス5等の可燃性ガスをパージするため、燃焼器14及び蒸発器15を作動させたままにして、水蒸気3のみを改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13に順次導入する。その際、触媒の酸化防止を図るため、水蒸気に微量の都市ガス1を混入させることが好ましい。可燃性ガスが水蒸気3により綺麗に洗い流され、排除されたら、都市ガス1及び水2の供給を止め、燃焼器14及び蒸発器15を停止する。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0024】
停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は保温材20で全体が覆われているので、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を100℃以上に保つことができる。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、上記の起動と同様に、先ず、燃焼器14の燃焼を開始し、また、水蒸気3を各触媒層に流すことで、各触媒層を上記所定の温度まで上昇させる。そして、原料である都市ガス1と水蒸気3を改質触媒層11に導入して、定常運転を行う。
【0025】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、真空断熱層を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合を示す模式図である。なお、図1と同様の構成については、図示を省略した。また、図4は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図3に示すように、燃料改質器10の外周は、真空断熱層22により覆われている。
【0026】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動、定常運転、及び停止を行うことができるので、説明は省略する。停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は真空断熱層22で全体が覆われているので、燃料改質器10の放熱が抑制され、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を120℃以上に保つことができる(図4を参照)。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際も、第1の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0027】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、湯を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合を示す模式図である。なお、図1と同様の構成については、図示を省略した。また、図6は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図5に示すように、燃料改質器10の外周は、湯4を通水するための湯用配管24により覆われている。湯用配管24の供給口は、PEFCシステムに付設されている貯湯槽(図示せず)に接続している。また、湯用配管24の排出口は下水道に接続している。
【0028】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止は、原料である都市ガス1の供給を止め、水蒸気3のみを各触媒層に順次導入して、可燃性ガスをパージする。そして、パージの終了後、湯用配管24に湯4を通水させる。湯4は、約70〜90℃の湯を用いることが好ましい。停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10の外周は湯4で覆われているので、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を105℃以上に保つことができる(図6を参照)。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、湯用配管24から湯4を排出すること以外、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
【0029】
(第4の実施の形態)
図7は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、ヒータを用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合の模式図である。なお、図1と同様の構成については、省略した。また、図8は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図7に示すように、燃料改質器10の外周は、ヒータ26により覆われている。ヒータ26としては、100℃以上に発熱するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シーズヒータ、ストレートヒータ、エロフィンヒータ、遠赤外線ヒータ等を使用することができる。
【0030】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止は、原料である都市ガス1の供給を止め、水蒸気3のみを各触媒層に順次導入して、可燃性ガスをパージする。そして、パージの終了後、ヒータ26を通電する。停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10はヒータ26で全体が覆われているので、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を100℃以上に保つことができる(図8を参照)。これにより、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、ヒータ26の通電を止めること以外、第1の実施の形態と同様に行うことができる。
【0031】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、水蒸気でパージを行い、燃焼器を用いてCO変成触媒の温度を100℃以上に保つ場合の模式図である。なお、図1と同様の構成については、図示を省略した。また、図10は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図9に示すように、燃料改質器10の外周は、ステンレス28により覆われている。なお、ステンレス28に限定されず、例えば、アルミ合金等、特に保温や断熱の機能がないものを使用することができる。
【0032】
このような構成によれば、第1の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止は、原料である都市ガス1の供給を止め、水蒸気3のみを各触媒層に順次導入して、可燃性ガスをパージする。そして、パージの終了後、燃焼器14を起動して、低火力で運転を続ける。燃料改質器10の停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は放熱により徐々に降下する。しかし、燃焼器14で燃料改質器10を加熱することで、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を100℃以上に保つことができる(図10を参照)。このようにして、CO変成触媒層12での結露を防止することができるので、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10を再起動する際は、燃焼器14の火力を上げて各触媒層を所定の温度まで昇温する以外、第1の実施の形態と同様に行う。
【0033】
(第6の実施の形態)
図11は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、酸素を除去した排ガスでパージを行う場合を示す概略図である。なお、図1と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図12は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図11に示すように、燃料改質器10には、改質触媒層11、その後段にCO変成触媒層12、さらにその後段にPROX触媒層13が設けてある。CO変成触媒層12としては、LTSを使用する。また、燃料改質器10には、燃焼器14と蒸発器と15が設けてある。なお、各構成の構造的な配置は、図1と同様である。
【0034】
燃焼器14の出口側には、排ガス6を改質触媒層11に導入するための配管33が設けてある。この配管33には、排ガス6中の酸素を除去するための酸素吸着剤30が設けてある。酸素吸着剤30としては、金属銅(Cu)を用いるが、Cuに限定されず、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Zn(亜鉛)のいずれか1種又はこれら(Cuを含む)の2種以上の組み合わせ、例えば、Cu/Zn混合物など、酸化還元が可能なものを使用することができる。酸素吸着剤30の形状は、特に限定されず、ペレット形状及びハニカム形状を採用することができる。配管33には、酸素吸着剤30の入口側及び出口側にそれぞれ弁34、35が設けてあり、また、排ガス6を改質触媒層11に送るための動力源としてポンプ32が設けてある。
【0035】
燃料改質器10の外周は、厚さ1cmの保温材(図示せず)により覆われている(図1を参照)。保温材としては、第1の実施の形態と同様のものを使用できる。なお、保温材は、200℃のCO変成触媒層12が11時間経過後でも40℃以上に保たれるように、素材及び厚さを適宜選択することができる。また、保温材の代わりに、真空断熱層や、湯用配管、ヒータなどを用いることもできる(図3、図5及び図7を参照)。
【0036】
このような構成によれば、先ず、燃料改質器10の起動時において、都市ガス1を燃焼器14に供給し、燃焼器14の燃焼を開始する。そして、改質触媒層11を約650℃に、CO変成触媒層12を約200℃に、PROX触媒層13を約90℃に昇温する。この時、水2を蒸発器15に供給して、これにより得られた水蒸気3を改質触媒層11に流し、昇温を促進する。その際、水蒸気3で触媒層が酸化されるのを防止するため、微量の都市ガス1を水蒸気3に混入させることが好ましい。昇温は約1時間にわたって行う(図12を参照)。なお、燃焼器14には、都市ガス1とともに燃焼を安定化させるために空気も供給する。また、燃焼器14の排ガス6は、燃料改質器10外へ排出する。
【0037】
次に、燃料改質器10を定常運転するため、原料である都市ガス1を供給する。都市ガス1は水蒸気3と混合され、改質触媒層11に導入される。原料としては、第1の実施の形態と同様に、都市ガス1に限定されず、LPGや、DME、灯油などを使用することができる。改質触媒層11では、水蒸気改質反応により水素が生成する。この水素を含有する改質ガス5は、CO変成触媒層12に導入される。CO変成触媒層12では、CO変成反応により改質ガス5中のCOを水素に転化し、改質効率を上げることができる。さらに、この改質ガス5は、PROX触媒層13に導入される。PROX触媒層13では、PROX反応により改質ガス5中のCOが除去されるので、改質ガス5のCO濃度をさらに下げることができる。一連の反応により得られた改質ガス5は、燃料電池(図示せず)に供給される。燃料電池では、この改質ガス5と別途供給される空気により発電が行われる。燃料改質器10の定常運転は、約12時間にわたって行う。
【0038】
次に、燃料改質器10を停止するため、原料である都市ガス1と水2の供給を止め、蒸発器15を停止する。そして、触媒層や配管等に残留した改質ガス5等の可燃性ガスをパージするため、燃焼器14を作動させたまま、弁34、35を開き、ポンプ32を起動して、排ガス6を酸素吸着剤30に導入する。酸素吸着剤30では、Cu+1/2O2→CuOなる酸化反応で、酸素がCuに吸着されて排ガス6から除去される。なお、酸素吸着剤30の酸化反応を促進するため、酸素吸着剤30を100℃以上に加熱することもできる。このようにして、酸素が除去された排ガス(組成、CO2:9%、H2O:10%、残N2)を、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13に順次導入する。可燃性ガスが排ガス6により綺麗に洗い流され、排除されたら、都市ガス1の供給を止め、燃焼器14及びポンプ32を停止し、弁34、35を閉じる。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0039】
停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は保温材で全体が覆われているので、温度低下が抑制されて、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を40℃以上に保つことができる(図12を参照)。また、パージに用いた排ガス6の水分は10%であるため、CO変成触媒層12の温度を40℃以上に保つことで、CO変成触媒層12での結露を防止することができる。したがって、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。なお、保温材の代わりに真空断熱層を用いた場合、CO変成触媒層12の温度を120℃以上に保つことができる。燃料改質器10を再起動する際は、上記の起動と同様に、先ず、燃焼器14の燃焼を開始し、また、水蒸気3を各触媒層に流すことで、各触媒層を上記所定の温度まで上昇させる。そして、原料である都市ガス1と水蒸気3を改質触媒層11に導入して、定常運転を行う。
【0040】
なお、酸素を吸着した酸素吸着剤30は、いずれ酸素吸着機能が飽和するので、次回のパージ時までにこれをH2雰囲気で還元して、再使用することができる。その際、ヒータ(図示せず)により酸素吸着剤30を約200℃に昇温させることで、還元効率を上げることができる。
【0041】
(第7の実施の形態)
図13は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、酸素を除去し、水分を凝縮器で低下させた排ガスでパージを行う場合を示す概略図である。なお、図11と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図14は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図13に示すように、燃料改質器10には、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13、燃焼器14、及び蒸発器15が設けてある。なお、各構成の構造的な配置は、図1と同様である。
【0042】
燃焼器14の出口側には、排ガス6を改質触媒層11に導入するための配管33が設けてある。この配管33には、酸素吸着剤30と、その後段に、排ガス6を冷却して排ガス6中の水分を除去するための凝縮器36とが設けてある。燃料改質器10の外周は、厚さ5mmの保温材(図示せず)により覆われている(図1を参照)。保温材としては、第1の実施の形態と同様のものを使用できる。なお、保温材は、200℃のCO変成触媒層12が11時間経過後でも30℃以上に保たれるように、素材及び厚さを選択することができる。また、保温材の代わりに、真空断熱層や、湯用配管、ヒータなどを用いることもできる(図3、図5及び図7を参照)。
【0043】
このような構成によれば、第6の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止では、先ず、原料である都市ガス1と水2の供給を止め、蒸発器15を停止する。そして、触媒層や配管等に残留した改質ガス5等の可燃性ガスをパージするため、燃焼器14を作動させたまま、弁34、35を開き、ポンプ32及び凝縮器36を起動して、排ガス6を酸素吸着剤30に導入する。酸素吸着剤30では、酸化反応により、酸素がCuに吸着されて排ガス6中から除去される。酸素が除去された排ガス6は、次に、凝縮器36に導入される。凝縮器36では、排ガス6が冷却され、水分が低下する。このようにして、酸素の除去及び水分の低下が行われた排ガス(組成、CO2:10%、H2O:4%、残N2)を、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13に順次導入する。可燃性ガスが排ガス6により排除されたら、都市ガス1の供給を止め、燃焼器14、ポンプ32及び凝縮器36を停止し、弁34、35を閉じる。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0044】
停止から再起動の間、燃料改質器10の温度は徐々に降下する。しかし、燃料改質器10は保温材で全体が覆われているので、温度低下が抑制されて、停止から再起動までの約11時間の間、CO変成触媒層12の温度を30℃以上に保つことができる(図14を参照)。また、パージに用いた排ガス6の水分は4%であるため、CO変成触媒層12の温度を30℃以上に保つことで、CO変成触媒層12での結露を防止することができる。したがって、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10の再起動は、第6の実施の形態と同様にして行うことができる。
【0045】
(第8の実施の形態)
図15は、本発明に係る燃料改質器の一実施の形態であって、酸素を除去し、水分を除湿用吸着剤で低下させた排ガスでパージを行う場合を示す概略図である。なお、図11と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図16は、本実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。図15に示すように、燃料改質器10には、改質触媒層11、CO変成触媒層12、PROX触媒層13、燃焼器14及び蒸発器15が設けてある。また、改質触媒層11とCO変成触媒層12の間には、除湿用吸着剤38が設けてある。除湿用吸着剤38としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、モレキュラーシーブなどを用いることができる。
【0046】
燃焼器14の出口側には、排ガス6を改質触媒層11に導入するための配管33が設けてある。この配管33には、酸素吸着剤30が設けてある。燃料改質器10の外周は、ステンレス(図示せず)により覆われている(図9を参照)。なお、ステンレスの代わりに、保温材や、真空断熱層、湯用配管、ヒータなどを用いることもできる(図1、図3、図5及び図7を参照)。
【0047】
このような構成によれば、第6の実施の形態と同様に、燃料改質器10の起動及び定常運転を行うことができるので、説明は省略する。燃料改質器10の停止では、先ず、原料である都市ガス1と水2の供給を止め、蒸発器15を停止する。そして、パージを行うため、燃焼器14を作動させたまま、弁34、35を開き、ポンプ32を起動して、排ガス6を酸素吸着剤30に導入する。酸素吸着剤30では、酸化反応により、酸素がCuに吸着されて排ガス6中から除去される。この酸素が除去された排ガス6は、改質触媒層11に導入された後、除湿用吸着剤38に導入される。除湿用吸着剤38では、排ガス6中に含まれる水分を吸着して、排ガス6中の水分を低下させる。このようにして、酸素の除去及び水分の低下が行われた排ガス(組成、CO2:10%、H2O:2%、残N2)を、CO変成触媒層12及びPROX触媒層13に順次導入する。可燃性ガスが排ガス6により排除されたら、都市ガス1の供給を止め、燃焼器14及びポンプ32を停止し、弁34、35を閉じる。パージは、約30分間以下、好ましくは1分間〜数分間にわたって行う。
【0048】
停止から再起動までの約11時間の間に、燃料改質器10の温度は徐々に降下して、CO変成触媒層12の温度は室温となる(図16を参照)。しかしながら、パージに用いた排ガス6の水分は2%であるため、CO変成触媒層12の温度を室温(23℃)以上に保つことで、CO変成触媒層12での結露を防止することができる。したがって、DSS運転において、CO変成触媒の劣化を防ぐことができる。燃料改質器10の再起動は、第6の実施の形態と同様にして行うことができる。
【0049】
【実施例】
1.COシフト触媒の調製
炭酸ナトリウム(Na2CO3)2.5molを水2Lに溶かして70℃に保温した。このアルカリ水溶液を溶液Aとした。硝酸亜鉛(Zn(NO3)2・6H2O)0.225molと硝酸アルミニウム(Al(NO3)3・9H2O)0.075molをそれぞれ水400mLに溶かして60℃に保温した。この溶液を溶液B、溶液Cとした。さらに、硝酸銅(Cu(NO3)2・3H2O)0.3molを水200mLに溶かして60℃に保温した。この溶液を溶液Dとした。
【0050】
先ず、攪拌しながら溶液Aに、溶液Cを30分にわたり均一に滴下し、さらに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し、懸濁液を得た。次に、この懸濁液に溶液Dを30分にわたり一定に滴下して沈殿物を得た。滴下終了後、pHは7であった。滴下後1時間の熟成を行い、次に沈殿物をろ過し、NaイオンとNO3イオンが検出されないように洗浄した。さらに、100℃で24時間乾燥し、その後300℃で3時間焼成して、CuO・ZnO・Al2O3複合酸化物の粉末触媒を得た。この粉末触媒100重量部に対して、グラファイト3重量部を添加して打錠成型を行い、直径3mm×長さ3mmのペレット状のCO変成触媒を得た。
【0051】
2.CO変成触媒の耐久性試験
(実施例1)
保温材A(グラスウール、25mm厚さ)で覆われた容器に上記で得られたCO変成触媒31.2mLを充填し、これを1時間で室温から200℃までに昇温した(起動)。次に、試験ガス(組成、CO:3.3%、CO2:11.0%、CH4:1.5%、H2:51.1%、H2O:33.1%(H2O/CO=10.1mol/mol))をGHSV(ガス空間速度)5000h−1、圧力1.0ataの条件で、12時間にわたり上記容器に供給した(定常運転)。この時、容器出口での試験ガスのCO濃度を測定した。そして、以下の式により定義されるCO転化率を算出することにより、CO変成触媒の活性を評価した。
CO転化率(%)=(1−(出口CO濃度/入口CO濃度))×100
【0052】
試験ガスの供給を止めた後、水蒸気(H2O)を30分間にわたり供給して試験ガスをパージし、H2O雰囲気にて11時間保管した(停止)。この間、CO変成触媒の温度は降下したが、保温材により最下温度は100℃であった。そして、再び、1時間で200℃まで昇温して、試験ガスを12時間にわたり供給した。このようにして、起動、定常運転、停止の作業(DSS運転)を繰り返し75回(定常運転のべ900時間)行った後、試験を終了した。75回目のCO転化率の結果を表1に示す。
【0053】
(実施例2)
保温材Aの代わりに真空断熱層で覆われた容器を用いる以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は120℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0054】
(実施例3)
保温材Aの代わりに湯用配管で覆われた容器を用いて、停止時に80℃の湯を導入する以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は105℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0055】
(実施例4)
保温材Aの代わりにヒータで覆われた容器を用いて、停止時にヒータを通電して最下温度を100℃に保つこと以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0056】
(実施例5)
保温材Aの代わりにバーナを付設した容器を用いて、停止時にバーナで加熱して最下温度を100℃に保つこと以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0057】
(実施例6)
保温材Aの代わりに保温材B(硬質ウレタンフォーム、20mm厚さ)で覆われた容器を用いるとともに、水蒸気の代わりにO2フリーのガスA(組成、CO2:9%、H2O:10%、残N2)を供給する以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は40℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0058】
(実施例7)
保温材Bの代わりに真空断熱層で覆われた容器を用いる以外は、実施例6と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は120℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0059】
(実施例8)
保温材Bの代わりに保温材C(発泡スチロール、15mm厚さ)で覆われた容器を用いるとともに、ガスAの代わりにO2フリーのガスB(組成、CO2:10%、H2O:4%、残N2)を供給する以外は、実施例6と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は30℃であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0060】
(実施例9)
保温材Bの代わりにステンレスで覆われた容器を用いるとともに、ガスAを除湿用吸着剤(直径3mmのシリカゲル20mL)に通したガスC(組成、CO2:10%、H2O:2%、残N2)を供給する以外は、実施例6と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は室温であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0061】
(比較例1)
上記で得られたCO変成触媒31.2mLを温度200℃に昇温して、これに試験ガス(組成は、CO:3.3%、CO2:11.0%、CH4:1.5%、H2:51.1%、H2O:33.1%(H2O/CO=10.1mol/mol))をGHSV(ガス空間速度)5000h−1、圧力1.0ataの条件で供給した。そして、触媒出口での試験ガスのCO濃度を測定し、CO変成触媒の活性を評価した。CO転化率の結果を表1に示す。
【0062】
(比較例2)
試験ガスを連続して900時間供給する以外は、比較例1と同様の条件で、CO変成触媒の活性を評価した。CO転化率の結果を表1に示す。
【0063】
(比較例3)
保温材Aの代わりにステンレスで覆われた容器を用いる以外は、実施例1と同様にして、CO変成触媒の耐久性試験を行った。最下温度は室温であった。CO転化率の結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1に示すように、フレッシュなCO変成触媒である比較例1のCO転化率は93%であった。連続運転である比較例2のCO転化率は89%であり、連続運転ではCO変成触媒の劣化がほとんど生じていない。しかし、DSS運転においてパージに水蒸気を用い、かつCO変成触媒の温度が室温であった比較例3は、CO転化率が25%と著しい低下を示し、安定した活性を維持することができなかった。しかしながら、DSS運転においてパージに水蒸気を用いた場合でも、CO変成触媒の温度を100℃以上に保持した実施例1〜5のCO転化率は87〜88%であった。すなわち、本発明によれば、DSS運転においても連続運転と同様にCO変成触媒の劣化を防止することができた。
【0066】
また、実施例7に示すように、DSS運転においてパージに10%の水分を有するガスを用いた場合は、CO変成触媒の温度を40℃まで降下させても、CO転化率は83%と高い値が得られた。また、4%の水分を有する実施例8のCO転化率は、CO変成触媒の温度を30℃まで降下させても、86%と高い値が得られた。さらに、2%の水分を有する実施例9のCO転化率は、CO変成触媒の温度を室温まで降下させても、87%と高い値が得られた。すなわち、水分の低いガスをパージに用いることで、CO変成触媒の温度を100℃以下、特に40℃〜室温まで降下させても、CO変成触媒の劣化を防止することができた。
【0067】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、PEFCシステムのコンパクト化を達成するため、ボンベ等を要せずに提供可能なガスで燃料改質器内に残留した物質をパージすることができ、かつ、DSS運転においてもCO変成触媒の著しい劣化がなく、長期間にわたり安定して炭化水素系燃料から効率的に水素を製造することができる燃料改質器及びその運転方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料改質器の第1の実施の形態を示す模式図である。
【図2】第1の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図3】本発明に係る燃料改質器の第2の実施の形態を示す模式図である。
【図4】第2の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図5】本発明に係る燃料改質器の第3の実施の形態を示す模式図である。
【図6】第3の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図7】本発明に係る燃料改質器の第4の実施の形態を示す模式図である。
【図8】第4の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図9】本発明に係る燃料改質器の第5の実施の形態を示す模式図である。
【図10】第5の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図11】本発明に係る燃料改質器の第6の実施の形態を示す概略図である。
【図12】第6の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図13】本発明に係る燃料改質器の第7の実施の形態を示す概略図である。
【図14】第7の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【図15】本発明に係る燃料改質器の第8の実施の形態を示す概略図である。
【図16】第8の実施の形態における燃料改質器の運転方法を示す図である。
【符号の説明】
1 都市ガス
2 水
3 水蒸気
4 湯
5 改質ガス
6 排ガス
10 燃料改質器
11 改質触媒層
12 CO変成触媒層
13 PROX触媒層
14 燃焼器(バーナ)
15 蒸発器
20 保温材
22 真空断熱層
24 湯用配管
26 ヒータ
28 ステンレス
30 酸素吸着剤
32 ポンプ
34 弁
36 凝縮器
38 除湿用吸着剤
41、42、43、44、45、46 配管
Claims (13)
- 改質触媒層と、該改質触媒層の後段に設けられたCO変成触媒層と、該改質触媒層及び該CO変成触媒層を加熱するための燃焼手段と、該燃料改質触媒層に供給する水蒸気を得るための蒸発手段と、該CO変成触媒層における結露の発生を防止するための手段とを含む燃料改質器。
- 上記結露防止手段が、上記CO変成触媒層の放熱を抑制するための手段、上記CO変成触媒層を加熱するための発熱手段、又は該放熱抑制手段と該発熱手段との組み合わせである請求項1に記載の燃料改質器。
- 上記放熱抑制手段が、上記燃料改質器の外壁に設けられた保温材又は真空断熱層である請求項2に記載の燃料改質器。
- 上記発熱手段が、上記燃料改質器の外壁に設けられた湯を通水するための配管又はヒータである請求項2に記載の燃料改質器。
- 上記燃焼手段から排出されるガスを上記燃料改質触媒層に導入するための管路と、少なくとも上記CO変成触媒層の前段に設けられた該排ガス中の酸素を取り除くための手段とをさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の燃料改質器。
- 少なくとも上記CO変成触媒層の前段に設けられた上記排ガス中の水分を低下させるための手段をさらに含む請求項1〜5のいずれかに記載の燃料改質器。
- 上記水分を低下させる手段が、凝縮器又は除湿用吸着剤である請求項6に記載の燃料改質器。
- 燃料改質器に原料を供給するのを停止する工程と、該燃料改質器内に残留した可燃性ガスを不活性ガスでパージする工程と、該燃焼改質器のCO変成触媒上に結露が発生しないように該CO変成触媒の温度を保持する工程と、該温度を保持した状態のまま該燃料改質器に原料を供給するのを開始する工程とを含む燃料改質器の運転方法。
- 上記不活性ガスが水蒸気であり、上記CO変成触媒の温度が100℃以上である請求項8に記載の燃料改質器の運転方法。
- 上記不活性ガスが上記燃料改質器に設けられた燃焼器から排出されたガスであり、上記CO変成触媒層の温度が40℃以上であって、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の酸素を取り除く工程をさらに含む請求項8に記載の燃料改質器の運転方法。
- 上記不活性ガスが上記燃料改質器に設けられた燃焼器から排出されたガスであり、上記CO変成触媒層の温度が30℃以上であって、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の酸素を取り除く工程と、該排ガスが少なくとも上記CO変成触媒に通じる前に該排ガス中の水分を4%以下に低下させる工程とをさらに含む請求項8に記載の燃料改質器の運転方法。
- 上記CO変成触媒層の温度が23℃以上であって、上記排ガス中の水分が2%以下である請求項11に記載の燃料改質器の運転方法。
- 上記CO変成触媒の温度を保持する工程が、上記燃料改質器の外壁に設けられた配管内に湯を通水する工程、上記燃料改質器の外壁に設けられたヒータを通電する工程、及び上記燃焼手段を起動させる工程からなる群から選ばれた少なくとも1つの工程を含む請求項8〜12のいずれかに記載の燃料改質器の運転方法。
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