JP2006098606A - 光導波路用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物並びに光・電気混載基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、(C)光重合開始剤、(D)一分子中に2個以上のオキセタニル基を有するオキセタン樹脂、及び(E)硬化促進剤を含有しており、好ましくは前記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価が、40〜250mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が、2,000〜50,000である線状ポリマーである。
【選択図】 なし
Description
より好適な態様としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価が、40〜250mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が2,000〜50,000である線状ポリマーを用いることにより、アルカリ水溶液による現像性が安定化し、耐衝撃性、クラック耐性に優れた硬化物が提供される。さらに前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、エチレン性不飽和二重結合を有していることにより、耐現像性、感度が向上し、既存のアルカリ現像設備で容易に精度良くパターン形成でき、作業性も向上することができる。
さらに、上記光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物から形成されてなる光・電気混載基板型プリント配線板が提供される。即ち、上記光導波路材料用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を、光導波路コア層及び/又は光導波路クラッド層、さらにソルダーレジスト層に適用した光・電気混載基板が提供される。
さらにまた、上記光硬化性・熱硬化性組成物からなる感光層を有しているドライフィルム、及びその硬化物並びに光・電気混載基板が提供される。
さらに、無機充填剤、特にナノ粒径の充填剤を用いることにより、従来使用されている充填剤と同等の特性向上効果を有し、更に光導波路材料としても光透過性等の光学特性を低下することが無く、弾性率、ガラス転移温度、線膨張係数といった物性を調節することも可能になる。すなわち、更に優れた耐熱性、リフロー耐性、耐溶剤性、耐薬品性を有する光導波路、及びソルダーレジストに適用可能な組成物が提供でき、光・電気混載基板を安価で、かつ生産性良く提供することができる。
以下、本発明に係る光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の各構成成分について、詳細を説明する。
具体的には、下記に列挙するような樹脂が挙げられる。
(2)不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、部分的にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(3)一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した第二級の水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(4)不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、一分子中に水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー(A’)、
(5)二官能エポキシ樹脂に、ジカルボン酸又は二官能フェノール化合物を反応させて得られる二級水酸基含有の線状ポリマーに、さらに飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)、
(6)二官能オキセタン化合物に、ジカルボン酸又は二官能フェノール化合物を反応させて得られる二級水酸基含有の線状ポリマーに、さらに飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の線状ポリマー(A)、及び
(7)二官能オキセタン化合物に不飽和モノカルボン酸を反応させて得られるジオール化合物と四塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有の感光性線状ポリマー (A’)などが挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
これら線状ポリマーの中で、主鎖に芳香環の無い上記(1)〜(4)の共重合系の線状ポリマーは、黄変等による光吸収を起こすことがなく、好適に用いることができる。
このようなカルボキシル基含有樹脂(A)の酸価は、40〜250mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは80〜120mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、250mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となるので好ましくない。
また、このようなカルボキシル基含有樹脂(A)の重量平均分子量は、2,000〜50,000、好ましくは、5,000〜20,000の範囲が望ましい。重量平均分子量が、2,000未満の場合、塗膜の指触乾燥性が低下し、硬化物の耐衝撃性が得られ難くなるので好ましくない。一方、重量平均分子量が、50,000を越えた場合、現像性が低下するので好ましくない。
上記カルボキシル基含有樹脂(A)の配合量は、全組成物中に、20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%である。上記範囲より少ない場合、アルカリ可溶性成分が不足し、現像処理により目的とする導波路形状が得られ難くなったり、硬化物の強度が低下したりするので好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、他の成分が不足し、感度が低下したり、硬化物特性が低下したりするので好ましくない。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
上記一般式(1)において、R1は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜12の線状又は分岐状飽和炭化水素類、炭素数2〜12の線状又は分岐状不飽和炭化水素類、下記式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)で示される芳香族炭化水素類、式(VI)及び(VII)で示されるカルボニル基を含む直鎖状又は環状のアルキレン類、式(VIII)及び(IX)で示されるカルボニル基を含む芳香族炭化水素類から選択される2価の原子価を持った基である。
式中、R3は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表わし、R4は、−O−、−S−、−CH2−、−NH−、−SO2−、
−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、又は−C(CF3)2−を表わし、R5は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
式中、nは1〜12の整数を表わす。
上記一般式(2)において、R1は前記と同じ意味であり、R6は、前記エーテル化物の水酸基含有樹脂残基、下記式(X)、(XI)、及び(XII)で示されるような炭素数1〜12の分岐状アルキレン基、式(XIII)、(XIV)、及び(XV)で示される芳香族炭化水素類である。また、mは残基R6に結合している官能基の数を表わし、3以上の整数、好ましくは3〜500の整数である。
式中、R7は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はアリール基を表わす。
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、又は光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、ソルダーレジスト及び光導波路用材料として使用可能であるが、ソルダーレジストとして用いる場合、前記無機充填剤(F)の平均粒径は、一般的なソルダーレジストの膜厚から、20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
一方、光導波路用材料に用いる場合、一般的に光導波路に用いられる波長が850nm,1300nm,1550nmであることから、無機充填剤(F)の平均粒径は、800nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは100nm以下であり、かつ最大粒径が850nm以下であることが、光導波路の透過性が増し、光損失が少なくなるので好ましい。
また、後述の有機溶剤にナノシリカを分散した日産化学工業社製のオルガノシリカゾル PMA−ST(商品名)などを使用することもできる。
さらに、本願発明の目的である保存安定性を低下させない範囲で、エポキシ樹脂を使用することができ、そのエポキシ樹脂にナノシリカを分散したHanse−Chemie社製のNANOPOX(商品名) XP 0516、XP 0525、XP 0314(何れも製品グレード名)、XP22/0543、XP22/0531、XP22/0540(何れも試作品グレード名)を使用することもできる。
このような前記反応性希釈剤(B)等に分散された無機充填剤(F)は、原料保管中に無機充填剤(F)が二次凝集することが少なく、樹脂組成物中に、均一にし分散させることができるので、好ましく用いることができる。
これら有機溶剤(G)として、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。特に、沸点が150℃以下の有機溶剤がドライフィルム化には好ましく使用できる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
これら有機溶剤の使用量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)、前記反応性希釈剤(B)、前記光重合開始剤(C)、前記オキセタン樹脂(D)、及び前記硬化促進剤(E)からなる感光層成分100質量部に対して、10〜200質量部の範囲内とすることが好ましい。ドライフィルム化する場合、有機溶剤を飛散させる温度条件は、50℃〜150℃、より好ましくは70℃〜130℃である。また、乾燥後に残存する溶剤量は、感光層成分100質量部に対して、30質量部未満、より好ましくは10質量部未満にすることが好ましい。
上記支持フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリ塩化ビニル等の15〜125μm程度のフィルム厚で、可撓性を有するフィルムが用いられる。
また、支持体に感光層成分を塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、ロールコーター法、スプレーコーター法等が挙げられる。
さらに、感光層の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、感光層の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが望ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルム、あるいはこれらにシリコーンをコーティング又は焼き付けしたフィルムなどの15〜100μm程度の膜厚を有するフィルムが用いられる。剥離可能となる条件としては、カバーフィルムを剥離するときに感光層と支持フィルムとの接着力よりも、感光層とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。また、光硬化性・熱硬化性の感光層の酸素減感作用を防止すると共に、露光時に密着されるパターン形成用のフォトマスクの粘着を防止するために、感光層上にさらにポリビニルアルコール、部分けん化ポリ酢酸ビニル等の水溶性樹脂組成物で、膜厚1〜10μm程度の保護層を形成することもできる。
このように本発明の光導波路用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、又は光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、下部クラッド層、上部クラッド層、およびコア層の少なくとも一つに用いる場合、各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように、各成分の種類、配合量等を適宜選択することにより、異なる屈折率を有する硬化膜が得られる光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、又は光硬化性・熱硬化性ドライフィルムとすることができる。本発明においては、コア部分だけに本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、又は光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを用い、それ以外のクラッド部分を従来の光硬化性・熱硬化性インキ組成物によって作製したり、あるいは下層クラッド部分とコア部分をドライフィルム、さらには全層を本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、又はドライフィルムを用いて光導波路を作製したりすることもできる。
本発明に用いられる基材は、特に制限されるものではないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、ガラスエポキシ樹脂基板等を用いることができる。
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた2リットル容セパラブルフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル900g、およびt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート[日本油脂(株)製パーブチルO]21.4gを仕込み、90℃に昇温後、メタクリル酸309.9g、メタクリル酸メチル116.4g、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレート[ダイセル化学工業(株)製プラクセルFM1]109.8gをビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート[日本油脂(株)製パーロイルTCP]21.4gと共にジエチレングリコールジメチルエーテル中に3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することによってカルボキシル基を有するビニル共重合体溶液を得た。反応は窒素雰囲気下で行った。
次に上記ビニル共重合体溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート
[ダイセル化学(株)製サイクロマーA200]363.9g、ジメチルベンジルアミン3.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.80gを加え、100℃に昇温し、撹拌することによってエポキシの開環付加反応を行った。16時間後、固形分酸価=108.9mgKOH/g、重量平均分子量=25,000(スチレン換算)のカルボキシル基含有の感光性線状ポリマーを、53.8wt%(不揮発分)含む溶液を得た。以下、この反応溶液をA−1ワニスと称す。
コア用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−1)の作製
市販のスチレン−アクリル酸樹脂であるジョンソンポリマー社製のジョンクリル 67(商品名、固形分酸価=213mgKOH/g、重量平均分子量=12,500)をカルビトールアセテートに、不揮発分=70%となるように溶かしたワニス(以下、A−2ワニスと称す。)を用いて、下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することにより均一分散し、希釈後、ろ過することによりコア用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−1)を調整した。
A−2ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
フェノールノボラック型オキセタン樹脂
(東亞合成社製、試作品名PNOX−1009、
オキセタン当量=202) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−2)の作製
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することにより均一分散し、希釈後、ろ過することにより上下クラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−2)を調整した。
A−1ワニス 100.0部
NANOCRYL XP21/1364
(Hanse−Chemie社製の
ナノシリカ含有モノマー、固形分=40%) 30.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
フェノールノボラック型オキセタン樹脂
(東亞合成社製、試作品名PNOX−1009、
オキセタン当量=202) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−3)の作製
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することにより均一分散し、希釈後、ろ過することにより上下クラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−3)を調整した。
A−1ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
フェノールノボラック型オキセタン樹脂
(東亞合成社製、試作品名PNOX−1009、
オキセタン当量=202) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)の作製
実施例1で得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)を作製した。
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5,P−6)の作製
実施例2で得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚20μmの下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)、及び乾燥膜厚70μmの上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6)を作製した。
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7,P−8)の作製
実施例3で得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚20μmの下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7)、及び乾燥膜厚70μmの上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−8)を作製した。
コア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−9)の作製
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚50μmのコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−9)を作製した。
A−2ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
DEN−431(ダウ・ケミカル社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=970)) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−10,P−11)の作製
下記の配合成分を撹拌機にて撹拌後、3本ロールミルにて練肉することによりクラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルムのベースとなる樹脂組成物を均一分散し、希釈後、ろ過することにより樹脂組成物を調整した。得られた樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗布し、90℃で30分仮乾燥させることにより、乾燥膜厚20μmの下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6)、及び乾燥膜厚70μmの上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7)を作製した。
A−1ワニス 100.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0部
DEN−431(ダウ・ケミカル社製の
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(Mw=970)) 60.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 10.0部
BYK−310(ビックケミージャパン社製の表面調整剤) 0.3部
上記実施例4〜6及び比較例1,2で作製した光導波路コア、及びクラッド用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを3日間、5日間、及び10日間常温にて放置した後、ベースフィルムが上になるように、常圧熱ロール圧着機を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、ドライフィルムを基板上に転写した。その後、露光、現像を行い、それぞれパターン形成出来るか否かについて評価し、その結果を表1に示した。
○:基板転写し、露光、現像した後、パターン形成出来たもの。
×:基板転写し、露光、現像した後、パターン形成出来なかったもの。
基板上に、実施例2のクラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−2)を乾燥塗膜が20μmとなるように、スクリーン印刷で塗布し、80℃で20分間加熱して有機溶剤を揮発させた後、その上から活性エネルギー線照射することにより光硬化させた後、150℃の熱風循環式乾燥炉で30分のポストキュアーを行うことにより、光導波路の下部クラッド層を形成した基板を得た。次に、この下部クラッド層上に、実施例1のコア用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−1)を乾燥塗膜が50μmとなるように、スクリーン印刷で塗布し、80℃で20分間加熱して有機溶剤を揮発させた後、その上面から所定のラインパターンを有するフォトマスクを介して活性エネルギー線照射を行い、1.0wt%Na2CO3水溶液にて60秒現像を行った。その後、下部クラッド層と同様に150℃、60分熱硬化反応を行うことにより、下部クラッド層上部にコア層を形成した。次に、コア部分が形成された下部クラッド層上に、実施例2のクラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−2)を塗布し、80℃で20分間加熱して有機溶剤を揮発させた後、その上から活性エネルギー線照射することにより光硬化させた後、150℃の熱風循環式乾燥炉で30分のポストキュアーを行うことにより、コア上20μm、下クラッド上70μmの膜厚の光導波路上クラッド用硬化膜を形成し、マルチモード型光導波路を作製した。このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
上記応用実施例1において、実施例1のクラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−2)の代わりに、実施例3のクラッド用光硬化性・熱硬化性樹脂組成物(P−3)を使用した以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
基板上に、実施例5の下部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5)をベースフィルムが上になるように、常圧熱ロール圧着機を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、ドライフィルムを基板上に転写した。その後、この下部クラッド層を活性エネルギー線照射することにより光硬化させた後、150℃、60分熱硬化反応を行った。次に、この下部クラッド層上に、実施例4のコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)を前述手法と同様にして、常圧熱ロール圧着機を用いて下部クラッド層上に転写し、コア用塗膜を形成した。その後、コア用塗膜の上面から所定のラインパターンを有するフォトマスクを介して活性エネルギー線照射を行い、1.0wt%Na2CO3水溶液にて60秒現像を行った。その後、下部クラッド層と同様に150℃、60分熱硬化反応を行うことにより、下部クラッド層上部にコア層を形成した。次に、コア部分が形成された下部クラッド層上に、実施例5の上部クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−6)をベースフィルムが上になるように、常圧熱ロール圧着機を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、ドライフィルムを基板上に転写した。この上層クラッド用ドライフィルムに対し、活性エネルギー線照射して光硬化させることにより、上部クラッド層を形成した後、150℃、60分熱硬化反応を行い、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層から形成される光導波路を作製した。このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
上記実施例3において、実施例5の上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5,P−6)の代わりに、実施例6の上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−7,P−8)を使用した以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
前記応用実施例3において、実施例5の上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−5,P−6)の代わりに、比較例2の上下クラッド用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−10,P−11)を使用し、また、実施例4のコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−4)の代わりに、比較例1のコア用光硬化性・熱硬化性ドライフィルム(P−9)を使用したこと以外は同様にしてマルチモード型光導波路を作製した。
このようにして得られた光導波路を、1cmから5cmの間の長さにそれぞれ切り出し、光伝送損失について、カットバック法により測定を行った。
(a)はんだ耐熱性
得られたマルチモード型光導波路について、JIS C 6481の試験方法に従って、はんだ槽に収容した260℃の溶融はんだに30秒間浸漬し、その後セロハンテ−プ(商品名)をその硬化塗膜の上に指で擦って貼り付けてから引き剥がす、いわゆるピ−リング試験を行い、その1回の試験を1サイクルとして、これを同じ個所で3サイクルまで行った。硬化塗膜の剥離の程度を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表2に示した。
○:テープピーリング試験後、剥離等がないもの。
×:テープピーリング試験後、剥離を生じるもの。
得られたマルチモード型光導波路について、温度260℃のリフロー炉を通過させることにより、剥がれ、膨れが無いかを目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表2に示した。
○:リフロー炉を通過後、塗膜に剥がれ、膨れが無い。
×:リフロー炉を通過後、塗膜に剥がれ、膨れを生じるもの。
得られたマルチモード型光導波路について、10%の塩酸水溶液に30分間浸漬した後、硬化塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表2に示した。
○:全く変化が認められないもの。
△:ほんの僅か変化しているもの。
×:顕著に変化しているもの。
得られたマルチモード型光導波路について、プロピレングリコールモノメチルエーテルに30分間浸漬した後、硬化塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価し、その結果を表2に示した。
○:全く変化が認められないもの。
△:ほんの僅か変化しているもの。
×:顕著に変化しているもの。
得られたマルチモード型光導波路を切り出しそれぞれの長さでのコア形状の違いについて観察した。その結果を表2に示した。
○:ほぼ変化が認められないもの。
△:±3μm以上の相違が確認されるもの。
×:顕著に変化しているもの。
得られたマルチモード型光導波路基板を、サーマルショック試験器に入れ、−45℃,15分と125℃,15分のヒートサイクル試験を、300サイクル行い、試験終了後の基板の顕微鏡で観察し、クラックの発生の有無を調べた。
○:クラック等の異常なし。
△:一部にクラック発生。
×:全体に、クラック発生。
以上のように、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、及び光硬化性・熱硬化性ドライフィルムは、前記表1からも判るように、保存安定性に優れ、熱硬化性成分としてエポキシ樹脂を用いた場合と同等以上の特性が得られた。
Claims (14)
- (A)カルボキシル基含有樹脂、(B)反応性希釈剤、(C)光重合開始剤、(D)一分子中に2個以上のオキセタニル基を有するオキセタン樹脂、及び(E)硬化促進剤を含有することを特徴とする光導波路用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
- 前記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価が、40〜250mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が、2,000〜50,000である線状ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の光導波路用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
- 前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、さらに(A’)エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有の感光性線状ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、(F)無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光導波路用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物。
- 下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層から構成される光導波路において、下部クラッド層、コア層、及び上部クラッド層の少なくとも一つが、前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする光導波路。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物から形成されてなる光・電気混載基板。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物からなる感光層を有することを特徴とする光導波路用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物に、(G)有機溶剤を加え液状化した後、支持フィルムに塗布・乾燥して得られる感光層を有していることを特徴とする光導波路用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 更に、上記感光層の上に、カバーフィルムが形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の光導波路用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 前記請求項8乃至10のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムの感光層の膜厚が、10〜150μmであり、膜厚のバラツキが±10%以内であることを特徴とする光導波路用の光硬化性・熱硬化性ドライフィルム。
- 前記請求項8乃至11のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムを、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物。
- 下部クラッド層、コア層、および上部クラッド層から構成される光導波路において、下部クラッド層、コア層、及び上部クラッド層の少なくとも一つが、前記請求項8乃至11のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムから形成されてなることを特徴とする光導波路。
- 前記請求項8乃至11のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性ドライフィルムから形成されてなる光・電気混載基板。
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