JP2008040239A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状の精度が高く、寸法安定性に優れ、伝送特性が良好な光導波路を、簡易な製造プロセスで作業効率良く形成しうる光導波路の製造方法を提供する。
【解決手段】下部クラッド層2、コア部分3及び上部クラッド層4を含む光導波路1の製造方法は、下部クラッド層2の上に、コア部分を形成するための感光性組成物層を介在させた状態となるように、数平均粒径が5〜100nmのフィラーを含有する合成樹脂からなるフィルムを積層させる工程と、このフィルムを前記感光性組成物層に当接させた状態で、このフィルムを通して該感光性組成物層に光を照射して、硬化部分と未硬化部分とからなるコアパターン含有層を形成する工程と、前記フィルムを剥離した後、コアパターン含有層を現像することにより、下部クラッド層及びコア部分を含む積層体を得る工程と、下部クラッド層及びコア部分の上に上部クラッド層を形成する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路の製造方法に関し、より詳しくは、感光性組成物を光照射してコア部分を形成する工程を含む光導波路の製造方法に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピュータにおける情報処理の大容量化及び高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。
このような光導波路としては、石英系導波路が代表的であるが、特殊な製造装置が必要であるとともに、製造時間が長くかかるなどの問題が見られた。
これらの問題を解決するため、未硬化の感光性樹脂組成物層をベースフィルム上に形成してなるドライフィルムを用いた光導波路の製造方法が、種々提案されている。
例えば、(A)カルボキシル基含有ウレタン化合物、(B)重合性不飽和化合物、(C)分子中に2個以上の開環重合可能な官能基含有化合物、及び(D)放射線重合開始剤を必須成分として含有する感光性樹脂組成物からなる光導波路形成用のドライフィルムであって、該ドライフィルムの軟化温度が0℃〜80℃であることを特徴とする光導波路形成用のドライフィルムが提案されている(特許文献1)。
また、(A)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物とそれ以外のラジカル重合性化合物から得られ、そのガラス転移温度が20℃以上150℃以下である共重合体、(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、および(C)放射線重合開始剤、を含有することを特徴とする光導波路形成用放射線硬化性ドライフィルムが提案されている(特許文献2)。
さらには、(A)カルボキシル基、重合性基及びそれ以外の有機基を有するビニル系重合体、(B)分子中に2個以上の重合性反応基を有する化合物、及び(C)放射線重合開始剤成分を含有することを特徴とする光導波路形成用放射線硬化性ドライフィルムが提案されている(特許文献3)。
特開2005−208563号公報 特開2003−202437号公報 特開2003−195080号公報
前記の各文献(特許文献1〜3)の技術によると、従来の石英系光導波路の製造方法と比較して、短時間かつ低コストで光導波路を製造することができる点で有利である。
しかし、本発明者は、ドライフィルムを用いて光導波路のコア部分を形成する際に、以下のような問題があるとの知見を得た。
すなわち、ドライフィルムを用いて、光導波路のコア部分を形成するためには、下部クラッド層上に、ベースフィルムが上側になるようにドライフィルムを積層(転写)した後、ベースフィルムを剥離し、露出した感光性組成物層に対して、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスクを介して、紫外線等の光の照射を行い、感光性組成物層を硬化させればよいと考えられる。なお、ベースフィルムを存置させたまま光を照射すると、ベースフィルムによって光の透過性が悪くなり、感光性組成物層の部分的硬化の進行に悪影響を与える。
しかし、(メタ)アクリロイル基を有する単量体の如き特定の単量体を含む感光性組成物層は、粘着性(タック)があるため、ベースフィルムを剥離した後に、フォトマスクが貼り付いてしまうのを防ぐために細心の注意を払う必要があり、作業性に劣るなどの問題があることがわかった。
本発明は、前記の問題を解消しようとするものであり、形状の精度が高く、伝送特性(導波路損失)が良好な光導波路を、簡易な製造プロセスで作業効率良く形成することができる光導波路の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(i)下部クラッド層の上に、コア部分を形成するための感光性組成物層を介在させた状態となるように、特定のフィルムを積層させること、及び、(ii)前記(i)のフィルムを上記感光性組成物層に当接させた状態で、上記感光性組成物層に光を照射すること、等を含む方法によれば、形状の精度が高く、伝送特性(導波路損失)が良好な光導波路を、簡易な製造プロセスで作業効率良く形成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] 下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を含む光導波路の製造方法であって、基材の上に形成した下部クラッド層の上に、コア部分を形成するための感光性組成物層を介在させた状態となるように、数平均粒径が5〜100nmのフィラーを含有する合成樹脂からなるフィルムを積層させるフィルム積層工程と、上記フィルムを上記感光性組成物層に当接させた状態で、上記感光性組成物層に上記フィルムを通して光を照射して、当該感光性組成物層の感光性組成物を部分的に硬化させ、硬化部分と未硬化部分とからなるコアパターン含有層を形成するコアパターン形成工程と、上記フィルムを剥離した後、上記コアパターン含有層を現像することにより、下部クラッド層及びコア部分を含む積層体を得るコア部分形成工程と、上記の下部クラッド層及びコア部分の上に上部クラッド層を形成する上部クラッド層形成工程とを含むことを特徴とする光導波路の製造方法。
[2] 上記フィルム積層工程が、上記フィルムと、上記フィルムの上に形成された上記感光性組成物層とを有するコア部分形成用ドライフィルムの、上記感光性組成物層の側の面を、上記下部クラッド層の上に積層させるものである前記[1]の光導波路の製造方法。
[3] 上記フィルム積層工程が、上記下部クラッド層の上に、コア部分形成用の感光性組成物を塗布して、上記感光性組成物層を形成させた後、該感光性組成物層の上に、上記フィルムを積層させるものである前記[1]の光導波路の製造方法。
[4] 上記フィルムの表面粗さ(Ra)が、30nm以下である前記[1]〜[3]のいずれかの光導波路の製造方法。
[5] 上記フィルムの厚さが、300μm以下である前記[1]〜[4]のいずれかの光導波路の製造方法。
[6] 上記感光性組成物が、(メタ)アクリロイル基を有する単量体、及び、光ラジカル重合開始剤を含む前記[1]〜[5]のいずれかの光導波路の製造方法。
本発明の光導波路の製造方法によれば、特定のフィルムを用いているため、粒径の大きなフィラーによる、ベースフィルムの表面または内部における光の散乱に起因して、コア部分の表面に凹凸が生じるなどの問題が生じることはない。このため、フィルムの上方から光を照射して、フィルムの下方に位置する感光性組成物層を硬化させているにもかかわらず、形状の精度が高いコア部分を形成することができる。
また、本発明の光導波路の製造方法によれば、フィルムを感光性組成物層に当接させた状態で、フィルムの下方に位置する感光性組成物層に対して、上方からフィルムを通して光を照射しているため、当該感光性組成物層の硬化時のラジカル重合における酸素による重合阻害を防ぐことができ、寸法安定性に優れたコア部分を形成することができる。
さらに、本発明の光導波路の製造方法によれば、光導波路を、簡易な製造プロセスで作業効率良く製造することができる。
本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を含む光導波路の製造方法であって、基材の上に形成した下部クラッド層の上に、コア部分を形成するための感光性組成物層を介在させた状態となるように、数平均粒径が5〜100nmのフィラーを含有する合成樹脂からなるフィルムを積層させるフィルム積層工程と、上記フィルムを上記感光性組成物層に当接させた状態で、上記感光性組成物層に上記フィルムを通して光(例えば、紫外線)を照射して、当該感光性組成物層の感光性組成物を部分的に硬化させ、硬化部分と未硬化部分とからなるコアパターン含有層を形成するコアパターン形成工程と、上記フィルムを剥離した後、上記コアパターン含有層を現像することにより、下部クラッド層及びコア部分を含む積層体を得るコア部分形成工程と、上記の下部クラッド層及びコア部分の上に上部クラッド層を形成する上部クラッド層形成工程とを含むものである。
本発明で使用する基材の例としては、シリコン基板、ガラス基板等の無機材料の基板や、後述のベースフィルムと同様の材料からなる合成樹脂フィルムまたはシート等が挙げられる。
フィルム積層工程の実施の形態として、例えば、次の2つの例が挙げられる。
フィルム積層工程の第一の形態例は、フィルムと、フィルムの上に形成された感光性組成物層とを有するコア部分形成用ドライフィルムの、感光性組成物層の側の面を、下部クラッド層の上に積層させるものである。なお、この形態例におけるフィルムは、ベースフィルムとも称される。
フィルム積層工程の第二の形態例は、下部クラッド層の上に、コア部分形成用の感光性組成物を塗布して、感光性組成物層を形成させた後、該感光性組成物層の上に、フィルムを積層させるものである。
フィルム積層工程で使用するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂からなるマトリックス(母材)の中に、数平均粒径が5〜100nmのフィラーを含むものが挙げられる。
ここで、「フィラーの粒径」とは、透過型電子顕微鏡により測定したものをいう。
フィラーの例としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ポリスチレン、カーボン−シリカ・デュアル・フェイズ・フィラー、クレー、カーボンブラック等の粒子が挙げられる。
中でも、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ポリスチレン等の粒子は、フィルムの下方に位置する感光性組成物層を光照射によって硬化させるときに、フィルム内の光の透過性を大きく低下させることがないので、好ましい。
フィラーの数平均粒径は、5〜100nm、好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは5〜30nmである。該数平均粒径が100nmを超えると、コア部分の形状の精度が低下することがある。
なお、本明細書において、「数平均粒径が5〜100nmのフィラー」とは、複数の種類のフィラーが含まれる場合に、これら複数の種類のフィラーの全体の数平均粒径が5〜100nmであることを意味する。したがって、数平均粒径が5〜100nmである特定の種類のフィラーと、数平均粒子が100nmを超える他の特定の種類のフィラーを併用し、かつ、これら2種類のフィラーの全体の数平均粒径が、100nmを超える場合は、本発明で使用するフィラーに該当しない。
フィルム中のフィラーの質量割合は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。該質量割合が5%を超えると、コア部分の形状の精度が低下したり、あるいは、光の透過率が小さくなって、コア部分を形成させる作業効率が低下することがある。
フィルム中のフィラーの質量割合の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.001%以上である。該質量割合が0.001%未満では、長尺フィルムの扱いが困難になる欠点がある。
フィラーを含むフィルムの表面粗さ(Ra)は、好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは15nm以下、特に好ましくは10nm以下である。表面粗さ(Ra)が30nmを超えると、コア部分の形状の精度が低下することがある。
なお、表面粗さ(Ra)は、「JIS B0601」に準拠した方法で測定される中心線平均粗さ(Ra)である。表面粗さを測定する方法は、特に制限されるものではなく、例えば、フィルムの断面を電子顕微鏡で観察する方法、触針式表面凹凸計、原子間力顕微鏡で観察する方法などが挙げられる。
フィルムの厚さは、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは5〜200μm、特に好ましくは10〜150μmである。該厚さが300μmを超えると、光の透過率が小さくなり、コア部分の形状の精度が低下したり、コア部分を形成させる作業効率が低下することがある。
コア部分を形成するための感光性組成物層の材料である感光性組成物の例としては、(メタ)アクリロイル基を有する単量体、及び、光ラジカル重合開始剤を含む感光性樹脂組成物が挙げられる。なお、クラッド層の材料も、コア部分の材料と同様の成分(ただし、配合割合は異なる。)から構成することができる。
この感光性樹脂組成物の好適な一例として、下記の(A)〜(D):
(A)下記一般式(1)で表される構造を有する共重合体、
Figure 2008040239
[式中、R、R、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、Xはカルボキシル基を有する基、Yは反応性官能基を有する基、ZはXおよびY以外の有機基であり、l、n、mは各々、0ではない繰り返し単位数を示す。]、(B)ポリエステルポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート化合物、(C)分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有し、0.1MPaにおける沸点が130℃以上である上記(A)、(B)以外の化合物、並びに、(D)光ラジカル重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物が挙げられる。
以下、上記の(A)〜(D)成分について詳述する。
[(A)成分]
本発明で用いられる(A)成分は、下記一般式(1)で表される構造を有する共重合体である。
Figure 2008040239
[R、R、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、Xはカルボキシル基を有する基、Yは反応性官能基を有する基、ZはXおよびY以外の有機基であり、l、n、mは各々、0ではない繰り返し単位数を示す。]
(A)成分の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは8,000〜70,000、特に好ましくは10,000〜50,000である。該値が5,000未満では、組成物の粘度が小さくなり所望の膜厚が得られなくなる等の欠点があり、該値が100,000を超えると、組成物の粘度が大きくなり、塗布性が悪くなる等の欠点がある。
(A)成分は、次の2つの方法(1)、(2)のいずれかによって得ることができる。なお、化合物(c)は、化合物(a)、(b)以外のラジカル重合性化合物である。
(1) (a)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物、(b)反応性官能基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基等の環状エーテル)を有するラジカル重合性化合物、および(c)他のラジカル重合性化合物を、溶媒中でラジカル共重合する方法。
(2) (a)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物、および(c)他のラジカル重合性化合物を、溶媒中でラジカル共重合して重合物を得た後、(d)反応性官能基(例えば、エポキシ基)を有するラジカル重合性化合物を、前記の重合物の側鎖のカルボキシル基の一部に付加させる方法。
前記の方法(1)、(2)で用いられる化合物(a)〜(d)について説明する。
化合物(a)(カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−サクシノロイルエチルメタクリレート、2−マレイノロイルエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレートなどのカルボキシル基およびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体などが挙げられる。
中でも、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレートが好ましく、特に好ましくはアクリル酸およびメタクリル酸である。
化合物(a)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
(A)成分中の化合物(a)の含有率は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。該含有率が5質量%未満であると、本発明の組成物を光照射によって硬化させた後にアルカリ現像処理を施したときに、溶解しにくくなるので、例えば、光導波路のコア部分として用いた場合に、設計どおりのコア形状が得られず、十分な伝送特性が得られなくなる。該含有率が50質量%を超えると、設計どおりの形状が得られなくなる。
化合物(b)(反応性官能基を有するラジカル重合性化合物)の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;(2−エチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチル−2−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−メチル−2−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、3−(2−エチル−2−オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−メチル−2−オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等のエポキシ基を有するスチレン類などが挙げられる。
中でも、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが好ましく用いられる。
化合物(b)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
(A)成分中の化合物(b)の含有率は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは7〜40質量%である。該含有率が5質量%未満であると、硬化が不十分になることがある。該含有率が50質量%を超えると、硬化収縮率が大きくなり加工性が低下することがある。
化合物(c)(他のラジカル重合性化合物)は、主として、(A)成分の機械的特性や屈折率を適度にコントロールするために用いられる。
化合物(c)の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;ジシクロペンタニルアクリレート;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル類;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物;酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル類などが挙げられる。
中でも、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレンなどが好ましく用いられる。
化合物(c)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
(A)成分中の化合物(c)の含有率は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜80質量%である。該含有率が5質量%未満であると、屈折率の調整が困難となる傾向がある。該含有率が80質量%を超えると、硬化が不十分となりやすい。
化合物(d)(反応性官能基を有するラジカル重合性化合物)の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−n−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等のエポキシ基を有するスチレン類などが挙げられる。
中でも、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが好ましく用いられる。
化合物(d)は、1種を単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
(A)成分中の化合物(d)の含有率は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは7〜40質量%である。該含有率が5質量%未満であると、十分な硬化が得られ難くなる。該含有率が50質量%を超えると、硬化収縮率が大きくなり加工性が低下する。
方法(1)、(2)におけるラジカル共重合に用いられる重合溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられる。
中でも、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類などが好ましい。
また、ラジカル共重合に用いられる重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物、および過酸化水素などを挙げることができる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
方法(2)における付加反応に用いる溶媒としては、ラジカル共重合に用いる重合溶媒と同じものを用いることができる。付加反応を行う際、熱による重合反応を抑えるために、熱重合禁止剤を添加することができる。
このような熱重合禁止剤としては、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メトキシフェノール、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテルなどを挙げることができる。
熱重合禁止剤の使用量は、成分(A)100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
[(B)成分]
(B)成分は、ポリエステルポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート化合物である。
(B)成分の製造方法として、例えば、以下の製法1〜4が挙げられる。
製法1:ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括して仕込んで反応させる方法。
製法2:ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
製法3:ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させる方法。
製法4:ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
製法1〜4の中でも、製法2〜4が、分子量分布を制御する上で好ましい。
(1)ポリオール化合物
本発明の(B)成分の原料の一つであるポリオール化合物は、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物である。この様な化合物としては、芳香族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂環族ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
中でも、更なる接着性の向上を図るためには、アルキレンオキシ構造を含むポリエーテルポリオール化合物を用いることが好ましい。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、ナフトキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール等が挙げられる。市販品としては、例えば、ユニオール、DA700、DA1000(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、置換テトラヒドロフラン、オキセタン、置換オキセタン、テトラヒドロピラン及びオキセバンから選ばれる少なくとも1種の化合物を開環(共)重合することにより得られるもの等を挙げることができる。具体例としては、ポリエチレングリコール、1,2−ポリプロピレングリコール、1,3−ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、ポリイソブチレングリコール、プロピレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体ポリオール、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの共重合体ポリオール、エチレンオキサイドと1,2−ブチレンオキサイドの共重合体ポリオール等が挙げられる。
脂環族ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオール及び脂環族ポリエーテルポリオールの市販品としては、例えばユニセーフDC1100、ユニセーフDC1800、ユニセーフDCB1100、ユニセーフDCB1800(以上、日本油脂社製);PPTG4000、PPTG2000、PPTG1000、PTG2000、PTG3000、PTG650、PTGL2000、PTGL1000(以上、保土谷化学社製);EXENOL4020、EXENOL3020、EXENOL2020、EXENOL1020(以上、旭硝子社製);PBG3000、PBG2000、PBG1000、Z3001(以上、第一工業製薬社製);ACCLAIM 2200、3201、4200、6300、8200(以上、住化バイエルウレタン社製);NPML−2002、3002、4002、8002(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の、多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。市販品としてはクラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000等(以上、クラレ社製)が入手できる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,6−ヘキサンポリカーボネート等が挙げられる。市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製)、PLACCEL−CD205、CD−983、CD220(以上、ダイセル化学工業社製)、PC−8000(米国PPG社製)等が入手できる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンと、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。市販品としては、PLACCCEL205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業社製)等が入手できる。
その他の本発明で使用しうるポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ひまし油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
前記のポリオール化合物のうち、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合ジオール、エチレンオキサイド/1,2−ブチレンオキサイド共重合ジオール、プロピレンオキサイド/テトラヒドロフラン共重合ジオールが好ましく、エチレンオキサイド/1,2−ブチレンオキサイド共重合ジオールがより好ましい。
ポリオール化合物の数平均分子量は、好ましくは400〜10,000であり、さらに好ましくは1,000〜8,000であり、最も好ましくは1,500〜5,000である。該数平均分子量が400未満であると、硬化物の常温及び低温におけるヤング率が上昇して、充分な屈曲抵抗性が得られ難くなる。一方、数平均分子量が10,000を超えると、組成物の粘度が上昇して、塗工性が悪くなることがある。
(2)ポリイソシアネート化合物
本発明の(B)成分の原料の一つであるポリイソシアネート化合物は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。この様な化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物等が挙げられる。
中でも、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましい。これらポリイソシアネート化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(3)水酸基含有(メタ)アクリレート
本発明の(B)成分の原料の一つである水酸基含有(メタ)アクリレートは、分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。この様な化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等の、グリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。
中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
本発明の(B)成分を構成する各原料の配合割合は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート1モルに対して、ポリオール化合物0.5〜2モル、ポリイソシアネート化合物1〜2.5モルである。
本発明の(B)成分の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算値)は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは3,000〜60,000、特に好ましくは5,000〜30,000である。数平均分子量が1,000未満であると、光導波路をフィルムとして作製する場合に感光性樹脂組成物層の硬化物(コア部分)について充分な屈曲抵抗性を得ることが困難となる。また、数平均分子量が100,000を超えると、組成物の粘度が高くなり過ぎ、塗工性が悪化することがある。
本発明の組成物中の(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜80質量部、特に好ましくは35〜70質量部である。該量が10質量部未満であると、光導波路をフィルムとして作製する場合に感光性樹脂組成物層の硬化物(コア部分)について十分な屈曲抵抗性が得られないことがあり、該量が100質量部を超えると、(A)成分との相溶性が悪くなり、硬化物(コア部分)の表面に膜荒れを生じることがある。
[(C)成分]
(C)成分は、分子内にエチレン性不飽和基を1個以上有し、0.1MPaにおける沸点が130℃以上である、(A)成分及び(B)成分以外の化合物である。
ここで、エチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
(C)成分の分子量は、好ましくは2,000未満、より好ましくは1,000未満である。
分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する(C)成分の好ましい例としては、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基を有し、分子量1,000未満の化合物が挙げられる。
この場合、分子内のエチレン性不飽和基は、その全てがアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基のいずれか1種のみでもよいし、あるいは、アクリロイル基とメタクリロイル基、アクリロイル基とビニル基、メタクリロイル基とビニル基のいずれかの2種の組み合わせでもよいし、あるいは、アクリロイル基とメタクリロイル基とビニル基の3種の組み合わせでもよい。
分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの例としては、3個以上の水酸基を有する多価アルコールに3モル以上の(メタ)アクリル酸がエステル結合した化合物、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、主鎖にポリエーテル、ポリエステルを有するポリエーテルアクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオリゴマー、あるいはポリエポキシアクリルオリゴマーも使用することができる。
分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有し、0.1MPaにおける沸点が130℃以上である(メタ)アクリレートの例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジイソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルシクロヘキシルコハク酸、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アルキルアルコール(炭素数1〜8)のエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、フェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのエチレンオキサイドの付加体であるアルコールの(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、トリブロモフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの市販品としては、ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学社製)、ビスコート#150、#155、#160、#190、#192、#195、#230、#215、#260、#295、#300、#335HP、#360、#400、#540、#700、3F、3FM、4F、8F、8FM、2−MTA、2−ETA、V−MTG、3PA、GPT、HEA、HPA、4−HBA、AIB、IOAA、LA、STA、(以上、大阪有機化学工業社製)、ライトエステルM、E、NB、IB、EH、ID、L、L−7、TD、L−8、S、130MA、041MA、CH、THF、BZ、PO、IB−X、HO、HOP、HOA、HOP−A、HOB、DM、DE、HO−MS、EG、2EG、1.4BG、1.6HX、1.9ND、1.10DC、TMP、G−101P、G−201P、BP−2EM、BP−4EM、BP−6EM、MTG、BO、BC、3EG、4EG、9EG、14EG、NP、FM−108、G−201P、ライトアクリレートIO−A、HOB−A、TMP−3EO−A、FA−108、IAA、L−A、S−A、BO−A、EC−A、MTG−A、130A、DPM−A、PO−A、P−200A、NP−4EA、NP−8EA、THF−A、IB−XA、HOA、HOP−A、M−600A、HOA−MS、3EG−A、4EG−A、9EG−A、14EG−A、NP−A、MPD−A、1.6HX−A、BEPG−A、1.9ND−A、MOD−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、BP−10EA、TMP−A、TMP−6EO−3A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A、BA−104、BA−134(以上、共栄社化学社製)、KAYARAD MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、DPHA、D−310、D−330、DPCA−20、−30、−60、−120(以上、日本化薬社製)、アロニックスM208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400、M1200、M6100、M6200、M6250、M7100、M8030、M8060、M8100、M8530、M8560、M9050(以上、東亞合成社製)、NKエステル#401P、NKエステルA−BPEF、NKエステルA−CMP−1E(以上、新中村化学工業社製)、ニューフロンティアBR−31(以上、第一工業製薬社製)、リポキシVR−77、VR−60、VR−90(以上、昭和高分子社製)、Ebecryl81、83、600、629、645、745、754、767、701、755、705、770、800、805、810、830、450、1830、1870(以上、ダイセルUCB社製)、ビームセット575、551B、502H、102(以上、荒川化学社製)、アダマンテートHA、HM(以上、出光興産社製)等が挙げられる。
(C)成分は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜70質量部、特に好ましくは20〜50質量部である。該量が5質量部未満であると、光導波路を形成する際、目的とする光導波路のコア部分の形状の精度が劣ることがあり、該量が100質量部を超えると、(A)成分との相溶性が悪くなり、硬化物(コア部分)の表面に膜荒れを生じることがある。
[(D)成分]
(D)成分は、エチレン性不飽和基を重合しうる活性種(ラジカル種)を光の照射によって発生することのできる光ラジカル重合開始剤である。
ここで光とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線、及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI11850、CG24−61、Darocur1116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、LucirinTPO、TPO−L(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物中の(D)成分の含有率は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%である。該含有率が0.1質量%未満では、硬化が十分に進行せず、光導波路の伝送特性に問題が生じることがある。一方、該含有率が10質量%を超えると、光重合開始剤が長期の伝送特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明においては、上述の光重合開始剤と共に光増感剤を配合することができる。光増感剤を併用すれば、光等のエネルギー線をより効果的に吸収することができる。
光増感剤としては、例えば、チオキサントン、ジエチルチオキサントン及びチオキサントンの誘導体;アントラキノン、ブロムアントラキノン及びアントラキノンの誘導体;アントラセン、ブロムアントラセン及びアントラセン誘導体;ペリレン及びペリレンの誘導体;キサントン、チオキサントン及びチオキサントンの誘導体;クマリン及びケトクマリン等を挙げることができる。光増感剤の種類は、光重合開始剤の種類に応じて選択すればよい。
[(E)成分]
感光性樹脂組成物は、さらに(E)成分として、有機溶媒を含有することが好ましい。有機溶媒を配合することにより、感光性樹脂組成物の保存安定性が向上するとともに、適当な粘度を付与して、均一な厚さを有する感光性樹脂組成物層を形成することができる。
有機溶媒の種類は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、かつ、各構成成分を均一に溶解させるものが好ましい。具体的には、(A)成分を調製する際に使用する有機溶剤を用いることができる。
有機溶媒の好ましい例としては、アルコール類、エーテル類、エステル類、及びケトン類が挙げられる。有機溶媒の好ましい化合物名としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、及びメタノールからなる群より選択される少なくとも1つの溶剤が挙げられる。
有機溶媒の配合量は、前記の(A)〜(D)成分の合計量100質量部に対し、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは20〜300質量部、特に好ましくは30〜180質量部である。該量が10質量部未満では、感光性樹脂組成物の粘度調整が困難となることがある。該量が500質量部を超えると、十分な厚さを有する感光性樹脂組成物層を形成することが困難なことがある。
感光性樹脂組成物には、前記の(A)〜(E)成分以外に必要に応じて、樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、例えば、分子中に1個の重合性反応基を有する化合物や、高分子樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー)等を配合することができる。
さらにまた、必要に応じて各種添加剤として、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、無機粒子、老化防止剤、濡れ性改良剤、帯電防止剤等を配合することができる。
ここで酸化防止剤としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Antigene P、3C、FR、スミライザー(住友化学工業社製)等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Seesorb102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成社製)等が挙げられる。光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS770(三共社製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業社製)等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、市販品として、SH6062、SZ6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。塗面改良剤としては、例えばジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられ、市販品としてはDC−57、DC−190(以上、ダウコーニング社製)、SH一28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業社製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー社製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物を調製するには、常法にしたがって前記の各成分を混合撹拌すればよい。
本工程で使用するコア部分形成用ドライフィルムは、ベースフィルムと、ベースフィルム上に形成された未硬化の感光性樹脂組成物層とを有するものである。
なお、本発明で用いるコア部分形成用ドライフィルムは、ベースフィルム上に形成された感光性樹脂組成物層の上に、さらに、感光性樹脂組成物層を保護するためのカバーフィルムを有する構造としてもよい。この場合、カバーフィルムは、コア部分形成用ドライフィルムの使用時に剥離される。
ベースフィルム上に感光性組成物層を形成する方法としては、ベースフィルム上に直接、上記感光性組成物を塗布する方法、又は、上記感光性組成物を有機溶剤に溶解させ、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、又はインクジェット法等の方法を用いて塗布した後、乾燥機等を用いて溶剤を飛散させる方法が挙げられる。
有機溶剤を飛散させる温度条件は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜140℃である。乾燥後に残留する有機溶剤の量は、有機溶剤を飛散させた後の感光性樹脂組成物を100質量部として、20質量部以下であることが好ましい。また、感光性樹脂組成物層の厚さは、通常、3〜200μmである。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の光導波路の製造方法の一例を説明する。図1は、本発明の方法で製造される光導波路の一例を模式的に示す断面図、図2は、本発明の光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
[1.光導波路の構造]
図1中、光導波路1は、シリコン基板、合成樹脂フィルム等の基材(図示せず)上に形成される下部クラッド層2と、下部クラッド層2の上面に形成された、特定の幅を有するコア部分3と、コア部分3及び下部クラッド層2の上に積層して形成された上部クラッド層4とから構成されている。なお、コア部分3は、下部クラッド層2及び上部クラッド層4の中に埋設されている。
下部クラッド層2、コア部分3、及び上部クラッド層4の厚さは、特に限定されないが、例えば、下部クラッド層2の厚さが1〜200μm、コア部分3の厚さが3〜200μm、上部クラッド層4の厚さが1〜200μmとなるように定められる。コア部分3の幅は、特に限定されないが、例えば、1〜200μmである。
コア部分3の屈折率は、下部クラッド層2及び上部クラッド層4のいずれの屈折率よりも大きいものであることが必要である。例えば、波長400〜1,600nmの光に対して、コア部分3の屈折率が1.420〜1.650、下部クラッド層2及び上部クラッド層4の屈折率が1.400〜1.648であり、かつ、コア部分3の屈折率が、2つのクラッド層2,4のいずれの屈折率よりも少なくとも0.1%大きな値であることが好ましい。
[2.光導波路の製造方法]
図2中、光導波路1の製造方法は、光導波路1の各部を形成する順序で工程を分けると、基材(図示せず)の上に下部クラッド層2を形成する工程(図2の(a))と、下部クラッド層2の上にコア部分3を形成する工程(図2の(b)〜(e))と、下部クラッド層2及びコア部分3の上に上部クラッド層22を形成する工程(図2の(f))を含むものである。
なお、下部クラッド層2、コア部分3及び上部クラッド層4の各部を形成するために調製される感光性樹脂組成物は、各々、便宜上、下層用組成物、コア用組成物、及び上層用組成物と称する。また、下層用組成物、コア用組成物、及び上層用組成物からなる未硬化の感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムを、各々、下層用ドライフィルム、コア用ドライフィルム、及び上層用ドライフィルムと称する。
(1)感光性樹脂組成物の調製
下層用組成物、コア用組成物、及び上層用組成物の各々の成分組成は、下部クラッド層2、コア部分3及び上部クラッド層4の各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足するように定められる。具体的には、屈折率の差が適宜の大きさとなるような2種又は3種の感光性樹脂組成物を調製し、このうち、最も高い屈折率の硬化膜を与える感光性樹脂組成物をコア用組成物とし、他の感光性樹脂組成物を下層用組成物及び上層用組成物として用いる。
なお、下層用組成物と上層用組成物は、同一の感光性樹脂組成物であることが、経済上及び製造管理上、好ましい。
(2)基材の準備
平坦な表面を有する基材を用意する。この基材の種類としては、特に限定されないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド基板等の無機材料からなる基板や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の合成樹脂フィルムまたはシートを用いることができる。
(3)下部クラッド層の形成
基材の上面に、下部クラッド層2を形成する工程である。具体的には、基材の上面に、液状の下層用感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じてプリベークして下層用薄膜を形成し、この下層用薄膜に光を照射して硬化させ、硬化体である下部クラッド層2を形成する。
下層用感光性樹脂組成物としては、光導波路を形成させうる組成物であればよく、特に限定されない。
下部クラッド層2の形成後、必要に応じて、加熱処理(ポストベーク)を行なう。
感光性樹脂組成物の塗布方法は、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等が挙げられる。
また、上記下層用薄膜は、必要に応じて、硬化の促進と残存溶剤を除去する目的で50〜200℃の温度でプリベークしてもよい。
下部クラッド層を形成する際の放射線の照射量については、特に制限されるものでは無いが、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cmの放射線を、照射量が10〜5,000mJ/cmとなるように照射して、露光することが好ましい。
照射する放射線の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線を用いることができるが、特に紫外線が好ましい。そして、放射線の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。なお、下部クラッド層の形成工程においては、薄膜の全面に放射線を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
また、露光後に、塗膜全面が十分硬化するように、さらに加熱処理(以下、「ポストベーク」という。)を行うことが好ましい。この加熱条件は、感光性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜300℃、好ましくは50〜200℃で、例えば5分間〜72時間の加熱条件とすれば良い。
なお、下部クラッド層2の形成工程における放射線の照射量、種類、及び放射線の照射装置等については、後述するコア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程においても同様である。
下部クラッド層2は、液状の下層用感光性樹脂組成物の塗布に代えて、下層用ドライフィルムを用意し、下記のコア用ドライフィルムと同様の転写及び光照射(ただし、全面)を行うことによって形成してもよい。
(4)コア部分の形成
コア用ドライフィルム10(ベースフィルム11とコア用感光性組成物層12との積層体)を、コア用感光性組成物層12を下方に向けた状態で、下部クラッド層2の上面に転写(積層)し、コア用薄膜を形成する(図2の(b−1)、(b−2))。
ここで、コア用ドライフィルム10の転写方法としては、常圧熱ロール圧着法、真空熱ロール圧着法、真空熱プレス圧着法等の圧着手法を用いて、適当な熱と圧力を加えながら、基板上に転写する方法が挙げられる。コア用ドライフィルム10がカバーフィルムを有する場合には、該カバーフィルムを剥離しながら、ベースフィルム11が上になるようにコア用ドライフィルム10を基板上に転写する。
なお、コア部分を形成させる方法として、下部クラッド層の上に、液状のコア用感光性組成物を塗布した後、乾燥させずにもしくは乾燥させた状態で、本発明で使用する上述のフィルム(数平均粒径が5〜100nmのフィラーを含有する合成樹脂からなるフィルム)を積層させる方法を採用してもよい。この場合、コア用感光性組成物層12を形成させるために、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等の方法でコア用感光性組成物を塗布する。塗布後、必要に応じて、残存溶剤を除去する目的で50〜200℃の温度でプリベークしてもよい。ベースフィルム11はコア用感光性組成物層上に積層される。
その後、ベースフィルム11上に、所定のパターン、例えば所定のラインパターンを有するフォトマスク14を載置し、フォトマスク14及びベースフィルム11を介して、コア用感光性組成物層12に光13(例えば、紫外線)の照射を行う(図2の(c−1))。これにより、コア用感光性組成物層12では、光が照射された箇所のみが硬化し、それ以外の部分は未硬化のままとなる(図2の(c−2))。その後、ベースフィルム11を剥離する(図2の(d))。
次いで、未硬化の部分を現像処理して除去することにより、下部クラッド層2上に、パターニングされた硬化膜からなるコア部分3を形成することができる(図2の(e))。
このように所定のパターンに従って放射線の照射を行う方法としては、放射線の透過部と非透過部とからなるフォトマスクを用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜cの方法が挙げられる。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパターンに従って放射線透過領域と放射線不透過領域とよりなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して放射線を照射する方法。
c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性の放射線を走査させながら照射する方法。
このようにして所定のパターンに従ってパターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対しては、硬化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像処理することができる。したがって、パターン露光後、未硬化部分を除去するとともに、硬化部分を残存させることにより、結果として、コア部分3を形成することができる。
現像処理に用いる現像液としては、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒の例としては、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
一方、コア用感光性組成物層12を形成する組成物がアルカリ可溶性である場合、現像液としてアルカリ現像液を用いることもできる。アルカリ現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液や水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。
現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法等の公知の方法を採用することができる。現像液として有機溶媒を使用した場合は、現像後、そのまま風乾することによって、有機溶媒が除去されて、コア部分が形成される。現像液としてアルカリ現像液を使用した場合は、現像後、イオン交換水の流水やシャワーで30〜300秒間リンスし、乾燥することによって、コア部分が形成される。
次いで、パターニング部をさらに硬化させるために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置により、例えば30〜400℃の温度で5〜600分間ポストベークする。
(5)上部クラッド層の形成
液状の上部クラッド用感光性組成物を、下部クラッド層2及びコア部分3の上に塗布した後、下部クラッド層を形成させたときと同様にして光照射し、上部クラッド層4を形成する。こうして、光導波路1が完成する。
なお、液状の上部クラッド用感光性組成物に代えて、上部クラッド用ドライフィルムを用いてもよい。この場合、上部クラッド用ドライフィルムを前記手法と同様にして、下部クラッド層2及びコア部分3上に転写し、光照射すれば、上部クラッド層を得ることができる。なお、上層用ドライフィルムのベースフィルムは、剥離してもよいし、そのまま残存させてもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[感光性樹脂組成物の調製]
まず、(A)〜(D)成分として、以下の材料を用意した。
[(A)成分]
調製例1
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3g、有機溶剤として乳酸エチル150gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。引き続いて、メタクリル酸20g、ジシクロペンタニルメタクリレート30g、スチレン25g、及びn−ブチルアクリレート25gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で6時間重合を行った。その後、得られた溶液に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート10.5g、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.8g、p−メトキシフェノール0.1gを添加し、80℃で7時間攪拌することで、側鎖にアクリル基を有するポリマー溶液を得た。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して、目的とする共重合体A−1を得た。
調製例2
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1g、有機溶剤として乳酸エチル150gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。引き続いて、メタクリル酸20g、ジシクロペンタニルメタクリレート25g、メチルメタクリレート35g、及びn−ブチルアクリレート20gを仕込んだ後、緩やかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度で6時間重合を行った。その後、得られた溶液に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート31.4g、テトラブチルアンモニウムブロマイド2.2g、p−メトキシフェノール0.1gを添加し、80℃で7時間攪拌することで、側鎖にアクリル基を有するポリマー溶液を得た。その後、反応生成物を多量のヘキサンに滴下して反応生成物を凝固させた。さらに、この凝固物と同質量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のヘキサンで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥して、目的とする共重合体A−2を得た。
共重合体A−1、A−2の製造に用いた前記の原料名及び配合量を、表1に示す。
Figure 2008040239
[(B)成分]
攪拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート13.6質量部、数平均分子量が2,000のポリプロピレングリコール81.7質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01質量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながらジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.05質量部を加え、温度が30℃以下に保たれるように調整しながら2時間撹拌した後、50℃まで昇温しさらに2時間撹拌した。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.7質量部(以上の合計量100質量部)を滴下し、滴下終了後、50〜70℃で1時間反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とし、化合物B−1を得た。
[(C)成分]
トリメチロールプロパントリアクリレート(0.1MPaにおける沸点:315℃、大阪有機化学工業社製)
[(D)成分]
光ラジカル重合開始剤(商品名:「Irgacure369」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
[(E)成分]
乳酸エチル
表2に示す配合割合で、上述の(A)〜(E)成分を混合して感光性樹脂組成物(組成物1、2)を得た。
Figure 2008040239
[実施例1〜4、比較例1〜3]
(1)ドライフィルムの作製
表3に示すベースフィルムの上に、上記で得た組成物1をスピンコート法にて塗布した後、120℃で10分間乾燥させ、さらに乾燥塗膜の表面にカバーフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚:25μm)を常圧常温ロール圧着することによって、感光性樹脂組成物層の厚さが50μmのコア用ドライフィルムを得た。なお、コア用ドライフィルムを構成するベースフィルムに含まれるフィラーの質量割合は、いずれも、0.001〜1質量%の範囲内であった。
また、同様の方法で、下層用及び上層用ドライフィルムを、それぞれ、上記で得た組成物2を用いて、感光性樹脂組成物層の厚さ20μm及び70μmで作製した。
(2)下部クラッド層の形成
下層用ドライフィルム(感光性樹脂組成物層の厚さ:20μm)のカバーフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、シリコン基板の表面に、ラミネーターで下層用ドライフィルムを常温常圧熱ロール圧着法により転写した。次いで、波長365nm、照度10mW/cm2の紫外線を100秒間照射して、感光性樹脂組成物層を硬化させた。ベースフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、150℃、1時間の条件でポストベークをすることにより、厚さ20μmの下部クラッド層を得た。
(3)コア部分の形成
カバーフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを予め剥がしたコア用ドライフィルム(感光性樹脂組成物層の厚さ:50μm)を下部クラッド層の上にラミネーターで常温常圧熱ロール圧着法により転写した。その後、ベースフィルム上に、幅50μmのライン状パターンを有するフォトマスクを載置し、該フォトマスク及びベースフィルムを介して、感光性樹脂組成物層に波長365nm、照度10mW/cm2の紫外線を100秒間照射して、硬化させた。
次いで、ベースフィルムを剥がし、部分的に硬化させた感光性樹脂組成物層を有する基板を、アセトンからなる現像液中に浸漬して、感光性樹脂組成物層の未露光部を溶解させた。その後、150℃、1時間の条件でポストベークを行い、幅50μmのライン状パターンを有するコア部分を形成した。
(4)上部クラッド層の形成
次いで、コア部分を有する下部クラッド層の上面に、カバーフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを予め剥がした上層用ドライフィルム(感光性樹脂組成物層の厚さ:70μm)を常圧熱ロール圧着法(温度:80℃)により転写した。その後、波長365nm、照度10mW/cm2の紫外線を100秒間照射し、ベースフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離することにより、厚さ70μmの上部クラッド層を形成した。
[参考例1]
コア用ドライフィルムを用いずに、液状の感光性樹脂組成物(前記の組成物1)を塗布してコア用感光性組成物層を形成させ、かつ、このコア用感光性組成物層の上にフィルムを載置せずに、上方に所定の距離を置いてフォトマスクを配置させて光照射し、コア用感光性組成物層を部分的に硬化させたこと以外は、実施例1と同様にして、光導波路を形成した。
[光導波路の評価]
光導波路(実施例1〜4、比較例1〜3、参考例1)を次のようにして評価した。
(1)導波路損失
光導波路について、波長850nmのLEDからの光を直径50μmのグレデッドインデックスファイバーに導入させ、所定長さの導波路の一端から入射させた。導波路の他端からの出射光を直径50μmのグレデッドインデックスファイバーに導入させ、フォトダイオードで出射光を受け取った。上記損失測定は自動調芯システム上で行い、フォトダイオードの受光量が最大になるように調芯を行なった場合の受光量を測定することで、単位長さ当たりの導波路損失(dB/cm)をカットバック法により求めた。なお、上記測定で光入射側のファイバーと導波路間、出射側の導波路とファイバー間にマッチングオイルを使用した。6回の測定を行い、平均値を平均損失(dB/cm)とした。
(2)損失ばらつき
光導波路について、導波路損失を測定したときの、標準偏差を損失ばらつき(dB/cm)とした。
以上の結果を表3に示す。フィラーの平均粒径は電子顕微鏡で測定した。
表3中の「判定」は、損失が0.3dB/cm以下であり、かつ、損失ばらつきが0.1dB/cm以下である場合を「○」、それ以外の場合を「×」として評価した。
なお、表3中、導波路損失は「損失」、損失ばらつきは「ばらつきσ」と記載した。表3中の「転写膜表面粗さ」は、ベースフィルムを剥離した後のコア用感光性樹脂組成物層の上面の表面粗さを示す。
Figure 2008040239
表3から、本発明のドライフィルムを用いて形成した光導波路(実施例1〜4)は、ベースフィルムを介して光照射してコア部分を形成しているにもかかわらず、導波路損失が小さく、かつ、損失ばらつきが小さいことがわかる。一方、比較例1〜3の光導波路は、いずれも、導波路損失が大きいことがわかる。また、比較例3の光導波路は、損失ばらつきも大きかった。
本発明の光導波路の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 光導波路
2 下部クラッド層
3 コア部分
4 上部クラッド層
10 コア用ドライフィルム
11 ベースフィルム
12 コア用感光性組成物層
13 光(紫外線)
14 コアパターン形成部材(フォトマスク)

Claims (6)

  1. 下部クラッド層、コア部分、及び上部クラッド層を含む光導波路の製造方法であって、
    基材の上に形成した下部クラッド層の上に、コア部分を形成するための感光性組成物層を介在させた状態となるように、数平均粒径が5〜100nmのフィラーを含有する合成樹脂からなるフィルムを積層させるフィルム積層工程と、
    上記フィルムを上記感光性組成物層に当接させた状態で、上記感光性組成物層に上記フィルムを通して光を照射して、当該感光性組成物層の感光性組成物を部分的に硬化させ、硬化部分と未硬化部分とからなるコアパターン含有層を形成するコアパターン形成工程と、
    上記フィルムを剥離した後、上記コアパターン含有層を現像することにより、下部クラッド層及びコア部分を含む積層体を得るコア部分形成工程と、
    上記の下部クラッド層及びコア部分の上に上部クラッド層を形成する上部クラッド層形成工程と
    を含むことを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 上記フィルム積層工程が、上記フィルムと、上記フィルムの上に形成された上記感光性組成物層とを有するコア部分形成用ドライフィルムの、上記感光性組成物層の側の面を、上記下部クラッド層の上に積層させるものである請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  3. 上記フィルム積層工程が、上記下部クラッド層の上に、コア部分形成用の感光性組成物を塗布して、上記感光性組成物層を形成させた後、該感光性組成物層の上に、上記フィルムを積層させるものである請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  4. 上記フィルムの表面粗さ(Ra)が、30nm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
  5. 上記フィルムの厚さが、300μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
  6. 上記感光性組成物が、(メタ)アクリロイル基を有する単量体、及び、光ラジカル重合開始剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
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