JP2006092682A - 記録媒体カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】上下シェルハーフが周壁の複数箇所において溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、上下シェルハーフの周壁の溶接により記録媒体が損傷するのを防止する。
【解決手段】上下シェルハーフの周壁3s,4sを少なくとも溶接箇所において互いに重ね合せる。
【選択図】 図1
【解決手段】上下シェルハーフの周壁3s,4sを少なくとも溶接箇所において互いに重ね合せる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上下シェルハーフが周縁部の複数箇所において溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体か収容されてなる記録媒体カートリッジに関するものである。
従来より、デジタルカメラ等のモバイル機器においては、記録媒体として、「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の記録媒体カートリッジが使用されている(特許文献1参照)。
この記録媒体カートリッジ1は、図3(斜視図)および図4(a),(b)(平面図および裏面図)に示すように、ドライブ装置に押込み装填するときに指を当てる押込み部2aを含む、スタビライザと呼ばれる樹脂製のフレーム2と、このフレーム2に嵌合された金属薄板(厚さ0.3mmのステンレス鋼板)からなる平坦な主面を備えた上シェルハーフ3および下シェルハーフ4とによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)のディスク状磁気記録媒体5を回転自在に収容している。磁気記録媒体5の中央部には、中心孔10aを備えたハブ(センタコア)10が固着されている。
この記録媒体カートリッジ1は、幅53mm、奥行き85mm、厚さ5mmの外寸を有するTYPEII PCカード型のドライブ装置(図略)が備えているスロットに挿入形式でローディングされるように構成され、そのハウジングには、上記ドライブ装置が備えている記録再生用磁気ヘッドを磁気記録媒体5の表面にアクセスさせるためのV字状の開口6が形成され、さらに、ハウジングと磁気記録媒体5との間には、上記開口6を回転式に開閉するための、開口7aを備えたロータリーシャッタ7が介装されている。このロータリーシャッタ7は、図示しないバネ部材によって閉方向に付勢され、かつ上シェルハーフ3に取り付けられている図示しないロック部材により閉位置にロックされるように構成されている。
なお、図3および図4(a),(b)は、ロータリーシャッタ7の開口7aがハウジング内に潜入して、ロータリーシャッタ7がハウジングの開口6を閉じている状態、すなわち閉位置にある状態を示している。
ロータリーシャッタ7は、図4(a)の5−5線に沿った要部拡大断面図である図5に示すように、周壁部において互いに嵌合されたアルミニウム薄板製の上下シャッターハーフ7U,7Dからなり、上シャッターハーフ7Uは、上シェルハーフ3の下面から内方へ突出する小径の円筒体3aによって回転可能に軸支され、円筒体3aの先端には、上シャッターハーフ7Uが円筒体3aからの抜出すのを防止するためのセンタピンと呼ばれる抜止め部材11が溶接されて、ハブ10の中心孔10a内に介入している。上下シャッターハーフ7U,7Dの内面には、磁気記録媒体5の表面を清掃するための不織布からなるライナ13がそれぞれ貼り付けられている。
下シェルハーフ4の中央部には、ハブ10を外部に臨ませる円形の開口4aが形成され、下シャッターハーフ7Dの中心部には、下シェルハーフ4の開口4aの周縁に遊嵌される大径の円筒体7Daが下方へ向かって突設されて、この円筒体7Daによって下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4に回転可能に支持されているとともに、円筒体7Daの先端部がカシメられて、下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4からの抜け出すのを防止するフランジ12が形成されている。
さらに下シェルハーフ4には、図4(b)から明らかなように、ロータリーシャッタ7と同心的な円弧状開口4bが形成され、下シャッターハーフ7Dには、上記円弧状開口4bから突出しかつこの円弧状開口4bに沿って移動してロータリーシャッタ7を開閉するシャッターノブ7bが固設されている。そして、ドライブ装置に対する記録媒体カートリッジ1のローディング動作(押込み動作)に伴って、ロック部材によるロータリーシャッタ7の閉位置でのロックが解除されて、ロータリーシャッタ7が回動可能になるとともに、ドライブ装置が備えている係合壁面がシャッターノブ7bに係合して、ロータリーシャッタ7がその開口7aを上下シェルハーフ3,4の開口6にほぼ一致させる開位置まで約60度回転されることにより、図6(a),(b)(平面図および裏面図)に示すように、磁気記録媒体5がハウジングの開口6から露出された状態でドライブ装置に装填される。
また、ドライブ装置に装填された記録媒体カートリッジ1は、これをさらにドライブ装置側に押すことにより、ドライブ装置との係合が外れてドライブ装置からの排出が可能になり、図示しないバネ部材によってロータリーシャッタ7が図6(a),(b)に示す閉位置に復帰するように構成されている。
上下シェルハーフ3,4は、図5の右端に示すように、双方の周壁3s,4sのエッジ同士を互いに突き合わせ、この突合せ線に沿った図4(a)に示す13箇所の溶接箇所W1〜W13におけるレーザービームを用いたスポット溶接により組み立てられる。
なお、図5においては、スポット溶接部をWで示してある。
米国特許第6,133,544号明細書
ところで、上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sにおける突合せ部位においては、その隙間がゼロになることが望ましいが、実際問題として隙間をゼロにすることは不可能であり、溶接箇所には僅かな隙間が存在するのが普通である。
一方、レーザー溶接では、直径1mmにも満たない微小な加工点に数kWのエネルギーを集中できるため、加工点では激しい蒸発が起こり、レーザーから得た熱と激しい蒸発の蒸発反力によって加工点にキーホールと呼ばれる深い穴が形成されながら溶接が進行することにより、深溶込み溶接が可能になる。
しかしながら、突合せ部に隙間があると、沸騰溶融が突合せ部の裏面まで到達していなくても、図7に示すように、突合せ部の隙間からスパッタやガス、酸化物が飛び出し、ロータリーシャッタ7等の部材に付着し、時には記録媒体にも到達する可能性がある。また、ロータリーシャッタ7の外面に付着した塵埃は、後日の使用時に振動等で剥がれて、記録媒体や記録再生ヘッドに挟まる等の致命的なエラーを惹き起こすこともある。
さらに、突合せ部はずれ易く、このずれがハウジングの寸法精度を低下させるので、溶接に際しては、双方の周壁3s,4sの正確な位置合せが必要である。
上述した特許文献1においては、溶接箇所には、周壁3s,4sの突合せ部位の一方に0.08mm程度の凸部を設け、全体の歪みで突合せ部に隙間が生じるのを防止しているが、このように凸部を設けた場合でも、突合せ部に隙間が生じる問題を防ぎきれず、この隙間から塵埃が侵入するおそれもあった。
上記隙間から塵埃が侵入する問題は、ハウジングの上下シェルハーフが、レーザー溶接される金属薄板で形成されている場合に限らず、プラスチックで形成された上下シェルハーフの超音波溶接によってハウジングが構成される場合にも発生する。
すなわち図8に示すように、上下シェルハーフ3′,4′の周壁3s′,4s′の突合せ面の一方に溶接用リブrを設け、超音波溶接用ホーンHを用いて溶接部に超音波振動を与えてリブrを溶かして溶接する場合にも、突合せ部の隙間から塵埃がハウジング内部に侵入することになる。
上述の事情に鑑み、本発明は、溶接により記録媒体が損傷したり、溶接時に突合せ部の隙間から塵埃がハウジング内部に侵入したりするのを防止するとともに、ハウジングの寸法精度を向上させることを目的とするものである。
本発明は、上下シェルハーフが周壁の複数箇所において溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、
上下シェルハーフの周壁が、少なくとも溶接箇所において互いに重ね合せられていることを特徴とするものである。
上下シェルハーフの周壁が、少なくとも溶接箇所において互いに重ね合せられていることを特徴とするものである。
上記上下シェルハーフの周壁が全ての領域において互いに重ね合せられていてもよい。
本発明によれば、上下シェルハーフの周壁が、少なくとも溶接箇所において互いに重ね合せられていることにより、溶接時に突合せ部の隙間からスパッタ等がハウジング内に漏れるのを防止することができるとともに、重なり部分の存在によって上下シェルハーフの周壁のずれが抑制されるから、ハウジングの寸法精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明による記録媒体カートリッジのハウジングにおける上下シェルハーフの周縁部の拡大断面図である。なおこの実施例においては、ハウジングを除く他の部分の構成が、図5に示す従来の記録媒体カートリッジと同様なため、ハウジング以外の図示ならびに詳細な説明は省略してある。
図1(a)に示すハウジングにおいては、上シェルハーフ3の周壁3sが、下シェルハーフ4の周壁4sの内側まで延びて、周壁4sと重なり合う部分3saを備えており、下シェルハーフ4の周壁4sの上端エッジにおいて、両周壁3s,4s同士がスポット溶接されている(スポット溶接部W)。
この重なり合い部分は、少なくとも溶接箇所のみでよいが、上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sが全ての領域において互いに重ね合せられていてもよい。
本実施例によれば、上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sが、少なくとも溶接箇所において互いに重ね合せられていることにより、突合せ部の隙間からスパッタ等がハウジング内に漏れるのを防止することができるとともに、重なり合い部分の存在によって上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sの周壁のずれが抑制されるから、ハウジングの寸法精度を向上させることができる。
なお、上記重なり合い部分は、図1(b)に示すように、周壁3s,4sの双方にそれぞれ段部を形成する重なり合う部分3sb,4sbを設けて、いわゆる印籠継ぎの状態であってもよく、あるいは図1(c)に示すように、周壁3s,4sの双方にそれぞれ傾斜面を形成する重なり合う部分3sc,4scを設けてもよい。
上述の実施例は、外径1.8インチ(約46mm)の磁気記録媒体5を備えた「clik!」の場合であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、将来開発されるであろう更に小型で高密度な1インチ(約25mm)や0.8インチ(約20mm)等の超小型高密度記録媒体を備えたカートリッジにも適用可能であり、記録媒体はディスクに限らず、テープ、ハードディスク、光媒体、半導体等であってもよい。
また、上述の実施例では、ロータリーシャッタ7がハウジングに内蔵されたものであるが、本発明は、ロータリーシャッタあるいはスライドシャッタを外装した記録媒体カートリッジにも適用可能であることは言うまでもない。溶接手段はレーザーによるスポット溶接に限らず、抵抗溶接であってみよい。
さらに、ハウジングがプラスチックからなる場合、図2に示すように、上下シェルハーフ3′,4′の周壁3s′,4s′の双方に、図1(b)と同様の段部を形成する重なり合う部分3sb′,4sb′を設けて超音波溶接を行なえばよい。
1 記録媒体カートリッジ
3 上シェルハーフ
3s 上シェルハーフの周壁
4 下シェルハーフ
4s 下シェルハーフの周壁
5 磁気記録媒体
6 ハウジングの開口
7 ロータリーシャッタ
7U 上シャッターハーフ
7D 下シャッターハーフ
W スポット溶接部
W1〜W13 溶接箇所
3 上シェルハーフ
3s 上シェルハーフの周壁
4 下シェルハーフ
4s 下シェルハーフの周壁
5 磁気記録媒体
6 ハウジングの開口
7 ロータリーシャッタ
7U 上シャッターハーフ
7D 下シャッターハーフ
W スポット溶接部
W1〜W13 溶接箇所
Claims (2)
- 上下シェルハーフが周壁の複数箇所において溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、
前記上下シェルハーフの周壁が、少なくとも溶接箇所において互いに重ね合せられていることを特徴とする記録媒体カートリッジ。 - 前記上下シェルハーフの周壁が、全ての領域に亘って互いに重ね合せられていることを特徴とする請求項1記載の記録媒体カートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004278761A JP2006092682A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 記録媒体カートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004278761A JP2006092682A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 記録媒体カートリッジ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006092682A true JP2006092682A (ja) | 2006-04-06 |
Family
ID=36233505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004278761A Withdrawn JP2006092682A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 記録媒体カートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006092682A (ja) |
-
2004
- 2004-09-27 JP JP2004278761A patent/JP2006092682A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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