JP2006164419A - 記録媒体カートリッジ - Google Patents

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洋一 林
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Abstract

【課題】主板部の周縁からそれぞれ折り曲げられた形態の周壁を備えた上下シェルハーフが、周壁の先端縁同士を突き合わせた状態で組み立てられてなる扁平なハウジングを有する記録媒体カートリッジにおいて、ハウジングの幅に誤差を生じたり、ドライブ装置に対する着脱時に塵埃を生じたりするのを防止する。
【解決手段】下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sの主板部3m,4mに対する折曲げ角度を100°±5°の範囲内に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上下シェルハーフの少なくとも一方が、主板部の周縁から折り曲げられた形態の周壁を備え、該周壁の先端縁を突き当てた状態で組み立てられてなる扁平なハウジングを有する記録媒体カートリッジに関するものである。
従来より、デジタルカメラ等のモバイル機器においては、記録媒体として、「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の記録媒体カートリッジが使用されている(特許文献1参照)。
この記録媒体カートリッジ1は、図2(斜視図)および図3(a),(b)(平面図および底面図)に示すように、ドライブ装置に押込み装填するときに指を当てる押込み部2aを含む、スタビライザと呼ばれる樹脂製のフレーム2と、このフレーム2に嵌合された金属薄板(厚さ0.3mmのステンレス鋼板)からなる平坦な主面を備えた上シェルハーフ3および下シェルハーフ4とによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)のディスク状磁気記録媒体5を回転自在に収容している。磁気記録媒体5の中央部には、中心孔10aを備えたハブ(センタコア)10が固着されている。
この記録媒体カートリッジ1は、幅53mm、奥行き85mm、厚さ5mmの外寸を有するTYPEII PCカード型のドライブ装置(図略)が備えているスロットに挿入形式でローディングされるように構成され、そのハウジングには、上記ドライブ装置が備えている記録再生用磁気ヘッドを磁気記録媒体5の表面にアクセスさせるためのV字状の開口6が形成され、さらに、ハウジングと磁気記録媒体5との間には、上記開口6を回転式に開閉するための、開口7aを備えたロータリーシャッタ7が介装されている。このロータリーシャッタ7は、図示しないバネ部材によって閉方向に付勢され、かつ上シェルハーフ3に取り付けられている図示しないロック部材により閉位置にロックされるように構成されている。
なお、図2および図3(a),(b)は、ロータリーシャッタ7の開口7aがハウジング内に潜入して、ロータリーシャッタ7がハウジングの開口6を閉じている状態、すなわち閉位置にある状態を示している。
ロータリーシャッタ7は、図3(a)の4−4線に沿った要部拡大断面図である図4に示すように、周壁部において互いに嵌合されたアルミニウム薄板製の上下シャッターハーフ7U,7Dからなり、上シャッターハーフ7Uは、上シェルハーフ3の下面から内方へ突出する小径の円筒体3aによって回転可能に軸支され、円筒体3aの先端には、上シャッターハーフ7Uが円筒体3aからの抜け出すのを防止するためのセンタピンと呼ばれる抜止め部材11が溶接されて、ハブ10の中心孔10a内に介入している。上下シャッターハーフ7U,7Dの内面には、磁気記録媒体5の表面を清掃するための不織布からなるライナ13がそれぞれ貼り付けられている。
下シェルハーフ4の中央部には、ハブ10を外部に臨ませる円形の開口4aが形成され、下シャッターハーフ7Dの中心部には、下シェルハーフ4の開口4aの周縁に遊嵌される大径の円筒体7Daが下方へ向かって突設されて、この円筒体7Daによって下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4に回転可能に支持されているとともに、円筒体7Daの先端部がカシメられて、下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4からの抜け出すのを防止するフランジ12が形成されている。
さらに下シェルハーフ4には、図3(b)から明らかなように、ロータリーシャッタ7と同心的な円弧状開口4bが形成され、下シャッターハーフ7Dには、上記円弧状開口4bから突出しかつこの円弧状開口4bに沿って移動してロータリーシャッタ7を開閉するシャッターノブ7bが固設されている。そして、ドライブ装置に対する記録媒体カートリッジ1のローディング動作(押込み動作)に伴って、ロック部材によるロータリーシャッタ7の閉位置でのロックが解除されて、ロータリーシャッタ7が回動可能になるとともに、ドライブ装置が備えている係合壁面がシャッターノブ7bに係合して、ロータリーシャッタ7がその開口7aを上下シェルハーフ3,4の開口6にほぼ一致させる開位置まで約60°回転されることにより、図5(a),(b)(平面図および底面図)に示すように、磁気記録媒体5がハウジングの開口6から露出された状態でドライブ装置に装填される。
また、ドライブ装置に装填された記録媒体カートリッジ1は、これをさらにドライブ装置側に押すことにより、ドライブ装置との係合が外れてドライブ装置からの排出が可能になり、図示しないバネ部材によってロータリーシャッタ7が図6(a),(b)に示す閉位置に復帰するように構成されている。
上下シェルハーフ3,4は、図4の右端に示すように双方の周壁3s,4sのエッジ同士を互いに突き合わせ、この突合せ線に沿った図3(a)に示す13箇所の溶接箇所W〜W13におけるレーザービームを用いたスポット溶接により組み立てられる。
なお、図4においては、スポット溶接部をWで示してある。
米国特許第6,133,544号明細書
ところで、上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sは、図6(a)に示すように、プレス加工により主板部3m,4mからそれぞれ90°の角度で折り曲げられるように設定されているが、加工後のスプリングバックにより、図6(b)の上シェルハーフ3の周壁3sのように曲げ角度が90°よりも浅くなったり、あるいは、加工時のバラツキにより、図6(b)の下シェルハーフ4の周壁4sのように曲げ角度が90°よりも深くなったりすることがある。
したがって両周壁3s、4sを突き合わせて溶接した状態では、Aで示す部分が基準面Pから突出し、ハウジングの幅に誤差を生じるのみでなく、ドライブ装置に対して記録媒体カートリッジ1を着脱する際に、角張った部分Aがドライブ装置側のガイド部材に接触して塵埃が発生し、この塵埃が記録媒体カートリッジ1のハウジング内に侵入すると、記録媒体が汚染され、その記録再生特性を劣化させるという問題があった。
また、上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sが、主板部3m,4mからそれぞれ正確に90°の角度で折り曲げられている場合であっても、図6(c)に示すように、周壁3s、4sの突合せ部における溶接箇所Wが周壁3s、4sの外表面から盛り上がっている場合には、やはりハウジングの幅に誤差を生じたり、ドライブ装置に対して記録媒体カートリッジ1を着脱する際に、上記盛上り部分がドライブ装置側のガイド部材に接触して塵埃が発生したりする恐れ等があった。
上述の事情に鑑み、本発明の課題は、ハウジングの幅に誤差を生じたり、ドライブ装置に対する着脱時に塵埃を生じたりするのを防止することにある。
本発明は、上下シェルハーフの少なくとも一方が、主板部の周縁から折り曲げられた形態の周壁を備え、この、またはこれらの周壁の先端縁を突き合わせた状態で組み立てられてなる扁平なハウジングを有する記録媒体カートリッジにおいて、上下シェルハーフの周壁の上記主板部に対する折曲げ角度が100°±5°の範囲内に設定されていることを特徴とするものである。
上記折曲げ角度は約100°であることが好ましい。また、上記上下シェルハーフは、一般にそれらの周壁の複数箇所において突合わせ溶接されるが、接着される場合もある。
本発明によれば、シェルハーフの周壁の主板部に対する折曲げ角度を100°±5°に設定した場合には、折曲げ角度に誤差を生じたり、溶接箇所に盛り上がりを生じたりする場合であっても、突合せ部分が基準面か突出する恐れはないから、ハウジングの幅に誤差を生じる問題はなく、また、突合せ部分がドライブ装置側のガイド部材に接触して塵埃を発生するという問題も解消する。
さらに、上下シェルハーフの突合せ部分の内側が内部のロータリーシャッタ等に接触する恐れもないものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1(a),(b)は、本発明による記録媒体カートリッジのハウジングにおける上下シェルハーフの周縁部の拡大断面図である。なおこの実施例においては、ハウジングを除く他の部分の構成が、図3〜図5に示す従来の記録媒体カートリッジと同様なため、ハウジング以外の図示ならびに詳細な説明は省略してある。
図1(a)に示す実施例においては、上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sの主板部3m,4mに対する折曲げ角度が90°よりも深い約100°に設定された状態で、周壁3s,4sの突合せ部の複数箇所に対してレーザービームによるスポット溶接がなされている。
本実施例によれば、周壁3s,4sの主板部3m,4mに対する折曲げ角度に誤差を生じたり、溶接部Wに盛り上がりを生じたりする場合であっても、突合せ部分が基準面Pか突出する恐れはなく、ハウジングの幅を金型によって正確に規制することができるから、ウジングの幅に誤差を生じる問題はなく、また、突合せ部分がドライブ装置側のガイド部材に接触して塵埃を発生するという問題も解消する。
なお、上記折曲げ角度が95°未満である場合には、周壁3s,4sのスプリングバックによって、図6(b)と同様の状態になる可能性があり、また折曲げ角度が105°を超える場合には、上下シェルハーフ3,4の突合せ部分の内側が内部のロータリーシャッタ等に接触する恐れがある。
その点で、図1(b)に示すような構成が好ましい。この場合は、上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sの主板部3m,4mに対する折曲げ角度が、105°程度に設定されているが、周壁3s,4sが途中から外側に15°程度曲げられて、突合わせ部近傍における周壁3s,4sの外表面が主板部3m,4mに対しほぼ直角になっている。このようにすれば、突合せ部分が基準面Pか突出する恐れもなく、また、上下シェルハーフ3,4の突合せ部分の内側がロータリーシャッタ等に接触する恐れもなくなる。
上述の実施例は、外径1.8インチ(約46mm)の磁気記録媒体5を備えた「clik!」の場合であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、将来開発されるであろう更に小型で高密度な1インチ(約25mm)や0.8インチ(約20mm)等の超小型高密度記録媒体を備えたカートリッジにも適用可能であり、記録媒体はディスクに限らず、テープ、ハードディスク、光媒体、半導体等であってもよい。
また、上述の実施例では、ロータリーシャッタ7がハウジングに内蔵されたものであるが、本発明は、ロータリーシャッタあるいはスライドシャッタを外装した記録媒体カートリッジにも適用可能であることは言うまでもない。溶接手段はレーザーによるスポット溶接に限らず、抵抗溶接であってみよい。
さらに、ハウジングがプラスチックからなる場合にも適用可能である。
なお、図1(a),(b)に示す実施例は、上下シェルハーフ3,4が共に主板部3m,4mの周縁から折り曲げられた形態の周壁3s,4sを備えている場合であるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば図1(c),(d)に示すように、一方のシェルハーフのみが、例えば上シェルハーフ3′のみが、その主板部3m′から折り曲げられた形態の周壁3s′を備え、下シェルハーフ4′は主板部4m′のみで周壁を備えておらず、その主板部4m′の上面の周縁部に上シェルハーフ3′の周壁3s′の先端縁が突合せ溶接されて組み立てられるカートリッジにも適用可能である。
また、上述とは反対に、周壁3s,4sの折曲げ角度を80°程度に設定した場合には、約160°をなす突合せ部の頂点が、溶接によって溶けて、表面張力により丸くなるから、ドライブ装置側のガイド部材に対し引っかかりにくくなり、これによっても本発明の目的の一部は達成されるが、ハウジングの幅を金型によって正確に規制することができる点で、図1(a),(b)に示す構成が好ましいことは明らかである。
図1(a)〜(d)は、本発明による記録媒体カートリッジのハウジングにおける上下シェルハーフの周縁部の拡大断面図である。 従来の記録媒体カートリッジの斜視図である。 図4(a),(b)は、図2の記録媒体カートリッジの、ロータリーシャッタが閉位置にある状態を示す平面図および底面図である。 図3(a)の4−4線に沿った要部の拡大断面図である。 図5(a),(b)は、図3の記録媒体カートリッジの、ロータリーシャッタが開位置にある状態を示す平面図および底面図である。 図6(a)〜(c)は従来の記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの周壁における周縁部の拡大断面図である。
符号の説明
1 記録媒体カートリッジ
3 上シェルハーフ
3s 上シェルハーフの周壁
4 下シェルハーフ
4s 下シェルハーフの周壁
5 磁気記録媒体
6 ハウジングの開口
7 ロータリーシャッタ
7U 上シャッターハーフ
7D 下シャッターハーフ
W スポット溶接部
〜W13 溶接箇所

Claims (3)

  1. 上下シェルハーフの少なくとも一方が、主板部の周縁から折り曲げられた形態の周壁を備え、該周壁の先端縁を突き合わせた状態で組み立てられてなる扁平なハウジングを有する記録媒体カートリッジにおいて、
    前記周壁の前記主板部に対する折曲げ角度が100°±5°の範囲内に設定されていることを特徴とする記録媒体カートリッジ。
  2. 上記折曲げ角度が約100°であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体カートリッジ。
  3. 前記上下シェルハーフが前記周壁の複数箇所において突合わせ溶接されていることを特徴とする請求項1または2記載の記録媒体カートリッジ。
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