本発明の一実施形態に係るディスクカートリッジ10について、図1乃至図10に基づいて説明する。なお、各図に適宜示す矢印Aは、ディスクカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を示しており、便宜上、ドライブ装置への装填方向である矢印Aにて示す側を前側として説明する。また、矢印Bにて示す方向を上側、矢印Cにて示す方向を右側とする。
図1はディスクカートリッジ10の外観形状を示す斜視図であり、図2はディスクカートリッジ10の分解斜視図である。これらの図に示される如く、ディスクカートリッジ10は、円板状に形成された情報記録再生媒体としてのディスクメディア12を回転可能に収容するケース14と、ケース14の下面で開口し記録再生ヘッドがディスクメディア12の記録面にアクセスするためのヘッド開口部16を開閉するシャッタ機構18と、ケース14の上側に開口し該ケース14に対するディスクメディア12の出し入れを可能とするディスク開口部20からのディスクメディア12の脱落を防止するためのディスク保持機構22とを主要構成要素として構成されている。なお、図1ではディスクメディア12の図示を省略している。
先ず、ディスクカートリッジ10の概略全体構成を説明し、その後、本発明の要部であるシャッタ機構18におけるシャッタ突き当て部の詳細構成を説明することとする。
[ディスクカートリッジの全体構成]
(ディスクメディアの構成)
ディスクカートリッジ10に収容されるディスクメディア12は、上記の通り円板状に形成されている。ディスクメディア12の軸心部には、ディスクドライブ装置の回転スピンドル軸にチャッキング(係合保持)されるセンタ孔12Aが設けられている。また、ディスクメディア12の下面は、記録層がカバー層(何れも図示省略)にて被覆保護されて構成されている。記録層は、ディスクメディア12の下面における外周近傍及びセンタ孔12A周りの所定範囲を除く部分に環状に形成され、この領域が記録領域とされている。ディスクメディア12の下面におけるセンタ孔12Aの孔縁と記録領域の内縁との間の領域は、ドライブ装置の回転スピンドル軸がディスクメディア12を保持するためのチャッキングエリアとされている。本実施形態では、ディスクメディア12の直径(外径)は略120mmとされている。
(ケースの構成)
ケース14は、上シェル24と下シェル26とを接合して平面視で略矩形の扁平容器状に構成されている。具体的には、ケース14は、平面視で前縁部が左右略対称の円弧状に形成されると共に後端が左右方向に沿う直線状に形成されており、この形状によってドライブ装置への誤装填を防止するようになっている。
上シェル24は、平面視でケース14の形状に対応した形状の天板28と、天板28の外縁に略沿って下方に立設された外周壁30とを備えている。天板28には、平面視で略円形のディスク開口部20が設けられており、ディスク開口部20の内径はディスクメディア12の外径よりも大とされている。これにより、ディスク開口部20を通してディスクメディア12のケース14への出し入れ(挿脱)が可能とされている。また、上シェル24は、ディスク開口部20の縁部に沿って下方に立設された環状の内周壁32を備えている。
また、天板28における後端側でかつ内周壁32の径方向外側の2箇所には、後述するディスク押え部材84取付用の切欠部34が設けられている。さらに、天板28における右側の切欠部34の右側には、後述するロック部材88を操作するための左右方向に長手のロック操作窓36が設けられている。一方、外周壁30におけるケース14の右側の側壁を構成する部分の前後方向中央部には、前後方向に長手とされると共に下方に開口するコ字状の縁部を有する切欠部30Aが形成されている。
下シェル26は、天板28に略対応した形状の底板38と、外周壁30に略対応した形状の外周壁40とを備えている。底板38には、ディスクメディア12のセンタ孔12Aに対応する略円形のチャッキング開口部42と、上記ヘッド開口部16とが連続して設けられている。以下の説明では、チャッキング開口部42とヘッド開口部16とをまとめてアクセス開口44という場合がある。ヘッド開口部16は、チャッキング開口部42の径方向に長手の略矩形状に形成されており、チャッキング開口部42の前側に連設されている。したがって、アクセス開口44が形成する底板38の切欠き縁は、前方に開口する略U字状に形成されている。また、ヘッド開口部16は、外周壁40における前部の左右方向中央部を全高に亘り切り欠いて構成されている。
外周壁40は、その上端(開口端)を上シェル24の外周壁30の下端(開口端)に突き当ててケース14の周壁を構成するようになっている。この外周壁40における上シェル24の切欠部30Aに対応する位置には、前後方向に長手とされると共に上方に開口するコ字状の縁部を有する切欠部40Aが形成されている。外周壁30と外周壁40とが互いに開口端を突き当てた状態では、切欠部30Aと切欠部40Aとがケース14の右側の側面にシャッタ操作窓46を形成するようになっている。シャッタ操作窓46は、後述するインナロータ60の操作突起66露出用とされている。
また、下シェル26は、チャッキング開口部42と同軸的な円周に沿って底板38から部分的に立設された内壁48を備えている。内壁48は、その内面を結ぶ仮想円の内径が上シェル24の内周壁32の外径よりも大とされており、上シェル24と下シェル26との接合状態で内周壁32との間に隙間が形成されるようになっている。この隙間にインナロータ60の環状壁部62(後述)を入り込ませる構成である。そして、底板38と内壁48と上シェル24の内周壁32とが、ケース14内においてディスクメディア12を収容する収容部としてのディスク収容部50を形成するようになっている。このディスク収容部50は、上記の通りディスク開口部20を通じてディスクメディア12の出し入れが可能とされている。
さらに、底板38における左後の角部近傍からは、支軸52が突設されている。支軸52の軸心は、内壁48の外面に沿う円周の外側すなわちディスク収容部50の外側に位置している。本実施形態では、支軸52は、その内部が底板38の外面に開口する基準孔52Aとされた円筒状に形成されている。底板38における右後の角部近傍からは、基準孔52Aと対を成し左右方向に長手とされた基準孔53Aが設けられた突条53が設けられている。また、底板38の後部における内壁48の径方向外側からは、左右一対の軸受部54が突設されており、ディスク押え部材84の軸支持用とされている。
さらにまた、底板38の左端近傍における前後方向略中央部には、前後一対の凹部56A、56Bが設けられている。凹部56A、56Bは、それぞれインナロータ60のカム突起72(後述)の移動軌跡の始端、終端を含むように、かつ互いに離間して配置されている。さらに、底板38の左前の角部近傍には、一対のガイドピン58が突設されている。一対のガイドピン58は、内壁48と同軸的かつ内壁48よりも大径の仮想円周上に配置されており、後述するディスク受け部材82のガイド用とされている。
以上説明した下シェル26は、外周壁40の上端面を外周壁30の下端面に突き当てた状態で、ビス止めによって上シェル24に接合されてケース14を構成している。なお、上シェル24と下シェル26とは、ビス止めに代えて、例えば外周壁30、44を超音波溶着や接着等によって接合しても良い。
(シャッタ機構の構成)
シャッタ機構18は、ケース14内に設けられている。具体的には、シャッタ機構18は、ケース14内に配設されたインナロータ60を備えている。インナロータ60は、短円筒状に形成された環状壁部62を備えている。環状壁部62は、上記の通り、上シェル24の内周壁32と下シェル26の内壁48との間の隙間に摺動可能に入り込んでいる。これにより、インナロータ60は、ケース14に対するディスク収容部50(に収容されるディスクメディア12)と同軸的に回動可能とされている。
環状壁部62の下端内側には、平板状の第1シャッタ64が一体的に設けられている。第1シャッタ64は、環状壁部62と同軸同径の円板に、アクセス開口44と略同形状の切欠部65Aと、後述する第2シャッタ74の内周ディスク受け部(円弧リブ)80の相対移動軌跡に対応した切欠部65Bとを設けた形状とされている。また、環状壁部62には、切欠部65Aの径方向外端に連続し縁部の形状が下方に開口する略コ字状の切欠部62Aが形成されている。この切欠部62Aが下シェル26の外周壁40が切欠かれた部分と一致することで、記録再生用ヘッドがディスクカートリッジ10の前方からアクセスすることを許容する構成とされている。
この第1シャッタ64は、下シェル26の底板38(ディスク収容部50)上に摺動可能に載置されており、インナロータ60の回動に伴ってヘッド開口部16の外周側及び内周側の一部を閉塞する閉塞位置(図7参照)と、ヘッド開口部16上から退避する開放位置(図10参照)とを取り得るようになっている。すなわち、開放位置に位置する第1シャッタ64は、その切欠部65Aをアクセス開口44上に略一致して位置させるようになっている。この状態では、切欠部65Aの縁部65Cが、平面視でヘッド開口部16の右縁16Aに略一致する構成とされている。
そして、環状壁部62の外周面からは、ケース14のシャッタ操作窓46から外部に露出される操作突起66が突設されている。操作突起66は、第1シャッタ64が閉塞位置に位置するときにはシャッタ操作窓46の前端に位置し、第1シャッタ64が開放位置に位置するときにはシャッタ操作窓46の後端に位置するように配置されている。
また、第1シャッタ64の上面からは、切欠部65Aにおけるチャッキング開口部42に対応する縁部に沿って円弧状に形成された内周受け凸部68が立設されている。この内周受け凸部68上にディスクメディア12の上記チャッキングエリアの下面が当接するようになっている。したがって、第1シャッタ64は、底板38とディスクメディア12との間に配置されてヘッド開口部16の一部を開閉するようになっている。
一方、第1シャッタ64の上面における外周近傍からは、環状壁部62の内面とに跨がるように外周受け凸部70が立設されている。外周受け凸部70は、内周受け凸部68と略同じ高さとされており、ディスクメディア12の下面における記録領域よりも径方向外側の領域が当接するようになっている。これにより、第1シャッタ64は、閉塞位置に位置するときには内周受け凸部68及び外周受け凸部70において、ディスクメディア12を下方から支持する構成とされている。
さらに、第1シャッタ64の下面における外周近傍からは、下シェル26側に向けてカム突起72が突設されている。カム突起72は、切欠部65Bの径方向外側に配置されており、第2シャッタ74のカム溝78(後述)に常に入り込むようになっている。
また、シャッタ機構18は、第1シャッタ64が閉塞位置に位置するときにヘッド開口部16の残余の一部(内周側の一部)を閉塞する第2シャッタ74を備えている。第2シャッタ74は、平板状に形成されており、底板38と摺動するようになっている。このため、第1シャッタ64における第2シャッタ74の移動領域と干渉する部分、具体的には主に切欠部65Bの径方向外側部分は、他の部分に対し上方に凹み(薄肉とされ)底板38との間に第2シャッタ74の摺動空間を形成するシャッタ逃し凹部64Aとされている。したがって、第2シャッタ74は、シャッタ逃し凹部64Aの深さに対応した厚みとされ、第1シャッタ64よりも薄肉とされている。
この第2シャッタ74は、長板状に形成されており、長手方向の一端部に下シェル26の支軸52に回動自在に軸支されるボス部76を備えている。これにより、第2シャッタ74は、支軸52廻りの回動によって、ヘッド開口部16の内周側の一部を閉塞する閉塞位置(図7参照)と、ヘッド開口部16上から退避する開放位置(図10参照)とを取り得るようになっている。
図1及び図7に示される如く、第1シャッタ64と第2シャッタ74とは、それぞれ閉塞位置に位置する状態では、互いの当接端部90、92を突き当ててヘッド開口部16を完全に閉塞する構成である。なお、この当接端部90、92の突き当て構造については後述する。また、図10に示される如く、開放位置に位置する第2シャッタ74は、当接端部92の長手方向を前後方向(ヘッド開口部16の長手方向)に対し交差するように、該当接端部92をヘッド開口部の左側方に位置させるようになっている。
そして、第1シャッタ64は、インナロータ60の軸心廻りに図7に示す矢印D方向に回動することで閉塞位置から開放位置側へ移動し、第2シャッタ74は、支軸52廻りにヘッド開口部16に対し矢印Dとは略反対向きの矢印E方向に回動することで閉塞位置から開放位置側へ移動する構成とされている。また、これらの第1シャッタ64と第2シャッタ74とは互いに連動するようになっている。具体的には、第2シャッタ74には長手方向に略沿うカム溝78が設けられており、このカム溝78には第1シャッタ64のカム突起72が入り込んでいる。
これにより、ヘッド開口部16の閉塞状態で、インナロータ60の操作突起66が後方に移動して第1シャッタ64が矢印D方向に回動すると、矢印D方向に回動(公転)するカム突起72がカム溝78の溝壁を押圧することで第2シャッタ74が矢印E方向に回動するようになっている。カム突起72は、ヘッド開口部16の閉塞状態ではカム溝78における支軸52側の端部近傍に位置しており、図8及び図9に示される如くインナロータ60の矢印D方向への回動に伴って支軸52から離間するよう相対移動する構成である。
そして、本実施形態では、図9に示す如く、第2シャッタ74が第1シャッタ64よりも先に開放位置に達するようになっており、その後の第2シャッタ74の矢印E方向への回動を防止しつつ第1シャッタの矢印D方向の回動を担保するために、カム溝78の支軸52側と反対側の端部は、第2シャッタ74が開放位置に位置するときにカム突起72の移動軌跡に一致する円弧状に形成されている。これにより、第1シャッタ64は、第2シャッタ74と干渉することなく図9に示す回動位置から図10に示す開放位置へ移動するようになっている。また、シャッタ機構18では、ヘッド開口部16の開放状態からインナロータ60を矢印Dと反対方向に回動することで、図9及び図8に示す状態を経て図7に示すヘッド開口部16の閉塞状態に復帰する構成である。
また、図1及び図2に示される如く、第2シャッタ74の上面からは、ヘッド開口部16を閉塞した状態で第1シャッタ64の内周受け凸部68とで環状を成す円弧状の内周受け凸部80が突設されている。第2シャッタ74における内周受け凸部80の外側(径方向内側)は、切欠部74Bとされている。したがって、第1シャッタ64及び第2シャッタ74が共に閉塞位置に位置する状態で、チャッキング開口部42は完全に開放される構成とされている。換言すれば、チャッキング開口部42は、常に開放されてディスク開口部20と連通する構成である。
内周受け凸部80は、ヘッド開口部16を閉塞した状態で、その上面を内周受け凸部68の上面と略面一とし、ディスクメディア12の下面におけるチャッキングエリアの残余の一部に下方から接する(下側から支持する)構成である。このため、ディスクメディア12の下面すなわち記録面側には、常に開放されるチャッキング開口部42を経由して塵芥等が侵入することがない構成とされている。
そして、シャッタ機構18では、インナロータ60が矢印D方向に回動すると、下シェル26の凹部56Aに入り込んでいたカム突起72が該凹部56Aから抜け出し、第1シャッタ64が持ち上がって第2シャッタ74よりも上側に位置するようになっている。これにより、ヘッド開口部16の開放動作の初期に第2シャッタ74の内周受け凸部80がディスクメディア12の下面から離間し、矢印E方向に回動する第2シャッタの内周受け凸部80がディスクメディア12の記録面に接触してしまうことが防止される構成である。また、第1シャッタ64に切欠部65Bが設けられていることにより、第2シャッタ74の内周受け凸部80が第1シャッタ64に干渉することがない構成とされている。
また、開放位置まで移動した第1シャッタ64のカム突起72は、凹部56Bに入り込んで第1シャッタ64を底板38上に載置する状態に復帰させ、ディスクメディア12を底板38と略平行な状態に復帰させるうようになっている。これにより、ディスクメディア12のドライブ装置の回転スピンドル軸による確実なチャッキングが可能となると共に、回転するディスクメディア12が第1シャッタ64に干渉することが防止される構成である。なお、ヘッド開口部16の開放状態から閉塞状態への移行過程では、上記説明の逆の動作が行なわれるようになっている。
さらに、シャッタ機構18は、ディスク受け部材82を備えている。ディスク受け部材82は、第1シャッタ64及び第2シャッタ74がヘッド開口部16を閉塞した状態で、第1シャッタ64の切欠部65Aの径方向外端において切欠かれた外周受け凸部70の周方向端部間を架け渡すディスク外周受け部82Aを備えている。すなわち、ディスク外周受け部82Aは、閉塞位置に位置する第1シャッタ64の外周受け凸部70とで環状を成すと共に、この状態で上面が外周受け凸部70の上面と略面一とされ、ディスクメディア12の下面における記録面よりも径方向外側部分の残余の一部に下方から接する(下側から支持する)構成である。これにより、ディスクメディア12の下面すなわち記録面側には、ディスク開口部20を経由して塵芥等が侵入することがない構成とされている。
このディスク受け部材82は、下シェル26の一対のガイドピン58によって上下動可能に支持されており、インナロータ60が矢印D方向に回動する動作に伴って下降し、矢印D方向に回動する外周受け凸部70と干渉しない構成とされている。詳細は省略するが、ディスク外周受け部82A及び外周受け凸部70の対応する周方向端部が上下に重なり合うテーパ状に形成されており、インナロータ60の矢印D方向の回動によってディスク外周受け部82Aを外周受け凸部70の下側に潜り込ませる構成とされている。なお、ヘッド開口部16の開放状態から閉塞状態への移行過程では、上記説明の逆の動作が行なわれるようになっている。
(ディスク保持機構の構成)
ディスク保持機構22は、ディスク押え部材84を備えている。ディスク押え部材84は、下シェル26の一対の軸受部54にそれぞれ回動自在に軸支される一対の支軸部84Aと、一対の支軸部84Aと一体に形成された左右方向に長手のアーム部84Bとを備えて構成されている。また、アーム部84Bには、ディスクメディア12の上面に当接する左右一対のディスク当接部84Cが設けられている。ディスク当接部84Cは、樹脂材等にて一体成形される支軸部84A及びアーム部84Bに対し、別部材であるゴム等にて構成することができる。
ディスク押え部材84は、支軸部84A周りの回動によって、アーム部84Bをディスク収容部50(ディスク開口部20)内に張り出してディスク当接部84Cをディスクメディア12の上面に当接させるディスク押え位置と、アーム部84Bをディスク収容部50内に張り出しつつディスク当接部84Cをディスクメディア12の上面から離間させるディスク回転許容位置と、アーム部84Bをディスク収容部50から退出させるディスク挿脱可能位置とを選択的に取り得る構成とされている。
また、図2に示される如く、ディスク保持機構22は、ディスク押え部材84をディスク押え位置側に付勢するディスク押えばね86と、ケース14内に左右方向のスライドのみ可能に設けられ操作突起88Aをロック操作窓36から露出させたロック部材88とを備えている。ディスク押えばね86は、捩りコイルばねとされており、一端部がアーム部84Bに係止されると共に他端部がロック部材88の係合突起88Bに係合している。これにより、ディスク押え部材84は、通常はディスク押えばね86の付勢力によってディスク押え位置に位置し、ディスクメディア12を保持する構成である。
このディスク押え部材84は、第1シャッタ64がヘッド開口部16を開放する動作に伴ってディスク押え位置からディスク回転許容位置に移動するようになっている。具体的には、インナロータ60の環状壁部62には、他の部分よりも壁高が高い部分が設けられており(図示省略)、該部分がインナロータ60の矢印D方向への回動に伴ってアーム部84Bを切欠部34内において上方に持ち上げることで、ディスク押え部材84をディスク押え位置からディスク回転許容位置に移動させる構成である。そして、ヘッド開口部16が開放されている状態で、ディスク押え部材84がディスク回転許容位置に位置する状態が維持されるようなっている。これにより、ディスク押え部材84が回転するディスクメディア12に干渉することが防止される構成である。
また、ロック部材88は、操作突起88Aがロック操作窓36の左端に位置するときにはディスク押えばね86の他端部に係合するが、操作突起88Aがロック操作窓36の右端に位置するときにはディスク押えばね86の他端部との係合が解除されるようになっている。したがって、操作突起88Aを操作してロック部材88を右方に移動させることで、ディスク押え部材84にはディスク押えばね86の付勢力が作用しなくなる。この状態でディスク押え部材84を人手によってディスク挿脱可能位置に移動すれば、ディスク押え部材84から手を離してもディスク押え部材84がディスク押え位置に復帰してしまうことがなく、ディスクメディア12のディスク収容部50への挿入、取り出し(離脱)、取替え等を容易に行なうことができる構成である。
[シャッタの突き当て部の構成]
図4及び図5に示される如く、第1シャッタ64における第2シャッタの当接端部92との突き当て端である当接端部90は、段付構造とされている。そして、当接端部90と、当接端部92とは、第1シャッタ64及び第2シャッタ74が共に閉塞位置に位置するときに、端面(板厚部分)を突き当てると共に上下方向に重ね合わされるようになっている。以下、具体的に説明する。
第1シャッタ64の切欠部65Aの縁部におけるヘッド開口部16の右縁16Aに対応する縁部65Cは、他の部分よりも薄肉とされたオーバラップ部としての舌部90Aにて規定されている。この舌部90Aが、図10に示される如く、第1シャッタ64が開放位置に位置するときに、平面視でヘッド開口部16の右縁16Aと略一致する縁部65Cを規定している。舌部90Aは、縁部65Cに沿って長手の略細長矩形形状に形成され、その厚みが第1シャッタ64のシャッタ逃し凹部64A形成部位の厚みと同等とされている。すなわち、舌部90Aの下側には第2シャッタ74が入り込める構成とされている。
舌部90Aにおける切欠部65Aの縁部65Cと反対側の長手方向に沿う縁部は、段状に形成された当接端面90Bにて規定されている。すなわち、当接端面90Bは、第1シャッタ64における底板38との摺動面と舌部90Aとの境界を規定しており、また高さがシャッタ逃し凹部64Aの深さに対応している。当接端面90Bは、基本的に平面視で切欠部65Aの縁部65Cと略平行な直線とされているが、内周受け凸部68側の端部近傍が円弧状に形成されている。この形状については後述する。また、舌部90A及び当接端面90Bの長手方向における内周受け凸部68側の端部は、段部90Cにて規定されている。段部90Cは、内周受け凸部68の縁部65C側端部近傍の下側に位置し、当接端面90Bとの略直角となる角部を形成するように設けられている。
図5に示される如く、第2シャッタ74は、ボス部76、内周受け凸部80、及びカム溝78を除き、シャッタ逃し凹部64Aの深さ、すなわち当接端面90Bの高さに対応した一定の板厚を有する平板状に形成されている。そして、第2シャッタ74は、図6(A)に示される如く、第1シャッタ64と共にヘッド開口部16を閉塞する状態では、当接端部92を第1シャッタ64の舌部90Aの下側に入り込ませ、当接端部92の上面92Aを舌部90Aの下面に接触させるようになっている。
すなわち、第1シャッタ64の舌部90Aと第2シャッタ74の当接端部とは、ヘッド開口部16の閉塞状態で厚み方向にオーバラップするようになっており、特に本実施形態では接触状態で重ね合わされるようになっている。したがって、当接端部92が本発明における「第2シャッタのオーバラップ部」に相当する。
また、この状態では、当接端部92の先端面である当接端面(板厚部分)92Bが全長に亘り当接端面90Bに突き当てられると共に、当接端面90Bとで角部を成す端面92Cが全長に亘り段部90Cに突き当てられるようになっている。すなわち、第1シャッタ64と第2シャッタ74とは、ヘッド開口部16から露出する下面側では、当接端部90の当接端面90Bと当接端部92の当接端面92Bとがほぼ隙間なく突き当てられ、外部からは舌部90Aの下面が見えない構成とされている。この状態では、当接端部92の上面に接触する舌部90Aが、該当接端部92を上側すなわちケース14の内方(矢印Bとは反対方向)から被覆する構成である。
図3及び図7に示される如く、第2シャッタ74の当接端部92は、閉塞位置に位置するときに、矢印E側の端部がヘッド開口部16の左縁16Bよりも僅かに左方に位置するように形状(寸法)が決められている。したがって、舌部90A及び当接端面90Bにおける当接端面92Bと接触する部分(ヘッド開口部16の閉塞状態で主にヘッド開口部16内に位置する部分)が当接端部90となるが、第1シャッタ64は、図3に示す矢印Eまたは矢印Eとは反対向きの矢印F方向に回動する第2シャッタ74の動作を阻害しないように、切欠部65Aの縁部65Cの略全長に亘り舌部90A(すなわち当接端面90B)を形成している。これにより、舌部90Aは、当接端面92Bを全長に亘り、すなわち当接端面92B、90Bの当接部位におけるヘッド開口部16から露出する部分を全長に亘りケース14の内方側(矢印Bとは反対方向)から被覆する構成である。
そして、当接端部92の当接端面92Bは、閉塞位置側への回動方向を示す矢印F側の所定範囲が平面視で円弧状に形成され、残余の部分が直線状に形成されている。具体的には、当接端面92Bは、全長に亘り図3に示す仮想直線L1に一致すると仮定した場合に、第2シャッタ74の回動軸心である支軸52の軸心を通る仮想直線L1の法線L2よりも矢印F側の部分が、支軸52の軸心を中心とする円弧形状に形成された円弧部92Dとされている。また、法線L2よりも矢印E側部分がストレート部92Eとされている。すなわち、当接端面92B(ストレート部92Eまたは円弧部92Dの接線)は、平面視で該当接端面92B上の任意の点と支軸52の軸心とを結ぶ直線との成す角が90°以上になるように形成されている。そして、第1シャッタ64の当接端面90Bは、当接端面92Bに隙間なく突き当たるように、当接端面92Bの円弧部90Dに突き当たる円弧部90Dと、ストレート部92Eに突き当たるストレート部90Eとを有する形状に形成されている。
このため、第2シャッタ74は、第1シャッタ64の作動タイミングに依らず矢印E方向または矢印F方向に回動することができる構成とされている。すなわち、当接端面92B上の任意の点と支軸52の軸心とを結ぶ直線と、当接端面92Bとが成す角が鋭角となる部分があると、閉塞位置に位置する第2シャッタ74は、第1シャッタ64が矢印D方向に移動するまで矢印E方向に回動することができず、第1シャッタ64が閉塞位置に位置する状態では矢印F方向に回動して開放位置から閉塞位置に復帰することができないが、上記円弧部90D、92Dを形成することにより、第1シャッタ64が閉塞位置に位置する状態でも、矢印E方向に回動して開放位置側へ移動したり、矢印F方向に回動して閉塞位置に復帰したりすることが可能とされている。
これにより、シャッタ機構18では、第1シャッタ64と第2シャッタ74とが互いに干渉することなくスムースかつ確実に動作し、かつ第1シャッタ64の当接端部90と第2シャッタ74の当接端部92とを当接させてヘッド開口部16を確実に閉塞することができる構成とされている。また、ヘッド開口部16の閉塞状態では、端面92Cと段部90Cとの突き当てによって、第2シャッタ74が閉塞位置を超えて矢印F方向に回動することが防止されるようになっている。なお、当接端部92の当接端面92B及び当接端部90の当接端面90Bは、全長に亘り円弧部92D、90Dとしても良い。この場合、舌部90Aは、縁部65Cの長手方向の一部にのみ設けられることとなる。
また、図5に示される如く、第2シャッタ74は、当接端部92が舌部90Aの下側に入り込むことにより、該当接端部92の上面92Aでは、内周受け凸部80が存在しないように切り欠かれて構成されている。内周受け凸部80の当接端部90側の周方向端部は、ヘッド開口部16の閉塞状態で舌部90Aが規定する縁部65Cに沿う平坦面である第2合せ面80Aとされている。
一方、第1シャッタ64では、内周受け凸部68の一端部が、舌部90A上に位置するように延設されている。内周受け凸部68の一端部は、舌部90Aが規定する縁部65Cに沿う平坦面である第1合せ面68Aとされている。したがって、第1合せ面68Aは、ヘッド開口部16の閉塞状態で、図6(B)に示される如く、内周受け凸部80の第2合せ面80Aに突き当たるようになっている。すなわち、内周受け凸部68における舌部90A上に位置する部分は、仮に舌部90Aを設けない構成(当接端面90Bが切欠部65Aの縁部65Cを規定する構成)とした場合には、第2シャッタ74の上面に設けられるべき部分とされている。
これにより、ヘッド開口部16の閉塞状態で第1シャッタ64の当接端部90と第2シャッタ74の当接端部92とが上下に重ね合わされる構成においても、該ヘッド開口部16の閉塞状態で内周受け凸部68、80が隙間なく環状を成し、ディスクメディア12の記録面側への塵埃等の侵入が防止される機能が維持されるようになっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上記構成のディスクカートリッジ10では、保管時や運搬時等の不使用時には第1シャッタ64、第2シャッタ74がそれぞれ閉塞位置に位置してヘッド開口部16を閉塞している。また、内周受け凸部68、80が環状を成してディスクメディア12のチャッキングエリアに当接することで該ディスクメディア12の内周側から記録面側への塵芥等の侵入を防止すると共に、外周受け凸部70とディスク受け部材82のディスク外周受け部82Aとが環状を成してディスクメディア12の記録面よりも径方向外側部分に当接することで該ディスクメディア12の外周側から記録面側への塵芥等の侵入を防止している。さらに、ディスク押え部材84がディスク押えばね86の付勢力によってディスクメディア12を下方に押し付け、該ディスクメディア12のガタつきを防止している。
このディスクカートリッジ10を使用する際、すなわちディスクメディア12に情報を記録する際またはディスクメディア12に記録された情報を再生する際には、ディスクカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置に装填する。この装填動作(ディスクカートリッジ10とドライブ装置との相対移動)に伴って、ドライブ装置の開閉部材がインナロータ60の操作突起66に係合して該操作突起66を後方に移動する。
すると、インナロータ60すなわち第1シャッタ64が矢印D方向に回動し、これに連動して第2シャッタ74が矢印E方向に回動する。そして、図8及び図9に示す状態を経て、操作突起66がシャッタ操作窓46の後端まで移動すると、図10に示される如くヘッド開口部16が完全に開放された状態になる。
次いで、ドライブ装置内では、基準孔52A、53Aに位置決めピンが挿入される等してディスクカートリッジ10が位置決めされる。この位置決め状態でチャッキング開口部42からはドライブ装置の回転スピンドル軸が進入し、該回転スピンドル軸がディスクメディア12のセンタ孔12A(及びチャッキングエリア)をチャッキングして該ディスクメディア12を保持しつつ第1シャッタ64の上面から離間させる。そして、回転スピンドル軸が回転すると、ディスクメディア12がケース14内で非接触で回転駆動される。一方、ヘッド開口部16からはドライブ装置の記録再生ヘッドが進入する。この記録再生ヘッドによって、ディスクメディア12の記録層に情報が記録され、または記録層に記録された情報が再生される(ディスクメディア12が使用される)。
ディスクメディア12の使用後には、ディスクカートリッジ10がドライブ装置から排出される。この排出動作に伴って、ドライブ装置の開閉部材がインナロータ60の操作突起66に係合して該操作突起66を前方に移動する。すると、インナロータ60すなわち第1シャッタ64が矢印Dとは反対方向に回動し、これに連動して第2シャッタ74が矢印F方向に回動する。そして、図9及び図8に示す状態を経て、操作突起66がシャッタ操作窓46の前端まで移動すると、図7に示される如くヘッド開口部16が完全に閉塞された状態に復帰する。
ここで、第1シャッタ64の当接端部90と第2シャッタ74の当接端部92とには、それぞれ円弧部90D、92Dが形成されているため、第2シャッタ74は、第1シャッタ64の閉塞位置と開放位置との間の回動位置に依らず、該第1シャッタ64に干渉することなく矢印Eまたは矢印F方向に回動することができる。これにより、図8に示す如く第1シャッタ64(インナロータ60)の矢印D方向への僅かな回動で第2シャッタ74が矢印E方向に比較的大きく回動する構成としても、第1シャッタ64と第2シャッタ74とは、互いに干渉することなくスムースに動作してヘッド開口部16を開閉することができる。また、第1シャッタの動作タイミングとは独立して第2シャッタの動作タイミングを設定することが可能となり、設計の自由度が向上する。
また、第1シャッタ64の当接端部90と第2シャッタ74の当接端部92とには、それぞれ円弧部90D、92Dが形成されているため、第2シャッタ74を小型化することが実現されている。ここで、図3に示す仮想直線L3は、従来の閉塞状態にある当接端面108A、110Aに相当する。したがって、この仮想直線L3上の任意の点と第2シャッタの回動軸心とを結ぶ直線との成す角は仮想直線L3の全長に亘り鈍角となる。この図からわかるように従来は、第2シャッタを第1シャッタに干渉させないために、第1シャッタによるヘッド開口部16の閉塞範囲を狭め、その分を第2シャッタで閉塞するようにしていた。このため、当接端面が仮想直線L3に一致する従来の第2シャッタは、その長さが長くなるのみならず、ヘッド開口部16の開放状態におけるケース14への収容性上重要な幅が大きくなってしまう。また、仮想直線L3と平行でかつ仮想直線L3よりも支軸52側に位置する仮想直線(図示省略)を当接端面とする第1シャッタでは、ヘッド開口部16を完全に開放することはできない。
一方、本実施形態では、当接端部90、92にそれぞれ円弧部90D、92Dを設けることで、第2シャッタ74は、仮想直線L1と平行な第1シャッタ64の縁部65Cに対し僅かに凸となるだけで大型化、特に幅方向の大型化が防止されている。したがって、第2シャッタ74は、図6に示すヘッド開口部16の開放状態で、ケース14内における限られた空間であるヘッド開口部16の左側の領域に、加工誤差や組付誤差等を吸収する十分な余裕を持って配置される。また、ヘッド開口部16の左右方向の幅を広げて大型の記録性ヘッドのアクセスを可能とすることもできる。
そして、第2シャッタ74では、この縁部65Cに対し凸となる当接端部92を、ヘッド開口部16の閉塞状態で第1シャッタ64の舌部90Aと上下に重ね合わせるように構成しているため、第2シャッタ74の大型化を防止してヘッド開口部16を確実に開放する機能を維持つつ、ヘッド開口部の閉塞状態ではケース14内への塵埃等の侵入を阻止する機能を実現している。
具体的には、ヘッド開口部16の閉塞状態では、舌部90Aと当接端部92とが互いにオーバラップするため、換言すれば、舌部90Aが当接端面90B、92Bの当接部位を全長に亘り被覆するため、仮に当接端面90B、92B間に隙間が生じても舌部90Aがケース14内への塵埃の侵入を阻止する。すなわち、舌部90Aと当接端部92とが印篭構造または隙間の迷路構造を形成し、塵埃の侵入が防止される。特に、舌部90Aが当接端部92の上面92Aに接触する構成であるため、ケース14内への塵埃の侵入が確実に阻止される。また特に、舌部90Aと当接端部92の上面92Aとの接触面が第1シャッタ64、第2シャッタ74の回動面(回動軸線との直交面)と略平行であるため、仮に当接端面90B、92B間に隙間(舌部90Aと当接端部92とのラップ代の範囲内の隙間)が生じても、舌部90Aと当接端部92との間に隙間が生じることがなく、ケース14内への塵埃の侵入が一層確実に阻止される。
また、ヘッド開口部16の閉塞状態で当接端面90B、92Bの当接部位を被覆する舌部90Aがケース14の内方側(ディスクメディア12側)に位置するため、換言すれば、舌部90Aがケース14の外方には露出しないため、該舌部90Aがディスクカートリッジ10の不使用時の美観を損なうことがなく、ユーザによる舌部90Aの誤操作等も防止される。
さらに、ディスクカートリッジ10では、第2シャッタ74の当接端部92の上面92Aに内周受け凸部80が位置しないようにすると共に、第1シャッタ64の舌部90A上に内周受け凸部68を延設し、内周受け凸部68、80の各第1合せ面68A、80Aがヘッド開口部16の閉塞状態で互いに突き当たるように構成したため、内周受け凸部68、80がヘッド開口部16の開閉動作に干渉することがない。また、内周受け凸部68、80がヘッド開口部16の閉塞状態で隙間なく当接するため、チャッキング開口部42が閉塞されない構成において、第1シャッタ64と第2シャッタ74とを重ね合わせる構成を採用しても、ディスクメディア12の記録面側への塵埃の侵入を防止する機能が維持される。
このように、本実施形態に係るディスクカートリッジ10では、ヘッド開口部16を確実に開閉することができ、かつヘッド開口部16の閉塞状態での防塵性が向上する。
なお、本発明は、上記実施形態における当接端部90、92の付き当て構造に限定されることはなく、例えば、図11に示される如き各種変形が可能である。
すなわち、図11(A)に示される舌部90Aが当接端部92の上面92Aに接触しない構成としても良く、図11(B)に示される如く舌部90Aと上面92Aとを互いを誘い込むテーパ形状としても良い。また、テーパ形状は、図11(C)に示される如く、舌部90Aのみに設けても良い。さらに、図11(D)に示される如く、第2シャッタ74を、第1シャッタ64の縁部65C(舌部90Aの端面)に当接する当接端面94を有するを段付構造としても良い。また、第2シャッタ74が当接端面94を有する構成では、図11(E)に示される如く舌部90Aをケース外方側に配置して当接端部92の下面92Aと接触するも良く、図11(F)に示される如く舌部90Aが当接端部92の上面92Aに接触しない構成としても良い。なお、当接端面94は、当接端面92Bと同様に、その長手方向における円弧部92Dに対応する部分を円弧状に形成されている(図示省略)。
また、図示は省略するが、第1シャッタ64の当接端部90を3段以上の複数段を有する段付構造としても良い。この場合、最もケース14外方側(下側)の端面を当接端面92Bとの突き当て端とすることが望ましい。同様に、第2シャッタ74の当接端部92を3段以上の複数段を有する段付構造としても良い。第1シャッタ64及び第2シャッタ74が共に段付構造である場合には、それぞれの最もケース14外方側(下側)に位置する端面同士を突き当てることが望ましい。さらに、当接端面90B、92Bを互いに対応するテーパ状に形成しても良い。
また、上記の実施形態では、第1シャッタ64がヘッド開口部16に対応する切欠部65Aを有する構成としたが、本発明はこれに限定されず、第1シャッタ64は閉塞位置に位置するときにヘッド開口部16の所要の一部を閉塞することができる形状(例えば、図7においてヘッド開口部16の左右の縁部と第1シャッタ64の外周と当接端部90等とで囲まれる略台形状)であれば良い。したがって、本発明は、第2シャッタ74が第1シャッタ64の下側(薄肉部の下側)に配置される構成、すなわち第1シャッタ64と第2シャッタ74との板厚が異なる構成には限定ず、これらを同じ板厚として上記図11(D)乃至図11(F)の構成を実現することができる。
さらに、上記の実施形態では、ケース14にディスク開口部20が設けられている構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、天板28が開口部を備えない構成としても良く、ディスク開口部20に代えて天板28にもヘッド開口部16またはアクセス開口44を設けた構成として良い。後者の場合、天板28とディスクメディア12との間にシャッタ機構18または別のシャッタ機構を設けることができる。
さらにまた、上記の実施形態では、ディスクメディア12の直径が略120mmである構成としたが、本発明はこれに限定されず、如何なる寸法のディスクメディア12を備えるディスクカートリッジ10についても本発明が適用可能であることは言うまでもない。また、例えば、ディスクメディア12は、片面記録タイプのみならず両面記録タイプであっても良く、ユーザによる情報の記録を不能とした再生専用のディスクメディアであっても良いことは言うまでもない。したがって、上記したドライブ装置の記録再生ヘッドは、記録機能のみ、または再生機能のみを有するものであっても良い。