JP2006092683A - 記録媒体カートリッジおよびその上下シェルハーフの溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下シェルハーフが周壁の突合わせ部の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、所望の溶接面積を確保しながら、変色域の面積を小さくする。
【解決手段】レーザービーム出射口Mを備えた光ファイバFを上下シェルハーフの周壁3s,4sの突合わせ面に沿って上下シェルハーフと相対的に移動させながらスポット溶接を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザービーム出射口Mを備えた光ファイバFを上下シェルハーフの周壁3s,4sの突合わせ面に沿って上下シェルハーフと相対的に移動させながらスポット溶接を行なう。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上下シェルハーフが周壁の突合わせ部位の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体か収容されてなる記録媒体カートリッジ、およびその上下シェルハーフの溶接方法に関するものである。
従来より、デジタルカメラ等のモバイル機器においては、記録媒体として、「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の記録媒体カートリッジが使用されている(特許文献1参照)。
この記録媒体カートリッジ1は、図4(斜視図)および図5(a),(b)(平面図および裏面図)に示すように、ドライブ装置に押込み装填するときに指を当てる押込み部2aを含む、スタビライザと呼ばれる樹脂製のフレーム2と、このフレーム2に嵌合された金属薄板(厚さ0.3mmのステンレス鋼板)からなる平坦な主面を備えた上シェルハーフ3および下シェルハーフ4とによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)の磁気記録媒体5を回転自在に収容している。磁気記録媒体5の中央部には、中心孔10aを備えたハブ(センタコア)10が固着されている。
この記録媒体カートリッジ1は、幅53mm、奥行き85mm、厚さ5mmの外寸を有するTYPEII PCカード型のドライブ装置(図略)が備えているスロットに挿入形式でローディングされるように構成され、そのハウジングには、上記ドライブ装置が備えている記録再生用磁気ヘッドを磁気記録媒体5の表面にアクセスさせるためのV字状の開口6が形成され、さらに、ハウジングと磁気記録媒体5との間には、上記開口6を回転式に開閉するための、開口7aを備えたロータリーシャッタ7が介装されている。このロータリーシャッタ7は、図示しないバネ部材によって閉方向に付勢され、かつ上シェルハーフ3に取り付けられている図示しないロック部材により閉位置にロックされるように構成されている。
なお、図4および図5(a),(b)は、ロータリーシャッタ7の開口7aがハウジング内に潜入して、ロータリーシャッタ7がハウジングの開口6を閉じている状態、すなわち閉位置にある状態を示している。
ロータリーシャッタ7は、図5(a)の6−6線に沿った要部拡大断面図である図6に示すように、周壁部において互いに嵌合されたアルミニウム薄板製の上下シャッターハーフ7U,7Dからなり、上シャッターハーフ7Uは、上シェルハーフ3の下面から内方へ突出する小径の円筒体3aによって回転可能に軸支され、円筒体3aの先端には、上シャッターハーフ7Uが円筒体3aからの抜出すのを防止するためのセンタピンと呼ばれる抜止め部材11が溶接されて、ハブ10の中心孔10a内に介入している。上下シャッターハーフ7U,7Dの内面には、磁気記録媒体5の表面を清掃するための不織布からなるライナ13がそれぞれ貼り付けられている。
下シェルハーフ4の中央部には、ハブ10を外部に臨ませる円形の開口4aが形成され、下シャッターハーフ7Dの中心部には、下シェルハーフ4の開口4aの周縁に遊嵌される大径の円筒体7Daが下方へ向かって突設されて、この円筒体7Daによって下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4に回転可能に支持されているとともに、円筒体7Daの先端部がカシメられて、下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4からの抜け出すのを防止するフランジ12が形成されている。
さらに下シェルハーフ4には、図5(b)から明らかなように、ロータリーシャッタ7と同心的な円弧状開口4bが形成され、下シャッターハーフ7Dには、上記円弧状開口4bから突出しかつこの円弧状開口4bに沿って移動してロータリーシャッタ7を開閉するシャッターノブ7bが固設されている。そして、ドライブ装置に対する記録媒体カートリッジ1のローディング動作(押込み動作)に伴って、ロック部材によるロータリーシャッタ7の閉位置でのロックが解除されて、ロータリーシャッタ7が回動可能になるとともに、ドライブ装置が備えている係合壁面がシャッターノブ7bに係合して、ロータリーシャッタ7がその開口7aを上下シェルハーフ3,4の開口6にほぼ一致させる開位置まで約60度回転されることにより、図7(a),(b)(平面図および裏面図)に示すように、磁気記録媒体5がハウジングの開口6から露出された状態でドライブ装置に装填される。
また、ドライブ装置に装填された記録媒体カートリッジ1は、これをさらにドライブ装置側に押すことにより、ドライブ装置との係合が外れてドライブ装置からの排出が可能になり、図示しないバネ部材によってロータリーシャッタ7が図5(a),(b)に示す閉位置に復帰するように構成されている。
上下シェルハーフ3,4は、図6の右端に示すように、双方の周壁のエッジ同士を互いに突き合わせ、この突合せ線に沿った図5(a)に示す13箇所の溶接箇所W1〜W13におけるレーザービームを用いたスポット溶接により組み立てられる。このスポット溶接部
は、図6においては符号Wで示されている。
は、図6においては符号Wで示されている。
上下シェルハーフ3,4の周壁の突合わせ部においては、その隙間がゼロになることが望ましいが、実際問題として隙間をゼロにすることは不可能であり、通常溶接箇所には僅かな隙間が存在する。
上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4sの突合わせ部位における溶接箇所には、図8(a)に示すように、上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4sの一方、例えば下シェルハーフ4の側壁4sから延びる高さ約30μm、左右方向の幅約1.3mm程度の溶接代(しろ)Tが形成され、これによって、周壁3s、4sの突合わせ部位における隙間Gaが20μm以下となって、他部の隙間Gの50μmよりも狭くなっている。
そして、上記溶接代Tの左右方向の幅の中心をほぼ中心として、光ファイバから出射されるレーザービームによりスポット溶接がなされた結果、図8(b)に示すように、直径約0.8mm(設定値)の円形の変色域Vが形成される。
米国特許第6,133,544号明細書
ところで、上記のようなレーザービームによりスポット溶接により、その溶接部に図8(b)に示すような円形の変色域Vが形成されるが、上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4s同士の溶接に寄与するのは、周壁3s、4sの突合せ面の溶接面積であって、変色域Vの上下端の部分は全く寄与していない。また、この変色域Vは記録媒体カートリッジの美観を損ねるものでもあるから、所望の溶接面積さえ確保でれば変色域Vの面積はできるだけ小さい方が望ましい。
上述の事情に鑑み、本発明は、所望の溶接面積を確保しながら、変色域の面積を小さくすることができる記録媒体カートリッジおよびその上下シェルハーフの溶接方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上下シェルハーフが周壁の突合わせ部の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、
上記スポット溶接による変色域が、上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿って長く形成されていることを特徴とするものである。
上記スポット溶接による変色域が、上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿って長く形成されていることを特徴とするものである。
上記スポット溶接による変色域が、上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿って長く形成されるようにするためには、
(1)上記レーザービームを上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿って上下シェルハーフと相対的に移動させながら、すなわち上下シェルハーフまたは光ファイバのいずれか一方を他方に対して移動させながらスポット溶接を行なう、
(2)レーザービーム出射口が上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿う方向に並設された光ファイバを用いてスポット溶接を行なう、
(3)レーザービーム出射口が上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿う方向に長い糸巻き型に形成された光ファイバを用いてスポット溶接を行なう、
等の方法がある。
(1)上記レーザービームを上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿って上下シェルハーフと相対的に移動させながら、すなわち上下シェルハーフまたは光ファイバのいずれか一方を他方に対して移動させながらスポット溶接を行なう、
(2)レーザービーム出射口が上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿う方向に並設された光ファイバを用いてスポット溶接を行なう、
(3)レーザービーム出射口が上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿う方向に長い糸巻き型に形成された光ファイバを用いてスポット溶接を行なう、
等の方法がある。
本発明の方法によれば、所望の溶接面積を確保しながら、スポット溶接による変色域の面積を従来よりも縮小させることができる。また、変色域の面積を従来よりも増大させることなく溶接面積を増やすこともできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明による記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接箇所の拡大正面図、図1(b)はスポット溶接に用いられる、レーザービーム出射口を備えた光ファイバFの端面図である。なお、この実施例は、スポット溶接部を除く他の部分が、図4〜図7に示す従来の記録媒体カートリッジと同様であるため、図示ならびに詳細な説明は省略する。
図1(a)において、上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4sの突合わせ部位における溶接箇所には、図8と同様の溶接代Tが形成されており、この溶接箇所に対して、図1(b)に示すような円形のレーザービーム出射口Mを備えた光ファイバFを、冶具上に固定された上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sの突合わせ面に沿って図の右方へ移動させながら、あるいは、光ファイバFを固定した状態で、冶具を回転させて溶接箇所を図の左方へ移動させながら、スポット溶接を行なうことにより、左右の幅0.8〜1mm、上下の幅約0.5mmの細長い変色域Vが形成された。
したがって、本実施例によれば、所望の溶接面積を確保しながら、スポット溶接による変色域Vの面積を従来よりも縮小させることができ、また、変色域Vの面積を従来よりも増大させることなく溶接面積を増やすこともできること明らかである。
なお、上記のようなスポット溶接は、上下シェルハーフ3,4と光ファイバFのレーザービーム出射口Mとを相対的に移動させなくとも、図2に示すような構成を有する光ファイバを用いることによって達成することができる。
すなわち、図2(a)は、2個の円形のレーザービーム出射口M,Mが上下シェルハーフの周壁3s,4sの突合わせ面に沿う方向に並ぶように配列した2本の光ファイバF,Fを用いることにより、図1(a)と同様の変色域Vを形成させることができる。あるいは、図2(b)に示すような、上下シェルハーフの周壁3s,4sの突合わせ面に沿う方向に並ぶ2個の円形のレーザービーム出射口M,Mを備えた光ファイバF′を用いても、さらには、上下シェルハーフの周壁3s,4sの突合わせ面に沿う方向に長い糸巻き型のレーザービーム出射口Mを備えた光ファイバF″を用いても、図1(a)に示すような変色域Vが形成されるスポット溶接を行なうことができる。
なお、上述のようなスポット溶接を行なう場合、レーザービームを上下シェルハーフの周壁3s,4sの突合わせ部に正対させた状態で溶接を行なうのでなく、図3に示すように、上記周壁3s,4sに垂直な面内において、レーザービームLBを上方または下方へ角度αだけ傾けた状態で溶接を行なうことが好ましい。
レーザービームLBを上下シェルハーフの周壁3s,4sの突合わせ部に対し垂直に当てると、周壁3s,4sの突合わせ面の隙間Gaからレーザービームが内部に侵入して内部の記録媒体を損傷させたり、周壁3s,4sの突合わせ部で反射したレーザービームが光学系を汚染させたりする恐れがあるが、図3に示すように、レーザービームLBを上方または下方へ傾けることによりこの問題が解決される。上記角度αは、5〜10度の範囲内が望ましい。
上述の実施例は、外径1.8インチ(約46mm)の磁気記録媒体5を備えた「clik!」の場合であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、将来開発されるであろう更に小型で高密度な1インチ(約25mm)や0.8インチ(約20mm)等の超小型高密度記録媒体を備えたカートリッジにも適用可能であり、記録媒体はディスクに限らず、テープ、ハードディスク、光媒体、半導体等であってもよい。
また、上述の実施例では、ロータリーシャッタ7がハウジングに内蔵されているが、本発明は、ロータリーシャッタあるいはスライドシャッタを外装した記録媒体カートリッジにも適用可能であることは言うまでもない。
1 記録媒体カートリッジ
3 上シェルハーフ
3s 上シェルハーフの周壁
4 下シェルハーフ
4s 下シェルハーフの周壁
5 磁気記録媒体
7 ロータリーシャッタ
F,F′,F″ 光ファイバ
M レーザービーム出射口
LB レーザービーム
T 溶接代
V 変色域
W1〜W13 溶接箇所
3 上シェルハーフ
3s 上シェルハーフの周壁
4 下シェルハーフ
4s 下シェルハーフの周壁
5 磁気記録媒体
7 ロータリーシャッタ
F,F′,F″ 光ファイバ
M レーザービーム出射口
LB レーザービーム
T 溶接代
V 変色域
W1〜W13 溶接箇所
Claims (4)
- 上下シェルハーフが周壁の突合わせ部の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、
前記スポット溶接による変色域が、前記上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿って長く形成されていることを特徴とする記録媒体カートリッジ。 - 上下シェルハーフが周壁の突合わせ部の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法であって、
前記レーザービームを前記上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿って該上下シェルハーフと相対的に移動させながら前記スポット溶接を行なうことを特徴とする記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法。 - 上下シェルハーフが周壁の突合わせ部の複数箇所において、光ファイバから出射されるレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法であって、
レーザービーム出射口が前記上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿う方向に並設された光ファイバを用いて前記スポット溶接を行なうことを特徴とする記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法。 - 上下シェルハーフが周壁の突合わせ部の複数箇所において、光ファイバから出射されるレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法であって、
レーザービーム出射口が前記上下シェルハーフの周壁の突合わせ面に沿う方向に長い糸巻き型に形成された光ファイバを用いて前記スポット溶接を行なうことを特徴とする記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法。
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JP2004278762A JP2006092683A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 記録媒体カートリッジおよびその上下シェルハーフの溶接方法 |
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