JP2006079663A - 記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法および記録媒体カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】上下シェルハーフが周壁の複数箇所において突合わせ溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、溶接時にレーザービームが上下シェルハーフの周壁における突合せ部位の隙間を通じてハウジング内に洩れるのを防止する。
【解決手段】スポット溶接の中心Woを上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sの突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位させて溶接を行なう.
【選択図】 図1

Description

本発明は、上下シェルハーフが周壁の突合わせ部位の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体か収容されてなる記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法に関するものである。また本発明は、上記方法により溶接された上下シェルハーフを備えた記録媒体カートリッジに関するものである。
従来より、デジタルカメラ等のモバイル機器においては、記録媒体として、「clik!(登録商標)」と呼ばれる超小型の記録媒体カートリッジが使用されている(特許文献1参照)。
この記録媒体カートリッジ1は、図7(斜視図)および図8(a),(b)(平面図および裏面図)に示すように、ドライブ装置に押込み装填するときに指を当てる押込み部2aを含む、スタビライザと呼ばれる樹脂製のフレーム2と、このフレーム2に嵌合された金属薄板(厚さ0.3mmのステンレス鋼板)からなる平坦な主面を備えた上シェルハーフ3および下シェルハーフ4とによって構成された、幅50mm、奥行き55mm、厚さ1.95mmの扁平なハウジング内に、40MBの記憶容量を有する直径1.8インチ(45.7mm)の磁気記録媒体5を回転自在に収容している。磁気記録媒体5の中央部には、中心孔10aを備えたハブ(センタコア)10が固着されている。
この記録媒体カートリッジ1は、幅53mm、奥行き85mm、厚さ5mmの外寸を有するTYPEII PCカード型のドライブ装置(図略)が備えているスロットに挿入形式でローディングされるように構成され、そのハウジングには、上記ドライブ装置が備えている記録再生用磁気ヘッドを磁気記録媒体5の表面にアクセスさせるためのV字状の開口6が形成され、さらに、ハウジングと磁気記録媒体5との間には、上記開口6を回転式に開閉するための、開口7aを備えたロータリーシャッタ7が介装されている。このロータリーシャッタ7は、図示しないバネ部材によって閉方向に付勢され、かつ上シェルハーフ3に取り付けられている図示しないロック部材により閉位置にロックされるように構成されている。
なお、図7および図8(a),(b)は、ロータリーシャッタ7の開口7aがハウジング内に潜入して、ロータリーシャッタ7がハウジングの開口6を閉じている状態、すなわち閉位置にある状態を示している。
ロータリーシャッタ7は、図8(a)の9−9線に沿った要部拡大断面図である図9に示すように、周壁部において互いに嵌合されたアルミニウム薄板製の上下シャッターハーフ7U,7Dからなり、上シャッターハーフ7Uは、上シェルハーフ3の下面から内方へ突出する小径の円筒体3aによって回転可能に軸支され、円筒体3aの先端には、上シャッターハーフ7Uが円筒体3aからの抜出すのを防止するためのセンタピンと呼ばれる抜止め部材11が溶接されて、ハブ10の中心孔10a内に介入している。上下シャッターハーフ7U,7Dの内面には、磁気記録媒体5の表面を清掃するための不織布からなるライナ13がそれぞれ貼り付けられている。
下シェルハーフ4の中央部には、ハブ10を外部に臨ませる円形の開口4aが形成され、下シャッターハーフ7Dの中心部には、下シェルハーフ4の開口4aの周縁に遊嵌される大径の円筒体7Daが下方へ向かって突設されて、この円筒体7Daによって下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4に回転可能に支持されているとともに、円筒体7Daの先端部がカシメられて、下シャッターハーフ7Dが下シェルハーフ4からの抜け出すのを防止するフランジ12が形成されている。
さらに下シェルハーフ4には、図8(b)から明らかなように、ロータリーシャッタ7と同心的な円弧状開口4bが形成され、下シャッターハーフ7Dには、上記円弧状開口4bから突出しかつこの円弧状開口4bに沿って移動してロータリーシャッタ7を開閉するシャッターノブ7bが固設されている。そして、ドライブ装置に対する記録媒体カートリッジ1のローディング動作(押込み動作)に伴って、ロック部材によるロータリーシャッタ7の閉位置でのロックが解除されて、ロータリーシャッタ7が回動可能になるとともに、ドライブ装置が備えている係合壁面がシャッターノブ7bに係合して、ロータリーシャッタ7がその開口7aを上下シェルハーフ3,4の開口6にほぼ一致させる開位置まで約60度回転されることにより、図10(a),(b)(平面図および裏面図)に示すように、磁気記録媒体5がハウジングの開口6から露出された状態でドライブ装置に装填される。
また、ドライブ装置に装填された記録媒体カートリッジ1は、これをさらにドライブ装置側に押すことにより、ドライブ装置との係合が外れてドライブ装置からの排出が可能になり、図示しないバネ部材によってロータリーシャッタ7が図8(a),(b)に示す閉位置に復帰するように構成されている。
上下シェルハーフ3,4は、図9の右端に示すように、双方の周壁のエッジ同士を互いに突き合わせ、この突合せ線に沿った図8(a)に示す13箇所の溶接箇所W〜W13におけるレーザービームを用いたスポット溶接により組み立てられる。
米国特許第6,133,544号明細書
ところで、上下シェルハーフ3,4の周壁における突合わせ部位においては、その隙間がゼロになることが望ましいが、実際問題として隙間をゼロにすることは不可能であり、溶接箇所には僅かな隙間が存在するのが普通である。
一方、レーザー溶接では、直径1mmにも満たない微小な加工点に数kWのエネルギーを集中できるため、加工点では激しい蒸発が起こり、レーザーから得た熱と激しい蒸発の蒸発反力によって加工点にキーホールと呼ばれる深い穴が形成されながら溶接が進行することにより、深溶込み溶接が可能になる。
しかしながら、突合せ部と溶接スポットの中心が一致すると、沸騰溶融が突合せ部の裏面まで到達していなくても、突合せ部の隙間からスパッタやガス、酸化物が飛び出し、ロータリーシャッタ7等の部材に付着し、時には記録媒体にも到達する可能性がある。また、ロータリーシャッタ7の外面に付着した塵埃は、後日の使用時に振動等で剥がれて、記録媒体や記録再生ヘッドに挟まる等の致命的なエラーを惹き起こすこともある。
上述の事情に鑑み、本発明は、溶接時にレーザービームが上記隙間を通じてハウジング内に洩れるのを防止することを目的とするものである。
本願第1の発明は、上下シェルハーフが周壁の突合わせ部位の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法であって、上記レーザービームによるスポット溶接の中心位置を上下シェルハーフの周壁の突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位させて前記溶接を行なうことを特徴とするものである。
上記スポット溶接の中心位置の突合わせ部位からの偏位量は、約30μmから溶融部の直径の約10%までの間の範囲内に設定して溶接を行なうことが好ましい。したがって、溶融部の直径が約0.8mmである場合には、好ましい偏位量の範囲は約30μm〜約80μmとなり、約50μmが最も好ましい。
本願第2の発明は、上下シェルハーフが周壁の突合わせ部位の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、上記スポット溶接による溶融部の中心位置が、上下シェルハーフの周壁の突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位していることを特徴とするものである。
本願第1および第2の発明によれば、レーザービームによるスポット溶接の中心位置を上下シェルハーフの周壁の突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位させて溶接を行なっているから、溶接時にレーザービームが上下シェルハーフの周壁における突合わせ部位の隙間を通じてハウジング内に洩れるのを効果的に防止することができる。
その場合、上記スポット溶接の中心位置の突合わせ部位からの偏位量が30μm未満では、偏位させた効果が薄く、上記偏位量が溶融部の直径の約10%を超えると、偏位量が過剰になって溶接品質が低下するので、約50μmの偏位量が最も好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1(a),(b)は、本発明による記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法の説明に供する溶接箇所の拡大正面図で、図1(a)は溶接前、図1(b)は溶接後の状態をそれぞれ示す。また、図1(c)は溶接箇所の模式的断面図である。
図1(a),(b)において、上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4sの突合わせ部位における溶接箇所には、例えば下シェルハーフ4の側壁4sから延びる高さ30μm、幅1mm程度の溶接代(しろ)Tが形成されており、これによって、周壁3s、4sの突合わせ部位における隙間Gaが20μm以下となって、他部の隙間Gの約50μmよりも狭くなっている。そして溶融部Wの中心Woが、上記隙間Gaのほぼ中心にある点Cに対して例えば約50μmだけ上方に、すなわち上シェルハーフ3側に偏位した位置に設定されている。
すなわち、本実施の形態の溶接方法においては、レーザービームによるスポット溶接の中心位置Woを、上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4sの突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位させて溶接を行なうことを主眼としており、その偏位量は、約30μmから溶融部Wの直径の約10%までの間の範囲内にあることが好ましい。したがって、溶融部の直径が約0.8mmである場合には、好ましい偏位量の範囲は約30μm〜約80μmとなり、約50μmが最も好ましい。
図1(c)の左側には、キーホールKの生じるレーザービームの中心位置Woを上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4sの突合わせ部位に設定した場合が示してあり、突合わせ部位の隙間からスパッタ等が飛び出しているが、図1(c)の右側に示すように、キーホールKの生じるレーザービームの中心位置Woを例えば50μmだけ上シェルハーフ3側に偏位した位置に設定することにより、突合わせ部位の隙間からスパッタ等が飛び出すのを効果的に防止することができる。
図2は、記録媒体カートリッジ1の上下シェルハーフ3,4の溶接に用いる冶具である受け台20の平面図であり、図3はその正面図である。
この受け台20は、記録媒体カートリッジ1がそのフレーム2側を図の右方に向けた状態で、上シェルハーフ3を上側にして位置決めされた場合に、下シェルハーフ4の主面の少なくとも周縁部に密着して支持する平坦なカートリッジ支持面21と、この支持面21に開口した、扇形の平面形状を有する空所22とを備えている。この空所22は、受け台20上に固定された記録媒体カートリッジ1のロータリーシャッタ7を図8(a)に示す閉位置から開位置に向かって回動させるシャッターレバー30の回動スペースとなる。受け台20の周囲には、上下シェルハーフ3,4の周壁を側方から弾性的に挟持する板バネ製のサイドガイド23,24,25が固定されている。
シャッターレバー30は、図4に側面図を示すように、回動軸35に固定されるボス部31と、このボス部31から一方向に延びて、受け台20上に固定された記録媒体カートリッジ1のシャッターノブ7bに対し片側から係合する先端部を備えたレバー部32とを備えている。
各サイドガイド23,24,25は、上下シェルハーフ3,4の周壁面上に弾接して、上下シェルハーフ3,4の周壁の突き合わせ部位におけるズレを防止する位置決め機能に加えて、溶接時のスパッタ等が上下シェルハーフ3,4間の隙間から内部に侵入しないように溶接箇所以外の突合せ部を塞ぐ機能をも有しており、例えばサイドガイド23には、図3に示すように溶接箇所W〜Wにそれぞれ対応する位置にスリットS〜Sが形成され、これらスリットS〜Sを通してレーザー溶接が行なわれるようになっている。他のサイドガイド24,25も同様に、溶接箇所にそれぞれ対応する位置にスリットを備えている(図示は省略)。
図6は、上シェルハーフ3の主面周縁部における各溶接箇所W〜W13の近傍を押さえるための押さえロッド40を示し、13本の押さえロッド40がロッド保持部材50に取り付けられている。
各押さえロッド40は、上シェルハーフ3の主面周縁部における各溶接箇所W〜W13の近傍位置に接触させる球面状の下端面41aを備えたロッド本体41と、このロッド本体41を上下に摺動可能に貫通させ、かつ外周にねじ溝を備えたロッド保持部材50に上下調整可能に取り付けられた外筒42と、ロッド本体41に形成された段部41bと外筒42の下端のフランジ42aとの間に縮装されたコイルバネ43と、コイルバネ43のバネ圧を調整するために、ロッド本体41の上端部41cに螺装された調整ナット44とから構成されている。
このような構成を有する13本の押さえロッド40がロッド保持部材50に取り付けられていることにより、上シェルハーフ3の主面周縁部に対するロッド本体41の下端面41aの相対位置および接触圧をそれぞれ個別に調整することが可能となる。
次に上記受け台20および押さえロッド40を用いた上下シェルハーフ3,4の溶接方法について説明する。
先ず、シャッターレバー30を図2に実線で示す位置に保持した状態で、上下シェルハーフ3,4を、下シェルハーフ3を下側にして、かつ双方の周壁のエッジ同士が互いに突き合わされた状態で受け台20上に位置決めし、サイドガイド23〜25によって上下シェルハーフ3,4の周壁を側方から挟持して段差を無くす。
次に、仮想線で示すような、上述のサイドガイド23〜25と同様の構成を有するサイドガイド27を備えた可動受け台28が空所22に上昇して、下シェルハーフ4の空所22内にある主面部分の少なくとも周縁部を支持し、かつ上下シェルハーフ3,4の周壁面上にサイドガイド27を弾接させる。
同時に、ロッド保持部材50を上方から下降させて、13本の押さえロッド40によって上シェルハーフ3の主面周縁部における各溶接箇所W〜W13(図8(a)参照)の近傍を押さえる。次に、ロータリーシャッタ7のロックが解除される。
この場合、溶接箇所W〜WおよびW、Wの近傍を押さえるロッド本体41の接触圧は平均して200gf程度に設定すればよいが、特に上下シェルハーフ3,4の磁気ヘッドアクセス用開口6に臨む両コーナー部およびフレーム2との嵌合部は、上下シェルハーフ3,4の間に隙間が生じやすい部位であるため、溶接箇所WおよびWの近傍、ならびにW12およびW13の近傍を押さえるロッド本体41の接触圧は上述の接触圧の2倍以上の約500gf程度になるように調整するのが好ましい。一方、溶接箇所Wの近傍は受け台20からも可動受け台28からも外れた部位であるため、接触圧が最も低い約30gf程度になるように調整し、さらに、シャッターノブ7bの通路に近接した溶接箇所W〜W11近傍を押さえるロッド本体41も比較的低い約100gf程度の接触圧に調整するのが好ましい。
このように、ロッド本体41の接触圧を個別に好ましい値に調整された13本の押さえロッド40により上シェルハーフ3の主面周縁部を上方から押さえた状態で、先ず10箇所の溶接箇所W〜W13に対して、図1に示したように、スポット溶接の中心Woを上下シェルハーフ3,4の周壁3s、4sの突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位させて溶接を行なう。次いで可動受け台28を下降させるとともに、シャッターレバー30を図2の実線で示す位置から仮想線で示す位置まで図の時計方向に回動して、ロータリーシャッタ7の開口7aをハウジングの開口6にほぼ一致させる。次に可動受け台28を再び空所22内に上昇させて、下シェルハーフ4の主面を支持させ、その状態で、残りの3箇所の溶接箇所W〜Wに対して、サイドガイド23のスリットS〜Sを通して溶接を行なう。
次に可動受け台28を下降させた後、シャッターレバー30を図2に実線で示す原位置まで復帰させると、ロータリーシャッタ7もハウジング内に内装されているバネ部材の付勢力によって、図8(a),(b)に示す閉位置に復帰する。次にロッド支持部材50を上昇させて記録媒体カートリッジ1を解放し、溶接工程を終了する。
なお、空所22の面積をできるだけ縮小させて支持面21を広く取る関係上、図2および図4に示すシャッターレバー30は、先端部がシャッターノブ7bの片側から係合する細いレバー部32を備えているが、図5に示すように、シャッターノブ7bの両側から係合し得る二股状の先端部を備えたレバー部32′を有するシャッターレバー30′を用いてもよい。その場合には、ロータリーシャッタ7をより確実に閉位置に復帰させることができる利点がある。
また、上述の実施の形態では、下シェルハーフ4を下側にした状態で溶接を行っているが、下シェルハーフ4を上側にした状態で溶接を行うこともできる。その場合には、シャッターレバー30を記録媒体カートリッジ1の上方に配置する必要があるが、受け台20に空所22を設けることも可動受け台28を用意することも不要になる利点がある。
以上の説明で、本発明による、上下シェルハーフ3,4の溶接方法の実施の形態が明らかになったが、本実施の形態によれば、レーザービームによるスポット溶接の中心Woを上下シェルハーフ3,4の周壁3s,4sの突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位させて溶接を行なっているから、溶接時にレーザービームが周壁3s,4sにおける突合わせ部位の隙間Gaを通じてハウジング内に洩れるのを効果的に防止することができる。
また、板バネからなるサイドガイド23,24,25および27を用いて、上下シェルハーフ3,4の周壁を側方から挟持した状態で溶接を行なうことにより、簡単な構造で、上下シェルハーフの周壁における突合せ部位に段差が生じるのを効果的に防止することができる。そしてこれらサイドガイド23,24,25および27が、溶接箇所に対応する位置にスリットを備えていることにより、これらスリットを通して溶接を行なうことができるから、サイドガイド23,24,25および27の存在が溶接作業を妨げにならず、サイドガイド3,24,25および27によって溶接箇所以外の突合せ部を塞ぐことにより、溶接時のスパッタ等が上下シェルハーフ3,4間の隙間から内部に侵入するのを防止することができる。
また、13箇所の溶接箇所W〜W13のそれぞれの近傍を、溶接箇所に応じて押さえ力を調整された押さえロッド40により上方向から上下シェルハーフ3,4を受け台20上に押しつけた状態で溶接を行なっているので、ハウジングのアクセス用開口6に臨むコーナー部のような、上下シェルハーフ3,4の間に隙間が生じやすい溶接箇所WおよびWの近傍は比較的大きい押さえ力をもって押圧することにより、記録媒体カートリッジ1全体の寸法精度を向上させることができる。
上述の実施例は、外径1.8インチ(約46mm)の磁気記録媒体5を備えた「clik!」の場合であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、将来開発されるであろう更に小型で高密度な1インチ(約25mm)や0.8インチ(約20mm)等の超小型高密度記録媒体を備えたカートリッジにも適用可能であり、記録媒体は、ディスクに限らず、テープ、ハードディスク、光媒体、半導体等であってもよい。
また、上述の実施例では、ロータリーシャッタ7がハウジングに内蔵されているが、本発明は、ロータリーシャッタあるいはスライドシャッタを外装した記録媒体カートリッジにも適用可能であることは言うまでもない。
図1aは本発明による溶接方法の説明に供する溶接箇所の溶接前の拡大正面図、図1(b)は溶接後の拡大正面図、図1(c)は溶接箇所の模式的断面図である。 本発明の溶接方法の実施に使用される受け台の平面図である。 図2の受け台の正面図である。 図2に示すシャッターレバーの側面図である。 シャッターレバーの変形を示す平面図である。 本発明の溶接方法の実施に使用されるロッドの正面図である。 従来の記録媒体カートリッジの斜視図である。 図8(a),(b)は、図7の記録媒体カートリッジの、ロータリーシャッタが閉位置にある状態を示す平面図および底面図である。 図8(a)の9−9線に沿った要部の拡大断面図である。 図10(a),(b)は、図7の記録媒体カートリッジの、ロータリーシャッタが開位置にある状態を示す平面図および底面図である。
符号の説明
1 記録媒体カートリッジ
3 上シェルハーフ
4 下シェルハーフ
5 磁気記録媒体
6 ハウジングの開口
7 ロータリーシャッタ
7a ロータリーシャッタの開口
7b シャッターノブ
7U 上シャッターハーフ
7D 下シャッターハーフ
10 ハブ
20 受け台
23,24,25,27 サイドガイド
28 可動受け台
30 シャッターレバー
40 押さえロッド
41 ロッド本体
T 溶接代
W 溶融部
Wo 溶融部中心
〜W13 溶接箇所

Claims (4)

  1. 上下シェルハーフが周壁の突合わせ部位の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法であって、
    前記レーザービームによるスポット溶接の中心位置を前記上下シェルハーフの周壁の突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位させて前記溶接を行なうことを特徴とする記録媒体カートリッジの上下シェルハーフの溶接方法。
  2. 前記スポット溶接の中心位置の前記突合わせ部位からの偏位量を約30μmから溶融部の直径の約10%までの間の範囲内に設定して前記溶接を行なうことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記スポット溶接の中心位置の前記突合わせ部位からの偏位量を約50μmに設定して前記溶接を行なうことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 上下シェルハーフが周壁の突合わせ部位の複数箇所においてレーザービームによりスポット溶接されて形成された扁平なハウジング内に記録媒体が収容されてなる記録媒体カートリッジにおいて、
    前記スポット溶接による溶融部の中心位置が、前記上下シェルハーフの周壁の突合わせ部位から上下いずれかの方向に偏位していることを特徴とする記録媒体カートリッジ。
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