JP2006087903A

JP2006087903A - 消臭剤組成物

Info

Publication number: JP2006087903A
Application number: JP2005090927A
Authority: JP
Inventors: Ken Takiyama; 謙瀧山; Tokuji Takeda; 徳司武田; Nobukazu Ikejima; 伸和池嶋
Original assignee: Nippon Peroxide Co Ltd
Current assignee: Nippon Peroxide Co Ltd
Priority date: 2004-08-25
Filing date: 2005-03-28
Publication date: 2006-04-06

Abstract

【課題】広範囲の臭気物質に対して、十分な消臭効果を発揮する消臭剤組成物を提供することにある。
【解決手段】キシリトール、トレハロース及びマルチトールからなる群より選ばれる少なくとも一種の糖類０．１〜３０重量％、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物０．１〜２０重量％、界面活性剤０．０５〜１０重量％及び水性キャリヤーを含有する消臭剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、消臭剤組成物に関する。

シクロデキストリンを含有する消臭剤組成物が公知である（特許文献１参照）。この組成物は、シクロデキストリンが、分子内部に疎水性の空間を有し、この空間に水に不溶の物質を取り込む性質を利用して、消臭作用を発揮するものである。また、トレハロースやマルチトールを含有する、魚の臭気予防や、加齢臭等の体臭の抑制に効果がある組成物が公知である（特許文献２、３及び非特許文献１参照）。しかし、シクロデキストリン、トレハロース及びマルチトールは、臭気成分を包接することによって臭気成分の放出を抑制するが、包接容量に限りがあること、その上臭気成分以外の成分、例えば香料なども取り込むことから、その消臭性能は十分とはいえない。また、硫化水素はほとんど包接しないため、その臭気の防止は困難である。

一方、柿タンニン等の植物から抽出されたポリフェノール化合物を有効成分とする消臭剤組成物が公知である（特許文献４参照）。しかし、植物由来のポリフェノール類は、アセトアルデヒドなどの反応性の大きい臭気成分には効果があるものの、油性臭気成分のような反応性の小さい臭気成分には効果が殆どなく、その消臭効果は十分ではない。

更に、アニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンエーテルカルボン酸又はその塩、シクロデキストリン及び柿抽出物等を含有する消臭効果を有する洗浄剤組成物が公知である（特許文献５参照）。しかし、この組成物は洗浄効果を主目的とするものであり、その消臭効果は十分ではない。
特許第３０９８０４０号公報特開２００１−１２３１９４号公報特開２００２−８０３３６号公報特開２００２−１２７７３７６号公報特開２００２−８８３９６号公報奥和之、BIO INDUSTRY、１８巻、７号、ｐ．４０（２００１）

本発明の目的は、広範囲の臭気物質に対して、十分な消臭効果を発揮する消臭剤組成物を提供することにある。

本発明者は、上記目的を達成すべく、種々検討を重ねた結果、特定の糖類、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物、界面活性剤及び水性キャリヤーを含有する組成物によれば、体臭成分、たばこ臭成分、腐敗臭成分等の臭気成分を包接するか又はこれと反応することによって、糖類又は植物抽出物単独の場合に比して、消臭効果が相乗的に向上することを、見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねた結果、完成されたものである。

本発明は、以下の消臭剤組成物に係るものである。

１．キシリトール、トレハロース及びマルチトールからなる群より選ばれる少なくとも一種の糖類０．１〜３０重量％、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物０．１〜２０重量％、界面活性剤０．０５〜１０重量％及び水性キャリヤーを含有する消臭剤組成物。

２．ポリフェノール化合物を含む植物抽出物が、柿抽出物、茶抽出物、サトウキビ抽出物及びリンゴ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも一種の植物抽出物である上記項１に記載の消臭剤組成物。

３．界面活性剤が、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である上記項１に記載の消臭剤組成物。

消臭剤組成物
本発明の消臭剤組成物は、キシリトール、トレハロース及びマルチトールからなる群より選ばれる少なくとも一種の糖類、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物及び界面活性剤をそれぞれ特定量と、水性キャリヤーとを含有してなるものである。

本発明の消臭剤組成物においては、キシリトール、トレハロース及びマルチトールからなる群より選ばれる少なくとも一種の糖類を、０．１〜３０重量％程度含有することを必須とする。これらの糖類は、臭気成分を包接することにより、消臭作用を発揮する成分である。上記糖類の好ましい含有量は、０．５〜１０重量％程度である。

キシリトールは、キシロースの還元体である。トレハロースは、２分子のＤ−グルコースからなる非還元性二糖であり、マルチトールはマルトースの還元体である。

上記必須の糖類の他に、必要に応じて、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、デンプン分解物、イヌリン分解物等の他の糖類を、適宜併用してもよい。

本発明の消臭剤組成物においては、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物を、０．１〜２０重量％程度含有することを必須とする。植物抽出物に含まれるポリフェノール化合物としては、通常、タンニン、フラボノイド、カテキン等が挙げられる。植物抽出物に含まれるポリフェノール化合物は、臭気成分と反応することにより、消臭作用を発揮する成分である。上記植物抽出物の好ましい含有量は、０．５〜１０重量％程度である。

上記植物抽出物としては、例えば、柿抽出物、茶抽出物、サトウキビ抽出物、リンゴ抽出物、ブナ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒバ抽出物、アカシア抽出物等が挙げられる。これらの内、柿抽出物、茶抽出物、サトウキビ抽出物、リンゴ抽出物等が好ましい。

本発明の消臭剤組成物においては、界面活性剤を、０．０５〜１０重量％程度含有することを必須とする。界面活性剤は、上記糖類及び植物抽出物を、水性キャリヤー中に、均一に溶解乃至分散させることにより、上記糖類及び植物抽出物の消臭作用を効果的に発揮せしめる成分である。界面活性剤の好ましい含有量は、０．０８〜７重量％程度である。

界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ、これらの内、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が好ましい。

ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンやし脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン牛脂脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、やし脂肪酸ジエタノールアミド、やしアルキルジメチルアミンオキシド、牛脂アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。

カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルジメチルアミン塩酸塩、テトラデシルジメチルアミン塩酸塩、ヘキサデシルジメチルアミン塩酸塩、オクタデシルジメチルアミン塩酸塩、オレイルジメチルアミン塩酸塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラヘキシルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、やしアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、牛脂アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ジドデカノイルオキシエチルジメチルアンモニウム塩、ドデカノイルオキシエチルドデカノイルアミノプロピルメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ドデカノイルオキシエチルドデカノイルアミノプロピルメチルアミン塩等が挙げられる。

アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸塩、テトラデシル硫酸塩、ヘキサデシル硫酸塩、オクタデシル硫酸塩、オレイル硫酸塩、やしアルキルエーテル硫酸塩、牛脂アルキルエーテル硫酸塩、やし脂肪酸塩、牛脂脂肪酸塩、やしアルキルエーテルカルボン酸塩、牛脂アルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。

両性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアミノプロピオン酸塩、ドデシルジアミノエチルグリシン塩、テトラデシルジアミノエチルグリシン塩、ヘキサデシルジアミノエチルグリシン塩、オレイルジアミノエチルグリシン塩、やしアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、牛脂アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、やしアルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、牛脂アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、やしアルキルジメチルアミノスルホベタイン、牛脂アルキルジメチルアミノスルホベタイン等が挙げられる。

また、カチオン性界面活性剤である第四級アンモニウム塩、両性界面活性剤であるアルキルジアミノエチルグリシン塩等の殺菌作用又は静菌作用を有するものを用いる場合には、それ自体が臭気成分発生抑制効果を有するという利点が得られる。

本発明の消臭剤組成物における水性キャリヤーは、必須成分である糖類、植物抽出物及び界面活性剤を、それぞれ、組成物中に特定含有量となるように、均一に溶解乃至分散せしめる成分である。水性キャリヤーとしては、水又は水と水溶性有機溶剤との混合物を使用することができる。

水と併用する水溶性有機溶剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数１〜５の１価低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。水と水溶性有機溶剤との併用割合としては、特に限定されないが、通常、両者の合計重量に対して、水が１００〜８０重量％程度で、水溶性有機溶剤が０〜２０重量％程度である。

本発明の消臭剤組成物には、上記各必須成分の他に、必要に応じて、香料、防腐剤、殺菌剤、有機酸、賦形剤等の任意成分を、適宜含有させることができる。

本発明の消臭剤組成物は、必須成分である糖類、植物抽出物及び界面活性剤を、それぞれ組成物中に特定含有量となるように、必要に応じて任意成分と共に、水性キャリヤー中に、均一に溶解乃至分散させることにより、容易に調製することができる。得られる組成物は、通常、水性液状組成物であるが、デンプン、セルロース等の賦形剤を配合することにより、ペースト状組成物、ゲル状組成物、固形状組成物等とすることもできる。

本発明の消臭剤組成物によれば、以下の如き格別顕著な効果が得られる。

(1) 広範囲の臭気物質に対して、十分な消臭効果を発揮する。例えば、加齢臭等のヒトの体臭、犬、猫等のペット臭、たばこ臭成分、腐敗臭成分等の臭気に対して優れた消臭効果を発揮する。かかる消臭効果は、特定の糖類及びポリフェノール化合物を含む植物抽出物を併用したことによって、糖類又は植物抽出物単独の場合に比して、消臭効果が相乗的に向上することによるものと考えられる。

(2) 配合成分が、いずれも生体に対する毒性を有していないので、安全性に優れる。

(3) 従って、本発明の消臭剤組成物は、一般家庭、病院、介護施設又はその他の各種施設などにおける衣類、カーテン、カーペット、ベッド、シーツ等の各種物品の表面に、噴霧、散布又は塗布することにより、各種の臭気を効果的に消臭することができる。また、ごみや排水口などにおける臭気の抑制にも利用できる。

また、本発明組成物が水性液状組成物である場合には、均一かつ局部的な噴霧、散布又は塗布が可能であるので、被噴霧物、被散布物又は被塗布物に対する影響を最小限に抑えることができる。

以下、実施例、比較例及び試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。

実施例１
水８４．７ｇ及びエチルアルコール５ｇに、柿抽出物（注１）５ｇ及びキシリトール５ｇを加えて撹拌し、更にノニオン性界面活性剤（注２）０．３ｇを加えて撹拌して、本発明の水性液状消臭剤組成物を調製した。

上記（注１）及び（注２）は、以下のものを示す。

（注１）柿抽出物：商品名「Pancil FG-88」、リリース科学工業（株）製、ポリフェノール化合物として、柿タンニンを含有する。

（注２）ノニオン性界面活性剤：ポリオキシエチレン（１０）アルキル（Ｃ１２／１４）エーテル。

実施例２〜５及び比較例１〜３
配合組成を、下記表１に示すように変更した以外は、実施例１と同様にして、本発明又は比較用の水性液状消臭剤組成物を調製した。

表１に、実施例１〜５及び比較例１〜３の各消臭剤組成物の配合組成を示す。

表１において、（注１）及び（注２）は上記の通りである。また、（注３）〜（注５）は、以下のものを示す。

（注３）茶抽出物：商品名「ポリフェノンＧ」、東京フーロテクノ（株）製、ポリフェノール化合物として、茶カテキンを含有する。

（注４）カチオン性界面活性剤：ジデシルジメチルアンモニウムクロリド。

（注５）両性界面活性剤：アルキル（Ｃ１２／１４）ジアミノエチルグリシン塩。

試験例１
実施例１〜５及び比較例１〜３で得た各水性液状消臭剤組成物について、以下の消臭試験を行った。

(1) モノエタノールアミンの消臭試験
容量１４０ｍｌのガラス瓶に、モノエタノールアミン２滴を入れ、これに５×５ｃｍの綿白布を６枚入れ、４日間密閉放置した。その後、綿白布を取り出し、試験する消臭剤組成物を、綿白布１枚毎に、表面と裏面にそれぞれ2回スプレーした後、直ちに別の容量１４０ｍｌのガラス瓶に入れて密閉した。

５分後に、綿白布を取り出し、消臭剤組成物をスプレーしていないブランクの綿白布と比較しながら、２０人のモニターにより、消臭効果を判定した。モニターは、年齢２５才〜６０才の成人（男性１４人、女性６人）である。消臭効果の判定基準は、次の通りである。

消臭効果大：臭いが全く無くなった、消臭効果中：臭いがかなり無くなった、消臭効果小：臭いが少し薄くなった、消臭効果無し：殆ど臭いが落ちていない。

また、消臭スコアは、消臭効果大と判定した一人当たりに４、消臭効果中と判定した一人当たりに３、消臭効果小と判定した一人当たりに２、消臭効果無しと判定した一人当たりに１とし、そのスコアにそれぞれに判定した人数を掛けて総計を求めた。消臭スコアが大きいほど消臭効果が大きいことを示す。

試験結果を、表２に示した。

上記表２に示された消臭スコアより、実施例１〜５の本発明消臭剤組成物は、いずれも良好なモノエタノールアミンの消臭効果を発揮することが明らかである。

(2) イソ吉草酸の消臭試験
モノエタノールアミンに代えて、イソ吉草酸２滴を容量１４０ｍｌのガラス瓶に入れる以外は、上記(1)と同様にして、２０人のモニターにより、消臭効果を判定した。消臭効果の判定基準及び消臭スコアについても、上記(1)と同様である。

試験結果を、表３に示した。

上記表３に示された消臭スコアより、実施例１〜５の本発明消臭剤組成物は、いずれも良好なイソ吉草酸の消臭効果を発揮することが明らかである。

(3) タバコの消臭試験
モノエタノールアミンに代えて、タバコの吸い殻５本を容量１４０ｍｌのガラス瓶に入れる以外は、上記(1)と同様にして、２０人のモニターにより、消臭効果を判定した。消臭効果の判定基準及び消臭スコアについても、上記(1)と同様である。

試験結果を、表４に示した。

上記表４に示された消臭スコアより、実施例１〜５の本発明消臭剤組成物は、いずれも良好なタバコの消臭効果を発揮することが明らかである。

試験例２
実施例２で得られた水性液状消臭剤組成物を用いて、アンモニア、硫化水素、イソ吉草酸又はホルムアルデヒドである臭気ガスについて、消臭試験を行い、試験後の臭気ガスの減少率（％）を調べた。

試験方法：アンモニア、硫化水素、イソ吉草酸又はホルムアルデヒドを、それぞれ所定の設定ガス濃度(ppm)になるように、アンモニア水、硫化水素水溶液（硫化ナトリウムから調製）、イソ吉草酸水溶液又はホルマリン水を、容量１Ｌのフラスコに入れ、ゴム栓で密閉した。このゴム栓を介して、注射器を用いて消臭剤組成物１ｇを入れた。３０分後に、それぞれのガス濃度を専用のガス検知管（北川式、それぞれのガス用）で測定し、これを消臭試験後のガス濃度(ppm)とし、下記式により、臭気ガスの減少率（％）を算出した。

減少率（％）＝[(設定ガス濃度−消臭試験後のガス濃度)／設定ガス濃度]×１００
試験結果を表５に示す。

表５の結果から、実施例２の消臭剤組成物の消臭効果が大きいことが確認できた。

Claims

キシリトール、トレハロース及びマルチトールからなる群より選ばれる少なくとも一種の糖類０．１〜３０重量％、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物０．１〜２０重量％、界面活性剤０．０５〜１０重量％及び水性キャリヤーを含有する消臭剤組成物。
ポリフェノール化合物を含む植物抽出物が、柿抽出物、茶抽出物、サトウキビ抽出物及びリンゴ抽出物からなる群より選ばれる少なくとも一種の植物抽出物である請求項１に記載の消臭剤組成物。
界面活性剤が、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項１に記載の消臭剤組成物。