JP2022098274A - 除菌消臭剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】除菌消臭効果に優れ、かつ対象物において、広範囲に効率よく塗り広げることができる除菌消臭剤を提供する。【解決手段】(a)カキタンニンを0.1(w/v)%~5(w/v)%、(b)プロテオグリカンを0.001(w/v)%~0.1(w/v)%、(c)炭素数1~3の一価の低級アルコールを10(w/v)%~50(w/v)%、および(d)第4級アンモニウム化合物を1種以上を0.01(w/v)%~1(w/v)%含有する、除菌消臭剤とする。【選択図】なし

Description

本発明は、広範囲に効率よく塗り広げることができる除菌消臭剤に関する。
最近、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症等を代表とする感染症の拡大が社会問題化されていることを背景に、生活環境における器具、道具等の物品や住居、施設等の設備等に対する除菌の重要性が高まり、感染予防の観点から各種の消毒剤が市販されている。また、かかる消毒剤を使用する際、除菌と共に、器具、道具等の物品や生活空間を消臭できる製剤、すなわち除菌消臭剤が広く使用されている。
除菌消臭効果を有する代表的な化合物として、ポリフェノール類が挙げられる。
ポリフェノール類の具体例としては、カテコール、ハイドロキノン等の二価フェノール類、4,4’-ビフェニルジオール等のビフェノール類、ドーパミン、クロロゲン酸等のカテコール誘導体類、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート等のカテキン類、コーヒー、リンゴ、ぶどう、茶類(緑茶、焙じ茶、紅茶、ウーロン茶、マテ茶等)、柿、大豆、カカオ、ローズマリー、アロエ等の植物から抽出された植物由来のポリフェノール類等が挙げられる。
上記ポリフェノール類のうち、植物由来のポリフェノール類は、優れた除菌効果、消臭効果を有する成分として注目されており、近年、植物由来のポリフェノール類を配合した除菌消臭剤が提案されている。
たとえば、カキノキ由来の縮合型カキタンニンを含有する体臭消臭剤(特許文献1)、コーヒー、リンゴ、ブドウ、茶類、柿、カカオ、ローズマリー、アロエ等由来のポリフェノールを用いたストーマ装具用消臭剤組成物(特許文献2)、カテキン、タンニン、フラボノイド、ポリフェノール等の植物抽出物や植物精油を消臭成分として用い、トイレ空間のみでなく、床面等に対しても十分な消臭効果を発揮し得る定量噴射型エアゾール製品(特許文献3)が開示されている。
しかし、除菌消臭剤には、対象物に除菌消臭剤を直接噴霧する使用法に加え、紙ウエス、不織布等に除菌消臭剤を噴霧し、あるいは除菌消臭剤を含浸させた後、対象物を清拭するという使用法がある。かかる使用法は、除菌消臭する範囲をコントロールし易い点において優れている。対象物の広範囲を清拭するには、紙ウエス等に噴霧しまたは浸漬させる除菌消臭剤の量を増やすことが考えられるが、除菌消臭効率および経済性の観点から、少ない噴霧量または浸漬量でより広範囲を清拭することができる組成物とすることが好ましい。
よって、植物由来のポリフェノール類を含有する除菌消臭剤であって、紙ウエス等に噴霧、含浸等させて、対象物において、広範囲に効率よく塗り広げることができる除菌消臭剤の開発が求められていた。
特開2001-302483号公報 特開2007-215831号公報 特開2019-208915号公報
そこで、本発明の課題は、除菌消臭効果に優れ、さらに対象物において、広範囲にかつ効率よく塗り広げることができる除菌消臭剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(a)カキタンニン、(b)プロテオグリカン、(c)低級アルコールおよび(d)特定の構造を有する第4級アンモニウム化合物を含有する除菌消臭剤とすることで、除菌消臭効果に優れ、さらに対象物において、広範囲にかつ効率よく塗り広げることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の除菌消臭剤は、以下の通りである。
[1](a)カキタンニンを0.1(w/v)%~5(w/v)%、(b)プロテオグリカンを0.001(w/v)%~0.1(w/v)%、(c)炭素数1~3の一価の低級アルコールを10(w/v)%~50(w/v)%、ならびに(d)式(1)で示される第4級アンモニウム化合物および式(2)で示される第4級アンモニウム化合物からなる群より選択される1種以上を0.01(w/v)%~1(w/v)%含有する、除菌消臭剤。
Figure 2022098274000001
[式(1)中、R~Rは同一または異なって、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは塩素イオンまたは臭素イオンを示す。]
Figure 2022098274000002
[式(2)中、Rはアルキル基を示す。]
[2]さらに、(e)式(3)で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルを0.01(w/v)%~1(w/v)%含有する、[1]に記載の除菌消臭剤。
Figure 2022098274000003
[式(3)中、Rは炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基を示し、Rは炭素数2または3のアルキレン基を示す。Rは水素原子またはCOR’(R’は炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基である)で表される基を示す。また、nはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。]
[3]プロテオグリカンが植物性プロテオグリカンである、[1]または[2]に記載の除菌消臭剤。
本発明によれば、優れた除菌効果および消臭効果を有し、さらに対象物において、広範囲にかつ効率よく塗り広げることができる除菌消臭剤を提供することができる。
図1は、試験例1における清拭方法の概略を示す図である。
本発明の除菌消臭剤は、(a)カキタンニン、(b)プロテオグリカン、(c)炭素数1~3の一価の低級アルコール、(d)特定の構造を有する第4級アンモニウム化合物を含有する。
本発明の除菌消臭剤は、生活環境における器具、道具等の物品や、住居、施設等の設備等の除菌および消臭を目的として使用される組成物をいう。
なお、本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量など)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。たとえば、「好ましくは10~100、より好ましくは20~90」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10~90」とすることができる。
<(a)カキタンニン>
本発明の除菌消臭剤に(a)成分として含有されるカキタンニンは、カキノキ科(Ebenaceae)の植物であるカキノキ(Diospyros kaki Thunberg)の果実から抽出された縮合型タンニンであり、カテキン類のうちエピカテキン、カテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンガレートが1:1:2:2の比率で12分子~30分子縮合した分子量15,000程度に達する高分子化合物である。本発明においては、カキノキの果実から常法に従って抽出し、精製して用いることもできるが、リリース科学工業株式会社製パンシルシリーズ(「パンシルCOS-20」等)等の市販の製品を利用することもできる。
本発明の除菌消臭剤には、(a)成分である上記カキタンニンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の除菌消臭剤における(a)成分の含有量は、0.1(w/v)%~5(w/v)%であり、除菌消臭効果の観点から、好ましくは0.5(w/v)%~3(w/v)%であり、より好ましくは1(w/v)%~2(w/v)%である。
(a)成分の含有量が0.1(w/v)%未満である場合は、除菌消臭効果を十分に発揮できない可能性がある。また、(a)成分の含有量が、5(w/v)%を超えても、除菌消臭効果の大きな改善が見込めず、費用対効果の観点から好ましくない。
<(b)プロテオグリカン>
本発明の除菌消臭剤に(b)成分として含有されるプロテオグリカンは、特殊な構造を有する糖とタンパク質の複合体であり、動物性および植物性のプロテオグリカンが存在する。
動物性のプロテオグリカンは、1個のコアタンパク質に、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸等のグリコサミノグリカンが複数本共有結合した糖タンパク質であり、細胞外マトリックスの一成分として、臓器、脳、皮膚、軟骨など体内に広く分布している。
植物性のプロテオグリカンは、アラビノガラクタンとコアタンパク質が一定の様式で結合したものであり、正式にはアラビノガラクタン-プロテイン(AGP)と呼ばれており、植物の細胞壁や樹液に細胞外マトリックスとして存在する。
本発明において、プロテオグリカンとしては、動物性プロテオグリカン、植物性プロテオグリカンのいずれも用いることができるが、製造コストや、近年の植物性原料が好まれる傾向等を考慮すると、植物性プロテオグリカンを用いることが好ましい。
植物性プロテオグリカンとしては、マメ科ネムノキ亜科のアカシア(Acacia)属に属するアラビアゴムノキ(Acacia senegal Willdenow)、またはその同属近縁植物から得られるアラビアゴムを原料とするものが好ましく用いられる。ここで、アラビアゴムは、前記植物の樹皮の傷口から滲出する分泌液を乾燥させたものである。
動物性プロテオグリカンと同等またはそれ以上の生理活性を有するものが得られることから、本発明の目的には、アラビアゴムノキ(Acacia senegal Willdenow)、またはそのセヤル種であるAcacia seyal Delileから得られるアラビアゴムを原料とするものがより好ましく、アラビアゴムノキ(Acacia senegal Willdenow)から得られるアラビアゴムを原料とするものがさらに好ましく用いられる。
本発明において、プロテオグリカンとして好ましく用いられる植物性プロテオグリカンは、上記したアラビアゴムノキ等の植物から得たアラビアゴムから、主にアラビノガラクタンとグリコプロテインを除いた精製物として得られる。
本発明の目的には、植物性プロテオグリカンは、多角度光散乱検出器および示差屈折率検出器をオンライン接続したサイズ排除クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量が900,000~3,500,000であるものが好ましく用いられ、1,000,000~3,000,000であるものがより好ましく用いられる。
また、アンプライト(Amplite)(商標)アルデヒド定量キット(比色)(Colorimetric Aldehyde Quantitation Kit)(製品番号:10051)(エイエイティー バイオクウェスト(AAT Bioquest)社製)等のアルデヒド定量キットにより測定される総アルデヒド含有量が、0.005μmol当量/g~2μmol当量/gであるものが好ましく用いられる。
本発明において、植物性プロテオグリカンは、水溶液、分散液等の液状の形態、粉末等の固形状の形態のいずれの形態で用いてもよい。
本発明の除菌消臭剤には、上記したプロテオグリカンは1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
動物性プロテオグリカンは、サケ鼻軟骨、サメ鰭軟骨及びイカ頭部軟骨等の動物組織から抽出、精製等して製造して用いてもよいが、各社から提供されている市販の製品を用いることもできる。
本発明において、動物性プロテオグリカンは、水溶液、分散液等の液状の形態、粉末等の固形状の形態のいずれの形態で用いてもよい。
一方、植物性プロテオグリカンは、0.5質量%~40質量%に調製されたアラビアゴム水溶液を、ポーラスI型強塩基性アニオン交換樹脂および強酸性カチオン交換樹脂に供して精製することにより、好適に製造することができるが、一般的に有効分含有量が約1質量%の水溶液として市販されている製品、たとえば「フィトプロテオグリカン-P」(日油株式会社製)等を用いることもできる。
本発明の除菌消臭剤における(b)成分の含有量は、0.001(w/v)%~0.1(w/v)%であり、対象物における除菌消臭剤の塗り広げやすさの観点から、好ましくは0.002(w/v)%~0.05(w/v)%であり、より好ましくは0.005(w/v)%~0.03(w/v)%であり、さらに好ましくは0.01(w/v)%~0.02(w/v)%である。
(b)成分の含有量が0.001(w/v)%未満である場合は、対象物における除菌消臭剤の乾燥し易さが十分に改善されず、塗り広げることのできる範囲が限定的になる場合がある。また、(b)成分の含有量が、0.1(w/v)%を超えても、除菌消臭剤の塗り広げやすさに関して大きな改善が見込めず、費用対効果の観点から好ましくない。
<(c)炭素数1~3の一価の低級アルコール>
本発明の除菌消臭剤に(c)成分として含有される低級アルコールは、炭素数1~3の一価の低級アルコールであれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール(1-プロパノール)、イソプロパノール(2-プロパノール)等が挙げられ、環境に対する影響および身体に対する安全性の観点から、エタノールおよびイソプロパノールが好ましい。
本発明の除菌消臭剤には、(c)成分である上記一価の低級アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)成分である上記一価の低級アルコールとしては、医薬品、化粧品用として市販されている製品を用いることができる。
本発明の除菌消臭剤における(c)成分の含有量は、10(w/v)%~50(w/v)%であり、除菌消臭剤の塗り広げやすさおよび使用感の観点から、好ましくは15(w/v)%~40(w/v)%であり、より好ましくは20(w/v)%~30(w/v)%ある。
(c)成分の含有量が10(w/v)%未満である場合は、除菌消臭剤に速乾性が付与されにくいため、使用方法によってはべたつく場合がある。また、(c)成分の含有量が、50(w/v)%を超える場合は、除菌消臭剤の適度な速乾性が維持されず、広範囲に塗り広げられない場合がある。
<(d)第4級アンモニウム化合物>
本発明の除菌消臭剤に(d)成分として含有される第4級アンモニウム化合物としては、式(1)で示される化学構造を有するアンモニウム化合物および式(2)で示される化学構造を有するアンモニウム化合物が挙げられる。
Figure 2022098274000004
[式(1)中、R~Rは同一または異なって、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは塩素イオンまたは臭素イオンを示す。]
Figure 2022098274000005
[式(2)中、Rはアルキル基を示す。]
上記式(1)において、R、R、RまたはRで示されるアルキル基としては、炭素数1~18程度のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、炭素数6~12程度のアリール基が挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7~12程度のアラルキル基が挙げられる。
炭素数1~18程度のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(パルミチル)、オクタデシル(ステアリル)等の直鎖アルキル基、2-プロピル(イソプロピル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、3-メチルブチル(イソペンチル)、4-メチルペンチル(イソヘキシル)、1-メチルヘプチル(sec-オクチル)、6-メチルヘプチル(イソオクチル)、1,1-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1-メチルトリデシル、12-メチルトリデシル(イソミリスチル)、1-メチルペンタデシル、14-メチルペンダデシル(イソパルミチル)、1-メチルヘプタデシル、16-メチルヘプタデシル(イソステアリル)等の分岐アルキル基が挙げられ、前記アルキル基には、アミノ基、アルキルアミノ基、アルカノイルアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、またはアルキルフェノキシ基により置換されたアルコキシ基等により置換されたものも含まれる。
また、炭素数6~12程度のアリール基としては、フェニル、メチルフェニル(トリル)、ナフチル等が挙げられ、炭素数7~12程度のアラルキル基としては、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル(フェネチル)等が挙げられる。
上記式(1)で示される第4級アンモニウム化合物としては、式中のRが炭素数8~18のアルキル、R、RおよびRが同一または異なって、炭素数1~4のアルキルであるアンモニウム化合物;式中のRおよびRが同一または異なって、炭素数8~18のアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1~4のアルキルであるアンモニウム化合物;および、式中のRがベンジル、フェノキシアルキルまたはフェニルカルバモイルアルキル、Rが炭素数8~18のアルキル、フェノキシ基、もしくはアルキルフェノキシ基により置換されたアルコキシ基により置換されたアルキル、またはアルカノイルアルキルアミノアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1~4のアルキルであるアンモニウム化合物が好ましく、式中のRおよびRが同一または異なって、炭素数8~18のアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1~4のアルキルであるアンモニウム化合物;Rがベンジル、Rが炭素数8~18のアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1~4のアルキルであるアンモニウム化合物;およびRがベンジル、Rがアルキルフェノキシ基により置換されたアルコキシ基により置換されたアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1~4のアルキルであるアンモニウム化合物がより好ましい。
上記式(1)で示される第4級アンモニウム化合物の好適な具体例としては、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(臭化セトリモニウム塩)、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(ベンザルコニウム塩化物)、N,N-ジメチル-N-[2-[2-[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ]エトキシ]エチル]ベンゼンメタンアンモニウム塩化物(ベンゼトニウム塩化物)、メチルベンゼトニウム塩化物、ドデシルジメチル(2-フェノキシエチル)アンモニウム臭化物(ドミフェン臭化物)、[2-(ラウロイルメチルアミノ)エチル]ジメチル(フェニルカルバモイルメチル)アンモニウム塩化物(塩化ドファニウム)等が挙げられる。
上記式(2)において、Rで示されるアルキル基としては、炭素数8~18のアルキル基が挙げられ、オクチル、デシル、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(パルミチルまたはセチル)、オクタデシル(ステアリル)等の直鎖アルキル基が好ましく、ドデシル(ラウリル)、ヘキサデシル(パルミチルまたはセチル)が特に好ましい。
上記式(2)で示される第4級アンモニウム化合物の好適な具体例としては、塩化セチルピリジニウムが挙げられる。
本発明の除菌消臭剤において、(d)成分として含有される第4級アンモニウム化合物としては、例えば、身体に触れた場合を考慮すると、刺激性が少ないベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、メチルベンゼトニウム塩化物等をより好ましい化合物として挙げることができる。なかでも、ベンザルコニウム塩化物がさらに好ましい。
本発明の除菌消臭剤には、(d)成分として、上記した第4級アンモニウム化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(d)成分である第4級アンモニウム化合物としては、医薬品、化粧品用の陽イオン性界面活性剤として市販されている製品を用いることができる。
本発明の除菌消臭剤における(d)成分の含有量は、0.01(w/v)%~1(w/v)%であり、除菌消臭効果の観点から、好ましくは0.02(w/v)%~0.5(w/v)%であり、より好ましくは0.025(w/v)%~0.25(w/v)%であり、さらに好ましくは0.05(w/v)%~0.2(w/v)%である。
(d)成分の含有量が0.01(w/v)%未満である場合は、除菌消臭効果を十分に発揮できない可能性がある。また、(d)成分の含有量が1(w/v)%を超えても、除菌消臭効果の大きな改善が見込めず、費用対効果の観点から好ましくない。
<(e)ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル>
本発明の消毒剤組成物は、上記(a)~(d)成分に加えて、(e)成分として式(3)で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルを含有してもよい。
Figure 2022098274000006
[式(3)中、Rは炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基を示し、Rは炭素数2または3のアルキレン基を示す。Rは水素原子またはCOR’(R’は炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基である)で表される基を示す。また、nはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。]
式(3)中、Rで示される炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基としては、炭素数が8~20の直鎖または分岐の飽和または不飽和脂肪酸から誘導される基であれば、特に限定されない。たとえば、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(パルミチル)、オクタデシル(ステアリル)、16-メチルヘプタデシル(イソステアリル)、イコシル(アラキジニル)、シス-9-ヘキサデセニル(パルミトレイル)、シス-9-オクタデセニル(オレイル)、9Z,12Z-オクタデカジエニル(リノレイル)、9Z,12Z,15Z-オクタデカトリエニル(リノレニル)、12-ヒドロキシ-9-オクタデセニル(リシノレイル)等が例示され、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、オレイル、リシノレイル等が好ましい。また、Rで示される基は、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸等、天然の植物油由来の脂肪酸から誘導される基であってもよい。
式(3)中、ROで示されるアルキレンオキシドは、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドであり、nで示される該アルキレンオキシドの付加モル数は1~70である。ROで示されるアルキレンオキシドがエチレンオキシドである場合、好ましい付加モル数nは20~60であり、より好ましくは30~50である。ROで示されるアルキレンオキシドがプロピレンオキシドである場合、好ましい付加モル数nは1~30であり、より好ましくは5~20である。
式(3)中、Rは水素原子またはCOR’で表される基を示す。ここで、R’は炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基であり、上記したRで示される基と同様である。
が水素原子であるとき、式(3)で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルはモノエステルであり、RがCOR’で表される基であれば、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルはジエステルである。
本発明の除菌消臭剤には、(e)成分として、上記ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(e)成分である上記ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、常法に従って合成して用いることもできるが、医薬品、化粧品用の非イオン性界面活性剤として市販されている製品を用いることができる。
本発明の除菌消臭剤における(e)成分の含有量は、0.01(w/v)%~1(w/v)%であることが好ましく、0.1(w/v)%~0.5(w/v)%であることがより好ましい。
(e)成分の含有量が上記の範囲内であれば、対象物における除菌消臭剤の塗り広げやすさをより向上させることができる。
本発明の除菌消臭剤のpHについては、特に制限されないが、対象物に対する腐食性や、人体に対する刺激性の観点から、弱酸性から弱塩基性の範囲であることが好ましい。本発明の除菌消臭剤のpHを弱酸性から弱塩基性の範囲に調整するために、必要に応じてpH調整剤を加えることができる。
本発明の除菌消臭剤におけるpHは、4~8であることが好ましく、5~7であることがより好ましい。
pH調整剤としては、通常使用される酸や塩基を用いることができ、酸および塩基をそれぞれ1種以上用いることが好ましい。
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;クエン酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、グルコン酸、グリコール酸、アジピン酸、コハク酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ソルビン酸、パントイン酸、メバロン酸、2,3-ジヒドロキシ-3-メチルペンタン酸等の有機酸が挙げられる。
塩基としては、上記無機酸や有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール等のアルキルアミン;リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。
なお、本発明の除菌消臭剤のpHは、25℃にて、ガラス電極を用い、pH計により、たとえば第十七改正日本薬局方「一般試験法2.54 pH測定法」に準拠して測定される。
本発明の除菌消臭剤は、上記(a)~(e)成分を溶解するための溶媒として、通常水を含有する。
本発明の除菌消臭剤に含有される水としては、医薬品用、医薬部外品用または化粧品用等として一般的に用いられる水を用いることができ、イオン交換水、精製水等を用いることが好ましい。
本発明の除菌消臭剤における水の含有量は、除菌消臭剤の全量を100mLとし得る量として設定されるが、好ましくは50(w/v)%~90(w/v)%であり、より好ましくは60(w/v)%~80(w/v)%である。
本発明の除菌消臭剤は、上記(a)~(e)成分に加えて、本発明の特徴を損なわない範囲で、必要に応じて、除菌消臭剤に一般的に用いられる湿潤剤、親油性エモリエント剤、殺菌剤を含有し得る。
湿潤剤としては、好ましくは、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)に基づく構成単位を含む共重合体(以下「MPC共重合体」と表記することがある)を用いることができる。
本発明の除菌消臭剤に含有され得るMPC共重合体としては、MPCに基づく構成単位と、疎水性単量体に基づく構成単位を含む共重合体が挙げられ、疎水性単量体に基づく構成単位としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド誘導体等に基づく構成単位が例示される。
MPCに基づく構成単位は、下記の式(4)で表される。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイルまたはメタクリロイル」を意味する。
Figure 2022098274000007
[式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。]
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位は、下記の式(5)で表される。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸またはメタクリル酸」を意味する。
Figure 2022098274000008
[式中、R10は水素原子またはメチル基を示し、R11は炭素数1~24のアルキル基を示す。]
式(5)中、R11で示されるアルキル基は、炭素数1~24の直鎖または分岐のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(パルミチル)、オクタデシル(ステアリル)、ドコシル(ベヘニル)等が例示される。
従って、式(5)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等に基づく構成単位が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位として、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等、上記式(5)中、R11で示されるアルキル基がジアルキルアミノ基やハロゲン原子等で置換されている(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、R11で示されるアルキル基が、ヒドロキシル基および第4級アンモニオ基で置換された構造を有する2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドに基づく構成単位も、疎水性単量体に基づく構成単位として例示される。
(メタ)アクリルアミド誘導体に基づく構成単位は、下記の式(6)で表される。ここで、「(メタ)アクリルアミド」とは、「アクリルアミドまたはメタクリルアミド」を意味する。
Figure 2022098274000009
[式中、R12は水素原子またはメチル基を示し、R13およびR14はそれぞれ独立にメチル基またはエチル基を示し、mは1~3の整数を示す。]
本発明の目的には、(メタ)アクリルアミド誘導体に基づく構成単位として、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド、またはN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドに基づく構成単位を含む共重合体が好ましい。
本発明においては、MPC共重合体として、MPCに基づく構成単位と、上記疎水性単量体に基づく構成単位を1種または2種以上含む共重合体を用いることができる。
本発明の目的には、疎水性単量体に基づく構成単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドに基づく構成単位、および(メタ)アクリルアミド誘導体に基づく構成単位からなる群より選択される1種または2種以上を含む共重合体が好ましく用いられる。
MPCに基づく構成単位と、上記疎水性単量体に基づく構成単位のMPC共重合体中におけるそれぞれの含有量の比([MPCに基づく構成単位]:[疎水性単量体に基づく構成単位])(n:n)は、モル比にて好ましくは7:3~9:1であり、より好ましくは8:2である。
また、MPC共重合体の重合形態は特に限定されず、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、ランダム共重合体が好ましい。
本発明の除菌消臭剤に湿潤剤として含有されるMPC共重合体の重量平均分子量は10,000~5,000,000であり、好ましくは50,000~2,000,000である。
なお、MPC共重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定され、プルラン換算の分子量で示される。
MPC共重合体は、公知の製造方法により製造することができるが、水や多価アルコールの溶液もしくは分散液として市販されている製品を用いることもできる。
本発明の除菌消臭剤には、MPC共重合体は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて、湿潤剤として用いることができる。
湿潤剤としてのMPC共重合体の含有量は、好ましくは0.001(w/v)%~0.1(w/v)%である。
また、本発明の除菌消臭剤に用い得る湿潤剤として、MPC共重合体以外には、グリセリン、濃グリセリン、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、アラントイン、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、N-ココイル-L-アルギニンエチルエステルDL-ピロリドンカルボン酸塩、尿素等を挙げることができる。
本発明の除菌消臭剤には、MPC共重合体以外の上記湿潤剤は、必要に応じて1種以上を用いることができ、その含有量についても、除菌消臭剤における通常の使用量に準じて定めることができる。
親油性エモリエント剤としては、たとえば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソブチル、マレイン酸イソブチル等のエステル油を挙げることができる。
本発明の除菌消臭剤には、上記親油性エモリエント剤は、必要に応じて1種以上を用いることができ、その含有量についても、除菌消臭剤における通常の使用量に準じて定めることができる。
殺菌剤としては、たとえば、ヨウ素イオン、ヨードホルム、ヨードホア(ポビドンヨード等)等のヨウ素化合物;アクリノール等のアクリジン誘導体;グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアナイド等のビグアナイド系化合物;塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン等のアミノカルボン酸塩類;オキシドール、過マンガン酸カリウム等の酸化剤等を挙げることができる。
本発明の除菌消臭剤には、上記殺菌剤は、必要に応じて1種以上を用いることができ、その含有量についても、除菌消臭剤における通常の使用量に準じて定めることができる。
本発明の除菌消臭剤は、本発明の特徴を損なわない範囲で、さらに、除菌消臭剤に一般的に使用される添加剤を含有し得る。
かかる添加剤としては、たとえば、(e)成分以外のノニオン性界面活性剤、増粘剤、起泡剤、噴射剤、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、香料、色素、色材等が挙げられる。これらの添加剤は、目的に応じて、1種または2種以上を選択し、除菌消臭剤における通常の使用量に準じて用いることができる。
本発明の除菌消臭剤は、上記した(a)~(d)成分または(a)~(e)成分に、必要に応じて湿潤剤、親油性エモリエント剤、殺菌剤、水、一般的な他の添加剤を加えて適宜混合し、均一として製造することができる。
本発明の除菌消臭剤は、溶液状、懸濁液状、分散液状等の液状の形態で提供され得る。
使用の簡便さや安全性等の観点からは、本発明の除菌消臭剤は、ディスペンサーポンプ付き容器に充填した液吐出型、スプレーポンプ付き容器に充填した噴霧型、フォーマーポンプ付き容器またはエアゾール容器に充填した泡吐出型、清拭ワイプに含浸させた含浸型等の製品とすることが好ましい。
本発明の除菌消臭剤の使用方法としては、本発明の除菌消臭剤を紙ウエスや清拭ワイプに噴霧し、または本発明の除菌消臭剤を含浸させた清拭ワイプを用いて対象物を清拭する、対象物に本発明の除菌消臭剤を直接噴霧する、本発明の除菌消臭剤を直接噴霧した後、清拭ワイプ等で拭き取る等が挙げられ、特に制限はされないが、対象物に対して簡便にかつ広範囲に除菌消臭剤を塗り広げることができ、さらに除菌消臭を行う範囲をコントロールしやすいことから、ディスペンサーポンプ付き容器、スプレーポンプ付き容器、フォーマーポンプ付き容器、エアゾール容器等に本発明の除菌消臭剤を充填し、紙ウエスや清拭ワイプに噴霧して、対象物を清拭する方法が好ましい。
本発明の除菌消臭剤は、優れた除菌効果および消臭効果を有し、さらに、対象物に直接噴霧し、または、紙ウエスや清拭ワイプに噴霧して清拭することにより、対象物において、広範囲にかつ効率よく塗り広げることができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例および比較例の調製に使用した各成分については、以下の通りである。
(1)(a)成分
カキタンニン;リリース科学工業株式会社製「パンシルCOS-20」
(2)(b)成分
植物性プロテオグリカン;日油株式会社製「フィトプロテオグリカン-P」(重量平均分子量=約1,200,000、総アルデヒド含有量=1.8μmol当量/g)
(3)(c)成分
エタノール、イソプロパノール;医薬品、化粧品用として市販されている製品を用いた。
(4)(d)成分
ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物;医薬品、化粧品用として市販されている製品を用いた。
(5)(e)成分
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(エチレンオキシド付加モル数=40)、ヒマシ油脂肪酸ポリプロピレングリコール(プロピレンオキシド付加モル数=6);医薬品、化粧品用として市販されている製品を用いた。
(6)(a’)成分
エピカテキン;富士フイルム和光純薬株式会社製「(-)-エピカテキン標準品」
(7)共通成分
(i)湿潤剤
濃グリセリン;医薬品、化粧品用として市販されている製品を用いた。
MPC共重合体;2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンおよびメタクリル酸ブチルの共重合組成比[2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル](モル比)=80/20、重量平均分子量(Mw)=約1,200,000)
(ii)pH調整剤
クエン酸、クエン酸ナトリウム;医薬品、化粧品用として市販されている製品を用いた。
[実施例1~9、比較例1~3]除菌消臭剤
表1に示す処方に従い、(a)~(e)成分および、共通成分の湿潤剤を順次精製水に加え、攪拌して溶解させた。続いて、共通成分のpH調整剤を加えてpHを6.0として、実施例1~9の除菌消臭剤を得た。
また、表1に示す(a)成分または(a’)成分、(b)~(d)成分および共通成分の湿潤剤を順次精製水に加えて溶解し、共通成分のpH調整剤によりpHを調整して、比較例1~3の除菌消臭剤とした。
なお、上記除菌消臭剤のpHは、第十七改正日本薬局方「一般試験法2.54 pH測定法」に従い、25℃にて測定した。
表中の各成分の含有量は、(w/v)%にて示した。また、精製水の含有量は、実施例および比較例の各除菌消臭剤について、それぞれ全量を100mLとする量を、「残部」と表記した。共通成分については、表2に示した。
[試験例1]清拭の際の塗り広げやすさの評価
実施例1~9および比較例1~3の各除菌消臭剤について、清拭の際の塗り広げやすさを、以下の通り評価した。
(1)清拭の方法
下記に示す条件下に、実施例および比較例の各除菌消臭剤をスプレーポンプ付き容器にそれぞれ充填して、紙ウエスに対して噴霧し、対象物を清拭した。
(i)対象物:ステンレス板(30cm×30cm)
(ii)スプレーポンプ付き容器:ポリエチレンテレフタレート(PET)製スプレーボトル(内容量=30mL)(吐出口仕様;高さ=10.4cm、口径=2.8cm)
(iii)吐出回数:2回(計0.35g±0.03g)
(iv)噴霧方法:紙ウエスに対して10cm離れた位置から噴霧
(v)紙ウエス仕様:パルプ紙(縦120mm×横215mm)
(vi)紙ウエスの使用方法:上記紙ウエスを四つ折り(縦一回、横一回)にして使用
(vii)清拭方法:対象物の左上から時計回り、中心に向かうように、一定の速度、一定の圧力で清拭する。清拭方法の概略を図1に示す。清拭は、ステンレス板の全面を対象とし、清拭箇所が重複しないように行う。
(2)塗り広げやすさの評価方法
上記に記載の方法にて対象物を清拭し、紙ウエスに噴霧した除菌消臭剤が乾燥することなく、対象物の全面を清拭することができたとき、清拭できた面積の割合を「100%」と表した。対象物の全面を清拭し終える前に、噴霧した除菌消臭剤が乾燥した場合には、その時点で清拭操作を止め、清拭できた面積の割合を、全面を100%として10%単位で表した。本操作を3回繰り返して、清拭できた面積の割合の平均値を算出した。
なお、対象物の清拭部分の表面が濡れていることを目視にて確認できないとき、除菌消臭剤が乾燥したと判断した。
清拭できた面積の割合について、3回測定後の平均値(一の位は四捨五入する)が70%以上であったとき、用いた除菌消臭剤は広範囲に塗り広げられる製剤であると評価した。
上記塗り広げやすさの評価結果は、表1に併せて示した。
[試験例2]消臭効果の評価
実施例1~9および比較例1~3の各除菌消臭剤3gを1Lの三角フラスコにそれぞれ分取し、各三角フラスコに対し、下記に示す悪臭成分を下記の初期濃度となるように封入した。30分経過後に、シリンジにより三角フラスコ中の気体をサンプリングし、ガスクロマトグラフ法により各悪臭成分の残存濃度(S)を測定した。別途、空試験として除菌消臭剤を分取しない三角フラスコを用いて同様の操作を行い、悪臭成分の濃度(B)を測定した。
各悪臭成分についての測定濃度から、下記式(1)により、悪臭成分吸着率を算出した。
なお、悪臭成分およびそれらの初期濃度は次の通りとした。
アンモニア:150ppm、硫化水素:20ppm、アセトアルデヒド:100ppm、2,3-ブタンジオン:50ppm。
Figure 2022098274000010
悪臭成分吸着率に基づき、下記評価基準により、各除菌消臭剤の消臭効果を評価した。
<評価基準>
悪臭成分吸着率が80%以上である;「〇」
悪臭成分吸着率が80%未満、60%以上である;「△」
悪臭成分吸着率が60%未満である;「×」
本試験においては、消臭効果が「〇」であると評価された場合、優れた消臭効果を有する除菌消臭剤であると判定した。
上記消臭効果の評価結果は、表1に併せて示した。
[試験例3]除菌効果の評価
実施例1~9および比較例1~3の各除菌消臭剤について、下記の通り除菌効果を評価した。
(1)供試菌
下記の細菌および真菌を供試菌とした。
(i)大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)
(ii)緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)
(iii)黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)
(iv)カンジダ(Candida albicans NBRC1594)
(2)試験菌液の調製
各供試菌について、滅菌した生理食塩水を用いて、1×10Colony Forming Unit(CFU)/mLとなるように、試験菌液を調製した。なお前記Colony Forming Unit(CFU)は、播種した微生物に含まれる増殖可能な(コロニーを形成する能力がある)微生物細胞の数を示す単位を意味する。
(3)最小発育阻止濃度(MIC)の測定
実施例および比較例の各除菌消臭剤を検体として、各検体100μLをSCD培地(Soybean-Casein Digest Broth)で2倍ずつ段階的に希釈し、検体の最終濃度を0.5μg/mLとする希釈系列を作製した。作製した希釈系列に、各試験菌液50μLを添加した後、24時間、37℃で培養した。培養終了後、培地の濁りを肉眼で判定し、供試菌の発育を認めない最小濃度(μg/mL)をもって、MICとした。
(4)除菌効果の評価
得られたMIC値に基づき、下記の評価基準により各除菌消臭剤の除菌効果を評価した。
<評価基準>
MICが15.6μg/mL以下である;「A」
MICが15.6μg/mLを超え、31.3μg/mL以下である;「B」
MICが31.3μg/mLを超える;「C」
本試験においては、除菌効果の評価が「A」であるとき、優れた除菌効果を有する除菌消臭剤であると判定した。
上記除菌効果の評価結果は、表1に併せて示した。
Figure 2022098274000011
Figure 2022098274000012
表1に示されるように、実施例1~9の除菌消臭剤は、いずれも清拭の際に広範囲に塗り広げることができ、優れた除菌消臭効果を有すると評価された。
特に、(a)成分~(e)成分を含有する実施例8、9の除菌消臭剤は、優れた除菌消臭効果に加えて、対象物の全範囲に塗り広げることができたと評価された。
これに対して、(a)成分を含有しない比較例1の除菌消臭剤は、悪臭の消臭効果に劣り、対象物に対して塗り広げにくいと評価された。
(a)成分のかわりに(a’)成分を含有する比較例2の除菌消臭剤、および(b)成分を含有していない比較例3の除菌消臭剤は、清拭時の塗り広げやすさに劣ると評価された。
以上、詳述したように、本発明により、優れた除菌効果および消臭効果を有し、さらに対象物において、広範囲にかつ効率よく塗り広げることができる除菌消臭剤を提供することができる。

Claims (3)

  1. (a)カキタンニンを0.1(w/v)%~5(w/v)%、(b)プロテオグリカンを0.001(w/v)%~0.1(w/v)%、(c)炭素数1~3の一価の低級アルコールを10(w/v)%~50(w/v)%、ならびに(d)式(1)で示される第4級アンモニウム化合物および式(2)で示される第4級アンモニウム化合物からなる群より選択される1種以上を0.01(w/v)%~1(w/v)%含有する、除菌消臭剤。
    Figure 2022098274000013
    [式(1)中、R~Rは同一または異なって、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは塩素イオンまたは臭素イオンを示す。]
    Figure 2022098274000014
    [式(2)中、Rはアルキル基を示す。]
  2. さらに、(e)式(3)で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルを0.01(w/v)%~1(w/v)%含有する、請求項1に記載の除菌消臭剤。
    Figure 2022098274000015

    [式(3)中、Rは炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基を示し、Rは炭素数2または3のアルキレン基を示す。Rは水素原子またはCOR’(R’は炭素数8~20の脂肪酸から誘導される基である)で表される基を示す。また、nはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。]
  3. プロテオグリカンが植物性プロテオグリカンである、請求項1または2に記載の除菌消臭剤。
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