JP2006086439A - 磁気抵抗素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数個の磁気抵抗体薄膜を使用する場合でも、製造工程に極端に高い精度を必要とせず、磁気抵抗体薄膜のレイアウトの自由度を向上させることのできる磁気抵抗素子を提供すること。
【解決手段】 セラミックグレーズ基板からなる第1の基板111上にA相磁気抵抗パターン112が形成された第1の磁気抵抗素子基板11と、透明なガラス基板からなる第2の基板121上にB相磁気抵抗パターン122が形成された第2の磁気抵抗素子基板12とをUV硬化接着剤によって貼り合せて磁気抵抗素子10を製造する。ここで、第2の基板12は透明基板であるので、第2の基板121を通して、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12の位置合わせを行うことができ、かつ、第2の基板121を通してUV光をUV硬化接着剤に照射することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、可動被検出物の移動量、位置、移動速度などの検出を行うための磁気抵抗素子に関するものである。
従来より、可動被検出物の変位量を検出するセンサとして磁気抵抗素子がある。この磁気抵抗素子の一態様としては、例えば、可動被検出物に一定のピッチで着磁された多極着磁層(磁気スケール)を形成しておく一方、この多極着磁層に対向するように磁気抵抗素子が配置される。ここで、磁気抵抗素子は、多極着磁のピッチよりも狭いピッチで4個の磁気抵抗体薄膜を備えており、可動被検出物の変位に起因して変化する磁気抵抗体薄膜の抵抗値を検知することによって変位量を検出する。
近年、磁気抵抗素子からの出力信号は、一般的に、基本波成分と、その基本波成分に重畳した高調波成分とから形成されていることを利用し、複数個の磁気抵抗体薄膜の配置態様によって高調波成分を取り除き、基本波成分のような滑らかな出力信号を得ることで、識別精度を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された発明によれば、多極着磁層に対向して配設された磁気抵抗素子に磁気抵抗体薄膜を配置するにあたって、互いに所定の間隔を保って複数個並ぶように配置することで、磁気抵抗変化の飽和に起因した高調波成分を逆相で打ち消して相殺するので、滑らかな正弦波出力信号を得ることができる。
一方、複数個の磁気抵抗体薄膜によって磁気スケールの磁界を検出する場合には、これらの磁気抵抗体薄膜のすべてを1個のガラス基板上に配置するのが一般的である。例えば、特許文献2に開示されているように、複数個の磁気抵抗体薄膜のすべては、ホルダの位置決め用ガイドに沿って取り付けられた磁気抵抗素子取り付け部に装着されている。
特許第2529960号公報(第2図) 特開平10−253729号公報(第1図)
しかしながら、出力信号の高調波成分を打ち消して識別精度を向上させることを目的に、複数個の磁気抵抗体薄膜を1枚のガラス基板上に配置した場合には、各磁気抵抗体薄膜間の間隔が非常に狭くなり、所望の位置に配置することが難しくなるという問題がある。
特に、90°位相の異なる2個の信号を出力するA相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとを備えた磁気抵抗素子においては、識別精度を向上させるためにそれぞれの磁気抵抗パターンが複数個の磁気抵抗体薄膜を有するとなると、さらに各磁気抵抗体薄膜間の間隔が狭くなる。従って、製造工程において極めて高い精度が要求されるとともに、磁気抵抗体薄膜のレイアウトの自由度が著しく低下するという問題がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、複数個の磁気抵抗体薄膜を使用する場合でも、製造工程に極端に高い精度を必要とせず、磁気抵抗体薄膜のレイアウトの自由度を向上させることのできる磁気抵抗素子を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明では、90°位相の異なる2個の信号を出力するA相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとを備えた磁気抵抗素子において、前記磁気抵抗パターンは各々、第1、第2の基板に形成されているとともに、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方は、透明基板からなることを特徴とする。
本発明によれば、90°位相の異なる2個の信号を出力するA相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとから構成される磁気抵抗パターンを有する磁気抵抗素子において、A相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとをそれぞれ別の基板(第1の基板および第2の基板)上に形成し、これら2枚の基板を対向配置して磁気抵抗パターンを形成するため、高周波成分を打ち消して検出精度を向上するという観点から複数個の磁気抵抗体薄膜を使用した場合であっても、一枚の基板上に形成される磁気抵抗体薄膜同士の間では間隔を極端に狭める必要がない。従って、複数個の磁気抵抗体薄膜を使用する場合でも、製造工程に極端に高い精度を必要とせず、磁気抵抗体薄膜のレイアウトの自由度が高い。また、本発明では、第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方は、透明基板からなるため、この透明基板を介して、他方の基板の位置を確認できるので、第1の基板と第2の基板とを高い位置精度で対向させることができる。
本発明において、前記第1の基板と前記第2の基板は、磁気抵抗パターンが形成されている側の面同士が対向するように配置されていることが好ましい。
本発明において、前記第1の基板と前記第2の基板は、光硬化接着剤によって貼り合わされていることが好ましい。ここで、前記光硬化接着剤は、例えば、UV硬化接着剤である。本発明では、第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方が透明基板であるため、光硬化接着剤を挟んで第1の基板と第2の基板とを対向させた状態で透明基板の側からUV光などを照射すれば、第1の基板と第2の基板とを貼り合せることができる。
本発明において、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの一方の基板が前記透明基板からなり、他方の基板がセラミックグレーズ基板からなることが好ましい。このように構成すると、第1の基板および第2の基板の双方の基板をガラス基板とした場合と比較して強度の向上を図ることができる。
本発明では、90°位相の異なる2個の信号を出力するA相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとから構成される磁気抵抗パターンを有する磁気抵抗素子において、A相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとをそれぞれ別の基板(第1の基板および第2の基板)上に形成し、これら2枚の基板を対向配置して磁気抵抗パターンを形成するため、高調波成分を打ち消して検出精度を向上するという観点から複数個の磁気抵抗体薄膜を使用した場合であっても、一枚の基板上に形成される磁気抵抗体薄膜同士の間では間隔を極端に狭める必要がない。従って、複数個の磁気抵抗体薄膜を使用する場合でも、製造工程に極端に高い精度を必要とせず、磁気抵抗体薄膜のレイアウトの自由度が高い。また、本発明では、第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方は、透明基板からなるため、この透明基板を介して他方の基板の位置を確認できるので、第1の基板と第2の基板とを高い位置精度で対向させることができる。
図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
[磁気抵抗素子の構造]
(全体構成)
図1(a)、(b)、(c)はそれぞれ、本発明を適用した磁気抵抗素子を備えたヘッドと磁気スケールとの位置関係を示す説明図、本発明を適用した磁気抵抗素子を用いた磁気式リニアエンコーダの説明図、および本発明を適用した磁気抵抗素子を用いたロータリエンコーダの説明図である。
図1(a)において、本発明を適用した磁気抵抗素子10は、工作機械や実装装置のテーブル移動距離、ロボットなどでの回転位置検出、モータ装置における回転速度などを計測するための磁気センサ装置1において、ヘッド5の感磁面50を構成するものであり、ヘッド5のセンサホルダ6内に搭載されている。ヘッド5の感磁面50は、磁気スケール3に対向配置されており、磁気スケール3は、可動体2の側に搭載されている。磁気抵抗素子10は、詳しくは後述するように、90°位相の異なる2個の信号を出力するA相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとを備えている。
本形態において、磁気抵抗素子10は、A相磁気抵抗パターンが形成された第1の磁気抵抗素子基板11と、B相磁気抵抗パターンが形成された第2の磁気抵抗素子基板12とを備えており、これらの磁気抵抗素子基板11、12は、磁気抵抗パターンが形成されている側の面同士が対向するように貼り合わされている。
ここで、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12はいずれも、他方の基板の縁から一部が張り出しており、それにより形成された第1の磁気抵抗素子基板11の張り出し領域115、および第2の磁気抵抗素子基板12の張り出し領域125には可撓性基板16、17が圧着などの方法により接続されている。また、可撓性基板16、17の接続箇所は、樹脂(図示せず)によって被覆されている。
このように構成したヘッド5は、例えば、図1(b)に示す磁気センサ装置1(磁気式リニアエンコーダ)において、移動テーブル(可動体2)の側において直線的に延びた磁気スケール3に対向するように配置されて、移動テーブルの位置などを検出する。また、ヘッド5は、図1(c)に示す磁気センサ装置1(磁気式ロータリエンコーダ)において、回転ドラム(可動体2)の外周面に配置された磁気スケール3に対向するように配置され、回転ドラムの回転位置や回転速度などを検出する。いずれの場合も、磁気スケール3には、N極とS極が所定のピッチで交互に配列されている。
(磁気抵抗素子10の製造方法および詳細な構成)
図2および図3を参照して、本形態の磁気抵抗素子10の製造方法を説明しながら、磁気抵抗素子10の詳細な構成、およびその特性を詳述する。図2(a)〜(c)は、本発明の磁気抵抗素子10の製造方法を示す説明図である。図3は、本発明を適用した磁気抵抗素子10の時系列なセンサ出力を示すグラフである。
本形態では、まず、図2(a)、(b)に示すように、下側の第1の磁気抵抗素子基板11を構成するための第1の基板111と、上側の第2の磁気抵抗素子基板12を構成するため第2の基板121とを準備する。
本形態では、第1の基板111としてセラミックグレーズ基板を準備し、第2の基板121としてガラス基板(透明基板)を準備する。セラミックグレーズ基板は、酸化物もしくは窒化物等からなるアルミナ基板などのセラミック基板の表面にガラス層を形成したものである。本形態では、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12のうち、第1の磁気抵抗素子基板11が磁気スケール3の側に配置されるので、第1の基板111としては、第2の基板121よりも薄いものが用いられている。例えば、第1の基板111は厚さが0.3mmであり、第2の基板121は厚さが0.7mmである。
次に、図2(a)に示すように、第1の基板111の表面に、スパッタ法などにより強磁性体NiFe等からなる磁性体膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて磁性体膜をパターニングし、A相磁気抵抗パターン112を形成する。その際、第1の基板111には、磁性体膜によってアライメントマーク(図示せず)を同時形成する。次に、A相磁気抵抗パターン112の表面側に保護層を形成すれば、第1の磁気抵抗素子基板11が完成する。
同様に、図2(b)に示すように、第2の基板121の表面に、スパッタ法などにより強磁性体NiFe等からなる磁性体膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて磁性体膜をパターニングし、B相磁気抵抗パターン122を形成する。その際、第2の基板121にも、磁性体膜によってアライメントマークを同時形成する。次に、B相磁気抵抗パターン122の表面側に保護層を形成すれば、第2の磁気抵抗素子基板12が完成する。
ここで、A相磁気抵抗パターン112が有する磁気抵抗体薄膜も、B相磁気抵抗パターン122が有する磁気抵抗体薄膜も、温度特性を向上させるために差動構成となっている。また、出力信号の基本波成分に重畳した高調波成分を取り除くため、A相磁気抵抗パターン112およびB相磁気抵抗パターン122は、いずれも複数個の磁気抵抗体薄膜を備えている。
次に、第1の磁気抵抗素子基板11あるいは第2の磁気抵抗素子基板12に光硬化接着剤としてのUV硬化接着剤を塗布した後、図2(c)に示すように、UV硬化接着剤を挟んで第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12とを貼り合せる。あるいは、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12と対向配置させた後、その縁部分からUV硬化接着剤を塗布する。その際、第2の基板121は、透明なガラス基板であるため、第2の基板121を通して、第1の磁気抵抗素子基板11のアライメントマークと、第2の磁気抵抗素子基板12のアライメントマークとを観察しながら、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12の位置合わせを行う。なお、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12にアライメントマークが形成されていない場合には、A相磁気抵抗パターン112とB相磁気抵抗パターン122とを観察しながら、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12の位置合わせを行ってもよい。
次に、透明な第2の基板121の側からUV光を照射してUV硬化接着剤を硬化させ、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12を貼り合せる。
ここで、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12とを貼り合せると、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12は、他方の基板の縁から一部が張り出している。このため、2枚の磁気抵抗素子基板11、12を貼り合せて磁気抵抗素子10を構成した場合でも、各磁気抵抗素子基板11、12の張り出し部分115、125に対して、図1(a)に示すように、可撓性基板16、17を圧着などの方法で接続することができる。このようにして、磁気抵抗素子10を製造する。
このように構成した磁気抵抗素子10では、A相磁気抵抗パターン112とB相磁気抵抗パターン122とをそれぞれ別の基板(第1の基板111および第2の基板121)上に形成し、これら2枚の基板を対向配置して磁気抵抗パターンを形成するため、高調波成分を打ち消して検出精度を向上するという観点から複数個の磁気抵抗体薄膜を使用した場合であっても、一枚の基板上に形成される磁気抵抗体薄膜同士の間では間隔を極端に狭める必要がない。従って、複数個の磁気抵抗体薄膜を使用する場合でも、製造工程に極端に高い精度を必要とせず、磁気抵抗体薄膜のレイアウトの自由度が高い。
また、本形態では、第1の基板111および第2の基板121のうち、第2の基板121は透明基板からなるため、第2の基板121(透明基板)を介して第1の基板111の位置を確認できるので、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12とを高い位置精度で対向させることができる。
しかも、第2の基板121は透明基板からなるため、第2の基板121(透明基板)を介してUV光を基板間に照射できるので、UV硬化接着剤で第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12とを貼り合せることができる。従って、熱硬化性樹脂で第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12とを貼り合せる場合と違って、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12に熱応力が発生せず、かつ、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12を加熱装置に搬送する必要もない。それ故、本形態によれば、磁気抵抗素子10を効率よく製造でき、かつ、信頼性の高い磁気抵抗素子10を製造できる。
また、本形態では、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12のうち、第1の磁気抵抗素子基板11が磁気スケール3の側に配置されるので、第1の基板111としては、第2の基板121よりも薄いものが用いられている。従って、磁気抵抗パターンと磁気スケール2とのギャップを狭くできるので、感度が高い。しかも、第1の基板111は薄いが、セラミックグレーズ基板であるため、十分な強度を備えている。
さらに、本形態において、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12は、他方の基板の縁から一部が張り出しているため、2枚の磁気抵抗素基板11、12を貼り合せて磁気抵抗素子10を構成した場合でも、各磁気抵抗基板11、12の張り出し部分115、125に可撓性基板16、17を接続することができ、各磁気抵抗素子基板11、12からの信号の入力などが可能である。
また、A相磁気抵抗パターン112およびB相磁気抵抗パターン122が第1の基板111と第2の基板121とに挟まれているので、外部からの衝撃等に強い。また、A相磁気抵抗パターン112およびB相磁気抵抗パターン122が第1の基板111と第2の基板121とに挟まれているので、外部温度の急激な変化に対して敏感に反応せず、図3に示すように、安定的な温度特性を得ることができる。
図3において、1枚の基板上に磁気抵抗パターンを形成した従来の磁気抵抗素子10では、恒温層中であっても、例えば温度が−20℃から70℃に変化すると、図3中のA部分のようにオーバーシュートが発生する。これは、通常、磁気抵抗体薄膜の温度特性改善のため差動出力を得ることとしているが、温度が急激に変化したとき均一な温度分布にならないことに起因して発生するものである。しかるに本発明を適用した磁気抵抗素子10では、A相磁気抵抗パターン112およびB相磁気抵抗パターン122が第1の基板111と第2の基板121とに挟まれているので、図3中のB部分に示すように、オーバーシュートが発生しないなど、温度特性が安定している。
なお、図2(c)では、A相磁気抵抗パターン112とB相磁気抵抗パターン122とは隙間なく密着しているが、両者の間に隙間が存在してもよいことを排除する趣旨ではない。
(大型基板を用いた製造方法)
図4(a)〜(f)は、本発明の磁気抵抗素子10を大型基板から製造する方法を示す説明図である。
本形態の磁気抵抗素子10を製造するにあたっては、単品サイズの第1の基板111および第2の基板121に磁気抵抗パターン112、122などを形成して第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12を製作した後、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12とを貼り合せてもよいが、以下に説明するように、単品サイズの第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12を複数、切り出すことのできる大型基板の状態で磁気抵抗パターン112、122などを形成してもよい。
まず、図4(a)に示すように、第1の磁気抵抗素子基板11を多数枚取りできる大型の第1の基板111を準備した後、大型の第1の基板111の表面のうち、第1の磁気抵抗素子基板11として切り出される領域にA相磁気抵抗パターン(図示せず)、アライメントマーク114などを形成する。ここで、大型の第1の基板111は、厚さが例えば0.3mmのセラミックグレーズ基板である。
また、図4(b)に示すように、第2の磁気抵抗素子基板12を多数枚取りできる大型の第2の基板121を準備した後、大型の第2の基板121の表面のうち、第2の磁気抵抗素子基板12として切り出される領域にB相磁気抵抗パターン(図示せず)、アライメントマーク124などを形成する。ここで、大型の第2の基板121は、厚さが例えば0.3mmのガラス基板である。
次に、図4(c)、(d)に示すように、大型の第1の基板111および第2の基板121をそれぞれ短冊状に切断する。
次に、図4(e)に示すように、短冊状の第1の基板111あるいは第2の基板121に光硬化接着剤としてのUV硬化接着剤を塗布した後、UV硬化接着剤を挟んで短冊状の第1の基板111と第2の基板121とを貼り合せる。あるいは、短冊状の第1の基板111と第2の基板121とを対向配置させた後、その縁部分からUV硬化接着剤を塗布する。その際、第2の基板121は、透明なガラス基板であるため、第2の基板121を通して、第1の磁気抵抗素子基板11のアライメントマーク114と第2の磁気抵抗素子基板12のアライメントマーク124とを観察しながら、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12の位置合わせを行う。なお、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12にアライメントマーク114、124が形成されていない場合には、A相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとを観察しながら、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12の位置合わせを行ってもよい。
次に、透明な第2の基板121の側からUV光を照射してUV硬化接着剤を硬化させ、第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12を固定する。
しかる後には、短冊状の第1の基板111および第2の基板121を所定位置で切断して、図4(f)に示すように、各々が張り出し領域115、125をもって第1の磁気抵抗素子基板11と第2の磁気抵抗素子基板12とが貼り合わされた磁気抵抗素子10を得る。しかる後には、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12の各張り出し領域115、125に対して、図1(a)に示すように、可撓性基板16、17を圧着などの方法で接続する。
なお、図4(e)に示すように、短冊状の第1の基板111と第2の基板121とを貼り合せる際、第1の基板111と第2の基板121とを完全に重ねた場合には、第1の基板111および第2の基板121を切断する際に各張り出し領域115、125を形成すればよい。また、図4(e)に示すように、短冊状の第1の基板111と第2の基板121とを貼り合せる際、第1の基板111と第2の基板121とずらして重ねることにより、各張り出し領域115、125を構成してもよい。
[磁気センサ装置1の一例]
図5は、本発明を適用した磁気抵抗素子10を、図1(b)に示すような磁気センサ装置1(磁気式リニアエンコーダ)に用いた場合の説明図である。図6(a)、(b)は、図5に示す磁気センサ装置1に用いたヘッド5を、感磁面を備えた底面の側からみた説明図である。図7(a)、(b)は、図5に示す磁気センサ装置1におけるヘッド5と磁気スケール3との位置関係を示す説明図、およびヘッド5の右側面図である。図8(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、本形態の磁気センサ装置1のヘッド5に搭載される磁気抵抗素子10の説明図、磁気抵抗素子10を回路基板に接続した状態を示す説明図、本形態の磁気センサ装置1のヘッド5に搭載された回路のブロック図、および従来のヘッド5に搭載される回路のブロック図である。図9(a)、(b)は、本形態の磁気センサ装置1のヘッド5に用いたセンサホルダの内部構造を示す説明図である。なお、以下の説明において、直交する3方向のうち、磁気スケール3の幅方向をX方向、磁気スケール3の長さ方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
図5、図6(a)、(b)、および図7(a)、(b)において、本形態の磁気センサ装置1は、上記形態に係る磁気抵抗素子10によって感磁面50が形成されたヘッド5と、このヘッド5の感磁面50が対向する磁気スケール3とを有している。
ヘッド5は、略直方体形状の枡状のアルミニウムダイカストからなるセンサホルダ6と、このセンサホルダ6の右側開口を覆う矩形のカバー61と、センサホルダ6内から引き出されたケーブル7とを備えている。センサホルダ6には、その背面にケーブル挿入穴67が形成され、正面にもケーブル挿入穴67として利用可能な穴が形成されている。このため、センサホルダ6のいずれの側からケーブル7を引き出す場合でも、共通のセンサホルダ6を用いることができる。
センサホルダ6において、磁気スケール3と対向する底面55には、開口57が形成されており、この開口57に磁気抵抗素子10を配置することにより感磁部50が構成される。また、センサホルダ6の底面55では、感磁面50が形成されている底面55の中央領域がその周囲よりも0.2mm〜1.0mmだけ突き出た平坦な基準面56になっており、この基準面56は、底面55全体の面積の約1/2倍程度である。
このようなセンサホルダ6内に対して、図8(a)に示すように、磁気抵抗素子10は、一対の可撓性基板16、17が圧着などの方法で接続された状態で配置される。ここで、一対の可撓性基板16、17は各々、磁気抵抗素子10から反対側に向けて延びている。また、一対の可撓性基板16、17は、磁気抵抗素子10に接続した状態で、回路基板19との接続端子161、171が互いに反対方向を向いている。従って、一対の可撓性基板16、17は、図8(b)に示すように、一方の可撓性基板16は回路基板19の表面側に接続され、他方の可撓性基板17は回路基板19の裏面側に接続されている。
図9(a)、(b)に示すように、回路基板19および磁気抵抗素子10をセンサホルダ6内に配置するために、センサホルダ6内には、開口57から奥まった位置には開口57と対向する位置に枠状の素子支持部65が形成され、その両側には可撓性基板16、17を内側に引き出すための隙間62、63が形成されている。
従って、ヘッド5を組み立てる際には、まず、一対の可撓性基板16、17が接続された磁気抵抗素子10を、開口57を通して外側に露出するように外側から配置するとともに、一対の可撓性基板16、17を隙間62、63からセンサホルダ6内に引き込む。次に、磁気抵抗素子10の裏面側を素子支持部65に接着剤で固定するとともに、開口57において磁気抵抗素子10の周りを接着剤91で埋めて、磁気抵抗素子10をセンサホルダ6に固定する。この状態で、磁気抵抗素子10の外側の面は、開口57で露出するとともに、センサホルダ6の基準面56と同一の平面を形成することになる。次に、可撓性基板16、17の途中位置を直角に折り曲げて、一方の可撓性基板16を回路基板19の表面側に接続する一方、他方の可撓性基板17を回路基板19の裏面側に接続する。そして、回路基板19をセンサホルダ6内部の左側内壁に沿うように配置すると、磁気抵抗素子10および回路基板19は、互いに直交した状態でセンサホルダ6内に収納される。次に、ケーブル7をケーブル挿入穴67からセンサホルダ6内に挿入して、ケーブル7を回路基板19に接続した後、センサホルダ6の開口を覆うようにカバー61を取り付ける。このようにしてヘッド5が完成する。
ここで、回路基板19には、図8(c)に示すように、センサ回路191、およびこのセンサ回路191から出力された信号に温度補正などを施す付加回路192の双方が構成されている。このような付加回路192は、従来、図8(d)に示すように、ヘッドとは別体のケース内に構成されていたものであるが、本形態では、この付加回路192も回路基板19に構成し、ヘッド5に内蔵させてある。従って、本形態によれば、センサ回路191と付加回路192とを回路基板19上で配線できるため、アナログ信号の状態で伝送される距離が短いので、ノイズの侵入や波形の歪みなどの発生を防止できる。
但し、回路基板19にセンサ回路191および付加回路192の双方を構成すると、回路基板19は、従来の回路基板よりも大きく、それ故、ヘッド5自身も従来のヘッドに比較してやや大きくなる。しかるに本形態では、回路基板19をセンサホルダ6内部において左側内壁に沿うように直立姿勢で配置してあるので、ヘッド5が大型化しているといっても、感磁面50が配置される底面55の面積は狭く、かつ、その幅寸法については従来よりも狭くしてある。
従って、図5に示すように、ヘッド5と磁気スケール3とを配置した際、感磁面50が形成された底面55を磁気スケール3に対して正確に対向させることができる。すなわち、図5に示すようにヘッド5と磁気スケール3とを配置する際には、まず、ヘッド5の底面55を磁気スケール3の上面に接触させて基準姿勢を決めた後、そのまま、ヘッド5を磁気スケール3からわずかに浮かせる。それ故、本形態のように、底面55の面積を狭くしておけば、ヘッド5の底面55全体を磁気スケール3の上面に確実に接触させることができるので、正確に基準姿勢を決めることができる。よって、ヘッド5を磁気スケール3から浮かせた状態において、ヘッド5の姿勢に高い精度を得ることができる。
また、本形態では、ヘッド5の底面55では、感磁面50が形成されている基準面56がその周囲よりも0.2mm〜1.0mmだけ突き出た面になっているため、感磁面50と同一平面をなす面は、底面55全体の面積の約1/2しかなく、狭い。従って、ヘッド5の底面55を磁気スケール3の上面に接触させて基準姿勢を決める際、接触面積が狭い分、ヘッド5の感磁面50全体を磁気スケール3の上面に確実に接触させることができるので、正確に基準姿勢を決めることができる。よって、ヘッド5を磁気スケール3から浮かせた状態においても、磁気スケール3からみたとき、感磁面50が傾くようなことがない。
しかも、ヘッド5の底面55は感磁面50の基準面56となるため、機械加工などを施して平滑な面とする必要があるが、本形態では、ヘッド5の底面55のうち、感磁面50が形成されている底面中央領域のみが基準面56になっているので、機械加工などを施す領域が狭い。それ故、切削加工時間を短縮できるなど、製造コストの低減を図ることができる。
さらに、感磁面50(基準面56)がセンサホルダ6の底面55から突き出た位置にあるため、ヘッド5を磁気スケール3に対向させた状態で、ヘッド5と磁気スケール3との隙間を覗き込んで、感磁面50の状態を確認することもできる。
また、本形態の磁気抵抗素子10では、図2を参照して説明したように、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12を貼り合せるとともに、それぞれの張り出し領域115、125に可撓性基板16、17が反対側に延びるように接続されている。しかも、可撓性基板16、17は、磁気抵抗素子10から磁気スケール3の長さ方向(Y方向)に延びているので、センサホルダ6の底面55の幅寸法が狭い場合でも、可撓性基板16、17も含めてセンサホルダ6に接着固定することができる。従って、磁気抵抗素子10を両側で支持することができるので、耐振動性能に優れている。また、磁気抵抗素子10の周りにおいて開口57との隙間を接着剤91で封止しているので、耐湿性能も優れている。
さらに、本形態の磁気抵抗素子10では、第1の磁気抵抗素子基板11および第2の磁気抵抗素子基板12に対して一対の可撓性基板16、17が表裏反対で接続されるため、可撓性基板16、17の接続端子161、171は表裏反対側に向くことになる。しかるに本形態では、可撓性基板16、17を折り曲げて、一方の可撓性基板16を回路基板19の表面側に接続し、他方の可撓性基板17を回路基板19の裏面側に接続する構造を採用することにより、一対の可撓性基板16、17については同一構造の可撓性基板を表裏反対にして使うことができる。それ故、可撓性基板16、17については、1種類の可撓性基板を用いればよいので、コストの低減を図ることができる。
[ケーブル7の接続構造]
図10(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した磁気センサ装置1に用いたヘッド5とケーブル7との接続構造の説明図、およびこの接続に用いたスリーブの斜視図である。図11(a)、(b)は、図10(b)に示すスリーブを用いてケーブル7をヘッド5内に接続した状態を示すために、図7(a)および図10(b)のX1−X1′線に相当する位置でケーブル挿入穴付近を切断したときの断面図、および図7(b)および図10(b)のZ1−Z1′線に相当する位置でケーブル挿入穴付近を切断したときの断面図である。
図10(a)に示すように、ケーブル7をヘッド5内の回路基板19と接続するために、センサホルダ6の背面には、ケーブル7の先端をセンサホルダ6内に挿入するためのケーブル挿入穴67が形成されている。ケーブル7は、抜け防止用のスリーブ8が通された状態で先端がヘッド5内に挿入され、この状態で、スリーブ8はケーブル挿入穴67に嵌る。
スリーブ8は、樹脂製あるいは金属製であり、図10(b)に示すように、ケーブル7の外径寸法よりやや大きな内径寸法の円筒形状を備えている。スリーブ8において、その基端側にはやや大径の環状のフランジ部86が形成されている。また、スリーブ8には、その先端縁から基端側に向けて切り込まれた4本のスリット85により、4枚の爪状の弾性片部81、82、83、84が形成されている。ここで、弾性片部の数は、4つに限定されるものではなく、2つ以上あればよい。
ここで、4つの弾性片部81、82、83、84のうち、相対向する2つの第1の弾性片部81、83は、他の2つの第2の弾性板部82、84と比較して長く、外側には第1の係合突起88を備えている。他の2つの第2の弾性片部82、84は、内側に第2の係合突起89を備えており、その内側にケーブル7を通したとき、第2の係合突起89の先端部はケーブル7の外周面に接する。
一方、図11(a)、(b)に示すように、センサホルダ6のケーブル挿入穴67には、その内部に外側開口671よりも小さな開口672を構成する環状壁673が形成されている。また、図11(b)に示すように、センサホルダ6のケーブル挿入穴67には、環状壁673を貫通して開口672に到達するネジ穴674が形成されている。
このため、センサホルダ6からカバー61を取り外した状態で、ケーブル7をスリーブ8とともにケーブル挿入穴67に挿入すると、第1の弾性片部81、83の外側に形成されている第1の係合突起88がそれぞれ、開口672を通過した後、環状壁673の奥側の開口縁に係合する。このため、スリーブ8は、ケーブル挿入穴67から抜けることがない。また、ケーブル7をスリーブ8とともにケーブル挿入穴67に挿入した後、環状壁673に形成されているネジ穴674にネジ70を止めると、ネジ70の先端部が第2の弾性片部82、84を内側に弾性変形させ、第2の弾性片部82、84の内側に形成されている第2の係合突起89がケーブル7の被覆層に食い込む。このため、ケーブル7が抜けることがない。しかる後には、センサホルダ6にカバー61を取り付ける。
以上説明したように、スリーブ8を用いてケーブル7をケーブル挿入穴67に挿入すると、スリーブ8は第1の係合突起88によって抜け止めされ、かつ、ケーブル7は、第2の係合突起89によって抜け止めされる。従って、ケーブル7の抜去力として、例えば、29.4N以上(3kgf以上)を確保できる。また、スリーブ8は一体品であるため、ケーブル7への取り付け、ケーブル挿入穴67、ネジ止めという作業のみでケーブル7の抜け対策を行うことができる。さらに本形態では、スリーブ8にネジなどを形成しないので、安価に製造できるという利点もある。
なお、センサホルダ6は、正面にもケーブル挿入穴67と同形の穴68が形成されており、正面および背面のいずれの側からケーブル7を接続することもできる。また、穴68を利用しない場合には、この穴にスリーブ8あるいは別のキャップを装着しておけばよい。
[磁気スケール3の構成]
図12(a)、(b)はそれぞれ、本形態の磁気センサ装置1に用いた磁気スケール3の縦断面図、およびその内部構造を示す説明図である。
図12(a)、(b)に示すように、本形態の磁気センサ装置1に用いた磁気スケール3は、長手方向に周期的に磁極が形成されたゴム磁石やプラスチック磁石等からなる可撓性磁石60と、この可撓性磁石60の裏面に取り付けたベース板31と、可撓性磁石30の表面側に取り付けた保護板32とを有している。可撓性磁石30は、例えば塩素化ポリエチレンからなるベース樹脂にフェライト粉末粒子を磁性粉として混ぜたプラスチック磁石であり、厚さ1mmで一定幅の帯状をしている。ベース板31は、例えば、みがき特殊帯鋼からなり、厚さ0.5mmで一定幅の帯状をしている。なお、ベース板31の表面にはクロメート処理等の防錆メッキ処理が施されている。
これに対して、保護板32は、厚さ50μmの薄いSUS板であり、左右が斜めに折り曲げられている。このため、保護板32は、ベース板31と平行な上面部321と、その両側で斜め下方に延びた斜面部322、323とを備えている。本形態では、斜面部322、323は上面部321に対して約45°の角度で折り曲げられている。
このような磁気スケール3を製造する際には、可撓性磁石30をベース板31の上に両面テープなどで固定した後、着磁し、次に、可撓性磁石30を覆うように、側端部を約45°折り曲げた保護板32を被せる。あるいは、可撓性磁石30を覆うように、平板状の保護板32を被せた後、保護板32の側端部を約45°折り曲げる。ここでの、保護板32の幅寸法はベース板31の幅寸法よりも狭く設定する。次に、可撓性磁石30をベース板31と保護板32で覆った状態で、ベース板31の側端部と保護板32の側端部との間には隙間35が空いているので、そこから内側に接着剤34を注入し、硬化させる。ここで、接着剤34は、シリル基含有特殊ポリマーを主成分とする一液湿気硬化性接着剤であり、空気中の微量水分と反応して硬化する。また、この接着剤34は硬化後、弾性を備えているため、振動、衝撃などの応力緩和性に優れている。従って、可撓性磁石30に大きな応力が加わらないという利点がある。
このように、本形態の磁気スケール3では、左右を斜めに折り曲げた保護板32を用いているので、磁気スケール3が1mを越えるほど長い場合でも、磁気スケール3が反ってしまうことがない。また、接着剤34として、硬化後、弾性を備えたものを用いたことも、接着剤34の収縮により磁気スケール3が反ってしまうことを防止するのに効果的である。また、可撓性磁石30が保護板32、ベース板31および接着剤34で完全に封止されているので、可撓性磁石30に潤滑油が付着して可撓性磁石30が膨潤してしまうことを確実に回避できる。さらに、保護板32の角が屈曲部分になっているので、保護板のエッジで作業者が傷つくこともない。
(a)、(b)、(c)はそれぞれ、本発明を適用した磁気抵抗素子を備えたヘッドと磁気スケールとの位置関係を示す説明図、本発明を適用した磁気抵抗素子を用いた磁気式リニアエンコーダの説明図、および本発明を適用した磁気抵抗素子を用いたロータリエンコーダの説明図である。 (a)〜(c)は、本発明を適用した磁気抵抗素子の製造方法を示す説明図である。 本発明を適用した磁気抵抗素子の時系列なセンサ出力を示すグラフである。 (a)〜(f)は、本発明を適用した磁気抵抗素子を大型基板から製造する方法を示す説明図である。 本発明を適用した磁気抵抗素子を、図1(b)に示すような磁気センサ装置(磁気式リニアエンコーダ)に用いた場合の説明図である。 (a)、(b)は、図5に示す磁気センサ装置に用いたヘッドを、感磁面を備えた底面の側からみた説明図である。 (a)、(b)は、図5に示す磁気センサ装置におけるヘッドと磁気スケールとの位置関係を示す説明図、およびヘッドの右側面図である。 (a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図5に示す磁気センサ装置のヘッドに搭載される磁気抵抗素子の説明図、磁気抵抗素子を回路基板に接続した状態を示す説明図、本発明の磁気センサ装置のヘッドに搭載された回路のブロック図、および従来のヘッドに搭載される回路のブロック図である。 (a)、(b)は、図5に示す磁気センサ装置のヘッドに用いたセンサホルダの内部構造を示す説明図である。 (a)、(b)はそれぞれ、図5に示す磁気センサ装置に用いたヘッドとケーブルとの接続構造の説明図、およびこの接続に用いたスリーブの斜視図である。 (a)、(b)は、図7(a)および図10(b)のX1−X1′線に相当する位置でケーブル挿入穴付近を切断したときの断面図、および図7(b)および図10(b)のZ1−Z1′線に相当する位置でケーブル挿入穴付近を切断したときの断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、図5に示す磁気センサ装置に用いた磁気スケールの縦断面図、およびその内部構造を示す説明図である。
符号の説明
1 磁気センサ装置
2 可動体
3 磁気スケール
5 ヘッド
6 センサホルダ
7 ケーブル
8 スリーブ
10 磁気抵抗素子
11 第1の磁気抵抗素子基板
12 第2の磁気抵抗素子基板
16、17 可撓性基板
19 回路基板
50 感磁面
56 基準面
111 第1の基板
112 A相磁気抵抗パターン
115、125 磁気抵抗素子基板の張り出し領域
121 第2の基板
122 B相磁気抵抗パターン

Claims (5)

  1. 90°位相の異なる2個の信号を出力するA相磁気抵抗パターンとB相磁気抵抗パターンとを備えた磁気抵抗素子において、
    前記磁気抵抗パターンは各々、第1、第2の基板に形成されているとともに、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方は、透明基板からなることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 請求項1において、前記第1の基板と前記第2の基板は、磁気抵抗パターンが形成されている側の面同士が対向するように配置されていることを特徴とする磁気抵抗素子。
  3. 請求項1または2において、前記第1の基板と前記第2の基板は、光硬化接着剤によって貼り合わされていることを特徴とする磁気抵抗素子。
  4. 請求項3において、前記光硬化接着剤はUV硬化接着剤であることを特徴とする磁気抵抗素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの一方の基板が前記透明基板からなり、他方の基板がセラミックグレーズ基板からなることを特徴とする磁気抵抗素子。
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