JP5006671B2 - 磁気エンコーダ - Google Patents
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Description
R=R0−k×sin2θ
R0:無磁界中での抵抗値
k:抵抗値変化量(飽和感度領域以上のときは定数)
で示す関係があることを利用する。すなわち、角度θが変化すると抵抗値Rが変化するので、磁気スケールと磁気センサ装置との相対移動速度や移動方向を検出することができる。ここで、磁界の強弱を検出する方式では、S/N比を改善することを目的に磁気スケールと磁気センサ装置との隙間寸法を狭くすると波形歪が大きくなるのに対して、回転磁界を検出する方式、すなわち、磁気スケールと磁気センサ装置の相対的な移動に伴い、磁界のベクトルの回転角を検出する方式では、磁気スケールと磁気センサ装置と隙間寸法を狭くしても正弦波成分を安定して得ることができるという利点がある。
(磁気エンコーダの全体構成)
図1(A)、(B)は、それぞれ、本発明を適用した磁気エンコーダの構成を示す説明図、および本発明の実施の形態1に係る磁気エンコーダにおける永久磁石と磁気抵抗素子との位置関係を示す説明図である。
図2(A)、(B)、(C)は、それぞれ、図1に示す磁気センサの底面図、要部の縦断面図、および磁気抵抗素子の周辺を拡大して示す断面図である。図3は、本発明を適用した磁気エンコーダが有する磁気抵抗素子のMR特性を示すグラフである。
図4(A)、(B)、(C)は各々、本発明の実施の形態1に係る磁気スケールにおいて、永久磁石に形成されている磁界の向きを平面的にみたときの説明図、斜めにみたときの説明図、および側方からみたときの説明図である。
図5(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した磁気スケールが有する永久磁石の最大エネルギー積および厚さと、内挿精度との関係を示すグラフ、および本発明を適用した磁気スケールが有する永久磁石の最大エネルギー積および厚さとヒステリシスとの関係を示すグラフである。
以下、図1および図6を参照して、磁気スケール2の製造方法を説明する。図6(A)〜(E)は、本発明を適用した磁気スケールの製造方法を模式的に示す説明図である。なお、着磁を行う際には、磁石素材の一方の面に着磁ヘッドを配置する一方、他方の面にヨークを配置した状態で着磁ヘッドの着磁コイルに通電する方法、あるいは、磁石素材の両面に着磁ヘッドを配置して着磁コイルに通電する方法が採用されるが、図6には、着磁ヘッドの図示を省略してある。
図7(A)〜(D)は、本発明で用いる磁気スケールの別の製造方法を模式的に示す説明図であり、図6でも着磁ヘッドの図示を省略してある。本形態においては、磁気スケール2を製造するにあたっては、まず、図7(A)に示すように、磁石素材200(無着磁状態の永久磁石20)の裏面にベース板21を両面テープ等により固定する。次に、図7(B)に示すように、着磁工程で、磁石素材200に着磁ヘッドを用いて両面に多極着磁を行うことにより、3本のトラック25を備えた永久磁石20が完成する。ここで、永久磁石20は、表裏方向のみに磁極が向く異方性磁石である。トラック25は、3列のトラック25(25A、25B、25C)が幅方向で並列して形成され、さらに、隣接する3列のトラック25A、25B、25C間で、N極およびS極の位置が長手方向で1極分ずれるように形成される。
以上説明したように、本形態の磁気エンコーダ1では、磁気スケール2に形成された回転磁界を検出しているため、S/N比を改善することを目的に磁気センサ3と磁気スケール2との隙間寸法を狭くしても正弦波成分を安定して得ることができる。
図8は、本発明の実施の形態2に係る磁気エンコーダにおける永久磁石と磁気抵抗素子との平面的な位置関係を示す説明図である。図9(A)、(B)、(C)は各々、本発明の実施の形態2に係る磁気エンコーダにおいて、永久磁石に形成されている磁界の向きを平面的にみたときの説明図、斜めにみたときの説明図、および側方からみたときの説明図である。
図10は、本発明の実施の形態3に係る磁気エンコーダにおける永久磁石と磁気抵抗素子との平面的な位置関係を示す説明図である。
図11は、本発明の実施の形態4に係る磁気エンコーダにおける永久磁石と磁気センサとの平面的な位置関係を示す説明図である。
図12は、本発明の実施の形態5に係る磁気エンコーダにおける永久磁石と磁気抵抗素子との平面的な位置関係を示す説明図である。図13(A)、(B)、(C)は各々、本発明の実施の形態3に係る磁気エンコーダにおいて、永久磁石に形成されている磁界の向きを平面的にみたときの説明図、斜めにみたときの説明図、および側方からみたときの説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と共通するので、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図14(A)〜(D)は各々、本発明を適用した磁気エンコーダによってロータリエンコーダを構成したときの説明図である。
2 磁気スケール
3 磁気センサ
20 永久磁石
25 トラック
251 縁部分
75 磁気抵抗素子
Claims (12)
- 永久磁石を備えた磁気スケールと、該磁気スケールからの磁界を検出する磁気抵抗素子を備えた磁気センサとを有し、前記永久磁石には、前記磁気センサとの相対移動方向に沿ってN極とS極が交互に並ぶトラックが形成されている磁気エンコーダにおいて、
前記磁気センサは、前記トラックの幅方向の縁部分で面内方向の向きが変化する回転磁界の方向を検出し、
前記永久磁石の厚さは、1mm以上であることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1において、
前記永久磁石の厚さは、2mm以上であることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 永久磁石を備えた磁気スケールと、該磁気スケールからの磁界を検出する磁気抵抗素子を備えた磁気センサとを有し、前記永久磁石には、前記磁気センサとの相対移動方向に沿ってN極とS極が交互に並ぶトラックが形成されている磁気エンコーダにおいて、
前記磁気センサは、前記トラックの幅方向の縁部分で面内方向の向きが変化する回転磁界の方向を検出するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気抵抗曲線において、無磁界中での抵抗値からの最大抵抗変化率に対して20%以上の抵抗変化を示す領域の磁界を検出し、出力することを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1または2において、
前記磁気センサは、前記磁気抵抗素子の磁気抵抗曲線において、無磁界中での抵抗値からの最大抵抗変化率に対して20%以上の抵抗変化を示す領域の磁界を検出し、出力することを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記磁気スケールは、裏面側にベース層を備え、表面側に保護層を備えていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
前記永久磁石を構成する磁石素材は、外部磁界の大きさHと磁束密度Bとの積で求められるエネルギー積の最大値(B・H)maxが1.2MGOe以上であることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
前記永久磁石は、前記トラックが幅方向で複数、並列し、
前記複数のトラックでは、隣接するトラック間でN極およびS極の位置が前記相対移動方向でずれていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項7において、
前記複数のトラックでは、隣接するトラック間でN極およびS極の位置が前記相対移動方向で1磁極分、ずれていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項7または8において、
前記永久磁石は、前記トラックが幅方向で2列以上、並列していることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項9において、
前記永久磁石は、前記トラックが幅方向で3列以上、並列し、
前記磁気センサは、前記3列以上のトラックのうち、奇数列分のトラックと対向し、かつ、当該磁気センサの両端部分が対向するトラック間では前記相対移動方向におけるN極およびS極の位置が一致していることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1ないし10のいずれかにおいて、
前記永久磁石は、該永久磁石の表裏方向のみに磁極が向く異方性磁石であることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1ないし11のいずれかにおいて、
リニアエンコーダまたはロータリエンコーダとして構成されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
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