JP2017203670A - 磁気スケールおよび磁気式エンコーダ - Google Patents

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Katsuya Moriyama
克也 森山
水嵜 康史
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康史 水嵜
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Abstract

【課題】長い場合でも取扱いが容易な磁気スケール、および磁気式エンコーダを提供すること。【解決手段】磁気式エンコーダに用いられる磁気スケール9は、非磁性材料からなるベース板95と、ベース板95の一方面950に形成された永久磁石96とによって構成されており、永久磁石96の表面は露出した状態にある。ベース板95は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板である。例えば、ベース板95は、ガラス繊維の織布からなる多孔性芯材にエポキシ樹脂が充填されているガラスエポキシ基板である。永久磁石96は、エポキシ樹脂等の樹脂層内に、フェライト系の磁性粉が分散している磁性層97(磁性塗膜層)である。【選択図】図2

Description

本発明は、磁気スケール、および磁気スケールからの磁界を磁気センサ素子によって検出する磁気式エンコーダに関するものである。
磁気式エンコーダは、永久磁石を備えた磁気スケールと、磁気抵抗素子を備えた磁気センサ装置とを有しており、磁気スケールと磁気センサ装置とが相対移動した際の磁気センサ装置での検出結果に基づいて、磁気スケールと磁気センサ装置との相対位置等を検出する。磁気スケールは、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金からなるベース板と、ベース板の一方面に形成された磁性塗膜とを有しており、磁性塗膜によって永久磁石が構成されている(特許文献1参照)。
特開2016−38294号公報
上記特許文献1に記載の磁気スケールを構成する際、ベース板は、例えば、厚さが4mm〜5mmのアルミニウム製やアルミニウム合金製の板からなる。従って、磁気スケールに可撓性がないため、磁気スケールが長い場合、磁気スケールを直線的に延在した状態のまま運ぶ必要がある等、取扱いが不便である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、長い場合でも取扱いが容易な磁気スケール、および磁気式エンコーダを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る磁気スケールは、非磁性材料からなるベース板と、前記ベース板の一方面に形成された磁性層によって構成され、前記ベース板の長手方向に沿ってN極とS極とが交互に設けられた永久磁石と、を有し、前記ベース板は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であることを特徴とする。
本発明において、磁気スケールは、非磁性材料からなるベース板の一方面に形成された磁性層によって永久磁石が形成され、ベース板は可撓性の樹脂基板である。このため、ベース板を湾曲させることができるため、磁気スケールが長い場合、長い磁気スケールを丸めて運ぶことができる等、取扱いが容易である。また、ベース板は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であるため、機械的強度や靱性が大である。
本発明において、前記多孔性芯材は、ガラス製のシートからなる態様を採用することができる。
本発明において、前記多孔性芯材は、ガラス繊維の織布からなる態様を採用することができる。
本発明において、前記樹脂は、エポキシ樹脂である態様を採用することができる。
本発明において、前記磁性層は、樹脂層内に磁性粉が分散している層である態様を採用
することができる。かかる態様によれば、磁性層も可撓性を有するため、磁気スケールを丸めた際、磁性層に剥離や割れ等の事態が発生しにくい。
本発明において、前記磁性粉は、フェライト系である態様を採用することができる。かかる態様によれば、内挿によって位置等を求めた際、分解能の向上を図ることができる。
本発明において、前記樹脂層は、エポキシ樹脂層である態様を採用することができる。かかる態様によれば、磁性層とベース板との密着性が高い。
本発明において、前記永久磁石は、前記ベース板とは反対側の面が露出状態にある態様を採用することができる。かかる構成によれば、永久磁石を覆う保護層が設けられていないため、磁気式エンコーダを構成した際、磁性層と磁気センサ素子との間隔を狭めても、磁気スケールと磁気センサ素子との間隔が広い。従って、永久磁石と磁気センサ素子との接触が発生しにくい。
本発明に係る磁気スケールを備えた磁気式エンコーダでは、前記磁気スケールからの磁界を検出する磁気センサ素子が設けられる。
本発明において、前記磁気センサ素子は、磁気抵抗素子である態様を採用することができる。
本発明において、磁気スケールは、非磁性材料からなるベース板の一方面に形成された磁性層によって永久磁石が形成され、ベース板は可撓性の樹脂基板である。このため、ベース板を湾曲させることができるため、磁気スケールが長い場合、長い磁気スケールを丸めて運ぶことができる等、取扱いが容易である。また、ベース板は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であるため、機械的強度や靱性が大である。
本発明を適用した磁気式リニアエンコーダの外観等を示す説明図である。 本発明を適用した磁気式リニアエンコーダの要部を示す説明図である。 本発明を適用した磁気スケールの内挿誤差を示すグラフである。 本発明を適用した磁気スケールのヒステリシス誤差を示すグラフである。 本発明を適用した磁気スケールの着磁精度を示すグラフである。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1は、本発明を適用した磁気式エンコーダの外観等を示す説明図である。図2は、本発明を適用した磁気式エンコーダの要部を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、磁気センサ装置の要部の構成を示す概略断面図、その概略斜視図、および概略平面図である。
図1に示すように、磁気式エンコーダ100は、一方方向に直線的に延在する磁気スケール9と、磁気スケール9の近傍に配置された磁気センサ装置1とを有する磁気式リニアエンコーダである。磁気式エンコーダ100においては、磁気スケール9および磁気センサ装置1の一方が固定体に保持され、他方が移動体に保持される。本形態では、例えば、磁気センサ装置1が固定体に保持され、磁気スケール9が両面粘着テープ等によって移動体に固定される。
磁気スケール9には、後述するように、長手方向(磁気センサ装置1と磁気スケール9との相対移動方向)に沿ってN極とS極とが交互に配列されたトラックが形成されている。本形態において、磁気センサ装置1は、磁気スケール9の表面に形成された回転磁界の方向を検出することにより、磁気スケール9(移動体)が磁気スケール9の長手方向に移動した際の位置等を検出する。
磁気センサ装置1は、略直方体形状のアルミニウムダイカスト品からなるホルダ6と、このホルダ6の開口を覆う矩形のカバー68と、ホルダ6から延びたケーブル7とを備えている。ホルダ6にはその側面にケーブル挿通穴69が形成されており、このケーブル挿通穴69からケーブル7が引き出されている。
図2(a)に示すように、ホルダ6には、磁気スケール9と対向する底面に、段差を介してホルダ6の底面から突出した平坦面からなる基準面60が形成されている。基準面60には開口部65が形成されており、開口部65に対して、ガラス基板やシリコン基板、セラミックグレース基板などの剛性基板10上に形成された磁気センサ素子25が配置され、センサ面250が構成されている。剛性基板10には、磁気センサ素子25に電気的に接続するフレキシブル基板34が接続されている。
本形態において、磁気センサ素子25は磁気抵抗素子である。図2(b)、(c)に示すように、磁気センサ素子25は、磁気スケール9の面内方向で向きが変化する回転磁界を検出する磁気抵抗パターンとして、互いに90°の位相差を有するA相の磁気抵抗パターン25(A)とB相の磁気抵抗パターン25(B)とを有しており、A相の磁気抵抗パターン25(A)とB相の磁気抵抗パターン25(B)の下端面(磁気スケール9と対向する各パターン面)によってセンサ面250が構成されている。図2には、A相の磁気抵抗パターンにはSINを付し、B相の磁気抵抗パターンには、COSを付してある。
A相の磁気抵抗パターン25(A)は、180°の位相差をもって磁気スケール9の移動検出を行う+a相の磁気抵抗パターン25(+a)と−a相の磁気抵抗パターン25(−a)とを備えており、図面には、+a相の磁気抵抗パターン25(+a)にはSIN+と付し、−a相の磁気抵抗パターン25(−a)には、SIN−を付してある。同様に、B相の磁気抵抗パターン25(B)は、180°の位相差をもって磁気スケール9の移動検出を行う+b相の磁気抵抗パターン25(+b)と−b相の磁気抵抗パターン25(−b)とを備えており、図面には、+b相の磁気抵抗パターン25(+b)にはCOS+と付し、−b相の磁気抵抗パターン25(−b)には、COS−を付してある。
本形態では、+a相の磁気抵抗パターン25(+a)、−a相の磁気抵抗パターン25(−a)、+b相の磁気抵抗パターン25(+b)、および−b相の磁気抵抗パターン25(−b)は、1枚の剛性基板10の同一の面上(主面上)に形成されている。また、磁気抵抗パターン25(+a)、25(−a)、25(+b)、25(−b)は、剛性基板10で格子状に配置されており、+a相の磁気抵抗パターン25(+a)と−a相の磁気抵抗パターン25(−a)とは対角位置に形成され、+b相の磁気抵抗パターン25(+b)と−b相の磁気抵抗パターン25(−b)とは対角位置に形成されている。
図2(c)に示すように、磁気スケール9では、移動方向に沿ってN極とS極が交互に並ぶトラック91が形成されており、本形態では、3列のトラック91(91A、91B、91C)が幅方向(磁気センサ装置1と磁気スケール9との相対移動方向に交差する方向)で並列している。本形態において、各磁極のピッチは1.0mm以下である。ここで、隣接するトラック91A、91B、91C間では、N極およびS極の位置が移動方向で1磁極分、ずれている。このため、両側のトラック91A、91C間では、N極およびS
極の位置が移動方向で一致している。隣接するトラック91Aとトラック91Bの境界部分912、およびトラック91Bとトラック91Cの境界部分912は、例えば、磁極が存在しない無着磁部分や非磁性部分を介在させることなく、N極およびS極が直接、接するように形成されている。
このように構成した磁気スケール9において、トラック91A、91B、91Cの幅方向の縁部分では、面内方向の向きが変化する回転磁界が形成され、特に、トラック91Aとトラック91Bとの境界部分912、およびトラック91Bとトラック91Cとの境界部分では、強度の大きな回転磁界が発生している。従って、本形態では、トラック91A、91B、91Cの境界部分912に対して磁気センサ装置1のセンサ面250を面対向させている。また、センサ面250は、磁気スケール9の幅方向の中央に位置している。
このように構成した磁気式エンコーダ100において、磁気スケール9が磁極の1周期分移動すると、正弦波信号sin、cosが2周期分、出力される。従って、内挿によって、正弦波信号sin、cosからθ=tan-1(sin/cos)を求めれば、磁気センサ装置1と磁気スケール9との相対位置θが分かる。かかる内挿によれば、磁気スケール9に形成した磁極ピッチ以上の分解能を得ることができる。
なお、本形態において、磁気抵抗パターン25(+a)、25(−a)、25(+b)、25(−b)は、抵抗値の飽和感度領域以上の磁界強度で回転磁界を検出する。すなわち、隣接するトラック91の境界部分912においては、各磁気抵抗パターン25(+a)、25(−a)、25(+b)、25(−b)の抵抗値の飽和感度領域以上の磁界強度で面内方向の向きが周方向で漸次に変化する回転磁界が発生する。飽和感度領域とは、一般的に、抵抗値変化量kが、磁界強度Hと近似的に「k∝H2」の式で表すことができる領域以外の領域をいう。また、飽和感度領域以上の磁界強度で回転磁界(磁気ベクトルの回転)の方向を検出する際の原理は、強磁性金属からなる磁気抵抗パターン25(+a)、25(−a)、25(+b)、25(−b)に通電した状態で、抵抗値が飽和する磁界強度を印加したとき、磁界と電流方向がなす角度θと、磁気抵抗パターン25(+a)、25(−a)、25(+b)、25(−b)の抵抗値Rとの間には、下式
=R0−k×sin2θ
R0:無磁界中での抵抗値
k:抵抗値変化量(飽和感度領域以上のときは定数)
で示す関係があることを利用するものである。このような原理に基づいて回転磁界を検出すれば、角度θが変化すると抵抗値Rが正弦波に沿って変化するので、波形品質の高い正弦波信号sin、cosを得ることができる。
(磁気スケール9の詳細構成)
本形態において、磁気式エンコーダ100は、オープンタイプのリニアエンコーダであり、かかるオープンタイプのリニアエンコーダでは、磁気センサ装置1と磁気スケール9とが独立して固定体および可動体に搭載される。このため、磁気センサ装置1と磁気スケール9とは、非接触状態で相対移動する。また、図2に示す磁気センサ素子25と永久磁石96との間隔は0.15mmから0.35mmである。
磁気スケール9は、非磁性材料からなるベース板95と、ベース板95の磁気センサ装置1側の一方面950に設けられた永久磁石96とを有している。また、永久磁石96の磁気センサ装置1側の面960は、露出した状態にあり、保護シート等で覆われていない。
本形態において、永久磁石96は、ベース板95の磁気センサ装置1側の一方面950において、樹脂層内に磁性粉が分散している磁性層97(磁性塗膜)からなる。磁性層9
7において、樹脂層は、エポキシ樹脂層、ポリウレタン樹脂層、フェノール樹脂層、アクリル樹脂層、ビニル樹脂層、あるいはポリエステル樹脂層等である。本形態において、磁性層97の樹脂層は、エポキシ樹脂層からなる。磁性粉は、フェライト系磁性粉である。より具体的には、永久磁石96は、フェライト系磁性粉として、ストロンチウムフェライトと、バリウムフェライトとを含んでいる。例えば、永久磁石96は、フェライト系磁性粉として、ストロンチウムフェライトと、バリウムフェライトとを80%〜90%:20%〜10%の重量比で含んでおり、永久磁石96におけるフェライト系磁性粉の比率は約70重量%である。永久磁石96(磁性層97)の厚さは、100μm以上である。例えば、永久磁石96の厚さは、200μmから400μmである。
本形態において、ベース板95は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であり、ベース板95の厚さは、例えば、0.2mmから1.0mmである。本形態において、ベース板95の厚さは、0.5mmである。ベース板95において、多孔性芯材は、ガラス繊維の織布、ガラスの不織布、あるいは紙等からなる。樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド、あるいはフェノール樹脂等からなる。より具体的には、ベース板95は、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板、ガラスポリイミド基板等からなる。本形態において、多孔性芯材は、ガラス製のシートからなる。例えば、多孔性芯材は、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸したガラスエポキシ基板からなる。
(磁気スケール9の製造方法)
本形態の磁気スケール9を製造するにあたっては、まず、磁性粉、樹脂および溶媒を含む塗液をスプレー等によってベース板95の一方面950に100μm程度塗布した後、空気の吹き付けおよび予備乾燥等によって溶媒を除去する。また、樹脂を仮硬化させる。そして、上記の工程を繰り返し行って、磁性層97を所定の厚さに形成する。次に、樹脂を本硬化させた後、磁性層97を研磨する。
次に、磁性層97に対して、着磁ヘッドから磁界を印加して磁性層97に着磁を行い、永久磁石96を得る。
(評価結果)
図3は、本発明を適用した磁気スケール9の内挿誤差を示すグラフであり、磁性層97の厚さを100μm、200μm、300μm、400μmとした場合における検出ギャップと内挿誤差との関係を示すグラフである。図4は、本発明を適用した磁気スケール9のヒステリシス誤差を示すグラフであり、磁性層97の厚さを100μm、200μm、300μm、400μmとした場合における検出ギャップとヒステリシス誤差との関係を示すグラフである。図5は、本発明を適用した磁気スケール9の着磁精度を示すグラフであり、磁性層97の厚さと着磁精度との関係を示すグラフである。なお、図3および図4では、磁性層97の厚さが100μmの場合の特性を実線L100によって示し、磁性層97の厚さが200μmの場合の特性を実線L200によって示し、磁性層97の厚さが300μmの場合の特性を実線L300によって示し、磁性層97の厚さが400μmの場合の特性を実線L400によって示してある。また、検出ギャップは、磁気スケール9(永久磁石96の磁気センサ装置1側の面960)と磁気センサ素子25との間隔に相当する。
図3に示すように、検出ギャップが0.15mmである場合、磁性層97の厚さが100μm、200μm、300μm、400μmのいずれの場合でも、内挿誤差が同等である。但し、検出ギャップが0.25mm、0.35mmとなった場合、磁性層97の厚さが200μm、300μm、400μmに変化した場合でも内挿誤差が同等であるが、磁性層97の厚さが100μmの場合には、検出ギャップが0.25mm、0.35mmまで拡大するに伴い、内挿誤差が増大する。
図4に示すように、磁性層97の厚さが100μm、200μm、300μm、400μmのいずれの場合でも、検出ギャップが拡大するに伴い、ヒステリシス誤差が増大する傾向にある。但し、磁性層97の厚さが200μm、300μm、400μmである場合、検出ギャップの拡大に伴うヒステリシス誤差の増大が緩やかあるが、磁性層97の厚さが100μmである場合、検出ギャップの拡大に伴うヒステリシス誤差の増大が急激である。
図5に示すように、磁性層97の厚さが100μmから200μmに増大した際、着磁精度が急激に低下すると、磁性層97の厚さが200μmから300μmあるいは400μmまで増大した場合の着磁精度の低下は緩やかである。
従って、内挿誤差、ヒステリシス誤差、および着磁精度を考慮した場合、磁性層97の厚さは200μm以上であることが好ましい。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の磁気式エンコーダ100に用いた磁気スケール9は、非磁性材料からなるベース板95の一方面950に形成された磁性層97(磁性塗膜)によって永久磁石96が形成され、ベース板95は可撓性の樹脂基板である。このため、ベース板95を湾曲させることができるため、磁気スケール9が長い場合、長い磁気スケール9を丸めて運ぶことができる等、取扱いが容易である。また、ベース板95は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であるため、機械的強度や靱性が大である。
また、磁性層97は、樹脂層内に磁性粉が分散している磁性塗膜であるため、磁性層97も可撓性を有する。このため、磁気スケール9を丸めた際、磁性層97に剥離や割れ等の事態が発生しにくい。
また、磁性層97において、磁性粉がフェライト系であるため、内挿によって位置等を求めた際、分解能の向上を図ることができる。また、磁性層97において、樹脂層がエポキシ樹脂層であるため、磁性層97とベース板95との密着性が高い。特に、本形態では、ベース板95がガラスエポキシ基板であり、磁性層97の樹脂層がエポキシ樹脂層であるため、ベース板95および磁性層97の基本材料がいずれもエポキシ樹脂である。従って、磁性層97とベース板95との密着性が高い。また、磁性層97は、フェライト等の磁性粉が充填材として充填されたエポキシ樹脂層からなり、ベース板95に用いたガラスエポキシ基板と熱膨張係数の差が小さい。従って、温度変化が発生した際、磁気スケール9等に反り等が発生しにくい。
また、磁気式エンコーダ100が搭載される機器において、磁気スケール9が固定されるフレーム等はアルミニウム製であることが多い。この場合でも、ベース板95に用いたガラスエポキシ基板は、アルミニウムと熱膨張係数の差が小さいので、温度変化が発生した際、磁気スケール9とフレームとの間に位置ずれ等が発生しにくいという利点がある。
また、永久磁石96は、ベース板95とは反対側の面が露出状態にあり、永久磁石96を覆う保護層が設けられていない。このため、磁気式エンコーダ100を構成した際、磁性層97と磁気センサ素子25との間隔を狭めても、磁気スケール9と磁気センサ素子25との間隔が広い。従って、永久磁石96と磁気センサ素子25との接触が発生しにくい。
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、磁極のピッチが1.0mm以下であるという構成に対応させて、磁性粉としてフェライト系磁性粉を用いたが、磁極のピッチが1.0mmを超える場合、磁性粉としてネオジウム系磁性粉、サマリウム系磁性粉、メタル系等の高磁力磁性粉を用いてもよい。
上記形態では、磁気センサ装置1において飽和感度領域以上の磁界強度で回転磁界の方向を検出する磁気式エンコーダ100に本発明を適用したが、一定方向の磁界の強弱により位置検出するタイプの磁気式エンコーダ100や、飽和感度領域以外の領域の磁界強度で回転磁界の方向を検出するタイプの磁気式エンコーダ100に本発明を適用してもよい。また、上記形態では、磁気式リニアエンコーダに本発明を適用したが、磁気式ロータリエンコーダに本発明を適用してもよい。
上記実施の形態の磁気スケール9において、トラック91の数が3つであったが、トラック91の数が1つ、2つ、あるいは4つ以上である場合に本発明を適用してもよい。
1…磁気センサ装置、9…磁気スケール、10…剛性基板、91…トラック、95…ベース板、96…永久磁石、97…磁性塗膜、100…磁気式エンコーダ

Claims (10)

  1. 非磁性材料からなるベース板と、
    前記ベース板の一方面に形成された磁性層によって構成され、前記ベース板の長手方向に沿ってN極とS極とが交互に設けられた永久磁石と、
    を有し、
    前記ベース板は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であることを特徴とする磁気スケール。
  2. 前記多孔性芯材は、ガラス製のシートからなることを特徴とする請求項1に記載の磁気スケール。
  3. 前記多孔性芯材は、ガラス繊維の織布からなることを特徴とする請求項2に記載の磁気スケール。
  4. 前記樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の磁気スケール。
  5. 前記磁性層は、樹脂層内に磁性粉が分散している層であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁気スケール。
  6. 前記磁性粉は、フェライト系であることを特徴とする請求項5に記載の磁気スケール。
  7. 前記樹脂層は、エポキシ樹脂層であることを特徴とする請求項5または6に記載の磁気スケール。
  8. 前記永久磁石は、前記ベース板とは反対側の面が露出状態にあることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の磁気スケール。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の磁気スケールを備えた磁気式エンコーダであって、
    前記磁気スケールからの磁界を検出する磁気センサ素子を有することを特徴とする磁気式エンコーダ。
  10. 前記磁気センサ素子は、磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項9に記載の磁気式エンコーダ。
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