以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。尚、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
本発明に位置検出装置の全体構成について図1を用いて説明する。図1は、位置検出装置の構成を示す側面図である。位置検出装置はスケール10と、スケール10の上に設けられた位置検出ヘッド20とを備えている。スケール10は、X方向に沿って設けられている。位置検出ヘッド20は、X方向に移動可能に設けられている。例えば、位置検出ヘッド20はX方向のガイドレールに沿って移動する移動体に取り付けられている。そして、位置検出ヘッド20は、スケール10に対するX方向の座標を検出する。これにより、移動体の移動距離、すなわち、X方向の位置を検出することができる。換言すると±X方向が位置検出ヘッド20の移動方向となる。ここで、図1に示すように、鉛直方向をZ方向とする。また、水平方向のうち、移動方向(X方向)と垂直な方向をY方向とする。なお、位置検出ヘッド20は、スケール10に対して相対移動可能であればよい。すなわち、スケール側を移動させるようにしてもよい。スケール10と位置検出ヘッド20とのZ方向の間隔は、例えば、1mmあるいは数mm程度とすることが可能である。
次に、スケール10の構成について図2を用いて説明する。図2は、スケール10の構成を示す上面図である。スケール10は強磁性体によって形成されている。X方向に沿って設けられたスケール10には、2列のパターンが形成されている。ここでは、この2列のパターンをそれぞれA列11及びB列12とする。A列11及びB列12にはそれぞれ所定の間隔で角穴13、角穴15が設けられている。すなわち、スケール10のA列11には、貫通孔である角穴13が1列に設けられている。また、スケール10のB列12には、貫通孔である角穴15が1列に設けられている。−X側の端に設けられた角穴13と角穴15とは、−X側の端部が一致している。
A列11では、複数の角穴13からなるパターンがX方向に沿って配列されている。隣接する角穴13の間には、強磁性体からなるスケールバー14が配置されている。スケールバー14は所定の間隔で配列されている。ここで、角穴13は1辺が3mmの正方形である。また、A列11のパターンの周期は5mmである。従って、A列11では、2mm幅のスケールバー14が3mm間隔で配列されている。すなわち、A列11には、3mmの角穴13と強磁性体からなる2mmのスケールバー14が交互に設けられている。換言すると、A列11には3mmの角穴13の間に強磁性体からなる2mmのスケールバー14が配置される。このように、A列11では、角穴13及びスケールバー14がX方向に沿って1列に配列されている。また、A列11のパターン周期は5mmであるため、A列11では位相にして360°が5mmに対応する。従って、A列11では、パターン周期の180°に対応する距離は2.5mmであり、パターン周期の90°に対応する距離は1.25mmである。
B列12は、A列11とパターン周期が異なる構成を有している。すなわち、B列12にも複数の角穴15からなるパターンがX方向に沿って配列されている。その複数の角穴15の間には、強磁性体からなるスケールバー16が配置されている。ここで、B列12の角穴15はA列11の角穴13と同じ1辺が3mmの正方形である。しかしながら、B列12のパターンの周期は、5.015mmである。すなわち、B列12には、3mmの角穴15と強磁性体からなる2.015mmのスケールバー16が交互に設けられている。換言すると、B列12には3mmの角穴15の間に強磁性体からなる2.015mmのスケールバー16が配置される。このように、B列12では、角穴15及びスケールバー16がX方向に沿って1列に配列されている。また、B列12のパターン周期は5.015mmであるため、B列12では位相にして360°が5.015mmに対応する。よって、B列12では、パターン周期の180°に対応する距離は2.5075mmであり、90°に対応する距離は1.25375mmである。
ここで、スケール10のY方向の幅は例えば、10mmとすることができる。具体的には、A列11とB列12との間を2mmとし、A列11の角穴13からスケール10の端までを1mmとする。また、B列12の角穴15からスケール10の端までを1mmとする。これにより、スケール10の幅が10mmとなる。このように、スケール10を強磁性体で形成することにより、スケール10の幅を小さくすることができる。もちろん、スケール10のX方向の長さは、位置を検出する範囲に応じて決定する。スケール10の厚さは、例えば、0.3mm〜1mm程度のものとすることができる。なお、上記のスケール10の構成は、典型的な一例であり、スケール10の形状は上記の構成に限られるものではない。例えば、スケール10に設けられたパターン周期を、例えば、5〜10mmとすることもできる。また、スケール10の幅を2.5〜5mm程度とすることができる。これにより、位置検出装置のさらなる小型化を図ることができる。
このように、スケール10には、所定のピッチでスケールバー14、16が形成されている。すなわち、強磁性体パターンが所定のピッチで設けられている。そして、A列11とB列12とで強磁性体のピッチが異なる。上記の構成のスケール10は、例えば、強磁性体の板に角穴13、角穴15となる貫通孔を形成することによって、容易に製造することができる。スケール10の材質としては、例えば、SUS430や軟鉄、パーマロイ等を用いることができる。
位置検出ヘッド20は、スケール10のA列11及びB列12に沿って移動する。位置検出ヘッド20は、スケール10のパターンの変化によって、位置を検出する。具体的には、位置検出ヘッド20には、磁石及び磁気センサが設けられている。ここで、磁石からによって生じる磁力線は、強磁性体が存在する所に集中する。よって、位置検出ヘッド20の下に位置するスケール10のパターンに応じて、磁石からの磁力線の向きが変化する。従って、位置検出ヘッド20を移動させると、磁気センサの出力が変化する。すなわち、位置検出ヘッド20がX方向に移動すると、磁場の方向及ぶ強さが変化する。位置検出ヘッド20に設けられている磁気センサで磁場の方向を検出することによって、位置を検出することができる。
次に、位置検出ヘッド20の構成について図3及び図4を用いて説明する。図3は、位置検出ヘッド20の下面側の構成を示す平面図である。すなわち、図3では、スケール10と対向する面の構成が示されている。図4は、位置検出ヘッドの構成を示す正面図である。すなわち、図4は位置検出ヘッド20を進行方向側から見た図を示している。位置検出ヘッド20には、磁気センサ41a、磁気センサ41b、磁気センサ43a、磁気センサ43bが設けられている。この磁気センサ41a、磁気センサ41b、磁気センサ43a、磁気センサ43bがスケール10のA列上に配置される。さらに、位置検出ヘッド20には、B列12の上に配置される磁気センサ51a、磁気センサ51b、磁気センサ53a、磁気センサ53bが設けられている。
ここで、位置検出ヘッド20のY方向の中心には、磁石21が設けられている。磁石21は、+Y側がS極であり、−Y側がN極である。すなわち、板状の磁石21がX方向に沿って設けられ、+Y側がS極、−Y側がN極になるよう配置されている。ここで、図3に示すように磁石21のS極側の面をS極21Nとし、N極側の面をN極21Nとする。ここで、磁石21のS極21Nには、センサ保持基板31が取り付けられている。センサ保持基板31には、磁気センサ41a及び磁気センサ41bが取り付けられている。すなわち、センサ保持基板31の+Y側の面には、磁気センサ41a及び磁気センサ41bが設けられ、−Y側の面は磁石21のS極21Sと対向配置されている。
ここで、センサ保持基板31及びセンサ保持基板31に設けられた磁気センサ41a及び磁気センサ41bの構成について図5を用いて説明する。図5は、センサ保持基板31及びセンサ保持基板31に設けられた磁気センサ41a及び磁気センサ41bの構成を示す平面図である。図5に示すように、センサ保持基板31には、磁気センサ41a及び磁気センサ41bが装着されている。磁気センサ41a及び磁気センサ41bは同じ構成を有している。磁気センサ41aと磁気センサ41bとは、X方向に一定の距離を隔てて配置されている。ここで、1つのセンサ保持基板に設けられている2つの磁気センサを磁気センサ群42と称する。すなわち、センサ保持基板31には、磁気センサ41a及び磁気センサ41bから構成される磁気センサ群42が設けられている。
センサ保持基板31の端部には、端子48が設けられている。端子48は、磁気センサ41a、41bに電源電圧及び接地電圧を供給するための入力端子である。なお、センサ保持基板31の裏面側には、磁気センサ41a、41bからの出力信号を取り出すための出力端子が同様に設けられている。すなわち、センサ保持基板31の−X側の端部には表裏合わせて4つの端子48が設けられている。そして、この端子48に外部から配線を接続することによって、磁気センサ41a、41bが磁気を検出する。さらに、センサ保持基板31には、端子48から磁気センサ41a、41bまでの配線(図示せず)やスルーホール(図示せず)が設けられている。
センサ保持基板31のX方向の大きさは、例えば、20mm程度である。また、センサ保持基板31のZ方向の幅は約3mmであり、厚さは約0.5mmである。なお、上記の寸法は、センサ保持基板31の一例であり、センサ保持基板31は、上記の寸法に限られるものではない。また、センサ保持基板31は、例えば、樹脂などの磁気に影響を与えない非磁性体の材料から形成される。例えば、センサ保持基板31として、プリント配線基板を用いることができる。
磁気センサ41a、41bは、例えば、X方向に2mmの長さを有している。また、磁気センサ41a、41bは、例えば、Z方向に3mmの幅を有している。磁気センサ41a、41bは、例えば、約1mmの高さを有している。なお、上記の寸法は、磁気センサ41a、41bの一例であり、磁気センサ41a、41bは、上記の寸法に限られるものではない。
磁気センサ41a、磁気センサ41bの表面には、それぞれ4つのMR素子61が設けられている。この4つのMR素子61はブリッジ接続されている。すなわち、磁気センサ41a、41bはフルブリッジタイプのセンサである。それぞれのMR素子61は、それぞれ特定の方向の磁場強度に応じた出力信号を出力する。MR素子61において電流が流れる方向と垂直な方向に磁界が与えられると、MR素子61にホール電圧が生じる。このホール電圧に応じて、MR素子61の電気抵抗が変化する。従って、MR素子61からは、特定の方向の磁場強度に応じた出力信号が出力される。さらに、4つのMR素子61の方向を変えることによって、磁気センサ41aからは磁場の方向及び強さに応じた検出信号が出力される。このようにMR素子61は、磁力線が電流の方向に対して平行な方向か直交な方向かによって、抵抗値が変化する。すなわち、磁力線の方向とMR素子61の方向とに応じて出力が変化する。
具体的には、図5に示す4つのMR素子のうち右下と左上に配置された2つのMR素子61bが検出する磁場の方向と、右上と左下に配置された2つのMR素子61aが検出する磁場の方向を90°変化させる。すなわち、2つのMR素子61aの方向とMR素子61bの方向とを直交させる。さらに、対角に位置する2つのMR素子61aの方向を一致させ、かつ対角に位置する2つのMR素子61bの方向を一致させる。従って、ブリッジ回路の隣接する辺には、検出方向が異なるMR素子61aとMR素子61bとが配設される。そして、これらのMR素子61を負荷としてブリッジ接続する。MR素子61は、XZ平面上に配置される。そして、MR素子61を横切る磁場の方向及び強度によって、出力が変化する。これにより、磁場の方向及び強度に応じてブリッジ回路からの検出信号が変化する。この接続及び磁気の検出については、後述する。
なお、本実施の形態において、MR素子61ではなく、ホール素子などの他の磁気検出素子用いることが可能である。なお、磁気センサに設けられる磁気検出素子は、ブリッジ型であればよく、フルブリッジタイプやハーフブリッジタイプのものであってもよい。すなわち、検出方向が直交する2つの磁気検出素子をブリッジの隣接する辺に配設したハーフブリッジ型の磁気センサを用いてもよい。また、センサ保持基板32、33、34についても同様の構成を有している。このように、センサ保持基板31、32、33、34には、それぞれ2つの磁気センサから構成される磁気センサ群が装着されている。よって位置検出ヘッド20は4つの磁気センサ群を有している。
図3及び図4に示すように、センサ保持基板31が磁石21のS極側に設けられている。すなわち、センサ保持基板31の磁気センサ41a、41bが実装された実装面と反対側の面が磁石21のS極21Sと対向するように配置される。従って、磁石21は磁気センサ41a、41bのMR素子に対してバイアス磁界を与える。また、磁気センサ41a、41bがX方向において、磁石21の中央の近傍になるように設けられている。
そして、センサ保持基板31と対向するようにセンサ保持基板32が配置されている。センサ保持基板32は、図5で示したセンサ保持基板31と同様の構成を有している。従って、センサ保持基板31に設けられた磁気センサ41a、41bとセンサ保持基板32に設けられた磁気センサ43a、43bとが向き合うように配置されている。すなわち、センサ保持基板31の磁気センサ41a、41bを実装した実装面と、センサ保持基板32の磁気センサ43a、43bを実装した実装面とが対向するように設けられている。センサ保持基板32の裏面側には、磁石22が設けられている。磁石22はS極22Sがセンサ保持基板32側になるように配置されている。従って、磁石22は磁気センサ43a、43bのMR素子に対してバイアス磁界を掛ける。
磁石22のS極22Sと磁石21のS極21Sとが対向するように配置される。すなわち、磁石22のS極22Sは磁石21のS極21Sに対して向き合うように配設されている。このように、磁石21と磁石22とはS極同士が向き合うように設けられている。そして、磁石21と磁石22との間にセンサ保持基板31及びセンサ保持基板32が設けられている。このセンサ保持基板31に実装された磁気センサ41a、41bは、センサ保持基板32に実装された磁気センサ43a、43bと向き合うように配設されている。従って、磁気センサ41a、41bと磁気センサ43a、43bとは、Y方向において近接して配置されている。すなわち、Y方向において磁気センサ41a、41bの表面と磁気センサ43a、43bの表面との位置が略一致するか、わずかな距離を隔てて配置されている。換言すると、Y方向における磁石21と磁石22の略中間に、磁気センサ41a、41bの表面と磁気センサ43a、43bの表面が配置される。
また、磁石21と磁石22とは同じ形状の磁石であり、同じ保持力を有している。従って、磁石21と磁石22とは同様の磁界を発生させる。磁石21と磁石22は、X方向及びZ方向において同じ位置に配置される。すなわち、X方向及びZ方向において、磁石21の端部と磁石22の端部とが一致している。磁石21と磁石22は同極が向かい合うように配置されている。そのため、Y方向において、磁石21と磁石22との中間では、磁場が打ち消される。すなわち、磁石21によって生じるY方向の磁場と磁石22によって生じるY方向の磁場が反対向きになり、磁石21と磁石22との間の空間では、図4の矢印で示される磁力線25がXZ平面と略平行な方向になる。そして、磁力線25は、例えば、±Z方向に向かう
ここで、センサ保持基板31とセンサ保持基板32とは、X方向にずれて配置されている。すなわち、図3に示すように、X方向において、磁気センサ41a、41bが、磁気センサ43a、43bと異なる位置に配設されている。磁気センサ41aは磁気センサ43aよりも+X側に配置され、磁気センサ41bは磁気センサ43bよりも+X側に配置される。従って、X方向において、磁気センサ41bは、磁気センサ43aと磁気センサ43bの間に配置され、磁気センサ43aは、磁気センサ41aと磁気センサ41bとの間に配置される、磁気センサ41a、41b及び磁気センサ43a、43bは、スケール10のA列11の上に配置される。そして、磁石21、22によってA列11上で生じる磁場を検出して、位置検出を行なう。
このように、位置検出ヘッド20は、一対の磁石21、22と一対の磁石間に設けられた一対のセンサ保持基板31、32を有している。一対の磁石21、22はそれぞれのS極が対向配置されている。そして、一対のセンサ保持基板31、32には、それぞれ磁気センサ群が設けられている。磁気センサ群がそれぞれ設けられた一対のセンサ保持基板31、32を挟持する一対の磁石21、22は、一方の磁極が向かい合うように配置されている。センサ保持基板31に設けられた2つの磁気センサ41a、41bとセンサ保持基板32に設けられた2つの磁気センサ43a、43bはそれぞれ対向するように配置されている。さらに、センサ保持基板31及びセンサ保持基板32のそれぞれに設けられた磁気センサ群は、X方向にずれて配置されている。そして、一対のセンサ保持基板31、32に設けられた磁気センサ41a、41b、43a、43bがスケール10のA列11上に配置される。
さらに、磁石21のN極21N側についても同様の構成を有している。すなわち、スケール10のB列12に対応して、一対のセンサ保持基板33、34及びそれらを挟持する磁石21、23が設けられている。具体的には、磁石21のN極側には、センサ保持基板33が設けられている。センサ保持基板33の、磁石21と反対側には、2つの磁気センサ51a、51bが設けられている。磁気センサ51a、51bは、X方向に一定の距離を隔てて配列されている。このように、位置検出ヘッド20の中央に配置された磁石21を挟むようにして、センサ保持基板31とセンサ保持基板33が配置されている。
さらに、センサ保持基板34がセンサ保持基板33と対向するように、配置されている。センサ保持基板34のセンサ保持基板33側には、磁気センサ53a、53bが実装さられている。従って、磁気センサ51a、51bと磁気センサ53a、53bとが対向するように配置される。すなわち、磁気センサ53a、53bは磁気センサ51a、51bと向き合うように設けられているまた、磁気センサ51a、51bと磁気センサ53a、53bとは、X方向にずれて配置されている。このように、センサ保持基板33に設けられた磁気センサ51a、51bとセンサ保持基板34に設けられた磁気センサ53a、53bとが向き合うように配置されている。すなわち、センサ保持基板33の磁気センサ51a、51bを実装した実装面と、センサ保持基板34の磁気センサ53a、53bを実装した面とが対向するように設けられている。
センサ保持基板34の裏面側には、磁石23が配設されている。すなわち、センサ保持基板34の磁気センサ53a、53bを実装した実装面と反対側の面は、磁石23と対向するように設けられている。さらに、磁石23は、そのN極23Nが磁石21のN極21Nと向かい合うように配置されている。すなわち、センサ保持基板34の実装面と反対側の面と、磁石23のN極23Nが対向するように配置されている。従って、磁石22のS極22Sと磁石21のS極21Sとが対向するように配置される。
このように一対の磁石21、23の間に、複数の磁気センサを有する一対のセンサ保持基板33、34が配設されている。一方のセンサ保持基板33に実装された磁気センサ51a、51bは、他方のセンサ保持基板34に実装された磁気センサ53a、53bと向き合うように配設されている。従って、磁気センサ51a、51bと磁気センサ53a、53bとは、Y方向において近接する位置に配置されている。すなわち、Y方向において磁気センサ51a、51bの表面と磁気センサ53a、53bの表面との位置が略一致するか、わずかな距離を隔てて配置されている。換言すると、Y方向における磁石21と磁石23の略中間に、磁気センサ51a、51bの表面と磁気センサ53a、53bの表面が配置される。
また、磁石23は磁石21及び磁石22と同じ構成を有する磁石である。すなわち、磁石23は磁石21と同じ形状の磁石であり、同じ保持力を有している。従って、磁石21と磁石22とは同様の磁界を発生させる。磁石21と磁石23は、X方向及びZ方向において同じ位置に配置される。すなわち、X方向及びZ方向において、磁石21の端部と磁石23の端部とが一致している。従って、磁石21、22、23は、Y方向に並設されている。磁石21と磁石23は同極が向かい合うように配置されているため、Y方向において、磁石21と磁石23との中間では、磁場が打ち消される。すなわち、磁石21によって生じるY方向の磁場と磁石23によって生じるY方向の磁場が反対向きになり、磁石21と磁石23との間の空間では、図4の矢印で示される磁力線25がXZ平面と略平行な方向になる。磁石21、22、23としては、例えば、フェライト系の磁石を用いることが好ましい。磁石21、磁石22及び磁石23は等間隔でY方向に並設されている。
ここで、センサ保持基板31とセンサ保持基板33とは、X方向にずれて配置されている。すなわち、図3に示すように、X方向において、磁気センサ51a、51bが、磁気センサ53a、53bと異なる位置に配設されている。磁気センサ51aは磁気センサ53aよりも−X側に配置され、磁気センサ51bは磁気センサ53bよりも−X側に配置される。従って、X方向において、磁気センサ51aは、磁気センサ53aと磁気センサ53bの間に配置され、磁気センサ53bは、磁気センサ51aと磁気センサ51bとの間に配置される、磁気センサ51a、51b及び磁気センサ53a、53bは、スケール10のB列12の上に配置される。そして、磁石21、23によって生じるB列12上での磁気を検出して、位置検出を行なう。
このように、位置検出ヘッド20は、一対の磁石21、23と一対の磁石間に設けられた一対のセンサ保持基板31、33を有している。一対の磁石21、23はそれぞれのN極が対向配置されている。そして、一対のセンサ保持基板31、33には、それぞれ磁気センサ群が設けられている。すなわち、磁気センサ群がそれぞれ設けられた一対のセンサ保持基板33、34を挟持する一対の磁石21、23は、一方の磁極が向かい合うように配置されている。センサ保持基板33に設けられた2つの磁気センサ51a、51bとセンサ保持基板34に設けられた2つの磁気センサ53a、53bはそれぞれ対向するように配置されている。さらに、センサ保持基板33及びセンサ保持基板34のそれぞれに設けられた磁気センサ群は、X方向にずれて配置されている。そして、一対のセンサ保持基板33、34に設けられた磁気センサ51a、51b、53a、53bがスケール10のB列12上に配置される。
−X側において、センサ保持基板が磁石からはみ出している箇所に図5で示した端子48が配置される。そして、この端子48にそれぞれ配線を接続する。これにより、電源電圧及びGNDを供給することができる。さらに、出力信号を取り出すことができる。
ここで、図3に示すように磁気センサ群を構成する2つの磁気センサのピッチCはスケール10のスケールバー14、16に対応した距離となっている。具体的には、2つの磁気センサのピッチCは、スケールバー14、16の周期の半分となっている。例えば、磁気センサ41a及び磁気センサ41bのピッチC、並びに磁気センサ43a及び磁気センサ43bのX方向のピッチCは、スケールバー14のピッチ5mmの1/2となっている。換言すると、磁気センサ41a及び磁気センサ41bのピッチCはA列11上のスケールバー14の1周期の180°に対応する距離となっている。従って、A列11上の2つの磁気センサ群に含まれる磁気センサのピッチcはそれぞれ、5mm/2となる。具体的には、磁気センサ41a及び磁気センサ41bのピッチCが2.5mmとなり、磁気センサ43a及び磁気センサ43bのピッチCも2.5mmとなる。ここで、磁気センサのX方向の大きさが2mmであるとすると、隣接する磁気センサ41a、41bの間の間隔は約0.5mmとなる。
一方、スケール10のB列12上に配置される2つの磁気センサ群を構成する磁気センサのピッチCは、B列12の周期の180°に相当する。すなわち、磁気センサ51a及び磁気センサ51bのピッチC、並びに、磁気センサ53a及び磁気センサ53bのピッチCも5.015/2mmとなる。
さらに、各列の上に配置される2つの磁気センサ群のずれ量Dも、スケール10のスケールバー14、16に対応した距離となっている。具体的には、2つの磁気センサ群のずれ量Dは、スケールバー14、16の周期の1/4となっている。例えば、磁気センサ41a、41bからなる磁気センサ群と、磁気センサ43a、43bからなる磁気センサ群のずれ量Dは、スケールバー14のピッチ5mmの1/4となっている。換言すると、磁気センサ41a、41bからなる磁気センサ群と磁気センサ43a、43bからなる磁気センサ群とのX方向のずれ量は、A列11のスケールバー14の1周期の90°に相当する距離となっている。従って、A列11上の2つの磁気センサ群のずれ量Dは1.25mmとなる。
また、B列12上に配置される2つの磁気センサ群のずれ量Dは、B列12の周期の90°に相当する。すなわち、磁気センサ51a、51bから構成される磁気センサ群と、磁気センサ53a、53bから構成される磁気センサ群とのX方向のずれ量は、5.015mm/4となる。このようにA列11の上には2つの磁気センサからなる磁気センサ群が2つ設けられている。また、B列12の上にも2つの磁気センサからなる磁気センサ群が2つ設けられている。そして、それぞれの列上に配置される2つの磁気センサ群のずれ量Dと、それぞれの磁気センサ群に含まれる複数の磁気センサのピッチCとは、スケール10の列の周期に対応した距離となっている。すなわち、磁気センサ群のずれ量D及び磁気センサのピッチCはスケール10の強磁性体のピッチに対応した距離となっている。
位置検出ヘッド20には、磁石21、22、23が設けられているため、スケール10の上には磁界が形成されている。この位置検出ヘッド20によって生成される磁界に基づく磁力線は、スケール10の強磁性体に集中する。すなわち、スケール10のスケールバー14、16で磁力線が密になり、角穴13、15では磁力線が粗になる。従って、位置検出ヘッド20をX方向に移動させると、磁石21、22、23によって生じる磁界に変化が生じる。すなわち、スケール10に対する位置検出ヘッド20の位置に応じて、磁界が変化する。位置検出ヘッド20に設けられている磁気センサで磁気の強さと方向を検出する。これによって、X方向の位置を検出することが可能となる。
この位置検出ヘッド20による位置の検出について図6を用いて説明する。図6は、位置検出ヘッド20のA列11上の構成を模式的に示す図である。図6(a)は、磁気センサ41a、41bからなる磁気センサ群42における側面断面図を示し、図6(b)は図6(a)に示す位置から位置検出ヘッド20を位相にして90°移動したときの側面断面図である。また、図6では紙面と垂直な方向にバイアス磁界が与えられている。
まず図6(a)について説明する。図6(a)に示すように、磁気センサ41a、41bにはそれぞれ4つのMR素子61が設けられている。また、磁気センサ41aに実装された4つのMR素子61はブリッジ接続されている。すなわち、検出方向が同じ2つのMR素子61aが対角に配置されている。また、検出方向の同じ2つのMR素子61bが対角に配置されている。検出方向が直交するMR素子61aとMR素子61bの間には、電源電圧端子、GND端子又は出力端子が設けられる。例えば、図6において、左上のMR素子61aと右上のMR素子61bとの間が電源電圧端子となり、左下のMR素子61bと右下のMR素子61aの間がGND端子となる。また、左上のMR素子61aと左下のMR素子61bの間が出力端子となり、右上のMR素子61bと右下のMR素子61aの間が出力端子となる。すなわち、図6の配置では、ブリッジ回路に対して、上側から電源電圧が供給され、下側からGNDが供給される。そして、左側及び右側から出力信号が取り出される。ここで、それぞれのブリッジ回路の右側の出力端子を出力端子62aとし、左側の出力端子を出力端子62bとする。
ここで、図6(a)では、隣接するスケールバー14の間に、磁気センサ群42が配置されている。すなわち、隣接するスケールバー14の中心と、磁気センサ41aと磁気センサ41bの中心とが一致する位置関係となっている。従って、スケール10の近傍では、磁石21からの磁力線25が強磁性体からなるスケールバー14に集中する。紙面と垂直な方向であった磁力線25はスケール10と近づくにつれて、図6(a)に示すように磁性体に集中する。そして、磁力線25は、スケールバー14において再度紙面と垂直な方向になる。ここで、磁気センサ41aと磁気センサ41bとはスケールバー14のピッチの半分だけ離れているため、磁気センサ41aを通る磁力線25と磁気センサ41bを通る磁力線25との方向が異なる。この場合、磁気センサ41aではMR素子61bにおいて電流が流れる方向と近い方向で、磁力線25が磁気センサ41aの表面を横切る。従って、MR素子61aの抵抗が増加する。すなわち、磁気センサ41aにおいて、MR素子61aの抵抗値は、MR素子61bの抵抗値よりも大きくなる。従って、図6(a)に示す配置では、磁気センサ41aの出力端子62aの電位は、磁気センサ41aの出力端子62bの電位よりも高くなる。
一方、磁気センサ41bでは、MR素子61aにおいて電流が流れる方向と近い方向で、磁力線25が磁気センサ41bの表面を横切る。従って、MR素子61bの抵抗が増加する。すなわち、磁気センサ41aにおいて、MR素子61bの抵抗値は、MR素子61aの抵抗値よりも大きくなる。このように、磁気センサ41aと磁気センサ41bとで、磁力線が横切る方向が異なるため、出力電圧が変化する。従って、図6(a)に示す配置では、磁気センサ41bの出力端子62bの電位は、磁気センサ41bの出力端子62aの電位よりも高くなる。
ここで、磁気センサ41aのブリッジ回路と磁気センサ41bのブリッジ回路とを並列にクロス接続している。すなわち、磁気センサ41aのブリッジ回路と磁気センサ41bのブリッジ回路とを逆向きに並列接続している。具体的には、磁気センサ41aのブリッジ回路の出力端子62aと磁気センサ41bのブリッジ回路の出力端子62bとを接続する。また、磁気センサ41bのブリッジ回路の出力端子62aと磁気センサ41aのブリッジ回路の出力端子62bとを接続する。
図6(a)の構成では磁気センサ41aの出力端子62a及び磁気センサ41bの出力端子62bからの出力信号63のレベルは、磁気センサ41bの出力端子62a及び磁気センサ41aの出力端子62bからの出力信号64のレベルよりも高くなっている。差動増幅器65は、出力信号63から出力信号64を差分を取っている。すなわち、差動増幅器65は出力信号63から出力信号64を引いた信号を検出信号66として出力している。よって、図6(a)の構成において、差動増幅器65により出力信号63と出力信号64の差分を取ると、差動増幅器65からの検出信号66は負となる。
次に図6(b)の構成について説明する。図6(b)では、位置検出ヘッド20が図6(a)の構成から移動している。具体的には、図6(a)に示す位置関係から、位置検出ヘッド20が、スケール10の位相にして180°移動している。すなわち、図6(a)と図6(b)では位置検出ヘッド20が2.5mm移動している。ここではMR素子61を横切る磁力線25が図6(a)の方向と略垂直になっている。従って、磁気センサ41aにおいて、MR素子61bの抵抗値がMR素子61aの抵抗値よりも高くなる。これにより、磁気センサ41aの出力端子62bの電位は、磁気センサ41aの出力端子62aの電位よりも高くなる。また、磁気センサ41bにおいて、MR素子61aの抵抗値がMR素子61bの抵抗値よりも高くなる。磁気センサ41bの出力端子62aの電位は、磁気センサ41bの出力端子62bの電位よりも高くなる。従って、差動増幅器65により出力信号63と出力信号64の差分を取ると、差動増幅器65からの検出信号66は正となる。
このように、スケールバー14によって、磁場のバランスがくずれる。また、スケールバー14と磁気センサ41a、41bの位置関係によって、磁場が変化する。従って、図6(a)に示す構成と、図6(b)に示す構成とでは、磁場のバランスが逆方向にくずれ、検出信号のレベルが反対の符号となる。すなわち、図6(a)では、検出信号66が負となり、図6(b)では、検出信号66が正となる。さらに、磁気センサ41a、41bの一方がスケールバー14の中央に配置された場合、他方が角穴13の中央に配置される。この場合、検出信号66が0となる。従って、1周期分の距離を移動するとき、検出信号が0となる点が2箇所存在する。
ここで、位置検出ヘッド20がスケールに沿って移動すると、検出信号66はsinカーブを描いて変化する。すなわち、スケール10のスケールバー14と磁気センサ41a、41bとの位置がずれていくと、MR素子61を横切る磁力線25の方向が変化していく。MR素子61を横切る磁力線の方向は、X方向における磁気センサにおけるMR素子61の素子形成面と、スケールバー14との位置関係によって変化する。従って、位置検出ヘッドを移動させると、検出信号66が周期的に変化する。この検出信号66のsinカーブの周期は、スケール10の周期と同じである。従って、検出信号66は1周期が5mmのsinカーブとなる。
ここで、磁気センサ群42には2つの磁気センサ4a、41bが設けられている。そして、2つの磁気センサ41a、41bのセンサブリッジは、並列接続されている。従って、磁力線の集中のしかたやMR素子の非直線性に起因するsinカーブの2次高調波成分をキャンセルすることができる。この結果、きれいな正弦波を得ることができる。
さらに、図3及び図4で示したように、A列11上には、90°ずれた2つの磁気センサ群が配列されている。従って、磁気センサ43a、43bを含む磁気センサ群からの検出信号は、上記の検出信号から90°ずれたものとなる。従って、sinカーブの検出信号とcosカーブの検出信号とを得ることができる。すなわち、A列12の上に配置された2つの磁気センサ群の一方からの検出信号がsin波形となり、他方がcos波形となる。2つの検出信号によって、スケール10に対する位置検出ヘッドの位置を算出することができる。
具体的には、図7に示すように、磁気センサ41a、41bからなる磁気センサ群からの出力信号63及び64を差動増幅器65に入力する。磁気センサ41aと磁気センサ41bとはスケールバーの周期に対して位相として180°ずれているため、差動増幅器65から出力される検出信号66はsin波形となる。一方、磁気センサ43a、43bからなる磁気センサ群についても同様に、ブリッジ回路が逆方向に並列接続されている。磁気センサ43a、43bからなる磁気センサ群からの出力信号67、68は差動増幅器69に入力される。差動増幅器69は同様に出力信号67と出力信号68との差分を取る。ここで、磁気センサ43a、43bからなる磁気センサ群は磁気センサ41a、41bからなる磁気センサ群に対して、スケールピッチの位相として90°ずれている。従って、差動増幅器69から出力される検出信号70は、cos波形となる。検出信号66及び検出信号70は演算処理部71に入力される。演算処理部71は、sin波形である検出信号66と、cos波形である検出信号70とに基づいて、スケールに対する位置検出ヘッド20の位相を検出する。これにより、スケール10のA列11に対する位置検出ヘッド20の位相を算出することができる。なお、図7では、MR素子61の負荷について省略して図示している。
ここで、A列11上の位相の算出方法について説明する。上記のように、検出信号66はsin波形となり、検出信号70はcos波形となる。位置検出ヘッド20の移動中に、位置検出ヘッド20とスケール10との距離が変化した場合、sinとcosの振幅が変化するが、その中心値は変化しない。位相をφとすると、検出信号66及び検出信号70はそれぞれ、Msinφ、Mcosφで表すことができる。つまり、検出信号66及び検出信号70は、振幅がM倍された信号として出力される。ここで、Mがφによって変化してしまうことがある。
tanφ=sinφ/cosφの原理があるため、
tanφ=Msinφ/Mcosφ=(検出信号66)/(検出信号70)
となる。
演算処理部71において、
φ=tan−1(検出信号66)/(検出信号70)
という演算を行なうことによって位相を求めることが可能となる。これにより、振幅Mによらず、位相を正確に算出することができる。そして、スケール10の強磁性体パターンの周期に対する位相に基づいて位置を検出する。
cosφでの割り算を含めて、tanの逆変換は、±45°の範囲で精度よく行なうことができる。しかしながらその範囲を超えると誤差が大きくなる。従って、±45°の範囲でtanの逆関数(arctan)を採用することが好ましい。
具体的には、下記の4つに場合分けすることにより、φを精度よく算出することが可能となる。
(1)0±45°の範囲:(cosφ>sinφ、かつ、sinφ>−cosφ)
φ=arctan(検出信号66/検出信号70)
(2)45°〜135°の範囲:(sinφ>−cosφ、かつ、sinφ>cosφ)
φ=90°−arctan(検出信号70/検出信号66)
(3)135°〜225°の範囲:(sinφ>cosφ、かつ、−sinφ>cosφ)φ=180°+arctan(検出信号66/検出信号70)
(4)225°〜315°の範囲:(−sinφ>cosφ、かつ、cosφ>sinφ)φ=270°−arctan(検出信号70/検出信号66)
この場合、±45の範囲だけarctanのテーブル等を持つだけで、簡便に位相φを算出することができる。すなわち、演算処理部71に±45の範囲だけarctanのテーブルを記憶させ、arctanのテーブルと検出信号に応じて位相φを計算する。例えば、デジタル信号に変換された検出信号66及び検出信号70の値によって、位相φを算出することができる。もちろん、アナログの検出信号66、70に基づいて位相φを算出してもよい。なお、演算処理部71の機能として、振幅の検出と、その中心値を求めることによる自動振幅・オフセット調整機能を持たせてもよい。なお、ここでの振幅調整は、sinとcosのバランスを取るだけである。
さらに、B列12に対してもA列11と同様に2つの磁気センサ群42が設けられている。そして、2つの磁気センサ群はスケール10のパターン周期に応じた距離だけずれて配置されるとともに、磁気センサ群に含まれる磁気センサがスケールのパターン周期に応じて配置されている。すなわち、B列に対しても、磁気センサがB列のパターン周期に応じた配置となっている。従って、B列12についても、sin波形となる検出信号とcos波形となる検出信号を得ることができる。これにより、上記と同様に、スケール10のB列12に対する位置検出ヘッド20の位相を算出することができる。この場合、±45の範囲だけarctanのテーブルを共通して使用することによって、容易に位相を算出することができる。
さらに、A列11とB列12では、スケール10のピッチが異なっている。すなわち、スケール10の強磁性体が異なる周期で配列されている。従って、A列11上での位相φaと、B列12上での位相φbとを求めることによって、位置検出ヘッド20の位置を一義的に算出することができる。すなわち、A列11での位相φaとB列12での位相φbとから、スケール10の端から通過したスケールバー14の数を算出することができる。すなわち、A列11での位相φaとB列12での位相φbとに基づいて、スケール10の端から何番目のスケールバー14にいるかを求めることができる。
例えば、現在の位置をN周期目とすれば、A列11とB列12でスケールバー14のピッチが0.015mm違うことから、
N=(φb−φa)/(360×0.015/5)
となる。
従って、現在位置Pは
P=N×5+5×φa/360
となる。このように、スケール10に2列のパターンを設けることによって、絶対位置を検出することができる。これにより、簡易な構成で位置検出を精度よく行なうことができる。また、非着磁式のスケール10を用いているため、スケール10の幅を狭くすることができる。従って、装置の小型化を図ることができる。また、高調波成分を除去することができるため、精度の高い検出を行なうことができる。
なお、上記の説明では、絶対位置を検出するため、スケール10に2列の強磁性体パターンを設けたが、相対位置の検出を行なう場合、スケール10に形成する強磁性体パターンは1列であってもよい。これにより、さらにスケール10の幅を狭くすることができるため、装置の小型化を図ることができる。なお。相対位置検出の場合は、+X方向に1周期分移動したら、カウント数Nをインクリメントする。また、−X方向の1周期分移動したら、カウント数Nをデクリメントする。これにより、±X方向の移動で通過したスケールバー14の数を求めることができる。従って、上記の式によって、相対的な現在位置Pを求めることができる。すなわち、スケール10の任意の点から移動した距離を算出することができる。
このように、スケール10に2列の強磁性体パターンを異なるピッチで形成して、上記の構成で各列の位相を検出する。これにより、検出精度の高いアブソリュート型リニアエンコーダを実現することができる。また、1列のみを設けた場合は、検出精度の高いインクリメント型リニアエンコーダを実現することができる。このように、上記の位置検出ヘッド20はリニアエンコーダに好適である。
上記の構成の位置検出ヘッド20の各構成部品は、例えば、接着材で固定されている。例えば、磁石にはセンサ保持基板が対向配置されている。そしてセンサ保持基板上には、磁気センサ群が実装されている。各構成部品を固定するため、磁気センサが実装されたセンサ保持基板を磁石上に配置する。そして、位置検出ヘッド20の全体に対して、硬化性樹脂からなる接着材を塗布する。これにより、位置検出ヘッド20が接着材で覆われる。このとき、センサ保持基板の間にも、接着材を塗布する。接着材が硬化する前、あるいは接着材の塗布前に、それぞれのセンサ保持基板の位置決めを行なう。位置決めされた状態で接着材を硬化することによって、ピッチC及びずれ量Dの位置精度を向上することができる。この位置検出ヘッド20をリニアガイド等に取り付ける。これにより、位置検出ヘッド20をスケール10の上に移動可能に設けることができる。
具体的には、上記の位置検出ヘッドを形成するため、例えば、3つの磁石をそれぞれ同極が向かい合いように対向配置させ、固定する。そして、それぞれの磁石間に磁気センサが実装されたセンサ保持基板をスライド挿入する。そして、所定の位置になったら、接着材を位置検出ヘッドに塗布する。そして、接着材が硬化する前のセンサ保持基板の位置を微調整する。これにより、精度よく位置検出ヘッドを形成することができ、検出精度を向上させることができる。
また、センサ保持基板上のMR素子61は、半導体モノリシック構造の上に、フォトリソグラフィーで作成することも可能である。これにより、位置調整を容易に行うことができ、高精度の磁気センサを作成することができる。また、チップマウンタ等の電子部品の実装機を用いて、プリント配線基板上にMR素子61を実装してもよい。さらに、センサ保持基板を磁石としてもよい。すなわち、板状の磁石をセンサ保持基板として、その上から磁気センサを設ける。これにより、簡易な構成とすることができる。すなわち、同極が向かい合う一対の磁石条に磁気センサを実装すればよい。これにより、一対に磁石間に2つの磁気センサ群が対向配置される。
対向するよう設けられた2つの磁気センサ群は、表面がほぼ接するように配置することが好ましい。すなわち、2つの磁気センサ群の間の隙間を小さくするように配置する。これにより、それぞれに磁気センサ群に含まれる磁気センサの表面の位置が近接する。すなわち、磁気センサ41a、41bの表面と、磁気センサ43a、43bの表面とが、Y方向において略同じ位置になる。ここで、磁気センサ41a、41bは、その表面、すなわちセンサ保持基板31の反対側の面において、横切る磁力線の向きを検出する。また、磁気センサ43a、43bは、その表面、すなわち、センサ保持基板32の反対側の面において、横切る磁力線の向きを検出する。従って、表面が接するように配置すると、検出面のY方向の位置が略一致する。従って、対向する磁気センサ群で同じ箇所の磁場あるいは、近接した箇所の磁場を検出することができる。よって、検出精度を高くすることができる。なお、磁気センサの表面には、MR素子61を保護する保護膜を形成してもよい。
なお、位置検出ヘッド20において、A列11とB列12とで、磁石21を共通して使用している。すなわち、磁気センサ41a、41bからなる磁気センサ群を磁石21のS極21S側に配置して、磁気センサ51a、51bからなる磁気センサ群を磁石21のN極21N側に配置している。換言すると、A列11のセンサ保持基板31とB列のセンサ保持基板33とで磁石21を挟持している。従って、同一の磁石21のN極側及びS極側に、A列の磁気センサ群とB列の磁気センサ群が配置される。すなわち、磁気センサ41a、41bと磁気センサ51a、51bが同じ磁石の異なる磁極側にそれぞれ配置される。この場合、A列11に対応する2つの磁気センサ群が磁石のS極の間に配置され、B列に対応する2つの磁気センサ群が磁石のN極の間に配置される。これにより、位置検出ヘッド20の幅を小さくすることができ、装置の小型化を図ることができる。
もちろん、A列11、B列12において、対向する磁極は、N極側及びS極側でもよい。例えば、A列側において、一対の磁石のN極が向かい合うよう配置され、B列側において一対の磁石21、23のS極側が向かい合うよう配置されていてもよい。さらに、A列と、B列とで磁石を共通して使用しない場合、A列において向かい合う磁極と、B列において向かい合う磁極とを同じ極性にすることができる。このように同極が向かい合うように配置された一対の磁石を設けることによって、一対の磁石のそれぞれの側に配置された磁気センサ群で磁界の変化を確実に検出することができる。従って、精度の高い測定を行うことができる。
なお、X方向において磁気センサ41a〜53bは、磁石21〜23の中央近傍に設けることが好ましい。これにより、磁力線の向きを、図4に示すようにXZ平面から平行な方向にすることができる。ここで、図3に示すように、磁石21、22、23の側長方向(X方向)の長さをLとする。磁石21の長さLを(C+D)の寸法と比べて、十分長くとることが好ましい。これにより、磁石の両端で生じる磁力線の乱れを低減することができる。よって、位置検出ヘッド20とスケール10の距離が変化した場合でも、正確に位置を検出することができる。この理由について下記に説明する。
例えば、X方向における磁石21の両端近傍では、磁力線が開いてしまう。これにより、位置検出ヘッド20とスケール10とのギャップによって、磁力線の方向に変化が生じてしまう。すなわち、X方向における磁石21の両端近傍では、磁石21の中央近傍で生じる磁場と異なる。従って、X方向における磁石の両端近傍に磁気センサ41a、41bが配置された場合、図4に示している磁石21の中央近傍における磁力線の方向から、異なる方向となってしまう。磁石21の長さLが、磁気センサの配置されている長さ(C+D)に比べて、小さい場合、スケール10と、位置検出ヘッド20とのギャップが変化すると、sinの検出信号と、cosの検出信号66、70の位相に変動が生じる。したがって、測定結果に誤差が生じてしまう。上記の理由から、X方向における磁石21、22、23の長さLをスケールピッチの4倍以上とすることが好ましい。これにより、スケール10と位置検出ヘッド20のギャップが変動した場合でも、正確に検出することができる。
上記の構成により、小型、ロープロファイルのアブソリュート型位置検出装置を提供することができる。従って、上記の位置検出装置は、例えば、マスク検査装置に好適である。例えば、マスクを移動させるマスクホルダーに位置検出ヘッドを取り付ける。これにより、マスクの位置を正確に検出することができる。具体的には、マスクを撮像するCCDカメラを配置した状態で、マスクホルダーを水平方向に移動させる。これにより、マスクの1ラインの画像を撮像することができる。さらに、CCDカメラの高さを変更させる。これにより、マスク全面の検査を行うことができる。また、小型化を図ることができるため、省スペースで実装できる。さらに、対物レンズなどの光学部品と干渉することがない。加えて、アブソリュートエンコーダであることから、マスクを載せたまま電源をオフしても、電源投入時に原点復帰する必要が無い。従って、電源再投入後、即座に現在位置を読み取ることができる。磁気式であるため、汚れ等に強く、様々な環境で利用することができる。従って、本発明にかかる位置検出装置は、マスク検査装置の他、工作機械や、形状測定装置などに好適であり、様々なアプリケーションが期待される。
実施例
上記の位置検出装置の実施例について図8、及び図9を用いて説明する。図8は、位置検出装置の実施例を模式的に示す図である。図8は、位置検出装置の構成を模式的に示す上面図であり、図8(b)は、位置検出装置の構成を模式的に示す側面図である。図9は、本実施例の位置検出装置における、サンプリングと通信のタイミングを示すタイミングチャートである。本実施例の位置検出装置の構成、及び方法については、上記のものと同様であるため、説明を省略する。
図8に示すようにスケール10の上には、絶縁テープ80が貼り付けられている。絶縁テープ80は、スケール10の略全体を覆うように設けられている。絶縁テープ80には、目盛り81が付されている。すなわち、目盛り81が表面に印刷されている絶縁テープ80をスケール10に貼り付ける。目盛り81は、X方向に沿って配置される。目盛り81には、長さに応じた数字が付されている。絶縁テープ80には、目盛り81が所定のピッチで印刷されており、その位置の数字を読み取ることによって移動距離を確認することができる。この目盛り81によって、目視で、位置検出ヘッド20のおおよその位置を確認することができる。これにより、位置検出ヘッド20が正常に動作しているか否かを簡便に確認することができる。なお、スケール10は、幅約10mmの強磁性体を打ち抜くことにより、形成することができる。
絶縁テープ80の上には、4本の電極テープ83が貼り付けられている。4本の電極テープ83のそれぞれは、X方向に沿って絶縁テープ80に貼り付けられている。従って、4本の電極テープ83はそれぞれY方向に所定の間隔で配置される。電極テープ83は、スケール10の長さ方向の略全体にわたって貼り付けられている。ここで、4本の電極テープ83のうち、スケール10の両端に配置された2本を電極テープ83a、83dとし、スケール10の内側に配置された2本を電極テープ83b、83cとする。すなわち、電極テープ83a、83dの間に、電極テープ83b、83cが配置される。電極テープ83は非磁性のステンレス等の金属で構成されている。従って、磁場に対する影響は無い。そして、電極テープ83の上面側では、金属が露出している。この電極テープ83は後述するように、電源電圧やGND電圧を供給するための配線、及び検出信号を伝送するための伝送線となる。
位置検出ヘッド20には、上記の磁石21、22、23と、センサ保持基板31〜34と磁気センサ41a〜53bとが取り付けられているベース90を備えている。すなわち、ベース90の下面側には、磁石21、22、23と、センサ保持基板31、32、33、34と磁気センサ41a〜53bとが図3で示す配置で設けられている。これにより、磁気センサ1a〜53bとがスケール10の近傍に配置される。ベース90は、X方向に移動可能に設けられている。なお、図8(a)では、ベース90の下面側に設けられている構成要素を点線で示している。さらに、ベース90の下面側には、電極テープ83と接触されるブラシ95が設けられている。すなわち、ブラシ95は、ベース90から下方向(−Z方向)に突出して設けられ、その先端が磁石21〜23やセンサ保持基板31〜34よりも下に位置する。これにより、ブラシ95の先端が電極テープ83の表面と接触する。従って、4つのブラシ95a〜95dが、4本の電極テープ83a〜83dとそれぞれ接続される。ブラシ95は、例えば、金属などの導電性材料により形成される。電極テープ83aとブラシ95aとが導通し、電極テープ83bとブラシ95bとが導通し、電極テープ83cとブラシ95cとが導通し、電極テープ83dとブラシ95dとが導通する。また、ブラシ95a〜95dを、弾性体に取り付けてもよい。これにより、ブラシ95a〜95dがスケール10に対して押圧される。従って、ブラシ95a〜95dと電極テープ83とを確実に接続することができる。このように、電極テープ83をスケール10に対して取り付けることによって、配線の接続を容易に行うことができる。すなわち、位置検出ヘッド20を移動しても、電源ラインや伝送線等の配線に干渉することがなくなる。よって、簡便に配線を接続することができる。また、ブラシ95は、電源ラインや伝送線と接続するためのコネクタとなる。
電極テープ83aを介して、ブリッジ回路に電源電圧が供給され、電極テープ83dを介して、ブリッジ回路にGND電位が供給される。すなわち、電極テープ83aは、ブラシ95aを介して位置検出ヘッド20に設けられているブリッジ回路の電源電圧端子と接続される。また、電極83dは、ブラシ95dを介して位置検出ヘッド20に設けられているブリッジ回路のGND端子と接続される。電極テープ83b及び電極テープ83cには、ブリッジ回路からの検出信号66、70がそれぞれ伝送される。従って、電極テープ83b及び電極テープ83cはシリアル通信回線を構成する。電極テープ83a、83dから供給された電源電圧、及びGND電位は、ブラシ95a、95dを介してブリッジ回路に印加される。換言すると、ブラシ95a、95dは、ブリッジ回路の電源電圧端子、及びGND端子にそれぞれ接続されている。
ベース90の上面側には、A/D変換器91と、制御IC92と、シリアル信号トランシーバ93とが設けられている。従って、A/D変換器91と、制御IC92と、シリアル信号トランシーバ93は位置検出ヘッド20の移動に応じて移動する。A/D変換器91の前段には、図7で示したように差動増幅器65、69が設けられている。従って、A/D変換器91は、上記の検出信号66、70をアナログ信号からデジタル信号に変換する。制御IC92は、A/D変換器91と、シリアル信号トランシーバ93の動作を制御する。例えば、制御IC92は、4chタイプのICであり、A/D変換器91からA列11、及びB列12に対応する検出信号66、70が入力される。そして、制御IC92は、所定のタイミングでシリアル信号トランシーバ93にデジタル変換された検出信号66、70を供給する。
シリアル信号トランシーバ93は、デジタル信号に変換された検出信号66、70を送信する通信部として機能する。シリアル信号トランシーバ93は、A列11、及びB列12に対応する検出信号66、67をシリアルに送信する。従って、A列11のsinに対応する検出信号66とcosに対応する検出信号70と、B列12のsinに対応する検出信号66と、B列のcosに対応する検出信号70とが、シリアル信号トランシーバ93から送信される。シリアル信号トランシーバ93はブラシ95b、95cと接続されている。シリアル信号トランシーバ93からブラシ95b、95cを介して送信された検出信号66、67は、電極テープ83b、83dを通って、シリアルI/F97に入力される。換言すると、電極テープ83b、83cが、シリアル信号トランシーバ93から送信される検出信号66、70の伝送線となる。シリアルI/F97はシリアル通信トランシーバ93からの信号を受信するシリアル通信レシーバを有している。シリアルI/F97は、パーソナルコンピュータ(PC)98と接続された制御回路96に設けられている。そして、PC98が検出信号66、70に基づいて上記のarctanの計算等が行なわれる。換言すると、位置検出ヘッド20に設けられたA/D変換器91と、位置検出ヘッド20の外部に設けられたPC98とが、図7に示す演算処理部71として機能する。このように、図7で示した演算処理部71は物理的に一体でなくもよい。
制御IC92は、ノイズを低減するため、図9に示すように、シリアル通信の間にサンプリング及びA/D変換を行なっている。すなわち、制御IC92はシリアル信号トランシーバ及びA/D変換器を制御して、サンプリング及びA/D変換と、通信とを交互に行なう。従って、テープ電極83中を流れる信号が伝送されている間は、サンプリングが行われない。これにより、テープ電極83中を流れる信号(電流)によって、磁気が乱れても、正確に位置を検出することができる。すなわち、テープ電極83中に信号が流れている間は、磁場が発生するため、磁気センサで検出される位置が変動してしまう。しかしながら、上記のように、サンプリングと通信とのタイミングをずらすことによって、正確に位置を検出することができる。このように、磁気センサ群42のサンプリングのタイミングと異なるタイミングでシリアル信号トランシーバ93が検出信号を伝送するため、正確に位置を検出することができる。本実施例では、磁気センサのサンプリング時には、通信を中断している。これにより、データ通信によって磁界にノイズが与えられるのを防ぐことができる。