JP6925881B2 - 磁気スケールおよび磁気式エンコーダ - Google Patents
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Description
磁性材料からなる場合でも、支持部材からの磁気的な影響をバッファ層によって抑制することができるので、磁性塗膜を適正に着磁することができる。また、磁気スケールを用いた磁気式エンコーダを各種装置で用いる際、磁気スケールのベース板を磁性材料からなる被固定部材に固定した場合でも、磁気スケールの永久磁石層と被固定部材との磁気的な相互作用の影響をバッファ層によって抑制することができるので、検出精度を高めることができる。
、前記下地層および前記ベース板を含む態様を採用してもよい。
きる。
(全体構成)
図1は、参考形態1の磁気式リニアエンコーダの外観等を示す説明図である。図2は、図1に示す磁気式エンコーダ100の要部を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、磁気センサ装置1の要部の構成を示す概略断面図、その概略斜視図、および概略平面図である。
通穴69からケーブル7が引き出されている。
させている。また、センサ面250は、磁気スケール9の幅方向の中央に位置している。
=R0−k×sin2θ
R0:無磁界中での抵抗値
k:抵抗値変化量(飽和感度領域以上のときは定数)
で示す関係があることを利用するものである。このような原理に基づいて回転磁界を検出すれば、角度θが変化すると抵抗値Rが正弦波に沿って変化するので、波形品質の高い正弦波信号sin、cosを得ることができる。
図3は、図1に示す磁気スケールの断面を模式的に示す説明図である。図1に示す磁気式エンコーダ100は、オープンタイプのリニアエンコーダであり、かかるオープンタイプのリニアエンコーダでは、磁気センサ装置1と磁気スケール9とが独立して固定体および可動体に搭載される。このため、磁気センサ装置1と磁気スケール9とは、非接触状態で相対移動する。また、図2に示す磁気センサ素子25と永久磁石層97との間隔は0.15mmから0.35mmである。
る他、フェライト系磁性粉として、ストロンチウムフェライトとバリウムフェライトとの混合粉を用いることもある。かかる態様によれば、内挿によって位置等を求めた際、分解能の向上を図ることができる。また、磁性塗膜96において、樹脂層がエポキシ樹脂層であるため、磁性塗膜96とベース板95との密着性が高い。なお、本形態、磁極のピッチが1.0mm以下であるという構成に対応させて、磁性粉としてフェライト系磁性粉を用いたが、磁極のピッチが1.0mmを超える場合、磁性粉としてネオジウム系磁性粉、サマリウム系磁性粉、メタル系等の高磁力磁性粉を用いてもよい。
本形態の磁気スケール9において、永久磁石層97に対してベース板95が位置する側には、非磁性材料または低磁性材料からなる厚さ300μm以上のバッファ層90が設けられており、バッファ層90は、ベース板95側から永久磁石層97側への磁気的な影響を緩和する。本形態において、ベース板95は、非磁性基板または低磁性基板であり、バッファ層90の厚さ方向の少なくとも一部がベース板95によって構成されている。より具体的には、ベース板95は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、オーステナイト系ステンレス等の非磁性基板からなる。また、オーステナイト系ステンレスは、圧延の際、磁性を帯びることがあり、この場合、ベース板95は、低磁性基板となる。
mよりさらに過大に厚くしても、得られる効果に大きな変化がない。従って、バッファ層90の構成にもよるが、バッファ層90をベース板95によって構成した場合、ベース板95のコストや磁気スケール9の薄型化への要求を鑑み、バッファ層90(ベース板95の厚さ)は5mm以下が好ましく、さらに薄型化を図るには2mm以下にすることが好ましい。
本形態の磁気スケール9を製造するにあたっては、まず、磁性粉、樹脂および溶媒を含む塗液をスプレー等によってベース板95の一方面950に100μm程度塗布した後、空気の吹き付けおよび予備乾燥等によって溶媒を除去する。また、樹脂を仮硬化させる。そして、上記の工程を例え所定の回数繰り返し行って、磁性塗膜96を所定の厚さに形成する。次に、樹脂を本硬化させた後、磁性塗膜96の表面を研削する。例えば、磁性塗膜96を400μmの厚さに形成した後、表面を研磨し、磁性塗膜96の厚さを300μmに調整する。なお、研削に代えてテープラップ等によって研磨を行ってもよい。
図4は、図1に示す磁気スケール9の内挿誤差を示すグラフであり、磁性塗膜96の厚さを100μm、200μm、300μm、400μmとした場合における検出ギャップと内挿誤差との関係を示すグラフである。図5は、図1に示す磁気スケール9のヒステリシス誤差を示すグラフであり、磁性塗膜96の厚さを100μm、200μm、300μm、400μmとした場合における検出ギャップとヒステリシス誤差との関係を示すグラフである。図6は、本発明を適用した磁気スケール9の着磁精度を示すグラフであり、磁性塗膜96の厚さと着磁精度との関係を示すグラフである。図7は、図1に示す磁気スケール9の磁性塗膜96の表面粗さと検出精度との関係を示すグラフであり、図7(a)、(b)、(c)には、表面の十点平均粗さが14〜16μmの場合(研磨なし)、表面の十点平均粗さが2μmの場合(研磨あり)、表面の十点平均粗さが9.2μmの場合(研磨あり)の特性を示してある。
場合、検出ギャップの拡大に伴うヒステリシス誤差の増大が緩やかあるが、磁性塗膜96の厚さが100μmである場合、検出ギャップの拡大に伴うヒステリシス誤差の増大が急激である。
図8は、本発明の実施形態1に係る磁気スケールの断面を模式的に示す説明図である。なお、本形態および以下に説明する実施形態2、3、4および参考形態2、3の基本的な構成は参考形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図9は、参考形態2に係る磁気スケールの断面を模式的に示す説明図である。図9に示すように、本形態の磁気スケール9でも、参考形態1と同様、永久磁石層97に対してベース板95が位置する側には、非磁性材料または低磁性材料からなる厚さ300μm以上のバッファ層90が設けられている。本形態において、バッファ層90は、ベース板95と、ベース板95と磁性塗膜96との間に形成された非磁性または低磁性の下地層99とを含んでいる。
図10は、本発明の実施形態2に係る磁気スケールの断面を模式的に示す説明図である。図10に示すように、本形態の磁気スケール9でも、参考形態1と同様、永久磁石層97に対してベース板95が位置する側には、非磁性材料または低磁性材料からなる厚さ300μm以上のバッファ層90が設けられている。本形態において、バッファ層90は、ベース板95と、磁性塗膜96の無着磁層98と、ベース板95と磁性塗膜96との間に形成された非磁性または低磁性の下地層99とを含んでいる。
図11は、本発明の実施形態3に係る磁気スケールの断面を模式的に示す説明図である。図11に示すように、本形態の磁気スケール9でも、参考形態1と同様、永久磁石層97に対してベース板95が位置する側には、非磁性材料または低磁性材料からなる厚さ300μm以上のバッファ層90が設けられている。本形態において、ベース板95は磁性板からなる。従って、バッファ層90は、ベース板95と磁性塗膜96との間に形成されている。本形態において、バッファ層90は、磁性塗膜96の無着磁層98を含んでいる。
図12は、参考形態3に係る磁気スケールの断面を模式的に示す説明図である。図12に示すように、本形態の磁気スケール9でも、参考形態1と同様、永久磁石層97に対してベース板95が位置する側には、非磁性材料または低磁性材料からなる厚さ300μm以上のバッファ層90が設けられている。本形態において、ベース板95は磁性板からなる。従って、バッファ層90は、ベース板95と磁性塗膜96との間に形成されている。
本形態において、バッファ層90は、下地層99を含んでいる。
図13は、本発明の実施形態4に係る磁気スケールの断面を模式的に示す説明図である。図13に示すように、本形態の磁気スケール9でも、参考形態1と同様、永久磁石層97に対してベース板95が位置する側には、非磁性材料または低磁性材料からなる厚さ300μm以上のバッファ層90が設けられている。本形態において、ベース板95は磁性板からなる。従って、バッファ層90は、ベース板95と磁性塗膜96との間に形成されている。本形態において、バッファ層90は、磁性塗膜96の無着磁層98と、ベース板95と磁性塗膜96との間に形成された非磁性または低磁性の下地層99とを含んでいる。
実施形態1、2および参考形態1、2では、ベース板95が金属板であったが、可撓性の樹脂基板であってもよい。例えば、ベース板95が、ガラス繊維の織布等の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であってもよい。かかる構成によれば、ベース板95を湾曲させることができるため、磁気スケール9が長い場合、長い磁気スケール9を丸めて運ぶことができる等、取扱いが容易である。また、ベース板95は、シート状の多孔性芯材に樹脂が含浸された可撓性の樹脂基板であるため、機械的強度や靱性が大である。また、磁性塗膜96は、樹脂層内に磁性粉が分散している磁性塗膜であるため、磁性塗膜96も可撓性を有する。このため、磁気スケール9を丸めた際、磁性塗膜96に剥離や割れ等の事態が発生しにくい。
Claims (10)
- ベース板と、
前記ベース板の一方面側に形成され、磁性粉が樹脂層に分散した磁性塗膜と、
を有し、
前記磁性塗膜の少なくとも前記ベース板とは反対側の層が、前記ベース板の長手方向に沿ってN極とS極とが交互に設けられた永久磁石層とされ、
前記永久磁石層に対して前記ベース板が位置する側には、前記ベース板側から前記永久磁石層側への磁気的な影響を緩和する厚さ300μm以上のバッファ層が設けられており、
前記ベース板は、非磁性基板または低磁性基板であり、
前記磁性塗膜は、前記ベース板側に無着磁層を残すように前記永久磁石層が形成されており、
前記バッファ層は、前記無着磁層および前記ベース板を含むことを特徴とする磁気スケール。 - ベース板と、
前記ベース板の一方面側に形成され、磁性粉が樹脂層に分散した磁性塗膜と、
を有し、
前記磁性塗膜の少なくとも前記ベース板とは反対側の層が、前記ベース板の長手方向に沿ってN極とS極とが交互に設けられた永久磁石層とされ、
前記永久磁石層に対して前記ベース板が位置する側には、前記ベース板側から前記永久磁石層側への磁気的な影響を緩和する厚さ300μm以上のバッファ層が設けられており、
前記ベース板は、磁性基板であり、
前記磁性塗膜は、前記ベース板側に無着磁層を残すように前記永久磁石層が形成されており、
前記バッファ層は、前記無着磁層を含むことを特徴とする磁気スケール。 - 前記ベース板と前記磁性塗膜との間に非磁性または低磁性の下地層が設けられ、
前記バッファ層は、前記下地層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気スケール。 - 前記磁性塗膜は、厚さが200μm以上であることを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載の磁気スケール。
- 前記磁性粉は、前記樹脂層中に65質量%から90質量%含まれていることを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載の磁気スケール。
- 前記磁性粉は、フェライト系であることを特徴とする請求項1から5までの何れか一項に記載の磁気スケール。
- 前記樹脂層は、エポキシ樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1から6までの何れか一項に記載の磁気スケール。
- 前記樹脂層の硬化剤がポリアミドアミンであることを特徴とする請求項7に記載の磁気スケール。
- 請求項1から8までの何れか一項に記載の磁気スケールを備えた磁気式エンコーダであって、
前記磁気スケールからの磁界を検出する磁気センサ素子を有することを特徴とする磁気式エンコーダ。 - 前記磁気センサ素子は、磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項9に記載の磁気式エンコーダ。
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