JP2006072346A - 光学レンズ用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
型性に優れ、耐傷性、復元性に優れた硬化物を与える光学レンズ用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 S原子および2個以上の不飽和基を有し、S含量が分子量に対して20〜60%であり、かつ単独重合物のガラス転移温度が25℃以下である不飽和基含有化合物
(I)、および(I)以外の(メタ)アクリレート(II)を必須成分として含有する光学レンズ用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、高屈折率、高アッベ数で光の波長による屈折率の変化が小さく、金型からの離型性に優れ、耐傷性、復元性(光学レンズでは後述の方法で評価される復元性が求められる)に優れた硬化物を与える光学レンズ用樹脂組成物を提供することにある。
不飽和基の数は2個以上であり、硬化性、硬化物の靭性の観点から、好ましくは2〜4個であり、より好ましくは2個である。不飽和基数が2未満であると硬化性および硬化物の靭性が悪くなり、また硬化物の耐傷性も発現しない。
(1)(I)100部に光(カチオン)重合開始剤[不飽和基が(メタ)アクリロイル基、ビニルベンジル基の場合は光重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を使用;不飽和基がビニル基、プロペニル基、シンナミル基の場合は光カチオン重合開始剤(例えば、トリフェニルスルホニウムホスフェート)を使用]3部を加え均一混合したものを、離型紙(表面を離型処理したガラスでもよい)上に厚さ0.1〜1mmになるように塗工する。必要に応じメチルエチルケトン等の溶剤を使用してもよい。溶剤を使用した場合、塗工後、減圧乾燥機等で溶剤を完全に除去する。
(2)1,000mJ/cm2でUV照射し、硬化させる。
(3)硬化物を幅5mm 長さ50mmの短冊状の試料に調製する。
(4)粘弾性スペクトル[例えば、ユービーエム社製の粘弾性スペクトル測定装置(Lheogel E−4000)を用いる]を測定し、tanδのピーク温度をTgとする。Tgが2つ以上ある場合は、最も低い温度をTgとする。
)が挙げられる。
(I−1)S含有脂肪族ポリチオールまたはS含有脂肪族ポリオール(Mn400〜10,000またはそれ以上)の(メタ)アクリレート
(i)S含有脂肪族ジチオールまたはS含有脂肪族ジオールのジ(メタ)アクリレート
ポリチオエーテル〔アルキレンスルフィド[炭素数(以下Cと略記)2〜4]の重合物(Mn400〜10,000)等〕、ポリチオカーボネートジチオール〔ポリアルキル(C2〜6)チオカーボネートジチオール(Mn400〜10,000)、等〕、ポリジチオカーボネートジチオール〔ポリアルキル(C2〜6)ジチオカーボネートジチオール(Mn400〜10,000)等〕、ポリトリチオカーボネートジチオール〔ポリアルキル(C2〜6)トリチオカーボネートジチオール(Mn400〜10,000)等〕、およびそれらのアルキレンオキシド(以下AOと略記、C2〜6)付加物(付加モル数1〜20)等の、ジ(メタ)アクリレート等;
トリオール(C3〜10、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン)のアルキレン(C2〜4)スルフィド付加物(Mn400〜10,000)の、ジもしくはトリ(メタ)アクリレート、並びに、トリオール(C3〜10、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン)のアルキレン(C2〜4)スルフィド付加物のAO(C2〜3)付加物(Mn400〜10,000)の、ジもしくはトリ(メタ)アクリレート等;
(iii)4官能以上のS含有脂肪族ポリチオールまたはS含有脂肪族ポリオールの(メタ)アクリレート
4官能以上のポリオール(C5〜C30、例えばペンタエリスリトール)のアルキレン(C2〜4)スルフィド付加物(Mn400〜10,000)等のジ、トリもしくはテトラ(メタ)アクリレート、並びに、4官能以上のポリオール(C5〜C30、例えばペンタエリスリトール)のアルキレン(C2〜4)スルフィド付加物のAO(C2〜3)付加物(Mn400〜10,000)の、ジ、トリもしくはテトラ(メタ)アクリレート等;
ジチオールもしくはS含有ジオール(c1)と二塩基酸(c2)を反応させて得られるポリエステルジ(チ)オール(c3)(Mn400〜10,000)と、(メタ)アクリル酸との反応物
(c1)としては、低分子ジチオール[分子量94〜Mn400、例えばエチレンジチオール、プロピレンジチオール、ビス(メルカプトエチル)スルフィド]およびそのAO付加物(付加モル数1〜10)、ビスフェノールSのAO付加物(付加モル数2〜20)、水添ビスフェノールSのAO付加物(付加モル数2〜20)等が挙げられる。
(c2)としては、脂肪族二塩基酸(C2〜10、例えばシュウ酸、こはく酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等)、脂環式二塩基酸(C5〜10、例えばシクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸)、芳香族二塩基酸(C8〜15、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)等が挙げられる。
(c3)と(メタ)アクリル酸との反応条件も、特に限定されず、一般的なエステル化反応の条件でよい。(c3)と(メタ)アクリル酸の当量比は、特に限定されないが、通常1:10〜10:1、硬化物の靭性、硬化性の観点から好ましくは1:3〜3:1、さらに好ましくは1:1.1〜2:1である。
例えば、(c3)と(メタ)アクリル酸および溶剤(例えばトルエンまたはベンゼン)を混合し、エステル化触媒[(I)の着色抑制、熱安定性の観点から好ましくは酸触媒(
例えばパラトルエンスルホン酸、硫酸)]を使用して、好ましくは50〜150℃で8〜20時間脱水反応させて目的物を製造することができる。
水酸基含有(メタ)アクリレート(A)、ポリイソシアネート(B)、S含有脂肪族ポリオールおよび/またはS含有脂肪族ポリチオール(C)の反応物が挙げられる。
(A)としては、下記(A1)〜(A6)が挙げられる。
(A1)(メタ)アクリル酸のAO(C2〜4)付加物(分子量116〜Mn5,000)
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、−2−ヒドロキシプロピル、−2−ヒドロキシブチルおよびこれらのAO付加物等;
(A2)上記(A1)のε−カプロラクトン付加物(分子量230〜Mn5,000)
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン2モル付加物等;
(A3)ジオールの(メタ)アクリル酸エステル(Mn355〜5,000)
Mn300〜5,000のジオール(ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルジオール)のモノ(メタ)アクリル酸エステル等;
3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ビフェノキシ−2−ヒドロキシプロプル(メタ)アクリレート等;
(A5)(メタ)アクリル酸と3官能以上のポリオール(分子量92〜Mn5,000)の反応生成物(分子量146〜Mn5,000)
グリセリンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ−、ジ−およびトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンモノ−、ジ−およびトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−およびペンタ(メタ)アクリレート、およびそれらのAO付加物(付加モル数1〜100)等;
(A6)(メタ)アクリル酸とブタジエンポリオール(Mn300〜5,000)、イソプレンポリオール(Mn300〜5,000)、水添ブタジエンポリオール(Mn300〜5,000)および水添イソプレンポリオール(Mn300〜5,000)等の反応生成物(分子量355〜Mn5,000)
また、(A)のうち、水酸基含有アクリレートおよび水酸基含有メタアクリレートはいずれも本発明における目的、効果を充分発揮するが、硬化性の観点からより好ましいのは
水酸基含有アクリレートである。
(B1)C(NCO基中の炭素を除く、以下同じ)6〜20の芳香族ポリイソシアネート 例えば、1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4,4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンDI、およびm−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;および3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート)および4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等;
例えば、エチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、ノナメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよびトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI);および3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物、例えば2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等);
例えば、イソホロンDI(以下IPDIと略記)、2,4−および/または2,6−メチルシクロヘキサンDI(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI、ダイマー酸DI(DDI);および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;
(B4)C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート
m−および/またはp−キシリレンDI(以下、XDIと略記)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI);
(B5)上記(B1)〜(B3)のヌレート化物
(C)のMnは、硬化物の靭性、後述する離型性の観点から好ましくは500〜5,000、より好ましくは800〜4,000、とくに好ましくは1,000〜3,000である。
例えば、C2〜12の脂肪族2価アルコール〔(ジ)アルキレングリコール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール等]等〕、C6〜20の脂環式骨格を有する2価アルコール[1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等]、C8〜20の芳香脂肪族2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
例えば、(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[ショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、グルコシド(メチルグルコシド等)等];
(D3)ポリエーテルポリオール
上記2価アルコール、もしくは3価〜8価またはそれ以上の多価アルコールのAO付加物(Mn150〜20,000)、ポリテトラメチレングリコール(Mn400〜10,000)、ポリエステルポリオール(Mn200〜20,000)、Mn200〜10,000の、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオール、並びにこれらのポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオールのAO1〜300モル付加物が含まれる。
ビスフェノールSのAO付加物(付加モル数2〜40)、ビスチオフェノールSのAO付加物(付加モル数2〜40)等;
(D5)Sおよび脂環式骨格含有(非脂肪族)ポリオール(Mn286〜5,000)
水添ビスフェノールSのAO付加物(付加モル数2〜40)、水添ビスチオフェノールSのAO付加物(付加モル数2〜40)等;
(D6)S含有脂肪族ポリオール(Mn400未満)
ビス(ヒドロキシエチル)スルフィド、エチレンジチオールのEO付加物、チオグリセロールのPO付加物等;
ビスフェノールSのアルキレンスルフィド付加物(付加モル数2〜40)、ビスチオフェノールSのアルキレンスルフィド付加物(付加モル数2〜40)、およびそれらのAO付加物(付加モル数1〜40)等;
(D8)Sおよび脂環式骨格含有(非脂肪族)ポリチオール(Mn212〜5,000)
水添ビスフェノールSのアルキレンスルフィド付加物(付加モル数2〜40)、水添ビスチオフェノールSのアルキレンスルフィド付加物(付加モル数2〜40)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンおよびその多量体(付加モル数2〜40)、およびそれらのAO付加物(付加モル数1〜40)等;
(D9)S含有脂肪族ポリチオール(Mn400未満)
エチレンジチオール、プロピレンジチオール、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ジチオエリスリトール、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオプロピオネート等。
(D10)SH基とOH基をそれぞれ少なくとも1個有するもの(Mn400未満)
メルカプトアルコール(メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−プロパノール、1−メルカプト−2−プロパノール、チオグリセロール等)等。
(I−3)の製造において、(A)、(B)および(C)を反応させる順序については
特に限定されることはなく、例えば、(B)と(C)を上記条件で反応させた後、(A)を反応させる方法、(A)、(B)および(C)を一括して同時に反応させる方法のいずれであってもよい。
(I−3)のMnは、硬化物の靭性の観点からより好ましくは500〜10,000、とくに好ましくは1,000〜8,000である。
例えば、前記S含有脂肪族ジチオールおよび/またはS含有脂肪族ジオールのジ(チオ)グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の反応生成物等が挙げられる。
上記ジチオールおよび/またはジオールのグリシジルエーテル化の条件は、特に限定されず、通常のグリシジルエーテル化の条件でよく、例えばジチオールおよび/またはジオールと(チオ)エピクロロヒドリンを反応させる。ジチオールおよび/またはジオールと(チオ)エピクロロヒドリンの当量比は反応性の観点から好ましくは1:1〜1:10である。例えば、S含有脂肪族ジチオールおよび/またはS含有脂肪族ジオールに(チオ)エピクロロヒドリンを配合し、アルカリ触媒(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を加え、30〜80℃で2〜12時間反応させたのち、生成する塩を取り除くことで行うことができる。
ジ(チオ)グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の反応は、特に限定されず、通常のエポキシ開環反応の条件でよい。ジ(チオ)グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の当量比は、通常1:0.9〜1:2、反応性、保存安定性の観点から好ましくは1:1〜1:1.5である。例えば、ジ(チオ)グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸を配合し、触媒(例えばトリエチルアミン、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリフェニルホスフィン)を加え、50〜150℃で4〜20時間反応させることで行うことができる。
ここにおいて、硬化物の屈折率およびアッベ数は、アッベ屈折計(例えば多波長アッベ屈折計DR−M2、アタゴ社製)を用いて25℃で測定した値である。
(II−1)モノ(メタ)アクリレート
(i)C1〜30の脂肪族1価アルコールの(メタ)アクリレート
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等;
(ii)C1〜30の脂肪族1価アルコールのAO1〜30モル付加物の(メタ)アクリレート
ラウリルアルコールのエチレンオキシド(以下、EOと略記)2モル付加物の(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのプロピレンオキシド(以下、POと略記)3モル付加物の(メタ)アクリレート等;
(iii)C6〜30の[アルキル(C1〜20)]フェノール化合物のAO1〜30モル付加物の(メタ)アクリレート
フェノールのPO3モル付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート等;
(iv)C5〜30の脂環式1価アルコールの(メタ)アクリレート
テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等;
(v)水酸基含有(メタ)アクリレート
前記(A)のうちのモノ(メタ)アクリレートと同じものが挙げられる。
(i)ポリオキシアルキレン(分子量106〜Mn3,000)のジ(メタ)アクリレート
ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(Mn400)、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記)(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(ii)ビスフェノール化合物のAO2〜30モル付加物のジ(メタ)アクリレート
ビスフェノールA、−Fおよび−SのEO2モルおよびPO4モル付加物の各ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、−Fおよび−SのEO4モル付加物の各ジ(メタ)アクリレート等;
(iii)C2〜30の脂肪族2価アルコールのジ(メタ)アクリレート
EG、NPGおよびHDの各ジ(メタ)アクリレート等;
(iv)C6〜30の脂環式骨格を有する2価アルコールのジ(メタ)アクリレート
ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等;
(i)C3〜40の多価(3価〜6価またはそれ以上)アルコールのポリ(メタ)アクリレート
TMPのトリ(メタ)アクリレート、TMPのPO3モルまたはEO3モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、PEのトリ(メタ)アクリレート、PEのテトラ(メタ)アクリレート、PEのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、DPEのヘキサ(メタ)アクリレート等;
多価(2〜4)カルボン酸、多価(2〜8またはそれ以上)アルコールおよび(メタ)アクリロイル基含有化合物のエステル化により得られる複数のエステル結合と末端に複数の(メタ)アクリロイル基を有する分子量286〜Mn4,000のポリエステル(メタ)アクリレート
多価(2〜4)カルボン酸としては、例えばC3〜20の脂肪族多価カルボン酸[例えばマロン酸、マレイン酸(無水物)、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、酸無水物の反応物(ジペンタエリスリトールと無水マレイン酸の反応物等)等]、C5〜30の脂環式多価カルボン酸[例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸およびメチルテトラヒドロ(無水)フタル酸等]およびC8〜30の芳香族多価カルボン酸[例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)およびトリメリット酸(無水物)等]が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、C2〜30のもの、例えば(メタ)アクリル酸およびヒドロキシエチル(メタ)アクリレート挙げられる。
該ポリエステル(メタ)アクリレートの製造条件も前記(I−2)と同じでよい。
例えばポリブタジエンジ(メタ)アクリレート(Mn500〜500,000)等;
(II−6)ジメチルポリシロキサンの主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するシロキサン重合体
例えばジメチルポリシロキサンジ(メタ)アクリレート(Mn300〜20,000)等;
これらの(II)のうち樹脂組成物の取り扱い性、成形性、硬化物の靭性の観点から好ましいものは(II−2)および(II−4)であり、および特に好ましいものは(II−1)である。
本発明の樹脂組成物における(II)の量は、(I)の重量に基づいて、組成物の取り扱い性、成形性、硬化物の靭性の観点から好ましくは40〜900重量%、より好ましくは70〜400重量%、特に好ましくは100〜250重量%である。
また、本発明の組成物における(I)と(II)の重量比は、屈折率、アッベ数、組成物の取り扱い性の観点から好ましくは70/30〜10/90、さらに好ましくは60/40〜20/80である。
しくは増粘剤(IV−5)、スリップ剤(IV−6)、酸化防止剤(IV−7)および紫外線吸収剤(IV−8)が含まれ、これらは1種でも2種以上の併用でもよい。
(IV)全体の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常20%以下、好ましくは0.1〜5%である。
(IV−1)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.05〜5%である。
(IV−2)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(IV−3)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.1〜2%である。
(IV−4)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.5〜7%である。
(IV−5)の使用量は本発明の組成物の全重量に基づいて、通常20%以下、好ましくは0.5〜10%である。
(IV−6)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、好ましくは0.01〜2%である。
(IV−7)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
(IV−8)の使用量は、本発明の樹脂組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.005〜2%である。
上記(IV−1)〜(IV−8)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
本発明の樹脂組成物の粘度は、塗工時の温度において、好ましくは500〜5,000mPa・sである。塗工時における粘度がこの範囲内であると、成形物に泡が残らずレンズ機能を損なわない。上記の粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈することができる。溶剤の使用量は、該組成物の重量に基づいて通常2,000%以下、好ましくは10〜500%である。
これらの溶剤のうち取り扱いの観点から好ましいのは沸点が70〜100℃の、エステル、ケトンおよびアルコール、より好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
合は紫外線によって効率的に硬化させることができる。
熱により硬化させる場合は、組成物の保存安定性、硬化物の着色抑制の観点から好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃のオーブンで1分〜20時間加熱処理することが望ましい。溶剤を含んでいる場合は硬化する前に、溶剤を完全に除去することが望ましい。除去方法は特に限定されないが、好ましくは50〜100℃の熱風を15分〜2時間塗布面に当てて除去する。
本発明の組成物は、熱重合開始剤と光重合開始剤を併用して含有させた場合は、硬化させるエネルギーとして熱および紫外線を併用することができる。
紫外線により硬化させる場合は、紫外線照射装置は特に限定されないが、種々の紫外線照射装置(例えばアイグランデージ、アイグラフィック社製)を使用できる。使用するランプとしては、例えば高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、硬化物の可撓性の観点から好ましい上限は10,000mJ/cm2、さらに好ましくは5,000J/cm2、組成物の硬化性の観点から好ましい下限は10mJ/cm2、さらに好ましくは100mJ/cm2である。
該硬化物のアッベ数は好ましくは40〜60であり、さらに好ましくは43〜58である。アッベ数がこの範囲であるとレンズにした場合色収差の少ない(すなわち、光の波長による屈折率の変化が小さい)良好なレンズとなる。
撹拌機、冷却管、滴下漏斗および温度計を備えた四つ口フラスコにトリメチレンジチオール2.7部、プロピレンスルフィド111部を配合し、0℃以下に冷却しながらトリメチルアミン5.9部をゆっくり滴下した後、室温で12時間、撹拌しながら反応させて、チオール成分(x1)を得た。(x1)のMn、S含量(%)、屈折率(25℃)を表1に示す。
次に(x1)100部にIPDI 14.7部を加え、100℃で4時間反応させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート7.7部、ジブチルチンオキシド0.01部を加え、70℃で8時間反応させ、ウレタンアクリレート(U1)を得た。(U1)のMn、S含量、および(U1)の単独重合物の屈折率(25℃)、Tg、アッベ数(25℃)を表2に示す。該単独重合物のTgは下記方法で測定した。
(Tg測定方法)
ウレタンアクリレート100部に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3部、メチルエチルケトン50部を加え、均一混合した後、離型処理した容器に厚さ1mmになるように注型し、減圧乾燥機で80℃、約20mmHgで4時間かけてメチルエチルケトンを除去する。その後、UV照射機(メタルハライドランプ)で1,000mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させる。得られたフィルムを幅5mm、長さ50mmの短冊状に切断し、粘弾性スペクトル測定装置[Lheogel E−4000、ユービーエム社製]で10Hzの条件でTgを測定する。
合成例1と同じ容器に二硫化炭素90部、臭化ナトリウム5部、メチルエチルケトン120部を仕込んだ後、120部のPOを20℃以下に保ちながら滴下した後、40℃で5時間熟成させた。減圧下で、メチルエチルケトンおよび過剰の二硫化炭素を留去した後、ろ過して、ヘテロ環化合物を得た。ヘテロ環化合物200部、トリメチレンジチオール15.9部、トリフルオロメタンスルホン酸62.9部を仕込み、60℃で5時間カチオン開環重合反応させた。80℃で3時間熟成させた後、トルエン250部を加えて溶解させ、さらにイオン交換水250部を加えて撹拌後静置した。上層のトルエン層をデカンテーションした後、トルエンを減圧下で留去して、チオカーボネート系重合体(ポリジチオカーボネートジチオール)(x2)を得た。(x2)のMn、S含量(%)、屈折率(25℃)を表1に示す。
次に(x2)100部にXDI27.4部を加え、100℃で4時間反応させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.3部、ジブチルチンオキシド0.01部を加え、70℃で4時間反応させ、ウレタンアクリレート(U2)を得た。(U2)のMn、S含量、および(U2)の単独重合物の屈折率(25℃)、Tg、アッベ数(25℃)を表2に示す。
合成例1と同じ容器に合成例2で得られた(x2)100部を入れ、過塩素酸アルミニウム9水塩(アルキレンオキシド付加反応触媒、以下同じ。)0.06部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いでPO 33.8部を95℃にて導入した。得られたポリジチオカーボネートジオール(x3)のMn、S含量(%)、屈折率(25℃)、を表1に示す。
次に(x3)133.8部、ビス(メルカプトエチル)スルフィド15.0部、にIPDI 64.7部を加え、100℃で4時間反応させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.3部、ジブチルチンオキシド0.01部を加え、70℃で4時間反応させ、ウレタンアクリレート(U3)を得た。(U3)のMn、S含量、および(U3)の単独重合物の屈折率(25℃)、Tg、アッベ数(25℃)を表2に示す。
合成例1と同じ容器にPTMG(Mn1,000)100部、ビス(メルカプトエチル)スルフィド15.4部、XDI56.4部を加え、100℃で4時間反応させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.2部、ジブチルチンオキシド0.01部を加え、70℃で4時間反応させ、比較のウレタンアクリレート(U4)を得た。(U4)のMn、S含量、および(U4)の単独重合物の屈折率(25℃)、Tg、アッベ数(25℃)を表2に示す。
合成例1と同じ容器にビスフェノールS100部を入れ、過塩素酸アルミニウム9水塩0.06部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、100℃にて1時間脱水を行った。次いでEO80.7部を95℃にて導入した。次にIPDI203.7部を加え、100℃で4時間反応させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート106.4部、ジブチルチンオキシド0.01部を加え、70℃で4時間反応させ、比較のウレタンアクリレート(U5)を得た。(U5)のMn、S含量、および(U5)の単独重合物の屈折率(25℃)、Tg、アッベ数(25℃)を表2に示す。
(U1)〜(U3)を表3に示す配合比(重量比)に従って配合し、本発明の樹脂組成物(実施例1〜6)を得た。それぞれの35℃での粘度をBL型粘度計(東京計器社製)にて測定した。また、それぞれの樹脂組成物を用いて、硬化後の厚みが50μとなるような膜を調製し、紫外線を1,000mJ/cm2 照射して硬化物を得た後、25℃での屈折率、アッベ数を測定した。結果を表4に示す。
(U4)、(U5)を表3に示す配合比(重量比)に従って配合し比較の樹脂組成物(比較例1〜4)を得た。以下実施例1〜6と同様に行い、25℃での屈折率、アッベ数を測定した。結果を表4に示す。
実施例1〜5および比較例1〜4の樹脂組成物を用いて下記試験法に従いフレネルレンズを作製し、基板との密着性、金型からの離型性および耐傷性の試験を行った。結果を表4に示す。
表3に示した紫外線硬化性樹脂組成物を35℃に温度調節し、予めクロムメッキを施したフレネルレンズの金型(50cm×50cm)にディスペンサーを用いて50〜150μmの厚みに塗工し、メチルメタクリレート系共重合物からなる厚さ2mmの基板(住友化学社製:スミペックスHT)を、上記金型に充填した樹脂組成物の上から空気が入らないように加圧積層し、メタルハライドランプを用いて紫外線を1,000mJ/cm2照射して硬化させた後に、金型から離型しフレネルレンズ(硬化物)を得た。離型時の離型性および得られたフレネルレンズの性能を次の方法で評価した。
(評価基準)
○:金型からの離型が容易である
×:金型から離型が困難で離型時に変形する
(ii)泡かみ:フレネルレンズ中の気泡の有無
(評価基準)
○:気泡がない
×:気泡がある
(iii)密着性:紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物と基板との密着性
硬化物表面にナイフで1mm幅に碁盤目(10×10)を入れ、セロハンテープを貼り付け90度剥離。この時基板からの硬化物の剥離状態を観察した。
(評価基準)
○:すべての碁盤目が剥離しない
×:1個以上の碁盤目が剥離する
(iv)耐傷性:フレネルレンズの傷のつき易さ
(評価基準)
○:爪で引っかいたとき跡が残らない
×:爪で引っかいたとき跡が残る
(v)復元性
フレネルレンズに爪を押し付けて跡をつけ30分後にその跡の復元状態を観察した。
(評価基準)
○:爪の跡が残らない
×:爪の跡が残る
(共栄社化学社製)
アロニックスM−110:パラクミルフェノールEO変性(EO1モル付加物)アクリ
レート (東亜合成社製)
アロニックスM−5710:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート
(東亜合成社製)
ネオマーBA−641:ビスフェノールAのEO変性(EO4モル付加物)ジアクリ
レート (三洋化成工業社製)
ライトアクリレートEG:エチレングリコールジメタクリレート
(共栄社化学社製)
MPSMA:[ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド]
(住友精化社製)
イルガキュア184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバガイギー社製)
光学レンズ用組成物として好適に用いられる。
Claims (7)
- S原子および2個以上の不飽和基を有し、S含量が分子量に対して20〜60%であり、かつ単独重合物のガラス転移温度が25℃以下である不飽和基含有化合物(I)、および(I)以外の(メタ)アクリレート(II)を必須成分として含有する光学レンズ用樹脂組成物。
- (I)が、水酸基含有(メタ)アクリレート(A)、ポリイソシアネート(B)、並びにS含有脂肪族ポリチオールおよび/またはS含有脂肪族ポリオール(C)から形成されるウレタン(メタ)アクリレートである請求項1記載の組成物。
- (C)が、ポリチオエーテル、ポリチオカーボネートジチオール、ポリジチオカーボネートジチオール、ポリトリチオカーボネートジチオールおよびそれらのアルキレンオキシド付加物の群から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の組成物。
- (I)と(II)の重量比が70/30〜10/90である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
- さらに、熱硬化触媒および/または光(カチオン)重合開始剤を含有させてなる請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
- さらに、離型剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、チクソトロピー性付与剤もしくは増粘剤、スリップ剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させてなる請求項1〜5のいずれか記載の組成物。
- 請求項1〜6のいずれか記載の組成物を硬化させてなる硬化物。
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