JP2006061118A - 麺ほぐれ改良用組成物及びそれを用いた麺類 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フコイダン、ファーセルラン、アガロペクチン、ポリフィラン、ヘパリンの群から選ばれる1種以上を有効成分としてなる麺ほぐれ改良用組成物。
Description
前者において産業上特に利用されるのは、ひやむぎ、そうめん、冷やしうどん、冷やし中華麺といったいわゆるつけ麺が挙げられる。つけ麺では、茹でた麺を一定条件下で保存した後に、別に用意した汁につけて食するが、この際麺同士が付着してほぐれが悪いと、麺を必要量取ることが困難であるため不快であり、また食感、食味共劣ってしまう。これに対しほぐれが良好であると、麺の状態が口に運ばれるまで良好なまま維持され、快適な食事が可能となる。
後者において産業上特に利用されるのは、茹でた後に冷凍された冷凍中華麺、冷凍うどんといったものが挙げられる。これらは冷凍状態の麺を沸騰した湯に投入し、再度加温して調理するものであるため、湯中での麺のほぐれが悪いと調理時間が長くなるという問題がある。これに対しほぐれが良好であると作業時間が短縮でき、産業上非常に有益である。
これまでにも麺類のほぐれ性向上については種々の工夫がなされており、主要なものでは麺そのものの配合を変えることでほぐれを改善する方法、ほぐれ効果をもつ物質を用いる方法がある。これらは麺線にコーティング(浸漬、塗布、噴霧)する形態と、製麺原料中に練り込む形態の2種類に大別される。
浸漬する形態としては、糖類を含む水溶液を用いる方法があり、例えば、大豆食物繊維、コラーゲン、ゼラチン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガムといった多糖類を含むほぐれ改良剤(特許文献1)、ジェランガム、ι-カラギーナン、キサンタンガムといった多糖類を含む皮膜剤(特許文献2)、グアーガムの酵素処理分解物(特許文献3)等の使用が提案されている。
塗布する形態としては油脂を使用する場合が多く、特にポリグリセリン脂肪酸エステルに代表される乳化剤を配合した組成物が提案されている(特許文献4、5)。
噴霧する形態としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステルの水分散液を用いる方法が提案されている(特許文献6)。
練り込み形態としては、乳化剤を配合した油脂を主要な成分とした組成物を用いる方法があり、例えば乳化油脂を仕込み水に添加する方法が提案されている(特許文献7)。また大豆ヘミセルロースを製麺原料中に混合する方法も提案されている(特許文献8、9)。
しかしこれらの提案には、麺ほぐれ改良剤としての要件(ほぐれ性、作業性、風味、外観、食感、保存性等)の全てについて十分な効果を有するものはまだ存在せず、それぞれに短所を有している。
すなわち本発明は、フコイダン、ファーセルラン、アガロペクチン、ポリフィラン、ヘパリンの群から選ばれる1種以上を有効成分としてなる麺ほぐれ改良用組成物である。
また本発明は、当該組成物剤を使用した麺類、さらにはその麺類を製造する方法をも含む。
フコイダンは、昆布、アラメ、もずく、カジメ等の褐藻類中に存在する水溶性で粘性と曳糸性を示す硫酸多糖であり、エステル結合した硫酸基を持つL-フコースから成る。
ファーセルランはDanish-agarと呼ばれ、カラギーナン(硫酸基の結合部位と構成糖により、κ、ι、λに大別される、D-ガラクトースを基本骨格に持つ直鎖状多糖類)と同じく紅藻類中に存在する硫酸多糖である。
アガロペクチンは紅藻類のテングサ、オゴノリに存在する、寒天のアガロース以外のイオン性多糖類の総称である。またアガロペクチンはD-グルクロン酸、ピルビン酸、硫酸エステル、メトキシル基等を含んだ酸性ガラクタンであり、主としてD-ガラクトース、3,6-アンヒドロ-L-ガラクトースから成る。
ポリフィランは紅藻類アマノリ属の藻体に存在する、硫酸基を含む高分子多糖類である。またポリフィランは、アガロペクチンの3,6-アンヒドロ-L-ガラクトースがガラクトース-6-硫酸に置き換えられたものである。
ヘパリンは動物のマスト細胞が合成するムコ多糖類であり、エステル硫酸基等(−)電荷を持つ高分子電解質である。その構造は不均一であるが、その骨格は主に1,4-位で結合するD-グルコサミン残基とL-イズロン酸残基からなる二糖単位の反復から成っており、この骨格に多数の硫酸基が結合している。主要な硫酸基にはイズロン酸残基のO-2位に結合した(2-O-硫酸基)、グルコサミン残基のO-6位に結合した(6-O-硫酸基)、グルコサミン残基の2位のアミノ基に結合した(N-硫酸基)の3種がある。
コーティング形態の場合は、フコイダンはじめとする有効成分を主成分とする水溶液を用いる。ほぐれ性はフコイダンをはじめとする有効成分の麺線上における分布によるため、コーティングに用いる水溶液中のフコイダンをはじめとする有効成分の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.1重量%〜フコイダンをはじめとする有効成分の可溶限界濃度、特に好ましくは0.5〜2.0重量%である。濃度が極端に低いと麺線上に十分なフコイダンをはじめとする有効成分が分布しないことから必要な効果が得られず、濃度が極端に高いと水溶液の粘度が増加し、作業性が悪化する。
コーティングは製麺最終工程の氷水処理を行った直後の麺に対し、フコイダンをはじめとする有効成分の溶液で30秒間浸漬処理を行い、その後麺を引き上げ、よく水を切って保管する方法をとる。保管はビニール袋でもPET容器でもよい。
また塗布処理、噴霧処理において練り込みの形態をとる場合は、製麺時に予め原材料粉体とフコイダンをはじめとする有効成分の粉末を混合する方法、あるいは予め製麺原料の水にフコイダンをはじめとする有効成分を溶解させておき、ミキシング工程で粉体と混合する方法をとることができる。配合割合は製麺原材料の主要成分となる小麦粉等の粉体に対し、好ましくは外割で0.1〜10重量%、特に好ましくは1.0〜2.0重量%である。練り込みの形態の場合、麺線表面でフコイダンをはじめとする有効成分がほぐれに寄与する量が相対的に少ないため、配合量に比して効果は弱くなる。しかし生麺に対してフコイダンをはじめとする有効成分を用いる場合、コーティング(浸漬、塗布、噴霧)の形態では使用が不可能であるのに対し、練り込みの形態では使用が可能であるといった利点がある。
澱粉としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、えんどう豆澱粉、およびこれらにエステル化処理、エーテル化処理、架橋処理、酸処理、酸化処理、湿熱処理、α化等の物理的または化学的処理を単独で、または組み合わせて施した化工澱粉を挙げることができる。
油脂としては、大豆油、大豆胚芽油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、高リノール酸ひまわり油、ミッドオレイックひまわり油、綿実油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、胡桃油、かぼちゃ種子油、椿油、茶実油、えごま油、オリーブ油、米ぬか油、小麦胚芽油、パーム油、パームオレイン、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、藻類油、およびこれら油脂の水添油、エステル交換油、分別油等から選ばれる一種、または二種以上を組み合わせたものを挙げることができる。
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、有機酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチンから選ばれる一種、または二種以上を組み合わせたものを挙げることができる。
増粘剤としては、水溶液にした時粘度を上昇させる多糖類、すなわち、アラビアガム、アラビノガラクタン、グアーガム、キサンタンガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、大豆水溶性多糖類(ヘミセルロース)、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ペクチン、カラヤガム、ガッティガム、トラガントガム、カードラン、グルコマンナン、キチン、キトサン、微小繊維状セルロース、微結晶セルロース等を挙げることができる。
このほかにも麺ほぐれ改良用組成物に配合する物質として、コラーゲンペプチド、乳タンパクペプチド、カゼインペプチド、オリゴペプチド、乳清タンパク濃縮物、えんどうタンパク、ゼラチン等のタンパク質由来の物質、大豆ファイバー、えんどうファイバー等の繊維質、高度分岐環状デキストリン等のデキストリンも使用できる。
さらに麺ほぐれ改良用組成物に、pH調整剤や糖類を配合してもよい。
pH調整剤としては、乳酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、クエン酸、Lりんご酸、DLりんご酸、氷酢酸、グルコノデルタラクトン、L酒石酸、DL酒石酸等を挙げることができる。
糖類としては、グルコース(ブドウ糖)、マルトース、フラクトース(果糖)、ガラクトース、トレハロース、オリゴ糖、ショ糖、ソルビット等を挙げることができる。
また同じく麺帯を用いるものとして餃子や春巻きの皮等を挙げることができるが、本発明の麺ほぐれ改良用組成物はこれらにも適用可能である。
業務用小型製麺機でうどん麺を実際に製造し、定法の「麺ほぐれ評価方法」を用いて麺線同士のほぐれやすさとおいしさを評価した。
1.冷やしうどん麺の製造の基本条件
(1)ミキシング
日清製粉(株)製中力粉1400g、(株)J-オイルミルズ製澱粉「アクトボディーA-700」600g、グルテン40gをビニール袋に投入して良く混合し、配合粉を準備した。
ミキシング条件:ミキサーに前記配合粉を高速回転させながら、予め水846gに塩94gを溶かした食塩水(水温10℃)を加え、真空下(60.00kPa)にて高速回転5分間、低速回転7分間ミキシングした。
(2)圧延
圧延条件:麺帯の厚さを順に3.6mm→最終2.9mmとなるようにした。
(3)さらにカッティング前に圧延
圧延条件:麺帯の厚さを順に2.3mm→最終2.2mmとなるようにした。
(4)カッティング
切り刃10を用い麺の長さ30cm、幅4mmになるようにカッティングした。手粉には(株)J-オイルミルズ製澱粉「SP-1」を用いた。製造した麺束は蓋付き番重に入れた。
(5)茹で
茹で麺機にpH調整剤85gを加え、次いで水を85L張り込んだ。丸テボに麺束を入れ、ボイラーを用い99.9℃にて8分間茹でた。
(6)水洗
流水に30〜40秒、氷水に1分間浸漬して水洗した。
前記基本条件で製造したうどん麺を、各種麺ほぐれ改良用組成物の溶液に浸漬してサンプルを調製した。また同時に、未処理の対照(比較例1)も用意した。
(1)サンプルNo.1(比較例1):対照(未処理)
(2)サンプルNo.2(実施例1):1.0%フコイダン溶液に浸漬処理したもの。
1.0%フコイダン溶液は、500mlのプラスチックビーカーに精製フコイダン粉末3.00gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液に前記基本条件で製造したうどん麺約250gを浸漬し、30秒後にうどん麺を引き上げ、水切りした。
(3)サンプルNo.3(実施例2):2.0%フコイダン溶液に浸漬処理したもの。
2.0%フコイダン溶液は、500mlのプラスチックビーカーに精製フコイダン粉末6.00gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液を用い、サンプルNo.2と同様の方法にて浸漬処理を行った。
(4)サンプルNo.4(実施例5):1.0%ファーセルラン溶液に浸漬処理したもの。
(5)サンプルNo.5(比較例2):1.0%ι-カラギーナン溶液に浸漬処理したもの。
(6)サンプルNo.6(比較例4):1.0%大豆水溶性多糖類溶液に浸漬処理したもの。
(7)サンプルNo.7(実施例3):精製フコイダン粉末を外割で基本配合に対して1.0%練り込んだもの。
1.に記述した基本製造条件の(1)ミキシング直前に、中力粉入りのビニール袋へ他の原料と共に精製フコダイン粉末を添加し、よく混合した後にミキサーで食塩水と合わせ練り込んだ。
(8)サンプルNo.8(実施例4):精製フコイダン粉末を外割で基本配合に対して2.0%練り込んだもの。
(9)サンプルNo.9(実施例6):ファーセルラン粉末を外割で基本配合に対して1.0%練りこんだもの。
(10)サンプルNo.10(比較例3):ι-カラギーナン粉末を外割で基本配合に対して1.0%練り込んだもの。
(11)サンプルNo.11(比較例5):大豆水溶性多糖類粉末を外割で基本配合に対して1.0%練り込んだもの。
※サンプルNo.4〜6の1.0%水溶液はサンプルNo.2と同様の方法にて調製、浸漬処理を行った。
※サンプルNo.8〜11の添加は、サンプルNo.6と同様の方法にてミキシング前に行い、食塩水と合わせ練り込んだ。
2.に記載した試験サンプルをそれぞれ40g取り、直径10cm、高さ5cmの透明PET容器に入れ、蓋をして5℃、24時間保存した。24時間後に蓋を取り、30gの市販の麺つゆをかけ、すぐに箸を用いてくっ付いている麺をほぐし、完全にほぐれるまでに要した時間を測定した。測定は各サンプルについて5回行い、その平均値を求めた。またおいしさ(かたさ、なめらかさ、弾力、風味)について、サンプルNo.1(対照(比較例1))をすべて3点とし、5点法(5点:良い 4点:やや良い 3点:普通 2点:やや悪い 1点:悪い)で評価した。
業務用小型製麺機で中華麺を実際に製造し、定法の「麺ほぐれ評価方法」を用いて麺線同士のほぐれやすさとおいしさを評価した。
1.冷やし中華麺の製造の基本条件
(1)ミキシング
日清製粉(株)製準強力粉1600g、(株)J-オイルミルズ製澱粉「ジェルコールPOT-04」400g、グルテン50g、卵白粉20gをビニール袋に投入して良く混合し、配合粉を準備した。
ミキシング条件:ミキサーに上述の配合粉を高速回転させながら、予め水766gに塩41gを溶かした食塩水(水温10℃)にかんすい25g、クチナシ色素0.6gを混合したものを加え、真空下(70.00kPa)にて高速回転4分間、低速回転6分間ミキシングした。
(2)圧延
圧延条件:麺帯の厚さを最終3.6mmとなるようにした。
(3)さらにカッティング前に圧延
圧延条件:麺帯の厚さを順に1.9mm→最終1.4mmとなるようにした。
(4)カッティング
切り刃16を用い麺の長さ30cm、幅2mmになるようにカッティングした。手粉には(株)J-オイルミルズ製澱粉「SP-1」を用いた。製造した麺束は蓋付き番重に入れた。
(5)茹で
茹で麺機にpH調整剤85gを加え、次いで水を85L張り込んだ。丸テボに麺束を入れ、ボイラーを用い99.9℃にて2.5分間茹でた。
(6)水洗
流水に30〜40秒、氷水に1分間浸漬して水洗した。
前記の基本条件で製造した冷やし中華麺を、各種麺ほぐれ改良用組成物の溶液に浸漬してサンプルを調製した。また同時に、未処理の対照(比較例6)も用意した。
(1)サンプルNo.1(比較例6):対照(未処理)
(2)サンプルNo.2(実施例7):0.5%フコイダン溶液に浸漬処理したもの。
0.5%フコイダン溶液は500mlのプラスチックビーカーに精製フコイダン粉末1.50gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液に前記基本条件で製造した中華麺約250gを浸漬し、30秒後に中華麺を引き上げ、水切りした。
(3)サンプルNo.3(実施例8):1.0%フコイダン溶液に浸漬処理したもの。
1.0%フコイダン溶液は、500mlのプラスチックビーカーに精製フコイダン粉末3.00gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液を用い、サンプルNo.2と同様の方法にて浸漬処理を行った。
(4)サンプルNo.4(比較例7):0.5%ι-カラギーナン溶液に浸漬処理したもの。
(5)サンプルNo.5(比較例8):1.0%ι-カラギーナン溶液に浸漬処理したもの。
(6)サンプルNo.6(比較例9):0.5%大豆水溶性多糖類溶液に浸漬処理したもの。
(7)サンプルNo.7(比較例10):1.0大豆水溶性多糖類溶液に浸漬処理したもの。
※サンプルNo.4および6の0.5%溶液はサンプルNo.2と同様の方法で、サンプルNo.5および7の1.0%溶液はサンプルNo.3と同様の方法で調製した。また、浸漬処理についてはすべてサンプルNo.2と同様の方法で行った。
2.に記載した試験サンプルをそれぞれ40g取り、直径10cm、高さ5cmの透明PET容器に入れ、蓋をして5℃、24時間保存した。24時間後に蓋を取り、30gの市販の麺つゆをかけ、すぐに箸を使ってくっ付いている麺をほぐし、完全にほぐれるまでに要した時間を測定した。測定は各サンプルについて5回行い、その平均値を求めた。また、おいしさ(かたさ、なめらかさ、弾力、風味)について、サンプルNo.1(対照(比較例6))をすべて3点とし、5点法(5点:良い 4点:やや良い 3点:普通 2点:やや悪い 1点:悪い)で評価した。
業務用小型製麺機でうどん麺を実際に製造し、定法の「麺ほぐれ評価方法」を用いて麺線同士のほぐれやすさを評価した。
1.冷凍うどん麺の製造の基本条件
ミキシングから水洗工程までの製造条件は〔試験例1〕と全て同じである。
(1)サンプルNo.1(比較例11):対照(未処理)
(2)サンプルNo.2(実施例9):1.0%フコイダン溶液に浸漬処理したもの。
1.0%フコイダン溶液は、500mlのプラスチックビーカーに精製フコイダン粉末3.00gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液に前記基本条件で製造したうどん麺約250gを浸漬し、30秒後にうどん麺を引き上げ、水切りした。
(3)サンプルNo.3(比較例12):1.0%ι-カラギーナン溶液に浸漬処理したもの。
1.0%ι-カラギーナン溶液は、500mlのプラスチックビーカーに精製ι-カラギーナン粉末3.00gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液を用い、サンプルNo.2と同様の方法にて浸漬処理を行った。
2.に記載した実験サンプルをそれぞれ60g取り、直径10cm、高さ5cmの透明PET容器に入れ、蓋をして−18℃、72時間冷凍保存した。72時間後に蓋を取り、冷凍されたうどんのかたまりを取り出し、700mlの沸騰した湯を張ったアルミ製鍋(直径20cm)に投入し、箸を用いてかき混ぜ、完全に麺線がほぐれるまでの時間を測定した。測定は各サンプルについて5回行い、その平均値を求めた。
業務用小型製麺機で製造したうどん麺について保存試験を行い、定法の「麺ほぐれ評価方法」を用いて麺線同士のほぐれやすさ、およびおいしさを評価した。
1.冷やしうどん麺の製造基本条件
ミキシングから水洗工程までの製造条件は〔試験例1〕と全て同じである。
前記基本条件で製造したうどん麺を、各種麺ほぐれ改良用組成物の溶液に浸漬してサンプルを調整した。また同時に、未処理の対照(比較例13)も用意した。
(1)サンプルNo.1(比較例13):対照(未処理)
(2)サンプルNo.2(実施例10):1.0%フコイダン溶液に浸漬処理したもの。
1.0%フコイダン溶液は、500mlのプラスチックビーカーに精製フコイダン粉末3.00gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液に前記基本条件で製造したうどん麺約250gを浸漬し、30秒後にうどん麺を引き上げ、水切りした。
(3)サンプルNo.3(実施例11):2.0%フコイダン溶液に浸漬処理したもの。
2.0%フコイダン溶液は、500mlのプラスチックビーカーに精製フコイダン粉末6.00gを加え、次いで水道水を加えて全量が300.00gとなるようにして室温で攪拌溶解させ調製した。
この溶液を用い、サンプルNo.2と同様の方法にて浸漬処理を行った。
(4)サンプルNo.4(比較例14):1.0%ι-カラギーナン溶液に浸漬処理したもの。
(5)サンプルNo.5(比較例16):1.0%大豆水溶性多糖類溶液に浸漬処理したもの。
(6)サンプルNo.6(実施例12):精製フコイダン粉末を外割で基本配合に対して1.0%練り込んだもの。
1.に記述した基本製造条件の(1)ミキシング直前に、中力粉入りのビニール袋へ他の原料と共に精製フコダイン粉末を添加し、よく混合した後にミキサーで食塩水と合わせ練り込んだ。
(7)サンプルNo.7(実施例13):精製フコイダン粉末を外割で基本配合に対して2.0%練り込んだもの。
(8)サンプルNo.8(比較例15):ι-カラギーナン粉末を外割で基本配合に対して1.0%練り込んだもの。
(9)サンプルNo.9(比較例17):大豆水溶性多糖類粉末を外割で基本配合に対して1.0%練り込んだもの。
※サンプルNo.4、5の1.0%水溶液はサンプルNo.2と同様の方法にて調製、浸漬処理を行った。
※サンプルNo.7〜9の試料の添加はサンプルNo.6と同様の方法にてミキシング前に行い、食塩水と合わせ練り込んだ。
実施例5、6を除く〔試験例1〕のサンプル(5℃、24時間保存)、およびそれらを蓋付きPET容器にてさらに5℃、2日間保存したサンプルについて、〔試験例1〕と同様に完全にほぐれるまでに要した時間を測定した。また3日間(24時間+2日間)保存後のサンプルについて、おいしさを10点法(10点:良い〜5点:普通〜1点:悪い)で評価した。
Claims (3)
- フコイダン、ファーセルラン、アガロペクチン、ポリフィラン、ヘパリンの群から選ばれる1種以上を有効成分としてなる麺ほぐれ改良用組成物。
- 請求項1の麺ほぐれ改良用組成物を用いてなる麺類。
- 請求項1の麺ほぐれ改良用組成物を用いることを特徴とする麺類の製造法。
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