JP2006059704A - リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の黒鉛や金属を含有する炭素材料からなる負極と比べて、活物質の微粉化や剥離がなく、したがって放電容量が高く、優れたサイクル特性と初期充放電効率が得られるリチウムイオン二次電池用負極および該二次電池用負極を用いた、前記特性を発揮するリチウムイオン二次電池の提供。
【解決手段】集電体の表面に、炭素材料と、炭素材料100質量部に対して1〜100質量部のリチウムと合金化可能な金属とを含有する厚みが20〜70μmの金属含有層を有し、金属含有層の上に、炭素材料層を有するするリチウムイオン二次電池用負極、および該負極を用いたリチウムオイオン二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、放電容量が高いリチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、他の二次電池に比べて、高エネルギー密度という優れた特性を有しており、電子機器の電源として現在広く普及している。近年、電子機器の小型化または高性能化が急速に進み、リチウムイオン二次電池のさらなる高エネルギー密度化に対する要望はますます高まっている。
現在、リチウムイオン二次電池は、正極にLiCoO2 、負極に黒鉛を用いたものが一般的である。しかし、黒鉛負極は、充放電の可逆性に優れるものの、その放電容量はすでに層間化合物LiC6 に相当する上限の理論値372mAh/g に近い値まで到達しており、さらなる高エネルギー密度化を達成するためには、黒鉛より放電容量の大きい負極材料を開発する必要がある。
黒鉛に代わる負極材料として、リチウムと合金を形成する金属質物や、該金属質物と炭素、黒鉛などとの複合化物が検討されている。例えば、特許文献1、2では、集電体の上に、リチウムと合金を形成する金属または半導体からなる第一活物質層を形成し、さらに、その上に炭素質からなる第二活物質層を形成した負極が提案されている。しかし、第一活物質層は集電体の全体を覆っており、充電時の膨張率が大きいため、充放電を繰返すと集電体との密着力が低下し、サイクル特性が低下するという問題がある。
特許文献3では、集電体の上に、炭素を主成分とする第一の層と、リチウムイオン導電性を有する膜状材料(金属、合金、金属酸化物)を主成分とする第二の層が積層してなる負極が提案されている。しかし、第二の層の充電時の膨張率が大きいため、充放電を繰返すと、第二の層の第一の層からの剥離が生じ、サイクル特性が低下するという問題がある。
特開2001−283834号公報 特開2002−15729号公報 特開2003−249211号公報
本発明は、前記のような状況を鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池用負極として用いて、従来の黒鉛材料からなる負極、および各種の金属質物層と、黒鉛質物および/または炭素質物の複合化物層との積層体からなる負極と比べて、放電容量が高く、優れたサイクル特性と初期充放電効率が得られるリチウムイオン二次電池用負極、ならびに該二次電池用負極を用いた、前記特性を発揮するリチウムイオン二次電池を提供することが目的である。
本発明は、集電体の表面に、炭素材料と、炭素材料100質量部に対して1〜100質量部のリチウムと合金化可能な金属とを含有する厚みが20〜70μmの金属含有層を有し、該金属含有層の上に、炭素材料層を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極である。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、前記炭素材料層の厚みが5〜40μmであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、前記リチウムと合金化可能な金属がシリコンおよび/またはスズであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、前記金属含有層の炭素材料が天然黒鉛を含むことが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、前記炭素材料層がメソフェーズ小球体の黒鉛化物を含むことが好ましい。
また、本発明は、前記いずれか一つのリチウムイオン二次電池用負極を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、集電体の表面に、炭素材料と合金化可能な金属を含有する金属含有層を有し、該金属含有層の上に炭素材料層を有するため、該金属が充放電に伴う膨張・収縮により微粉化しても、該金属が金属含有層から剥離することがない。また、金属含有層には、該金属に比べ膨張率が小さく、集電体との密着性のよい炭素材料を含有しているため、充放電を繰返しても、金属含有層の集電体との密着性が低下せず、導電性を維持することができる。その結果、本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いて作製したリチウムイオン二次電池は、放電容量と初期充放電効率が高く、優れたサイクル特性を有する。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池(単に、二次電池とも称す)は、通常、負極、正極および非水電解質を主たる構成要素とし、これら要素が、例えば、電池缶内に封入されている。負極および正極はそれぞれリチウムイオンの担持体として作用する。充電時にはリチウムイオンが負極中に吸蔵され、放電時には負極からリチウムイオンが脱離する電池機構によっている。本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の負極を用いること以外は特に限定されず、他の構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の要素に準じる。
(負極)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体の表面に、金属含有層と、該金属含有層の上に炭素材料層とを有する構造である。
(集電体)
負極に用いる集電体の材質は、銅、ステンレス、ニッケル、鉄などの金属であり、特に好ましいのは銅である。集電体の形状は、特に限定されないが、箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いられる。集電体の厚さは、箔状の場合、2〜50μm、特に5〜20μmであることが好ましい。集電体の大きさは、リチウムイオン二次電池の大きさにより決められる。
(金属含有層)
金属含有層は、炭素材料と、該炭素材料100質量部に対して1〜100質量部のリチウムと合金化可能な金属とを含有する。金属含有層に含有されるリチウムと合金化可能な金属の量が1質量部未満であると二次電池の放電容量の向上効果が小さく、逆に100質量部超であると充電時の金属の体積膨張が大きくなり、二次電池のサイクル特性が低下する。リチウムと合金化可能な金属の含有量は、該炭素材料100質量部に対して3〜80質量部であることが好ましく、5〜60質量部であることがより好ましい。該金属含有層の金属の含有量は、EPMA(電子線プローブマイクロアナライザー)を用いて、特性X線スペクトルから存在する元素を同定した後、ZAF定量分析法により求めることができる。金属含有層の厚みは20〜70μmである。好ましくは30〜50μmである。金属含有層の厚みが20μm未満では、放電容量の向上効果が小さく、70μm超であると負極の内部抵抗が上昇して二次電池のサイクル特性が低下する。
(リチウムと合金化可能な金属)
金属含有層にリチウムと合金化可能な金属と、炭素材料とを含有する負極は、該金属を配合していない黒鉛からなる負極に比べて高放電容量の二次電池を得ることができる。リチウムと合金化可能な金属は、Al、Pb、Zn、Sn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Ag、Si、B、Au、Pt、Pd、Sb、Ge、Niなどである。本発明においては、特に放電容量が高く、入手が容易なSiおよび/またはSnが好ましく、最も好ましいのはSiである。該金属は結晶質であっても、非晶質であってもよい。該金属の2種以上の合金であってもよい。該金属または該合金はさらに、その他の元素を含有していても、一部が酸化物、窒化物、炭化物を形成していてもよい。該金属の平均粒子径は、金属含有層の厚みの範囲内であればよいが、好ましくは10μm以下、より好ましくは0.1〜5μmである。平均粒子径が10μm超であると二次電池のサイクル特性の向上効果が小さい場合がある。平均粒子径とは、レーザー回折式粒度計で測定される累積度数が体積百分率で50%となる粒子径を意味する。該金属の形状は格別問わないが、粒状、球状、板状、鱗片状、針状、糸状であることが好ましい。
(炭素材料)
金属含有層に炭素材料を配合することにより、導電性を維持しながら、前記金属を金属含有層に保持することができる。金属含有層が炭素材料を含有せず、金属のみからなる金属含有層の場合には、導電性が確保できず、初期充放電効率およびサイクル特性が劣化する。
炭素材料は炭素質物および/または黒鉛質物であり、導電性を有するものである。炭素材料はその一部が金属と接し、導電性を確保していればよく、その形状は球状、塊状、板状、鱗片状、繊維状などのいずれであってもよい。
炭素質物はその前駆体を、600℃、好ましくは800℃以上の温度で熱処理して得ることができる。前駆体の種類は問わないが、タールピッチ類および/または樹脂類であることが好ましい。具体的には、石油系または石炭系のタールピッチ類としてコールタール、タール軽油、タール中油、タール重油、ナフタリン油、アントラセン油、コールタールピッチ、ピッチ油、メソフェーズピッチ、酸素架橋石油ピッチ、ヘビーオイルなどが挙げられる。樹脂類としては、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。好ましい前駆体はコールタールピッチ、フェノール樹脂などである。
炭素材料として黒鉛質物を用いることもできる。その一部または全部が黒鉛質物で構成されているもの、例えば、天然黒鉛や、タールピッチ類を最終的に1500℃以上の温度で熱処理してなる人造黒鉛が挙げられる。具体的には、易黒鉛化性炭素材料と呼ばれる石油系、石炭系のタールピッチ類を熱処理して重縮合させたメソフェーズ焼成体、メソフェーズ小球体、コークス類を1500℃以上、好ましくは2000〜3300℃の温度で黒鉛化処理して得ることができる。例えば、メソフェーズ小球体の黒鉛質物は、石炭系または石油系ピッチ類を350〜450℃の温度で熱処理した際に、ピッチ中に生成する光学的異方性小球体を、ピッチマトリクスから取り出し、不活性雰囲気の流動下、350〜600℃の温度で熱処理した後、最終的に1500℃以上、好ましくは2000〜3200℃の温度で熱処理して製造される。また、黒鉛質物は液相、気相、固相における各種化学的処理、熱処理、酸化処理、物理的処理などを施した黒鉛質物であってもよい。
炭素材料として、黒鉛化物と炭素質物とを併用することも可能である。例えば、黒鉛質物である鱗片状の天然黒鉛を炭素質物で被覆することによって、金属含有層と炭素材料層のいずれで使用する場合においても、初期充放電効率を向上させることができる。この場合、両者の比率に特に制限はないが、黒鉛化物100質量部に対して炭素質物が3質量部以上であることが好ましい。3質量部未満であると、例えば、天然黒鉛に対する被覆が不完全になるおそれがある。
(炭素材料層)
炭素材料層は、炭素材料を主成分とし、金属含有量に含有するリチウムと合金化可能な金属およびその他の金属を含有しない層である。炭素材料層により、金属含有層の集電体との密着性が低下せず、導電性を維持でき、放電容量と初期充放電効率が高く、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池が得られる。例えば、金属含有層のみを有し、炭素材料層を有しない負極に、充放電を繰返すと、金属の体積膨張によって、金属含有層の層構造が破壊され、金属含有層の集電体との密着性の低下や、金属の剥離が生じる。
炭素材料層の厚みは5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。炭素材料層の厚みが5μm未満では、初期充放電効率が低下する場合があり、40μm超であると負極の内部抵抗が上昇して二次電池のサイクル特性が低下する場合がある。炭素材料層に用いる炭素材料として、金属含有層に用いる炭素材料(炭素質物および/または黒鉛質物)を用いることができる。炭素材料層に用いる炭素材料の平均粒子径は、好ましくは1〜30μm、特に好ましくは5〜15μmである。平均粒子径が1μm未満であると比表面積が大きく、初期充放電効率が低下するおそれがある。また、30μmを超えると、負極合剤ペーストを調製するとき、炭素材料粒子が沈降し、均一な濃度の負極合剤ペーストが得られないおそれがある。
金属含有層の炭素材料と炭素材料層の炭素材料は、同じであっても、異っていても差し支えないが、炭素材料層は黒鉛質物を含む方が、初期充放電効率の向上効果が大きいので好ましい。特に、炭素材料層はメソフェーズ小球体の黒鉛化物を含むと初期充放電効率がさらに向上するので好ましい。また、金属含有層の炭素材料は天然黒鉛を含むと金属を保持しやすいので好ましい。
(負極の作製方法)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体の片面または両面に、炭素材料と、リチウムと合金化可能な金属とを含有する金属含有層を形成した後、金属含有層の上に、炭素材料層を形成することにより作製される。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の金属含有層、炭素材料層とも、化学的、電気化学的に安定な負極を得ることができる方法であれば何ら制限されるところがなく、通常の負極の作製方法に準じて作製される。負極材料(炭素材料、金属など)に結合剤を加えて、予め調製した負極合剤を用いる方法が好ましい。結合剤としては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものを用いるのが好ましく、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、さらにはカルボキシメチルセルロースなどが用いられる。これらを併用することもできる。
結合剤は通常、負極合剤の全量中の1〜20質量%程度の量で用いるのが好ましい。
負極は、より具体的には、下記のように作製される。まず、負極材料を分級などにより所望の粒度に調整し、これと結合剤とを混合して得た混合物を溶剤に分散させ、ペースト状にして負極合剤を調製する。すなわち、負極材料と、結合剤を、水、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどの溶剤と混合して得たスラリーを公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて攪拌混合して、負極合剤ペーストを調製する。
金属含有層を形成するには、負極材料として、所定の割合で炭素材料と金属とを混合して得たもの、例えば、前記負極合剤ペーストを用いることが好ましい。この場合、炭素材料と金属を混合したのち、加熱処理を行ってもよい。加熱温度は特に制限されないが、金属が炭素材料と反応する温度より低い温度で行うことが好ましい。例えば、Siの場合、1500℃以上の温度では炭素と反応して充放電能力を有しないSiCを生成するため、加熱処理温度は1500℃未満であることが好ましく、900〜1200℃であることが特に好ましい。
前記ペーストを、集電体の片面または両面に塗布し、乾燥することによって負極合剤層を形成することができる。負極合剤層を形成した後、プレス等の加圧を行なってもよい。金属含有層は金属を含有する負極合剤層であり、炭素材料層は金属が含有されていない負極合剤層であり、それぞれ前述した厚みとなるように調整する。また、本発明のリチウムイオン二次電池用負極として、前記した負極材料に、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの粉末を乾式混合し、ホットプレス成形したものを用いることができる。
(正極)
正極は、例えば、正極材料と結合剤および導電剤よりなる正極合剤を集電体の表面に塗布することにより形成される。本発明のリチウムイオン二次電池に使用される正極材料(正極活物質)として、リチウム化合物が用いられるが、それは、充分量のリチウムを吸蔵・脱離し得るものであるのが好ましい。そのようなリチウム化合物は、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物、一般式Mx Mo6 8-Y (式中Mは遷移金属などの金属を表し、Xは0≦X≦4の数、Yは0≦Y≦1の数である)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などである。バナジウム酸化物はV2 5 、V6 13、V2 4 、V3 8 で示されるものなどである。
リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属を固溶した複合酸化物であってもよい。複合酸化物は単独で使用しても、2種類以上を組合わせて使用してもよい。リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM1 1-z 2 z 2 (式中M1 、M2 は少なくとも一種の遷移金属であり、Zは0≦Z≦1の数である)、またはLiM1 2-w2 w 4 (式中M1 、M2 は少なくとも一種の遷移金属であり、Wは0≦W≦2の数である)で示される。式中、M1 、M2 で示される遷移金属は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましい具体例はLiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、LiNi0.9 Co0.1 2 、LiNi0.5 Mn0.5 2 などである。
また、リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウム、遷移金属の酸化物、塩類または水酸化物を出発原料とし、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素含有雰囲気下600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池においては、正極活物質は上記化合物を単独で使用しても2種類以上併用してもよい。また、正極中に、炭酸リチウム等の炭酸塩を添加することもできる。また、正極を形成する際に、従来公知の導電剤や結着剤などの各種添加剤を適宜使用することができる。導電剤としては、黒鉛やカーボンブラックなどの公知のものを使用できる。
正極も、負極と同様に、正極合剤を溶媒中に分散させることで正極合剤ペーストにし、この正極合剤ペーストを集電体に塗布し、乾燥することによって正極合剤層を形成してもよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス等の加圧を行ってもよい。これにより正極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着される。
集電体の形状は特に限定されず、箔状、またはメッシュ、エキスパンダブルメタル等の網状のものが用いられる。集電体の材質は、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔などである。その厚さは10〜40μmであるのが好ましい。
(非水電解質)
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解質は、通常の非水電解質溶液に使用される電解質塩を用いることができる。電解質塩としては、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiClO4 、LiB(C6 5 )、LiCl、LiBr、LiCF3 SO3 、LiCH3 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiN(CF3 CH2 OSO2 2 、LiN(CF3 CF3 OSO2 2 、LiN(HCF2 CF2 CH2 OSO2 2 、LiN{(CF3 2 CHOSO2 2 、LiB{(C6 3 (CF3 2 4 、LiN(SO2 CF3 2 、LiC(SO2 CF3 3 、LiAlCl4 、LiSiF6 などのリチウム塩を用いることができる。特にLiPF6 およびLiBF4 が酸化安定性の点から好ましい。電解質溶液中の電解質塩濃度は0.1〜5mol/l であるのが好ましく、0.5〜3.0mol/l であるのがより好ましい。
電解質溶液とするための溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート、1,1−または1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソフラン、4−メチルー1,3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル、スルホラン、メチルスルホランなどのチオエーテル、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリン、エチレングリコール、ジメチルサルファイトなどの非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
非水電解質を高分子固体電解質、高分子ゲル電解質などの高分子電解質とする場合には、マトリクスとして可塑剤(非水電解質溶液)でゲル化された高分子を用いる。該マトリクスを構成する高分子化合物としては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのメタクリレート系高分子化合物、ポリアクリレートなどのアクリレート系高分子化合物、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)やビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物が好ましい。これらを混合して使用することもできる。酸化還元安定性などの観点から、PVDFやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物が特に好ましい。
前記高分子固体電解質または高分子ゲル電解質には可塑剤が配合されるが、可塑剤としては、前記の電解質塩や非水溶媒が使用可能である。高分子ゲル電解質の場合、非水電解質溶液中の可塑剤である電解質塩の濃度は0.1〜5mol/l であるのが好ましく、0.5〜2.0mol/l であるのがより好ましい。
このような固体電解質の製造方法は特に制限されないが、例えば、マトリクスを構成する高分子化合物、リチウム塩および非水溶媒を混合し、加熱して高分子化合物を溶融・溶解する方法、有機溶剤に高分子化合物、リチウム塩および非水溶媒を溶解させた後、有機溶剤を蒸発させる方法、および高分子電解質の原料となる重合性モノマー、リチウム塩および非水溶媒を混合し、混合物に紫外線、電子線または分子線などを照射して重合させ高分子電解質を製造する方法などを挙げることができる。
また、前記固体電解質中の非水溶媒の添加率は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。10質量%未満であると導電率が低くなり、90質量%を超えると機械的強度が弱くなり、成膜しにくくなる。
(セパレータ)
本発明のリチウムイオン二次電池においては、セパレータを使用することができる。セパレータの材質は特に限定されないが、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが例示される。合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、中でもポリオレフィン系微多孔膜が、膜厚、膜強度、膜抵抗などの点から好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などである。
本発明のリチウムイオン二次電池においては、初期充放電効率が高いことから、ゲル電解質を用いることができる。
ゲル電解質二次電池は、負極、正極およびゲル電解質を、例えば、負極、ゲル電解質、正極の順で積層し、電池の外装材内に収容することで構成される。さらに負極と正極の外側にゲル電解質を配するようにしてもよい。特に本発明の負極にゲル電解質を用いる二次電池では、ゲル電解質にプロピレンカーボネートを含有することができる。一般にプロピレンカーボネートは黒鉛に対して電気的分解反応が激しいが、本発明の負極に対しては分解反応性が低いので、第一サイクルにおける不可逆な容量を小さく抑えることができる。
さらに、本発明のリチウムイオン二次電池の構造は特に制限されず、その形状、形態について特に限定されるものではなく、用途、搭載機器、要求される充放電容量などに応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型のいずれの形状または形態のものでもよい。より安全性の高い密閉型非水電解質電池を得るためには、過充電などの異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものであるのが好ましい。高分子固体電解質電池や高分子ゲル電解質電池の場合には、ラミネートフィルムに封入した構造とすることもできる。
また、本発明は、前記リチウムイオン二次電池用負極を用いて形成されるリチウムイオン二次電池でもある。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記負極を用いること以外は特に限定されず、他の電池構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の要素に準じて、前記したように構成され、作製される。
以下に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例および比較例では、図1に示すような構成の評価用ボタン型二次電池を作製して評価した。実電池は、本発明の目的に基づき、公知の方法に準じて製造することができる。
なお、平均粒子径は、前述したようにレーザー回折式粒度分布計により測定した粒度分布の累積度数が体積百分率で50%となる粒子径とした。また、残炭率はJIS K2425−1983の固定炭素法に準拠し、コールタールピッチを800℃の温度に加熱し、実質的に全量が炭素化されたときの残分を言い、百分率で表したものである。
(実施例1)
(作用電極の作製)
コールタールピッチ(JFEケミカル(株)製、PK−QL、残炭率60質量%)にタール中油(溶媒)を混合し、コールタールピッチ溶液を得た。ついで、該コールタールピッチ溶液にSi粉末(高純度化学研究所(株)製、平均粒子径2μm)と天然黒鉛[(株)中越黒鉛工業所製、平均粒子径10μm]を加え、200℃で1時間混練した。その際、固形分質量比がSi:天然黒鉛:コールタールピッチ=10:70:33.3となるように調整した。混練後、真空にして該混練物からタール中油を除去した。得られた混練生成物を粗粉砕した後、1000℃で10時間焼成し、実質的に揮発分を含有しない炭素質物からなる複合化物を得た。該複合化物の平均粒子径は15μmであり、該複合化物のSi:炭素材料(天然黒鉛+コールタールピッチの炭素質物)=10:(70+20)=11:100であった。該複合化物90質量部と、結合剤ポリフッ化ビニリデン10質量部とを、N−メチルピロリドン溶媒に入れ、ホモミキサーを用いて2000rpm で30分間攪拌混合し、有機溶媒系負極合剤ペーストAを調製した。
メソフェーズ小球体(JFEケミカル株式会社製、KMFC)を3000℃に加熱し、黒鉛化した後、該粉末を分級して、粒度調整し、平均粒子径が18μmの黒鉛質粒子粉末を得た。該黒鉛質粒子粉末90質量部と、結合剤ポリフッ化ビニリデン10質量部とを、N−メチルピロリドン溶媒に入れ、ホモミキサーを用いて2000rpm で30分間攪拌混合し、有機溶媒系負極合剤ペーストBを調製した。
ペーストAを、集電体銅箔(厚さ16μm)上に塗布し、さらにその上に、ペーストBを塗布した。その後、真空中90℃で溶媒を揮発させ、乾燥し、負極合剤層をハンドプレスによって加圧し、金属含有層と、金属含有層の上に炭素材料層を形成した。これを直径15.5mmの円柱状に打抜いて、該集電体に保持された作用電極を作製した。加圧後の各層の断面(倍率1000倍)を前記したEPMAによるZAF定量分析法により、リチウムと合金化可能な金属の含有割合を求めた。断面は10視野を観察し、その平均値を採用した。また、各層の厚みは、SEM(走査型電子顕微鏡)により測定した10箇所の平均値とした。結果を表1に示した。
(対極の作製)
リチウム金属箔をニッケルネットに押し付け、直径15.5mmの円形状に打抜いて、ニッケルネットからなる集電体に密着したリチウム金属箔からなる対極を作製した。
(電解質、セパレータ)
エチレンカーボネート33vol %とメチルエチルカーボネート67vol %を混合してなる混合溶媒に、LiPF6 を1mol/lとなる濃度で溶解させ、非水電解溶液を調製した。得られた非水電解溶液をポリプロピレン多孔質体(厚さ20μm)に含浸させ、電解液が含浸したセパレータを作製した。
(評価電池)
評価電池として、図1に示すボタン型二次電池を作製した。
集電体7bに密着した作用電極2と、集電体7aに密着した対極4との間に、電解液を含浸させたセパレータ5を挟んで、積層した。その後、集電体7b側が外装カップ1内に、集電体7a側が外装缶3内に収容されるように、外装カップ1と外装缶3とを合わせた。その際、外装カップ1と外装缶3との周縁部に、絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉した。
(充放電試験)
評価電池について、25℃の温度下で以下のような充放電試験を行い、充放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を測定、計算した。評価結果を表1に示した。(放電容量、初期充放電効率)
0.9mAの電流値で回路電圧が0mVに達するまで定電流充電を行い、回路電圧が0mVに達した時点で定電圧充電に切替え、さらに電流値が20μAになるまで充電を続けた。その間の通電量から充電容量を求めた。その後、120分間休止した。次に、0.9mAの電流値で回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求めた。これを第1サイクルとした。次式から初期充放電効率を計算した。なお、この試験では、リチウムイオンを黒鉛質粒子へ吸蔵する過程を充電、脱離する過程を放電とした。
初期充放電効率(%)=(第1サイクルの放電容量/第1サイクルの充電容量)
×100
放電容量および初期充放電効率を評価した評価電池とは別の評価電池を作製し、以下のような評価試験を行った。
回路電圧が0mVに達するまで4.0mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた。その間の通電量から充電容量を求めた。その後、120分間休止した。次に、4.0mAの電流値で回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求めた。この充放電を20回繰返し、得られた放電容量から、次式を用いてサイクル特性を計算した。
サイクル特性(%)=(第20サイクルの放電容量/第1サイクルの放電容量)
×100
(比較例1)
実施例1において、表2に示すように、ペーストAとペーストBの塗布順序を入替える以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表2に示した。
(比較例2)
実施例1において、表2に示すように、銅箔にペーストAを塗布し、厚さが40μmから50μmに変更された第一層を形成し、該層の上にシリコンをターゲットとしてスパッタリングを行い、第二層としてシリコン薄膜(厚さ5μm)を形成する以外は、実施例1と同様な方法と条件で負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表2に示した。
前記スパッタリングは、DC二極スパッタリング装置のアノード側ステージにペーストAを塗布した電極を配置し、カソードに純度99.999%の単結晶シリコーンターゲットを配置して、アルゴン雰囲気で、圧力0.5Pa、電圧600V、電流0.5Aの条件で2時間行った。
(比較例3)
実施例1において、表2に示すように、銅箔にシリコンをターゲットとしてスパッタリングを行い、第一層としてシリコン薄膜(厚さ5μm)を形成し、該薄膜の上にペーストAを塗布し、厚さが40μmから50μmに変更された第二層を形成し、さらにペーストBを塗布することにより第三層を形成する以外は、実施例1と同様な方法と条件で負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表2に示した。
前記スパッタリングは、DC二極スパッタリング装置のアノード側ステージに銅箔を配置し、カソードに純度99.999%の単結晶シリコーンターゲットを配置して、アルゴン雰囲気で、圧力0.5Pa、電圧600V、電流0.5Aの条件で2時間行なった。
(実施例2〜3)
実施例1において、金属含有層のシリコン粉末の含有量を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例1において、金属含有層のシリコン粉末の含有量を表2に示すように変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表2に示した。
(実施例4〜6)
実施例1において、金属含有層の厚さを表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表1に示した。
(比較例5)
実施例1において、金属含有層の厚さを表2に示すように変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表2に示した。
(実施例7〜10)
実施例1において、炭素材料層の厚さを表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表1に示した。
(実施例11〜12)
実施例1において、Siの含有量を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表1に示した。
(実施例13)
実施例1において、炭素材料層の炭素材料を天然黒鉛に変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表1に示した。
(実施例14〜15)
実施例1において、金属含有層の炭素材料の作製時に、コールタールピッチをフェノール樹脂[昭和高分子(株)製、「APH−N3001」]またはフラン樹脂[リグナイト(株)製]に、タール中油をエタノールに、さらにシリコン粉末をスズ粉末に[Aldrici (株)製、平均粒子径10μm以下]に変更し、その炭素材料100質量部に対するスズ粉末の配合量を18質量部に変更する以外は、実施例1と同様な方法と条件で、負極合剤ペーストを調製し、負極および評価電池を作製した。該評価電池について、実施例1と同様に充放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性を求めた。評価結果を表1に示した。
実施例1〜15の評価電池は、集電体の表面に炭素材料とリチウムと合金化可能な金属とを含有する金属含有層を有し、金属含有層の上に、炭素材料層を有する負極としたため、黒鉛の層の上に金属と黒鉛からなる層を設けた負極(比較例1)、金属と黒鉛からなる層の上に金属層を設けた負極(比較例2)、金属層の上に金属と黒鉛からなる層、さらに炭素材料層を設けた負極(比較例3)、金属含有層の金属の含有量が多い負極(比較例4)、金属含有層の厚さが厚い負極(比較例5)に比べて高い放電容量を維持しつつ、初期充放電効率が高く、かつサイクル特性に優れることがわかる。また、実施例7〜10の評価電池は、炭素材料層の厚さに好適範囲があることを示している。
Figure 2006059704
Figure 2006059704
充放電試験に用いるためのボタン型評価電池の構造を示す模式断面図である。
符号の説明
1 外装カップ
2 作用電極
3 外装缶
4 対極
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電体

Claims (6)

  1. 集電体の表面に、炭素材料と、炭素材料100質量部に対して1〜100質量部のリチウムと合金化可能な金属とを含有する厚みが20〜70μmの金属含有層を有し、該金属含有層の上に、炭素材料層を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  2. 前記炭素材料層の厚みが5〜40μmである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  3. 前記リチウムと合金化可能な金属がシリコンおよび/またはスズである請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  4. 前記金属含有層の炭素材料が天然黒鉛を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 前記炭素材料層がメソフェーズ小球体の黒鉛化物を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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