JP2006056424A - 車両のサイドドア構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 サイドドアに設けられたアームレストの車室内側への突出量を容易かつ適正に変化させて利便性を効果的に向上させる。
【解決手段】 車室内に配設された座席1の側方に乗降用開口部2が形成されるとともに、この乗降用開口部2を開閉するサイドドア3が配設された車両において、上記サイドドア3の車室内側面に重量物の支持部材4を設けるとともに、その下辺部に支持部材4の揺動支点となる支持軸5を設け、この支持軸5を支点として上記支持部材4を揺動変位させることにより、支持部材4に設けられた上端支持面6の車室内側への突出量を変更可能に構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 車室内に配設された座席1の側方に乗降用開口部2が形成されるとともに、この乗降用開口部2を開閉するサイドドア3が配設された車両において、上記サイドドア3の車室内側面に重量物の支持部材4を設けるとともに、その下辺部に支持部材4の揺動支点となる支持軸5を設け、この支持軸5を支点として上記支持部材4を揺動変位させることにより、支持部材4に設けられた上端支持面6の車室内側への突出量を変更可能に構成した。
【選択図】 図1
Description
車室内に配設された座席の側方に配設された乗降用開口部を開閉するサイドドアに、アームレスト等からなる重量物の支持部材が設けられた車両のサイドドア構造に関するものである。
従来、下記特許文献1に示すように、スライドドアを備えた車両において、スライドドアの側辺にて当該スライドドアから車室内側に向けて所定距離だけ突出せしめた突出状態と、突出長さの短い非突出状態とを選択可能に支持された台部と、上記スライドドアを閉じたときに上記台部を突出状態とすることを可能とするとともに、上記スライドドアを開いたときには強制的に上記台部を非突出状態とする格納機構とを具備する車両の置き台が知られている。
上記特許文献1に開示された車両の置き台は、台形状のプレート材からなるアームレスト(台部)の基端部に設けられた回転軸をスライドドアの内側面部に回動可能に支持し、スライドドアが閉止状態となったことが接点スイッチにより検出された場合に、駆動モータを作動させて上記アームレストを上方に回動変位させることにより、スライドドアの車室内側面に沿って格納されたアームレストを水平な使用位置に上昇させた後、係止フックによりアームレストを上記使用位置に係止するように構成されている。そして、上記接点スイッチによりスライドドアが開放操作されたことが検出された場合に、上記係止フックによるアームレストの係止状態を解除するとともに、上記回転軸に設けられたコイルスプリングの付勢力に応じてアームレストを下方に回動変位させることにより、スライドドアの車室内側面に沿った格納位置にアームレストを下降させるようになっている。
実開平05−082650号公報
上記特許文献1に開示されているように、台形状のプレート材からなるアームレストを、その基端部に設けられた回転軸を支点にして上方に回動変位させるように構成した場合には、スライドドアを閉止した状態で上記アームレストを車室内側に突出させて利用することができる。そして、スライドドアを車体の側面に沿ってスライド変位させて開放操作する際に、上記アームレストを下降させて格納状態とすることにより、スライドドアを車体の外方側に大きく変位させる等の手段を講じることなく、上記アームレストが車両の側面部材等に干渉するのを防止できるという利点がある。
しかし、上記のようにスライドドアが閉止状態となった時点で、台形状のプレート材からなる上記アームレストを下方の格納位置から上方の使用位置に回動変位させる際に、アームレストが乗員の肘等に当接し易く、乗員の肘等が押し上げられることにより、乗員が違和感を受けるという問題がある。また、上記のようにアームレストを水平状態として使用する際には、その車室内側への突出量を使用者の好みに応じて変化させることができないので使い勝手が悪いという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、サイドドアに設けられたアームレスト等からなる支持部材の車室内側への突出量を容易かつ適正に変化させて利便性を効果的に向上させることができる車両のサイドドア構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、車室内に配設された座席の側方に乗降用開口部が形成されるとともに、この乗降用開口部を開閉するサイドドアが配設された車両において、上記サイドドアの車室内側面に重量物の支持部材を設けるとともに、その下辺部に支持部材の揺動支点となる支持軸を設け、この支持軸を支点として上記支持部材を揺動変位させることにより、支持部材に設けられた上端支持面の車室内側への突出量を変更可能に構成したものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両のサイドドア構造において、サイドドアの開放操作が行われたことを検出する開閉検出手段と、サイドドアの開放操作が行われたことが検出された場合に、支持軸を支点に支持部材を揺動変位させて上端支持面の車室内側への突出量を減少させる方向に駆動する揺動駆動手段とを備えたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項2に記載の車両のサイドドア構造において、サイドドアの開放操作が開始されたことが開閉検出手段により検出された時点で、揺動駆動手段を作動させて支持部材の上端支持面の車室内側への突出量を減少させるように制御する揺動制御手段を備えたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3項の何れか1項に記載の車両のサイドドア構造において、サイドドアの閉止操作が行われたことを検出する開閉検出手段と、サイドドアの閉止操作が行われたことが検出された場合に、支持軸を支点に支持部材を揺動変位させて上端支持面の車室内側への突出量を増大させる方向に駆動する揺動駆動手段とを備えたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項4項に記載の車両のサイドドア構造において、サイドドアの閉止操作が完了したことが開閉検出手段により検出された後に、揺動駆動手段を作動させて支持部材の車室内側への突出量を増大させるように制御する揺動制御手段を備えたものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項1記載の車両のサイドドア構造において、支持部材をサイドドア内に格納する方向に付勢する付勢手段と、支持部材の車室内側への突出量を変更可能な状態で支持部材を係止する係止部材とを備えたものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項1〜6の何れか1項に記載の車両のサイドドア構造において、車体の前後方向にスライドすることにより乗降用開口部を開閉するサイドドアの車室内側面に、重量物の支持部材を設けたものである。
請求項1に係る発明では、支持部材の下辺部に設けられた支持軸を支点にして支持部材を揺動変位させるように構成したため、この支持部材の揺動変位量を変化させることにより、支持部材の上端支持面を略水平状態に維持したまま、その車室内側への突出量を乗員の好みに応じた値に容易かつ正確に調節することができるとともに、上記支持部材をサイドドアの側壁面に沿って格納した状態から車室内側に水平移動させることにより車室内側に突出させる動作をスムーズに行うことができる。
請求項2に係る発明では、サイドドアの開放操作が行われたことが開閉検出手段において検出された場合に、揺動駆動手段により支持軸を支点に支持部材を揺動変位させて上端支持面の車室内側への突出量を減少させる方向に駆動するように構成したため、サイドドアを開放操作するために支持部材を使用する状態にないことが確認された時点で、上記揺動駆動手段を作動させることにより支持部材を自動的にサイドドア内に格納して車室内の有効スペースを拡大することができる。
請求項3に係る発明では、サイドドアの開放操作が開始されたことが開閉検出手段において検出された時点で、支持部材を揺動変位させて上端支持面の車室内側への突出量を減少させる制御を揺動制御手段において実行するように構成したため、上記支持部材をサイドドア内に格納した状態で上記サイドドアの開放操作を容易かつスムーズに行うことができるという利点がある。
請求項4に係る発明では、サイドドアの閉止操作が行われたことが開閉検出手段において検出された場合に、揺動駆動手段により支持軸を支点に支持部材を揺動変位させて上端支持面の車室内側への突出量を増大させるように構成したため、必要時に上記支持部材を使用可能な状態に自動的に移行させることができる。
請求項5に係る発明では、サイドドアの閉止操作が完了したことが開閉検出手段において検出された後に、上記揺動駆動手段を作動させて支持部材の車室内側への突出量を増大させる制御を実行するように構成したため、上記支持部材をサイドドア内に格納した状態でサイドドアの開放操作を容易かつスムーズに行うことができるという利点がある。
請求項6に係る発明によれば、支持部材の使用時には、付勢手段の付勢力に抗して支持部材を車室内側に引き出した状態で、係止手段によって支持部材を所定の引出位置に係止することができるとともに、支持部材の不使用時には、上記係止部材による支持部材の係止状態を解除することにより、付勢手段の付勢力に応じて支持部材をサイドドア内に自動的に格納することができる。
請求項7に係る発明によれば、車体の前後方向にスライドすることにより乗降用開口部を開閉するサイドドアを備えた車両において、サイドドアの開放操作を行う際に、その車室内側面に設けられた重量物の支持部材を、下辺部の支持軸を支点に揺動変位させてサイドドア内に格納することにより、サイドドアを車体の外方側に大きく変位させる等の手段を講じることなく、上記支持部材が車両の側面部材等に干渉するのを防止できるという利点がある。
図1〜図3は本発明の実施形態に係る車両のサイドドア構造を備えた車室の内部を示している。この車室の内部に配設された乗員用の座席1の側方には、乗降用開口部2が形成されるとともに、車体の外側面に沿って前後方向にスライド変位することにより上記乗降用開口部2を開閉するサイドドア3が配設されている。また、上記座席1は、車体の前後方向に伸びる左右一対の第1ガイドレール1aに沿って車体の前後方向にスライド変位可能に支持されるとともに、第1ガイドレール1aの上方に配設された前後一対の第2ガイドレール1bに沿って車幅方向にスライド変位可能に支持されている。
上記サイドドア3の車室内側面には、上端部に乗員の肘等が載置される上端支持面6が設けられたアームレストからなる重量物の支持部材4が設置されている。この支持部材4は、その下辺部に設けられた支持軸5を支点にして揺動自在に支持されるとともに、図4及び図5に示すように、上記サイドドア3内に配設された揺動駆動手段7により駆動されて上記支持軸5を支点に揺動変位し、これに応じて支持部材4の上端部に設けられた上端支持面6の車室内側への突出量が変化するように構成されている。
上記揺動駆動手段7は、支持部材4の背面下部に突設された駆動レバー8と、この駆動レバー8の下面に当接するように配設された偏心カム9と、この偏心カム9を回転駆動するステッピングモータ10と、上記支持部材4をサイドドア3内に格納する方向に付勢する引張ばねからなる付勢手段11とを有している。そして、下記制御ユニット12に設けられた揺動制御手段13から上記ステッピングモータ10に出力される制御信号に応じ、上記偏心カム9の短径部が駆動レバー8の下面に当接した図4に示す非駆動位置から、偏心カム9の長径部が駆動レバー8の下面に当接した図5に示す押上位置に、偏心カム9を回転変位させることにより、上記支持部材4をサイドドア3内に格納した状態から車室内側に突出させた状態に移行させる制御が実行されるようになっている。
すなわち、偏心カム9が上記非駆動位置にある場合には、付勢手段11の付勢力に応じて支持部材4がサイドドア3内に引き込まれた状態に保持されている。この状態から偏心カム9を上記押上位置に回転変位させると、この偏心カム9によって駆動レバー8が押し上げられる方向に駆動されることにより、上記付勢手段11の付勢力に抗して支持部材4が揺動変位してサイドドア3内から車室内側に突出した状態となり、上記押上位置に偏心カム9を停止させて支持部材4の上端支持面6を車室内に突出させた状態に保持するようになっている。
図6に示すように、制御ユニット12には、サイドドア3の開閉操作を検出する開閉検出手段15と、上記座席1の位置を検出する座席位置検出手段16と、支持部材4の車室内側への突出量を検出する突出量検出手段17と、これらの開閉検出手段15、座席位置検出手段16及び突出量検出手段17の検出信号に対応した制御信号を上記ステッピングモータ10に出力することにより支持部材4を揺動変位させてその突出量を制御する揺動制御手段13とが設けられている。
上記開閉検出手段15は、サイドドア3の前端面及びセンタピラー等の車体側部材に設けられた磁気センサ、光電管スイッチまたはリミットスイッチ等からなるドアセンサ18の出力信号に応じ、閉止状態にあるサイドドア3を開放状態に移行させるサイドドア3の開放操作が開始されたか否かを検出するとともに、開放状態にあるサイドドア3を閉止状態に移行させるサイドドア3の閉止操作が完了したか否かを検出し、これらの検出信号を上記揺動制御手段13に出力するように構成されている。なお、乗員のスイッチ操作に応じて上記サイドドア3を自動的にスライド変位させるドア開閉駆動手段を備えた車両では、このドア開閉駆動手段に出力される制御信号等に応じてサイドドア3の開閉操作を検出するように構成してもよい。
また、上記座席位置検出手段16は、第2スライドレール1bに設けられたポテンショメータ19等の検出信号に応じて座席1が予め設定された基準位置よりも車室の側面に近接した側方位置にあるか否かを検出し、この検出信号を上記揺動制御手段13に出力するように構成されている。
さらに、上記突出量検出手段17は、ステッピングモータ10の回転角度を検出するロータリエンコーダ20等の出力信号に応じて上記支持部材4の車室内側への突出量を検出し、この検出信号を上記揺動制御手段13に出力するように構成されている。
上記揺動制御手段13は、開閉検出手段15においてサイドドア3の開放操作が開始されたことが検出された時点で、上記突出量検出手段17の検出信号に応じて支持部材4が車室内に突出した状態にあるか否かを判定し、突出した状態にあると判定された場合に、上記押上位置にある偏心カム9を非駆動位置に回転変位させる制御信号をステッピングモータ10に出力することにより、上記支持部材4の車室内方向への突出量を減少させてサイドドア3内に支持部材4を格納する方向に揺動変位させる制御を実行するように構成されている。
また、上記揺動制御手段13は、開閉検出手段15においてサイドドア3の閉止操作が完了したことが検出された場合に、この時点からタイマーにより予め設定された所定時間が経過したか否かを判別し、所定時間が経過したことが確認された時点で上記座席位置検出手段16の検出信号に応じて座席1が車室の側面に近接した側方位置にあるか否かを判別するように構成されている。そして、サイドドア3の閉止操作が完了し、かつその後に所定時間が経過した時点で座席1が車室の側面に近接した状態にないことが検出された場合には、上記非駆動位置にある偏心カム9を押上位置に回転変位させる制御信号がステッピングモータ10に出力されることにより、上記支持部材4の車室内側への突出量を増大させる方向に揺動変位させる制御が実行されるようになっている。
上記支持部材4の車室内壁面等には、支持部材4の車室内側への突出量を入力するための操作スイッチ21が設けられ、この操作スイッチ21により入力された上記突出量の設定値を記憶する記憶手段が上記突出量調節手段13に設けられている。上記支持部材4の突出量は、図4に示すように、偏心カム9が非駆動位置にあって支持部材4がサイドドア3内に格納された状態、つまり突出量が0となった最小値から、図5に示すように、偏心カム9が押上位置に回転変位して支持部材4の上端部背面に突設された係止片13がサイドドア3に設けられた開口部の上端に当接した最大値の範囲内で、使用者の好みに応じた値に設定され、この値に上記記憶手段において記憶されるようになっている。
上記揺動制御手段13により支持部材4の車室内側への突出量を制御する場合の制御動作を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御動作がスタートすると、まず、上記ドアセンサ18の出力信号に応じて閉止状態にあるサイドドア3の開放操作が開始されたか否かを判定し(ステップS1)、YESと判定された場合には、上記ロータリエンコーダ20の出力信号に応じて支持部材4が突出状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。このステップS2でYESと判定されて上記支持部材4が車室内に突出した状態にあることが確認された場合には、図5に示す押上位置にある偏心カム9を図4に示す非駆動位置に回転変位させる制御信号をステッピングモータ10に出力することにより、上記支持部材4の突出量を減少させてサイドドア3内に格納する制御を実行する(ステップS3)。
次に、上記ドアセンサ18の出力信号に応じて開放状態にあるサイドドア3を閉止させる操作が行われてこの閉止操作が完了したか否かを判定し(ステップS4)、YESと判定された場合には、この時点で計時を開始したタイマーのカウント値に基づき、サイドドア3が閉止状態となった後に予め1〜数秒程度に設定された所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS5)。
上記ステップS5でYESと判定されて上記サイドドア3が閉止状態となった後に所定時間が経過したことが確認された時点で、上記座席位置検出手段16において座席1が基準位置よりも車室の側面に近接した側方位置にあるか否かを判定し(ステップS6)、NOと判定された場合には、上記非駆動位置にある偏心カム9を押上位置に回転変位させる制御信号をステッピングモータ10に出力することにより、上記支持部材4の突出量を増大させる制御を実行する(ステップS7)。なお、上記ステップS6でYESと判定され、座席1が基準位置よりも車室の側面に近接した側方位置にあることが確認された場合には、上記支持部材4の突出量を増大させる制御を実行することなく、そのままリターンする。
上記のように車室内に配設された座席1の側方に乗降用開口部2が形成されるとともに、この乗降用開口部2を開閉するサイドドア3が配設された車両において、上記サイドドア3の車室内側面に重量物の支持部材4を設けるとともに、その下辺部に支持部材4の揺動支点となる支持軸5を設け、この支持軸5を支点として上記支持部材4を揺動変位させることにより、支持部材4に設けられた上端支持面6の車室内側への突出量を変更可能に構成したため、サイドドア3に設けられたアームレスト等からなる上記支持部材4の車室内側の突出量を容易かつ適正に変化させて利便性を効果的に向上させることができるという利点がある。
すなわち、上記支持部材4の下辺部に設けられた支持軸5を支点にして支持部材4を揺動変位させるように構成したため、この支持部材4の揺動変位量を変化させることにより、支持部材4の上端支持面6を略水平状態に維持したまま、その車室内側への突出量を乗員の好みに応じた値に容易かつ正確に調節することができる。しかも、上記支持部材4をサイドドア3の側壁面に沿って格納した状態から車室内側に揺動変位させることにより車室内側に突出させた状態とすることができるため、特許文献1に示すように、支持部材(アームレスト)を下方の格納位置から上方の使用位置に回転変位させる際に、支持部材が乗員の肘等に当接して肘等が押し上げられる等の事態を生じることなく、上記支持部材4に設けられた上端支持面6を車室内側に突出させる動作をスムーズに行うことができる。
例えば、上記実施形態では、支持部材4の下部背面に突設された駆動レバー8と、この駆動レバー8の下面に当接するように配設された偏心カム9と、この偏心カム9を回転駆動するステッピングモータ10と、上記支持部材4をサイドドア3内に格納する方向に付勢する引張ばねからなる付勢手段11とを有する揺動駆動手段7を設け、揺動制御手段13から上記ステッピングモータ10に出力される制御信号に応じて偏心カム9を回転させることにより、支持部材4の下辺部に設けられた支持軸5を支点にして支持部材4を揺動変位させるように構成したため、上記偏心カム9の回転角度を変化させることにより、上記支持部材4の車室内側の突出量を容易かつ適正に変化させることができる。そして、乗員が上記操作スイッチ21を操作することにより支持部材4の突出量を設定した場合には、ステッピングモータ10を作動させて偏心カム9を回転変位させる際に、その回転角度を上記突出量の設定値に応じて変化させることにより、上記上端支持面6の車室内側への突出量を適正値に調節できるという利点がある。
また、上記実施形態に示すように、開閉検出手段15においてサイドドア3の開放操作が行われたことが検出された場合に、上記揺動駆動手段7により支持軸5を支点に支持部材4を揺動変位させて上端支持面6の車室内側への突出量を減少させる方向に駆動するようにした構成によると、サイドドア3を開放操作するために支持部材4を使用する状態にないことが確認された時点で、上記揺動駆動手段7を作動させて支持部材4を自動的にサイドドア3内に格納することにより車室内の有効スペースを拡大することができる。
特に、上記実施形態では、ドアセンサ18の出力信号に応じて図8に示すように、サイドドア3の開放操作が開始されたことが開閉検出手段15により検出された時点t1で、支持部材4を揺動変位させて上端支持面6の車室内側への突出量を減少させる減少指令信号を揺動制御手段13からステッピングモータ10に出力するように構成したため、上記支持部材4をサイドドア3内に格納した状態で上記サイドドア3の開放操作を容易かつスムーズに行うことができるという利点がある。
また、上記実施形態では、サイドドア3の閉止操作が行われたことが開閉検出手段15において検出された場合に、支持軸5を支点に支持部材4を揺動変位させて上端支持面6の車室内側への突出量を増大させる方向に支持部材を駆動する揺動駆動手段7を設けたため、上記開閉検出手段15の出力信号に応じて支持部材4を使用する可能性が生じたことが確認された時点で、上記揺動駆動手段7を作動させることにより支持部材4を使用可能な状態に自動的に移行させることができる。
さらに、上記実施形態では、ドアセンサ18の出力信号に応じ、サイドドア3の閉止操作が完了したことが開閉検出手段15により検出された時点t2の後に、支持部材4を揺動変位させてその車室内側への突出量を増大させる制御を揺動制御手段13において実行するように構成したため、上記サイドドア3の閉止操作の途中で支持部材4が車室内側に突出して乗員が違和感を受けるという事態の発生を確実に防止し、適正なタイミングで上記揺動駆動手段7を作動させることにより支持部材4を使用可能な状態へと自動的に移行させることができる。
特に、上記実施形態では、サイドドア3の閉止操作が完了したことが開閉検出手段15により検出された時点t2でタイマーの計時を開始し、このタイマーにより所定時間Tが経過したか否かを判別し、この所定時間Tが経過したことが確認された時点t3で、支持部材4を揺動変位させての車室内側への突出量を増大させる増大指令信号を上記揺動制御手段13からステッピングモータ10に出力するように構成したため、乗員が上記サイドドア3の閉止操作を行った後に、ドア近傍から乗員が退避する余裕を充分に与えた状態で、上記支持部材4の車室内側への突出量を増大させる方向に支持部材4を揺動変位させることができる。
また、上記実施形態に示すように、車体の前後方向にスライドすることにより乗降用開口部2を開閉するサイドドア3を備えた車両において、このサイドドア3の車室内側面に重量物の支持部材4を設けた場合には、上記支持軸5を支点に支持部材4を揺動変位させてサイドドア3内に格納した状態で、サイドドア3の開放操作が行われるように構成することにより、この開放操作時にサイドドア3を車体の外方側に大きく変位させる等の手段を講じることなく、上記支持部材4が車両の側面部材等に干渉するのを防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、開閉検出手段15においてサイドドア3の閉止操作が完了したことが検出された後に、上記座席位置検出手段18の検出信号に応じて座席1が基準位置よりも車室の側面に近接した側方位置にあるか否かを判別し、この側方位置にあることが検出された場合に、上記揺動駆動手段7を作動させることなくリターンして上記支持部材4の車室内側への突出量を増大させる制御を禁止するように構成したため、車室の側面に近接した位置に着座した乗員に上記支持部材4が当接するという事態の発生を効果的に防止することができる。
なお、上記実施形態では、支持部材4の下部背面に突設された駆動レバー8と、この駆動レバー8の下面に当接するように配設された偏心カム9と、この偏心カム9を回転駆動するステッピングモータ10と、上記支持部材4をサイドドア3内に格納する方向に付勢する引張ばねからなる付勢手段11とを有する揺動駆動手段7を設けた例について説明したが、上記駆動レバー8及び偏心カム9に代えて、支持部材3の背面に当接するねじ軸を設け、このねじ軸を駆動モータにより回転駆動して螺進させることにより、上記支持部材3を揺動変位させるように構成してもよく、あるいはステッピングモータ等の駆動手段により上記支持軸5を回転駆動して支持部材4を揺動変位させるように構成してもよい。また、上記引張ばねからなる付勢手段11に代え、支持軸5に外嵌されたねじりコイルばねからなる付勢手段により上記支持部材4をサイドドア3内に格納する方向に付勢するようにしてもよい。
また、図9に示すように、下辺部に設けられた支持軸5を支点にして揺動可能に支持された支持部材4を、引張ばね等からなる付勢手段11の付勢力に抗して手動操作により車室内側に引出可能に構成するとともに、図10及び図11に示すように、サイドドア3に設けられた係止部材22を、支持部材4の側壁面に設けられたラック状部材23に係合することにより、上記支持部材4の車室内側への突出量を変更可能な状態で支持部材4を係止するように構成してもよい。
上記係止部材22は、先窄まりの係止部が先端に形成された磁性体からなるロックピン24と、このロックピン24を上記ラック状部材23から離間させる方向に付勢する圧縮ばねからなる付勢手段25と、上記付勢手段25の付勢力に抗してロックピン24の先端部をラック状部材23側に突出させる方向に駆動するソレノイド26とを有し、このソレノイド26に通電することにより、上記ラック状部材23に連続して設けられたV字状の係止用凹部にロックピン24の先端部が係合されるように構成されている。
サイドドア3が開放状態にある場合には、上記ソレノイド26に対する通電を遮断する制御が揺動制御手段において実行されることにより、上記付勢手段25の付勢力により図10に示すように、ロックピン24の先端部がラック状部材23から離間した状態に保持されている。このため、サイドドア3の開放状態では、上記係止部材22による支持部材4の係止機能が発揮されることはなく、上記付勢手段11の付勢力に応じて支持部材4が、図9の実線で示すようにサイドドア3内に格納された状態に保持されることになる。
そして、サイドドア3が閉止状態となったことが開閉検出手段により検出された時点で、上記ソレノイド26に対する通電を開始する制御が揺動制御手段において実行されることにより、このソレノイド26の駆動力に応じて図11に示すように、ロックピン24の先端部がラック状部材23の係止用凹部に係合されるとともに、この状態で支持部材4の内壁面に設けられた取手27を持って支持部材4を車体の内方側に引き出すことにより、ロックピン24の先端部とラック状部材23の係止用凹部との係合位置が変化するようになっている。上記支持部材4の引出操作に応じて上端支持面6の車室内側への突出量が適正値となった時点で、上記支持部材4の引出操作を停止することにより、図11に示すように、ロックピン24の先端部がラック状部材23の係止用凹部に係合されて図9の実線で示すように支持部材4が所定の引出位置に係止されることになる。
また、上記支持部材4が車室内側に引き出された状態で、サイドドア3の開放操作が行われたことが開閉検出手段において検出されると、上記ソレノイド26に対する通電を遮断する制御が揺動制御手段において実行されることにより、図10に示すように、ロックピン24の先端部がラック状部材23から離間して支持部材4の係止状態が解除され、図9の実線で示すように、上記付勢手段11の付勢力に応じて支持部材4がサイドドア3内に格納された状態に自動的に移行することになる。したがって、上記支持部材4に邪魔されることなく、サイドドア3の開放操作を容易かつスムーズに行うことができる。
また、イグニッションキーのOFF操作等に応じてソレノイド26に対する通電が遮断された場合においても、図10に示すように、ロックピン24の先端部がラック状部材23から離間して支持部材4の係止状態が解除されるため、図9の実線で示すように、上記支持部材4が付勢手段11の付勢力に応じてサイドドア3内に格納した状態に自動的に移行し、この状態で上記サイドドア3の開放操作を容易かつスムーズに行うことができる。
1 座席
2 乗降用開口部
3 サイドドア
4 支持部材
5 支持軸
6 上端支持面
7 揺動駆動手段
11 付勢手段
13 揺動制御手段
15 開閉検出手段
22 係止部材
2 乗降用開口部
3 サイドドア
4 支持部材
5 支持軸
6 上端支持面
7 揺動駆動手段
11 付勢手段
13 揺動制御手段
15 開閉検出手段
22 係止部材
Claims (7)
- 車室内に配設された座席の側方に乗降用開口部が形成されるとともに、この乗降用開口部を開閉するサイドドアが配設された車両において、上記サイドドアの車室内側面に重量物の支持部材を設けるとともに、その下辺部に支持部材の揺動支点となる支持軸を設け、この支持軸を支点として上記支持部材を揺動変位させることにより、支持部材に設けられた上端支持面の車室内側への突出量を変更可能に構成したことを特徴とする車両のサイドドア構造。
- サイドドアの開放操作が行われたことを検出する開閉検出手段と、サイドドアの開放操作が行われたことが検出された場合に、支持軸を支点に支持部材を揺動変位させて上端支持面の車室内側への突出量を減少させる方向に駆動する揺動駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドドア構造。
- サイドドアの開放操作が開始されたことが開閉検出手段により検出された時点で、揺動駆動手段を作動させて支持部材の上端支持面の車室内側への突出量を減少させるように制御する揺動制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両のサイドドア構造。
- サイドドアの閉止操作が行われたことを検出する開閉検出手段と、サイドドアの閉止操作が行われたことが検出された場合に、支持軸を支点に支持部材を揺動変位させて上端支持面の車室内側への突出量を増大させる方向に駆動する揺動駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3項の何れか1項に記載の車両のサイドドア構造。
- サイドドアの閉止操作が完了したことが開閉検出手段により検出された後に、揺動駆動手段を作動させて支持部材の車室内側への突出量を増大させるように制御する揺動制御手段を備えたことを特徴とする請求項4項に記載の車両のサイドドア構造。
- 支持部材をサイドドア内に格納する方向に付勢する付勢手段と、支持部材の車室内側への突出量を変更可能な状態で支持部材を係止する係止部材とを備えたことを特徴とする請求項1記載の車両のサイドドア構造。
- 車体の前後方向にスライドすることにより乗降用開口部を開閉するサイドドアの車室内側面に、重量物の支持部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両のサイドドア構造。
Priority Applications (1)
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JP2004241421A JP2006056424A (ja) | 2004-08-20 | 2004-08-20 | 車両のサイドドア構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
- 2004-08-20 JP JP2004241421A patent/JP2006056424A/ja active Pending
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