JP4990849B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のシートベルト装置に関する。
従来、車両のシートベルト装置において、乗員が降車するとき又は降車しようとしているときに、確実にシートベルトを巻き取り(格納し)、弛んだシートベルトが乗員に引っ掛かったりドアに挟まれたりすることを防止するために、バックルスイッチがバックルとタングプレートとの係合が外れたことを検知すると、シートベルト制御装置がモータによるシートベルトの巻き取りを行い、かつこれに加えて、乗員検知装置が車内に乗員がいなくなったことを検知したとき又はエンジンキースイッチが抜かれたこと若しくはオフ状態にあることを検知したときの何れかの時点で、モータによるシートベルトの巻き取りを再度行うことで、シートベルトを確実に格納するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−163186号公報
ところで、上記シートベルト装置において、乗降時にベルトをドア開口から退避させることにより、該ベルトの装着対象である前席よりも後方の乗員の乗降動作に対しベルトが干渉しないようにするための保持部材を備えた車両に適用した場合に、安易にシートベルトの格納動作を行うと、格納後のベルトがドア開口内に張り出すことがあり、該ベルトが後席への乗降時に邪魔になることがある。
そこでこの発明は、モータによるベルトの格納動作を可能とした車両のシートベルト装置において、後方座席の乗員の乗降時に格納後のベルトが邪魔になることを防止することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、座席(例えば実施例の前シート8)に着座する乗員を拘束するための車両のシートベルト装置(例えば実施例のシートベルト装置1)であって、所定の付勢力をもってベルト(例えば実施例のベルト3)を巻回するベルトリール(例えば実施例のベルトリール11)と、該ベルトリールに駆動力を付与して前記ベルトの格納動作を行うモータ(例えば実施例のモータ13)と、該モータへの通電量を制御する制御部(例えば実施例のコントローラ15)とを備え、車体のドア開口(例えば実施例のドア開口K)近傍には、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態とし、かつ該引き出し分のベルトを前記ドア開口内に張り出さない位置に保持するべく作動する保持部材(例えば実施例のフリクションブーツ20)を備え、前記保持部材は、前記ベルトが全格納状態にあるときに、該ベルトに沿って起立する第一の状態と、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出すべく、手動操作力によって前記第一の状態から後方へ倒れて、前記ドア開口内に張り出さない位置に前記ベルトを保持する第二の状態とに、所定以上の力を加えることで変化し、かつ前記モータの駆動力により前記ベルトの巻き取り力が加わることによって、前記第二の状態から前記ベルトに沿って起立した第一の状態へ変化し、前記制御部には、前記ベルトの格納動作中に、前記ベルトを所定量引き出した状態が検知されたとき、前記第二の状態にある保持部材が前記第一の状態に戻ることを規制するべく、前記モータの駆動力を低下又は停止させる保持部材規制手段(例えば実施例のブーツ戻り規制部15a)を備えることを特徴とする。

請求項2に記載した発明は、前記ベルトリールの回転角度を検出する回転角度検出手段(例えば実施例の回転角度センサ14)を備え、前記保持部材規制手段は、前記ベルトの格納動作中に、前記回転角度検出手段の検出信号を基に、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知して、前記モータの駆動力を低下又は停止させることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記保持部材規制手段は、前記ベルトの格納動作中に、前記回転角度検出手段の検出信号を基に、前記ベルトのバックル(例えば実施例のバックル7)への係合が解除されてから全格納状態又はその付近までの巻き取りが行われたときにのみ、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知して、前記モータの駆動力を低下又は停止させることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記制御部は、前記ベルトを全格納状態とする全格納動作を行う際に選択され、前記回転角度検出手段の検出信号を基に求めた前記ベルトの巻き取り速度に応じて前記モータへの通電量を制御する第一の制御モードと、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態まで巻き取ったときに選択され、前記モータへの通電量を一定に制御する第二の制御モードとを備え、前記保持部材規制手段は、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知した場合には、前記第一の制御モードから第二の制御モードに前記モータの動作態様を切り替えることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記座席の前後位置及びリクライニング角度の少なくとも一方を検出する座席位置検出手段(例えば実施例のシートポジションセンサ19)を備え、前記保持部材規制手段は、前記座席位置検出手段の検出信号を基に、前記座席の前後位置が前方へ変化したこと及びリクライニング角度が前傾側へ変化したことの少なくとも一方を検出したことを条件に有効となることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記保持部材規制手段は、前記ドア開口を開閉するドア(例えば実施例のドアD)の開時にのみ有効となることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記保持部材規制手段は、前記保持部材が前記第一の状態に戻ることを規制するべく前記モータの駆動力を低下又は停止させた後に、前記ドアが開状態から閉状態へと遷移したことを条件として、前記モータの駆動力の制御モードを切り替え、前記ベルトを全格納状態まで巻き取り可能とすることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、乗員が乗降するときにはモータの駆動力により確実にベルトを格納可能とした上で、該モータの駆動を制御する制御部に前記保持部材規制手段を備えることで、モータによるベルトの格納動作中にも保持部材を前記引き出し分のベルトを保持した状態に維持でき、該保持部材及びベルトを乗降性に影響を与えない位置に保持できるため、所謂2ドア車等における後席への乗降時にベルトや保持部材が邪魔になることを防止でき、当該車両の乗降性を向上させることができる。なお、保持部材を作動前の状態に戻すための力は、ベルトリールの付勢力のみによるベルトの巻き取り力に対抗できるだけの大きさに設定される。
請求項2に記載した発明によれば、ベルトリールの回転角度に基づきモータによるベルトの格納動作を制御することで、前記引き出し分のベルトを巻き取る前にモータを確実に停止可能となり、保持部材を前記引き出し分のベルトを保持した状態に確実に維持できる。
請求項3に記載した発明によれば、ベルトのバックルへの係合が解除された後には、該ベルトを全格納状態又はその付近まで速やかに巻き取ることで、該ベルトが乗降時の邪魔になることを防止できると共に、この後に保持部材を作動させて前記引き出し分のベルトをドア開口内に張り出さない位置に保持した際には、該引き出し分のベルトを巻き取る前にモータを確実に停止可能となり、保持部材を前記引き出し分のベルトの保持状態に確実に維持できる。
請求項4に記載した発明によれば、ベルトの通常の全格納動作は、前記第一の制御モードにより巻き取り速度基準で適切な時間で実施できる一方、保持部材を作動させてベルトを全格納状態から所定量引き出した場合には、前記第二の制御モードによりモータの駆動トルクを低く制限し、保持部材をベルト保持状態に確実に維持できる。
請求項5に記載した発明によれば、前記座席の前後位置の前方への変化及びリクライニング角度の前傾側への変化の何れも無い場合には、後席への乗降が無いものと判断し、このような場合には保持部材規制手段の制御を無効とすることで、該保持部材規制手段の不要な作動を規制でき、ベルトを全格納状態まで速やかに巻き取ることができる。
請求項6に記載した発明によれば、ドアの開時すなわち乗員の乗降時以外は、ベルトや保持部材がドア開口内に張り出しても邪魔にならないので、このような場合には保持部材規制手段の制御を無効とすることで、該保持部材規制手段の不要な作動を規制でき、ベルトを全格納状態まで速やかに巻き取ることができる。
請求項7に記載した発明によれば、次回乗降時に保持部材をベルト保持状態に作動させる必要が無い場合(後席への乗降がない場合)にも、保持部材規制手段の不要な作動を規制することにより、前席からベルト位置が遠ざかることでベルト装着動作が阻害されることを防止することができる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1〜3に示す車両のシートベルト装置1は所謂三点式のもので、センターピラーに取り付けたリトラクタ2からベルト(ウェビング)3を上方へ引き出し、該ベルト3を前記センターピラーの上部に取り付けたスルーアンカ4に挿通して下方に折り返し、該ベルト3の先端部を前シート(前席)8外側の車体メンバにアウタアンカ5を介して取り付け、スルーアンカ4とアウタアンカ5との間にはベルト3を挿通するタングプレート6を配設し、該タングプレート6を前シート8内側の車体メンバに取り付けたバックル7に着脱可能に係合させる。この状態で、ベルト3が乗員の主に胸部と腰部とを前シート8に拘束する。なお、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。また、図1〜3は、車体左右にサイドドアDを一枚ずつ備えると共に車室後部に後シート(後席)9を備えた所謂2ドア車(ハッチバック式であれば三ドア車)における左前席に上記シートベルト装置1を適用した例を示すが、右前列はもちろん、3列シートを備えた5ドア車における2−3列間等にも上記シートベルト装置1を適用可能である。
ベルト3におけるアウタアンカ5から所定長さ(約250mm)の範囲は、アウタアンカ5と共に車体メンバに取り付けたフリクションブーツ20内に挿通され保持される。フリクションブーツ20は、所定以上の力(約0.3N以上の力)を加えることで、ベルト3の前記所定長さの範囲を保持した状態で、アウタアンカ5と共に車体に対して概ね車体幅方向に沿う軸中心に回動可能である。
乗員が着座する前シート8は、車体フロアに支持されるシートクッション8aと、シートクッション8aの後端部から立ち上がるシートバック8bと、シートバック8bの上端部に支持されるヘッドレスト8cとを有してなる。シートクッション8aひいては前シート8全体は前後に移動可能であり、シートバック8bはシートクッション8aに対して前後に傾動可能(リクライニング可能)である。なお、図3に示す如くシートバック8bの上部を前側に移動させる側をリクライニングの前傾側とする。
図4を参照し、リトラクタ2は、不図示のケーシングに回転可能に支持されたベルトリール11にベルト3を巻回すると共に、前記ケーシングの一側にベルトリール11の回転軸11aを突出させ、該回転軸11aに不図示のクラッチを含む動力伝達機構12を介して電動モータ13の回転軸13aを接続する。
リトラクタ2に巻き取られたベルト3は、前シート8に着座した乗員により引き出されて、タングプレート6をバックル7に係合させる。この状態で、ベルト3におけるスルーアンカ4からタングプレート6まで間が乗員の胸部を保持するショルダーベルトとなり、ベルト3におけるタングプレート6からアウタアンカ5までの間が乗員の腰部を保持するラップベルトとなる。
リトラクタ2内には、ベルトリール11をベルト巻き取り方向に付勢する不図示の巻き取りバネが収容され、ベルトリール11とモータ13との間の動力伝達が前記クラッチにより遮断された状態においては、巻き取りバネの付勢力のみによる張力がベルト3に作用する。そして、必要に応じて前記クラッチが前記動力伝達を接続すると共にモータ13が駆動することで、前記巻き取りバネの付勢力に加えてモータ13の駆動力を用いたベルト3の巻き取り動作が実施される。
ベルトリール11の回転軸11aには、該ベルトリール11の回転角度を検出する回転角度センサ14が設けられる。回転角度センサ14は、例えば円周方向に沿って異磁極が交互に着磁された磁性円板14aと、該磁性円板14aの外周に近接配置された一対のホール素子14bと、該ホール素子14bの検出信号を処理するセンサ回路14cとを有してなる。センサ回路14cで処理されたパルス信号は、モータ13等を駆動制御するコントローラ15に入力される。
センサ回路14cからコントローラ15に入力されたパルス信号は、該コントローラ15内において主にモータ13を駆動制御するためのフィードバック信号として用いられる。すなわち、コントローラ15において、パルス信号をカウントすることでベルトリール11の回転量(ベルト3の引き出し又は巻き取り量)が検知され、パルス信号の変化速度(周波数)を演算することでベルトリール11の回転速度(ベルト3の引き出し又は巻き取り速度)が検知され、両パルス信号の波形の立ち上がりを比較することでベルトリール11の回転方向が検知される。
コントローラ15には、前記回転角度センサ14の他に、バックル7へのタングプレート6の係合状態(ベルト3の装着状態)を検出するバックルスイッチ16、ドアDの開閉状態を検出するドアスイッチ17、車両のメインスイッチ18、前シート8の前後位置及びリクライニング角度の少なくとも一方を検出するシートポジションセンサ19等が接続される。
そして、コントローラ15は、バックルスイッチ16からの検出信号によりバックル7とタングプレート6(ベルト3)との係合が外れたことを検知した際には、モータ13の駆動力を用いたベルト3の巻き取りを実施する。これにより、乗員の乗降時には確実にベルト3が巻き取られ(格納され)、弛んだベルト3が乗員に引っ掛かったりドアDに挟まれたりすることが防止される。
図3を参照し、所謂2ドア車等においては、後シート9に対して乗員が乗降する際には、前シート8を前方にスライドさせると共にシートバック8bを前傾させることで、ドア開口Kの後部を後シート9への乗降口として開放する。
このとき、前述の如くモータ13の駆動力によりベルト3を完全に巻き取った状態(以下、全格納状態という)では、該ベルト3が前記アウタアンカ5とスルーアンカ4との間で直線状に張架されてしまい、該ベルト3及びフリクションブーツ20がドア開口K内に張り出してしまう(図中鎖線で示す)。
そこで、上記シートベルト装置1においては、乗員の操作等によりドア開口K内に突出したフリクションブーツ20を後方へ倒すように回動させ、該フリクションブーツ20及びベルト3を前述の如くドア開口K内に張り出さないように退避させることで、これらが後席への乗降時の邪魔になることを防止する。
フリクションブーツ20はドア開口Kの後部下縁近傍に位置し、前座に着座した乗員の身体にベルト3を装着した状態やベルト3の全格納状態では、フリクションブーツ20がベルト3に沿って前後にやや傾斜した起立姿勢(以下、起立状態という)となってドア開口K内に突出する。
一方、フリクションブーツ20を前記起立状態から後方へ略水平に倒した姿勢(以下、ベルト保持状態という)とすることで、ベルト3が全格納状態から所定量だけ引き出されると共に、該引き出し分のベルト3が、前記ベルト保持状態を維持するフリクションブーツ20によりドア開口Kの後部下縁の直ぐ下方(すなわちドア開口K内に張り出さない位置)に保持される。
前記ベルト保持状態におけるフリクションブーツ20の先端(後端)は、ドア開口Kの後縁よりも後方に位置し、このフリクションブーツ20の先端を出たベルト3は、リトラクタ2からの巻き取り力を受けて上方に屈曲し、センターピラーの直ぐ内側を上方に延びてスルーアンカ4に至る。このように、ベルト保持状態にあるフリクションブーツ20に保持されたベルト3は、ドア開口Kの後部下側の隅部の外周側を迂回するように(ドア開口K内に張り出さないように)案内されて上方へ延びる。
フリクションブーツ20の回動に要する力は、前記ベルト保持状態においてベルトリール11の付勢力のみによるベルト3の巻き取り力に対抗できるだけの大きさに設定される。すなわち、モータ13の駆動力によるベルト3の巻き取り力等が作用しなければ、フリクションブーツ20は前記ベルト保持状態を維持する。
このため、コントローラ15には、モータ13によるベルト3の格納動作中に、前記引き出し分のベルト3をドア開口K外に保持したフリクションブーツ20の起立状態への戻りを規制するためのブーツ戻り規制部15aが設けられる。ブーツ戻り規制部15aは、フリクションブーツ20をベルト保持状態に維持するべくモータ13の駆動力を低下させる制御を行う。
ブーツ戻り規制部15aは、モータ13によるベルト3の格納動作中に、前記回転角度センサ14の検出信号を基に、ベルト3が全格納状態から所定量引き出された状態に達したことを検知して、前記モータ13の駆動力を低下させる。このようなモータ13の駆動制御は、ベルト3のバックル7への係合が解除されてから全格納状態又はその付近までの巻き取りが行われたときにのみに実施される。
コントローラ15は、前記回転角度センサ14の検出信号を基に求めたベルト3の巻き取り速度に応じてモータ13への通電量を制御する第一の制御モードと、モータ13への通電量を一定に制御する第二の制御モードとを有しており、ベルト3の通常の全格納動作を行う際には、モータ13の動作態様に前記第一の制御モードを選択することで、巻き取り速度基準で適切な時間で巻き取りを実施する。
一方、ベルト3が全格納状態から所定量引き出された状態に達したことを検知した場合には、前記ブーツ戻り規制部15aがモータ13の動作態様を前記第一の制御モードから第二の制御モードに切り替え、該第二の制御モードによりモータ13の駆動トルクを低く制限することで、ベルト保持状態にあるフリクションブーツ20を起立状態に戻さない程度の張力でベルト3の巻き取りを実施する。
この実施例におけるシートベルト装置1は上述の構成を有しており、次に、コントローラ15がベルト3の巻き取りを行う際の処理手順の一例について図5〜9を参照して説明する。なお、この処理は所定時間毎に繰り返し実行される。
図5のメインフローに示すように、まず、バックルスイッチ16がOFFであるか否かを判定し(ステップS1)、この判定結果がYESの場合(バックルスイッチ16がOFFすなわちベルト3(タングプレート6)のバックル7への係合が解除されている場合)には、ステップS2にてベルト3の格納制御を行う。一方、ステップS1の判定結果がNO(バックルスイッチ16がONすなわちベルト3のバックスへの係合が解除されていない場合)には、ベルト3の格納制御を行わずに処理を終了する。前記格納制御については後に詳述する。
ステップS2にてベルト3の格納制御を行った後には、ステップS3にて後述の保持規制フラグがONであるか否かを判定し、この判定結果がYESの場合(保持規制フラグがONすなわち所定の条件下でフリクションブーツ20がベルト保持状態まで操作された場合)には、ステップS4にてドアDが開状態から閉状態へ変遷したか否かの判定を行う。一方、ステップS3の判定結果がNOの場合(保持規制フラグがOFF)には処理を終了する。
ステップS4の判定はその結果がYESになるまで繰り返され、該判定結果がYESすなわち開状態にあったドアDが閉じられたと判定した場合には、ステップS5にて前記保持規制フラグをOFFにすると共に、ステップS6にて再度ベルト3の格納制御を行った後に処理を終了する。
次に、前記ベルト3の格納制御について図6〜9を参照して説明する。
図6を参照し、まず、バックルスイッチ16がOFFになった後に所定時間tだけ待機し(ステップS11)、その後にモータ13への通電を開始すると共に(ステップS12)、前記保持規制フラグがOFFであるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果がYESの場合(保持規制フラグがOFFの場合)には、ステップS14にてタイマーをスタートさせると共に、ステップS15にてドアDが開状態であるか否かを判定する。ステップS13の判定結果がNOの場合(保持規制フラグがONの場合)の処理は後述する。
コントローラ15は、ステップS15の判定結果に応じて(ドアDの開閉状態に応じて)、モータ13への通電量の制御に用いる停止速度閾値Vstackを異ならせる。具体的には、ステップS15の判定結果がYESの場合(ドアDが開状態である場合)に設定する値Vは、ステップS15の判定結果がNOの場合(ドアDが閉状態である場合)に設定する値Vよりも大きな値とされる。
ステップS15にてドアDが閉状態であると判定した場合には、前記停止速度閾値VstackをVを設定する(ステップS16)と共にカウンタをリセット(ステップS17)し、その後にカウント数(後述するリトライ回数)iが所定数N未満であるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS15にてドアDが開状態であると判定した場合には、前記停止速度閾値VstackをVに設定する(ステップS36)と共に後述の処理に進む。
ステップS18の判定結果がYESの場合(カウント数iが所定数N未満である場合)には、続いてステップS19にてベルトリール11の回転角度に変化があるか否かを判定し、この判定結果がYESの場合(ベルトリール11の回転角度に変化がある場合)には、さらにステップS21にて前記回転角度がベルト巻き取り方向(格納方向)に変化しているか否かを判定する。この判定結果がYESの場合(前記回転角度がベルト巻き取り方向に変化している場合)には、前記タイマーの測定値を用いてベルトリール11の巻き取り速度Vの測定(算出)を行う(ステップS22)。
その後、ステップS23にて前記巻き取り速度Vが前記停止速度閾値Vstack以上であるか否かを判定し、この判定結果がYESの場合(巻き取り速度Vが停止速度閾値Vstack以上である場合)には、ベルト3の巻き取りに際して特に引っ掛かりが無いものと判定して該巻き取りを継続する。一方、ステップS23の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが停止速度閾値Vstack未満の場合)には、ベルト3の巻き取りに際して引っ掛かり等があると判断して後述の如く巻き取りを中断する。
ベルト3の巻き取りを継続する際には、ステップS24にて前記巻き取り速度Vが目標速度Vtargetに公差上限値Vを加算した値以下か否かの判定を行い、この判定結果がYESの場合(巻き取り速度Vが前記加算値よりも大きい場合)には、該巻き取り速度Vを目標速度Vtargetに近付けるべく前記モータ13への通電量を減少させる(ステップS25)。
一方、ステップS24の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが前記加算値以下の場合)には、さらにステップS63にて巻き取り速度Vが目標速度Vtargetから公差下限値Vを減算した値以上であるか否かの判定を行い、この判定結果がYESの場合(巻き取り速度Vが前記減算値よりも小さい場合)には、該巻き取り速度Vを目標速度Vtargetに近付けるべく前記モータ13への通電量を増加させる(ステップS64)。
このようなモータ13の動作態様が、前記回転角度センサ14の検出信号を基に求めたベルト3の巻き取り速度に応じてモータ13への通電量を制御する第一の制御モードとなる。
前記ステップS25,S64の通電量制御の後、及びステップS63の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが公差範囲内の場合)には、ステップS26にてベルト3が所定の巻き取り状態(全格納状態)に達したか否かの判定を行い、この判定結果がYESの場合(ベルト3が全格納状態に達した場合)には、ステップS27にてモータ13への通電を停止した後に当該処理を終了する。
一方、ステップS26の判定結果がNOの場合(ベルト3が全格納状態に達していない場合)には、前記ステップS15まで戻って上述の処理を繰り返す。このとき、ドアDの開閉状態を判定するステップS15まで処理を戻すことで、ベルト3の巻き取り動作中にドアDが開いた場合にもこれに対応した処理が可能となる。
説明を戻し、前記ステップS19の判定結果がNOの場合(ベルトリール11の回転角度に変化がない場合)には、この状態で所定時間が経過しているか否かを判定し(ステップ59)、この判定結果がYESの場合(所定時間が経過している場合)には、ベルト3の巻き取りに際して引っ掛かりがあると判定してモータ13への通電を一時停止し(ステップS61)、かつ前記カウント数iに「1」を加えた後に(ステップS62)、前記ステップS18に戻って上述の処理を繰り返す(リトライする)。なお、ステップS59の判定結果がNOの場合(所定時間が経過していない場合)にも同様に前記ステップS18に戻る。
そして、ベルトリール11の回転角度に変化がないままカウント数(リトライ数)iが所定数N以上となると、ベルト3の引っ掛かり等により該ベルト3が巻き取り不能の状態であると判断してモータ13への通電を停止する。すなわち、前記ステップS18の判定結果がNOの場合(カウント数iが所定数N以上である場合)には、ステップS27に進んでモータ13への通電を停止した後に当該処理を終了する。
なお、ステップS21の判定結果がNOの場合(前記回転角度がベルト引き出し方向に変化している場合)、及びステップS23の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが停止速度閾値Vstack未満の場合)にも、ベルト3の巻き取りに際して引っ掛かり等があると判断し、ステップS61に進んでモータ13への通電を一時停止し、かつ前記カウント数iに「1」を加えた後に(ステップS62)、前記ステップS18に戻って上述の処理を繰り返す。
説明を戻し、前記ステップS13の判定結果がNOの場合(保持規制フラグがONの場合)には、前記ベルト保持状態まで回動(作動)したフリクションブーツ20が作動前の状態(前記起立状態)に戻らない程度の巻き取り力でベルト3の格納動作を行うべく、コントローラ15のブーツ戻り規制部15aが、前記モータ13の動作態様を第一の制御モードから第二の制御モードに切り替える。
すなわち、図7に示すように、まず、ステップS28にてタイマーをスタートさせると共に、ステップS29にて前記モータ13への通電量を比較的低めかつ一定の値L1とするべく制御を切り替え、その後に前記通電量L1での制御が所定時間経過したか否かの判定を繰り返し行う(ステップS31)。この判定結果がYESとなった後には、さらにモータ13に対する電流変化が所定値以下となったか否かの判定を繰り返し行う(ステップS32)。
上記の各判定により、前記モータ13のトルクを低く抑えた状態でベルト3の格納動作を開始し、その所定時間後にフリクションブーツ20を前記ベルト保持状態から起立状態に戻そうとしてベルト3に張力が発生し、該張力に負けてモータ13が停止状態となったか否かが判断される。
そして、ステップS32の判定結果がYESとなった後、ステップS33にてドアDが開状態から閉状態に変遷したか否かを判定し、この判定結果がNOの場合(ドアDが開いたままの場合)には、モータ13への通電を停止して(ステップS34)処理を終了する。これにより、フリクションブーツ20をベルト保持状態に維持して後席への乗降を行うことが可能となる。
一方、ステップS33の判定結果がYESの場合(ドアDが閉じられた場合)には、後席への乗降が無くなったと判断し、前記保持規制フラグをOFFとした後(ステップS35)、前記ステップS13に戻って上述の処理を繰り返す。このとき、保持規制フラグがOFFであることから、モータ13の通電制御は前記第一の制御モードに切り替わり、ベルト3を全格納状態まで巻き取ることが可能となる。
説明を戻し、前記ステップS15にてドアDが開状態であると判定してステップS36にてモータ13の停止速度閾値VstackをVに設定した後には、図8に示すように、ステップS37にてカウンタをリセットし、その後にカウント数(リトライ回数)iが所定数N未満であるか否かを判定する(ステップS38)。
ステップS38の判定結果がYESの場合(カウント数iが所定数N未満である場合)には、続いてステップS39にてベルトリール11の回転角度に変化があるか否かを判定し、この判定結果がYESの場合(ベルトリール11の回転角度に変化がある場合)には、さらにステップS41にて前記回転角度がベルト巻き取り方向(格納方向)に変化しているか否かを判定する。この判定結果がYESの場合(前記回転角度がベルト巻き取り方向に変化している場合)には、前記タイマーの測定値を用いてベルトリール11の巻き取り速度Vの測定(算出)を行う(ステップS42)。
その後、ステップS43にて前記巻き取り速度Vが前記停止速度閾値Vstack以上であるか否かを判定し、この判定結果がYESの場合(巻き取り速度Vが停止速度閾値Vstack以上である場合)には、ベルト3の巻き取りに際して特に引っ掛かりが無いものと判定して該巻き取りを継続する。一方、ステップS43の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが停止速度閾値Vstack未満の場合)には、ベルト3の巻き取りに際して引っ掛かり等があると判断して後述の如く巻き取りを中断する。
ベルト3の巻き取りを継続する際には、ステップS44にて前記巻き取り速度Vが目標速度Vtargetに公差上限値Vを加算した値以下か否かの判定を行い、この判定結果がYESの場合(巻き取り速度Vが前記加算値よりも大きい場合)には、該巻き取り速度Vを目標速度Vtargetに近付けるべく前記モータ13への通電量を減少させる(ステップS45)。
一方、ステップS44の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが前記加算値以下の場合)には、さらにステップS57にて巻き取り速度Vが目標速度Vtargetから公差下限値Vを減算した値以上であるか否かの判定を行い、この判定結果がYESの場合(巻き取り速度Vが前記減算値よりも小さい場合)には、該巻き取り速度Vを目標速度Vtargetに近付けるべく前記モータ13への通電量を増加させる(ステップS58)。
前記ステップS45,S58の通電量制御の後、及びステップS57の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが公差範囲内の場合)には、ステップS46にてベルト3が所定の巻き取り状態(全格納状態)に達したか否かの判定を行い、この判定結果がYESの場合(ベルト3が全格納状態に達した場合)には、ステップS47にてモータ13への通電を停止した後に当該処理を終了する。
一方、ステップS46の判定結果がNOの場合(ベルト3が全格納状態に達していない場合)には、前記ステップS15まで戻って上述の処理を繰り返す。
説明を戻し、前記ステップS39の判定結果がNOの場合(ベルトリール11の回転角度に変化がない場合)には、この状態で所定時間が経過しているか否かを判定し(ステップ48)、この判定結果がYESの場合(所定時間が経過している場合)には、ベルト3の巻き取りに際して引っ掛かりがあると判定してモータ13への通電を一時停止し(ステップS49)、かつ前記カウント数iに「1」を加えた後に(ステップS51)、前記ステップS38に戻って上述の処理を繰り返す(リトライする)。なお、ステップS48の判定結果がNOの場合(所定時間が経過していない場合)にも同様に前記ステップS38に戻る。
そして、カウント数(リトライ数)iが所定数N以上となり、前記ステップS38の判定結果がNOとなると、ステップS27に進んでモータ13への通電を停止した後に当該処理を終了する。
なお、ステップS23の判定結果がNOの場合(巻き取り速度Vが停止速度閾値Vstack未満の場合)にも、ステップS49に進んでモータ13への通電を一時停止し、かつ前記カウント数iに「1」を加えた後に(ステップS51)、前記ステップS38に戻って上述の処理を繰り返す。
そして、ステップS41の判定結果がNOの場合(前記回転角度がベルト引き出し方向に変化している場合)には、図9に示すように、ステップS52にてドアDが開状態から閉状態へ変遷したか否かの判定を行う。この判定結果がNOの場合(ドアDが開いたままの場合)には、続いてステップS53にてベルト3のバックル7への係合が解除されてからの巻き取り量が所定値以上であるか否かが判定される。これにより、ベルト3が全格納状態又はその付近まで巻き取られたか否かの判断が可能となる。

この判定結果がYESの場合(ベルト3の巻き取り量が所定値以上である場合)には、次いでベルト3の前記巻き取り後の引き出し量を計測し(ステップS54)、かつこの引き出し量が所定範囲内にあるか否かの判定を行う(ステップS55)。この所定範囲とは、ベルト3の全格納状態からフリクションブーツ20をベルト保持状態まで作動させたときの引き出し量の範囲に相当する。
そして、ステップS55の判定結果がYESの場合(前記引き出し量が所定範囲内にある場合)には、前記保持規制フラグをONとする(ステップS56)。すなわち、前記保持規制フラグは、ドアDの開時であって、ベルト3のバックル7への係合が解除されてから全格納状態又はその付近までの巻き取りが行われた後、フリクションブーツ20がベルト保持状態まで作動してベルト3を全格納状態から所定量引き出した状態に達したときに、ONとなる。
ステップS56で保持規制フラグをONとした後には、前記ステップS13に戻って上述の処理を繰り返す。
なお、ステップS52の判定結果がYESの場合(ドアDが閉じられた場合)、ステップS53の判定結果がNOの場合(ベルト3の巻き取り量が所定値未満である場合)、ステップS55の判定結果がNOの場合(前記引き出し量が所定範囲外にある場合)には、保持規制フラグをONにすることなく、前記ステップS13に戻って上述の処理を繰り返す。
以上説明したように、上記実施例における車両のシートベルト装置1は、所定の付勢力をもってベルト3を巻回するベルトリール11と、該ベルトリール11に駆動力を付与して前記ベルト3の格納動作を行うモータ13と、該モータ13への通電量を制御するコントローラ15とを備え、車体のドア開口K近傍には、前記ベルト3を全格納状態から所定量引き出した状態とし、かつ該引き出し分のベルト3を前記ドア開口K内に張り出さない位置に保持するべく作動するフリクションブーツ20を備え、前記コントローラ15には、前記ベルト3の格納動作中に、前記ベルト3を保持したフリクションブーツ20が作動前の状態に戻ることを規制するブーツ戻り規制部15aを備えるものである。
この構成によれば、乗員が乗降するときにはモータ13の駆動力により確実にベルト3を格納可能とした上で、該モータ13の駆動を制御するコントローラ15に前記ブーツ戻り規制部15aを備えることで、モータ13によるベルト3の格納動作中にもフリクションブーツ20を前記引き出し分のベルト3を保持した状態に維持でき、該フリクションブーツ20及びベルト3を乗降性に影響を与えない位置に保持できるため、所謂2ドア車等における後席への乗降時にベルト3やフリクションブーツ20が邪魔になることを防止でき、当該車両の乗降性を向上させることができる。
また、上記シートベルト装置1は、前記ブーツ戻り規制部15aが、前記ベルト3の格納動作中に、前記回転角度センサ14の検出信号を基に、前記ベルト3のバックル7への係合が解除されてから全格納状態又はその付近までの巻き取りが行われたときにのみ、前記ベルト3を全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知して、前記モータ13の駆動力を低下させるものである。
この構成によれば、ベルト3のバックル7への係合が解除された後には、該ベルト3を全格納状態又はその付近まで速やかに巻き取ることで、該ベルト3が乗降時の邪魔になることを防止できると共に、この後にフリクションブーツ20を作動させて前記引き出し分のベルト3をドア開口K内に張り出さない位置に保持した際には、該引き出し分のベルト3を巻き取る前にモータ13を確実に停止可能となり、フリクションブーツ20を前記引き出し分のベルト3の保持状態に確実に維持できる。
また、上記シートベルト装置1は、前記コントローラ15が、前記回転角度センサ14の検出信号を基に求めた前記ベルト3の巻き取り速度に応じて前記モータ13への通電量を制御する第一の制御モードと、前記モータ13への通電量を一定に制御する第二の制御モードとを備え、前記ブーツ戻り規制部15aは、前記ベルト3を全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知した場合には、前記第一の制御モードから第二の制御モードに前記モータ13の動作態様を切り替えるものである。
この構成によれば、ベルト3の通常の全格納動作は、前記第一の制御モードにより巻き取り速度基準で適切な時間で実施できる一方、フリクションブーツ20を作動させてベルト3を全格納状態から所定量引き出した場合には、前記第二の制御モードによりモータ13の駆動トルクを低く制限し、フリクションブーツ20をベルト保持状態に確実に維持できる。
また、上記シートベルト装置1は、前記ブーツ戻り規制部15aが、前記ドア開口Kを開閉するドアDの開時にのみ有効となることから、ドアDの開時すなわち乗員の乗降時以外は、ベルト3やフリクションブーツ20がドア開口K内に張り出しても邪魔にならないので、このような場合にはブーツ戻り規制部15aの制御を無効とすることで、該ブーツ戻り規制部15aの不要な作動を規制でき、ベルト3を全格納状態まで速やかに巻き取ることができる。
また、上記シートベルト装置1は、前記ブーツ戻り規制部15aが、前記フリクションブーツ20が作動前の状態に戻ることを規制した後に、前記ドアDが開状態から閉状態へと遷移したことを条件として、前記ベルト3を全格納状態まで巻き取り可能とすることから、次回乗降時にフリクションブーツ20をベルト保持状態に作動させる必要が無い場合(後席への乗降がない場合)にも、ブーツ戻り規制部15aの不要な作動を規制することにより、前席からベルト位置が遠ざかることでベルト装着動作が阻害されることを防止することができる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、前記ブーツ戻り規制部15aが、前記シートポジションセンサ10の検出信号を基に、前記前シート8の前後位置が前方へ変化したこと及びリクライニング角度が前傾側へ変化したことの少なくとも一方を検出したことを条件に有効となるようにしてもよい。
この構成によれば、前シート8の前後位置の前方への変化及びリクライニング角度の前傾側への変化の何れも無い場合には、後シート9への乗降が無いものと判断し、このような場合にはブーツ戻り規制部15aの制御を無効とすることで、該ブーツ戻り規制部15aの不要な作動を規制でき、ベルト3を全格納状態まで速やかに巻き取ることができる。
なお、このように乗員が乗降することを判断する方法としては、シートスライド量やリクライニング量による検知、ベルト引き出し量による検知、画像や超音波による検知、及びこれらの総合による検知が有り得る。
また、フリクションブーツ20を前記ベルト保持状態に維持するべくモータ13の駆動力を低下させる制御の他に、ベルト3が全格納状態から所定量引き出された状態に達したことを検知した場合には当該状態までベルト3の巻き取りを行った後にモータ13の駆動力を停止させる制御としてもよく、かつ前記各制御を総合的に行うことも可能である。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、例えばフリクションブーツ20を電動としてその動作をコントローラ15で制御したり、その作動状態をセンサ等で直接検知する等、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例におけるシートベルト装置を車両の左前席に適用した例の前面図である。 図1の側面図である。 後席への乗車時にベルトを巻き取りかつ前席を移動させた状態を示す図2に相当する側面図である。 上記シートベルト装置の要部説明図である。 上記シートベルト装置がベルトの巻き取りを行う際のコントローラの処理手順を示すメインフローチャート図である。 図5中のベルト格納制御の処理手順を示すフローチャート図である。 図6の第一のサブフローチャート図である。 図6の第二のサブフローチャート図である。 図8のサブフローチャート図である。
符号の説明
1 シートベルト装置
3 ベルト
7 バックル
8 前シート(座席)
11 ベルトリール
13 モータ
14 回転角度センサ(回転角度検出手段)
15 コントローラ
15a ブーツ戻り規制部(保持部材規制手段)
19 シートポジションセンサ(座席位置検出手段)
20 フリクションブーツ(保持部材)
D ドア
K ドア開口

Claims (7)

  1. 座席に着座する乗員を拘束するための車両のシートベルト装置であって、
    所定の付勢力をもってベルトを巻回するベルトリールと、該ベルトリールに駆動力を付与して前記ベルトの格納動作を行うモータと、該モータへの通電量を制御する制御部とを備え、
    車体のドア開口近傍には、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態とし、かつ該引き出し分のベルトを前記ドア開口内に張り出さない位置に保持するべく作動する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記ベルトが全格納状態にあるときに、該ベルトに沿って起立する第一の状態と、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出すべく、手動操作力によって前記第一の状態から後方へ倒れて、前記ドア開口内に張り出さない位置に前記ベルトを保持する第二の状態とに、所定以上の力を加えることで変化し、かつ前記モータの駆動力により前記ベルトの巻き取り力が加わることによって、前記第二の状態から前記ベルトに沿って起立した第一の状態へ変化し、
    前記制御部には、前記ベルトの格納動作中に、前記ベルトを所定量引き出した状態が検知されたとき、前記第二の状態にある保持部材が前記第一の状態に戻ることを規制するべく、前記モータの駆動力を低下又は停止させる保持部材規制手段を備えることを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記ベルトリールの回転角度を検出する回転角度検出手段を備え、
    前記保持部材規制手段は、前記ベルトの格納動作中に、前記回転角度検出手段の検出信号を基に、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知して、前記モータの駆動力を低下又は停止させることを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記保持部材規制手段は、前記ベルトの格納動作中に、前記回転角度検出手段の検出信号を基に、前記ベルトのバックルへの係合が解除されてから全格納状態又はその付近までの巻き取りが行われたときにのみ、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知して、前記モータの駆動力を低下又は停止させることを特徴とする請求項2に記載の車両のシートベルト装置。
  4. 前記制御部は、
    前記ベルトを全格納状態とする全格納動作を行う際に選択され、前記回転角度検出手段の検出信号を基に求めた前記ベルトの巻き取り速度に応じて前記モータへの通電量を制御する第一の制御モードと、
    前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態まで巻き取ったときに選択され、前記モータへの通電量を一定に制御する第二の制御モードとを備え、
    前記保持部材規制手段は、前記ベルトを全格納状態から所定量引き出した状態に達したことを検知した場合には、前記第一の制御モードから第二の制御モードに前記モータの動作態様を切り替えることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両のシートベルト装置。
  5. 前記座席の前後位置及びリクライニング角度の少なくとも一方を検出する座席位置検出手段を備え、
    前記保持部材規制手段は、前記座席位置検出手段の検出信号を基に、前記座席の前後位置が前方へ変化したこと及びリクライニング角度が前傾側へ変化したことの少なくとも一方を検出したことを条件に有効となることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の車両のシートベルト装置。
  6. 前記保持部材規制手段は、前記ドア開口を開閉するドアの開時にのみ有効となることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の車両のシートベルト装置。
  7. 前記保持部材規制手段は、前記保持部材が前記第一の状態に戻ることを規制するべく前記モータの駆動力を低下又は停止させた後に、前記ドアが開状態から閉状態へと遷移したことを条件として、前記モータの駆動力の制御モードを切り替え、前記ベルトを全格納状態まで巻き取り可能とすることを特徴とする請求項6に記載の車両のシートベルト装置。
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