JP3683566B2 - 車両用スライドドアのストッパ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開方向へ移動するスライドドアを中間位置で止める車両用スライドドアのストッパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、後部車室を荷室として使用するバン型車等では、車体側部のスライドドアにより開閉されるドア開口を、荷物の積み下ろしに有利なように大型化する傾向がある。ドア開口を大型にした分、スライドドアを開閉する際にドアの開閉ストロークは長くなる。しかし通常、人が乗り降りするだけの場合はドア開口を全開する必要がなく、ドアが全開位置まで開いてしまった場合は、ドアを閉めるのに必要以上の労力を要することになる。そこで、スライドドアの開放時に、スライドドアを全開位置よりも手前の中間位置に止める中間ストッパ機構を付設することが考えられている。
【0003】
従来のスライドドアの中間ストッパ機構として、図6、図7に示すように、スライドドアDのドア窓D1のウィンドウレギュレータに付設されてドア窓D1の開閉動作と連動する作動機構8と、スライドドアDのロアローラーRの支持ステーに付設され、作動機構8と連動して作動位置と非作動位置とに切替え可能な中間ストッパ80とで構成されたものがある。中間ストッパ機構はドア窓D1が所定の位置まで開くと作動機構8が作動し、これにより中間ストッパ80が作動して車内側へ突出する(作動位置)。この状態でスライドドアDを開き、スライドドアDが全開位置よりも手前の中間位置に到達したときに、中間ストッパ80が車体に設けられた段状の車体側ストッパ9に衝き当たり、これ以上にスライドドアDが開かないようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−227463号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の中間ストッパ機構では、ドア窓D1が所定の位置まで開いたときのみスライドドアDが中間位置よりも開かないようにするもので、必要に応じてスライドドアDが中間位置よりも開かないようにできるものではない。また従来構造では、スライドドアDを開方向へ移動させたときに開方向へ移動するドア側ストッパ80の先端を車体側ストッパ9に衝き当ててスライドドアの移動を止めるようにしているので、下り坂等に駐車した場合では不意にスライドドアが閉方向へ戻ってしまう。そこで本発明は、必要に応じて、スライドドアを全開位置まで開放させることができように、または全開位置よりも手前の中間位置を越えて開放することができないように切替えることができ、またスライドドアを中間位置で保持することができる車両用スライドドアのストッパ装置を提供することを課題としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スライドドアに設けられ、作動位置と非作動位置とに移動可能で、上記作動位置にある状態では、スライドドアが全開位置よりも手前の中間位置まで開くと車体に設けられた車体側ストッパ部材に当接して、スライドドアが中間位置を越えて開くことを規制し、上記非作動位置にある状態では、スライドドアが全開位置まで開くことを許容するドア側ストッパ部材を備えた車両用スライドドアのストッパ装置であって、上記スライドドアを全閉位置で車体へロックするドアロック機構をロック解除状態に作動させるための操作手段と、上記ドアロック機構をロック解除状態に作動させるために上記操作手段が操作されたときに上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動せしめる作動機構と、該作動機構を、上記操作手段の上記操作がなされても上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動させない状態に切替える切替機構とを設ける(請求項1)。操作手段の操作時に、ドア側ストッパ部材を作動せしめるか、またはドア側ストッパ部材を非作動にするかを選択でき、必要に応じてスライドドアを中間位置を越えて開かないようにまたは全開位置へ開けることができるように切替えることができる。
【0007】
上記ストッパ装置は、上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ付勢するストッパ付勢部材と、上記ドア側ストッパと係脱可能に設けられてドア側ストッパと係合してドア側ストッパ部材を上記非作動位置に保持するストッパ規制部材とを備え、上記作動機構は、上記操作手段の操作により作動する作動部材と、一端が上記ストッパ規制部材に連結されるとともに他端が上記作動部材に係脱可能な連結部材とを備え、上記連結部材の他端が上記作動部材に係合した状態では、上記連結部材を介して上記作動部材と上記ストッパ規制部材とが連動し、上記連結部材の他端が上記作動部材との係合を解除した状態では、上記作動部材が作動しても上記ドア側ストッパ部材は作動しないようにする。上記切替機構により、上記連結部材を、その他端が上記作動部材に係合する係合位置と、上記作動部材との係合を解除する係合解除位置に移動させることができるように構成する(請求項2)。切替機構により作動部材と連結部材とを係合させ、操作手段の操作により作動部材を作動させると、連結部材を介してストッパ規制部材が作動してドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動させる。一方、切替機構により作動部材と連結部材との係合を解除したとき、操作手段の操作により作動部材が作動しても、ストッパ規制部材が作動せずドア側ストッパ部材を非作動位置に保持し続ける。
【0008】
上記ストッパ装置は、車体に設けられ、上記ドア側ストッパ部材が上記作動位置にある状態でスライドドアが上記中間位置まで開くと作動位置に移動する中間ロック部材と、スライドドアに設けられ、上記中間ロック部材が上記作動位置にある状態でスライドドアが上記中間位置まで開くと上記中間ロック部材と噛み合ってスライドドアを上記中間位置に保持するドア側ロック部材とを備え、該ドア側ロック部材は、上記中間ロック部材と噛み合ったときに上記作動機構の作動部材と係合して上記噛み合い状態に保持され、上記操作手段の操作により上記作動部材が作動したときに上記係合が解除され、中間ロック部材との噛み合いが解除可能となるように構成する(請求項3)。車体の中間ロック部材とドア側ロック部材と噛み合わせることでスライドドアを中間位置に保持することができる。操作手段の操作で作動する作動部材によりドア側ロック部材を、中間ロック部材と噛み合った状態で保持せしめるようにしたので、中間位置で保持されたスライドドアを閉じる時も操作手段を操作することで中間ロック部材とドア側ロック部材との噛み合いを解除できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、スライドドアDには、ロアローラーRを支持する支持ステーR1の前部にドア側ストッパ部材2が設置してある。ドア側ストッパ部材2は、基端が支軸21により枢支され、先端をドア側に格納せしめた非作動位置(実線位置)と、車体側へ突出せしめた作動位置(鎖線位置)とに回動可能に設けてある。ドア側ストッパ部材2は支軸21まわりに設けられたバネ部材22により矢印E方向へ付勢されている。ドア側ストッパ部材2は、スライドドア閉鎖時に車体側に設けられた図略の当接部材に押し回されて上記非作動位置へ格納され、ストッパ規制部材20により非作動位置に保持される。
【0010】
ストッパ規制部材20は基端が支軸23により回動自在に支持され、かつ図略の付勢部材により矢印F方向へ付勢されている。ストッパ規制部材20は、その先端側に形成した係合爪24を、ドア側ストッパ部材2の基端側外周に突設した係合部25に係合せしめてドア側ストッパ部材2を上記非作動位置に保持する。ストッパ規制部材20が反矢印F方向へ回動して係合爪24と係合部25との係合が解除されると、ドア側ストッパ部材2は上記バネ部材22の付勢力により上記非作動位置から矢印E方向に車体側へ回動し、金属片に硬質ゴムの当接面を付設したストッパ26に当接してスライドドアDに対してほぼ直角方向に車体側へ突出する上記作動位置に保持される。なお、ドア側ストッパ部材2の先端部の後縁にはゴムまたは合成樹脂からなるクッション材が設けてある。
【0011】
支持ステーR1の中間位置には、図略のドアハンドルの操作により作動する作動部材4が設けてある。尚、ドアハンドルはスライドドアDを全閉状態で車体へロックするドアロック装置のロックを解除するためのものである。作動部材4はほぼく字形のレバー部材で、中間部を支軸40により回動自在に支持され、かつ図略の付勢部材により矢印G方向へ付勢されている。作動部材4の一端41には、上記ドアハンドルの操作と連動するワイヤ部材W1が連結してあり、上記ドアハンドルの操作によりワイヤ部材W1が鎖線矢印J方向へ引っ張られ、作動部材4は上記付勢力に抗し反矢印G方向へ回動する。作動部材4の他端には後述のドア側ロック部材3と係脱可能な係合爪42が設けてある。
【0012】
ストッパ規制部材20と作動部材4との間には、上記ドアハンドルの操作により作動する作動部材4の上記反矢印G方向への回動と連動してストッパ規制部材20が作動可能なように連結部材43が架けわたしてある。連結部材43は金属棒材で、その一端44がストッパ規制部材20の先端に相対回動可能に連結してある。連結部材43の他端には当接ピン45が立設してあり、該当接ピン45が切替機構たる切替部材5を介して作動部材4の一端41から突出する当接部46と係脱可能に係合するように配置してある。
【0013】
切替部材5はほぼU字形をなすレバー部材で、先端にレバーの長手方向に延びる嵌合溝51を備えている。切替部材5は、その基端が、支持アームR1の上面にこれと平行に設けたブラケット板50の下面に、支軸52により回動自在に支持されている。また、嵌合溝51には連結部材43の他端の当接ピン45が嵌入せしめてある。そして、切替部材5は、嵌合溝51が作動部材4の当接部46と交差して、連結部材43の当接ピン45と作動部材4の当接部46とを係合せしめる連動位置(実線位置)と、嵌合溝51が当接部46から離れて当接ピン450と当接部46の上記係合を解除する空振り位置(鎖線位置)との範囲(鎖線矢印Kの範囲)で回動可能としてある。切替部材5にはその中間部に、ブラケット板50の長穴53を貫通して上方に突出する切替ノブ54が突設してあり、該切替ノブ54により上記連動位置と上記空振り位置とに切替え可能としてある。切替部材5は切替えられた状態の連動位置または空振り位置に保持される。
【0014】
支持ステーR1の後部にはドア側ロック部材3が設けてある。該ドア側ロック部材3は車体側に設けられた全開ロック部材(図略)または後述の中間ロック部材7と係合してスライドドアDを全開位置または全開位置よりも手前の中間位置に保持するものである。ドア側ロック部材3は、支軸31により回動自在に軸支され、先端の係合溝32をスライドドアDに対して斜め後方かつ車体側へ向けて開口せしめたロック解除位置(実線位置)と、係合溝32をスライドドアDに対して直角方向に車体側へ向けて開口せしめたロック位置(鎖線位置)とに回動可能としてある。ドア側ロック部材3は、支軸31まわりに設けたバネ部材33により矢印H方向へ付勢され、通常、上記ロック解除位置に保持されている。
【0015】
ロック部材3が上記ロック位置へ回動したときに、作動部材4の他端に形成された係合爪42とドア側ロック部材3の外周に突設した係合部34とが係合し、ドア側ロック部材3は上記ロック位置に保持される。そして、作動部材4が、ワイヤ部材W1に引っ張られて反矢印G方向へ回動すると、作動部材4の係合爪42とドア側ロック部材3の係合部34との係合が解除され、これによりドア側ロック部材3が、上記バネ部材33の付勢力により上記ロック位置から上記ロック解除位置へ復帰する。
【0016】
車体には乗降口の開口下縁Bに沿ってスライドドアDのロアローラーRを案内するロアレールSが設置してあり、乗降口の開口下縁Bの前後方向中間部には、ロアレールSに沿ってベースプレートB1が取付けてある。ベースプレートB1にはスライドドアDの開閉方向である車両前後方向に沿ってスライドレール60が設置してある。スライドレール60にはこれに沿ってスライド移動自在なスライドレバー6が設けてある。スライドレバー6は、前端および後端に設けた前後一対のスライド部61a,61bをスライドレール60に摺動可能に嵌入してある。スライドレバー6は、スライドレール60の前端とスライド部61aとの間に架けわたしたバネ部材62の付勢力により前方(矢印N方向)へ付勢され、通常、前方に位置している。スライドレバー6の前端には、スライドドアD側へ突出し、かつ作動位置にある状態のドア側ストッパ部材2の先端部の移動軌跡上に位置する当接部63が突設してある。当接部63の前面にはゴム製のクッション材が設けてある。
【0017】
ベースプレートB1には、後部にスライドドアD側へ突出し、作動位置のドア側ストッパ部材2の先端部およびスライドレバー6の当接部63の移動軌跡上に位置する車体側ストッパ部材1が取付けてある。車体側ストッパ部材1はベースプレートB1に固着したブラケット11の前端縁にゴムのブロック体からなるクッション材12が設置してある。
【0018】
車体側ストッパ部材1のブラケット11にはその中間位置に、スライドドアDのドア側ロック部材3と係合可能な中間ロック部材7が設けてある。中間ロック部材7は、基端が支軸71により回動自在に軸支された金属レバーで、先端にロックピン72が立設してある。中間ロック部材7は、車体側に格納された非作動位置(実線位置)と、車体に対して先端を斜め後方かつドア側へ突出せしめた傾斜状の作動位置(鎖線位置)とに回動可能に設置してある。中間ロック部材7は支軸71まわりに設けられたバネ部材73により矢印M方向へ付勢され、通常、上記非作動位置にある。中間ロック部材7には基端側にスライドレール60側へ膨出する膨出部が形成してあり、該膨出部には上記非作動位置でスライドレバー6の移動軌跡上に突出する当接ローラー74が取付けてある。
【0019】
次にこのように構成した本発明の車両用スライドドアのストッパ装置の作動を説明する。スライドドアD閉鎖時、ドア側ストッパ部材2は上記非作動位置にあり、ドア側ロック部材3は上記ロック解除位置にあり、中間ロック部材7は上記非作動位置にある。スライドドアDの開き移動を中間位置で止める場合には、図2に示すように、上記切替機構の切替部材5を上記連動位置にセットする。尚、切替ノブ54はロアローラーRの支持アームR1に設けられているので、切替部材5の上記連動位置と上記空振り位置との切替えは、スライドドアを開いた状態で行なう。例えば、スライドドアDが開いた状態で、次にスライドドアDを開くときに中間位置で止めたい場合には、スライドドアDを閉じる前に切替部材5の上記連動位置にセットしておく、また、次にスライドドアDを開くときに全開位置まで開きたい場合には、スライドドアDを閉じる前に切替部材5の上記空振り位置にセットしておく。
【0020】
切替部材5が上記連動位置にセットされているとき、スライドドアDを開くためにドアハンドルを操作すると、ワイヤ部材W1が鎖線矢印J方向へ引かれ、作動部材4が白矢印g方向へ回動する(鎖線位置)。作動部材4が回動すると、当接ピン45が作動部材4の当接部46と係合された連結部材43は鎖線矢印L方向へ引かれ、ストッパ規制部材20は白矢印f方向へ回動する(鎖線位置)。これにより、ストッパ規制部材20とドア側ストッパ部材2との係合が解除され、ドア側ストッパ部材2が上記作動位置へ移動する。
【0021】
この状態でスライドドアDを開方向(白矢印X)へ移動すると、図3に示すように、作動位置にあるドア側ストッパ部材2の先端部が車体側のスライドレバー6の当接部63に当接してこれを後方(白矢印n方向)へ押し動かす。スライドレバー6が後方へスライド移動すると、スライドレバー6の後端64が中間ロック部材7の当接ローラー74に当接し、これをスライドレバー6の移動軌跡から押し出す。このとき当接ローラー74がスライドレバー6の後端64の端面からドア側のレバー側面へ転動移動し、中間ロック部材7は白矢印m方向へ回動して上記作動位置へ突出する。
【0022】
そして図4に示すように、ドア側ストッパ部材2の先端部とこれにより押し動かされて後方へ移動したスライドレバー6の当接部63が一体に車体側ストッパ部材1に当接し、スライドドアDの開方向(白矢印X)への移動を規制する。このとき、後方に位置するスライドレバー6により中間ロック部材7は作動位置に保持される。そして中間ロック部材7のロックピン72がドア側ロック部材3の係合溝32内に嵌入係合し、ドア側ロック部材3が白矢印h方向へ回動して上記ロック位置となり、ドア側ロック部材3がロック位置に至るとドア側ロック部材3の係合部34と作動部材4の係合爪42とが係合し、ドア側ロック部材3は中間ロック部材7と噛み合った状態でロックされる。これによりスライドドアDは中間位置に保持される。
【0023】
中間位置からスライドドアDを閉じるには、ドアハンドルを操作して作動部材4を白矢印g方向へ回動し(鎖線位置)、ドア側ロック部材3と作動部材4の係合を解除することでドア側ロック部材3のロックが解除され、ドア側ロック部材3と中間ロック部材7との噛み合いが解除され、スライドドアDを中間位置から閉じることができる。そして、スライドドアDを閉方向(反白矢印X方向)へ移動すると、ドア側ストッパ部材2の移動に伴いスライドレバー6も前方へ移動し、スライドレバー6の後端64が中間ロック部材7の当接ローラー74から離れると、中間ロック部材7は上記非作動位置へ回動する。スライドドアDが全閉位置まで閉じると、ドア側ストッパ部材2は車体側の上記当接部材に押されて非作動位置側へ回動してストッパ規制部材20により非作動位置に保持される。
【0024】
スライドドアDを全開位置まで開きたい場合には、図5に示すように、切替部材5を上記空振り位置にセットしておく。これにより連結部材43と作動部材4との係合が解除される。この状態で、スライドドアDを開くためにドアハンドルを操作しても、ワイヤ部材W1により作動部材4は白矢印g方向へ回動する(鎖線位置)が、作動部材4から切り離された連結部材43およびストッパ規制部材20は作動しない。従って、ドア側ストッパ部材2は上記非作動位置に保持されている。
【0025】
この状態でスライドドアDを開くと、車体側のスライドレバー6が働かず、中間ロック部材7が作動せずに上記非作動位置に保持されているので、スライドドアDを全開位置まで開くことができる。スライドドアDが全開位置に至るとドア側ロック部材3が車体側の上記全開ロック部材と係合ロックしてスライドドアD全開位置に保持する。
【0026】
本実施形態によれば、予め、切替機構の切替部材5を連動位置または空振り位置に切替えておくことにより、必要に応じてスライドドアDを中間位置を越えて開かないようにしたりまたは全開位置へ開けることができるように切替えることができる。例えば、スライドドア開口から単に乗り降りする場合や小型の荷物の積み卸しを行なう場合、スライドドアDを中間位置を越えて開かないようにすればスライドドアDを開閉する労力が少なくすむ。
【0027】
スライドドアDは、上記作動位置にある状態のドア側ストッパ部材2と車体側ストッパ部材1との当接により、スライドドアDの中間位置から全開位置側への移動が規制され、かつドア側ロック部材3と中間ロック部材5との噛み合いにより、スライドドアDの中間位置から閉方向への移動が規制される。従って、スライドドアDを中間位置に確実に保持することができ、下り坂等に駐車した状態でスライドドアDを中間位置まで開いても不意に閉まることがない。
【0028】
【発明の効果】
本発明のスライドドアのストッパ装置によれば、必要に応じて、スライドドアを全開位置まで開放させることができように、または全開位置よりも手前の中間位置を越えて開放することができないように切替えることができる。またスライドドアを中間位置で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用スライドドアのストッパ装置を示す平面構成図である。
【図2】上記ストッパ装置によりスライドドアを中間位置で止める作動の第1段階を示す作動説明図である。
【図3】上記ストッパ装置によりスライドドアを中間位置で止める作動の第2段階を示す作動説明図である。
【図4】上記ストッパ装置によりスライドドアを中間位置に保持せしめた状態の作動説明図である。
【図5】上記ストッパ装置によりスライドドアを全開位置まで開かせる状態の作動説明図である。
【図6】従来のスライドドアの中間ストッパ機構の概略構成図である。
【図7】従来の中間ストッパ機構によりスライドドアを中間位置に規制せしめた状態の要部作動図である。
【符号の説明】
B 乗降口の開口下縁(車体)
D スライドドア
1 車体側ストッパ部材
2 ドア側ストッパ部材
20 ストッパ規制部材
22 ストッパ付勢部材
3 ドア側ロック部材
4 作動部材(作動機構)
43 連結部材
44 連結部材の一端
45 当接ピン(連結部材の他端)
5 切替部材(切替機構)
7 中間ロック部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、開方向へ移動するスライドドアを中間位置で止める車両用スライドドアのストッパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、後部車室を荷室として使用するバン型車等では、車体側部のスライドドアにより開閉されるドア開口を、荷物の積み下ろしに有利なように大型化する傾向がある。ドア開口を大型にした分、スライドドアを開閉する際にドアの開閉ストロークは長くなる。しかし通常、人が乗り降りするだけの場合はドア開口を全開する必要がなく、ドアが全開位置まで開いてしまった場合は、ドアを閉めるのに必要以上の労力を要することになる。そこで、スライドドアの開放時に、スライドドアを全開位置よりも手前の中間位置に止める中間ストッパ機構を付設することが考えられている。
【0003】
従来のスライドドアの中間ストッパ機構として、図6、図7に示すように、スライドドアDのドア窓D1のウィンドウレギュレータに付設されてドア窓D1の開閉動作と連動する作動機構8と、スライドドアDのロアローラーRの支持ステーに付設され、作動機構8と連動して作動位置と非作動位置とに切替え可能な中間ストッパ80とで構成されたものがある。中間ストッパ機構はドア窓D1が所定の位置まで開くと作動機構8が作動し、これにより中間ストッパ80が作動して車内側へ突出する(作動位置)。この状態でスライドドアDを開き、スライドドアDが全開位置よりも手前の中間位置に到達したときに、中間ストッパ80が車体に設けられた段状の車体側ストッパ9に衝き当たり、これ以上にスライドドアDが開かないようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−227463号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の中間ストッパ機構では、ドア窓D1が所定の位置まで開いたときのみスライドドアDが中間位置よりも開かないようにするもので、必要に応じてスライドドアDが中間位置よりも開かないようにできるものではない。また従来構造では、スライドドアDを開方向へ移動させたときに開方向へ移動するドア側ストッパ80の先端を車体側ストッパ9に衝き当ててスライドドアの移動を止めるようにしているので、下り坂等に駐車した場合では不意にスライドドアが閉方向へ戻ってしまう。そこで本発明は、必要に応じて、スライドドアを全開位置まで開放させることができように、または全開位置よりも手前の中間位置を越えて開放することができないように切替えることができ、またスライドドアを中間位置で保持することができる車両用スライドドアのストッパ装置を提供することを課題としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スライドドアに設けられ、作動位置と非作動位置とに移動可能で、上記作動位置にある状態では、スライドドアが全開位置よりも手前の中間位置まで開くと車体に設けられた車体側ストッパ部材に当接して、スライドドアが中間位置を越えて開くことを規制し、上記非作動位置にある状態では、スライドドアが全開位置まで開くことを許容するドア側ストッパ部材を備えた車両用スライドドアのストッパ装置であって、上記スライドドアを全閉位置で車体へロックするドアロック機構をロック解除状態に作動させるための操作手段と、上記ドアロック機構をロック解除状態に作動させるために上記操作手段が操作されたときに上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動せしめる作動機構と、該作動機構を、上記操作手段の上記操作がなされても上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動させない状態に切替える切替機構とを設ける(請求項1)。操作手段の操作時に、ドア側ストッパ部材を作動せしめるか、またはドア側ストッパ部材を非作動にするかを選択でき、必要に応じてスライドドアを中間位置を越えて開かないようにまたは全開位置へ開けることができるように切替えることができる。
【0007】
上記ストッパ装置は、上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ付勢するストッパ付勢部材と、上記ドア側ストッパと係脱可能に設けられてドア側ストッパと係合してドア側ストッパ部材を上記非作動位置に保持するストッパ規制部材とを備え、上記作動機構は、上記操作手段の操作により作動する作動部材と、一端が上記ストッパ規制部材に連結されるとともに他端が上記作動部材に係脱可能な連結部材とを備え、上記連結部材の他端が上記作動部材に係合した状態では、上記連結部材を介して上記作動部材と上記ストッパ規制部材とが連動し、上記連結部材の他端が上記作動部材との係合を解除した状態では、上記作動部材が作動しても上記ドア側ストッパ部材は作動しないようにする。上記切替機構により、上記連結部材を、その他端が上記作動部材に係合する係合位置と、上記作動部材との係合を解除する係合解除位置に移動させることができるように構成する(請求項2)。切替機構により作動部材と連結部材とを係合させ、操作手段の操作により作動部材を作動させると、連結部材を介してストッパ規制部材が作動してドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動させる。一方、切替機構により作動部材と連結部材との係合を解除したとき、操作手段の操作により作動部材が作動しても、ストッパ規制部材が作動せずドア側ストッパ部材を非作動位置に保持し続ける。
【0008】
上記ストッパ装置は、車体に設けられ、上記ドア側ストッパ部材が上記作動位置にある状態でスライドドアが上記中間位置まで開くと作動位置に移動する中間ロック部材と、スライドドアに設けられ、上記中間ロック部材が上記作動位置にある状態でスライドドアが上記中間位置まで開くと上記中間ロック部材と噛み合ってスライドドアを上記中間位置に保持するドア側ロック部材とを備え、該ドア側ロック部材は、上記中間ロック部材と噛み合ったときに上記作動機構の作動部材と係合して上記噛み合い状態に保持され、上記操作手段の操作により上記作動部材が作動したときに上記係合が解除され、中間ロック部材との噛み合いが解除可能となるように構成する(請求項3)。車体の中間ロック部材とドア側ロック部材と噛み合わせることでスライドドアを中間位置に保持することができる。操作手段の操作で作動する作動部材によりドア側ロック部材を、中間ロック部材と噛み合った状態で保持せしめるようにしたので、中間位置で保持されたスライドドアを閉じる時も操作手段を操作することで中間ロック部材とドア側ロック部材との噛み合いを解除できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、スライドドアDには、ロアローラーRを支持する支持ステーR1の前部にドア側ストッパ部材2が設置してある。ドア側ストッパ部材2は、基端が支軸21により枢支され、先端をドア側に格納せしめた非作動位置(実線位置)と、車体側へ突出せしめた作動位置(鎖線位置)とに回動可能に設けてある。ドア側ストッパ部材2は支軸21まわりに設けられたバネ部材22により矢印E方向へ付勢されている。ドア側ストッパ部材2は、スライドドア閉鎖時に車体側に設けられた図略の当接部材に押し回されて上記非作動位置へ格納され、ストッパ規制部材20により非作動位置に保持される。
【0010】
ストッパ規制部材20は基端が支軸23により回動自在に支持され、かつ図略の付勢部材により矢印F方向へ付勢されている。ストッパ規制部材20は、その先端側に形成した係合爪24を、ドア側ストッパ部材2の基端側外周に突設した係合部25に係合せしめてドア側ストッパ部材2を上記非作動位置に保持する。ストッパ規制部材20が反矢印F方向へ回動して係合爪24と係合部25との係合が解除されると、ドア側ストッパ部材2は上記バネ部材22の付勢力により上記非作動位置から矢印E方向に車体側へ回動し、金属片に硬質ゴムの当接面を付設したストッパ26に当接してスライドドアDに対してほぼ直角方向に車体側へ突出する上記作動位置に保持される。なお、ドア側ストッパ部材2の先端部の後縁にはゴムまたは合成樹脂からなるクッション材が設けてある。
【0011】
支持ステーR1の中間位置には、図略のドアハンドルの操作により作動する作動部材4が設けてある。尚、ドアハンドルはスライドドアDを全閉状態で車体へロックするドアロック装置のロックを解除するためのものである。作動部材4はほぼく字形のレバー部材で、中間部を支軸40により回動自在に支持され、かつ図略の付勢部材により矢印G方向へ付勢されている。作動部材4の一端41には、上記ドアハンドルの操作と連動するワイヤ部材W1が連結してあり、上記ドアハンドルの操作によりワイヤ部材W1が鎖線矢印J方向へ引っ張られ、作動部材4は上記付勢力に抗し反矢印G方向へ回動する。作動部材4の他端には後述のドア側ロック部材3と係脱可能な係合爪42が設けてある。
【0012】
ストッパ規制部材20と作動部材4との間には、上記ドアハンドルの操作により作動する作動部材4の上記反矢印G方向への回動と連動してストッパ規制部材20が作動可能なように連結部材43が架けわたしてある。連結部材43は金属棒材で、その一端44がストッパ規制部材20の先端に相対回動可能に連結してある。連結部材43の他端には当接ピン45が立設してあり、該当接ピン45が切替機構たる切替部材5を介して作動部材4の一端41から突出する当接部46と係脱可能に係合するように配置してある。
【0013】
切替部材5はほぼU字形をなすレバー部材で、先端にレバーの長手方向に延びる嵌合溝51を備えている。切替部材5は、その基端が、支持アームR1の上面にこれと平行に設けたブラケット板50の下面に、支軸52により回動自在に支持されている。また、嵌合溝51には連結部材43の他端の当接ピン45が嵌入せしめてある。そして、切替部材5は、嵌合溝51が作動部材4の当接部46と交差して、連結部材43の当接ピン45と作動部材4の当接部46とを係合せしめる連動位置(実線位置)と、嵌合溝51が当接部46から離れて当接ピン450と当接部46の上記係合を解除する空振り位置(鎖線位置)との範囲(鎖線矢印Kの範囲)で回動可能としてある。切替部材5にはその中間部に、ブラケット板50の長穴53を貫通して上方に突出する切替ノブ54が突設してあり、該切替ノブ54により上記連動位置と上記空振り位置とに切替え可能としてある。切替部材5は切替えられた状態の連動位置または空振り位置に保持される。
【0014】
支持ステーR1の後部にはドア側ロック部材3が設けてある。該ドア側ロック部材3は車体側に設けられた全開ロック部材(図略)または後述の中間ロック部材7と係合してスライドドアDを全開位置または全開位置よりも手前の中間位置に保持するものである。ドア側ロック部材3は、支軸31により回動自在に軸支され、先端の係合溝32をスライドドアDに対して斜め後方かつ車体側へ向けて開口せしめたロック解除位置(実線位置)と、係合溝32をスライドドアDに対して直角方向に車体側へ向けて開口せしめたロック位置(鎖線位置)とに回動可能としてある。ドア側ロック部材3は、支軸31まわりに設けたバネ部材33により矢印H方向へ付勢され、通常、上記ロック解除位置に保持されている。
【0015】
ロック部材3が上記ロック位置へ回動したときに、作動部材4の他端に形成された係合爪42とドア側ロック部材3の外周に突設した係合部34とが係合し、ドア側ロック部材3は上記ロック位置に保持される。そして、作動部材4が、ワイヤ部材W1に引っ張られて反矢印G方向へ回動すると、作動部材4の係合爪42とドア側ロック部材3の係合部34との係合が解除され、これによりドア側ロック部材3が、上記バネ部材33の付勢力により上記ロック位置から上記ロック解除位置へ復帰する。
【0016】
車体には乗降口の開口下縁Bに沿ってスライドドアDのロアローラーRを案内するロアレールSが設置してあり、乗降口の開口下縁Bの前後方向中間部には、ロアレールSに沿ってベースプレートB1が取付けてある。ベースプレートB1にはスライドドアDの開閉方向である車両前後方向に沿ってスライドレール60が設置してある。スライドレール60にはこれに沿ってスライド移動自在なスライドレバー6が設けてある。スライドレバー6は、前端および後端に設けた前後一対のスライド部61a,61bをスライドレール60に摺動可能に嵌入してある。スライドレバー6は、スライドレール60の前端とスライド部61aとの間に架けわたしたバネ部材62の付勢力により前方(矢印N方向)へ付勢され、通常、前方に位置している。スライドレバー6の前端には、スライドドアD側へ突出し、かつ作動位置にある状態のドア側ストッパ部材2の先端部の移動軌跡上に位置する当接部63が突設してある。当接部63の前面にはゴム製のクッション材が設けてある。
【0017】
ベースプレートB1には、後部にスライドドアD側へ突出し、作動位置のドア側ストッパ部材2の先端部およびスライドレバー6の当接部63の移動軌跡上に位置する車体側ストッパ部材1が取付けてある。車体側ストッパ部材1はベースプレートB1に固着したブラケット11の前端縁にゴムのブロック体からなるクッション材12が設置してある。
【0018】
車体側ストッパ部材1のブラケット11にはその中間位置に、スライドドアDのドア側ロック部材3と係合可能な中間ロック部材7が設けてある。中間ロック部材7は、基端が支軸71により回動自在に軸支された金属レバーで、先端にロックピン72が立設してある。中間ロック部材7は、車体側に格納された非作動位置(実線位置)と、車体に対して先端を斜め後方かつドア側へ突出せしめた傾斜状の作動位置(鎖線位置)とに回動可能に設置してある。中間ロック部材7は支軸71まわりに設けられたバネ部材73により矢印M方向へ付勢され、通常、上記非作動位置にある。中間ロック部材7には基端側にスライドレール60側へ膨出する膨出部が形成してあり、該膨出部には上記非作動位置でスライドレバー6の移動軌跡上に突出する当接ローラー74が取付けてある。
【0019】
次にこのように構成した本発明の車両用スライドドアのストッパ装置の作動を説明する。スライドドアD閉鎖時、ドア側ストッパ部材2は上記非作動位置にあり、ドア側ロック部材3は上記ロック解除位置にあり、中間ロック部材7は上記非作動位置にある。スライドドアDの開き移動を中間位置で止める場合には、図2に示すように、上記切替機構の切替部材5を上記連動位置にセットする。尚、切替ノブ54はロアローラーRの支持アームR1に設けられているので、切替部材5の上記連動位置と上記空振り位置との切替えは、スライドドアを開いた状態で行なう。例えば、スライドドアDが開いた状態で、次にスライドドアDを開くときに中間位置で止めたい場合には、スライドドアDを閉じる前に切替部材5の上記連動位置にセットしておく、また、次にスライドドアDを開くときに全開位置まで開きたい場合には、スライドドアDを閉じる前に切替部材5の上記空振り位置にセットしておく。
【0020】
切替部材5が上記連動位置にセットされているとき、スライドドアDを開くためにドアハンドルを操作すると、ワイヤ部材W1が鎖線矢印J方向へ引かれ、作動部材4が白矢印g方向へ回動する(鎖線位置)。作動部材4が回動すると、当接ピン45が作動部材4の当接部46と係合された連結部材43は鎖線矢印L方向へ引かれ、ストッパ規制部材20は白矢印f方向へ回動する(鎖線位置)。これにより、ストッパ規制部材20とドア側ストッパ部材2との係合が解除され、ドア側ストッパ部材2が上記作動位置へ移動する。
【0021】
この状態でスライドドアDを開方向(白矢印X)へ移動すると、図3に示すように、作動位置にあるドア側ストッパ部材2の先端部が車体側のスライドレバー6の当接部63に当接してこれを後方(白矢印n方向)へ押し動かす。スライドレバー6が後方へスライド移動すると、スライドレバー6の後端64が中間ロック部材7の当接ローラー74に当接し、これをスライドレバー6の移動軌跡から押し出す。このとき当接ローラー74がスライドレバー6の後端64の端面からドア側のレバー側面へ転動移動し、中間ロック部材7は白矢印m方向へ回動して上記作動位置へ突出する。
【0022】
そして図4に示すように、ドア側ストッパ部材2の先端部とこれにより押し動かされて後方へ移動したスライドレバー6の当接部63が一体に車体側ストッパ部材1に当接し、スライドドアDの開方向(白矢印X)への移動を規制する。このとき、後方に位置するスライドレバー6により中間ロック部材7は作動位置に保持される。そして中間ロック部材7のロックピン72がドア側ロック部材3の係合溝32内に嵌入係合し、ドア側ロック部材3が白矢印h方向へ回動して上記ロック位置となり、ドア側ロック部材3がロック位置に至るとドア側ロック部材3の係合部34と作動部材4の係合爪42とが係合し、ドア側ロック部材3は中間ロック部材7と噛み合った状態でロックされる。これによりスライドドアDは中間位置に保持される。
【0023】
中間位置からスライドドアDを閉じるには、ドアハンドルを操作して作動部材4を白矢印g方向へ回動し(鎖線位置)、ドア側ロック部材3と作動部材4の係合を解除することでドア側ロック部材3のロックが解除され、ドア側ロック部材3と中間ロック部材7との噛み合いが解除され、スライドドアDを中間位置から閉じることができる。そして、スライドドアDを閉方向(反白矢印X方向)へ移動すると、ドア側ストッパ部材2の移動に伴いスライドレバー6も前方へ移動し、スライドレバー6の後端64が中間ロック部材7の当接ローラー74から離れると、中間ロック部材7は上記非作動位置へ回動する。スライドドアDが全閉位置まで閉じると、ドア側ストッパ部材2は車体側の上記当接部材に押されて非作動位置側へ回動してストッパ規制部材20により非作動位置に保持される。
【0024】
スライドドアDを全開位置まで開きたい場合には、図5に示すように、切替部材5を上記空振り位置にセットしておく。これにより連結部材43と作動部材4との係合が解除される。この状態で、スライドドアDを開くためにドアハンドルを操作しても、ワイヤ部材W1により作動部材4は白矢印g方向へ回動する(鎖線位置)が、作動部材4から切り離された連結部材43およびストッパ規制部材20は作動しない。従って、ドア側ストッパ部材2は上記非作動位置に保持されている。
【0025】
この状態でスライドドアDを開くと、車体側のスライドレバー6が働かず、中間ロック部材7が作動せずに上記非作動位置に保持されているので、スライドドアDを全開位置まで開くことができる。スライドドアDが全開位置に至るとドア側ロック部材3が車体側の上記全開ロック部材と係合ロックしてスライドドアD全開位置に保持する。
【0026】
本実施形態によれば、予め、切替機構の切替部材5を連動位置または空振り位置に切替えておくことにより、必要に応じてスライドドアDを中間位置を越えて開かないようにしたりまたは全開位置へ開けることができるように切替えることができる。例えば、スライドドア開口から単に乗り降りする場合や小型の荷物の積み卸しを行なう場合、スライドドアDを中間位置を越えて開かないようにすればスライドドアDを開閉する労力が少なくすむ。
【0027】
スライドドアDは、上記作動位置にある状態のドア側ストッパ部材2と車体側ストッパ部材1との当接により、スライドドアDの中間位置から全開位置側への移動が規制され、かつドア側ロック部材3と中間ロック部材5との噛み合いにより、スライドドアDの中間位置から閉方向への移動が規制される。従って、スライドドアDを中間位置に確実に保持することができ、下り坂等に駐車した状態でスライドドアDを中間位置まで開いても不意に閉まることがない。
【0028】
【発明の効果】
本発明のスライドドアのストッパ装置によれば、必要に応じて、スライドドアを全開位置まで開放させることができように、または全開位置よりも手前の中間位置を越えて開放することができないように切替えることができる。またスライドドアを中間位置で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用スライドドアのストッパ装置を示す平面構成図である。
【図2】上記ストッパ装置によりスライドドアを中間位置で止める作動の第1段階を示す作動説明図である。
【図3】上記ストッパ装置によりスライドドアを中間位置で止める作動の第2段階を示す作動説明図である。
【図4】上記ストッパ装置によりスライドドアを中間位置に保持せしめた状態の作動説明図である。
【図5】上記ストッパ装置によりスライドドアを全開位置まで開かせる状態の作動説明図である。
【図6】従来のスライドドアの中間ストッパ機構の概略構成図である。
【図7】従来の中間ストッパ機構によりスライドドアを中間位置に規制せしめた状態の要部作動図である。
【符号の説明】
B 乗降口の開口下縁(車体)
D スライドドア
1 車体側ストッパ部材
2 ドア側ストッパ部材
20 ストッパ規制部材
22 ストッパ付勢部材
3 ドア側ロック部材
4 作動部材(作動機構)
43 連結部材
44 連結部材の一端
45 当接ピン(連結部材の他端)
5 切替部材(切替機構)
7 中間ロック部材
Claims (3)
- スライドドアに設けられ、作動位置と非作動位置とに移動可能で、上記作動位置にある状態では、スライドドアが全開位置よりも手前の中間位置まで開くと車体に設けられた車体側ストッパ部材に当接して、スライドドアが中間位置を越えて開くことを規制し、上記非作動位置にある状態では、スライドドアが全開位置まで開くことを許容するドア側ストッパ部材を備えた車両用スライドドアのストッパ装置であって、
上記スライドドアを全閉位置で車体へロックするドアロック機構をロック解除状態に作動させるための操作手段と、上記ドアロック機構をロック解除状態に作動させるために上記操作手段が操作されたときに上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動せしめる作動機構と、該作動機構を、上記操作手段の上記操作がなされても上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ移動させない状態に切替える切替機構とを具備することを特徴とする車両用スライドドアのストッパ装置。 - 上記ドア側ストッパ部材を上記作動位置へ付勢するストッパ付勢部材と、上記ドア側ストッパと係脱可能に設けられてドア側ストッパと係合してドア側ストッパ部材を上記非作動位置に保持するストッパ規制部材を備え、上記作動機構は、上記操作手段の操作により作動する作動部材と、一端が上記ストッパ規制部材に連結されるとともに他端が上記作動部材に係脱可能な連結部材とを備え、上記連結部材の他端が上記作動部材に係合した状態では、上記連結部材を介して上記作動部材と上記ストッパ規制部材とが連動し、上記連結部材の他端が上記作動部材との係合を解除した状態では、上記作動部材が作動しても上記ドア側ストッパ部材は作動しないように構成されており、
上記切替機構は、上記連結部材を、その他端が上記作動部材に係合する係合位置と、上記作動部材との係合を解除する係合解除位置に移動させることができるように構成されている請求項1に記載の車両用スライドドアのストッパ装置。 - 車体に設けられ、上記ドア側ストッパ部材が上記作動位置にある状態でスライドドアが上記中間位置まで開くと作動位置に移動する中間ロック部材と、スライドドアに設けられ、上記中間ロック部材が上記作動位置にある状態でスライドドアが上記中間位置まで開くと上記中間ロック部材と噛み合ってスライドドアを上記中間位置に保持するドア側ロック部材とを備え、該ドア側ロック部材は、上記中間ロック部材と噛み合ったときに上記作動機構の作動部材と係合して上記噛み合い状態に保持され、上記操作手段の操作により上記作動部材が作動したときに上記係合が解除され、中間ロック部材との噛み合いが解除可能となるように構成された請求項1または請求項2に記載の車両用スライドドアのストッパ装置。
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