JP2006347470A - 電動スライドシート - Google Patents

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政明 横田
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Abstract

【課題】 従来のロック装置の利点を損なわず、係合部材の不整合が生じにくく、使用感が優れた電動スライドシートを提供する。
【解決手段】 レール11にスライド自在に設けられるシート12と、そのシートを往復駆動するスライド装置13と、シートに上下移動自在に設けられ、レール11の係止孔に挿入されるロックフォーク22と、そのロックフォーク22をロック側に付勢するリターンスプリングと、ロックフォーク22を係止孔から抜き出すロック解除アクチュエータ14aとを有し、ロックフォーク22が係止孔の手前に来たときにロック解除アクチュエータ14aの保持作用を停止してロックフォーク22をレール11の上に乗せ、シート12のスライドを継続し、ロックフォーク22が係止孔に入ったときにスライド装置13を停止させる電動スライドシート10。
【選択図】 図1

Description

本発明は電動スライドシートに関し、とくに自動車などのスライドシートを電動により移動し、移動後の位置にロックする電動スライドシートに関する。
特開2004−243811号公報
自動車のシートの前後の位置は、一般的にはシートに座っている人がレバーを操作してロック解除を行い、足を床面に突っ張ったりしてシートを前後にスライドさせることにより調節する。そして適当な位置でレバーを離し、リターンスプリングの付勢力でロック部材を下方に押圧し、ロック部材の爪をレールの係止孔に係合させてロックさせる。
特許文献1には、自動車の床面に固定したモータにより8字ループ状に配索したプルコントロールケーブルの内索を循環駆動させ、その内索に連結した左右のランナを同調して前後に駆動する電動スライドシートが開示されている。さらにこの特許文献1には、電気駆動のアクチュエータによりプルコントロールケーブルを介し、リターンスプリングの付勢力に抗してロック部材(ラッチプレート)を引き操作し、ロック解除を行うアクチュエータを備えた電動式ロック装置が開示されている。さらにスライド駆動のモータとロックオン/ロックオフの作動用アクチュエータを兼用のスイッチで操作すると共に、スライド駆動用のモータを停止させるとき、スイッチ操作から遅延させて停止させる遅延リレーを設けることが開示されている。
この電動スライドシートでは、シートを前方にスライドさせたいとき、中立復帰タイプのシーソースイッチを一方向に操作すると、まずロック装置のアクチュエータが作動してスライドのロックを解除する。ついでスライド用のモータが一方向に回転し、8字ループ形状のコントロールケーブルを介してシートを前にスライドさせる。スイッチから手を離すと、スライド駆動用のモータが直ちに停止せず、まず、ロック装置のアクチュエータが逆方向に作動し、リターンスプリングの付勢力で、ロック部材がレールのロック孔に係合してロックする。そして所定時間だけ遅延してモータの作動が停止する。
シートを後退させる場合も同様の操作が行われる。この遅延時間は、係止孔に対するロック部材の非整列によるアンロック状態を防止するためのものであり、ロック部材が係止孔の1ピッチ分移動するのに必要な時間が設定される。なお、ロック判別手段を設け、ロック状態が確認されたときは、遅延時間が経過しない前でもスライド用のモータを停止させることも開示されている。
特許文献1では、スライド用のモータを停止させるスイッチとロック装置のアクチュエータのスイッチとが兼用されており、モータの停止を遅延させるので、ロック部材が係止孔からずれている場合は、まず、ロック部材がロック側に移動してロック部材の爪が係止孔と係止孔の間に乗る。そしてシートがいくらかスライドしてロック部材と係止孔とが合致したときに、リターンスプリングの付勢力でロック部材が係止孔に挿入される。しかしスイッチが操作された時点でちょうどロック部材と係止孔とが合致している場合は、直ちにロック部材の爪が係止孔に入り込み、シートが停止する。そのため、操作している者にとって、操作と同時に急にシートが止まると感じられ、使用感がよくない。また、ロック解除用のアクチュエータがロック部材のリターンスプリングに従う下降移動の抵抗となり、ロック部材の爪が充分に係止孔に入り切らないままシートが進み不整合な状態になる可能性がある。
本発明は従来のロック装置の利点を損なわず、係合部材の不整合が生じにくく、使用感が優れた電動スライドシートを提供することを技術課題としている。
本発明の電動スライドシートは、係止孔の列が断続的に形成されているレールと、そのレールにスライド自在に設けられるシートと、そのシートをレールに沿って電気駆動によって往復駆動するスライド装置と、前記シートに、レールの係止孔に挿入されるロック位置と抜き出されるロック解除位置との間で移動自在に設けられるロック部材と、そのロック部材をロック位置側に付勢するリターンスプリングと、前記ロック部材をリターンスプリングの付勢力に抗してロック解除位置側に駆動する電気駆動によるロック解除アクチュエータと、シートを停止させるとき、ロック部材が係止しようとする係止孔の手前に来たときに前記ロック解除アクチュエータの作動を停止してロック部材をロック側に移動させ、さらにシートのスライドを継続してロック部材が係止孔に入ったときにスライド装置を停止させる停止制御機構とを備えていることを特徴としている。
このような電動スライドシートにおいては、前記シートの現在の位置を検出する位置検出機構と、前記シートの固定すべき位置を記憶する記憶手段とを有し、
前記停止制御機構が、前記位置検出機構により検出されたシートの位置と記憶手段の固定すべき位置とが合致する前で、かつ、所定の範囲に入ったときにロック解除アクチュエータの作動を停止させるものであるのが好ましい。
また、前記スライド装置のモータを停止させる手動スイッチと、前記シートの現在の位置を検出する位置検出機構とを有し、前記停止制御機構が、手動スイッチからの停止信号が入ったとき、位置検出機構からの信号に基づいてロック部材と最も近い係止孔の位置関係を計算し、両者の間隔が所定範囲内にあるとき、直ちにスライド駆動装置のモータを停止させず、係止部材がその係止孔を越えたとき、ロック解除アクチュエータの作動を停止させるものとするのが好ましい。
さらに前記スライド装置は、シートの移動に伴ってパルスを発生するパルス発生器を備えており、前記位置検出機構がそのパルス発生器からのパルスをカウントしてシート位置を検出するものとするのが好ましい。
本発明の電動スライドシートでは、ロック部材が係止孔の手前に来たときにロック解除アクチュエータの作動を停止させ、リターンスプリングの付勢力でロック部材をロック側に移動させるので、いきなりロック部材が係止孔に嵌合することがなく、まずロック部材がレールの上に乗る。ついでシートがいくらかスライドしてロック部材が係止孔と合致したときに初めてロック部材がリターンスプリングの付勢力により係止孔に挿入される。したがってシートに人が座っている状態で操作する場合でも、使用感が優れている。
前記スライドシートが、前記シートの現在の位置を検出する位置検出機構と、前記シートの固定すべき位置を記憶する記憶手段とを有し、前記停止制御機構が、前記位置検出機構により検出されたシートの位置と記憶手段の固定すべき位置とが合致する前で、かつ、所定の範囲に入ったときにロック解除アクチュエータの作動を停止させるものである場合は、特定のシート位置に容易に再設定することができる。すなわち適切なシート位置をあらかじめ記憶手段に記憶させておけば、第三者がシート位置を調節した後でも、元の位置に容易に戻すことができる。さらにシートの後部に人が乗る場合のように、一旦シートを大きく前進させ、つぎに元の位置に戻すウォークイン作動のときでも、容易に元の状態に復帰させることができる。
前記スライド装置のモータを停止させる手動スイッチと、前記シートの現在の位置を検出する位置検出機構とを有し、前記停止制御機構が、手動スイッチからの停止信号が入ったとき、位置検出機構からの信号に基づいてロック部材と最も近い係止孔の位置関係を計算し、両者の間隔が所定範囲内にあるとき、直ちにスライド駆動装置のモータを停止させず、係止部材がその係止孔を越えたとき、ロック解除アクチュエータの作動を停止させるものである場合は、操作者の意思によってシートを停止させることができ、しかも手動スイッチを操作した後、一定のタイミングをおいてシートを停止させることができるので、使用感がすぐれている。
前記スライド装置が、シートの移動に伴ってパルスを発生するパルス発生器を備えており、前記位置検出機構がそのパルス発生器からのパルスをカウントしてシート位置を検出するものである場合は、シート位置を正確に検出することができる。
つぎに図面を参照しながら本発明の電動スライドシートの実施の形態を説明する。図1は本発明の電動スライドシートの一実施形態を示す概略側面図、図2はその電動スライドシートの全体を示す平面図、図3および図4はそれぞれその電動スライドシートの要部正面図および要部側面図、図5はその電動スライドシートにおけるスライド駆動装置の要部平面図、図6は図5のVI-VI線断面図、図7は本発明に関わる電動式ロック装置の正面図、図8はその電動式ロック装置のロック解除アクチュエータの平面図、図9は図1の電動スライドシートの作用を示す工程図、図10は図1の電動スライドシートのコントローラを示す平面図、図11は図1の電動スライドシートのランディング制御の一実施形態を示すフローチャート、図12は図1の電動スライドシートの通常モードを示すタイミングチャート、図13は図1の電動スライドシートのウォークインモードの一実施形態を示すフローチャートである。
図1および図2に示す電動スライドシート10は、車体の床面に取りつけられる左右一対のレール11と、そのレールに移動自在に設けられるシート12と、そのシートを前後に駆動するためのスライド装置13と、シートをレール11の所望位置に固定するためのロック装置14とから構成されている。スライド装置13のスライドアクチュエータ13aとロック装置14のロック解除アクチュエータ14aはシート12の裏面側に取りつけられている。シート12の前端にはシート位置調節用のスイッチSWが設けられている。シート12の後部にはバック16が回動自在に設けられており、そのバック16のヒンジ部近辺には、前倒れを検出するリミットスイッチLS1が設けられている。
前記レール11は、図3に示すように、断面矩形状の筒状に構成され、上面にガイド溝11aが形成された長尺材であり、金属板を折り曲げ形成したものなど、公知のレールが用いられる。レール11内にはローラ17が転動自在に収容され、それらのローラ17はシート12を支持するスライダ18によって回転自在に支持されている。このようなスライダ18およびローラ17は、従来公知の手動によるシートの前後調節機構に用いられているものを使用することができる。
図4に示すように、スライダ18にはレバー20を介してロックフォーク22が上下移動自在に取りつけられている。そして前記レール11の上面には、ロックフォーク22の爪24が係止される係止孔25の列が長手方向に延びるように配列されている(図7参照)。係止孔25の幅は爪24が容易に挿入できる程度の幅であり、前後長さは挿入/離脱が容易で、しかもがたつきが生じない程度である。係止孔25の間隔は、図7からわかるように、爪24の長さとほぼ同程度である。したがって係止孔25と係止孔25の間では、爪24はその一部でも乗ることができる。このようなレール11は通常は前側が後方よりいくらか高くなるように斜めに設置される。なお図2における下側が自動車の前側に相当する。
図4に示すように、前記シート12は、箱状の支持ベース12aと、左右の支持ベース12aの上に取りつけられるプレート12bと、それらの上面に取りつけられるクッション(図1の12c)とから構成される。レール11およびシート12は、従来の自動車の前座席あるいは2列目ないし3列目の座席の手動による位置調節機構に用いられているものをそのまま用いることもできる。
図2に示すように、この実施形態のスライド装置13は、シート12のプレート12bの裏面に取りつけられる前述のスライドアクチュエータ13aと、そのスライドアクチュエータ13aによって引き操作および送り出し操作される左右の前進用ケーブル31と、それらの前進用ケーブルと交互に引き操作および送り出し操作される後退用ケーブル32と、スライダ18の下部あるいは支持ベース12aないしプレート12bの裏面の四隅に取りつけられ、前進用ケーブル31および後退用ケーブル32の方向を転換するためのプーリ(図4の符号33、34)とを備えている。いずれのケーブル31、32も、スライドアクチュエータ13aとプーリ33、34との間は、可撓性を有する導管35、36によってガイドされており、先端はレール11の前端および後端に係止されている。ケーブル31、32および導管35、36としては、ウインドレギュレータなどに用いられているプルコントロールケーブル用の内索および導管と同様のものを用いることができる。
図4に示すように、前記プーリ33、34は、ブラケット37に対し軸37aによって回転自在に取りつけられている。この実施形態では、プーリ33、34は左右に延びる軸心回りに回転自在に設けられているが、鉛直方向に延びる軸心回りに回転するようにしたり、傾斜した軸心回りに回転するようにしてもよい。ブラケット37はシート12の支持ベース12aあるいはスライダ18に対し、ネジなどで取りつけられる。ブラケット37はプーリのカバーを兼ねるものが好ましい。ブラケット37を用いずにプーリ33、34を直接スライダ18や支持ベース12aに回転自在に取りつけてもよい。なお、プーリに代えて、円弧状のガイド溝を備えたスライドガイドなどを用いてもよい。
スライダ18は金属板などから構成され、その下部は図3および図4に示すようにレール11の上面のガイド溝11aに挿入されている。なお通常はスライダ18の下部は左右に拡がっており、それによりレール11からの抜け出しを防止している。支持ベース12aはボルトおよびスライダ18に溶接されたナットなどにより、スライダ18に取りつけられている。
なお図4の実施形態では、ロックフォーク22を操作するレバー20の端部に当接片20cが形成されており、手動操作レバー38の当接部38aと当接するようにしている。手動操作レバー38は従来の手動操作によるシート位置調節用のレバーを用いることができる。なお、手動操作レバー38の当接部38aには、反対側のレール11の手動調節レバー38を同調してロック解除操作するための同調操作ケーブル38bが連結されている。
前記スライドアクチュエータ13aは、図5および図6に示すように、ハウジング40と、そのハウジングに取りつけられるモータMと、そのモータの出力軸に連結されるウォーム減速機などの減速機Gと、その減速機Gの出力側に連結される電磁クラッチCと、その電磁クラッチの出力側に連結される第1ギヤ41と、その第1ギヤと噛み合う第2ギヤ42と、その第2ギヤと共回りする小径の駆動ギヤ43と、その駆動ギヤと噛み合う左右の大径のドラムギヤ44、44とを備えている。なお、ドラムギヤ44、44同士を噛み合わせると共に、左右何れか一方のドラムギヤ44のみを駆動ギヤ43と噛み合わせるようにしてもよい。各ギヤはハウジング40により、略鉛直方向の軸心回りに回転自在に支持されている。
左右のドラムギヤ44の歯数は同一であり、同じ方向に同じ回転数で回転する。各ドラムギヤ44には、それぞれケーブル巻き取り用のドラム45が連結されている。ドラム45とドラムギヤ44とを一体成形することもできる。左側のドラム45には、前進用ケーブル31の端部が係止され、図5の時計方向にドラムに巻き付けられた上で、左下から横方向に延び出ている。さらに前進用ケーブル31は、前述のように導管35によって図2の前側(図2の下側)のプーリ33まで案内され、そのプーリ33で前向きに方向転換された上で、レール11の前端に係止されている。
後退用のケーブル32はドラム45に対して逆方向に巻き付けられており、導管36によって図2の後端(図2の上側)のプーリ34まで案内され、そのプーリ34で後ろ向きに方向転換された上で、レール11の後端に係止されている。なお、通常は左右のドラム45、45には前進用ケーブル31および後退用ケーブル32をガイドする螺旋状のガイド溝を設けるが、このガイド溝は両方のケーブル用の溝を兼用するものでよい(図6参照)。すなわちシート12が前進しているときは、前進用ケーブル31を多く巻き取るが、その分だけ後退用ケーブル32を送り出しているので、ケーブルを巻き付けている溝に要求される実質的な長さは変わらないからである。このようにすることにより、ドラム45の厚さを薄くすることができる。
右のドラム45と前進用ケーブ31および後退用ケーブル32との関係、ならびにそれらのケーブル31、32と右の前後プーリ33、34、右側のレール11の端部への係止の関係は、前後のケーブル31、32が途中でクロスしていることを除けば、左側の場合と線対称になるだけで実質的には同様である。なお、左右のドラムギヤ44、44同士を噛み合わせる場合は、ドラムギヤ44、44が互いに逆方向に回転するので、ケーブル31、32を途中でクロスさせる必要はない。
上記のように構成されるスライド装置13においては、モータMが回転すると、減速機Gのウォームが回転し、それと噛み合っているウォームホイールが減速されて回転し、その回転は電磁クラッチCの入力側に伝えられる。そして電磁クラッチCがオンのときは、電磁クラッチCの出力側を経て、第1ギヤ41がたとえば反時計方向に回転し、第1ギヤ41と噛み合っている第2ギヤ42および駆動ギヤ43が時計方向に回転する。したがって駆動ギヤ43と噛み合っている左右のドラムギヤ44、44が反時計方向に回転する。
それにより左ドラム45と右ドラム45が同じ反時計方向に同じ回転数で回転する。左右のドラム45、45の回転に伴い、左右の前進用ケーブル31がそれぞれドラム45、45に巻き取られ、後退用ケーブル32がドラム45、45から送り出される。それによりシート12が図1および図2の矢印F方向に前進する。
モータMを逆方向に回転させると、左右のドラム45、45がそれぞれ前述の場合と逆方向に回転し、ドラム45、45が後退用ケーブル32を巻き取り、前進用ケーブル31を送り出す。それによりシート12が図1および図2の矢印R方向に後退する。
前記電磁クラッチCは、通常の状態では「切り」にしておき、モータMでシートを前進・後退させるときに「入り」の状態にする。それにより手動操作を自由に行うことができる。手動によりシート12を前後に移動させる場合、前進用ケーブル31および後退用ケーブル32は、一方がドラム45から引き出されるので、それに伴ってドラム45が回転し、他方がドラム45に巻き取られる。そのため、手動操作の妨げにならない。
上記のスライド装置13は、左右一対のドラム45、45を用い、それぞれのドラムに片側の前進用ケーブル31および後退用ケーブル32を係止して巻き付けている。そのため前後左右4本のケーブルを1個のドラムに巻き付ける場合に比して、ドラム45の厚さを薄くすることができる。さらに前述のように各ドラム45のケーブルのガイド溝は前進用と後退用と兼用にしている。そのため、シート12の裏面に設けてもスライドアクチュエータ13aが大きく突出せず、床面などとの干渉が避けられる。ただし1個あるいは4個のドラムで4本のケーブルを巻き取り/送り出し操作させるようにしてもよい。
上記のようなスライド装置13を採用する場合は、シート12の位置を検出するセンサを設けるのが好ましい。このようなセンサは、たとえば図6に示す、ドラム45の回転位置を検出するためのパルス発生器PUと、そのパルス発生器PUが発生するパルスをカウントして、スライダ18の位置を演算するコントローラ(図10参照)などから構成することができる。パルス発生器PUは電磁クラッチCのオンオフに関わらず常時ケーブル31、32と共働し、前述のようにクラッチを切った状態でもシート12の移動に応じて回転する。このようなパルス発生器PUとしては、たとえば磁石とホールICの組み合わせ、あるいは多数のスリットないし反射部と光センサの組み合わせなどからなるロータリエンコーダによって構成しうる。なお、回転式のパルス検出器に代えて、直動タイプのエンコーダを用いることもできる。このようなシート位置の検出用センサを設ける場合は、後述するロック機構と共働させることにより、ウォークインモードなどにおいて、一旦記憶させたシート位置に容易に復帰させることができる。また、スムーズなランディング制御を行うことができる。
図7に示すロック装置14は、大きく分けてレール11と直接係合/離脱作用を行う左右のロック機構47と、それらのロック機構をケーブル48、48を介して電動操作するためのロック解除アクチュエータ14aとから構成されている。ロック解除アクチュエータ14aは図1および図2の自動車用の電動スライドシート10におけるシート12(具体的にはシートを支持するプレート12b)の裏面に取りつける。
前記ロック機構47は図7の左下に示すように、前述のスライダ18に対してピン20aよって回動自在に取りつけられるレバー20と、そのレバーを常時反時計方向に付勢するリターンスプリング21と、レバー20によって上下に移動されるロックフォーク22とを備えている。ロックフォーク22には係合ピン22aが突設され、その係合ピンがレバー20に形成された長孔20bと係合している。それによりレバー20の回動をロックフォーク22の上下の直進運動にスムーズに変換することができる。なお図7では左側のロック機構47のみを示しているが、右側のロック機構も左右勝手違いで実質的に同一の構成である。また、図7ではロック機構14およびレール11を側方から見た状態で示しているが、実際には図2に示すようにアクチュエータ14aに対して90度の向きである。
前記リターンスプリング21として、レバー20を支持するピン20aの周囲に巻かれ、一端がレバー20の端部近辺に係止され、他端がスライダ18に係止される捻りコイルバネを採用している。ただし引っ張りコイルバネなど、他のバネであってもよい。ロックフォーク22は、スライダ18に形成された凹部(図4の符号18a)によって上下に移動自在にガイドされている。
前記レバー20の他端には、ロック解除用のケーブル48の端部が係止されている。ケーブル48の端部には、従来公知の略球状の索端金具48aが鋳込みないしカシメなどにより固着され、レバー20の端部に取りつけられる合成樹脂製のエンドガイド50の上面の貫通孔に係止されている。ケーブル48は上方に延び、方向転換用のスライドガイド51によって方向転換され、導管52によってアクチュエータ14aまでガイドされている。ケーブル48および導管52としては、ウインドレギュレータなどに用いられるプルコントロールケーブル用の内索および導管が好ましい。ケーブル48の端部は索端金具48aでエンドガイド50に係止されているだけであるので、ケーブル48が上向きに引っ張られるとレバー20を時計方向に回動させることができ、レバー20が手動操作で時計方向に回動されたとき、ケーブル48を押し上げることはない。
前記ロック解除アクチュエータ14aは、ハウジング60と、そのハウジングに取りつけられる正転/逆転可能なモータM2と、そのモータに連結される減速歯車列G2と、その減速歯車列の出力軸となるシャフト61に連結されるドラム62と、ストッパ機構63とを備えている。ストッパ機構63は減速歯車列G2と共働してロック機構47のリターンスプリング21の付勢力に基づく減速歯車列G2の従動を拘束するものである。一端がレバー20に係止された前記ケーブル48の他端は、ドラム62の周囲に巻かれ、索端金具48bによってドラム62の係止穴に係止されている。ロック解除操作のストロークは小さいため、図8のように1個のドラム62に2本のケーブル48を巻き付けるガイド溝を並列的に設けても、ドラム62の厚さはそれほど厚くならない。ただし必要であれば、左右別個にドラムを設けてもよい。
前記減速歯車列G2は、モータM2の出力軸64に固定されるピニオン65と、そのピニオンと噛み合う大径ギヤ66と、その大径ギヤと共回りする小径ギヤ67と、その小径ギヤと噛み合うセクタギヤ(ドラムギヤ)68とからなる(図8参照)。大径ギヤ66の裏面側には、ストッパ機構63と共働する当接片69が一体に形成されている。当接片69は大径ギヤ66の外周を越えて、半径方向外向きに突出している。
図8に示すように、この実施形態では、ハウジング60は本体60aと蓋体60bの2体に分離して構成されており、セクタギヤ68に固定されたシャフト61が本体68aと蓋体68bの軸受け部によって回転自在に支持されている。シャフト61には、ドラム62の角形の孔62aが嵌合される角柱部70が設けられている。セクタギヤ68と本体の底壁の間には、大径ギヤ66と当接片69が入る隙間71が設けられている。その隙間71にセクタギヤ68の回動位置を検出するリミットスイッチLS3が配置されている。前記大径ギヤ66と小径ギヤ67はシャフト72によって一体に連結され、そのシャフト72は本体および蓋体に形成された軸受け部によって回転自在に支持されている。
前記ストッパ機構63は、図7に示すように、ハウジング60に取りつけられたピン74によって回動自在に支持される係合レバー75と、その係合レバー75を常時時計方向に付勢するバネ76と、係合レバーを反時計方向に駆動するためのソレノイドアクチュエータ77とを備えている。係合レバー75は、回動中心を中心として一方向(図7では左上)に延びる第1アーム78と、その反対側に延びる第2アーム79とを備えている。
第1アーム78は、モータM2が一方向に回転して減速歯車列G2およびケーブル48を介してロックフォーク22を引き上げた状態(想像線の状態)で当接片39と係合する係合段部80と、その係合段部よりさらに延びる操作片81とを備えている。第2アーム79の先端近辺には長穴79aが形成され、その長穴79aに、ソレノイドアクチュエータ77の作動片82に固定されたピン82aが係合している。この実施形態では、作動片82は二股にされ、その間に第2アーム79が挿入されており、ピン82aの両端は二股になっている作動片82によって支持されている。
さらに図7に示すように、第2アーム79の途中には、バネ76の一端が係止され、バネ76の他端はハウジング70に設けられた係止ピン76aに係止されている。この実施形態ではバネ76として引っ張りコイルバネを採用しているが、捻りコイルバネなど、他のバネを採用することもできる。ソレノイドアクチュエータ77は、通電時に作動片82を引き込むタイプのものである。なお、リターンスプリング内蔵型のソレノイドアクチュエータを採用する場合は、バネ76を省略することができる。図7の符号69aは当接片69の回動範囲を規制するストッパピンであり、符号81aは係合レバー75の回動範囲を規制するストッパピンである。
この実施形態では、当接片69の先端は丸くされており、係合レバー75の係合段部80は当接片69の中心線に対し、斜め方向に当接するように傾斜している。それにより、当接片69が反時計方向に回動するとき、係合レバー75を押しのけて回動しうる。ただし当接片69と平行にするなど、他の形状に構成することもできる。また、係合段部80の上側には、傾斜面83が形成され、それにより係合レバー75が想像線のように反時計方向に回動している状態であっても、モータM2の回転により当接片69が時計方向に回転したとき、係合レバー75を押しのけて回転することができる。
上記のように構成されるロック装置14においては、ロックフォーク22を操作するレバー20が常時リターンスプリング21によって図7の反時計方向に付勢されているので、ロックフォーク22も常時下向きに付勢されている。そのため、シート12を調整しない状態では、爪24がレール11の係止孔列のいずれかの係止孔25に嵌入され、ロック作用を奏している。それによりシート12は前後に移動しない。シート12を前後に移動させる場合は、はじめにロック装置14のモータM2を作動させ、ロックフォーク22を上昇させてロックを解除する。ついでスライド装置13のモータMを回転させて前述のようにシート12を前または後ろに移動させる。そして適切な位置にきたとき、ロック装置14でロック状態に戻す。なお、それらの一連の操作は、コントローラ(図10参照)によって自動的に行う。
前記ロック解除を行う場合は、図9の第1工程S1に示すように、モータM2が矢印P1方向に回転し、減速歯車列G2を経由してドラム62が反時計方向に回転し、左右両側のロック解除用のケーブル48を巻き取る。それによりレバー20がリターンスプリング21の付勢力に抗して時計方向に回動し、ロックフォーク22を引き上げる。それにより爪24が係止孔25から抜き出され、ロックが解除される。
そのとき、減速歯車列G2の大径ギヤ66が時計方向に回転し、当接片69がストッパ69aに当接するまで回転する。その状態でソレノイドアクチュエータ77に通電し、バネ76の付勢力に抗して作動片82を引き込ませる。それにより係合レバー75が反時計方向に回動し、係合段部80が当接片79の上側から係合し、大径ギヤ66の反時計方向の従動回転を拘束する(第2工程S2)。すなわち大径ギヤ66は、ロック機構のリターンスプリング21による付勢力で反時計方向に回転するように付勢されているが、係合レバー75が当接片69と係合することにより、その従動方向の回転が拘束される。
上記のようにソレノイドアクチュエータ77によって駆動される係合レバー75が減速歯車列G2の回転を拘束した後、モータM2の通電を止める(第3工程S3)。この状態ではソレノイドアクチュエータ77によってロック解除状態が維持されている(第4工程S4)。そのため、モータM2に焼き付きが生じない。このロック解除状態の間に、図2のスライド装置13によって自動的にシートを前後に移動させ、位置調整を行う(第5工程S5)。
位置調整が終了すると、あるいは希望する調節位置に近くなると、ソレノイドアクチュエータ77の通電を切る(第6工程S6)。それにより第1工程S1と同じ状態に戻り、ドラムの回転拘束が解除され、モータM2およびドラム62を反時計方向に回転させることができるので、リターンスプリング21の付勢力よりケーブルをドラムから引き出しながらレバー20が反時計方向に回動し、ロックフォーク22が下向きに移動し、ロック作用が奏される(第7工程S7)。
他方、ソレノイドアクチュエータ77でロック解除状態を維持しているときに、電気系統に故障が生じたときは、ソレノイドアクチュエータ77の通電もなくなる。したがってバネ76の付勢力で係合レバー75が時計方向に回動し、ソレノイドアクチュエータ77が第1工程S1の状態に戻る(第8工程S8)。そのため、係合レバー75と当接片69の係合が外れ、ロックフォーク22を付勢しているリターンスプリング21により、ケーブル48を介して減速ギヤ列G2の大径ギヤ66が反時計方向に回転する。したがってロックフォーク22が下降してロック作用が奏される(第7工程S7)。それにより電気系統に故障が生じてもシートを固定することができ、乗員の安全が守られる。
なお乗員が手動でシートを前後にスライドさせる場合は、ロック装置14を作動させず、図2および図4の手動操作レバー68により直接ロック解除操作を行い、シートをスライドさせ、その後、手動操作レバー68を離すことにより、ロック状態に戻す。
上記のロック解除、シートスライド、ロック作動の一連の操作は、コントローラ(図10のCR参照)によって自動的に行われる。たとえば図1のシート12の前端のスイッチSWは、前進、後退、停止の3状態を切り換えることができ、手を離したときに停止状態に復帰するシーソータイプのものが用いられる。ドライバーあるいは乗客が前進側に操作したときは、スイッチSWの前進の接点信号により、まずスライド装置13の電磁クラッチCが入り、ついでロック装置のモータM2が作動してロックが解除される。そして図4のリミットスイッチLS2がロック解除状態を検出したとき、スライド装置13のモータMが作動してシートが前進する。そしてドライバーあるいは乗客がスイッチSWから手を離して「ロック」の信号がコントローラに入ったときロック装置14が作動してロック作用が行われる。
ただし、スイッチSWが操作された時点で爪24が係止孔の真上にある場合、あるいはごく近くにある場合に直ちにロック解除作用に入ると、シートの移動途中で爪24が係止孔25に不安定に係合したり、あるいは係合途中に外れたりしてドライバーや同乗者に不快感を与える場合がある。そのため、この電動スライドシート10では、図11に示すようなランディング制御を行っている。
すなわち、シート12が移動中(S11)、スイッチ操作(S12)により停止の信号がコントローラに入ったとき、まずロックフォーク22の爪24の位置とレール11の係止孔25の位置関係を確認する。たとえばスライドアクチュエータのパルス発生器から発生されたパルスをコントローラでカウントすることにより、シートの位置を常時検出しておき、それに基づいて爪24が係止孔25のすぐ上からどの程度ずれているかを検出する。そしてすぐ上にある場合、あるいは手前側10〜30mm程度の範囲であれば、直ちにロック解除せず、スライド装置13のモータMをいくらか回転させ、その後ロック解除を行う。
それによりソレノイドアクチュエータ77が引っ込み、ドラムの回転拘束が解除されるので、レバー20がリターンスプリング21の付勢力で反時計方向に回動し、ドラムと連結されているロック解除用のモータM2を逆転させながら(S13)、ロックフォーク22の爪24が下降し(S14)、レール11の係止孔25の間の部分に乗る(S15)。そしてスライド駆動用のモータMの回転が継続してシートがさらにいくらか前進すると(S16)、ロックフォーク22の爪24が係止孔25に合致した時点で係止孔25内に落ち込む(S17)。そのため、レバー20はケーブル48の拘束を受けることなく、瞬時に係止孔25に落ち込み、シートが停止する。そのため、ドライバーや乗客にとって作動感(フィーリング)が好ましい。
なお、ロックフォーク22の爪24がレール11に乗っている状態では、リミットスイッチLSはレバー20と接触していないので、シートの移動は継続している。そしてロックフォーク22の爪24が係止孔25に落ち込んだとき(S17)、リミットスイッチLS2がこれを検知する。このときロック解除用のモータM2の従動的な回転が停止する。リミットスイッチLS2の信号はロック解除スイッチ信号としてコントローラCRに入る。コントローラCRはこれら2つの信号から判断してスライド装置13のモータMを停止させる(S18)。これでロック動作は終了したと判断しコントローラCRは電磁クラッチを「切り」にして(S19)、スライド装置13の作動を終了させる。電磁クラッチを切ってからモータMを停止してもよい。
前述の場合と異なり、スイッチSWから「停止」の信号が出されたときに、爪24が係止孔25よりかなり手前で、前述の範囲から出ている場合は、ただちにロック解除操作が行われる。この場合も前述の場合と同様に、ロックフォーク22がレール11の上に乗り、シートがいくらか前進してからロックフォーク22の爪24が係止孔25に落ち込む。
シートを後退させる場合も上記と実質的に同じである。上記のシートの前進および後退の作用を図12に示すタイミングチャートで説明すると、まずスイッチが前進側に操作される(SWステータス立ち上がり)と、電磁クラッチがオンになり、同時にロック解除アクチュエータのモータM2が正転する。ついでロック解除検出スイッチ(図4のリミットスイッチLS2)がロックレバーの作動を検知し、ロック解除アクチュエータスイッチ(図8のリミットスイッチLS3)がセクタギヤ(図8の符号68)の回動を検出する。
それに基づいてソレノイドアクチュエータがオンになり、ロック解除状態を維持する。ついでロック解除アクチュエータのモータM2の通電を停止し、同時にスライドアクチュエータのモータMが正転し(モータLoスピード)、シートが前進する。モータMの正転の間、モータMと連結されているロータリエンコーダがパルスを発生し(シートHo/Loモータコモン参照)、シート位置の検出に用いられる。このモータの回転およびパルスの発生は、シートが停止するまで継続する。なお、手動でシートを前進/後退させる場合も発生し、それによりシート位置を検出することができる。
スイッチが前進から切りに操作される(SWステータス立ち下がり)と、直ちにはモータが停止せず、まず、ソレノイドアクチュエータが引っ込んでロック解除状態を停止し、リターンスプリング21の付勢力でロック部材22を下降させる。そのときケーブルを引っ張り、ドラムおよびモータM2を逆転させ、ロック解除アクチュエータスイッチ(リミットスイッチLS3)がそれを検出する。そしてロック部材の爪が係止孔に落ち込んだことをロック解除スイッチ(LS2)が検出した後、スライドアクチュエータのモータMが停止し、ついで電磁クラッチがオフになる。これにより前述のランディング作用が奏される。シートの後退の場合はスライド用のモータMが逆方向に回転するだけで、実質的に前述と同様である。
つぎに図13a〜cを参照して、ウォークイン作動について説明する。ウォークイン作動(ウォークイン・モード)とは、図13aに示すように、シート12の後席に乗客が乗り込むとき、シート12のバック16を前倒してウォークインスイッチを操作すると、シート12が自動的に最前端FMまで移動し、つぎにバック16を起こしてウォークイン戻りスイッチを操作すると自動的に元の位置までシート12が後退して再びロックして停止する作動モードである。このようなウォークイン作動自体は従来公知である。
図13aの電動スライドシートは、このようなモードを実現するため、前述のスライド装置、ロック装置およびコントローラに加えて、シート12が前倒れ状態か、起立状態かを検出するためのセンサ、ウォークイン動作を指令するウォークインスイッチ、および元の位置を記憶するメモリーを備えている。また、コントローラ内にそのようなモードを実現するプログラムを格納している。センサとして、リミットスイッチLS1などが用いられ、バック16のヒンジ近辺に設ける。ウォークインスイッチは、後部座席に乗り込む乗客が操作しやすい位置、たとえばバック16の背面あるいはシート12の後部に設けられている。ウォークイン動作は次の順序で行われる。
[前進操作]はじめにロックフォークが係止孔に入っているロック状態(S20)が維持されている。このとき、シート位置をメモリーに記憶させている。そしてバックが前倒しにされると(S21)、ウォークインスイッチLS1が作動し(S22)、その信号に基づいてまず電磁クラッチがオンになり(S23)、ロックが解除され(S24)、その状態がソレノイドアクチュエータによって保持される。さらにスライド装置のモータが作動し(S25)、シート12が前端FMまで移動する(S26)。ついで前端FMまで移動すると、前述のランディング制御(図11参照)が行われ、ロック装置13によってロック状態に戻り、電磁クラッチが切られる。
[戻り操作]前述のようにシート12が前端FMにあってバック16が前倒れしている状態(S27)から、バック16を起こすと(S28)、ウォークインスイッチLS1が作動し(S29)、その信号に基づいて電磁クラッチが入り(S30)、ロック装置がロック解除を行なう(S31、S32)。そしてロックが解除されると共に、スライド装置によりシートが後退し始める(S33)。そして記憶していた元の位置のいくらか前の位置で、前述のランディング制御が行われ、元の位置でロックフォークの爪が係止孔に入り込んでロックされ(S34)、シートが停止する。ついで電磁クラッチがオフになり(S35)、スライド装置のモータが停止し、スライド操作が完了する(S37)。
上記のようにシート12が停止するときにランディング制御を行うので、シート12はスムーズに停止し、確実にその位置にロックされる。また、記憶していたシートの位置に取るため、移動したシート12に座る乗客は、再度シート位置を調節する必要がない。なお、メモリーによるシート位置の記憶は、ウォークイン動作以外の自動位置調節に用いられる。たとえば常時使用者の好みの位置を記憶させておき、特定のスイッチで自動的にその位置に位置調節するように構成することができる。常時使用者が複数の場合は、たとえばテン・キー(ナンバーキー)などで位置を設定するように構成することもできる。
前記電動スライドシートの実施の形態では、スライドアクチュエータ13aをシート12の下面に取りつけて、ケーブルの端部をレール11に係止しているが、特許文献1のように、スライドアクチュエータ13aを自動車の床面に取りつけて、ケーブルの端部あるいは途中をシート12に係止するようにしてもよい。その場合でも、ロック装置は前述の場合と同様の作用効果を奏する。
本発明の電動スライドシートの一実施形態を示す概略側面図である。 その電動スライドシートの全体を示す平面図である。 その電動スライドシートの要部正面図である。 その電動スライドシートの要部側面図である。 その電動スライドシートにおけるスライド駆動装置の要部平面図である。 図5のVI-VI線断面図である。 本発明に関わる電動式ロック装置の正面図である。 その電動式ロック装置のアクチュエータの平面図である。 図1の電動スライドシートの作用を示す工程図である。 図1の電動スライドシートのコントローラを示す平面図である。 図1の電動スライドシートのランディング制御の一実施形態を示すフローチャートである。 図1の電動スライドシートの通常モードを示すタイミングチャートである。 図1の電動スライドシートのウォークインモードの一実施形態を示すフローチャートである。
符号の説明
10 電動スライドシート
11 レール
11a ガイド溝
12 シート
12a 支持ベース
12b プレート
12c クッション
13 スライド装置
13a スライドアクチュエータ
14 ロック装置
14a ロック解除アクチュエータ
16 バック
17 ローラ
18 スライダ
18a 凹部
20 レバー
20a ピン
20b 長孔
20c 当接片
21 リターンスプリング
22 ロックフォーク
22a 係合ピン
24 爪
25 係止孔
31 前進用ケーブル
32 後退用ケーブル
33 前側のプーリ
34 後ろ側のプーリ
35、36 導管
37 ブラケット
37a 軸
38 手動操作レバー
38a 当接部
38b 同調操作ケーブル
40 ハウジング
M モータ
G 減速機
C 電磁クラッチ
41 第1ギヤ
42 第2ギヤ
43 駆動ギヤ
44 ドラムギヤ
45 ドラム
PU パルス発生器
47 ロック機構
48 ケーブル
48a 索端金具(エンドガイド側)
48b 索端金具(ドラム側)
50 エンドガイド
51 スライドガイド
52 導管
60 ハウジング
M2 モータ
G2 減速歯車列
61 シャフト
62 ドラム
62a 孔
63 ストッパ機構
64 出力軸
65 ピニオン
66 大径ギヤ
67 小径ギヤ
68 セクタギヤ
69 当接片
69a ストッパピン
70 角柱部
71 隙間
72 シャフト
74 ピン
75 係合レバー
76 バネ
76a 係止ピン
77 ソレノイドアクチュエータ
78 第1アーム
79 第2アーム
79a 長穴
80 係合段部
81 操作片
81a ストッパピン
82 作動片
82a ピン
83 傾斜面

Claims (4)

  1. 係止孔の列が断続的に形成されているレールと、
    そのレールにスライド自在に設けられるシートと、
    そのシートをレールに沿って電気駆動によって往復駆動するスライド装置と、
    前記シートに、レールの係止孔に挿入されるロック位置と抜き出されるロック解除位置との間で移動自在に設けられるロック部材と、
    そのロック部材をロック位置側に付勢するリターンスプリングと、
    前記ロック部材をリターンスプリングの付勢力に抗してロック解除位置側に駆動する電気駆動によるロック解除アクチュエータと、
    シートを停止させるとき、ロック部材が係止しようとする係止孔の手前に来たときに前記ロック解除アクチュエータの作動を停止してロック部材をロック側に移動させ、さらにシートのスライドを継続してロック部材が係止孔に入ったときにスライド装置を停止させる停止制御機構
    とを備えている電動スライドシート。
  2. 前記シートの現在の位置を検出する位置検出機構と、前記シートの固定すべき位置を記憶する記憶手段とを有し、
    前記停止制御機構が、前記位置検出機構により検出されたシートの位置と記憶手段の固定すべき位置とが合致する前で、かつ、所定の範囲に入ったときにロック解除アクチュエータの作動を停止させるものである、請求項1記載の電動スライドシート。
  3. 前記スライド装置のモータを停止させる手動スイッチと、前記シートの現在の位置を検出する位置検出機構とを有し、
    前記停止制御機構が、手動スイッチからの停止信号が入ったとき、位置検出機構からの信号に基づいてロック部材と最も近い係止孔の位置関係を計算し、両者の間隔が所定範囲内にあるとき、直ちにスライド駆動装置のモータを停止させず、係止部材がその係止孔を越えたとき、ロック解除アクチュエータの作動を停止させるものである、請求項1記載の電動スライドシート。
  4. 前記スライド装置が、シートの移動に伴ってパルスを発生するパルス発生器を備えており、
    前記位置検出機構がそのパルス発生器からのパルスをカウントしてシート位置を検出する請求項1記載の電動スライドシート。
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