JP2006051979A - 発泡体製容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通常の成形条件の範囲内で防水性能を付与したビーズ法型内成形によるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡体容器を提供することにある。
【解決手段】 ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる容器であって、少なくとも容器底面の内面または外面が、蒸気投入孔の開口面積が面積比で4.5%以上である金型面を有する金型によって発泡成形され、かつ、得られた成形体が、短径が1〜5mm幅の凸と、溝幅が1〜5mmで深さが0.3mm以上の凹とを有すことを特徴とする発泡体製容器。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる容器に関し、更に詳しくは、該容器に水を張った時に殆ど外部に漏洩しない容器であって、かつ長期使用や繰り返し使用が可能な発泡体製容器に関する。
従来から、ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、防水性に課題があった。即ち、ビーズ法型内成形法の代表格であるポリスチレン系樹脂発泡体製の容器は一般的に防水性があり、魚箱などの防水性能を必要とする用途で広く使用されているが、ポリオレフィン系樹脂発泡体は発泡粒子間に間隙が存在するため一般的には防水性がないとされている。これは、ポリスチレン系樹脂発泡体は予備発泡粒子中に溶解して残存する揮発性発泡剤が発泡成形時に比較的強い2次発泡力となっているのに対し、ポリオレフィン系樹脂発泡体の予備発泡粒子は予備発泡後の数時間で揮発性発泡剤が飛散して残存せず、発泡成形時の2次発泡力を得るために、予備発泡後に予備発泡粒子内に空気を含浸させたり、予備発泡粒子を圧縮して金型内に投入するなどして、比較的弱い2次発泡力を頼りとして発泡成形しているからである。
この点に鑑み、ポリオレフィン系樹脂発泡体に防水性を付与するため、過去に種々の工夫が試みられて来たが、それぞれが不充分であって、未だに課題が残されているのが現状である。例えば、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体にパラフィンワックス、シリコンオイル、流動パラフィン等の防水剤を塗布含浸させたもの(特許文献1)、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メチルポリシロキサン等の防水剤を塗布したもの(特許文献2)、塩素化ポリオレフィンとアクリル系単量体との共重合体を防水剤として被覆したもの(特許文献3)などがあるが、いずれも防水剤を別途必要としていることと塗布工程、乾燥工程が必要で経済的に高価なものになってしまうという問題がある。また、片側の金型加熱温度を予備発泡粒子の融点以上として、発泡体表面に薄い高密度のスキン層を形成する方法(特許文献4)があり、これは吸水性を目的としていないが、当然高密度のスキン層の形成は吸水性を改善する方法となるであろうが、残念ながら本方法においては高耐圧設備が必要とされ、一般的解決手段とはならない。
一般的なポリオレフィン系樹脂型内発泡成形条件および金型において、防水性を改善しようとした試みとして、金型内で加熱発泡が終了してもすぐに冷却せず、暫く放置してから冷却する、所謂、保熱工程を経る方法(特許文献5)があるが、確かに保熱工程中に発泡粒子間の間隙を埋める方向性にあるが、防水性能が十分であるとは言い切れず、ポリオレフィン系樹脂の種類でその効果に差があったり、他の成形工程の条件との関連で効果に大小があり、特に加熱条件が好適に設定されていなければ粒子間空隙減少の効果はあっても、十分な防水性能が確保されないことがある。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の防水を必要とする面に対応する金型の内面にステンレスフェルト、金属メッシュ(篩)、不織布などの通気性シート、燒結金属部材などの通気性多孔質面を設置することにより、その表面層にボイドがない成形面を得ることができ、結果として防水性能をもつ発泡成形品を得ることが出来たとの報告(特許文献6)がある。、金型の内面に通気性多孔質面を設置することは蒸気投入孔を遮蔽することになり開口面積が減じられ加熱が不充分になる要因であり、、さらに、発泡成形の原料となる予備発泡粒子には、発泡前の高圧熱水中での分散過程で使用した粉体状分散剤や輸送中の磨耗などで生じた樹脂の微細な破片などが混在しており、これらが金型の内面に通気性多孔質面があると、繰り返しの発泡成形で通常よりも早く目詰まりし、金型洗浄の頻度が極度に多くなり、かつ洗い落としが難しいという問題がある。
以上のごとく、ビーズ法型内成形法のポリオレフィン系樹脂発泡成形体は耐久性があり、繰り返しの使用に耐える素材であるが、ビーズ法発泡ポリスチレンのように、容易に防水性能を得る方法が見つかっていないのが現状である。
特公昭60−23784号公報 特開昭60−36253号公報 特開平06−172564号公報 特開平10−34753号公報 特公平03−7501号公報
上述したように、一般的にビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる容器は防水性が劣り、これに対して防水性塗料の被覆、高密度スキンの形成、加熱後の保熱や通気性多孔質面の導入など種々の考案がなされているが、それぞれに課題がある。本発明は、通常の成形条件の範囲内で防水性能を付与した発泡体容器を提供することにある。
本発明者は金型を含めて通常の成形条件の範囲内で防水性が付与できないものか鋭意検討の結果、本発明を完成するに至った。
本発明者は以上のような状況から、一般的にビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる容器の防水性の向上について検討した結果、水漏れの原因が特公平03−7501号公報に記載されているように成形体の表面および内部融着が不充分であることからくる表裏間にある三次元的に連続した空隙と、特開平06−198754号公報に記載されているように成形体の表面層にボイドが存在していることに起因しているものと考えた。
本発明のごとく、発泡体製容器の表面に適度な凹凸を設けることと、加熱蒸気の金型内への投入量を向上させることとを組み合わることにより、それぞれ単独では達成し得なかったビーズ法ポリオレフィン系樹脂発泡体に防水性能を付与することを可能とした。
即ち、本発明の第1は、ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる容器であって、少なくとも容器底面の内面または外面が、蒸気投入孔の開口面積が面積比で4.5%以上である金型面を有する金型によって発泡成形され、かつ、得られた成形体が、短径が1〜5mm幅の凸と、溝幅が1〜5mmで深さが0.3mm以上の凹とを有することを特徴とする発泡体製容器に関する。
好ましい実施態様としては、前記金型面に設けた蒸気投入孔にスリットタイプのコアベントを使用することを特徴とする請求項1に記載の発泡体製容器に関し、更に好ましい実施態様としては前記スリットタイプのコアベントの直径が4mm〜20mmで、スリット幅が0.4mm以上であることを特徴とする前記記載の発泡体製容器に関する。別の好ましい態様としては、ポリオレフィン系樹脂発泡体が、ポリプロピレン系樹脂発泡体であることを特徴とする前記記載の発泡体製容器。更に好ましい実施態様としては、前記ポリプロピレン系樹脂発泡体の密度が、0.018g/cm3以上0.3g/cm3以下であることを特徴とする前記記載の発泡体製容器に関する。
従来、ビーズ法型内成形によるポリオレフィン系樹脂発泡体は防水性能が劣るとされてきたが、本発明のごとく、発泡体製容器の表面に適度な凹凸を設けることと、加熱蒸気の金型内への投入量を大幅アップすることを組み合わることにより、それぞれ単独では達成し得なかったビーズ法ポリオレフィン系樹脂発泡体に防水性能を付与することを可能とした。また、防水性能を有するポリオレフィン系樹脂発泡体が得られれば、繰り返し使用できる魚箱などに応用可能となる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を示す。まず、発泡体製容器に防水性能を付与するために、少なくとも、容器底面の内面または外面を蒸気投入孔の開口面積が面積比で4.5%以上である金型面を有する金型によって発泡成形し、かつ、得られた成形体に、短径が1〜5mm幅の凸と、溝幅が1〜5mmで深さが0.3mm以上の凹とを有する。好ましくは、側面の底面寄りの部位で、防水性が必要とされる箇所についても、当該箇所において蒸気投入孔の開口面積が面積比で4.5%以上である金型面を有する金型によって発泡成形し、かつ、得られた成形体に1〜5mmの凸と、溝幅が1〜5mmで深さが0.3mm以上の凹とを付与することが好ましい。また、容器内面、容器外面いずれか片方にあるだけでも効果があるが、より防水効果を高めるために、内面および外面の両方に設けることが好ましい。
なお、本発明において、凸と凹の形状は、凸以外は凹となるものとする。
本発明の発泡体性容器には、その内面および/または外面に凹凸形状を設けるが、その形状は、予備発泡粒子の直径が概ね2〜8mm程度であることを考慮すると、発泡体製容器の内面および/または外面に付与された凸においてその形状の長径と短径とにおいて、凸は短径が1〜5mm幅であり、好ましくは1〜3mm幅である。予備発泡粒子の直径以下であれば、細かい程好ましい。凹の形状の溝幅と溝長において、凹はその溝幅が、1〜5mmであり、好ましくは1〜3mmである。
凹の深さは、平滑金型にて生ずるボイドの深さが0.3〜3mm程度であることを考慮すると、0.3mm以上であり、好ましくは1〜3mm程度である。ボイドの深さ以上で、深い程好ましい。予備発泡粒子が蒸気加熱により金型面上で2次発泡して成形体表面を形成する時に、平滑な金型面よりも凹凸のある金型面の方が伸張発泡せざるを得ず、この時平滑な金型面では予備発泡粒子の表面での2次発泡力不足による粒子間間隙(ボイド)が残るが、凹凸のある金型面では本来ボイドとなる部分が金型の凹部に入り込むことによってボイドがつぶされて消滅したものと推察する。
また、、凸の形状は、円形、三角形、四角形、多角形等どのような形状でも採用しうるが、発泡体表面で細かく無数に分散している状態が好ましい。発泡体製容器の立ち上がりの壁部に離型方向に交差する凹凸を設けることは、凸の高さ(凹の深さ)が大きいと離型抵抗となり発泡成形できない可能性がある。このような場合、壁部には離型方向に平行な条溝を設けてもよく、それでも防水性付与効果を得ることが出来る。
本発明においては、発泡体製容器に凹凸を付与するために、成形時の金型に凹凸を設ける。金型に凹凸を付与する方法にはいろいろあり、特に限定はないが、切削加工であればNC加工(数値制御加工)、エンドミル加工、レーザー加工などの切削加工や鋳物の場合には、例えば本発明の凹凸が形成できる金網を選定し、これを挟んで真空成形したプラスチックシートを木型に張り付け、これを砂/バインダーにより固めて作製した砂型で鋳造する方法(転写メッシュ)などの鋳造による方法、金網など多孔質製材料そのものを金型とする方法などが挙げられるが、中でも、切削加工を行うことが、凹凸の角がシャープにすることが出来、発泡体表面の伸張が大きくなり好ましい。
本発明においては、蒸気投入孔の開口面積が、対金型面積比で4.5%以上となるように蒸気投入孔を設ければよく、投入孔の種類や形状を限定するものではないが、投入孔の種類や開口部の形状の検討した結果、蒸気投入孔にスリットタイプのコアベントを一部或いは全てに使用することが、金型強度や作業性の面から好ましい
前記スリットタイプのコアベントの直径は、好ましくは4mm〜20mmで、スリット幅が0.4mm以上であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子は2次発泡力が弱いので、金型内での蒸気加熱条件は重要なファクターである。特開平06−198754号公報で、通気性多孔質面により均一な蒸気加熱が図れたとの説明があるが、本発明では通気性多孔質面を採用せずに通常の成形方法で防水性能を確保しようと試みており、均一な蒸気加熱が図れなくても蒸気投入量の大幅アップにより加熱不足部分をなくすことができないか検討した。
その結果、一般的に金型内への加熱蒸気の投入は金型面にスリットタイプやレンコンタイプのコアベント、錐穴および切削スリットを設け、その開口部から実施され、その金型面に対する開口部の面積比率は概ね、1.5〜3.0%程度であるが、これを4.5%以上とすること、好ましくは6.0%以上とすることと、上述した金型面に凹凸を設けることが組み合わされると、防水性能を所有するポリオレフィン系樹脂発泡体製容器が得られることが分かった。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、ペンテン、へプテン、オクテンなどの炭素数2〜8のαオレフィンモノマーやノルボルネン系などの環状オレフィンモノマーを単独または2種以上を重合した樹脂かこれを主成分として含有する樹脂を指すが、ビーズ法型内発泡成形向けにすでに汎用化した樹脂である、ポりエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン改質ポリオレフィン樹脂などの予備発泡粒子による発泡体が好適に使用できる。スチレン改質ポリオレフィン樹脂は、オレフィン含量が50%以上であると発泡体表面にボイドが出来やすい傾向があるので、本発明の適用において効果がある。
ポリプロピレン系樹脂には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ブテン−プロピレンのランダムまたはブロック共重合体、ブテン−エチレン−プロピレンのランダムまたはブロック共重合体などがあるがこれらの架橋樹脂でも良い。中でも、エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂が性能、コストにおいて好ましい。さらには、エチレンのプロピレンに対する含有量が1〜5重量%のポリプロピレン系樹脂が硬質で粘り強い性能が見込まれ、予備発泡性、成形性の点で好適である。
上記ポリオレフィン系樹脂の内、汎用性、剛性、耐久性または廃棄処分の観点から、好ましい樹脂は、ポリプロピレン系樹脂である。ポリプロピレン系樹脂発泡体の密度は0.018g/cm3以上0.3g/cm3以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.025g/cm3以上0.25g/cm3以下である。当該範囲内であると性能・経済性から良く、0.018g/cm3より小さいと、容器としては剛性が不足する場合がある。密度が高いほど剛性があり容器としては良い方向にあるが、0.3g/cm3を超えては、容器が重い、或いは、経済性がよくない場合がある。
本発明におけるビーズ法型内成型法とは、予備発泡粒子(発泡ビーズ)を所望の形状を有した金型内に充填し、蒸気で加熱し、2次発泡させて粒子間の空隙を埋め、粒子を相互に融着させた後、冷却して成形する方法のことである。ここで言う原料となる予備発泡粒子は、例えば、ポリオレフィン系樹脂の場合はラージペレットを押出機のスクリュウで加熱混練しながら糸状に押出し、これをカットしてスモールペレットを得、次に、密閉耐圧容器内で水系媒体に分散剤により分散させ、揮発性発泡剤を加え、ペレットの軟化温度以上の発泡温度にまで加熱し、前記密閉耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気下に放出して得ることができる。
また、スチレン改質ポリオレフィン樹脂であれば、含有するポリスチレンにブタンなどの発泡性揮発剤を相溶させ、かつ残存させることが可能で、ビーズ法発泡スチレン(EPS)と同じく予備発泡機内で、原料粒子に蒸気を通ずるだけで予備発泡粒子を得ることが出来る。
以上のように、本発明の容器は、ビーズ法型内成形法によって得られるポリスチレン樹脂発泡体からなる容器と比較すると、長期使用や繰り返し使用に耐えることが可能な発泡体製容器であって省資源化も期待できる。本発明のビーズ法ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡体製容器は、繰り返し使用できる魚箱、活魚の水槽、水および温湯などの貯水タンクあるいは植物栽培容器など幅広く使用が可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)蒸気投入孔
普通に使用されている蒸気投入孔は、スリットタイプおよびレンコンタイプのコアベントや切削スリット、およびコアベントの補助で時々使用される錐穴である。各形状の蒸気投入孔に対して、その開孔面積等を表1に掲載した。いずれの形状でも、金型に対して4.5%以上の開口比率を確保することが可能であるが、スリツトタイプのコアベントが、金型制作上最適な蒸気投入孔である。
Figure 2006051979
(2)発泡体製容器の評価
(テスト容器金型の製作)
本発明の効果を確認するために、以下の4水準を評価できる4面取り(4成形品が同時に成形される)のテスト容器金型を作製した。
得られる発泡成形体の内寸を4面とも、長さ×幅×深さ=38×24×14cmとし、肉厚は全面2cmとした。
まず、本発明の凹凸形状を設けることで防水性能がいかに向上するかを確認するため、通常の金型面が平滑な金型(実験例1〜5)1面と本発明の発泡成形体に転写される凹凸形状を持つ金型(実験例6〜10)、いずれも蒸気投入孔はスリットタイプのコアベント(図1)を採用、かつ蒸気投入量UPに有利なスリット幅0.5mmを採用した。さらに、スリット幅の影響を見るために、水準2でスリット幅を0.4mmとした金型(実験例11〜15)とスリット幅を0.3mmとした金型(実験例16〜20)を作製した。
Figure 2006051979
これら4水準の金型に対して同じスリット幅を持つコアベントを均等に分散されるよう同一ルールにて配置し追加して、蒸気投入量を増加させて行った。
1)凹凸形状
凸部が2×2mm幅、凹部を幅1mm、深さ1mmとなるよう凹凸形状を設定し、線径が1mm、開口部が2×2mmの金網を使って、真空成形法により、塩化ビニールシートに模様を転写した。深さ1mmは成形時の離型障害にはならないと判断し、実験例6〜20のテスト容器金型作製用木型の内面および外面(容器の頂部は除く。図2)の全面に、模様転写した塩ビシートを張り付け、砂で固めた後、木型を脱型して砂型とし、アルミを鋳型してテスト容器金型を作製した。実験例1〜5の金型は転写模様なしで作製した。
2)スリットタイプコアベント配置
図3で説明すると、4×4=16cm2の金型エリアにおいて、実験例1,6,11,16は共通して、10mmφのスリットタイプのコアベントを4隅に配置した。図2の他の実験例では、10mmφのコアベントを1ケ分ずつ増加させた時の配置を示す。実験例5,10,15,20では、実験例4,9,14,19に対してそれぞれ4mmφのコアベントを4ケ追加した。スリット幅は各水準同一幅のものを使用している。各実験例の対金型面積に対する開口比率を、表1で計算した各スリットタイプのコアベントの開口面積×個数と、設定した金型エリア16cm2と対比から計算した。
(ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の準備と発泡成形)
発泡成形に供する本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体として、エチレン分3.2wt%含有のエチレン−プロピレンランダムコポリマーによる発泡体を採用した。まず該ランダムコポリマーのラージペレットを押出機のスクリュウで加熱混練しながら糸状に押出し、これをカットしてスモールペレットを得、次に、密閉耐圧容器内で水系媒体に分散剤により分散させ、揮発性発泡剤を加え、ペレットの軟化温度以上の発泡温度にまで加熱し、前記密閉耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気下に放出して発泡倍率20倍予備発泡粒子を得た。
予備発泡粒子に発泡成形機の金型内での二次発泡力を確保するために、上述の20倍予備発泡粒子を空気加圧タンクに投入し、8kg/cm2の空気圧力で1.0Hr空気含浸処理した。次に、無数のセル内に空気が含浸された予備発泡粒子を、開閉可能な上述したテスト容器金型内で発泡成形する。まず金型を閉じ、該金型の空間部に該予備発泡粒子を充填し、金型周囲に設置された蒸気室から金型表面に配置されたスリットタイプのコアベントから蒸気を金型内に投入し、発泡させて充填粒子間にあった空隙部を埋め粒子どうしを溶融固着させ、冷却後金型を開として、離型工程で金型から取り出し、その後乾燥室で養生させて、実験例1、6、11、16のテスト容器を得た。このテスト容器の発泡体の密度は0.045g/cm3で、発泡倍率は20倍であった。
その後、蒸気投入量を変更するため、金型面にコアベントを追加して、他の実験例用のテスト容器を得た。
(防水性能試験)
各容器に10000gの水を投入し、水性の赤インクを滴下し、揮発分が誤差とならないように蓋の代わりとしてラップフィルムで封じ、g単位で秤量した。24時間放置後の漏水量を秤量測定した結果を表2に示す。
(防水性能評価)
表2から、水準1の通常の平滑金型では蒸気投入量を大幅アップ(実験例5/開口比率7.6%)しても漏水を止めることが出来なかったが、実験例8〜10、14〜15のように、開口面積比が4.5%以上であることと、かつ金型表面に凹凸を付与することを併用する本発明によれば、蒸気開口比率が概ね4.5%あたりで大幅な改善がみられ、6.0%では完全に止水されていた。
10mmφスリットタイプのコアベント斜視図 本発明による凹凸を施し、蒸気量を大幅UPした発泡体製容器 スリットタイプコアベント配置(蒸気投入量UP)
符号の説明
1 10mmφスリットタイプのコアベント
2 スリット
3 防水性能テスト用容器
4 頂部
5 凹凸形状
6 10mmφスリットタイプのコアベント
7 10mmφスリットタイプのコアベント
8 4mmφスリットタイプのコアベント

Claims (5)

  1. ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる容器であって、少なくとも容器底面の内面または外面が、蒸気投入孔の開口面積が面積比で4.5%以上である金型面を有する金型によって発泡成形され、かつ、得られた成形体が、短径が1〜5mm幅の凸と、溝幅が1〜5mmで深さが0.3mm以上の凹とを有することを特徴とする発泡体製容器。
  2. 前記金型面に設けた蒸気投入孔にスリットタイプのコアベントを使用することを特徴とする請求項1に記載の発泡体製容器。
  3. 前記スリットタイプのコアベントの直径が4mm〜20mmで、スリット幅が0.4mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の発泡体製容器。
  4. ポリオレフィン系樹脂発泡体が、ポリプロピレン系樹脂発泡体であることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の発泡体製容器。
  5. 前記ポリプロピレン系樹脂発泡体の密度が、0.018g/cm3以上0.3g/cm3以下であることを特徴とする請求項4記載の発泡体製容器。
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