JP2013144733A - ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、断熱性(保温性・保冷性)に優れたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供する。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が、コモノマーとして1−ブテンおよび/またはエチレンを含み、かつ、融点125℃以上155℃以下のポリプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂とし、かつ、以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすことを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。(a)低温側融解熱量(Ql)領域と高温側融解熱量(Qh)領域の2つの領域を有し、高温側融解熱量の比率{Qh/(Ql+Qh)}×100)(%)が10%以上30%以下である。(b)DSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下の間に極大値を有する。(c)平均気泡径が0.05mm以上0.4mm以下。(d)プロピレン系樹脂発泡粒子の粒重量が0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体および、その製造方法に関するものである。
熱可塑性樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、型内発泡成形体の長所である形状の任意性、緩衝性、軽量性、断熱性などの特徴を有し、箱、緩衝包材、断熱材、自動車部材など様々な用途に用いられている。
このような中でも、特に断熱性に優れた型内発泡成形体としては、ポリスチレン系樹脂発泡粒子からなる、魚箱や、建築用断熱材などが知られている。
ポリスチレン系樹脂発泡粒子からなる型内発泡成形体が優れた断熱性を有する理由としては、熱伝導率の低い(断熱性に優れた)有機系ガスを発泡粒子内に保持している点や、型内発泡成形した際のポリスチレン系樹脂発泡粒子どうしの融着性が非常に優れており、発泡粒子間の間隙が少なく、その結果、発泡粒子間の間隙を通した熱の流入や流出が抑制される点などが挙げられる。
しかし、ポリスチレン系樹脂発泡粒子からなる型内発泡成形体(魚箱や断熱材など)は、輸送中に落とすと割れやすい、衝突や圧力により凹みやすい、といった強度的な問題を抱えている。
一方、強度的に優れると共に断熱性を有する型内発泡成形体としては、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる通い箱(例えば弁当運搬用通い箱)や、建築用断熱材が知られている。
しかし、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、ガス透過性が大きいという性質を有していることから基本的には熱伝導率の低い(断熱性に優れた)有機系ガスを発泡粒子内に保持させることが不可能である。また、従来のポリプロピレン系樹脂発泡粒子では、型内発泡成形した場合の融着性がポリスチレン系樹脂発泡粒子に比べると非常に低いものであり、発泡粒子間の間隙が大きくなる。これらの結果から、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、発泡粒子間の間隙を通した熱の流入や流出を十分抑制することが困難である。
このように、従来のポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、断熱性(保温性・保冷性)の観点からは十分とは言いがたく、改善の余地が残されるものであった。
熱可塑性樹脂発泡成形体の断熱性を向上させる技術としては、上記のような熱伝導率の低い有機系ガスを熱可塑性樹脂発泡成形体に保持させる方法以外に、輻射抑制剤を樹脂中に含有させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、熱伝導率の低い有機系ガスや輻射抑制剤を含有させる方法以外の技術により、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の断熱性を向上させる方法は知られていない。
特開2005−146017号公報
本発明の目的は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、断熱性(保温性・保冷性)に優れたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供することであり、特に、保温性・保冷性に優れた食品用通い箱を提供することである。
本発明は、上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、特定のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いることにより、断熱性に優れたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、次の要件からなる。
〔1〕 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が、
コモノマーとして1−ブテンおよび/またはエチレンを含み、かつ、融点125℃以上155℃以下のポリプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂とし、
かつ、以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすことを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
(a)10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量(Ql)領域と高温側融解熱量(Qh)領域の2つの領域を有し、高温側融解熱量の比率{Qh/(Ql+Qh)}×100)(%)が10%以上30%以下である。
(b)20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下の間に極大値を有する。
(c)平均気泡径が0.05mm以上0.4mm以下である。
(d)粒重量が0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下である。
〔2〕 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子100重量%中、輻射抑制剤が0.1重量%以上20重量%以下含まれることを特徴とする、〔1〕記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
〔3〕 輻射抑制剤が、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、〔1〕あるいは〔2〕記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
〔4〕 ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、平板であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
〔5〕 ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、箱型であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
〔6〕 ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、食品用通い箱であることを特徴とする、〔5〕記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
また、本発明は、次の用件からなる製造方法にも関する。
〔7〕 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型に充填した後、加熱して、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得るポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法であって、
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が、
コモノマーとしてブテン−1および/またはエチレンを含み、且つ融点125℃以上155℃以下のポリプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を、水および無機ガスと共に耐圧容器中に収容した後、
攪拌条件下に分散させると共に、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化点温度以上に昇温した後、耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に耐圧容器中の分散液を放出してポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させる、一段発泡工程を少なくとも含む発泡工程により得られ、
かつ、以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすものであることを特徴とする、
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
(a)10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量(Ql)領域と高温側融解熱量(Qh)領域の2つの領域を有し、高温側融解熱量の比率{Qh/(Ql+Qh)}×100)(%)が10%以上30%以下である。
(b)20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下の間に極大値を有する。
(c)平均気泡径が0.05mm以上0.4mm以下である。
(d)粒重量が0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下である。
〔8〕 一段発泡工程で得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を更に大きくする二段発泡工程を含むことを特徴とする、〔7〕記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
〔9〕 一段発泡工程が、加熱水蒸気で加温している圧力域に分散液を放出することを特徴とする、〔7〕または〔8〕記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、従来よりも断熱性(保温性・保冷性)に優れており、耐衝撃性や耐久性にも優れることから、特に食品用通い箱や建築用断熱材として好適に用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂の融点を求めるために、示差走査熱量測定(DSC)において、ポリプロピレン系樹脂粒子を10℃/分の昇温速度での40℃から220℃まで昇温し、次に10℃/分の降温速度での220℃から40℃まで降温し、そして10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで2回目の昇温操作を行い、該2回目の昇温時のDSC曲線の一例である。 本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の、10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)より得られるDSC曲線の一例である。横軸は温度、縦軸は吸熱量である。低温側の融解熱量ピークと線分ADおよび線分CDの破線で囲まれる部分がQl、高温側の融解熱量ピークと線分BDおよび線分CDの破線で囲まれる部分がQhである。 本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の、20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)より得られるDSC曲線の微分曲線の一例である。曲線Aが本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関し、曲線Bが従来のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関する。 本発明の箱型発泡成形体の本体を示す一例である(蓋体は示さず)。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、コモノマーとして1−ブテンおよび/またはエチレンを含むポリプロピレン系ランダム共重合体である。
ただし、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、1−ブテンやエチレン以外のコモノマーを含んでいても良い。
このようなコモノマーとしては、例えば、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィンが挙げられる。更にはシクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエンなどが、挙げられる。
本発明においては、ポリプロピレン系ランダム共重合体の中でも、良好な発泡性の観点から、プロピレン/エチレン/1−ブテンランダム共重合体、プロピレン/エチレンランダム共重合体が好ましい。
更に、これらプロピレン/エチレン/1−ブテンランダム共重合体、プロピレン/エチレンランダム共重合体においては、ポリプロピレン系樹脂100重量%中、プロピレンからなる構造単位が90重量%以上99.8重量%以下、1−ブテンおよび/またはエチレンからなる構造単位が0.2重量%以上10重量%以下であることが好ましく、プロピレンからなる構造単位が92重量%以上99重量%以下、1−ブテンおよび/またはエチレンからなる構造単位が1重量%以上8重量%以下であることがより好ましい。
プロピレンからなる構造単位が99.8重量%を超え、1−ブテンおよび/またはエチレンからなる構造単位が0.2重量%未満では、型内発泡成形する際の成形加熱蒸気圧力が高くなる傾向がある。プロピレンからなる構造単位が90重量%未満で、1−ブテンおよび/またはエチレンからなる構造単位が10重量%を超えると、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の寸法安定性が低下する傾向や圧縮強度が低下する傾向がある。
プロピレン/エチレン/1−ブテンランダム共重合体、プロピレン/エチレンランダム共重合体においては、1−ブテンからなる構造単位は、6重量%以下であることが好ましく、3重量%以上5重量%以下であることがより好ましい。
1−ブテンからなる構造単位が6重量%を超えると、ポリプロピレン系ランダム共重合体自体の剛性が弱くなり、圧縮強度等の実用剛性を満足しなくなる傾向がある。
プロピレン/エチレン/1−ブテンランダム共重合体、プロピレン/エチレンランダム共重合体においては、エチレンからなる構造単位は、0.2重量%以上4重量%以下であることが好ましく、0.2重量%以上3.5重量%以下であることがより好ましい。
エチレンからなる構造単位が0.2重量%未満では、型内発泡成形する際の成形加熱蒸気圧力が高くなる傾向があり、4重量%を超えると、圧縮強度等の実用剛性に耐えなくなる傾向がある。
本発明のポリプロピレン系樹脂を重合する際の触媒としては、特に制限は無く、チーグラーナッタ系重合触媒やメタロセン系重合触媒などを用いることができる。
本発明で用いられるポリプロピレン系ランダム共重合体の融点は、125℃以上155℃以下であることが好ましく、130℃以上150℃以下であることがより好ましく、135℃以上148℃以下であることがさらに好ましい。
ポリプロピレン系ランダム共重合体の融点が125℃未満では、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の寸法安定性が低下する傾向があり、融点が155℃を超えると、型内発泡成形する際の成形加熱蒸気圧力が高くなる傾向がある。
本発明のポリプロピレン系ランダム共重合体は、必要に応じて、後述する輻射抑制剤やその他の添加剤を含有していてもよい。このような場合、輻射抑制剤やその他の添加剤を含んだポリプロピレン系ランダム共重合体の融点を、本発明におけるポリプロピレン系ランダム共重合体の融点とする。
ここで、ポリプロピレン系ランダム共重合体の融点の測定は、示差走査熱量計DSC[例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、次のように行う。
すなわち、ポリプロピレン系ランダム共重合体樹脂5〜6mgを、10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温して樹脂を融解し、その後10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、再度10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温し、このような一連の温度履歴を与えた時に得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度を融点とする(図1中のTm)。
本発明で用いられるポリプロピレン系ランダム共重合体のメルトフローレート(以降、「MFR」と称する。)としては、特に制限は無いが、0.5g/10分以上100g/10分以下が好ましく、2g/10分以上50g/10分以下がより好ましく、3g/10分以上20g/10分以下がさらに好ましい。
ポリプロピレン系ランダム共重合体のMFRが上記範囲にあると、比較的大きな発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子が得られやすく、それを型内発泡成形して得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面美麗性が優れ、寸法収縮率が小さいものを得ることができる。
ここで、MFRの値は、JIS−K7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定した時の値である。
なお、ポリプロピレン系ランダム共重合体が後述する輻射抑制剤やその他の添加剤を含有する場合は、輻射抑制剤やその他の添加剤を含んだポリプロピレン系ランダム共重合体のMFRを、本発明におけるポリプロピレン系ランダム共重合体のMFRとする。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、上述したポリプロピレン系ランダム共重合体をポリプロピレン系樹脂粒子に加工した後、発泡させることで得ることができる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂粒子は、例えば、ポリプロピレン系ランダム共重合体を押出機、ニーダー、バンバリミキサー、ロール等を用いて溶融し、例えばストランド状に押出し、冷却前あるいは冷却後に、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状に成形加工されて、ポリプロピレン系樹脂粒子となる。
本発明においては、ポリプロピレン系ランダム共重合体の他に、輻射抑制剤、酸化防止剤、耐光性改良剤、帯電防止剤、着色剤、難燃性改良剤、導電性改良剤等の添加剤を必要により加えて、ポリプロピレン系樹脂粒子としても良い。その場合は、これらの添加剤は、通常、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造過程において溶融した樹脂中に添加することが好ましい。
また、後述する発泡剤として炭酸ガス、空気や水を用いる場合には、発泡性を向上させることのできる無機造核剤および/または吸水物質を添加することが好ましい。
なお、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂粒子の融点を前述した示差走査熱量計を用いて測定することにより、その融点を、本発明のポリプロピレン系ランダム共重合体の融点とすることが可能である。
本発明で用いられる輻射抑制剤は、輻射による熱伝導を抑制する物質であれば、特に制限はなく、例えば、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、酸化チタン、硫酸バリウム、などが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、複数を組み合わせて用いても良い。
これらのうちでも、輻射抑制効果の観点からは、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、酸化チタンが好ましく、カーボンブラック、活性炭がより好ましい。
本発明で用いられるカーボンブラックとしては、特に制限がなく、着色用カーボンブラック、導電性カーボンブラックなどを用いることができる。
本発明で用いられる活性炭としては特に制限はないが、樹脂への分散性の観点から、粉末状の活性炭であることが好ましい。具体的には、粒子径が0.1μm以上150μm以下であり、BET比表面積が500m/g以上2000m/g以下である粉末状の活性炭が、好適に用いられる。
本発明における輻射抑制剤の含有量は、特に制限はないが、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量%中、0.1重量%以上20重量%以下となるよう添加することが好ましい。輻射抑制剤の添加量が0.1重量%未満では、輻射抑制効果が小さくなる傾向があり、20重量%を超えると、発泡倍率を高くし難くなる傾向がある。
本発明で用いられる無機造核剤は、発泡の起点となる気泡核の形成を促し、発泡倍率の向上に寄与すると共に、均一な気泡形成にも寄与する。無機造核剤としては、例えば、タルク、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
本発明における無機造核剤の含有量は、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量%中、0.005重量%以上0.5重量%以下となるよう添加することが好ましい。
本発明で用いられる吸水物質とは、当該物質をポリプロピレン系樹脂粒子中に添加し、該ポリプロピレン系樹脂粒子を水と接触させる或いは水分散系で発泡剤含浸をする際に、ポリプロピレン系樹脂粒子内に水を含有させうる物質をいう。
吸水物質としては、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硼砂、硼酸亜鉛等の水溶性無機物、ポリエチレングリコール、ポリエーテルを親水性セグメントとした特殊ブロック型ポリマー[三洋化成(株)製、商品名:ペレスタット]、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、ブタジエン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシル化ニトリルゴムのアルカリ金属塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩及びポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩等の親水性ポリマー、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、イソシアヌル酸等の多価アルコール類、メラミン等が挙げられる。
本発明における吸水物質の含有量は、目的とする発泡倍率、使用する発泡剤、使用する吸水物質の種類によって異なり一概に記載することはできないが、水溶性無機物、多価アルコール類を使用する場合、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量%中、0.01重量%以上2重量%以下であることが好ましく、親水性ポリマーを使用する場合、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量%中、0.05重量%以上5重量%以下であることが好ましい。
本発明において着色剤の添加に制限はなく、着色剤を添加せずにナチュラル色とすることもできるし、青、赤、黒など着色剤を添加して所望の色とすることもできる。
着色剤としては、例えば、ペリレン系有機顔料、アゾ系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂粒子と水を含んでなる分散液を耐圧容器中に収容した後、攪拌条件下に分散させると共に、発泡剤の存在下、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化点温度以上に昇温し、次いで耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に耐圧容器中の分散液を放出して、ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させ製造することができる。なお、この工程を「一段発泡工程」と称する場合があり、この工程で得られるポリプロピレン系樹脂粒子を「一段発泡粒子」と称する場合がある。
より具体的には、例えば、次の方法が挙げられる。
(1)耐圧容器内に、ポリプロピレン系樹脂粒子および水系分散媒、必要に応じて分散剤等を仕込んだ後、必要に応じて、密閉容器内を真空引きした後、1MPa(ゲージ圧)以上2MPa以下(ゲージ圧)の発泡剤を導入し、ポリプロピレン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱する。加熱することによって、密閉容器内の圧力が約2MPa(ゲージ圧)以上5MPa以下(ゲージ圧)まで上がる。必要に応じて、発泡温度付近にて、さらに発泡剤を追加して所望の発泡圧力に調整、さらに温度調整を行った後、必要に応じて該発泡圧力および温度で所定時間保持し、次いで、密閉容器の内圧よりも低い圧力域に放出することにより、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
(2)耐圧容器にポリプロピレン系樹脂粒子、水系分散媒、必要に応じて分散剤等を仕込んだ後、必要に応じて密閉容器内を真空引きした後、ポリプロピレン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱しながら、発泡剤を導入してもよい。
(3)耐圧容器にポリプロピレン系樹脂粒子、水系分散媒、必要に応じて分散剤等を仕込んだ後、発泡温度付近まで加熱し、さらに発泡剤を導入し、発泡温度とし、密閉容器の内圧よりも低い圧力域に放出してポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることもできる。
なお、低圧域に放出する前に、炭酸ガス、窒素、空気あるいは発泡剤として用いた物質を圧入することにより、耐圧容器内の内圧を高め、発泡時の圧力開放速度を調節し、更には、低圧域への放出中にも炭酸ガス、窒素、空気あるいは発泡剤として用いた物質を耐圧容器内に導入して圧力を制御することにより、発泡倍率の調整を行うこともできる。
ここで、耐圧容器の内圧よりも低い圧力域としては、大気圧であることが好ましい。この場合、設備が複雑なものとならず、また、低圧域の特別な圧力調節も不要となる。
前記低い圧力域の温度としては、常温でもかまわないし、常温よりも高温に設定しておいても良い。常温よりも高温に設定する方法としては、加熱水蒸気で加温しておく方法、などが挙げられる。
加熱水蒸気で加温している圧力域に分散液を放出して、ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させ製造する場合、後述するように、得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子のDSC曲線の微分曲線中に極大値が発現しやすく、好ましい態様の一つである。
このような観点から、加温する温度としては、60℃以上120℃以下が好ましく、70℃以上115℃以下がより好ましい。
なお、軟化点温度以上に昇温する際、ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−20℃以上、ポリプロピレン系樹脂粒子の融点+10℃以下の範囲の温度に昇温することが、発泡性を確保する上で好ましい。
本発明に使用される発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロブタン等の脂肪式環化水素類;空気、窒素、炭酸ガス、水等の無機ガス;等が挙げられる。これらの発泡剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上併用してもよい。
これらのうちでも、無機ガスを用いることが好ましく、炭酸ガス、空気、水を用いることが特に好ましい。
本発明における発泡剤の使用量は特に限定はなく、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の所望の発泡倍率に応じて適宣使用すれば良い。発泡剤の使用量は、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して3重量部以上60重量部以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子製造時に使用する耐圧容器には特に制限はなく、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子製造時における容器内圧力、容器内温度に耐えられるものであればよく、例えばオートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
本発明では、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子製造時の分散液の分散性を高め、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子どうしの凝着を防ぐ観点から無機分散剤を用いることが好ましい。
このような無機分散剤としては、例えば、第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、アルミノ珪酸塩、カオリン、硫酸バリウム等が挙げられる。
本発明においてはより分散性を高めるために分散助剤を併用することが好ましい。このような分散助剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、無機分散剤と分散助剤の組み合わせとしては、第三リン酸カルシウムとアルキルスルホン酸ナトリウムの組み合わせが好ましい。
本発明における無機分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して、無機分散剤0.2重量部以上3重量部以下であることが好ましく、分散助剤0.001重量部以上0.1重量部以下であることが好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20重量部以上100重量部以下で使用するのが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率は、特に制限が無いが、3倍以上50倍以下であることが好ましく、7倍以上45倍以下であることがより好ましい。
ここで、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm)を測定し、発泡粒子の真比重ρb=w/vを求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度ρrとの比から、発泡倍率K=ρr/ρbを算出した値である。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩密度は、特に制限が無いが、10g/L以上180g/L以下であることが好ましく、12g/L以上78g/L以下であることがより好ましい。
ここで、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の嵩密度は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を容器に静かに投入して満たした後、容器中のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の重量を測定し、これを容器の容量で除して、g/L単位で表したものである。
ところで、一段発泡粒子は、製造する際の発泡剤の種類にも依るが、発泡倍率が10倍に達しない場合がある。更には、一段発泡粒子の昇温速度20℃/分でのDSC曲線の微分曲線(後述)における105℃以上120℃以下に、微分曲線の極大値が現れない場合もある。
このような場合には、一段発泡粒子に、無機ガス(例えば、空気、窒素、炭酸ガス等)を含浸して内圧を付与した後、特定の圧力の水蒸気と接触させることにより、一段発泡粒子よりも発泡倍率が向上した発泡粒子としたり、昇温速度20℃/分でのDSC曲線の微分曲線における105℃以上120℃以下に、極大値を有する本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
このように、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子をさらに発泡させてより発泡倍率の高いポリプロピレン系樹脂発泡粒子とする工程を、「二段発泡工程」と称する場合がある。
二段発泡工程を経ることにより、DSC曲線の微分曲線における105℃以上120℃以下に、極大値を有する本発明の発泡粒子を得やすくなる。このような二段発泡工程を経て得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、「二段発泡粒子」と称する場合がある。
本発明において、二段発泡工程における水蒸気の圧力は、昇温速度20℃/分でのDSC曲線の微分曲線中における105℃以上120℃以下に、極大値を有する二段発泡粒子を得る際に非常に重要である。
そのため、二段発泡工程における水蒸気の圧力は、二段発泡粒子の発泡倍率を考慮した上で、0.04MPa(ゲージ圧)以上0.25MPa(ゲージ圧)以下に調整することが好ましく、0.05MPa(ゲージ圧)以上0.15MPa(ゲージ圧)以下に調製することがより好ましい。
二段発泡工程における水蒸気の圧力が0.04MPa(ゲージ圧)未満では、微分曲線中に極大値を発現しない場合があり、0.25MPa(ゲージ圧)を超えると、微分曲線中に極大値は発現するものの、得られる二段発泡粒子同士が合着してブロッキングしてしまい、その後の型内発泡成形に供することができなくなる傾向がある。
一段発泡粒子に含浸する空気の内圧は、二段発泡粒子の発泡倍率および二段発泡工程の水蒸気圧力を考慮して適宜変化させることが望ましいが、0.2MPa以上(絶対圧)0.6MPa以下(絶対圧)であることが好ましい。
一段発泡粒子に含浸する空気の内圧が0.2MPa(絶対圧)未満では、発泡倍率を向上させるために高い圧力の水蒸気が必要となり、二段発泡粒子がブロッキングする傾向にある。一段発泡粒子に含浸する空気の内圧が0.6MPa(絶対圧)を超えると、所望の発泡倍率を得るための水蒸気圧力が低くなり、微分曲線中に極大値を有さない二段発泡粒子となる傾向がある。
このように、一段発泡工程に比べ、二段発泡工程のように、2回以上の発泡工程を経て得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、昇温速度20℃/分でのDSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下の間に極大値を有するため、本発明において好ましい態様である。
なお、一段発泡工程にて敢えて低い発泡倍率の一段発泡粒子を得ておき、次いで、二段発泡工程により、所望の発泡倍率を有し、かつ、DSC曲線の微分曲線において105℃以上120℃以下の間に極大値を有する二段発泡粒子としてもかまわない。
本発明における二段発泡粒子の嵩密度としては、10g/L以上45g/L以下のものを用いることが好ましい。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の表面に付着した無機分散剤量は、2000ppm以下が好ましく、1300ppm以下がより好ましく、800ppm以下がさらに好ましい。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の表面に付着した無機分散剤量が2000ppmを超えると、型内発泡成形する際の融着性が低下する傾向にある。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量(Ql)領域と高温側融解熱量(Qh)領域の2つの領域を有し、高温側融解熱量の比率{Qh/(Ql+Qh)}×100)(%)(以下、「高温熱量比」と称する場合がある)が、10%以上30%以下であることが好ましく、12%以上28%未満であることがより好ましい。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の高温熱量比が10%未満では、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が連泡化しやすくなることにより、断熱性が低下する傾向があり、また、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が収縮しやすくなる傾向がある。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の高温熱量比が30%を超えると、型内発泡成形する際のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡性の悪化に伴い融着性が低下し、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を構成するポリプロピレン系樹脂発泡粒子間の間隙が大きくなり、断熱性が低下する傾向にある。
ここで、示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線における全融解熱量(Q)、低温側融解熱量(Ql)および高温側融解熱量(Qh)は、図2に示すように、次のように定義される。
全融解熱量(Q)とは、得られるDSC曲線において、低温側融解熱が開始する温度100℃での吸熱量(点A)から、高温側融解が終了する温度での吸熱量(点B)を結ぶ線分ABを引き、線分ABとDSC曲線で囲まれた部分である。
さらに、DSC曲線の低温側融解熱量および高温側融解熱量の2つの融解熱量領域の間の最も吸熱量が小さくなる点を点Cとし、点Cから線分ABへ垂直に上げて交わる点をDとした時、線分ADと線分CDとDSC曲線で囲まれた部分が、低温側融解熱量(Ql)であり、線分BDと線分CDとDSC曲線で囲まれた部分が高温側融解熱量(Qh)である。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の高温側融解熱量Qhとしては、特に制限が無いが、4J/g以上40J/g以下が好ましく、7J/g以上30J/g以下がより好ましく、7J/g以上19J/g以下がさらに好ましい。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の高温側融解熱量Qhが4J/g未満では、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が連泡化しやすくなる傾向があり、40J/gを超えると、発泡倍率が大きくなり難い傾向となる。
なお、高温熱量比や高温側融解熱量は、例えば、一段発泡工程における昇温後から発泡までの保持時間(概ね発泡温度に達した後から発泡するまでの保持時間)、発泡温度(発泡時の温度)、発泡圧力(発泡時の圧力)等により適宜調整することができる。
一般的には、保持時間を長くする、発泡温度を低くする、発泡圧力を低くすることにより、高温熱量比あるいは高温側融解熱量が大きくなる傾向がある。
以上のことから、保持時間、発泡温度、発泡圧力を系統的に適宜変化させた実験を何回か試行することにより、所望の高温熱量比や高温側融解ピーク熱量となる条件を容易に見出すことができる。なお、発泡圧力の調節は、発泡剤の量により調節することできる。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下の間に極大値を有する。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡粒子のDSC曲線の微分曲線は、図3の曲線Aに示すように、前記低温側融解熱量領域に、極大値(点E)を有している。
なお、極大値(点E)は、ポリプロピレン系樹脂(発泡)粒子にかかる熱履歴温度を示し、型内成形体を得る成形加熱蒸気圧力に大きく影響するものである。
本発明のおける微分曲線の極大値を示す温度は、105℃以上120℃以下であることが好ましく、110℃以上115℃以下であることがより好ましい。微分曲線での極大値を示す温度が当該温度範囲の場合には、型内発泡する際に型内発泡成形体内部まで加熱水蒸気がよく浸透し、その結果、成形加熱蒸気圧力が低くても、型内発泡成形体表面はもとより内部でもポリプロピレン系樹脂発泡粒子どうしがお互いに強固に融着するものと考えている。
微分曲線での極大値を示す温度が105℃未満の場合、または、極大値が存在しない場合、型内発泡する際の加熱水蒸気の浸透性が不十分となりやすく、得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体において目視では判別しにくいものの、小さなボイドを発生しやすいと推測しており、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を構成するポリプロピレン系樹脂発泡粒子間の間隙数が増えたり、間隙自体が大きくなり、その結果、発泡粒子間の間隙を通した熱の流入や流出を十分抑制することが困難となり、断熱性が低下する傾向となると推測される。そして、この問題を解消するためには、高い成形加熱蒸気圧力が必要となる傾向がある。
一方、微分曲線での極大値を示す温度が120℃を超える場合、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子中のセル膜が破泡し、得られる成形体の収縮率が大きく、大きなシワを発生し、良好な成形体を得ることができない傾向がある。また、極大値を示す温度が120℃を超えるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ようとすると、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子どうしが合着してしまう(アグロメレーション)傾向もある。
本発明における、昇温速度20℃/分でのDSC曲線の微分曲線における105℃以上120℃以下の間に極大値を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、例えば、次のような方法のいずれか一つ、または、複数を組み合わせによって、容易に得ることができる。
(1)一旦、ポリプロプレン系樹脂発泡粒子を得た後、無機ガス(例えば、空気、窒素、炭酸ガス等)を含浸して内圧を付与した後、特定の圧力の水蒸気と接触させるといった、少なくとも2回の発泡工程を経る方法(前記一段発泡工程の後に二段発泡工程を行う方法)、
(2)一段発泡工程において、ポリプロピレン系樹脂粒子を、加熱水蒸気中などの加温低圧域に発泡させる方法(前記一段発泡工程において、耐圧容器内の分散液を加熱水蒸気で加温している低圧域に放出させる方法)、
(3)ポリプロピレン系樹脂粒子100重量%中、グリセリン、ポリエチレングリコール、炭素数が10以上25以下の脂肪酸のグリセリンエステルよりなる群、或いは、メラミン、イソアヌル酸等の吸水性物質、から選ばれる少なくとも1種の親水性化合物を0.01重量%以上5重量%以下含ませておく方法。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の平均気泡径は、0.05mm以上0.4mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の平均気泡径が0.05mm未満では、断熱性の向上は見られにくく、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面の外観が不良となる傾向があり、0.4mmを超えると、断熱性が低下する傾向にある。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の粒重量は、0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下であることが好ましく、0.7mg/粒以上1.2mg/粒以下であることがより好ましい。
なお、粒重量が0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下であるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂粒子の粒重量を0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下とすることにより、容易に得ることができる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂粒子は、前述したとおり、一旦溶融した樹脂をストランド状に押出し、冷却前あるいは冷却後に、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状に成形加工することで得られるが、粒重量が0.5mg/粒未満にする場合、粒重量のばらつきが大きくなり、発泡倍率ばらつきの大きなポリプロピレン系樹脂発泡粒子となる傾向がある。粒重量が1.8mg/粒を超えると、型内発泡成形する際に、発泡粒子間の間隙が大きくなり、型内発泡成形の断熱性が低下する傾向にある。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体とするが、型内発泡成形方法としては、例えば、
イ)ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を無機ガス、例えば空気や窒素、炭酸ガス等で加圧処理してポリプロピレン系樹脂発泡粒子内に無機ガスを含浸させ所定のポリプロピレン系樹脂発泡粒子内圧を付与した後、金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法、
ロ)ポリプロピレン系樹脂発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の回復力を利用して、水蒸気で加熱融着させる方法、
ハ)特に前処理することなくポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法、などの方法が利用し得る。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いてポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得る方法の具体例としては、例えば、
予めポリプロピレン系樹脂発泡粒子を耐圧容器内で空気加圧し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子中に空気を圧入することにより内圧(発泡能)を付与した後、これを2つの金型からなる閉鎖しうるが密閉し得ない成形空間内に充填し、水蒸気などを加熱媒体として0.1MPa以上0.4MPa以下(ゲージ圧)程度の加熱水蒸気圧下で3秒以上60秒以下程度の加熱時間で成形し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子同士を融着させた後、金型を水冷により型内発泡成形体取り出し後のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の変形が抑制される程度まで冷却した後、金型を開き、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得る方法などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の内圧は、例えば耐圧容器内で、1時間以上48時間以下、室温以上80℃以下の温度条件下、空気、窒素等の無機ガスによって0.1MPa以上1.0MPa(ゲージ圧)以下に加圧することによって調整できる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の密度は、特に制限がないが、10g/L以上180g/L以下が好ましく、12g/L以上65g/L以下がより好ましい。
ここで、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が箱型である場合の密度は、箱の底部および4つの立ち壁部のそれぞれ中央付近から直方体にサンプルを切り出し、縦、横、厚みの寸法の積からサンプル体積を算出し、サンプル重量をサンプル体積で除し、各サンプルの密度を算出した後平均し、g/L単位で表した。
なお、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が箱型(通い箱)である場合の一例を、図4に示すが、開口部形状や外形形状については特に制限はない。図4には、上方から見た開口部形状として長方形の形状の例を示しているが、これに制限されるものではなく、三角形 長方形以外の四角形、円形、楕円形、多角形などいかなる開口部形状であっても良く、開口部より底に向かって形状が変化するものであっても構わない。
また、図4には、上方から見た外形形状として長方形の形状の例を示しているが、これに制限されるものではなく、三角形 長方形以外の四角形、円形、楕円形、多角形などいかなる外形形状であっても良い。
さらに、図4には示していないが、箱形(通い箱)型内発泡成形体には、輸送する品物を仕切るための仕切り部材を通い箱内部に設ける、該仕切り部材を固定するために通い箱立ち壁部や底に溝や山を設ける、等の加工が施されていても構わない。
なお、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が箱型である場合には、箱本体に対応する蓋体を設けても良い。箱本体と蓋体との合わせ方に制限はなく、箱本体と蓋体とを嵌合させる方法、蓋体を箱本体に落とし込む方法など、どのような手段でも構わない。
本発明の(通い)箱は、種々の品物を輸送するために用いられる(通い)箱であって、輸送する品物について具体的には、食品、工具、電気製品、ガラス基盤、薬品、化粧品、各種部品などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
ただし、本発明の(通い)箱は、断熱性(保温性・保冷性)に優れた通い箱となることから、食品用通い箱、薬品用通い箱、化粧品用通い箱であることが好ましく、食品用通い箱であることが最も好ましい。
以下、実施例および比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例において、使用した物質は、以下のとおりであるが、特に精製等は行っていない。
●ポリプロピレン系樹脂:表1に示すポリプロピレン系樹脂[プライムポリマー(株)製]
●ポリエチレングリコール:ライオン(株)製(平均分子量300)
●メラミン:日産化学(株)製
●カーボンブラック:ティムカル製、エンサコ350G(ジブチルフタレート吸収量320cm/100g、BET比表面積770m/g)
●活性炭:Nuchar製、SN[粒子径:100メッシュ(150μm)パス95〜100%、200メッシュ(75μm)パス85〜95%、325メッシュ(45μm)パス65〜85%、BET比表面積1500m/g]
●タルク:林化成(株)製、タルカンパウダーPK−S
なお、実施例および比較例における評価は、次の方法により行なった。
(共重合組成の定量)
ポリプロピレン系樹脂(約1g)に、キシレン50gを加えて120℃で加熱溶解し、高温遠心分離(国産遠心機製、H175)を用いて、12000rpm×30分の条件にて、不溶分と可溶分に分別した。得られた可溶分を冷却後、遠心分離(12000rpm×30分)により、不溶分を得た。
得られた不溶分50mgに、オルトジクロロベンゼン−dを0.4g加え、100℃で加熱溶融させて、98℃にて13C−MNR測定[VARIAN製、INOVA AS600]を行い、プロピレン、ブテン、エチレンの共重合組成の定量を行った。
(ポリプロピレン系樹脂の融点測定)
融点の測定は、示差走査熱量計DSC[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、得られたポリプロピレン系樹脂粒子5〜6mgを、10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温して樹脂粒子を融解し、その後10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度として求められる値である。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の平均気泡径)
両刃カミソリ[フェザー製、ハイステンレス両刃]を用いて、気泡膜(セル膜)が破壊されないように充分注意して、発泡粒子のほぼ中央を切断し、その切断面を、マイクロスコープ[キーエンス社製、VHX−100]を用いて、倍率100倍にて観察した。得られた画像において、表層部を除く部分に長さ1000μmに相当する線分を引き、該線分が通る気泡数nを測定し、気泡径を1000/n(μm)で算出した。同様のことを、10個の発泡粒子で行い、それぞれ算出した気泡径の平均値を、平均気泡径とした。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の粒重量)
ポリプロピレン系樹脂粒子100粒を任意に選び出して重量を測定し、1粒当たりの粒重量を算出した。ポリプロピレン系樹脂粒子の粒重量を、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の粒重量とした。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率)
得られた発泡粒子3g以上10g以下程度を取り、60℃で6時間乾燥した後、23℃、湿度50%の恒温恒湿室内で状態調節し、重量w(g)を測定後、エタノール水没法にて体積v(cm)を測定し、発泡粒子の真比重ρb=w/vを求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度ρrとの比から、発泡倍率K=ρr/ρbを算出した。
なお、以下に示す実施例および比較例においては、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度ρrは、いずれも0.9g/cmとした。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の高温側融解熱量の比率の算出)
高温側融解熱量の比率の測定は、示差走査熱量計DSC[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子5〜6mgを10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られるDSC曲線(図2参照)から、算出した。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子のDSC曲線の微分曲線の極大値の読み取り)
DSC曲線の微分曲線の極大値の算出は、示差走査熱量計DSC[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子5〜6mgを20℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られるDSC曲線を微分処理した曲線(図3参照)において、その極大値になる時点の温度を読み取った。
(平板発泡成形体の型内発泡成形条件)
ポリプロピレン発泡成形機[ダイセン株式会社製、KD345]を用い、縦430mm×横300mm×厚み60mmのブロック金型に、予め発泡粒子内部の空気圧力が0.2MPa(絶対圧)になるように調整したポリプロピレン系樹脂二段発泡粒子を充填し、まず0.1MPa(ゲージ圧)の水蒸気で金型内の空気を追い出し、その後、成形加熱蒸気圧0.30MPa(ゲージ圧)の水蒸気を用いて10秒間加熱成形させることにより、縦430mm×横300mm×厚み60mmの平板型内発泡成形体を得た。
得られた平板型内発泡成形体を23℃で1時間放置した後、75℃の恒温室内で3時間養生乾燥を行い、再び23℃で3日間放置した後、密度・熱伝導率の評価を行った。
(平板発泡成形体の密度)
得られた平板発泡成形体の縦方向430mmの両端面を均等に切り落とし、縦の寸法を300mmとし、次いで、厚み方向60mmの両端面を均等に切り落とし、厚み寸法を50mmとすることにより、縦300mm×横300mm×厚み50mmの密度測定用試験片を得た。
得られた密度測定用試験片の縦、横、厚みの寸法を、ノギスを用いて測定して、試験片の体積Vを求め、更に重量Wを測定して、W/Vにより算出した。
(平板発泡成形体の熱伝導率)
平板発泡成形体の密度測定用試験片作製と同様にして、縦300mm×横300mm×厚み50mmの熱伝導率測定用試験片を作製した。
得られた熱伝導率測定用試験片の熱伝導率を、熱伝導率測定装置[英弘精機株式会社製、オートΛ HC−074]を使用し、JIS A1412−2:1999に準拠して測定した。
(箱型発泡成形体の型内発泡成形条件)
ポリオレフィン発泡成形機[東洋機械金属株式会社製、P150N]を用い、箱型形状成形体が得られる金型に、予めポリプロピレン系樹脂発泡粒子内部の空気圧力が0.2MPa(絶対圧)になるように調整したポリプロピレン系樹脂二段発泡粒子を充填し、成形加熱蒸気圧0.30MPa(ゲージ圧)とし、厚み方向に10%圧縮して加熱成形させることにより、箱型[内寸法として長辺400mm×短辺200mm×高さ100mm、厚み30mm]のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体(通い箱成形体=内容積8L)を得た。
得られた通い箱成形体は1時間23℃で放置した後、75℃の恒温室内で3時間養生乾燥を行い、再び23℃で3日間放置した後、融着率・保温性の評価を行った。
(箱型発泡成形体の融着率評価)
通い箱型内発泡成形体の立ち壁部に、カッターナイフを用いて、厚み方向に約3mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部から立ち壁部を破断し、破断面を観察して、破断面を構成するポリプロピレン系樹脂発泡粒子数に対する破壊されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の割合を求め、融着率とした。
(箱型発泡成形体の保温性)
23℃の恒温室内で、箱型発泡成形体に温度80℃の温水8Lを満たし、直ぐに箱型発泡成形体開口部に、上述した平板発泡成形体の型内発泡成形条件にて別途作製した平板発泡成形体(縦430mm×横300mm×厚み60mm)を載せて、蓋をした。
23℃の恒温室内で、温水を満たした蓋付き箱形発泡成形体を10時間放置した後、温水の温度を測定して、次の基準で保温性の評価を行った。
○:10時間後の温水の温度が、55℃を超え、65℃以下である。
×:10時間後の温水の温度が、55℃以下である。
(実施例1)
<ポリプロピレン系樹脂粒子の作製>
1−ブテン含量3.8wt%およびエチレン含量0.5wt%のポリプロピレン系樹脂[プライムポリマー(株)製]に、ポリエチレングリコールと無機造核剤としてのタルクを添加・混合した。得られた混合物を、2軸押出機[(株)オーエヌ機械製、TEK45]を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後ストランド状に押出し、得られたストランドを水冷後、切断してポリプロピレン系樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。ポリプロピレン系樹脂粒子の融点は148℃であった。
なお、ポリエチレングリコールとタルクは、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量%中、それぞれ0.5重量%、0.2重量%となるように添加した。
<ポリプロピレン系樹脂一段発泡粒子の作製>
内容量10Lの耐圧容器中に、得られたポリプロピレン系樹脂粒子100重量部、分散剤としてのパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム2重量部および分散助剤としてのn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.05重量部を含む水系分散媒300重量部、ならびに発泡剤として炭酸ガス7.5重量部を仕込み、攪拌しながら、表1に示す発泡温度まで昇温し、10分間保持した後、炭酸ガスを追加圧入して、表1に示す発泡圧力に調整し、30分間保持した。
その後、炭酸ガスを圧入しながら容器内温、圧力を一定に保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて、水系分散媒を開孔径3.6mmφのオリフィス板を通して、非密閉系(大気圧下)の筒状容器内に放出することにより、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(一段発泡粒子)を得た。なお、筒状容器内は加温しなかった。
<ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(二段発泡粒子)の作製>
得られた一段発泡粒子を80℃にて6時間乾燥させた後、耐圧容器内にて、加圧空気を含浸させて、内圧を0.37MPa(絶対圧)にした後、0.08MPa(ゲージ圧)の水蒸気と接触させることにより、二段発泡させた。
得られた二段発泡粒子に関して、発泡倍率、高温側融解熱量の比率の算出、DSC曲線の微分曲線の極大値の有無、極大値の温度の読み取りを行った。その結果を、表1に示す。
<ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の作製>
得られた二段発泡粒子を用いて、平板発泡成形体を作製して、成形体密度と熱伝導率を測定した。また、得られた二段発泡粒子を用いて、箱型発泡成形体を作製して、保温性を評価した。
その結果を、表1に示す。
(実施例2〜12)
ポリプロピレン系樹脂の種類、添加剤の配合、一段発泡条件、二段発泡条件などを、それぞれ表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、ポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
但し、実施例9では、表1に示す条件で、二段発泡と三段発泡を行った。
また、実施例10では、一段発泡粒子の作製工程において、水系分散媒を放出する際、非密閉系の筒状容器内に100℃の水蒸気を吹き込み(導入し)続けた。そして、二段発泡は行わなかった。
Figure 2013144733
(比較例1〜8)
ポリプロピレン系樹脂の種類、添加剤の配合、一段発泡条件、二段発泡条件などをそれぞれ表2のようにしたこと以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。
その結果を、表2に示す。
但し、比較例8では、一段発泡粒子の作製工程において、水系分散媒を放出する際、非密閉系の筒状容器内に50℃の温水をシャワーリング(導入)した。そして、二段発泡は行わなかった。
Figure 2013144733
比較例1では、箱型発泡成形体が収縮傾向であり、表面にシワが入っていた。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が連泡傾向にあり、保温性が低下したと推測される。
比較例2では、高温熱量比が大きく、型内発泡成形する際のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡性が悪化して融着性が低下し、型内発泡成形体を構成するポリプロピレン系樹脂発泡粒子間の間隙が大きくなり、断熱性が低下したと推測される。
比較例3では、二段発泡粒子は粒子間で凝集したアグロメ状態になり、成形できなかった。
比較例4では、得られた箱型発泡成形体の立ち壁部を破断して観察したところ、融着不良部分が広く見られ、成形時に加熱水蒸気が十分浸透していない状況であった。このため、箱型発泡成形体を構成するポリプロピレン系樹脂発泡粒子どうしの間隙が大きく、保温性が低下したと推測される。
比較例5では、型内発泡成形する際の成形加熱蒸気圧0.30MPa(ゲージ圧)では圧力が低すぎるため発泡粒子が融着せず、型内発泡成形体を得ることができなかった。
比較例8では、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子のDSC曲線の微分曲線の極大値は101℃であり、目視では分かりにくい小さなボイドが多数存在し、保温性が低下したものと推測される。
Tm 融点
Ql 低温側融解熱量
Qh 高温側融解熱量
E DSC曲線の微分曲線での極大点
本発明では、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、断熱性(保温性・保冷性)に優れたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供し、特に、保温性・保冷性に優れた食品用通い箱を提供することができる。

Claims (9)

  1. ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、ポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、
    ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が、
    コモノマーとして1−ブテンおよび/またはエチレンを含み、かつ、融点125℃以上155℃以下のポリプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂とし、
    かつ、以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすことを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
    (a)10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量(Ql)領域と高温側融解熱量(Qh)領域の2つの領域を有し、高温側融解熱量の比率{Qh/(Ql+Qh)}×100)(%)が10%以上30%以下である。
    (b)20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下の間に極大値を有する。
    (c)平均気泡径が0.05mm以上0.4mm以下である。
    (d)粒重量が0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下である。
  2. ポリプロピレン系樹脂発泡粒子100重量%中、輻射抑制剤が0.1重量%以上20重量%以下含まれることを特徴とする、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  3. 輻射抑制剤が、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、酸化チタンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  4. ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、平板であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか一項記載のポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  5. ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、箱型であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか一項記載のポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  6. ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、食品用通い箱であることを特徴とする、請求項5記載のポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  7. ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型に充填した後、加熱して、ポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得るポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法であって、
    ポリプロピレン系樹脂発泡粒子が、
    コモノマーとしてブテン−1および/またはエチレンを含み、且つ融点125℃以上155℃以下のポリプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を、水および無機ガスと共に耐圧容器中に収容した後、
    攪拌条件下に分散させると共に、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化点温度以上に昇温した後、耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に耐圧容器中の分散液を放出してポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させる、一段発泡工程を少なくとも含む発泡工程により得られ、
    かつ、以下の(a)〜(d)の条件を全て満たすものであることを特徴とする、
    ポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
    (a)10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量(Ql)領域と高温側融解熱量(Qh)領域の2つの領域を有し、高温側融解熱量の比率{Qh/(Ql+Qh)}×100)(%)が10%以上30%以下である。
    (b)20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下の間に極大値を有する。
    (c)平均気泡径が0.05mm以上0.4mm以下である。
    (d)粒重量が0.5mg/粒以上1.8mg/粒以下である。
  8. 一段発泡工程で得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を更に大きくする二段発泡工程を含むことを特徴とする、請求項7記載のポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
  9. 一段発泡工程が、加熱水蒸気で加温している圧力域に分散液を放出することを特徴とする、請求項7または8記載のポリプロピレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
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